JPH09111360A - 二次電池廃材からのコバルト回収方法 - Google Patents

二次電池廃材からのコバルト回収方法

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JPH09111360A
JPH09111360A JP26888195A JP26888195A JPH09111360A JP H09111360 A JPH09111360 A JP H09111360A JP 26888195 A JP26888195 A JP 26888195A JP 26888195 A JP26888195 A JP 26888195A JP H09111360 A JPH09111360 A JP H09111360A
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JP
Japan
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cobalt
secondary battery
waste material
organic solution
metal foil
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JP26888195A
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Shigeo Iiri
茂雄 飯利
Katsuhiro Kato
勝弘 加藤
Makoto Murakami
真 村上
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Tama Kagaku Kogyo Co Ltd
Original Assignee
Tama Kagaku Kogyo Co Ltd
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    • Y02WCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO WASTEWATER TREATMENT OR WASTE MANAGEMENT
    • Y02W30/00Technologies for solid waste management
    • Y02W30/50Reuse, recycling or recovery technologies
    • Y02W30/84Recycling of batteries or fuel cells

Abstract

(57)【要約】 【課題】 電極材料不良品や金属箔塗着廃材等の二次電
池廃材中から抽出によりコバルトを直接にかつ選択的に
回収するコバルトの回収方法を提供する。 【解決手段】 コバルト化合物を含む電極材料又はこの
ような電極材料が金属箔に塗着されている金属箔塗着廃
材からなる二次電池廃材を、アルキル燐酸を含む有機溶
液と過酸化水素若しくはその他の水溶性還元剤を含む水
からなるエマルジョン抽出剤と接触させ、上記二次電池
廃材中のコバルトを有機溶液中に選択的に溶出せしめ、
得られた有機溶液からコバルトを回収する二次電池廃材
からのコバルト回収方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、コバルト化合物
を含む電極材料又はこのような電極材料が金属箔に塗着
されている金属箔塗着廃材からなる種々の二次電池廃材
中のコバルトを選択的に回収する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、リチウムイオン二次電池にはそ
の正極材料としてリチウム酸コバルト(LiCoO2
が用いられており、また、ニッケル水素電池にはその正
極の活物質である水素化ニッケル中に容量利用率向上を
目的として酸化コバルトが添加されており、更に、ニカ
ド電池にはその正極(ニッケル)中に耐腐蝕性向上や高
容量化を目的として硝酸コバルトが添加されている。
【0003】そして、このような正極材料は、例えばリ
チウムイオン二次電池の場合には、炭酸リチウムと酸化
コバルトとを混合し、焼成してリチウム酸コバルトと
し、次いでこの正極材料にアセチレンブラックやカーボ
ン等の導電剤とフッ素樹脂、フッ素ゴム等の結着剤とを
配合し、これを有機溶剤によりスラリー状に混練し、こ
の混練物をアルミニウム箔(以下、単に「アルミ箔」と
いう)等の金属箔上に均一に塗布し、乾燥して溶剤を除
去し、金属箔に導電剤2〜10重量%及び結着剤2〜1
0重量%を含む正極材料が塗着された金属箔塗着材を形
成し、この金属箔塗着材を所定の形状に裁断し、二次電
池の正極を形成している。
【0004】ところで、近年、このような二次電池の需
要が高まり、その生産量が増加するに伴って、正極材料
製造時の粒度不良等による正極材料不良品の発生の量や
金属箔塗着材を所定の形状に裁断する際にスクラップと
して発生する切り屑の量も飛躍的に増加し、それらの処
理が問題になってきている。また、使用不能になって回
収される二次電池の量も年々増加の一途をたどり、この
使用不能な二次電池から出る金属箔塗着材の廃棄物処理
も社会的な問題になりつつある。以下、これら二次電池
製造時に発生する電極材料の不良品や金属箔塗着材のス
クラップ、更には使用不能になった二次電池から出てく
る電極材料や金属箔塗着材の廃棄物等の二次電池由来の
コバルト化合物を含む廃材を一括して「二次電池廃材」
といい、また、この二次電池廃材のうちで、二次電池製
造時に発生する金属箔塗着材のスクラップや使用不能に
なった二次電池から出てくる金属箔塗着材の廃棄物を特
に「金属箔塗着廃材」という。
【0005】また一方では、コバルトはその資源に乏し
く、特に我が国ではそのほとんどを外国に依存している
にもかかわらず、その用途は、二次電池の電極材料、顔
料、窯業、フェライト、触媒、超硬合金等の日用品から
ハイテク製品に至るまで極めて広範に亘っており、特に
リチウムイオン二次電池にはその1個当たり酸化コバル
トとして約7gも使用されている。このため、コバルト
は元々高価であると共にその需要が増大して益々高価に
なりつつある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】そこで、従来において
も、例えば超硬合金や触媒の廃棄物を酸浸出処理し、得
られたコバルト及びニッケルを含む酸浸出液からアルキ
ル燐酸を含む抽出剤でこの抽出剤中にコバルトイオンを
選択的に抽出し、更に得られた抽出液をシュウ酸水溶液
と接触させてシュウ酸コバルトを析出させて回収するこ
とにより、コバルト及びニッケルを含む溶液から高純度
でコバルトを回収する方法が提案されている(特公平5
−14013号公報)。
【0007】そこで、上述した二次電池廃材について
も、塩酸や硝酸等の鉱酸でこれらのスクラップや廃棄物
を溶解し、不溶性のアセチレンブラックやカーボン等の
導電剤やフッ素樹脂、フッ素ゴム等の結着剤等を分離除
去してコバルトやリチウム、アルミニウム等の金属を含
む酸浸出液を回収し、この酸浸出液からアルキル燐酸を
含む抽出剤でコバルトを選択的に回収する方法が考えら
れる。
【0008】しかしながら、この方法においては、酸浸
出処理を要する二次電池廃材の量が増加するに連れてこ
の処理に要する酸、例えば塩酸や硝酸等の使用量が増加
し、この酸浸出液から抽出剤でコバルトイオンを抽出し
た後の酸廃液が大量に生じ、この大量の酸廃液の処理に
水酸化ナトリウム等の大量のアルカリが必要になって却
って廃液処理に多大な問題が発生するほか、酸として塩
酸を使用すると酸浸出処理時に塩素ガスが大量に発生
し、また、硝酸を使用すると酸浸出処理時に亜硝酸ガス
が大量に発生し、これらの酸性排ガスの処理にも多大な
コストを要するという問題もある。このような問題は、
金属箔が酸に溶解するので、特に金属箔塗着廃材につい
て顕著になる。
【0009】また特に、上記金属箔塗着廃材について
は、先ず、アルミ箔等の金属箔や一部のリチウム化合物
等を水酸化ナトリウム等のアルカリで溶解除去し、残さ
れた電極材料、導電剤、結着剤等を塩酸等の鉱酸で酸浸
出処理し、可溶性の電極材料と導電剤や結着剤とを分離
し、コバルトやリチウム等の金属を含む酸浸出液を得て
アルキル燐酸を含む抽出剤でコバルトを選択的に回収す
る方法も考えられる。
【0010】しかしながら、この方法においては、金属
箔由来の金属の回収が困難になるほか、酸浸出処理とは
別にアルカリによる金属箔を分離除去するためのアルカ
リ前処理が必要になって工程が複雑化し、更にはこれら
アルカリ前処理や酸浸出処理で用いたアルカリ廃液や酸
廃液が大量に発生し、上記と同様に、廃液処理に多大な
問題が発生するほか、酸浸出処理時における酸性排ガス
問題も残る。
【0011】そこで、本発明者らは、特にその処理が問
題となる金属箔塗着廃材からアルキル燐酸を含む抽出剤
で直接にコバルトを選択的に抽出することを試みた。し
かしながら、この方法においては、金属箔塗着廃材の表
面の金属箔や電極材料を覆う導電剤や結着剤が障害にな
って抽出剤がコバルト化合物と効率的に接触できず、こ
の抽出剤による抽出効率が高くても30〜40重量%程
度と低く、到底工業的に実施できる値ではなかった。
【0012】そこで、本発明者らは、如何にしてこの抽
出剤による二次電池廃材中のコバルトの効率的な抽出を
実現するかについて鋭意研究を重ねた結果、金属箔塗着
廃材を含めて二次電池廃材を、アルキル燐酸を含む有機
溶液と過酸化水素を含む水からなるエマルジョン抽出剤
と接触させることにより、この二次電池廃材中のコバル
トが有機溶液中に効率良く、しかも、選択的に溶出する
ことを見出し、本発明を完成した。
【0013】従って、本発明の目的は、二次電池廃材か
ら抽出によりコバルトを直接にかつ選択的に回収するこ
とができる二次電池廃材からのコバルト回収方法を提供
することにある。
【0014】また、本発明の他の目的は、二次電池廃材
からコバルトを直接にかつ選択的に抽出し、この際に同
時に抽出されるリチウム等の他の金属を分離除去してコ
バルトを高純度でかつ効率的に回収することができる二
次電池廃材からのコバルト回収方法を提供することにあ
る。
【0015】更に、本発明の他の目的は、二次電池の金
属箔塗着廃材からコバルトを直接にかつ選択的に回収す
る際に同時に金属箔を回収し、この金属箔を構成する金
属を効率的に回収することができる二次電池廃材からの
コバルト回収方法を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、コ
バルト化合物を含む電極材料又はこのような電極材料が
金属箔に塗着されている金属箔塗着廃材からなる二次電
池廃材を、アルキル燐酸を含む有機溶液と過酸化水素を
含む水からなるエマルジョン抽出剤と接触させ、上記二
次電池廃材中のコバルトを有機溶液中に選択的に溶出せ
しめ、得られた有機溶液からコバルトを回収する二次電
池廃材からのコバルト回収方法である。
【0017】また、本発明は、コバルト化合物を含む電
極材料又はこのような電極材料が金属箔に塗着されてい
る金属箔塗着廃材からなる二次電池廃材を、アルキル燐
酸を含む有機溶液と水溶性還元剤を含む水からなるエマ
ルジョン抽出剤と接触させ、上記二次電池廃材中のコバ
ルトを有機溶液中に選択的に溶出せしめ、得られた有機
溶液からコバルトを回収する二次電池廃材からのコバル
ト回収方法である。
【0018】更に、本発明は、コバルト化合物及びリチ
ウム化合物を含む電極材料又はこのような電極材料が金
属箔に塗着されている金属箔塗着廃材からなる二次電池
廃材を、アルキル燐酸を含む有機溶液と過酸化水素若し
くはその他の水溶性還元剤を含む水からなるエマルジョ
ン抽出剤と接触させ、上記二次電池廃材中のコバルトを
有機溶液中に選択的に溶出せしめ、得られた有機溶液に
酸性逆抽出液を接触させてコバルトを逆抽出せしめ、こ
の酸性逆抽出液にシュウ酸、水酸化アルカリ又は炭酸塩
を接触させてシュウ酸コバルト、水酸化コバルト又は炭
酸コバルトを析出させ、このシュウ酸コバルト、水酸化
コバルト又は炭酸コバルトからコバルトを回収する二次
電池廃材からのコバルト回収方法である。
【0019】本発明方法において、コバルト抽出処理の
対象となる二次電池廃材は、上記の通り、二次電池製造
時に発生する電極材料の不良品や金属箔塗着材のスクラ
ップ、更には使用不能になった二次電池から出てくる電
極材料や金属箔塗着材の廃棄物等の二次電池由来のコバ
ルト化合物を含むものである。本発明は、これらの二次
電池廃材のうち、二次電池製造時に発生する金属箔塗着
材のスクラップや使用不能になった二次電池から出てく
る金属箔塗着材の廃棄物(金属箔塗着廃材)について、
特に有利に適用することができる。
【0020】また、このような二次電池廃材中の電極材
料としては、その成分として酸化コバルトや硝酸コバル
ト等のコバルト化合物を含むものであればよく、その電
極材料が正極材料であっても、また、負極材料であって
もかまわない。この電極材料については、代表的には、
コバルト化合物の含有量が多いリチウムイオン二次電
池、ニッケル水素電池、ニカド電池等の正極材料を挙げ
ることができる。
【0021】更に、このような電極材料と共に金属箔塗
着廃材を形成する金属箔についても、特に制限されるも
のではなく、代表的にはアルミ箔等が挙げられる。
【0022】本発明方法で用いるエマルジョン抽出剤の
有機溶液は、アルキル燐酸を主成分とするものであり、
このアルキル燐酸としては、2−エチルヘキシルホスホ
ン酸モノ−2−エチルヘキシルエステル(M2EHP
A)等のアルキルホスホン酸モノアルキルエステル、及
び、燐酸ビス−2−エチルヘキシル(D2EHPA)、
燐酸ビス−2−ドデシル等のジアルキル燐酸であって、
アルキル基の炭素数が6以上のものが用いられる。
【0023】そして、このようなアルキル燐酸を希釈
し、エマルジョン抽出剤の有機溶液を形成する有機溶剤
は、アルキル燐酸と良く混じり合い、かつ、水に対する
溶解度の低い非水溶性有機溶剤であればよく、例えば脂
肪族炭化水素類や芳香族炭化水素類があり、好ましくは
ケロシン等の石油系溶剤やヘキサン等が挙げられる。こ
の非水溶性有機溶剤の使用量は、特に限定されるもので
はないが、通常アルキル燐酸濃度が1〜50重量%、好
ましくは5〜30重量%程度になるのがよく、これによ
ってエマルジョン抽出剤の粘度が低下し、攪拌等による
抽出操作が容易になるという利点が生じる。
【0024】また、エマルジョン抽出剤を構成する過酸
化水素を含む水としては、特に限定するものではない
が、過酸化水素を1〜35重量%の範囲で含む過酸化水
素水が挙げられる。
【0025】この過酸化水素の作用については必ずしも
明確ではないが、例えば正極材料中の酸化コバルトが3
価のコバルトを含む酸化物であることから、この過酸化
水素が3価の酸化コバルトに対して酸化剤(Co+3→C
+2)として作用していると考えられ、この観点から、
過酸化水素に代えて他の水溶性還元剤を用いることがで
きる。この過酸化水素に代えて用いることができる還元
剤としては、例えばL(+)−アスコルビン酸、ギ酸、
2価の鉄塩(Fe+2)、2価の錫塩(Sn+2)等が挙げ
られる。
【0026】本発明で用いるエマルジョン抽出剤におい
て、水の含有量は0.5〜50重量%、好ましくは0.
5〜5重量%であるのがよく、また、過酸化水素の含有
量(H2 2 として)は0.05〜10重量%、好まし
くは0.05〜3重量%であるのがよい。ここで、水の
含有量が0.5重量%より少ないと二次電池廃材が金属
箔塗着廃材である場合にその金属箔が剥離し難いという
問題があり、また、50重量%より多くなるとエマルジ
ョンが多量に生成してアセチレンブラック、カーボン等
の導電剤やフッ素ゴム、フッ素樹脂等の結着剤中にこの
エマルジョンが混入し、抽出剤との分離が困難になると
いう問題が生じる。また、過酸化水素の含有量が0.0
5重量%より少ないとコバルトの抽出時間が長くなると
いう問題が生じ、また、10重量%より多くなると有機
溶液中に金属箔由来の金属が混入してコバルトの純度が
低下するという問題が生じる。
【0027】
【発明の実施の形態】本発明方法により二次電池の金属
箔塗着廃材からコバルトを回収するに際しては、先ず、
この金属箔塗着廃材をシュレッダー等で細かく裁断処理
し、次いでこの金属箔塗着廃材1重量部に対して10〜
400重量部、好ましくは20〜200重量部のエマル
ジョン抽出剤を添加し、次いで温度20〜150℃、好
ましくは40〜90℃及び接触時間0.5〜100時
間、好ましくは1〜10時間条件で攪拌し、金属箔塗着
廃材中のコバルトを有機溶液中に選択的に溶出させる。
【0028】この抽出処理が終了した後、エマルジョン
抽出液から有機溶液を分離し、得られた有機溶液に1〜
50重量%無機酸又は有機酸からなる酸性逆抽出液を接
触させてコバルトを逆抽出せしめ、この酸性逆抽出液に
1〜8重量%シュウ酸溶液を接触させてシュウ酸コバル
トを析出させ、必要によりこのシュウ酸コバルトから例
えば水素又は水性ガスを用いた還元法や電解法等により
金属コバルトを回収する。
【0029】
【実施例】以下、実施例及び比較例に基づいて、本発明
方法を具体的に説明する。
【0030】実施例1 三つ口フラスコ中に細かく裁断されたアルミ箔塗着廃材
10gと、M2EHPA100ml及び35重量%過酸
化水素水10mlからなるエマルジョン抽出液とを仕込
み、90℃で1時間攪拌下に加熱し、金属箔塗着廃材中
のコバルトを有機溶液中に溶出させた。
【0031】この抽出処理の終了後、エマルジョン抽出
液を濾過して不溶物のアルミ箔、カーボン、フッ素ゴム
その他のものを分離除去し、コバルト及びリチウムを溶
解している有機溶液を得た。この有機溶液中には、アル
ミ箔塗着廃材中に含まれていたコバルトの約85重量%
が溶出していた。
【0032】このようにして得られた有機溶液400m
lに5重量%硫酸250mlを添加して接触させ、有機
溶液中のコバルト、リチウムを逆抽出し、得られた硫酸
逆抽出液250mlに5.5重量%シュウ酸溶液260
mlを添加して接触させ、シュウ酸コバルトを生成させ
て析出せしめ、濾過してこのシュウ酸コバルトを回収し
た。
【0033】得られたシュウ酸コバルトを10重量%塩
酸500mlに溶解し、コバルト及びその他の金属不純
物を分析した。結果は、Co:約99.8重量%、L
i:0.05重量%以下、Ni:0.07重量%以下、
Al:0.05重量%以下、Fe:0.01重量%以
下、Ca:0.02重量%、Mg:0.01重量%以下
であった。
【0034】更に、抽出処理の終了後に目の粗い濾布と
目の細かい濾布とを用いて濾過し、目の粗い濾布でアル
ミ箔を捕集し、メタノール等で捕集されたアルミ箔を洗
浄して付着している極微量の有機溶液を除去することに
より、アルミ箔を容易に回収することができた。
【0035】実施例2 M2EHPA200mlをケロシン200mlで希釈し
た有機溶液400ml及び35重量%過酸化水素水10
mlからなるエマルジョン抽出液を用いたほかは、上記
実施例1と同様にして金属箔塗着廃材中のコバルトを有
機溶液中に溶出させた。
【0036】実施例1と同様にして得られた有機溶液中
には、アルミ箔塗着廃材中に含まれていたコバルトの約
65重量%が溶出していた。また、上記エマルジョン抽
出液を濾過して得られた残渣に更に同じ量の新鮮なエマ
ルジョン抽出液を添加し、上記と同様にして抽出処理を
行った結果、2回目に得られた有機溶液中には、アルミ
箔塗着廃材中に含まれていたコバルトの約34重量%が
溶出していた。この結果、2回の抽出処理により、アル
ミ箔塗着廃材中に含まれていたコバルトの約99重量%
が溶出した。
【0037】実施例3 M2EHPA100mlをケロシン300mlで希釈し
た有機溶液400ml及びL(+)−アスコルビン酸2
0重量%水溶液10mlからなるエマルジョン抽出液を
用いたほかは、上記実施例1と同様にして金属箔塗着廃
材中のコバルトを有機溶液中に溶出させた。実施例1と
同様にして得られた有機溶液中には、アルミ箔塗着廃材
中に含まれていたコバルトの約52重量%が溶出してい
た。
【0038】比較例1 M2EHPA100mlをケロシン300mlで希釈し
た有機溶液400ml及び純水10mlからなるエマル
ジョン抽出液を用いたほかは、上記実施例1と同様にし
て金属箔塗着廃材中のコバルトを有機溶液中に溶出させ
た。実施例1と同様にして得られた有機溶液中には、ア
ルミ箔塗着廃材中に含まれていたコバルトの約30重量
%が溶出していたに過ぎなかった。
【0039】実施例4 三つ口フラスコに、コバルト化合物を含む電極材料を粉
砕して得られた粉末10gとM2EHPA100mlを
ケロシン300mlで希釈した有機溶液400ml及び
35重量%過酸化水素水10mlからなるエマルジョン
抽出液とを仕込み、90℃で2時間攪拌下に加熱し、電
極材料粉末中のコバルトを有機溶液中に溶出させた。実
施例1と同様にして得られた有機溶液中には、電極材料
粉末中に含まれていたコバルトの約82重量%が溶出し
ていた。
【0040】比較例2 M2EHPA100mlをケロシン300mlで希釈し
た有機溶液400ml及び純水10mlからなるエマル
ジョン抽出液を用いたほかは、上記実施例4斗同様にし
て電極材料粉末中のコバルトを有機溶液中に溶出させ
た。実施例4と同様にして得られた有機溶液中には、電
極材料粉末中に含まれていたコバルトの約23重量%が
溶出していたに過ぎなかった。
【0041】
【発明の効果】本発明によれば、電極材料不良品や金属
箔塗着廃材等の二次電池廃材中から抽出によりコバルト
を直接にかつ選択的に回収することができる。また、金
属箔塗着廃材を用いた場合には、この金属箔塗着廃材中
の金属箔を回収し、この金属箔を構成する金属を効率的
に回収することもできる。
【手続補正書】
【提出日】平成7年10月26日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0025
【補正方法】変更
【補正内容】
【0025】この過酸化水素の作用については必ずしも
明確ではないが、例えば正極材料中の酸化コバルトが3
価のコバルトを含む酸化物であることから、この過酸化
水素が3価の酸化コバルトに対して還元剤(Co+3→C
+2)として作用していると考えられ、この観点から、
過酸化水素に代えて他の水溶性還元剤を用いることがで
きる。この過酸化水素に代えて用いることができる還元
剤としては、例えばL(+)−アスコルビン酸、ギ酸、
2価の鉄塩(Fe+2)、2価の錫塩(Sn+2)等が挙げ
られる。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0030
【補正方法】変更
【補正内容】
【0030】実施例1 三つ口フラスコ中に細かく裁断されたアルミ箔塗着廃材
10gと、M2EHPA100mlをケロシン300m
lで希釈した有機溶液400ml及び35重量%過酸化
水素水10mlからなるエマルジョン抽出液とを仕込
み、90℃で1時間攪拌下に加熱し、金属箔塗着廃材中
のコバルトを有機溶液中に溶出させた。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コバルト化合物を含む電極材料又はこの
    ような電極材料が金属箔に塗着されている金属箔塗着廃
    材からなる二次電池廃材を、アルキル燐酸を含む有機溶
    液と過酸化水素を含む水からなるエマルジョン抽出剤と
    接触させ、上記二次電池廃材中のコバルトを有機溶液中
    に選択的に溶出せしめ、得られた有機溶液からコバルト
    を回収することを特徴とする二次電池廃材からのコバル
    ト回収方法。
  2. 【請求項2】 電極材料が、リチウムイオン二次電池、
    ニッケル水素電池又はニカド電池の正極材料である請求
    項1に記載の二次電池廃材からのコバルト回収方法。
  3. 【請求項3】 金属箔が、アルミニウム箔である請求項
    1又は2に記載の二次電池廃材からのコバルト回収方
    法。
  4. 【請求項4】 アルキル燐酸を希釈して有機溶液を構成
    する有機溶剤が、非水溶性の石油系溶剤である請求項1
    〜3の何れかに記載の二次電池廃材からのコバルト回収
    方法。
  5. 【請求項5】 エマルジョン抽出剤における水の含有量
    が、0.5〜50重量%である請求項1〜4の何れかに
    記載の二次電池廃材からのコバルト回収方法。
  6. 【請求項6】 エマルジョン抽出剤における過酸化水素
    の含有量が、0.05〜10重量%である請求項1〜5
    の何れかに記載の二次電池廃材からのコバルト回収方
    法。
  7. 【請求項7】 コバルト化合物を含む電極材料又はこの
    ような電極材料が金属箔に塗着されている金属箔塗着廃
    材からなる二次電池廃材を、アルキル燐酸を含む有機溶
    液と水溶性還元剤を含む水からなるエマルジョン抽出剤
    と接触させ、上記二次電池廃材中のコバルトを有機溶液
    中に選択的に溶出せしめ、得られた有機溶液からコバル
    トを回収することを特徴とする二次電池廃材からのコバ
    ルト回収方法。
  8. 【請求項8】 コバルト化合物及びリチウム化合物を含
    む電極材料又はこのような電極材料が金属箔に塗着され
    ている金属箔塗着廃材からなる二次電池廃材を、アルキ
    ル燐酸を含む有機溶液と過酸化水素若しくはその他の水
    溶性還元剤を含む水からなるエマルジョン抽出剤と接触
    させ、上記二次電池廃材中のコバルトを有機溶液中に選
    択的に溶出せしめ、得られた有機溶液に酸性逆抽出液を
    接触させてコバルトを逆抽出せしめ、この酸性逆抽出液
    にシュウ酸、水酸化アルカリ又は炭酸塩を接触させてシ
    ュウ酸コバルト、水酸化コバルト又は炭酸コバルトを析
    出させ、このシュウ酸コバルト、水酸化コバルト又は炭
    酸コバルトからコバルトを回収することを特徴とする二
    次電池廃材からのコバルト回収方法。
  9. 【請求項9】 酸性逆抽出液が無機酸又は有機酸の1〜
    50重量%溶液である請求項8に記載の二次電池廃材か
    らのコバルト回収方法。
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