JP2766885B2 - 建築物における制振方式 - Google Patents

建築物における制振方式

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  • Buildings Adapted To Withstand Abnormal External Influences (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、建築物、とくに超高層建築において問題と
なる風圧力、地震力に対する制振方式に関する。
[従来の技術] 100階建クラスの超高層建築になると、風、地震に対
する居住性の観点から何等かの制振機構が必要となる。
米国では100階建クラスの超高層建築の建設実績がかな
りあり、例えば、ワールドトレードセンタービル(110
階、高さ約411m、周期約10秒)においては、梁の下弦材
約1万箇所に粘性ダンパーを組み込んで、建物全体の減
衰定数を約2%にし、平常時の建物頂部の変位振幅を約
1.3cm程度にしている。
この程度の大規模な建築物になると、その質量の大き
さ、振動エネルギーの大きさからして、マス・ダンパー
系の制振機構は、付加する振子を収納するスペースが大
きくなること及びその振幅が大きくなること(約m〜10
数m)など、実用面での問題点が多々存在する。そこ
で、本発明者は、摩擦によるエネルギー吸収能力の大き
いことに着目して、大規模な超高層建築物に適する制振
機構を特公昭56−23515号公報により提案した。
その原理を第8図および第9図により説明する。図は
摩擦によるエネルギー減衰装置のモデルおよび復元力特
性を示している。
第8図(a)において、梁Aに作用する荷重をP、梁
Aに作用する外力をF、変形量をx、バネによる梁Aの
復元力をkx、梁Aと滑り面Bとの間の摩擦係数をμとす
ると、 F=kx+μP の関係となり、梁Aの変形量xに対する復元力特性は
(b)図のようになる。しかしながら、この図のような
復元力特性のままでは、外力Fの大きさがを摩擦力μP
より大きくならないとエネルギー吸収能力を発揮しない
し、また、外力の作用がなくなると残留変形が残ること
になる。
そこで、微小変形から機能を発揮し、かつ、残留変形
が残らないように摩擦力を制御する機構、つまり摩擦力
が変位xに比例し、かつ梁の復元力より小さくなるよう
に工夫する。これを第9図(a)に示す。摩擦力を制御
するためのバネをk′、滑り面B′の傾斜角をθとする
と、 F=kx+εkx ε=μk′tanθ/k の関係となり、梁Aの変形量xに対する復元力特性は
(b)図のようになる。図において、変形量xを0→x1
→0→−x1→0と順次変化させると、外力Fは0→a→
b→0→c→d→0と順次変化する。そして、斜線部分
の面積が摩擦によって失われるエネルギーであり、この
エネルギー損失を振動論でいう減衰定数に等価的に換算
すると、等価減衰定数は、 h=ε/π となる。上記系における等価減衰定数の上限値は、理論
上約32%になり、前記したワールドトレードセンタービ
ルの2%減衰と比較して大きな減衰性能が得る可能性を
秘めているといえる。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明の課題は、上記原理にもとずく具体的な建築物
におれる制振方式を提供することである。
〔課題を解決するための手段〕
そのために本発明の建築物における制振方式は、例え
ば第1図ないし第5図に示すように、柱1および梁2か
らなるフレームにより形成される壁空間3と、階壁空間
3の4隅に対角線方向に固定される4本の斜材5と、こ
れら4本の斜材5の間に配置される4箇の摩擦壁体6
と、斜材5と摩擦壁体6により形成される空間に嵌合さ
せる回転規制部材7と、摩擦壁体6、斜材5および回転
規制部材7内を貫通して固定される縦線材10および横線
材11と、摩擦壁体6と斜材5の当接部12に形成される傾
斜面13とを有し、前記フレームに外力が作用すると、前
記斜材5と摩擦壁体6間のずれによって摩擦を生じさ
せ、入力してくる外力の振動エネルギーを吸収させるこ
とを特徴とする。
なお、上記構成に付加した番号は、理解を容易にする
ために図面と対比させるためのもので、これにより本発
明の構成が限定されるものではない。
〔作用〕
本発明においては、フレームに地震力、風圧力等の外
力が作用すると、第6図に示すように、斜材5は対角線
方向に伸縮し、この伸縮に応じて斜材5と摩擦壁体6と
の間に摩擦力を発生させ、入力してくる外力の振動エネ
ルギーを吸収させる。このとき、摩擦力を層間変形量x
にほぼ比例させ、摩擦力がフレームの復元力よりも小さ
くなるようにして、フレームに残留変形を生じさせない
ようにしている。
〔実施例〕
以下、本発明の実施例を図面を参照しつつ説明する。
第1図は本発明の建築物における制振方式を示す正面
図、第2図は第1図のII−II線に沿う断面図、第3図は
第1図のIII方向から見た平面図、第4図は摩擦壁体と
回転規制部材の拡大図、第5図は摩擦壁体と斜材と摩擦
面を示す拡大断面図である。
鉄骨柱1および鉄骨梁2からなるフレームにより形成
される壁空間3の4隅には、それぞれ対角線方向に4本
の斜材5が、中央部に空間を形成するように固定されて
いる。そして、4本の斜材5の間に断面三角形状の4箇
の摩擦壁体6が配置され、また、斜材5と摩擦壁体6に
より形成される空間には、回転規制部材7が嵌合されて
いる。回転規制部材7は、第4図にも示すように、凹溝
9を有する円柱形状であって、該凹溝9に摩擦壁体6の
頂部6aが当接している。
さらに、摩擦壁体6、斜材5および回転規制部材7内
を貫通して、PC鋼線、ワイヤーロープ等からなる縦線材
10と横線材11が配設され、両端をそれぞれボルトにより
固定している。図示はしないが、線材が摩擦壁体6と斜
材5を貫通する孔は、摩擦壁体6と斜材5の移動を許容
するように形成されている。また、摩擦壁体6と斜材5
の当接部12(合計8箇所ある)は、第5図に示す如く傾
斜面13が形成され、摩擦壁体6と斜材5のずれにより摩
擦力を増加させるように構成している。
そして、フレームに地震力、風圧力等の外力が作用す
ると、第6図に示すように、斜材5は対角線方向に伸縮
し、この伸縮に応じて斜材5と摩擦壁体6との間に摩擦
力を発生させ、入力してくる外力の振動エネルギーを吸
収させる。このとき、摩擦力を層間変形量xにほぼ比例
させ、摩擦力がフレームの復元力よりも小さくなるよう
にして、フレームの残留変形を生じさせないようにして
いる。
第6図は上記構成からなる制振方式の力学的構成図で
ある。
線材の断面積をAx、線材のヤング係数をE,摩擦面角度
をθ、摩擦係数をμ、層間変形量をxとすると、等価減
衰定数hは下式で表される。
h=ε/π … ε=μν/[(1+ν)tanθ] ν=E(Ax/lx)tan2θ・tan2α(1+tanα)/kF 但し、(Ay/ly)/(Ax/lx)= tan3α/tanβ (kFはフレームの復元力特性) 第7図は第1図の制振方式を100階建超高層建築に組
み込んだ例を示し、(a)は高層部基準階、(b)は中
層部基準階、(c)は低層部基準階の平面図を示し、図
中○印が制振機構の組み込み壁を示している。
〔発明の効果〕
以上のように本発明によれば、フレームに地震力、風
圧力等の外力が作用すると、斜材は対角線方向に伸縮
し、この伸縮に応じて斜材と摩擦壁体との間に摩擦力を
発生させ、入力してくる外力の振動エネルギーを吸収さ
せることができる。このとき、摩擦力を層間変形量にほ
ぼ比例させ、摩擦力がフレームの復元力よりも小さくな
るようにして、フレームに残留変形を生じさせないよう
にすることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の建築物における制振方式を示す正面
図、第2図は第1図のII−II線に沿う断面図、第3図は
第1図のIII方向から見た平面図、第4図は摩擦壁体と
回転規制部材の拡大図、第5図は摩擦壁体と斜材と摩擦
面を示す拡大断面図、第6図は第1図の力学的構成図、
第7図は制振機構の配置図、第8図および第9図は摩擦
によるエネルギー減衰装置のモデルおよび復元力特性を
示す図である。 1……柱、2……梁、3……壁空間、5……斜材、6…
…摩擦壁体、7……回転規制部材、10……縦線材、11…
…横線材。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI E04B 2/56 651 E04B 2/56 651D 651S 651W 652 652M 652J 652T E04H 9/02 311 E04H 9/02 311

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】柱および梁からなるフレームにより形成さ
    れる壁空間と、該壁空間の4隅に対角線方向に固定され
    る4本の斜材と、これら4本の斜材の間に配置される4
    箇の摩擦壁体と、前記斜材と摩擦壁体により形成される
    空間に嵌合される回転規制部材と、前記摩擦壁体、斜材
    および回転規制部材内を貫通して固定される縦線材およ
    び横線材と、前記摩擦壁体と斜材の当接部に形成される
    傾斜面とを有し、前記フレームに外力が作用すると、前
    記斜材と摩擦壁体間のずれによって摩擦を生じさせ、入
    力してくる外力の振動エネルギーを吸収させることを特
    徴とする建築物における制振方式。
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