JPH09112065A - 既存建築物の壁を用いた制震構造 - Google Patents
既存建築物の壁を用いた制震構造Info
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- JPH09112065A JPH09112065A JP26983895A JP26983895A JPH09112065A JP H09112065 A JPH09112065 A JP H09112065A JP 26983895 A JP26983895 A JP 26983895A JP 26983895 A JP26983895 A JP 26983895A JP H09112065 A JPH09112065 A JP H09112065A
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- Japan
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- wall
- walls
- slits
- vibration control
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- Buildings Adapted To Withstand Abnormal External Influences (AREA)
- Working Measures On Existing Buildindgs (AREA)
- Vibration Prevention Devices (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 既存建築物に、耐震要素としての壁、柱又は
ブレース等を増設して耐震性を向上させるが、脆弱な壁
等を数多く増設して建築物の重量を増大させたり、利用
空間を狭めて使い勝手のわるいものにすることなく、既
存建築物の耐震性を向上させることを課題とする。 【解決手段】 既存建築物の壁の左右両端の柱に沿って
垂直にスリットを設け、又壁の中央水平方向、又は上階
の梁、又は下階の梁との間に水平方向にスリットを設
け、壁をそれぞれ独立に形成し、前記水平方向スリット
に制震装置を組み込む構造とする。
ブレース等を増設して耐震性を向上させるが、脆弱な壁
等を数多く増設して建築物の重量を増大させたり、利用
空間を狭めて使い勝手のわるいものにすることなく、既
存建築物の耐震性を向上させることを課題とする。 【解決手段】 既存建築物の壁の左右両端の柱に沿って
垂直にスリットを設け、又壁の中央水平方向、又は上階
の梁、又は下階の梁との間に水平方向にスリットを設
け、壁をそれぞれ独立に形成し、前記水平方向スリット
に制震装置を組み込む構造とする。
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】耐震性の弱い既存建築物に於
いて、既存の壁を用いて耐震性を向上させる壁の構造に
関する。
いて、既存の壁を用いて耐震性を向上させる壁の構造に
関する。
【０００２】
【従来の技術及び発明の解決しようとする課題】従来、
耐震性の弱い既存建築物を耐震補強する場合、新たに柱
或いは壁等を増設する方法が採用されていた。
耐震性の弱い既存建築物を耐震補強する場合、新たに柱
或いは壁等を増設する方法が採用されていた。
【０００３】柱或いは壁等を増設しても、それ自体が脆
弱な場合は所要の耐震強度を得るために必要とする柱の
本数或いは壁の枚数は数多くなる。従って建築物重量が
大きくなると共に有効利用空間が制限を受け好ましくな
い。
弱な場合は所要の耐震強度を得るために必要とする柱の
本数或いは壁の枚数は数多くなる。従って建築物重量が
大きくなると共に有効利用空間が制限を受け好ましくな
い。
【０００４】そこで本発明は、通常の柱又は壁を増設す
ることによって生ずる前述のような問題点を解決するこ
とを課題とする。
ることによって生ずる前述のような問題点を解決するこ
とを課題とする。
【０００５】
【課題を解決するための手段】既存建築物の耐震要素で
ある壁に左右両端の柱際に、該柱に沿って垂直なスリッ
トを設ける。又壁中間部に水平スリットを設け、壁を独
立した垂れ壁と腰壁とし、両者の間に制震装置例えば弾
塑性ダンパー、粘性ダンパー、粘弾性ダンパー等で、前
記垂れ壁と腰壁を接合する構造とする。
ある壁に左右両端の柱際に、該柱に沿って垂直なスリッ
トを設ける。又壁中間部に水平スリットを設け、壁を独
立した垂れ壁と腰壁とし、両者の間に制震装置例えば弾
塑性ダンパー、粘性ダンパー、粘弾性ダンパー等で、前
記垂れ壁と腰壁を接合する構造とする。
【０００６】また上階の梁と壁、或いは下階の梁と壁を
分離してスリットを設け該スリットに制震装置を配置し
てもよい。
分離してスリットを設け該スリットに制震装置を配置し
てもよい。
【０００７】既存の壁を独立した垂れ壁と腰壁とするこ
とにより、建築物全体の地震による変形は、それぞれ独
立した垂れ壁と腰壁の変形となる。即ち両者間に相対変
形を生じて、制震装置が該相対変形に抗して振動エネル
ギを吸収する。
とにより、建築物全体の地震による変形は、それぞれ独
立した垂れ壁と腰壁の変形となる。即ち両者間に相対変
形を生じて、制震装置が該相対変形に抗して振動エネル
ギを吸収する。
【０００８】
【発明の実施の形態】以下図面に従って本発明を説明す
る。
る。
【０００９】図１は典型的な既存の一般建築物の平面図
であり、中央部近傍に耐震壁３が配置されている。本発
明は、該既存の耐震壁３を加工して制震構造を形成する
ものである。
であり、中央部近傍に耐震壁３が配置されている。本発
明は、該既存の耐震壁３を加工して制震構造を形成する
ものである。
【００１０】図２（ａ）は、その実施の一例で、左右の
柱１に沿って垂直にスリット７を設け、既存壁６の中央
部分にも水平にスリット７を設け、弾塑性ダンパー８で
分離した壁６を接合した図である。なお梁２の靭性を確
保するため、壁の四隅に梁２に沿って梁２の成の１／３
程度の水平スリットＷを設けるものとする。図２（ｂ）
は、（ａ）の立面図である。また弾塑性ダンパー８を設
ける水平なスリット幅には制限はない。
柱１に沿って垂直にスリット７を設け、既存壁６の中央
部分にも水平にスリット７を設け、弾塑性ダンパー８で
分離した壁６を接合した図である。なお梁２の靭性を確
保するため、壁の四隅に梁２に沿って梁２の成の１／３
程度の水平スリットＷを設けるものとする。図２（ｂ）
は、（ａ）の立面図である。また弾塑性ダンパー８を設
ける水平なスリット幅には制限はない。
【００１１】図３は図２に於いて、弾塑性ダンパー８に
代えてオイルダンパー９を取着した例を示す図である。
代えてオイルダンパー９を取着した例を示す図である。
【００１２】図４は図２に於いて、弾塑性ダンパー８に
代えて粘弾性ダンパー９を取着した例を示す図である。
代えて粘弾性ダンパー９を取着した例を示す図である。
【００１３】図５（ａ）は既存壁６を中央で分割せず、
下階の梁２と分離してスリット７を設け、弾塑性ダンパ
ー８を介して壁６と梁２を接合したことを示す図であ
る。図５（ｂ）は逆に上階の梁２と壁６を分離してスリ
ット７を設け弾塑性ダンパー８を介して上階の壁６と接
合したことを示す図である。
下階の梁２と分離してスリット７を設け、弾塑性ダンパ
ー８を介して壁６と梁２を接合したことを示す図であ
る。図５（ｂ）は逆に上階の梁２と壁６を分離してスリ
ット７を設け弾塑性ダンパー８を介して上階の壁６と接
合したことを示す図である。
【００１４】図６は弾塑性ダンパー８を壁６に直接取着
する方法を示す図であり、図７は、弾塑性ダンパー８を
Ｔ字型プレート１１を介して壁に取着した例を示す図で
ある。
する方法を示す図であり、図７は、弾塑性ダンパー８を
Ｔ字型プレート１１を介して壁に取着した例を示す図で
ある。
【００１５】図８は別の実施例を示しており、既存の壁
６を上階の梁２との剛接部を残し、左右の柱１、１と下
階の梁２とを切り離し、スリットを設け、該壁６を上部
が開口した容器１２の中に収め、前記壁６と該容器１２
との間に粘性体例えばシリコン１３等を充填して、粘性
抵抗によって制震しようとする図である。
６を上階の梁２との剛接部を残し、左右の柱１、１と下
階の梁２とを切り離し、スリットを設け、該壁６を上部
が開口した容器１２の中に収め、前記壁６と該容器１２
との間に粘性体例えばシリコン１３等を充填して、粘性
抵抗によって制震しようとする図である。
【００１６】
【発明の効果】本発明によれば既存壁にスリットを設
け、制震装置を介して既存梁と接合する構造なので、耐
震性の弱い既存建築物にあって、柱、壁のような耐震要
素を増設することなく、または柱、梁を新たに追加補強
することなく容易に耐震補強を行うことができる。従っ
て建築物の重量増加もなく、利用空間を縮小するという
障害をもたらさない。
け、制震装置を介して既存梁と接合する構造なので、耐
震性の弱い既存建築物にあって、柱、壁のような耐震要
素を増設することなく、または柱、梁を新たに追加補強
することなく容易に耐震補強を行うことができる。従っ
て建築物の重量増加もなく、利用空間を縮小するという
障害をもたらさない。
【図１】典型的な既存の一般建築物の平面図である。
【図２】（ａ）は、その実施の一例で、左右の柱に沿っ
て垂直にスリットを設け、既存壁の中央部分にも水平に
スリットを設け、弾塑性ダンパーで分離した壁を接合し
た図である。（ｂ）は、（ａ）の立面図である。
て垂直にスリットを設け、既存壁の中央部分にも水平に
スリットを設け、弾塑性ダンパーで分離した壁を接合し
た図である。（ｂ）は、（ａ）の立面図である。
【図３】図２に於いて、弾塑性ダンパーに代えてオイル
ダンパーを取着した例を示す図である。
ダンパーを取着した例を示す図である。
【図４】図２に於いて、弾塑性ダンパーに代えて粘弾性
ダンパーを取着した例を示す図である。
ダンパーを取着した例を示す図である。
【図５】（ａ）は既存壁を中央で分割せず、下階の梁と
分離してスリットを設け、弾塑性ダンパーを介して壁と
梁を接合したことを示す図である。（ｂ）は逆に上階の
梁と壁を分離してスリットを設け弾塑性ダンパーを介し
て上階の壁と接合したことを示す図である。
分離してスリットを設け、弾塑性ダンパーを介して壁と
梁を接合したことを示す図である。（ｂ）は逆に上階の
梁と壁を分離してスリットを設け弾塑性ダンパーを介し
て上階の壁と接合したことを示す図である。
【図６】弾塑性ダンパー８を壁６に直接取着する方法を
示す図である。
示す図である。
【図７】弾塑性ダンパーをＴ字型プレートを介して壁に
取着した例を示す図である。
取着した例を示す図である。
【図８】別の実施例を示しており、既存の壁を上階の梁
との剛接部を残し、左右の柱と下階の梁とを切り離し、
スリットを設け、該壁を上部が開口した容器の中に収
め、前記壁と該容器との間に粘性体例えばシリコン等を
充填して、粘性抵抗によって制震しようとする図であ
る。
との剛接部を残し、左右の柱と下階の梁とを切り離し、
スリットを設け、該壁を上部が開口した容器の中に収
め、前記壁と該容器との間に粘性体例えばシリコン等を
充填して、粘性抵抗によって制震しようとする図であ
る。
１……既存の柱、２……既存の梁、３……耐震壁、４…
…階段、５……エレベータ、６……既存の壁、７……ス
リット、８……弾塑性ダンパー、９……オイルダンパ
ー、１０……粘弾性ダンパー、１１……Ｔ字型プレー
ト、１２……容器、１３……粘性体例えばシリコン
…階段、５……エレベータ、６……既存の壁、７……ス
リット、８……弾塑性ダンパー、９……オイルダンパ
ー、１０……粘弾性ダンパー、１１……Ｔ字型プレー
ト、１２……容器、１３……粘性体例えばシリコン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 ＦＩ 技術表示箇所 Ｅ０４Ｂ 2/56 ６１１ Ｅ０４Ｂ 2/56 ６１１Ｄ ６２１ ６２１Ｊ ６２１Ｙ ６２１Ｗ ６３２ ６３２Ｂ ６３２Ｃ ６３２Ｊ ６３２Ｙ ６３２Ｗ ６４２ ６４２Ｈ ６４３ ６４３Ａ Ｅ０４Ｇ 23/02 Ｅ０４Ｇ 23/02 Ｅ Ｆ１６Ｆ 7/12 Ｆ１６Ｆ 7/12 15/02 8917−3Ｊ 15/02 Ｋ (72)発明者 有田 友彦 東京都港区元赤坂１丁目２番７号 鹿島建 設株式会社内 (72)発明者 小鹿 紀英 東京都港区元赤坂１丁目２番７号 鹿島建 設株式会社内 (72)発明者 鈴木 紀雄 東京都港区元赤坂１丁目２番７号 鹿島建 設株式会社内
Claims (3)
- 【請求項１】 既存建築物の壁を用いた制震構造であ
り、既存建築物の耐震要素である壁に、左右両端の柱に
沿って垂直にスリットを設け、かつ、前記耐震壁の中央
部にもスリットを設け、前記壁を独立した垂れ壁と腰壁
に分離し、該垂れ壁と腰壁の間に制震装置を配置して接
合してなることを特長とした既存建築物の壁を用いた制
震構造。 - 【請求項２】 既存壁の左右両端の柱に沿って垂直なス
リットを設け、上階の梁又は下階の梁との間に水平なス
リットを設け、壁を独立した腰壁又は垂れ壁に形成し、
前記水平なスリットに制震装置を配置し、上階の梁又は
下階の梁と接合してなることを特長とした請求項１記載
の既存建築物の壁を用いた制震構造。 - 【請求項３】 既存建築物の壁を用いた制震構造であ
り、既存壁の左右両端の柱に沿って垂直なスリットを設
け、下階の梁に沿っても同様なスリットを設け、壁を独
立した垂れ壁として形成し、該壁を上部が開口する容器
に収め、容器内に粘性物を充填してなることを特長とし
た既存建築物の壁を用いた制震構造。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP26983895A JP3261949B2 (ja) | 1995-10-18 | 1995-10-18 | 既存建築物の壁を用いた制震構造 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP26983895A JP3261949B2 (ja) | 1995-10-18 | 1995-10-18 | 既存建築物の壁を用いた制震構造 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH09112065A true JPH09112065A (ja) | 1997-04-28 |
| JP3261949B2 JP3261949B2 (ja) | 2002-03-04 |
Family
ID=17477895
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP26983895A Expired - Fee Related JP3261949B2 (ja) | 1995-10-18 | 1995-10-18 | 既存建築物の壁を用いた制震構造 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3261949B2 (ja) |
Cited By (8)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| KR100448441B1 (ko) * | 2001-10-22 | 2004-09-13 | 주식회사 포스코 | 슬릿댐퍼를 구비한 브레이싱형 철골구조 |
| JP2007100366A (ja) * | 2005-10-04 | 2007-04-19 | Shimizu Corp | 既存建築物の制震補強構造 |
| JP2011137309A (ja) * | 2009-12-28 | 2011-07-14 | Taisei Corp | 免震改修構造 |
| WO2012084727A1 (fr) * | 2010-12-24 | 2012-06-28 | European Aeronautic Defence And Space Company Eads France | Pièce structurale à capacité de dissipation d'énergie |
| JP2015094452A (ja) * | 2013-11-14 | 2015-05-18 | 三菱重工業株式会社 | 振れ止め構造の改修工法 |
| JP2018080569A (ja) * | 2016-11-09 | 2018-05-24 | 清水建設株式会社 | 木質耐震壁 |
| JP2019044498A (ja) * | 2017-09-04 | 2019-03-22 | 株式会社竹中工務店 | 耐震スリット構造 |
| JP2019196669A (ja) * | 2018-05-11 | 2019-11-14 | 株式会社大林組 | 木質構造 |
-
1995
- 1995-10-18 JP JP26983895A patent/JP3261949B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (11)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| KR100448441B1 (ko) * | 2001-10-22 | 2004-09-13 | 주식회사 포스코 | 슬릿댐퍼를 구비한 브레이싱형 철골구조 |
| JP2007100366A (ja) * | 2005-10-04 | 2007-04-19 | Shimizu Corp | 既存建築物の制震補強構造 |
| JP4640672B2 (ja) * | 2005-10-04 | 2011-03-02 | 清水建設株式会社 | 既存建築物の制震補強構造 |
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| WO2012084727A1 (fr) * | 2010-12-24 | 2012-06-28 | European Aeronautic Defence And Space Company Eads France | Pièce structurale à capacité de dissipation d'énergie |
| FR2969729A1 (fr) * | 2010-12-24 | 2012-06-29 | Eads Europ Aeronautic Defence | Piece structurale a capacite de dissipation d'energie |
| US9086110B2 (en) | 2010-12-24 | 2015-07-21 | European Aeronautic Defence And Space Company Eads France | Structural part having the ability to dissipate energy |
| JP2015094452A (ja) * | 2013-11-14 | 2015-05-18 | 三菱重工業株式会社 | 振れ止め構造の改修工法 |
| JP2018080569A (ja) * | 2016-11-09 | 2018-05-24 | 清水建設株式会社 | 木質耐震壁 |
| JP2019044498A (ja) * | 2017-09-04 | 2019-03-22 | 株式会社竹中工務店 | 耐震スリット構造 |
| JP2019196669A (ja) * | 2018-05-11 | 2019-11-14 | 株式会社大林組 | 木質構造 |
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JP3261949B2 (ja) | 2002-03-04 |
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