JPWO2019150501A1 - 摩擦材、摩擦材組成物及び摩擦部材 - Google Patents
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Abstract
銅を含まない、又は含んでいてもその含有量が、銅元素として0.5質量%以下の摩擦材であり、生体溶解性を有する無機繊維(X1)を5.0質量%以上10.0質量%未満含有する摩擦材、並びに、銅を含まない、又は含んでいてもその含有量が、銅元素として0.5質量%以下の摩擦材であり、酸化カルシウム及び酸化マグネシウムを含有する無機繊維(X2)を5.0質量%以上10.0質量%未満含有する摩擦材に関する。
Description
本発明は、摩擦材、摩擦材組成物及び摩擦部材に関する。
自動車等には、制動のためにディスクブレーキパッド、ブレーキライニング等の摩擦材が使用されている。これらの摩擦材は、相手材となるディスクロータ、ブレーキドラム等と摩擦することによって制動の役割を果たす。そのため摩擦材には、使用条件に応じた適切な摩擦係数(効き特性)が求められるだけではなく、ブレーキ鳴きが発生しにくいこと(鳴き特性)、摩擦材の寿命が長いこと(耐摩耗性)等が要求される。
摩擦材は繊維基材としてスチール繊維を30〜60質量%含有するセミメタリック材と、スチール繊維を30質量%未満含有するロースチール材と、スチール繊維を含有しないNAО(Non-Asbestos Organic)材に大別される。ただし、スチール繊維を微量に含有する摩擦材もNAО材に分類されることがある。
NAО材はスチール繊維を含有しないため、セミメタリック材及びロースチール材と比較して、相手材であるディスクロータへの攻撃性が低いという特徴がある。このような利点から、現在、日本、米国等では効き、鳴き及び耐摩耗性のバランスに優れるNAО材が主流となっている。一方、欧州では高速制動時の摩擦係数保持の観点からロースチール材が用いられることが多かったが、近年は市場の高級志向化に応えるべく、タイヤのホイール汚れ及びブレーキ鳴きが発生しにくいNAО材が用いられることが増えてきている。
NAO材は、粉末又は繊維の状態の銅を含有するものが一般的である。しかし、銅、銅合金等を含有する摩擦材は、制動時に発生する摩耗粉中に銅を含むため、河川、湖等を汚染する可能性が示唆されている。そのため、米国のカリフォルニア州、ワシントン州等では2021年以降は銅を5質量%以上、2023年以降は銅を0.5質量%以上含有する摩擦材の販売及び新車への組み付けを禁止する法案が可決されており、これに対応するため銅を含有しない、又は銅の含有量が少ないNAO材の開発が急務となっている。
銅の代表的な機能の1つ目として、熱伝導率の付与が挙げられる。銅は熱伝導率が高いため、制動時に発生した熱を摩擦界面から拡散させることで、過度の温度上昇による摩耗を抑制する。
銅の代表的な機能の2つ目として、高温制動時における摩擦界面の保護が挙げられる。
銅は延性及び展性が高いため、制動によって摩擦材表面に延びて被膜を形成する。その結果、高速高温制動時に摩擦材の摩耗を低減すると共に、安定した摩擦係数の発現が可能となる。また、銅の延展膜が研削材を保持しやすくなるので、低速低温制動域においても良好な摩擦係数を発現可能となる。
したがって、銅を含有しない、又は銅の含有量が少ないNAO材を開発するためには、上記のような熱伝導率の向上、界面保護及び研削材保持の観点から、銅代替技術が必要となる。
銅の代表的な機能の2つ目として、高温制動時における摩擦界面の保護が挙げられる。
銅は延性及び展性が高いため、制動によって摩擦材表面に延びて被膜を形成する。その結果、高速高温制動時に摩擦材の摩耗を低減すると共に、安定した摩擦係数の発現が可能となる。また、銅の延展膜が研削材を保持しやすくなるので、低速低温制動域においても良好な摩擦係数を発現可能となる。
したがって、銅を含有しない、又は銅の含有量が少ないNAO材を開発するためには、上記のような熱伝導率の向上、界面保護及び研削材保持の観点から、銅代替技術が必要となる。
このような動きの中、銅を含有しない、又は銅の含有量が少ない摩擦材について検討されている(例えば、特許文献1、2等)。
また、近年、上記の銅代替とは別の観点で重要な課題が発生している。それは、回生ブレーキに代表される制御ブレーキへの適合性である。従来の油圧ブレーキでは、ドライバーがブレーキペダルからの入力を微調整することで、車両の制動力を適時調整してきた。
しかし、制御ブレーキでは、制動の一部をシステム側が担うため、摩擦材が発現する摩擦係数が極端に変動してしまうと、制御に不具合が生じてしまう。例えば、摩擦係数が極端に低下すると、制動距離が長くなり過ぎて最悪の場合事故の原因となり得る。したがって、制御ブレーキの精度を高めるためには、摩擦材が発現する摩擦係数がいかなるときも安定していることが極めて重要である。
しかし、制御ブレーキでは、制動の一部をシステム側が担うため、摩擦材が発現する摩擦係数が極端に変動してしまうと、制御に不具合が生じてしまう。例えば、摩擦係数が極端に低下すると、制動距離が長くなり過ぎて最悪の場合事故の原因となり得る。したがって、制御ブレーキの精度を高めるためには、摩擦材が発現する摩擦係数がいかなるときも安定していることが極めて重要である。
摩擦係数が変動する代表例として、銅を含有しない摩擦材における低速低温制動域の摩擦係数低下が挙げられる。銅を含有しない摩擦材では、低速低温制動域においてディスクロータ表面に移着膜を形成し難く、研削材保持の効果を発現し難い。その結果、研削作用によるディスクロータへの攻撃性及びディスクロータ由来の鉄成分とディスクロータの間に生じるせん断抗力が低下するので、通常時に比べて摩擦係数が低下する傾向にある。その場合、上記のように、制動距離が長くなり、ブレーキ力が低下してしまうなどの不具合が生じ、ドライバーの快適性が損なわれてしまう。
また、低速低温制動における一制動中の摩擦係数変動率の増大も、摩擦係数が変動する代表例として挙げられる。銅を含有しない摩擦材では、制動時に発生した摩耗粉の排出性が低く、摩耗粉が摩擦材とディスクロータとの摩擦界面に堆積しやすい。その結果、摩擦界面での粉体抵抗が上がるため、摩擦係数の変動率が大きくなる。これにより、ブレーキをかけた停止際に鳴きが発生するなどの不具合が生じ、ドライバーの快適性が損なわれる。
このような観点から考えると、特許文献1及び2に開示されている技術は、銅の高い熱伝導率性及び高温潤滑性に着目した、高速高温制動時の摩擦特性の補完のみを課題とするものであり、低速低温制動域の摩擦係数の安定性及びその他の摩擦特性については考慮されていない。
そこで、本発明は、銅を含まない、又は含んでいてもその含有量が、銅元素として0.5質量%以下の環境有害性及び人体有害性が低い組成で、低速低温制動域における優れた摩擦係数の安定性と、通常制動域における優れた摩擦係数とを両立する摩擦材、摩擦材組成物、該摩擦材を用いた摩擦部材を提供することを目的とする。
本発明者は、上記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、特定の無機繊維を特定比率で含有させた摩擦材が、低速低温制動域の摩擦係数の安定性と、通常制動域の摩擦係数とを高度に両立するものとなることを見出した。すなわち、本発明は、下記[1]〜[21]に関する。
[1]銅を含まない、又は含んでいてもその含有量が、銅元素として0.5質量%以下の摩擦材であり、生体溶解性を有する無機繊維(X1)を、摩擦材全量100質量%に対して、5.0質量%以上10.0質量%未満含有する、摩擦材。
[2]前記無機繊維(X1)の平均繊維長が、100〜800μmである、上記[1]に記載の摩擦材。
[3]銅を含まない、又は含んでいてもその含有量が、銅元素として0.5質量%以下の摩擦材であり、酸化カルシウム及び酸化マグネシウムを含有する無機繊維(X2)を、摩擦材全量100質量%に対して、5.0質量%以上10.0質量%未満含有する、摩擦材。
[4]前記無機繊維(X2)中における、酸化カルシウムの含有量が15〜30質量%であり、酸化マグネシウムの含有量が3〜20質量%である、上記[3]に記載の摩擦材。
[5]前記無機繊維(X2)中における、酸化カルシウム及び酸化マグネシウムの総含有量が、18〜40質量%である、上記[3]又は[4]に記載の摩擦材。
[6]さらに、無機充填材として、平均粒子径が0.4〜2μmの珪酸ジルコニウムを、摩擦材全量100質量%に対して、4〜10質量%含有する、上記[1]〜[5]のいずれかに記載の摩擦材。
[7]さらに、無機充填材として、非針状であって平均粒子径が2〜50μmのチタン酸塩を、摩擦材全量100質量%に対して、15〜25質量%含有する、上記[1]〜[6]のいずれかに記載の摩擦材。
[8]さらに、無機充填材として、酸化ジルコニウムを、摩擦材全量100質量%に対して、10〜20質量%含有する、上記[1]〜[7]のいずれかに記載の摩擦材。
[9]さらに、無機充填材として、ウォラストナイトを、摩擦材全量100質量%に対して、2〜10質量%含有する、上記[1]〜[8]のいずれかに記載の摩擦材。
[10]金属粉を含まない、又は含んでいてもその含有量が、摩擦材全量100質量%に対して、0.5質量%以下である、上記[1]〜[9]のいずれかに記載の摩擦材。
[11]上記[1]〜[10]のいずれかに記載の摩擦材と裏金とを一体化してなる摩擦部材。
[12]銅を含まない、又は含んでいてもその含有量が、銅元素として0.5質量%以下の摩擦材組成物であり、生体溶解性を有する無機繊維(X1)を、摩擦材組成物全量100質量%に対して、5.0質量%以上10.0質量%未満含有する、摩擦材組成物。
[13]前記無機繊維(X1)の平均繊維長が、100〜800μmである、上記[12]に記載の摩擦材組成物。
[14]銅を含まない、又は含んでいてもその含有量が、銅元素として0.5質量%以下の摩擦材組成物であり、酸化カルシウム及び酸化マグネシウムを含有する無機繊維(X2)を、摩擦材組成物全量100質量%に対して、5.0質量%以上10.0質量%未満含有する、摩擦材組成物。
[15]前記無機繊維(X2)中における、酸化カルシウムの含有量が15〜30質量%であり、酸化マグネシウムの含有量が3〜20質量%である、上記[14]に記載の摩擦材組成物。
[16]前記無機繊維(X2)中における、酸化カルシウム及び酸化マグネシウムの総含有量が、18〜40質量%である、上記[14]又は[15]に記載の摩擦材組成物。
[17]さらに、無機充填材として、平均粒子径が0.4〜2μmの珪酸ジルコニウムを、摩擦材組成物全量100質量%に対して、4〜10質量%含有する、上記[12]〜[16]のいずれかに記載の摩擦材組成物。
[18]さらに、無機充填材として、非針状であって平均粒子径が2〜50μmのチタン酸塩を、摩擦材組成物全量100質量%に対して、15〜25質量%含有する、上記[12]〜[17]のいずれかに記載の摩擦材組成物。
[19]さらに、無機充填材として、酸化ジルコニウムを、摩擦材組成物全量100質量%に対して、10〜20質量%含有する、上記[12]〜[18]のいずれかに記載の摩擦材組成物。
[20]さらに、無機充填材として、ウォラストナイトを、摩擦材組成物全量100質量%に対して、2〜10質量%含有する、上記[12]〜[19]のいずれかに記載の摩擦材組成物。
[21]金属粉を含まない、又は含んでいてもその含有量が、摩擦材組成物全量100質量%に対して、0.5質量%以下である、上記[12]〜[20]のいずれかに記載の摩擦材組成物。
[1]銅を含まない、又は含んでいてもその含有量が、銅元素として0.5質量%以下の摩擦材であり、生体溶解性を有する無機繊維(X1)を、摩擦材全量100質量%に対して、5.0質量%以上10.0質量%未満含有する、摩擦材。
[2]前記無機繊維(X1)の平均繊維長が、100〜800μmである、上記[1]に記載の摩擦材。
[3]銅を含まない、又は含んでいてもその含有量が、銅元素として0.5質量%以下の摩擦材であり、酸化カルシウム及び酸化マグネシウムを含有する無機繊維(X2)を、摩擦材全量100質量%に対して、5.0質量%以上10.0質量%未満含有する、摩擦材。
[4]前記無機繊維(X2)中における、酸化カルシウムの含有量が15〜30質量%であり、酸化マグネシウムの含有量が3〜20質量%である、上記[3]に記載の摩擦材。
[5]前記無機繊維(X2)中における、酸化カルシウム及び酸化マグネシウムの総含有量が、18〜40質量%である、上記[3]又は[4]に記載の摩擦材。
[6]さらに、無機充填材として、平均粒子径が0.4〜2μmの珪酸ジルコニウムを、摩擦材全量100質量%に対して、4〜10質量%含有する、上記[1]〜[5]のいずれかに記載の摩擦材。
[7]さらに、無機充填材として、非針状であって平均粒子径が2〜50μmのチタン酸塩を、摩擦材全量100質量%に対して、15〜25質量%含有する、上記[1]〜[6]のいずれかに記載の摩擦材。
[8]さらに、無機充填材として、酸化ジルコニウムを、摩擦材全量100質量%に対して、10〜20質量%含有する、上記[1]〜[7]のいずれかに記載の摩擦材。
[9]さらに、無機充填材として、ウォラストナイトを、摩擦材全量100質量%に対して、2〜10質量%含有する、上記[1]〜[8]のいずれかに記載の摩擦材。
[10]金属粉を含まない、又は含んでいてもその含有量が、摩擦材全量100質量%に対して、0.5質量%以下である、上記[1]〜[9]のいずれかに記載の摩擦材。
[11]上記[1]〜[10]のいずれかに記載の摩擦材と裏金とを一体化してなる摩擦部材。
[12]銅を含まない、又は含んでいてもその含有量が、銅元素として0.5質量%以下の摩擦材組成物であり、生体溶解性を有する無機繊維(X1)を、摩擦材組成物全量100質量%に対して、5.0質量%以上10.0質量%未満含有する、摩擦材組成物。
[13]前記無機繊維(X1)の平均繊維長が、100〜800μmである、上記[12]に記載の摩擦材組成物。
[14]銅を含まない、又は含んでいてもその含有量が、銅元素として0.5質量%以下の摩擦材組成物であり、酸化カルシウム及び酸化マグネシウムを含有する無機繊維(X2)を、摩擦材組成物全量100質量%に対して、5.0質量%以上10.0質量%未満含有する、摩擦材組成物。
[15]前記無機繊維(X2)中における、酸化カルシウムの含有量が15〜30質量%であり、酸化マグネシウムの含有量が3〜20質量%である、上記[14]に記載の摩擦材組成物。
[16]前記無機繊維(X2)中における、酸化カルシウム及び酸化マグネシウムの総含有量が、18〜40質量%である、上記[14]又は[15]に記載の摩擦材組成物。
[17]さらに、無機充填材として、平均粒子径が0.4〜2μmの珪酸ジルコニウムを、摩擦材組成物全量100質量%に対して、4〜10質量%含有する、上記[12]〜[16]のいずれかに記載の摩擦材組成物。
[18]さらに、無機充填材として、非針状であって平均粒子径が2〜50μmのチタン酸塩を、摩擦材組成物全量100質量%に対して、15〜25質量%含有する、上記[12]〜[17]のいずれかに記載の摩擦材組成物。
[19]さらに、無機充填材として、酸化ジルコニウムを、摩擦材組成物全量100質量%に対して、10〜20質量%含有する、上記[12]〜[18]のいずれかに記載の摩擦材組成物。
[20]さらに、無機充填材として、ウォラストナイトを、摩擦材組成物全量100質量%に対して、2〜10質量%含有する、上記[12]〜[19]のいずれかに記載の摩擦材組成物。
[21]金属粉を含まない、又は含んでいてもその含有量が、摩擦材組成物全量100質量%に対して、0.5質量%以下である、上記[12]〜[20]のいずれかに記載の摩擦材組成物。
本発明によれば、銅を含まない、又は含んでいてもその含有量が、銅元素として0.5質量%以下の環境有害性及び人体有害性が低い組成で、低速低温制動域における優れた摩擦係数の安定性と、通常制動域における優れた摩擦係数とを両立する摩擦材、摩擦材組成物、該摩擦材を用いた摩擦部材を提供することができる。
以下、本実施形態の摩擦材、摩擦材組成物及び摩擦部材について詳述するが、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
なお、本実施形態の摩擦材及び摩擦材組成物は、アスベストを含有しないものであり、いわゆるノンアスベスト摩擦材及びノンアスベスト摩擦材組成物である。
なお、本実施形態の摩擦材及び摩擦材組成物は、アスベストを含有しないものであり、いわゆるノンアスベスト摩擦材及びノンアスベスト摩擦材組成物である。
[摩擦材及び摩擦部材]
本発明の第1実施形態に係る摩擦材は、銅を含まない、又は含んでいてもその含有量が、銅元素として0.5質量%以下の摩擦材であり、生体溶解性を有する無機繊維(X1)を、摩擦材全量100質量%に対して、5.0質量%以上10.0質量%未満含有する摩擦材である。
本発明の第2実施形態に係る摩擦材は、銅を含まない、又は含んでいてもその含有量が、銅元素として0.5質量%以下の摩擦材であり、酸化カルシウム及び酸化マグネシウムを含有する無機繊維(X2)を、摩擦材全量100質量%に対して、5.0質量%以上10.0質量%未満含有する摩擦材である。
なお、以下の説明において、単に「本実施形態の摩擦材」と称する場合、第1実施形態に係る摩擦材と第2実施形態に係る摩擦材の両者を指すものとする。
本発明の第1実施形態に係る摩擦材は、銅を含まない、又は含んでいてもその含有量が、銅元素として0.5質量%以下の摩擦材であり、生体溶解性を有する無機繊維(X1)を、摩擦材全量100質量%に対して、5.0質量%以上10.0質量%未満含有する摩擦材である。
本発明の第2実施形態に係る摩擦材は、銅を含まない、又は含んでいてもその含有量が、銅元素として0.5質量%以下の摩擦材であり、酸化カルシウム及び酸化マグネシウムを含有する無機繊維(X2)を、摩擦材全量100質量%に対して、5.0質量%以上10.0質量%未満含有する摩擦材である。
なお、以下の説明において、単に「本実施形態の摩擦材」と称する場合、第1実施形態に係る摩擦材と第2実施形態に係る摩擦材の両者を指すものとする。
本実施形態の摩擦材は、銅を含まない、又は含んでいてもその含有量が、銅元素として0.5質量%以下と極微量である。このため、本実施形態の摩擦材は、環境有害性及び人体有害性が低いものとなる。
なお、上記の「銅」とは、繊維状、粉末状等の銅;銅合金、銅化合物などに含まれる銅元素であり、「銅の含有量」は摩擦材全量100質量%に対する含有量を示す。
銅の含有量は、環境有害性及び人体有害性の観点から、摩擦材全量100質量%に対して、0.5質量%未満が好ましく、0.3質量%以下がより好ましく、0.1質量%以下がさらに好ましく、銅を含有しないことが特に好ましい。
なお、上記の「銅」とは、繊維状、粉末状等の銅;銅合金、銅化合物などに含まれる銅元素であり、「銅の含有量」は摩擦材全量100質量%に対する含有量を示す。
銅の含有量は、環境有害性及び人体有害性の観点から、摩擦材全量100質量%に対して、0.5質量%未満が好ましく、0.3質量%以下がより好ましく、0.1質量%以下がさらに好ましく、銅を含有しないことが特に好ましい。
<摩擦材の構成成分>
本実施形態の摩擦材は、繊維基材、無機充填材、有機充填材及び結合材からなる群から選択される1種以上を含有することが好ましい。
以下、本実施形態の摩擦材が含有する各成分について説明する。
本実施形態の摩擦材は、繊維基材、無機充填材、有機充填材及び結合材からなる群から選択される1種以上を含有することが好ましい。
以下、本実施形態の摩擦材が含有する各成分について説明する。
<繊維基材>
第1実施形態に係る摩擦材は、繊維基材として、生体溶解性を有する無機繊維(X1)(以下、単に「無機繊維(X1)」ともいう)を、摩擦材全量100質量%に対して、5.0質量%以上10.0質量%未満含有する。
第2実施形態に係る摩擦材は、繊維基材として、酸化カルシウム及び酸化マグネシウムを含有する無機繊維(X2)(以下、単に「無機繊維(X2)」ともいう)を、摩擦材全量100質量%に対して、5.0質量%以上10.0質量%未満含有する。
なお、無機繊維(X1)と無機繊維(X2)は、同じものであっても異なるものであってもよい。また、無機繊維(X1)及び無機繊維(X2)は、各々について、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
以下の説明において、無機繊維(X1)と無機繊維(X2)に共通する説明については、これらを「無機繊維(X)」と称して説明する。
第1実施形態に係る摩擦材は、繊維基材として、生体溶解性を有する無機繊維(X1)(以下、単に「無機繊維(X1)」ともいう)を、摩擦材全量100質量%に対して、5.0質量%以上10.0質量%未満含有する。
第2実施形態に係る摩擦材は、繊維基材として、酸化カルシウム及び酸化マグネシウムを含有する無機繊維(X2)(以下、単に「無機繊維(X2)」ともいう)を、摩擦材全量100質量%に対して、5.0質量%以上10.0質量%未満含有する。
なお、無機繊維(X1)と無機繊維(X2)は、同じものであっても異なるものであってもよい。また、無機繊維(X1)及び無機繊維(X2)は、各々について、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
以下の説明において、無機繊維(X1)と無機繊維(X2)に共通する説明については、これらを「無機繊維(X)」と称して説明する。
(無機繊維(X1))
無機繊維(X1)は生体溶解性を有する無機繊維である。
ここでいう生体溶解性を有する無機繊維とは、人体内に取り込まれた場合でも短時間で一部分解され体外に排出される特徴を有するものであり、例えば、生体溶解性の鉱物繊維が挙げられる。具体的には、化学組成がアルカリ酸化物、アルカリ土類酸化物総量(ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、バリウムの酸化物の総量)が18質量%以上で、かつ呼吸による短期バイオ永続試験で、20μm以上の繊維の質量半減期が40日以内、又は腹膜内試験で過度の発癌性の証拠がない、又は長期呼吸試験で関連の病原性及び腫瘍発生がないことを満たす無機繊維を示す(EU指令97/69/ECのNotaQ(発癌性適用除外))。
このような無機繊維(X1)としては、SiO2−Al2O3−CaO−MgO−FeO−Na2O系繊維等が挙げられ、SiO2、Al2O3、CaO、MgO、FeO、Na2O等を任意の組み合わせで含有する繊維が挙げられる。
無機繊維(X1)は、後述する無機繊維(X2)の組成を有することが好ましい。
無機繊維(X1)は生体溶解性を有する無機繊維である。
ここでいう生体溶解性を有する無機繊維とは、人体内に取り込まれた場合でも短時間で一部分解され体外に排出される特徴を有するものであり、例えば、生体溶解性の鉱物繊維が挙げられる。具体的には、化学組成がアルカリ酸化物、アルカリ土類酸化物総量(ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、バリウムの酸化物の総量)が18質量%以上で、かつ呼吸による短期バイオ永続試験で、20μm以上の繊維の質量半減期が40日以内、又は腹膜内試験で過度の発癌性の証拠がない、又は長期呼吸試験で関連の病原性及び腫瘍発生がないことを満たす無機繊維を示す(EU指令97/69/ECのNotaQ(発癌性適用除外))。
このような無機繊維(X1)としては、SiO2−Al2O3−CaO−MgO−FeO−Na2O系繊維等が挙げられ、SiO2、Al2O3、CaO、MgO、FeO、Na2O等を任意の組み合わせで含有する繊維が挙げられる。
無機繊維(X1)は、後述する無機繊維(X2)の組成を有することが好ましい。
(無機繊維(X2))
無機繊維(X2)は、酸化カルシウム(以下、「CaO」ともいう)及び酸化マグネシウム(以下、「MgO」ともいう)を含有する無機繊維である。
なお、上記「CaO及びMgOを含有する無機繊維」とは、CaO及びMgOを、1本の繊維を構成する成分として含有する無機繊維を意味し、後述するCaO及びMgO以外の各成分についても同様である。また、以下の無機繊維(X2)中における各成分の含有量とは、無機繊維(X2)全量100質量%を基準とする含有量である。
無機繊維(X2)中における、CaOの含有量は、15〜30質量%が好ましく、17〜25質量%がより好ましく、18〜22質量%がさらに好ましい。
無機繊維(X2)中における、MgOの含有量は、3〜20質量%が好ましく、4〜15質量%がより好ましく、5〜8質量%がさらに好ましい。
無機繊維(X2)中における、CaO及びMgOの総含有量は、18〜40質量%が好ましく、22〜35質量%がより好ましく、25〜30質量%がさらに好ましい。
無機繊維(X2)は、酸化カルシウム(以下、「CaO」ともいう)及び酸化マグネシウム(以下、「MgO」ともいう)を含有する無機繊維である。
なお、上記「CaO及びMgOを含有する無機繊維」とは、CaO及びMgOを、1本の繊維を構成する成分として含有する無機繊維を意味し、後述するCaO及びMgO以外の各成分についても同様である。また、以下の無機繊維(X2)中における各成分の含有量とは、無機繊維(X2)全量100質量%を基準とする含有量である。
無機繊維(X2)中における、CaOの含有量は、15〜30質量%が好ましく、17〜25質量%がより好ましく、18〜22質量%がさらに好ましい。
無機繊維(X2)中における、MgOの含有量は、3〜20質量%が好ましく、4〜15質量%がより好ましく、5〜8質量%がさらに好ましい。
無機繊維(X2)中における、CaO及びMgOの総含有量は、18〜40質量%が好ましく、22〜35質量%がより好ましく、25〜30質量%がさらに好ましい。
無機繊維(X2)は、CaO及びMgO以外のその他の酸化物を含有することが好ましく、その他の酸化物としては、SiO2、Al2O3、Na2O、K2O、TiO2、P2O5、MnO、Fe2O3等が挙げられる。これらの中でも、SiO2、Al2O3、Fe2O3を含有することが好ましい。
無機繊維(X2)が、SiO2、Al2O3及びFe2O3からなる群から選択される1種以上を含有する場合、無機繊維(X2)中におけるその含有量は以下の通りである。
SiO2の含有量は、30〜50質量%が好ましく、35〜47質量%がより好ましく、40〜45質量%がさらに好ましい。
Al2O3の含有量は、10〜30質量%が好ましく、13〜25質量%がより好ましく、15〜20質量%がさらに好ましい。
Fe2O3の含有量は、1〜10質量%が好ましく、2〜9質量%がより好ましく、4〜8質量%がさらに好ましい。
無機繊維(X2)中におけるCaO、MgO、SiO2、Al2O3及びFe2O3の総含有量は、90質量%以上が好ましく、93質量%以上がより好ましく、95質量%以上がさらに好ましい。また、該総含有量は、100質量%以下であってもよく、98質量%以下であってもよく、97質量%以下であってもよい。
無機繊維(X2)が、SiO2、Al2O3及びFe2O3からなる群から選択される1種以上を含有する場合、無機繊維(X2)中におけるその含有量は以下の通りである。
SiO2の含有量は、30〜50質量%が好ましく、35〜47質量%がより好ましく、40〜45質量%がさらに好ましい。
Al2O3の含有量は、10〜30質量%が好ましく、13〜25質量%がより好ましく、15〜20質量%がさらに好ましい。
Fe2O3の含有量は、1〜10質量%が好ましく、2〜9質量%がより好ましく、4〜8質量%がさらに好ましい。
無機繊維(X2)中におけるCaO、MgO、SiO2、Al2O3及びFe2O3の総含有量は、90質量%以上が好ましく、93質量%以上がより好ましく、95質量%以上がさらに好ましい。また、該総含有量は、100質量%以下であってもよく、98質量%以下であってもよく、97質量%以下であってもよい。
無機繊維(X2)が、さらに、Na2O、K2O、TiO2、P2O5及びMnOからなる群から選択される1種以上を含有する場合、無機繊維(X2)中におけるその含有量は以下の通りである。
Na2Oの含有量は、1〜5質量%が好ましく、1.5〜4質量%がより好ましく、2〜3質量%がさらに好ましい。
K2Oの含有量は、0.1〜1.5質量%が好ましく、0.2〜1.2質量%がより好ましく、0.4〜0.8質量%がさらに好ましい。
TiO2の含有量は、0.2〜3質量%が好ましく、0.7〜2質量%がより好ましく、1〜1.5質量%がさらに好ましい。
P2O5の含有量は、0.01〜1質量%が好ましく、0.1〜0.5質量%がより好ましく、0.15〜0.3質量%がさらに好ましい。
MnOの含有量は、0.01〜1質量%が好ましく、0.05〜0.5質量%がより好ましく、0.07〜0.2質量%がさらに好ましい。
無機繊維(X2)中におけるNa2O、K2O、TiO2、P2O5及びMnOからなる群から選択される1種以上の総含有量は、0.5〜10質量%が好ましく、2〜7質量%がより好ましく、3〜5質量%がさらに好ましい。
Na2Oの含有量は、1〜5質量%が好ましく、1.5〜4質量%がより好ましく、2〜3質量%がさらに好ましい。
K2Oの含有量は、0.1〜1.5質量%が好ましく、0.2〜1.2質量%がより好ましく、0.4〜0.8質量%がさらに好ましい。
TiO2の含有量は、0.2〜3質量%が好ましく、0.7〜2質量%がより好ましく、1〜1.5質量%がさらに好ましい。
P2O5の含有量は、0.01〜1質量%が好ましく、0.1〜0.5質量%がより好ましく、0.15〜0.3質量%がさらに好ましい。
MnOの含有量は、0.01〜1質量%が好ましく、0.05〜0.5質量%がより好ましく、0.07〜0.2質量%がさらに好ましい。
無機繊維(X2)中におけるNa2O、K2O、TiO2、P2O5及びMnOからなる群から選択される1種以上の総含有量は、0.5〜10質量%が好ましく、2〜7質量%がより好ましく、3〜5質量%がさらに好ましい。
なお、無機繊維(X)中におけるCaO、MgO及びその他の酸化物の含有量は、蛍光X線分析によって測定することができる。また、上記酸化物の含有量は、酸化物を形成する酸素以外の原子の含有量から換算される各酸化物の含有量とすることができる。
無機繊維(X)の平均繊維長は、100〜800μmが好ましく、140〜500μmがより好ましく、170〜300μmがさらに好ましい。平均繊維長が上記範囲であると、ロータ攻撃性の著しい増大等の弊害を与えることなく、摩擦係数の安定性を高めることができる。
無機繊維(X)の平均繊維径は、1〜10μmが好ましく、2〜8μmがより好ましく、3〜6μmがさらに好ましい。平均繊維径が上記範囲であると、ロータ攻撃性の著しい増大等の弊害を与えることなく、摩擦係数の安定性を高めることができる。
ここで、平均繊維長及び平均繊維径とは、該当する繊維の長さ又は直径の平均値を示した数平均繊維長又は数平均繊維径のことをいう。例えば200μmの平均繊維長とは、摩擦材組成物の原料として用いる繊維を無作為に50個選択し、光学顕微鏡で繊維長を測定し、その平均値が200μmであることを示す。
無機繊維(X)の平均繊維径は、1〜10μmが好ましく、2〜8μmがより好ましく、3〜6μmがさらに好ましい。平均繊維径が上記範囲であると、ロータ攻撃性の著しい増大等の弊害を与えることなく、摩擦係数の安定性を高めることができる。
ここで、平均繊維長及び平均繊維径とは、該当する繊維の長さ又は直径の平均値を示した数平均繊維長又は数平均繊維径のことをいう。例えば200μmの平均繊維長とは、摩擦材組成物の原料として用いる繊維を無作為に50個選択し、光学顕微鏡で繊維長を測定し、その平均値が200μmであることを示す。
本実施形態の摩擦材中における無機繊維(X)の含有量は、摩擦材全量100質量%に対して、5.0質量%以上10.0質量%未満である。無機繊維(X)の含有量が上記範囲であると、低速低温制動域において高い摩擦係数の安定性が得られ、一制動中の摩擦係数変動率も小さくなると共に、通常制動域において優れた摩擦係数が得られる。一方、無機繊維(X)の含有量が5.0質量%未満であると、低速低温制動域の摩擦係数安定性は担保されるものの、一制動中の摩擦係数変動率は大きくなる。また、無機繊維(X)の含有量が10.0質量%以上であると、一制動中の摩擦係数変動率は低い状態で担保されるものの、低速低温制動域の摩擦係数安定性が低下する。
同様の観点から、本実施形態の摩擦材中における無機繊維(X)の含有量は、摩擦材全量100質量%に対して、5.0〜9.9質量%が好ましく、7.0〜9.7質量%がより好ましく、8.5〜9.5質量%がさらに好ましい。
同様の観点から、本実施形態の摩擦材中における無機繊維(X)の含有量は、摩擦材全量100質量%に対して、5.0〜9.9質量%が好ましく、7.0〜9.7質量%がより好ましく、8.5〜9.5質量%がさらに好ましい。
本実施形態の摩擦材は、無機繊維(X)の他にも、有機繊維、その他の無機繊維及び金属繊維からなる群から選択される1種以上を含有することが好ましい。これらの繊維基材は、摩擦材において補強作用を示すものである。なお、有機繊維、その他の無機繊維及び金属繊維は、各々について、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
なお、本実施形態の摩擦材は、相手材であるディスクロータへの攻撃性を過度に高めない観点から、金属繊維を含まない、又は含んでいてもその含有量が、摩擦材全量100質量%に対して、0.5質量%以下であることが好ましい。
なお、本実施形態の摩擦材は、相手材であるディスクロータへの攻撃性を過度に高めない観点から、金属繊維を含まない、又は含んでいてもその含有量が、摩擦材全量100質量%に対して、0.5質量%以下であることが好ましい。
(有機繊維)
有機繊維としては、アラミド繊維、アクリル繊維、セルロース繊維等が挙げられる。これらの中でも、耐熱性、補強効果及び適度な空隙付与の観点から、アラミド繊維が好ましい。アラミド繊維は、摩擦材に使用されている公知のものを使用することができる。有機繊維の平均繊維長は、例えば、650〜1500μmであり、1000〜1300μmが好ましい。平均繊維長の測定方法は上記と同様である。
本実施形態の摩擦材が有機繊維を含有する場合、その含有量は、摩擦材全量100質量%に対して、0.5〜10質量%が好ましく、1〜5質量%がより好ましく、2〜4質量%がさらに好ましい。
有機繊維としては、アラミド繊維、アクリル繊維、セルロース繊維等が挙げられる。これらの中でも、耐熱性、補強効果及び適度な空隙付与の観点から、アラミド繊維が好ましい。アラミド繊維は、摩擦材に使用されている公知のものを使用することができる。有機繊維の平均繊維長は、例えば、650〜1500μmであり、1000〜1300μmが好ましい。平均繊維長の測定方法は上記と同様である。
本実施形態の摩擦材が有機繊維を含有する場合、その含有量は、摩擦材全量100質量%に対して、0.5〜10質量%が好ましく、1〜5質量%がより好ましく、2〜4質量%がさらに好ましい。
(その他の無機繊維)
その他の無機繊維としては、セラミック繊維、生分解性セラミック繊維、鉱物繊維、炭素繊維、ガラス繊維、チタン酸カリウム繊維等が挙げられる。なお、人体への有害性の観点からは、チタン酸カリウム繊維等を含有しないことが好ましい。また、靭性が高い無機繊維の添加量を過度に多くすると、ロータ攻撃性が顕著に悪化してしまうため、無機繊維の靭性の観点から、セラミック繊維及び炭素繊維を含有しないことが好ましい。
また、本実施形態の摩擦材は、所望する性能に応じて、その他の無機繊維を含有しないものであってもよい。
なお、本明細書中、金属繊維は、無機繊維の定義に含まれないものとする。
その他の無機繊維としては、セラミック繊維、生分解性セラミック繊維、鉱物繊維、炭素繊維、ガラス繊維、チタン酸カリウム繊維等が挙げられる。なお、人体への有害性の観点からは、チタン酸カリウム繊維等を含有しないことが好ましい。また、靭性が高い無機繊維の添加量を過度に多くすると、ロータ攻撃性が顕著に悪化してしまうため、無機繊維の靭性の観点から、セラミック繊維及び炭素繊維を含有しないことが好ましい。
また、本実施形態の摩擦材は、所望する性能に応じて、その他の無機繊維を含有しないものであってもよい。
なお、本明細書中、金属繊維は、無機繊維の定義に含まれないものとする。
本実施形態の摩擦材中における繊維基材の合計含有量は、摩擦材全量100質量%に対して、6〜20質量%が好ましく、7〜17質量%がより好ましく、8〜15質量%がさらに好ましい。繊維基材の合計含有量が上記範囲であると、低速低温制動域及び通常制動域において、より高い摩擦係数の安定性が得られる。
<無機充填材>
本実施形態の摩擦材は無機充填材を含有することが好ましい。
無機充填材としては、チタン酸塩、ウォラストナイト、金属粉、黒鉛、研削材として使用される各種酸化物、その他の無機充填材等が挙げられる。
無機充填材は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
ただし、本実施形態の摩擦材は、相手材であるディスクロータへの攻撃性を過度に高めない観点から、金属粉を含まない、又は含んでいてもその含有量が、摩擦材全量100質量%に対して、0.5質量%以下であることが好ましい。
本実施形態の摩擦材は無機充填材を含有することが好ましい。
無機充填材としては、チタン酸塩、ウォラストナイト、金属粉、黒鉛、研削材として使用される各種酸化物、その他の無機充填材等が挙げられる。
無機充填材は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
ただし、本実施形態の摩擦材は、相手材であるディスクロータへの攻撃性を過度に高めない観点から、金属粉を含まない、又は含んでいてもその含有量が、摩擦材全量100質量%に対して、0.5質量%以下であることが好ましい。
(チタン酸塩)
本実施形態の摩擦材は、無機充填材として、チタン酸塩を含有することが好ましい。
チタン酸塩はモース硬度が約4と低く、融点が1000℃以上と比較的高いため、高速高温制動時に摩擦界面に介在することで摩擦材の摩耗増大を低減することができる。
チタン酸塩としては、6チタン酸カリウム、8チタン酸カリウム、チタン酸リチウムカリウム、チタン酸マグネシウムカリウム、チタン酸ナトリウム等が挙げられる。これらの中でも、低速低温制動域の摩擦係数の安定性の観点から、6チタン酸カリウム、8チタン酸カリウムが好ましい。
チタン酸塩は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよいが、高速高温制動時の耐摩耗性の観点から、1種類のチタン酸塩を単独で用いることが好ましい。
本実施形態の摩擦材は、無機充填材として、チタン酸塩を含有することが好ましい。
チタン酸塩はモース硬度が約4と低く、融点が1000℃以上と比較的高いため、高速高温制動時に摩擦界面に介在することで摩擦材の摩耗増大を低減することができる。
チタン酸塩としては、6チタン酸カリウム、8チタン酸カリウム、チタン酸リチウムカリウム、チタン酸マグネシウムカリウム、チタン酸ナトリウム等が挙げられる。これらの中でも、低速低温制動域の摩擦係数の安定性の観点から、6チタン酸カリウム、8チタン酸カリウムが好ましい。
チタン酸塩は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよいが、高速高温制動時の耐摩耗性の観点から、1種類のチタン酸塩を単独で用いることが好ましい。
チタン酸塩は、人体有害性の観点から、針状ではないものが好ましい。すなわち、本実施形態の摩擦材は、非針状のチタン酸塩を含有することが好ましい。非針状のチタン酸塩とは、多角形、円、楕円等の形状を呈する板状チタン酸塩、不定形状のチタン酸塩などを意味する。
チタン酸塩の平均粒子径は、2〜50μmが好ましく、2.2〜40μmがより好ましく、2.5〜30μmがさらに好ましい。
なお、本明細書中における平均粒子径とは、特に断らない限り、メジアン径(D50)を意味し、レーザー回折粒度分布測定等の方法を用いて測定することができる。測定装置としては、例えば、レーザー回折/散乱式粒子径分布測定装置、商品名:LA−920(株式会社堀場製作所製)を用いることができる。また、JIS B 4130等に代表されるふるい分級によって測定することもできる。
チタン酸塩の平均粒子径は、2〜50μmが好ましく、2.2〜40μmがより好ましく、2.5〜30μmがさらに好ましい。
なお、本明細書中における平均粒子径とは、特に断らない限り、メジアン径(D50)を意味し、レーザー回折粒度分布測定等の方法を用いて測定することができる。測定装置としては、例えば、レーザー回折/散乱式粒子径分布測定装置、商品名:LA−920(株式会社堀場製作所製)を用いることができる。また、JIS B 4130等に代表されるふるい分級によって測定することもできる。
本実施形態の摩擦材がチタン酸塩を含有する場合、その含有量は、摩擦材全量100質量%に対して、15〜25質量%が好ましく、15〜22質量%がより好ましく、15〜20質量%がさらに好ましい。チタン酸塩の含有量が、上記下限値以上であると、高速高温制動時の耐摩耗性に優れ、十分な摩擦係数保持の効果が得られ、上記上限値以下であると、低速低温制動域における摩擦係数の低下を抑制することができる。
本実施形態の摩擦材は、摩擦係数の安定性の観点から、非針状であって平均粒子径が2〜50μmのチタン酸塩を、摩擦材全量100質量%に対して、15〜25質量%含有することが特に好ましい。
本実施形態の摩擦材は、摩擦係数の安定性の観点から、非針状であって平均粒子径が2〜50μmのチタン酸塩を、摩擦材全量100質量%に対して、15〜25質量%含有することが特に好ましい。
(ウォラストナイト)
ウォラストナイトは、CaSiO3で示されるケイ酸塩鉱物であり、例えば、針状又は長柱状の形状を有するものである。
ウォラストナイトの平均アスペクト比(平均長さ/平均径又は厚さ)は3以上が好ましく、4〜12がより好ましく、5〜8がさらに好ましい。平均アスペクト比が3以上であると、摩擦材の常温及び高温におけるせん断強度並びに耐クラック性を効果的に向上させることができる。ここで、平均アスペクト比は、D50値(体積分布の累積中央値)を意味し、例えば、動的画像解析法により測定することができる。
ウォラストナイトの平均長さは、摩擦材への強度付与の観点から、100〜500μmが好ましく、150〜450μmがより好ましく、200〜400μmがさらに好ましい。
本実施形態の摩擦材がウォラストナイトを含有する場合、その含有量は、摩擦材全量100質量%に対して、2〜10質量%が好ましく、3〜8質量%がより好ましく、4〜7質量%がさらに好ましい。
ウォラストナイトは、CaSiO3で示されるケイ酸塩鉱物であり、例えば、針状又は長柱状の形状を有するものである。
ウォラストナイトの平均アスペクト比(平均長さ/平均径又は厚さ)は3以上が好ましく、4〜12がより好ましく、5〜8がさらに好ましい。平均アスペクト比が3以上であると、摩擦材の常温及び高温におけるせん断強度並びに耐クラック性を効果的に向上させることができる。ここで、平均アスペクト比は、D50値(体積分布の累積中央値)を意味し、例えば、動的画像解析法により測定することができる。
ウォラストナイトの平均長さは、摩擦材への強度付与の観点から、100〜500μmが好ましく、150〜450μmがより好ましく、200〜400μmがさらに好ましい。
本実施形態の摩擦材がウォラストナイトを含有する場合、その含有量は、摩擦材全量100質量%に対して、2〜10質量%が好ましく、3〜8質量%がより好ましく、4〜7質量%がさらに好ましい。
(研削材)
本実施形態の摩擦材は、研削材として、珪酸ジルコニウム、四酸化三鉄、二酸化三鉄、酸化ビスマス、酸化ジルコニウム等を含有していてもよい。これらの中でも、珪酸ジルコニウム、酸化ジルコニウムが好ましい。
本実施形態の摩擦材は、研削材として、珪酸ジルコニウム、四酸化三鉄、二酸化三鉄、酸化ビスマス、酸化ジルコニウム等を含有していてもよい。これらの中でも、珪酸ジルコニウム、酸化ジルコニウムが好ましい。
珪酸ジルコニウムは、モース硬度が6〜7.5と高く、研削による摩擦係数の発現に効果的である。
珪酸ジルコニウムの平均粒子径は、0.2〜2μmが好ましく、0.3〜2μmがより好ましく、0.4〜2μmがさらに好ましい。
本実施形態の摩擦材が珪酸ジルコニウムを含有する場合、その含有量は、摩擦材全量100質量%に対して、4〜10質量%が好ましく、5〜10質量%がより好ましい。
本実施形態の摩擦材は、摩擦係数の安定性の観点から、平均粒子径が0.4〜2μmの珪酸ジルコニウムを、摩擦材全量100質量%に対して、4〜10質量%含有することが特に好ましい。
なお、本実施形態の摩擦材は、所望する性能に応じて、珪酸ジルコニウムを含有しないものであってもよい。
珪酸ジルコニウムの平均粒子径は、0.2〜2μmが好ましく、0.3〜2μmがより好ましく、0.4〜2μmがさらに好ましい。
本実施形態の摩擦材が珪酸ジルコニウムを含有する場合、その含有量は、摩擦材全量100質量%に対して、4〜10質量%が好ましく、5〜10質量%がより好ましい。
本実施形態の摩擦材は、摩擦係数の安定性の観点から、平均粒子径が0.4〜2μmの珪酸ジルコニウムを、摩擦材全量100質量%に対して、4〜10質量%含有することが特に好ましい。
なお、本実施形態の摩擦材は、所望する性能に応じて、珪酸ジルコニウムを含有しないものであってもよい。
酸化ジルコニウムの平均粒子径は、1〜14μmが好ましく、5〜10μmがより好ましく、8〜9μmがさらに好ましい。
本実施形態の摩擦材が酸化ジルコニウムを含有する場合、その含有量は、摩擦材全量100質量%に対して、10〜20質量%が好ましく、12〜19質量%がより好ましく、14〜18質量%がさらに好ましい。酸化ジルコニウムの含有量が上記下限値以上であると、高速高温制動時の耐摩耗性に優れ、十分な摩擦係数保持の効果が得られ、上記上限値以下であると、低速低温制動域における摩擦係数の低下を抑制することができる。
本実施形態の摩擦材が酸化ジルコニウムを含有する場合、その含有量は、摩擦材全量100質量%に対して、10〜20質量%が好ましく、12〜19質量%がより好ましく、14〜18質量%がさらに好ましい。酸化ジルコニウムの含有量が上記下限値以上であると、高速高温制動時の耐摩耗性に優れ、十分な摩擦係数保持の効果が得られ、上記上限値以下であると、低速低温制動域における摩擦係数の低下を抑制することができる。
(黒鉛)
本実施形態の摩擦材は黒鉛を含有することが好ましい。黒鉛を含有することで摩擦材により優れた熱伝導率を付与できる。
黒鉛の平均粒子径は、100〜600μmが好ましく、200〜450μmがより好ましく、300〜350μmがさらに好ましい。
本実施形態の摩擦材が黒鉛を含有する場合、その含有量は、摩擦材全量100質量%に対して、0.5〜10質量%が好ましく、1〜5質量%がより好ましく、2〜4質量%がさらに好ましい。
黒鉛の平均粒子径及び含有量が上記範囲であると、良好な摩擦材への熱伝導率の付与と摩擦係数の保持とを両立することができる。
本実施形態の摩擦材は黒鉛を含有することが好ましい。黒鉛を含有することで摩擦材により優れた熱伝導率を付与できる。
黒鉛の平均粒子径は、100〜600μmが好ましく、200〜450μmがより好ましく、300〜350μmがさらに好ましい。
本実施形態の摩擦材が黒鉛を含有する場合、その含有量は、摩擦材全量100質量%に対して、0.5〜10質量%が好ましく、1〜5質量%がより好ましく、2〜4質量%がさらに好ましい。
黒鉛の平均粒子径及び含有量が上記範囲であると、良好な摩擦材への熱伝導率の付与と摩擦係数の保持とを両立することができる。
(その他の無機充填材)
その他の無機充填材としては、酸化マグネシウム、三硫化アンチモン、水酸化ジルコニウム、硫化錫、二硫化モリブデン、硫化ビスマス、硫化亜鉛、硫化鉄、水酸化カルシウム、酸化カルシウム、炭酸ナトリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸バリウム、コークス、γアルミナ、αアルミナ、マイカ、バーミキュライト、硫酸カルシウム、ムライト、クロマイト、酸化チタン、シリカ等が挙げられる。これらの中でも、硫化亜鉛、マイカ、水酸化カルシウム、硫酸バリウムが好ましい。これらのその他の無機充填材は、摩擦材に使用されている一般的なものを使用することができる。
その他の無機充填材としては、酸化マグネシウム、三硫化アンチモン、水酸化ジルコニウム、硫化錫、二硫化モリブデン、硫化ビスマス、硫化亜鉛、硫化鉄、水酸化カルシウム、酸化カルシウム、炭酸ナトリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸バリウム、コークス、γアルミナ、αアルミナ、マイカ、バーミキュライト、硫酸カルシウム、ムライト、クロマイト、酸化チタン、シリカ等が挙げられる。これらの中でも、硫化亜鉛、マイカ、水酸化カルシウム、硫酸バリウムが好ましい。これらのその他の無機充填材は、摩擦材に使用されている一般的なものを使用することができる。
本実施形態の摩擦材が硫化亜鉛を含有する場合、その含有量は、摩擦材全量100質量%に対して、0.5〜5質量%が好ましく、1.5〜3質量%がより好ましい。
硫化亜鉛の平均粒子径は、0.05〜5μmが好ましく、0.08〜1μmがより好ましく、0.1〜0.3μmがさらに好ましい。
本実施形態の摩擦材がマイカを含有する場合、その含有量は、摩擦材全量100質量%に対して、1〜10質量%が好ましく、3〜7質量%がより好ましい。
マイカの平均粒子径は、5〜100μmが好ましく、10〜60μmがより好ましく、12〜20μmがさらに好ましい。
本実施形態の摩擦材が水酸化カルシウムを含有する場合、その含有量は、摩擦材全量100質量%に対して、0.01〜1質量%が好ましく、0.05〜0.3質量%がより好ましい。
水酸化カルシウムの平均粒子径は、10〜300μmが好ましく、30〜200μmがより好ましく、50〜100μmがさらに好ましい。
本実施形態の摩擦材が硫酸バリウムを含有する場合、その含有量は、摩擦材全量100質量%に対して、10〜35質量%が好ましく、12〜30質量%がより好ましい。
硫酸バリウムの平均粒子径は、1〜50μmが好ましく、3〜30μmがより好ましく、5〜20μmがさらに好ましい。
本実施形態の摩擦材が、その他の無機充填材を含有する場合、その合計含有量は、摩擦材全量100質量%に対して、12〜50質量%が好ましく、15〜40質量%がより好ましく、20〜35質量%がさらに好ましい。
硫化亜鉛の平均粒子径は、0.05〜5μmが好ましく、0.08〜1μmがより好ましく、0.1〜0.3μmがさらに好ましい。
本実施形態の摩擦材がマイカを含有する場合、その含有量は、摩擦材全量100質量%に対して、1〜10質量%が好ましく、3〜7質量%がより好ましい。
マイカの平均粒子径は、5〜100μmが好ましく、10〜60μmがより好ましく、12〜20μmがさらに好ましい。
本実施形態の摩擦材が水酸化カルシウムを含有する場合、その含有量は、摩擦材全量100質量%に対して、0.01〜1質量%が好ましく、0.05〜0.3質量%がより好ましい。
水酸化カルシウムの平均粒子径は、10〜300μmが好ましく、30〜200μmがより好ましく、50〜100μmがさらに好ましい。
本実施形態の摩擦材が硫酸バリウムを含有する場合、その含有量は、摩擦材全量100質量%に対して、10〜35質量%が好ましく、12〜30質量%がより好ましい。
硫酸バリウムの平均粒子径は、1〜50μmが好ましく、3〜30μmがより好ましく、5〜20μmがさらに好ましい。
本実施形態の摩擦材が、その他の無機充填材を含有する場合、その合計含有量は、摩擦材全量100質量%に対して、12〜50質量%が好ましく、15〜40質量%がより好ましく、20〜35質量%がさらに好ましい。
本実施形態の摩擦材中における無機充填材の総含有量は、摩擦材全量100質量%に対して、50〜85質量%が好ましく、65〜80質量%がより好ましく、70〜77質量%がさらに好ましい。
<有機充填材>
本実施形態の摩擦材は有機充填材を含有することが好ましい。有機充填材は、摩擦材の音振性能、耐摩耗性等を向上させるための摩擦調整剤として含まれるものである。
有機充填材は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
有機充填材としては、カシューダスト、ゴム成分等が挙げられる。
カシューダストとしては、例えば、カシューナッツシェルオイルを重合及び硬化させたものを粉砕して得られる、通常、摩擦材に用いられるものであればよい。なお、カシューダストは、未変性のカシューダストであることが好ましい。
カシューダストの平均粒子径は、50〜600μmが好ましく、70〜550μmがより好ましく、100〜500μmがさらに好ましい。
本実施形態の摩擦材がカシューダストを含有する場合、その含有量は、摩擦材全量100質量%に対して、2〜10質量%が好ましく、4〜8質量%がより好ましく、5〜7質量%がさらに好ましい。
カシューダストの含有量が上記範囲であると、摩擦材の低弾性化による鳴き等の音振性能を改善することができる。
本実施形態の摩擦材は有機充填材を含有することが好ましい。有機充填材は、摩擦材の音振性能、耐摩耗性等を向上させるための摩擦調整剤として含まれるものである。
有機充填材は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
有機充填材としては、カシューダスト、ゴム成分等が挙げられる。
カシューダストとしては、例えば、カシューナッツシェルオイルを重合及び硬化させたものを粉砕して得られる、通常、摩擦材に用いられるものであればよい。なお、カシューダストは、未変性のカシューダストであることが好ましい。
カシューダストの平均粒子径は、50〜600μmが好ましく、70〜550μmがより好ましく、100〜500μmがさらに好ましい。
本実施形態の摩擦材がカシューダストを含有する場合、その含有量は、摩擦材全量100質量%に対して、2〜10質量%が好ましく、4〜8質量%がより好ましく、5〜7質量%がさらに好ましい。
カシューダストの含有量が上記範囲であると、摩擦材の低弾性化による鳴き等の音振性能を改善することができる。
ゴム成分は、摩擦材に使用されている公知のものを使用することができ、タイヤゴム、アクリルゴム、イソプレンゴム、NBR(ニトリルブタジエンゴム)、SBR(スチレンブタジエンゴム)等が挙げられる。
本実施形態の摩擦材がゴム成分を含有する場合、その含有量は、摩擦材全量100質量%に対して、0.2〜10質量%が好ましく、0.5〜5質量%がより好ましく、1〜3質量%がさらに好ましい。
本実施形態の摩擦材がゴム成分を含有する場合、その含有量は、摩擦材全量100質量%に対して、0.2〜10質量%が好ましく、0.5〜5質量%がより好ましく、1〜3質量%がさらに好ましい。
本実施形態の摩擦材は、カシューダスト及びゴム成分からなる群から選択される1種以上を含有することが好ましく、カシューダストとゴム成分とを併用することがより好ましい。また、カシューダストとゴム成分とを併用する場合には、カシューダストをゴム成分で被覆したものを用いてもよく、音振性能の観点から、カシューダストとゴム成分とを別個に配合してもよい。
本実施形態の摩擦材が有機充填材を含有する場合、その含有量は、摩擦材全量100質量%に対して、2〜20質量%が好ましく、3〜12質量%がより好ましく、4〜10質量%がさらに好ましい。
有機充填材の含有量が上記範囲であると、摩擦材の低弾性化による鳴き等の音振性能が改善し、また耐熱性の悪化及び熱履歴による強度低下を避けることができる。
有機充填材の含有量が上記範囲であると、摩擦材の低弾性化による鳴き等の音振性能が改善し、また耐熱性の悪化及び熱履歴による強度低下を避けることができる。
<結合材>
本実施形態の摩擦材は、さらに、結合材を含有することが好ましい。結合材は、摩擦材に含有される有機充填材、繊維基材等を一体化して、強度を与えるものである。
結合材は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
結合材としては、通常、摩擦材に用いられる熱硬化性樹脂を用いることができる。
熱硬化性樹脂としては、フェノール樹脂、アクリルゴム変性フェノール樹脂、シリコーン変性フェノール樹脂、カシュー変性フェノール樹脂、エポキシ変性フェノール樹脂、アルキルベンゼン変性フェノール樹脂等の各種変性フェノール樹脂などが挙げられる。これらの中でも、摩擦界面の撥水性を高めることができる観点から、シリコーン変性フェノール樹脂が好ましい。シリコーン変性フェノール樹脂としては、シリコーンオイル又はシリコーンゴムを分散させたフェノール樹脂が好ましい。シリコーン変性フェノール樹脂は単独で使用してもよいが、上記したシリコーン変性フェノール樹脂以外の熱硬化性樹脂と併用してもよく、アクリルゴム変性フェノール樹脂と併用することが好ましい。
本実施形態の摩擦材は、さらに、結合材を含有することが好ましい。結合材は、摩擦材に含有される有機充填材、繊維基材等を一体化して、強度を与えるものである。
結合材は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
結合材としては、通常、摩擦材に用いられる熱硬化性樹脂を用いることができる。
熱硬化性樹脂としては、フェノール樹脂、アクリルゴム変性フェノール樹脂、シリコーン変性フェノール樹脂、カシュー変性フェノール樹脂、エポキシ変性フェノール樹脂、アルキルベンゼン変性フェノール樹脂等の各種変性フェノール樹脂などが挙げられる。これらの中でも、摩擦界面の撥水性を高めることができる観点から、シリコーン変性フェノール樹脂が好ましい。シリコーン変性フェノール樹脂としては、シリコーンオイル又はシリコーンゴムを分散させたフェノール樹脂が好ましい。シリコーン変性フェノール樹脂は単独で使用してもよいが、上記したシリコーン変性フェノール樹脂以外の熱硬化性樹脂と併用してもよく、アクリルゴム変性フェノール樹脂と併用することが好ましい。
本実施形態の摩擦材における結合材の含有量は、摩擦材全量100質量%に対して、5〜10質量%が好ましく、6〜10質量%がより好ましく、7〜9質量%がさらに好ましい。
結合材の含有量が上記範囲であると、摩擦材の強度低下をより抑制でき、また、摩擦材の気孔率が減少し、弾性率が高くなることによる鳴き等の音振性能悪化を抑制できる。
結合材の含有量が上記範囲であると、摩擦材の強度低下をより抑制でき、また、摩擦材の気孔率が減少し、弾性率が高くなることによる鳴き等の音振性能悪化を抑制できる。
<その他の成分>
本実施形態の摩擦材は、必要に応じて、上記各成分以外のその他の材料を含有していてもよい。
本実施形態の摩擦材は、必要に応じて、上記各成分以外のその他の材料を含有していてもよい。
<摩擦材の製造方法>
本実施形態の摩擦材は、一般に使用されている方法により製造することができる。
本実施形態の摩擦材の製造方法としては、例えば、本実施形態の摩擦材の組成を充足する摩擦材組成物を加熱加圧成形して製造する方法が挙げられる。詳細には、例えば、後述する本実施形態の摩擦材組成物を、レーディゲ(登録商標)ミキサー、加圧ニーダー、アイリッヒ(登録商標)ミキサー等の混合機を用いて均一に混合し、この混合物を成形金型にて予備成形し、得られた予備成形物を成形温度140〜150℃、成形圧力30〜45MPa、成形時間3〜6分間の条件で成形し、得られた成形物を180〜210℃で3〜4時間熱処理する方法が挙げられる。なお、必要に応じて塗装、スコーチ処理、研磨処理等を行ってもよい。
本実施形態の摩擦材は、一般に使用されている方法により製造することができる。
本実施形態の摩擦材の製造方法としては、例えば、本実施形態の摩擦材の組成を充足する摩擦材組成物を加熱加圧成形して製造する方法が挙げられる。詳細には、例えば、後述する本実施形態の摩擦材組成物を、レーディゲ(登録商標)ミキサー、加圧ニーダー、アイリッヒ(登録商標)ミキサー等の混合機を用いて均一に混合し、この混合物を成形金型にて予備成形し、得られた予備成形物を成形温度140〜150℃、成形圧力30〜45MPa、成形時間3〜6分間の条件で成形し、得られた成形物を180〜210℃で3〜4時間熱処理する方法が挙げられる。なお、必要に応じて塗装、スコーチ処理、研磨処理等を行ってもよい。
<摩擦材の用途>
本実施形態の摩擦材は、例えば、下記(1)〜(3)の態様で用いられる。
(1)摩擦材のみの構成
(2)裏金と、該裏金の上に形成させた、摩擦面となる本実施形態の摩擦材とを有する摩擦部材
(3)上記(2)の構成において、裏金と摩擦部材との間に、裏金の接着効果を高めるための表面改質を目的としたプライマー層、裏金と摩擦部材の接着を目的とした接着層をさらに介在させた構成
これらの中でも、上記(2)又は(3)のように、本実施形態の摩擦材と裏金とを一体化してなる摩擦部材として用いられることが好ましい。
上記裏金は、摩擦部材の機械的強度の向上のために用いるものであり、その材質としては、鉄、ステンレス等の金属;無機繊維強化プラスチック、炭素繊維強化プラスチック等の繊維強化プラスチックなどが挙げられる。
上記プライマー層及び接着層としては、通常、ブレーキシュー等の摩擦部材に用いられるものであればよい。
本実施形態の摩擦材は、例えば、下記(1)〜(3)の態様で用いられる。
(1)摩擦材のみの構成
(2)裏金と、該裏金の上に形成させた、摩擦面となる本実施形態の摩擦材とを有する摩擦部材
(3)上記(2)の構成において、裏金と摩擦部材との間に、裏金の接着効果を高めるための表面改質を目的としたプライマー層、裏金と摩擦部材の接着を目的とした接着層をさらに介在させた構成
これらの中でも、上記(2)又は(3)のように、本実施形態の摩擦材と裏金とを一体化してなる摩擦部材として用いられることが好ましい。
上記裏金は、摩擦部材の機械的強度の向上のために用いるものであり、その材質としては、鉄、ステンレス等の金属;無機繊維強化プラスチック、炭素繊維強化プラスチック等の繊維強化プラスチックなどが挙げられる。
上記プライマー層及び接着層としては、通常、ブレーキシュー等の摩擦部材に用いられるものであればよい。
本実施形態の摩擦材は、自動車等のディスクブレーキパッド、ブレーキライニング等の摩擦材として好適である。また、本実施形態の摩擦材は、目的形状に成形、加工、貼り付け等の工程を施すことにより、クラッチフェーシング、電磁ブレーキ、保持ブレーキ等の摩擦材としても使用することができる。
さらに、本実施形態の摩擦材は、低速低温制動域において安定した摩擦係数を発現できることから、回生ブレーキ等の制御ブレーキに搭載される乗用車用ブレーキパッドに好適である。すなわち、本発明によると、本実施形態の摩擦材を用いた制御ブレーキを搭載した、電気自動車、ハイブリッド自動車等の乗用車をも提供することができる。
さらに、本実施形態の摩擦材は、摩擦係数の安定性、高温での耐摩耗性等に優れるため、ディスクブレーキパッド、ブレーキライニング等の摩擦部材の「上張り材」として有用であり、さらに摩擦部材の「下張り材」として成形して用いることもできる。なお、「上張り材」とは、摩擦部材の摩擦面となる摩擦材であり、「下張り材」とは、摩擦部材の摩擦面となる摩擦材と裏金との間に介在する、摩擦材と裏金との接着部付近の剪断強度、耐クラック性向上を目的とした層のことである。
さらに、本実施形態の摩擦材は、低速低温制動域において安定した摩擦係数を発現できることから、回生ブレーキ等の制御ブレーキに搭載される乗用車用ブレーキパッドに好適である。すなわち、本発明によると、本実施形態の摩擦材を用いた制御ブレーキを搭載した、電気自動車、ハイブリッド自動車等の乗用車をも提供することができる。
さらに、本実施形態の摩擦材は、摩擦係数の安定性、高温での耐摩耗性等に優れるため、ディスクブレーキパッド、ブレーキライニング等の摩擦部材の「上張り材」として有用であり、さらに摩擦部材の「下張り材」として成形して用いることもできる。なお、「上張り材」とは、摩擦部材の摩擦面となる摩擦材であり、「下張り材」とは、摩擦部材の摩擦面となる摩擦材と裏金との間に介在する、摩擦材と裏金との接着部付近の剪断強度、耐クラック性向上を目的とした層のことである。
[摩擦材組成物]
本発明の第1実施形態に係る摩擦材組成物は、銅を含まない、又は含んでいてもその含有量が、銅元素として0.5質量%以下の摩擦材組成物であり、生体溶解性を有する無機繊維(X1)を、摩擦材全量100質量%に対して、5.0質量%以上10.0質量%未満含有する摩擦材組成物である。
本発明の第2実施形態に係る摩擦材組成物は、銅を含まない、又は含んでいてもその含有量が、銅元素として0.5質量%以下の摩擦材組成物であり、酸化カルシウム及び酸化マグネシウムを含有する無機繊維(X2)を、摩擦材全量100質量%に対して、5.0質量%以上10.0質量%未満含有する摩擦材組成物である。
以下の説明において、「本実施形態の摩擦材組成物」と称する場合、第1実施形態に係る摩擦材組成物と第2実施形態に係る摩擦材組成物の両者を指すものとする。
本実施形態の摩擦材組成物に含有される各成分の種類、及びその製造方法は、上記本実施形態の摩擦材と同様に説明されるものであり、その好適な態様もすべて同じである。なお、摩擦材組成物中における各成分の含有量の好適範囲は、本実施形態の摩擦材で説明した好適範囲と同じであるが、含有量の基準は「摩擦材組成物全量100質量%」とする。
さらに、本発明は本実施形態の摩擦材組成物を成形してなる摩擦材も提供する。本実施形態の摩擦材組成物を成形してなる摩擦材は、例えば、本実施形態の摩擦材組成物を予備成形した予備成形体を熱圧成形する方法、本実施形態の摩擦材組成物を直接熱圧成形し、必要に応じて熱処理を施して結合材を熱硬化する方法等によって製造することができる。具体的な製造方法は、上記本実施形態の摩擦材の製造方法及び後述する実施例に記載の通りである。
本発明の第1実施形態に係る摩擦材組成物は、銅を含まない、又は含んでいてもその含有量が、銅元素として0.5質量%以下の摩擦材組成物であり、生体溶解性を有する無機繊維(X1)を、摩擦材全量100質量%に対して、5.0質量%以上10.0質量%未満含有する摩擦材組成物である。
本発明の第2実施形態に係る摩擦材組成物は、銅を含まない、又は含んでいてもその含有量が、銅元素として0.5質量%以下の摩擦材組成物であり、酸化カルシウム及び酸化マグネシウムを含有する無機繊維(X2)を、摩擦材全量100質量%に対して、5.0質量%以上10.0質量%未満含有する摩擦材組成物である。
以下の説明において、「本実施形態の摩擦材組成物」と称する場合、第1実施形態に係る摩擦材組成物と第2実施形態に係る摩擦材組成物の両者を指すものとする。
本実施形態の摩擦材組成物に含有される各成分の種類、及びその製造方法は、上記本実施形態の摩擦材と同様に説明されるものであり、その好適な態様もすべて同じである。なお、摩擦材組成物中における各成分の含有量の好適範囲は、本実施形態の摩擦材で説明した好適範囲と同じであるが、含有量の基準は「摩擦材組成物全量100質量%」とする。
さらに、本発明は本実施形態の摩擦材組成物を成形してなる摩擦材も提供する。本実施形態の摩擦材組成物を成形してなる摩擦材は、例えば、本実施形態の摩擦材組成物を予備成形した予備成形体を熱圧成形する方法、本実施形態の摩擦材組成物を直接熱圧成形し、必要に応じて熱処理を施して結合材を熱硬化する方法等によって製造することができる。具体的な製造方法は、上記本実施形態の摩擦材の製造方法及び後述する実施例に記載の通りである。
以下、実施例により本実施形態の摩擦材及び摩擦材組成物をさらに詳細に説明するが、本発明は何らこれらに限定されるものではない。
<実施例1〜12及び比較例1〜3>
[ディスクブレーキパッドの作製]
表1に示す配合量(質量%)にしたがって材料を配合し、実施例1〜12及び比較例1〜3の摩擦材組成物を得た。
次に、この摩擦材組成物をレーディゲ(登録商標)ミキサー(株式会社マツボー製、商品名:レーディゲミキサーM20)で混合し、この混合物を成形プレス(王子機械工業株式会社製)で予備成形した。次いで、得られた予備成形物を成形温度150℃、成形圧力30MPa、成形時間5分間の条件で成形プレス(三起精工株式会社製)を用いて、日立オートモティブシステムズ株式会社製の裏金(鉄製)とともに加熱加圧成形した。続いて、得られた成形品を200℃で4時間熱処理し、ロータリー研磨機を用いて研磨し、500℃のスコーチ処理を行って、ディスクブレーキパッド(摩擦材の厚さ9mm、摩擦材投影面積52cm2)を得た。
[ディスクブレーキパッドの作製]
表1に示す配合量(質量%)にしたがって材料を配合し、実施例1〜12及び比較例1〜3の摩擦材組成物を得た。
次に、この摩擦材組成物をレーディゲ(登録商標)ミキサー(株式会社マツボー製、商品名:レーディゲミキサーM20)で混合し、この混合物を成形プレス(王子機械工業株式会社製)で予備成形した。次いで、得られた予備成形物を成形温度150℃、成形圧力30MPa、成形時間5分間の条件で成形プレス(三起精工株式会社製)を用いて、日立オートモティブシステムズ株式会社製の裏金(鉄製)とともに加熱加圧成形した。続いて、得られた成形品を200℃で4時間熱処理し、ロータリー研磨機を用いて研磨し、500℃のスコーチ処理を行って、ディスクブレーキパッド(摩擦材の厚さ9mm、摩擦材投影面積52cm2)を得た。
なお、実施例及び比較例において使用した各種材料の詳細は以下の通りである。
[結合材]
・樹脂A:シリコーン変性フェノール樹脂(住友ベークライト株式会社製 PR54529)
・樹脂B:アクリルゴム変性フェノール樹脂(住友ベークライト株式会社製 PR55291A)
・樹脂A:シリコーン変性フェノール樹脂(住友ベークライト株式会社製 PR54529)
・樹脂B:アクリルゴム変性フェノール樹脂(住友ベークライト株式会社製 PR55291A)
[有機充填材]
・カシューダスト:平均粒子径100〜500μm(東北化工株式会社製 FF2600)
・ゴム成分(タイヤゴム粉):株式会社カークエスト製 粉末TPA
・カシューダスト:平均粒子径100〜500μm(東北化工株式会社製 FF2600)
・ゴム成分(タイヤゴム粉):株式会社カークエスト製 粉末TPA
[繊維基材]
・銅繊維:平均繊維長3000μm
・アラミド繊維:平均繊維長1170μm
・鉱物繊維A:生体溶解性を有する鉱物繊維
平均繊維長:230±50μm
平均繊維径:5.5μm
CaO含有量:21.3質量%
MgO含有量:6.0質量%
その他の成分:SiO2(42.5質量%)、Al2O3(18.0質量%)、TiO2(1.5質量%)、Fe2O3(7.9質量%)、Na2O(2.0質量%)、K2O(0.5質量%)、P2O5(0.2質量%)、MnO(0.1質量%)
・鉱物繊維B:生体溶解性を有する鉱物繊維
平均繊維長:650±150μm
平均繊維径:5.5μm
CaO含有量:21.3質量%
MgO含有量:6.0質量%
その他の成分:SiO2(42.5質量%)、Al2O3(18.0質量%)、TiO2(1.5質量%)、Fe2O3(7.9質量%)、Na2O(2.0質量%)、K2O(0.5質量%)、P2O5(0.2質量%)、MnO(0.1質量%)
・鉱物繊維C:生体溶解性を有する鉱物繊維
平均繊維長:125±25μm
平均繊維径:5.5μm
CaO含有量:21.3質量%
MgO含有量:6.0質量%
その他の成分:SiO2(42.5質量%)、Al2O3(18.0質量%)、TiO2(1.5質量%)、Fe2O3(7.9質量%)、Na2O(2.0質量%)、K2O(0.5質量%)、P2O5(0.2質量%)、MnO(0.1質量%)
・無機繊維:生体溶解性を有しない無機繊維
平均繊維長:300±100μm
平均繊維径:2.5μm
SiO2(48.5〜49.5質量%)、Al2O3(50.5〜51.5質量%)、TiO2(0.1質量%)、Na2O(0.1質量%)、K2O(0.1質量%)
・銅繊維:平均繊維長3000μm
・アラミド繊維:平均繊維長1170μm
・鉱物繊維A:生体溶解性を有する鉱物繊維
平均繊維長:230±50μm
平均繊維径:5.5μm
CaO含有量:21.3質量%
MgO含有量:6.0質量%
その他の成分:SiO2(42.5質量%)、Al2O3(18.0質量%)、TiO2(1.5質量%)、Fe2O3(7.9質量%)、Na2O(2.0質量%)、K2O(0.5質量%)、P2O5(0.2質量%)、MnO(0.1質量%)
・鉱物繊維B:生体溶解性を有する鉱物繊維
平均繊維長:650±150μm
平均繊維径:5.5μm
CaO含有量:21.3質量%
MgO含有量:6.0質量%
その他の成分:SiO2(42.5質量%)、Al2O3(18.0質量%)、TiO2(1.5質量%)、Fe2O3(7.9質量%)、Na2O(2.0質量%)、K2O(0.5質量%)、P2O5(0.2質量%)、MnO(0.1質量%)
・鉱物繊維C:生体溶解性を有する鉱物繊維
平均繊維長:125±25μm
平均繊維径:5.5μm
CaO含有量:21.3質量%
MgO含有量:6.0質量%
その他の成分:SiO2(42.5質量%)、Al2O3(18.0質量%)、TiO2(1.5質量%)、Fe2O3(7.9質量%)、Na2O(2.0質量%)、K2O(0.5質量%)、P2O5(0.2質量%)、MnO(0.1質量%)
・無機繊維:生体溶解性を有しない無機繊維
平均繊維長:300±100μm
平均繊維径:2.5μm
SiO2(48.5〜49.5質量%)、Al2O3(50.5〜51.5質量%)、TiO2(0.1質量%)、Na2O(0.1質量%)、K2O(0.1質量%)
[無機充填材]
・チタン酸塩カリウムA:8チタン酸カリウム(平均粒子径3.5μm、形状:不定形)
・チタン酸塩カリウムB:6チタン酸カリウム(平均粒子径6μm、形状:柱状)
・チタン酸塩カリウムC:6チタン酸カリウム(平均粒子径27μm、形状:不定形)
・チタン酸塩カリウムD:6チタン酸カリウム(平均粒子径30μm、形状:不定形)
・チタン酸塩カリウムE:6チタン酸カリウム(平均粒子径46μm、形状:不定形)
・チタン酸リチウムカリウム:平均粒子径2.5μm、形状:板状
・ウォラストナイト:平均長さ300μm、アスペクト比:6
・黒鉛:平均粒子径300〜350μm(TIMCAL社製 4058)
・酸化ジルコニウム:平均粒子径8〜9μm
・珪酸ジルコニウムA:平均粒子径1〜2μm(第一稀元素化学工業株式会社製 MZ1000B)
・珪酸ジルコニウムB:平均粒子径0.4〜0.6μm、最大粒子径1.1μm(株式会社キンセイマテック製 A−PAX UF)
・硫化亜鉛:平均粒子径0.2μm
・マイカ:平均粒子径16〜17μm
・水酸化カルシウム:平均粒子径50〜70μm
・硫酸バリウム:平均粒子径12.5μm
・チタン酸塩カリウムA:8チタン酸カリウム(平均粒子径3.5μm、形状:不定形)
・チタン酸塩カリウムB:6チタン酸カリウム(平均粒子径6μm、形状:柱状)
・チタン酸塩カリウムC:6チタン酸カリウム(平均粒子径27μm、形状:不定形)
・チタン酸塩カリウムD:6チタン酸カリウム(平均粒子径30μm、形状:不定形)
・チタン酸塩カリウムE:6チタン酸カリウム(平均粒子径46μm、形状:不定形)
・チタン酸リチウムカリウム:平均粒子径2.5μm、形状:板状
・ウォラストナイト:平均長さ300μm、アスペクト比:6
・黒鉛:平均粒子径300〜350μm(TIMCAL社製 4058)
・酸化ジルコニウム:平均粒子径8〜9μm
・珪酸ジルコニウムA:平均粒子径1〜2μm(第一稀元素化学工業株式会社製 MZ1000B)
・珪酸ジルコニウムB:平均粒子径0.4〜0.6μm、最大粒子径1.1μm(株式会社キンセイマテック製 A−PAX UF)
・硫化亜鉛:平均粒子径0.2μm
・マイカ:平均粒子径16〜17μm
・水酸化カルシウム:平均粒子径50〜70μm
・硫酸バリウム:平均粒子径12.5μm
各例で得たディスクブレーキパッドを、ブレーキダイナモ試験機(新日本特機株式会社製)を用いて各種性能の評価を行った。実験には、一般的なピンスライド式のコレット型キャリパー及び株式会社キリウ製ベンチレーテッドディスクローター(FC250(ねずみ鋳鉄))を用い、50kgm2の慣性モーメントで評価を行った。
[低速低温制動域の摩擦係数安定性、及び一制動中の摩擦係数変動率の評価]
試験環境は25℃、湿度30%の条件で実施し、40km/h、0.15Gの制動を1500回実施し、制動回数500回目の摩擦係数から制動回数1500回目の摩擦係数の変化率を「低速低温制動域での摩擦係数安定性」とし、下記評価基準に基づいて評価した。結果を表1に示す。
(評価基準)
A:変化率±5%以内
B:変化率+5%超+10%以下、又は−10%以上−5%未満
C:変化率10%超又は−10%未満
試験環境は25℃、湿度30%の条件で実施し、40km/h、0.15Gの制動を1500回実施し、制動回数500回目の摩擦係数から制動回数1500回目の摩擦係数の変化率を「低速低温制動域での摩擦係数安定性」とし、下記評価基準に基づいて評価した。結果を表1に示す。
(評価基準)
A:変化率±5%以内
B:変化率+5%超+10%以下、又は−10%以上−5%未満
C:変化率10%超又は−10%未満
また、制動回数1500回目における一制動中の摩擦係数の変動率を「一制動中の摩擦係数変動率」とし、下記算出方法及び下記評価基準に基づいて評価した。結果を表1に示す。
(算出方法)
一制動中の摩擦係数変動率(%)=((時間X2における摩擦係数−時間X3における摩擦係数)×100)/(X2−X3)
制動開始時間(秒):X1
制動終了時間(秒):X2
実制動時間の中点(秒):X3=(X1+X2)/2
(評価基準)
A:変動率3%以下
B:変動率3%超5%以下
C:変動率5%を超えるもの
(算出方法)
一制動中の摩擦係数変動率(%)=((時間X2における摩擦係数−時間X3における摩擦係数)×100)/(X2−X3)
制動開始時間(秒):X1
制動終了時間(秒):X2
実制動時間の中点(秒):X3=(X1+X2)/2
(評価基準)
A:変動率3%以下
B:変動率3%超5%以下
C:変動率5%を超えるもの
[通常制動域における摩擦係数の評価]
試験環境は25℃、湿度30%の条件で実施し、JASO C406に準拠し、第二効力試験における200km/h、0.6G制動における摩擦係数を計測し、下記評価基準に基づいて評価した。結果を表1に示す。
(評価基準)
A:0.38以上、0.41未満
B:0.35以上、0.38未満
C:0.35未満
試験環境は25℃、湿度30%の条件で実施し、JASO C406に準拠し、第二効力試験における200km/h、0.6G制動における摩擦係数を計測し、下記評価基準に基づいて評価した。結果を表1に示す。
(評価基準)
A:0.38以上、0.41未満
B:0.35以上、0.38未満
C:0.35未満
無機繊維(X)に該当する鉱物繊維A〜Cを規定量含む実施例1〜12の摩擦材は、銅を含有する比較例1よりも通常制動域の摩擦係数が良好であった。また、実施例1〜12は、無機繊維(X)の含有量が規定量未満の比較例2よりも一制動中の摩擦係数変動率が小さく良好であった。さらに、無機繊維(X)の含有量が規定量以上である比較例3よりも低速低温制動域の摩擦係数安定性が良好であった。
本発明の摩擦材、摩擦材組成物及び摩擦部材は従来品と比較して、環境負荷の高い銅を用いなくとも、低速低温制動域において安定した摩擦係数を発現でき、通常制動域において優れた摩擦係数を有するため、一般的な乗用車向けには勿論、回生ブレーキ等の制御ブレーキ搭載の乗用車用ブレーキパッドなどに好適である。
Claims (21)
- 銅を含まない、又は含んでいてもその含有量が、銅元素として0.5質量%以下の摩擦材であり、生体溶解性を有する無機繊維(X1)を、摩擦材全量100質量%に対して、5.0質量%以上10.0質量%未満含有する、摩擦材。
- 前記無機繊維(X1)の平均繊維長が、100〜800μmである、請求項1に記載の摩擦材。
- 銅を含まない、又は含んでいてもその含有量が、銅元素として0.5質量%以下の摩擦材であり、酸化カルシウム及び酸化マグネシウムを含有する無機繊維(X2)を、摩擦材全量100質量%に対して、5.0質量%以上10.0質量%未満含有する、摩擦材。
- 前記無機繊維(X2)中における、酸化カルシウムの含有量が15〜30質量%であり、酸化マグネシウムの含有量が3〜20質量%である、請求項3に記載の摩擦材。
- 前記無機繊維(X2)中における、酸化カルシウム及び酸化マグネシウムの総含有量が、18〜40質量%である、請求項3又は4に記載の摩擦材。
- さらに、無機充填材として、平均粒子径が0.4〜2μmの珪酸ジルコニウムを、摩擦材全量100質量%に対して、4〜10質量%含有する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の摩擦材。
- さらに、無機充填材として、非針状であって平均粒子径が2〜50μmのチタン酸塩を、摩擦材全量100質量%に対して、15〜25質量%含有する、請求項1〜6のいずれか1項に記載の摩擦材。
- さらに、無機充填材として、酸化ジルコニウムを、摩擦材全量100質量%に対して、10〜20質量%含有する、請求項1〜7のいずれか1項に記載の摩擦材。
- さらに、無機充填材として、ウォラストナイトを、摩擦材全量100質量%に対して、2〜10質量%含有する、請求項1〜8のいずれか1項に記載の摩擦材。
- 金属粉を含まない、又は含んでいてもその含有量が、摩擦材全量100質量%に対して、0.5質量%以下である、請求項1〜9のいずれか1項に記載の摩擦材。
- 請求項1〜10のいずれか1項に記載の摩擦材と裏金とを一体化してなる摩擦部材。
- 銅を含まない、又は含んでいてもその含有量が、銅元素として0.5質量%以下の摩擦材組成物であり、生体溶解性を有する無機繊維(X1)を、摩擦材組成物全量100質量%に対して、5.0質量%以上10.0質量%未満含有する、摩擦材組成物。
- 前記無機繊維(X1)の平均繊維長が、100〜800μmである、請求項12に記載の摩擦材組成物。
- 銅を含まない、又は含んでいてもその含有量が、銅元素として0.5質量%以下の摩擦材組成物であり、酸化カルシウム及び酸化マグネシウムを含有する無機繊維(X2)を、摩擦材組成物全量100質量%に対して、5.0質量%以上10.0質量%未満含有する、摩擦材組成物。
- 前記無機繊維(X2)中における、酸化カルシウムの含有量が15〜30質量%であり、酸化マグネシウムの含有量が3〜20質量%である、請求項14に記載の摩擦材組成物。
- 前記無機繊維(X2)中における、酸化カルシウム及び酸化マグネシウムの総含有量が、18〜40質量%である、請求項14又は15に記載の摩擦材組成物。
- さらに、無機充填材として、平均粒子径が0.4〜2μmの珪酸ジルコニウムを、摩擦材組成物全量100質量%に対して、4〜10質量%含有する、請求項12〜16のいずれか1項に記載の摩擦材組成物。
- さらに、無機充填材として、非針状であって平均粒子径が2〜50μmのチタン酸塩を、摩擦材組成物全量100質量%に対して、15〜25質量%含有する、請求項12〜17のいずれか1項に記載の摩擦材組成物。
- さらに、無機充填材として、酸化ジルコニウムを、摩擦材組成物全量100質量%に対して、10〜20質量%含有する、請求項12〜18のいずれか1項に記載の摩擦材組成物。
- さらに、無機充填材として、ウォラストナイトを、摩擦材組成物全量100質量%に対して、2〜10質量%含有する、請求項12〜19のいずれか1項に記載の摩擦材組成物。
- 金属粉を含まない、又は含んでいてもその含有量が、摩擦材組成物全量100質量%に対して、0.5質量%以下である、請求項12〜20のいずれか1項に記載の摩擦材組成物。
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