JPH021947B2 - - Google Patents

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JPH021947B2
JPH021947B2 JP20667484A JP20667484A JPH021947B2 JP H021947 B2 JPH021947 B2 JP H021947B2 JP 20667484 A JP20667484 A JP 20667484A JP 20667484 A JP20667484 A JP 20667484A JP H021947 B2 JPH021947 B2 JP H021947B2
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JP
Japan
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wall
seismic
plate
rising
hanging
Prior art date
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Expired
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JP20667484A
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English (en)
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JPS6187068A (ja
Inventor
Mitsuo Myazaki
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Construction Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Construction Co Ltd
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Publication date
Application filed by Sumitomo Construction Co Ltd filed Critical Sumitomo Construction Co Ltd
Priority to JP20667484A priority Critical patent/JPS6187068A/ja
Publication of JPS6187068A publication Critical patent/JPS6187068A/ja
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  • Load-Bearing And Curtain Walls (AREA)
  • Buildings Adapted To Withstand Abnormal External Influences (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は地震に対する高い粘性減衰性能を有
する耐震壁に関するもので、各種建築構造物の壁
に利用することができる。
〔従来の技術および問題点〕
耐震設計の観点から開発されてきた技術として
は空間ユニツト用免震支承、粘性ダンパーサポー
ト、ブレースダンパー、スリツト耐震壁をはじめ
とする可撓耐震壁、鋼板内蔵RC耐震壁等がある。
特に、建築物の高層化を実現するためには耐震
壁の変形能力を改善することが不可欠で、数多く
の可撓耐震壁が提案されている。その目的とする
ところは、耐震壁の変形能力を大きくして剛性の
低くて変形能力の大きなフレーム構造と共同して
地震力に抵抗させるとともに、建築構造物の剛性
も適度に高めようとするものである(第17図参
照)。
しかし、これまでの耐震設計における耐震要素
はフレーム構造、耐震壁、プレース構造等のいず
れにおいても、その本質はその構造要素が水平変
形を生じることによつてはじめて水平抵抗力が発
生することにある。しかも、大地震時おいてはこ
れらの耐震要素の弾性変形内での抵抗力では不十
分であるため、その塑性化を許容し、塑性域にお
けるエネルギー吸収能力によつて地震エネルギー
に耐えようという基本思想に立脚した耐震設計が
行なわれている。これは換言するまでもなく、大
地震時においては、建築構造物がかなりの損傷を
受けることを前提としている。
従来の耐震設計におけるもう一つの問題点は非
常によく耐震設計された建築構造物が大地震に耐
え得たとした場合でも、これらの建築物は地震動
の継続時間中に非常に大きな水平加速度を経験す
る可能性が極めて高いということである。このこ
とは、建築構造体はたとえ損傷を受けなかつたと
しても、建物内での家具の設備機器等が転倒した
り、落下物が生じたり、また人間と物との衝突等
という災害の発生する危険性が極めて高いことを
意味している。
これに対し、特公昭54−28226号公報には鋼板
の板からなる抵抗板間に粘性物質を充填介在せし
めてなる振動減衰装置を構造物の化粧部材間に組
み込んだものが開示されている。上記装置は左右
の柱と上下の梁に囲まれた空間においてプレース
あるいは垂れ壁、腰壁状の取付部材によつて支持
され、粘性物質の粘性せん断力抵抗によつて板面
に沿つた方向に抵抗力を発生させて振動を減衰さ
せるようにしたものである。
また、同様の振動減衰装置は特公昭54−19108
号、同19109号、同19110号特公昭54−19709号、
同19710号の発明でも用いられている。
この発明の制震壁はこれらの従来技術をさらに
発展させたものであり、単に骨組の崩壊を防ぐだ
けでなく、壁自体に粘性抵抗による振動減衰機能
を与えることにより建築構造物の地震に対する応
答性能を根本的に変え、建物内部での二次的な被
害を防止して安全性の高い構造物の建築を可能と
するものである。
〔問題点を解決するための手段〕
この発明の制震壁は上階の梁2またはスラブ3
より垂下する垂下壁4と、下階の梁2またはスラ
ブ3より立上る立上り壁5と、前記垂下壁4と立
上り壁5間の間隙に充填した粘性材料6とからな
る。
立上り壁5は平行な複数枚の板5aからなり、
左右および上端を構造体骨組とわずかな間隙をお
いて切り離してある。一方、垂下壁4は立上り壁
5を構成する板5aと平行な一または複数枚の板
4aからなり、立上り壁5内へ垂下する。
これらの板4a,5aとしては鋼板、GRC板、
FRP板等を使用することができる。
粘性材料6としてはシリコン系粘性材料、アス
フアルト系粘性材料、またはブタジエン等の樹脂
系粘性材料等が利用できる。これらの粘度は
20000〜60000ポアズ程度であり、減衰力として10
〜1000ton・sec/cm程度が期待できる。
建物に入力された地震力はその粘性材料によつ
て吸収され、制震性を骨組構造体内にバランスよ
く配置することにより、地震時の応答加速度、応
答せん断力等大きく減少させることができる。
〔実施例〕
第1図〜第3図はこの発明の制震壁の一例を示
したもので、図中、1,2,3はそれぞれ建築構
造物の骨組をなす柱、梁およびスラブである。
制震壁は上階の梁2より垂下する垂下壁4と、
下階の梁2より立上る立上り壁5と、垂下壁4と
立上り壁5間の間隙に充填したブタジエン樹脂等
の粘性材料6とからなる。
第4図に示すように立上り壁5は鋼板5aから
なり、上端が開口する中空の壁であり、この中空
部に鋼板4aからなる垂下壁4が垂下している。
また、この実施例では立上り壁5を構成する鋼板
5aの外側にはコンクリート5bが一体化されて
いる。
この耐震壁を有する構造物が、地震動等の外乱
を受けると、制震壁の上下階の水平応答速度の差
に比例した粘性減衰力が垂下壁4と立上り壁5と
の間に発生し、構造物の地震応答を減衰させる。
制震壁の粘性材料6の種類、粘性抵抗面積(第
1図を参照してA=bh×2),配置数等は構造物
に望む減衰係数に応じて選択することができる。
また垂下壁4と立上り壁5の組み合せ数も垂下壁
4が1枚の場合(第1図〜第4図、第5図a参
照)に限らず、第5図b,cのように垂下壁4を
n枚、立上り壁5を(n+1)枚(nは2以上)
とする場合もある。
なお立上り壁5の外側のコンクリート5bは座
屈止めおよび耐火被覆も兼ねている。
また、制震壁は通常第2図、第3図に示すよう
に、柱1,梁2で囲まれた部分に、柱1と若干の
間隙をもつて配置する(柱1の変形能力を阻害し
ないため)が、柱1,梁2のない部分で上下のス
ラブ3間に設置してもよい。
さらに、通常の純ラーメン構造、耐震壁付ラー
メン構造、壁式構造等種々の構造に組み込むこと
が可能で、また構造材料的分類においてもRC造、
SRC造、S造、その他全ての構造形式に適用可
能である。
次に第6図および第7図に示すモデルを用いた
計算例について説明する。
なお、モデルは3階建、5階建、8階建、11階
建、14階建、17階建、20階建の7種類について検
討を行ない、入力地震波としては「エルセントロ
1940 NS」を用い、最大入力加速度は200Galお
よび400Galとした。
図中梁のスパンおよび建物の幅、奥行はB1
5m,B2=2m,B=24m,高さH1=3m,H
=60mである。また、各部材は以下の様に仮定し
た。
柱 :600×600mm2 大 梁:400×700mm2 地中梁:400×1100mm2 充填する粘性材料の粘性係数はη=20000ポア
ズ、間隙幅dy=0.05cmと仮定し、これにより、 Q=ηAdv/dy =2.0×104×1.02×10-6×220 ×360×2/0.05×1/1000 =64.6ton・sec/cm となり、以下パネル一枚の減衰係数を Cw=50ton・sec/cm と設定する。
制震壁は第7図に示すようにX方向、Y方向と
も各階2枚設置し、従つて減衰係数は100(ton・
sec/cm)/階となる。また、建物自体の減衰係
数は無視し、減衰力は速度に比例するものとし
た。
第8図〜第16図は計算結果をグラフとして表
わしたもので、P1,P2.N1,N2は次の通りであ
る。
P1:制震壁なし、入力200Gal P2:制震壁なし、入力400Gal N1:制震壁あり、入力200Gal N2:制震壁あり、入力400Gal 第8図、第9図、第10図はそれぞれ3階建か
ら20階建の7種類について、重上階の最大応答加
速度、最大応答せん断係数(ベースシアー係数),
最上階の最大水平変位を比較したもので、各階数
で減衰効果が表われており、高層の建物でも顕著
な効果がみられる。
第11図および第12図はそれぞれ5階建と20
階建の建物について各階での最大応答せん断力を
比較したもので、制震壁を組み込むことによつて
応答せん断力は約5割程度に減少し、しかも非常
になめらかな応答となつている。
第13図および第14図は同様に最大応答せん
断係数を示したもので、特に20階建では上層階の
応答加速度は半分以下に減少し、建物内における
家具の転倒や落下、衝突等の発生が大幅に減少す
ると考えられる。
第15図および第16図は最大水平変位を比較
したもので、制震壁を組み込むことにより、上層
階では層間変位が非常に小さくなつている。
〔発明の効果〕
この発明の制震壁を建物に組み込むことにより
垂下壁と立上り壁間に充填した粘性材料が地震時
のエネルギーを吸収し、建物の地震応答を大幅に
減少させる。また、柱、梁等の構造要素が抵抗力
を発生していない時にも抵抗し、エネルギーの吸
収により構造物の塑性化、損傷の可能性が大幅に
低減される。さらに建物が大地震時に経験する最
大応答加速度が半減し、家具や建物内設備の転
倒、酪下、衝突等の危険性が減少する。
また、建物の設計においても、地震応答が減衰
されるので、経済設計が可能となる。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明の一実施例を示す壁方向の縦
断面図、第2図は壁と直角方向の縦断面図、第3
図は横断面図、第4図は要部拡大縦断面図、第5
図a,b,cは壁の構成の概略を示す断面図、第
6図は計算モデルの正面図、第7図はその横断面
図、第8図〜第16図は計算結果を示したグラ
フ、第17図は従来の耐震構造の特性を示すグラ
フである。 1…柱、2…梁、3…スラブ、4…垂下壁、5
…立上り壁、6…粘性材料。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 平行な複数枚の板5aを下階の梁2またはス
    ラブ3より立上げ、左右および上端を構造体骨組
    とわずかな間隙をもつて切り離してなる立上り壁
    5と、上階の梁2またはスラブ3より前記立上り
    壁5内へ、立上り壁5を構成する前記板5aと平
    行に垂下させた一または複数枚板の4aからなる
    垂下壁4と、前記立上り壁5と垂下壁4間の間隙
    に充填した粘性材料6とからなり、前記立上り壁
    5は壁本体を構成していることを特徴とする耐震
    壁。 2 垂下壁4を構成する板4aおよび立上り壁5
    を構成する板5aは鋼板である特許請求の範囲第
    1項記載の耐震壁。 3 垂下壁4を構成する板4aおよび立上り壁5
    を構成する板5aはGRC板である特許請求の範
    囲第1項記載の耐震壁。 4 垂下壁4を構成する板4aおよび立上り壁5
    を構成する板5aはFRP板である特許請求の範
    囲第1項記載の耐震壁。
JP20667484A 1984-10-02 1984-10-02 耐震壁 Granted JPS6187068A (ja)

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JP2010255302A (ja) * 2009-04-24 2010-11-11 Dynamic Design:Kk 粘性制震壁
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