JP2507599Y2 - 粘弾性材と鋼板とによる制振装置を備えた制震壁 - Google Patents

粘弾性材と鋼板とによる制振装置を備えた制震壁

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JP2507599Y2 JP1990014389U JP1438990U JP2507599Y2 JP 2507599 Y2 JP2507599 Y2 JP 2507599Y2 JP 1990014389 U JP1990014389 U JP 1990014389U JP 1438990 U JP1438990 U JP 1438990U JP 2507599 Y2 JP2507599 Y2 JP 2507599Y2
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Description

【考案の詳細な説明】 [産業上の利用分野] この考案は地震や強風等の外力により起因する建物の
振動を制御する制振装置を備えた制震壁に関するもので
ある。
[従来の技術] 粘弾性材を振動エネルギーの吸収に用いて制震を行な
う壁体は、特開昭61-87068号公報に記載されている。
この従来の制震壁は、下階の梁上に並行に立ち上げた
剛性の大なる複数枚の板体と、その立ち上り板体の間に
上階の梁から垂下した同様な板体と、各板体の間隙に充
填した粘弾性材とから構成され、その粘弾性材により板
体相互の面移動を抑制して、振動エネルギーを吸収しよ
うとするものである。
このような制震壁では、壁体全体において振動エネル
ギーの吸収ができる利点は有するが、具体的な面におい
て精度制度の確保や施工が困難であり、また破損の際の
取扱えなどを考慮すると、利用し難いなど更に改善され
るべき課題を有する。
そこで粘弾性材を用いた場合であっても、上記課題を
解決することができる制振構造を先に開発したのであ
る。
この新たな制振構造は、第5図及び第6図に示すよう
に、複数枚の鋼板1,1とアスファルト系等の粘弾性材2
とを、梁3とPC壁版4からの接続鋼板5,6の介在の下に
ボルト7をもって交互に重合し、鋼板相互の面移動を粘
弾性材2により抑制した制振装置8を、PC壁版4の上部
中央の凹所に備え、接続鋼板5を介して梁3から伝達さ
れる振動を、粘弾性材2が吸収して制振を行なう構造か
らなる。
[考案が解決しようとする課題] このような制振構造では、壁体をPC壁版をもって構成
できることから、上記従来の粘弾性材を用いた制振壁の
ような問題はないが、壁体全体に粘弾性材を作用させる
場合に比べて、その作用面は制限される。
この制限によって制振構造は、第7図から第9図に示
す図からも明らかなように、変形が左右1cm以上になる
と、剛性及び減衰が低下し、大きな振動に対しての制振
効果が小さくなる。これは風や中小地震による振動の制
振には効果を発揮するが、大地震になると効果が薄れる
ということである。
したがって、この考案の目的は、鋼板と粘弾性材とに
よる制振装置を備えた制震壁の新たな課題解決すること
にあり、その解決をボルトの塑性変形による鋼材ダンパ
ーの併用をもって行なわんとするものである。
[課題を解決するための手段] 上記目的によるこの考案の特徴は、複数枚の鋼板とア
スファルト等の粘弾性材とを、梁側と壁体側からの接続
鋼板の介在の下に交互に重合し、鋼板相互の面移動を粘
弾性材により抑制して、上記接続鋼板を介して梁から伝
達される振動を減衰する制振装置を、PC壁版の梁側に備
え、その制振装置に隣設さられたPC壁版側の吊込み用プ
レートと、梁側の吊込み用プレートにボルトを貫挿し、
かついずれか一方の吊込み用プレートのボルト孔を、上
記ボルトの可動を一定範囲にて許容する所要のルーズホ
ールに形成した制震壁にある。
[作用] 上記構成では、制震壁と梁とが制振装置と吊込み用プ
レートのボルトの両方により接続されていても、ボルト
を介しての制振壁への振動の伝達は、その振動がルーズ
ホールによるボルトの可動許容範囲を上回ったときとな
り、それまでの小中の振動は制振装置が受持つて、振動
エネルギーの吸収を行なう。
またそれ以上の大きな振動のときには、ボルトの可動
を阻止され、ボルトが塑性変形して鋼材ダンパーとして
作用し、振動エネルギーを吸収する。
[実施例] 以下、この考案を第1図から第3図に示す実施例によ
り詳説する。
図中11はPC壁版による制震壁で、上辺中央にに形成し
た凹所に制振装置12を有する。この制振装置12は第5図
及び第6図に示す制振装置と同様に、複数枚の鋼板13,1
3とアスファルト系(アスファルトと熱可塑性エラスト
マーの混合物)等の粘弾性材14とを、梁15からと壁体側
から突出した接続鋼板16,17の介在の下に、ボルト18を
用いて交互に重合し、鋼板相互の面移動を粘弾性材14に
より抑制した構造からなる。
19は制振装置12に隣設した壁体側の鋼板の吊込み用プ
レートで、PC壁版11の内部の鉄筋20に溶接して壁体上辺
に突設してある。
21は梁側の吊込み用プレートで、上記吊込み用プレー
ト19の受入れ間隙を開けて梁15の下側に溶接した一対の
鋼板からなる。
これら吊り込み用プレート19,21の側部には、所要直
径の吊込み用のボルト22を貫挿するボルト孔23,24が穿
設してあり、かつ吊込み用プレート19のボルト孔23は、
ボルト22の可動を許容する横方向に長いルーズホールに
形成されている。
このルーズホールの長さは、制振装置12のみからなる
場合の剛性及び減衰の低下が左右1cm以上の変形におい
て生ずることから、それを上回らない範囲に設定され
る。また側方から貫挿したボルト22は、その頭部を梁側
の吊込み用プレート21に溶接して固着される。
建物が振動すると、その振動は振幅の大小によって二
様に吸収される。その一つは、振動の振幅が小さく、ボ
ルト22の可動許容範囲のときで、その振動エネルギーは
制振装置12の粘弾性材14により吸収される。
他の一つは、振幅が左右1cm以上と大きく、ボルト22
の可動がルーズホール23の端で阻止されるようなとき
で、そのときにはボルト22が塑性変形し、また第4図に
示すような復元力を呈する鋼材ダンパーとして作用し、
振動エネルギーを吸収する。
この振動時のボルト22の衝突音は、ボルトを緩衝材に
より被覆することにより低減できる。
なお、上記実施例では吊込み用プレート19側をルーズホ
ールにしているが、ルーズホールは吊込み用プレート21
側であってもよい。
[考案の効果] この考案は上述のように、交互に重合した複数枚の鋼
板とアスファルト系等の粘弾性材とによる制振装置を備
えた制震壁に、PC壁版側の吊込み用プレートと梁側の吊
込用プレート及びそれらプレートに貫挿した吊込用のボ
ルトとからなり、かついずれか一方の吊込み用プレート
のボルト孔をルーズホールに形成して、一定範囲での上
記ボルトの可動を許容し、これにより小さな建物の振動
は粘弾性材により制振し、大きな振動は鋼材ダンパーに
より制振するようにしたことから、頻繁に起きる中小地
震を始め、強風による振動の制振効果が高く、極めてま
れな大地震にによる大きな振動をも制振することができ
る。
また吊込み用プレートと吊込み用のボルトを利用し
て、大振動に対応させたことから、耐震壁の構造が特に
複雑となるようなことがなく、梁に対する取付けにも特
別な手段を要せぬので、施工や取外しも容易となるなど
の特長を有する。
【図面の簡単な説明】
第1図から第3図はこの考案に係る耐震壁の1実施例を
示すもので、第1図は制振装置の一部を切除した正面
図、第2図は吊込み用プレート部分の縦断正面、第3図
はその縦断側面図、第4図は鋼材ダンパーの荷重−変形
曲線図、第5図は粘弾性材による制振装置を備えた耐震
壁の要部正面図、第6図はその制振装置の縦断側面図、
第7図は粘弾性材による制振装置の荷重−変形曲線図、
第8図は同じく剛性の変位依存性を示す図、第9図は同
じく等価減衰係数の変位依存性を示す図である。 11……制震壁、12……制振装置 13……鋼板、14……粘弾性材 15……梁 16,17……接続鋼板、18……ボルト 19,21……吊込み用プレート 22……吊込み用のボルト 23……ボルト孔(ルーズホール) 24……ボルト孔

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数枚の鋼板とアスファルト系等の粘弾性
    材とを、梁側と壁体側からの接続鋼板の介在の下にボル
    トにより交互に重合し、鋼板相互の面移動を粘弾性材に
    より抑制して、上記接続鋼板を介して梁から伝達される
    振動を減衰する制振装置を、PC壁版の梁側に備えた制震
    壁において、 上記制振装置に隣設されたPC壁版側の吊込み用プレート
    と、梁側の吊込用みプレートにボルトを貫挿し、かつい
    ずれか一方の吊込み用プレートのボルト孔は、上記ボル
    トの可動を一定範囲にて許容する所要のルーズホールに
    形成されていることを特徴とする粘弾性材と鋼板とによ
    る制振装置を備えた制震壁。
JP1990014389U 1990-02-16 1990-02-16 粘弾性材と鋼板とによる制振装置を備えた制震壁 Expired - Lifetime JP2507599Y2 (ja)

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