JPH09110942A - 重合体の製造方法 - Google Patents
重合体の製造方法Info
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- JPH09110942A JPH09110942A JP7267434A JP26743495A JPH09110942A JP H09110942 A JPH09110942 A JP H09110942A JP 7267434 A JP7267434 A JP 7267434A JP 26743495 A JP26743495 A JP 26743495A JP H09110942 A JPH09110942 A JP H09110942A
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Abstract
れた分子量を有し、優れたカップリング性、高分子量、
低ヒステリシスロス特性を示し、製造規模や原料の添加
方法にかかわらず、安定した特性の重合体を製造する方
法を提供する。 【解決手段】 ブタジエンのような共役ジエン及びスチ
レンのようなビニル芳香族炭化水素の少なくとも1つの
モノマーの重合方法において、モノマーの存在下で、重
合系中に、第1にブチルリチウムのような有機リチウム
化合物を添加し、次いで、第2に飽和型環状構造イミン
のような二級アミン化合物を添加し、両化合物を接触さ
せて生成する可溶性開始剤を用いて重合を行い、得られ
た高分子量の重合体を四塩化スズのようなカップリング
剤により変性することを特徴とする。
Description
始剤による共役ジエンモノマー及び/又はビニル芳香族
炭化水素モノマーを用いた重合体の製造方法に関し、特
に、簡便にして重合開始効率及び重合の再現性がよく、
分子量分布が小さく、重合体の分子量及びミクロ構造の
制御が容易で、重合後のカップリング又は親電子試薬と
の反応による変性が可能で、しかも低ヒステリシスロス
且つ高分子量である重合体の新規な製造方法に関する。
り、これを解決する方法の1つとして、タイヤのトレッ
ド用ゴムについて、低ヒステリシスロスを指向したゴム
の研究が盛んに行われている。この様な目的に沿って、
末端に二級アミノ基を有する分子構造の重合体に着目し
た重合体の製造方法の研究も実施されている。
したリチウムアミドを重合開始剤とする共役ジエンの重
合方法が知られている(米国特許第2,849,432
号)。しかし、リチウムアミドは元来、溶媒不溶性又は
難溶性であるため、貯蔵安定性が極めて悪く、管理、取
扱いが難しい。このような不溶性又は難溶性の開始剤を
重合に用いても、重合に必要な可溶の有効開始剤濃度が
低いため開始効率が小さい。その上、有効開始剤濃度は
再現性に乏しいため、正確な濃度把握も困難である。従
って、この方法では、得られる重合体の分子量分布が広
くなる、その再現性が悪い、また重合体の分子量やミク
ロ構造等の分子設計上の構造のコントロールや再現性が
難しくなる等、数多くの好ましくない結果を招くことに
なる。
ウムアミドを重合開始剤として、リチウムアミドの溶解
剤(エーテル等)の存在下で共役ジエンを重合する方法
が知られている(特開昭50−79590及び特開昭5
4−22484)。しかし、この方法でも、リチウムア
ミドは事前に調製した開始剤であるので、前記の方法と
同様、その溶媒不溶性、貯蔵安定性、取扱い等の開始剤
調製プロセス等に問題が残るため、重合系中においてリ
チウムアミドは、溶解剤により可溶化傾向を示すものの
十分でなく、従って、開始効率、有効開始剤濃度の再現
性、得られる重合体の分子構造のコントロールや再現性
等において、満足な結果を得るに至っていない。また、
この方法では、必須成分である溶解剤としてエーテル等
を用いているため、得られるジエン系重合体の1,2結
合又は3,4結合の含有量は大きくなり、重合体のミク
ロ構造を任意に変えることが不可能な点も、欠点として
挙げることができる。
ルリチウムと二級アミンを用いて、1,3ジエンのテロ
マーを製造する方法が知られている(K.Takabe et al.,
Tetrahedron Letters,1972,No.39,4009,) 。この方法は
多量の二級アミンと少量の1,3ジエンとを少量のブチ
ルリチウムに接触させ、有機合成的に専ら、ジエン低分
子リチウムと二級アミンの連続移動反応を利用した、ア
ミン含有テロマーの製造方法に関するもので、本発明の
目的とする重合体を製造する方法とは全く別異のもので
ある。
剤であり且つ事前に調製されるリチウムアミド化合物
は、ヘテロ元素を含む強塩基であるため、溶媒に不溶又
は難溶の性質を有し、従って、貯蔵安定性が悪く、貯蔵
時間と共に、開始剤の能力が変化する。例えば、不溶性
溶媒中に可溶化剤として少量のエーテル化合物を加えた
溶液中で、リチウムアミドを調製したとしても、初めは
可溶状態であるが、時間を経るに従って懸濁状態とな
り、活性が著しく低下してくる。このことが、前記した
ように、開始剤自体並びに得られる重合体に数々の不都
合な問題点を惹起することになる。
の存在下で、有機リチウム化合物と、特定構造を有する
アミン化合物及びイミン化合物から選ばれる少なくとも
1つの二級アミン化合物とを接触させて生成する可溶性
重合開始剤を用いてモノマーの重合を行うことにより、
これらの問題を解決しうることを見出し、重合体の製造
方法として特許出願を行った(特開平6−199921
号)。この重合体の製造方法は、重合開始剤自体の取扱
いが容易で、しかも、得られた重合体は分子量分布が小
さく、再現性のよい分子量及びミクロ構造を有し、容易
に分子量が制御される等の数々の利点を有していた。し
かしながら、さらなる検討の結果、有機リチウム化合物
と二級アミン化合物を無条件で単に接触させて重合開始
剤とする前記特許の方法では、必ずしも、高い二級アミ
ノ基変性効率を有する重合体、延いては、低ヒステリシ
スロス性を有する重合体が得られるとは限らないことが
わかった。本発明者らは、前記特許記載の製造方法を工
業的規模にスケールアップして試行したところ、得られ
た重合体の二級アミノ基変性効率が低いという不具合に
遭遇した。
は、重合開始剤自体が重合開始剤の事前調製プロセス、
設備、貯蔵設備、貯蔵安定化の管理をいずれも必要とせ
ず、また、開始剤成分の安定性により、取扱いも容易で
あり、開始剤成分により生成する有効開始剤濃度を高く
即ち、開始効率を大きくすることができ、その濃度の再
現性も良く、正確な濃度把握を可能とする、優れた新規
な重合系であり、更に、得られる重合体が狭い分子量分
布に好ましく制御され、再現性のよい分子量、ミクロ構
造、また優れたカップリング性、高分子量、低ヒステリ
シスロス特性を有し、この方法を工業的にスケールアッ
プする等製造規模を変更しても、安定した品質の重合体
を再現性良く得ることができる、重合体の製造方法を提
供することである。
重合体の製造方法は、炭化水素溶媒中で、リチウム系重
合開始剤により共役ジエンモノマー及びビニル芳香族炭
化水素モノマーから選ばれる少なくとも1つのモノマー
の重合を行う重合体の製造方法において、該リチウム系
重合開始剤は、重合系中に、少なくとも1つの該モノマ
ーの存在下で、(1)第1に、有機リチウム化合物を添
加し、次いで、(2)第2に、下記一般式(A)で表さ
れるアミン化合物及び下記一般式(B)で表されるイミ
ン化合物から選ばれる少なくとも1つの二級アミン化合
物を添加し、この順で前記両化合物を添加、接触させて
生成する可溶性重合開始剤であり、且つ、得られた重合
体は高分子量体である、ことを特徴とする。
芳香族の各炭化水素基から選ばれる炭素数1〜20の炭
化水素基を表し、同一であっても異なっていてもよ
い。)
る飽和型構造基、 X−III:X−I、X−II構造基の炭
素・炭素単結合の少なくとも一部を炭素・炭素二重結合
とした分子構造の構造基)、ここで、R3 、R4 、R5
及びR6 は、水素又は、脂肪族、脂環族及び芳香族の各
炭化水素基から選ばれる炭素数1〜10の炭化水素基を
表し、また、R7 は、脂肪族、脂環族及び芳香族の各炭
化水素基から選ばれる炭素数1〜10の炭化水素基を表
し、R3 、R4 、R5 、R6 及びR7 は同一であっても
異なっていてもよい。nは3〜15の整数、mは2〜9
の整数を表す。〕 請求項2記載の重合体の製造方法は、請求項1記載の方
法において、前記一般式(A)で表されるアミン化合物
及び前記一般式(B)で表されるイミン化合物から選ば
れる少なくとも1つの二級アミン化合物を添加する時期
が、前記重合体の重合転化率が5%未満の時期である、
ことを特徴とする。
項1又は2記載の方法において、前記二級アミン化合物
を添加する時期までの、前記重合体の重合反応温度を3
0℃以下に保持することを特徴とする。
項1乃至3記載の方法において、前記有機リチウム化合
物と、前記二級アミン化合物を添加した後に、重合系中
に、さらに、ランダマイザーを添加して、重合を行うこ
とを特徴とする。
項1又は2記載の方法において、前記重合体の二級アミ
ノ基変性効率(E)が、下記数式を満足することを特徴
とする。
項1乃至4記載の方法において、前記重合が実質的に終
了した後に、カップリング剤及び親電子試薬の少なくと
も1つを添加して、重合体の変性を行うことを特徴とす
る。
4記載の方法において、前記共役ジエンモノマーが1,
3−ブタジエンであること特徴とする。
4記載の方法において、前記ビニル芳香族炭化水素モノ
マーがスチレンであること特徴とする。
4に記載の方法おいて、前記共役ジエンモノマー及びビ
ニル芳香族炭化水素モノマーが各々ブタジエン及びスチ
レンであることを特徴とする。
項1乃至4記載の方法において、前記有機リチウム化合
物の量がモノマー100gに対し、0.05〜15mmol
であることを特徴とする。
至4記載の方法において、前記二級アミン化合物の量が
有機リチウム化合物1モル当量に対し0.1〜2.0モ
ル当量であることを特徴とする。
至4記載の方法において、前記重合が実質的に終了した
後の、変性前の前記重合体の数平均分子量が8×103 〜
1×106 であることを特徴とする。
剤、その合成原料成分、アニオン重合末端の各反応性等
の特性、物性、重合開始剤の生成過程等に着目し、鋭意
検討を行った結果、重合系内におけるブタジエンモノマ
ー、スチレンモノマー等のモノマーの存在下(in situ)
で、有機リチウム化合物と二級アミン化合物を接触させ
る際に、重合系中に二級アミン化合物を先に添加し、通
常の工業的製造方法のように、大規模であるために必然
的に時間を要して有機リチウム化合物を添加して重合を
行うと、意外なことに、得られる重合体は開始重合末端
に二級アミノ基を有する高分子重合体の割合(二級アミ
ノ基変性効率)が極めて小さく、低ヒステリシスロス性
に劣っていることが分かった。そこで、有機リチウム化
合物と二級アミン化合物を接触する際に、系中に第1に
有機リチウム化合物を添加し、次いで、第2に二級アミ
ン化合物を添加して重合を行うと、この開始剤により重
合が円滑に進行し、得られる重合体は狭い分子量分布に
好ましく制御され、再現性のよい分子量、ミクロ構造、
また優れたカップリング性、高分子量、低ヒステリシス
ロス特性を有する、二級アミノ基変性効率の高い重合体
が容易に生成し、製造規模を変更しても、安定した品質
の重合体を再現性良く得ることができることを見出し、
ここに本発明を完成するに至った。
る。
ム化合物は一般に知られている化合物が全て含まれ、特
に制限されないが、例えば、メチルリチウム、エチルリ
チウム、プロピルリチウム、n−ブチルリチウム、 sec
−ブチルリチウム、tert−ブチルリチウム、n−ヘキシ
ルリチウム、n−オクチルリチウム等に代表されるアル
キルリチウム、フェニルリチウム、トリルリチウム、リ
チウムナフチリド等に代表されるアリールリチウム、ビ
ニルリチウム、プロペニルリチウム等に代表されるアル
ケニルリチウム、テトラメチレンジリチウム、ペンタメ
チレンジリチウム、ヘキサメチレンジリチウム、デカメ
チレンジリチウム等に代表されるアルキレンジリチウム
等を挙げることができる。
分子量に依存して決められるが、一般にはモノマー10
0gに対し、0.05〜15mmol、好ましくは0.1〜
10mmolが用いられる。15mmolを越えると高分子量体
を得ることが困難であり、0.05mmol未満では重合系
中の不純物により失活し、重合が進行しない場合がある
ので好ましくない。
の添加後に投入される二級アミン化合物は、前記一般式
(A)で表されるアミン化合物及び一般式(B)で表さ
れるイミン化合物から選ばれる少なくとも1つの化合物
である。
て、R1 、R2 が炭素数1〜10の脂肪族、脂環族、芳
香族の各炭化水素基から選ばれる基を有するアミン化合
物が好ましく、例示すれば、ジメチルアミン、ジエチル
アミン、ジプロピルアミン、ジ−n−ブチルアミン、ジ
イソブチルアミン、ジペンチルアミン、ジヘキシルアミ
ン、ジヘプチルアミン、ジオクチルアミン、ジアリルア
ミン、ジシクロヘキシルアミン、N,N−ブチルイソプ
ロピルアミン、ジベンジルアミン、N,N−メチルベン
ジルアミン、N,N−メチルヘキシルアミン、N,N−
エチルヘキシルアミン等を挙げることができる。中で
も、更に好ましいのはR1 、R2 が炭素数1〜10の脂
肪族炭化水素基から選ばれる基を有するアミンである。
XがX−Iの化合物において、R3、R4 が水素又は炭
素数1〜8の脂肪族炭化水素基から選ばれる基、nが3
〜約15であるイミン化合物が好ましく、トリメチレン
イミン、ピロリジン、ピペリジン、2−メチルピペリジ
ン、3−メチルピペリジン、4−メチルピペリジン、
3,5−ジメチルピペリジン、2−エチルピペリジン、
ヘキサメチレンイミン、ヘプタメチレンイミン、ドデカ
メチレンイミン等を例示することができる。中でも、R
3 、R4 が水素又は炭素数1〜5の脂肪族炭化水素基か
ら選ばれる基、nが3〜12であるイミン化合物が更に
好ましい。
XがX−IIの化合物において、R5、R6 が水素又は炭
素数1〜5の脂肪族炭化水素基から選ばれる基、R7 が
炭素数1〜5の脂肪族炭化水素基から選ばれる基、mが
3〜5であるイミン化合物が好適であり、例示すれば、
モルホリン、N−メチルピペラジン、N−エチルピペラ
ジン、N−メチルイミダゾリジン、N−エチルイミダゾ
リジン等を挙げることができる。中でも更に好ましいの
は、R5 、R6 が水素、R7 が炭素数1〜5の脂肪族炭
素水素基から選ばれる基、mが3〜5であるイミン化合
物である。
XがX−III の化合物において、好ましいのは前記した
好ましいX−I及びX−IIから選ばれた構造基の環形成
部における炭素・炭素単結合の少なくとも一部を炭素・
炭素二重結合とした分子構造の環状構造基を有するイミ
ン化合物であり、1,2,3,6−テトラヒドロピリジ
ン、オキサジン、ピロリン、ピロール、アゼピン等を例
示することができる。
化合物の量は有機リチウム化合物1モル当量に対し、
0.1〜2.0モル当量であることが好ましい。重合終
了後、カップリング剤等を添加して、高いカップリング
効率と重合体の低ヒステリシスロスを達成する観点から
すれば、二級アミン化合物の量は0.2〜1.5モル当
量が用いられ、0.5〜1.0モル当量であることがさ
らに好ましい。
変性効率が低下し、得られる重合体の物性、例えば、低
ヒステリシスロスを十分なものにすることができず、一
方、増加すると、物性の向上に寄与しないアミン含有オ
リゴマーの生成量が多くなり、重合体末端の活性リチウ
ムがこのオリゴマーに連鎖移動を起こし、末端リチウム
が失活しやすくなるため、カップリング効率が低下する
傾向が大となり、得られる重合体の低ヒステリシスロス
性が不十分となる可能性がある。
ジエン及びビニル芳香族炭化水素の少なくとも1つのモ
ノマーである。共役ジエンモノマーとしては、例えば、
1,3−ブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエ
ン、2,3−ジメチルブタジエン、2−フェニル−1,
3−ブタジエン、1,3−ヘキサジエン等が挙げられ
る。中でも好ましいのは1,3−ブタジエンである。ま
た、ビニル芳香族炭化水素モノマーとしては、スチレ
ン、α−メチルスチレン、1−ビニルナフタレン、3−
ビニルトルエン、エチルビニルベンゼン、ジビニルベン
ゼン、4−シクロヘキシルスチレン、2,4,6−トリ
メチルスチレン等を例示することができる。中でも好ま
しいのは、スチレンである。更に、モノマーとして共役
ジエン及びビニル芳香族炭化水素を用いて共重合を行う
場合、各々1,3−ブタジエン及びスチレンを使用する
ことが特に好ましい。
〜50重量%、好ましくは10〜30重量%である。共
役ジエンとビニル芳香族炭化水素の共重合の場合、仕込
みモノマー混合物中のビニル芳香族炭化水素の含量は3
〜50重量%、好ましくは5〜45重量%である。
応性向上等のための、例えば、ジエチルエーテルのよう
な化合物は不要であるので、必ずしも用いる必要はない
が、所望の分子構造の重合体を得たい場合は、ランダマ
イザーが好ましく用いられる。ここで言うランダマイザ
ーとは、共役ジエン重合体のミクロ構造のコントロー
ル、例えばブタジエン重合体又はブタジエン−スチレン
共重合体のブタジエン部の1,2結合、イソプレン重合
体の3,4結合の増量等及び共役ジエン−ビニル芳香族
炭化水素共重合体のモノマー単位の組成分布のコントロ
ール例えば、ブタジエン−スチレン共重合体のブタジエ
ン単位、スチレン単位のランダム化等、の作用を有する
化合物である。本発明の製造方法においてランダマイザ
ーを用いる場合には、その添加時期は、二級アミン化合
物の添加後であることが、得られる重合体の物性の観点
から好ましい。また、本発明に用いられるランダマイザ
ーは特に制限はなく、一般に用いられているもの全てを
含む。用いられるランダマイザーの例としては、次によ
うなものが挙げられる。 (1)エーテル類 (2)オルトジメトキシベンゼン類 (3)アルカリ金属とケトン又は亜リン酸トリエステル
とのコンプレックス (4)下記一般式で表される化合物 R(OM1)n 、(RO)2M2 、R(COOM1)n 、RO
COOM1 、RSO3 M1 、ROSO3 M1 (但し、Rは脂肪族、脂環族及び芳香族の各炭化水素基
から選ばれるものであり、M1 はアルカリ金属であり、
特に、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム又
はセシウムを表し、M2 はアルカリ土類金属であり、具
体的にはカルシウム又はバリウムを表し、かつnは1〜
3の整数である。) (5)第三級アミン 以下ランダマイザーについて、具体的に説明するが、こ
れらのランダマイザーは、単独又はこれらの併用でもよ
い。
ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、テトラ
ヒドロフラン、2−メトキシメチルテトラヒドロフラ
ン、ジエチルエーテル、トリエチレングリコールジメチ
ルエーテル等が挙げられる。
しては、ベラトロール、イソホモベラトロール等であ
る。
トリエステルとのコンプレックスには、アセトン、メチ
ルエチルケトン、ジイソプロピルケトン、ベンゾフェノ
ン、アセトフェノン、ジベンジルケトン、フルオレノ
ン、キサントン、ミヒラーケトン、アセチルアセトンの
ようなケトン類及び、トリエチルホスファイト、トリオ
クチルホスファイト、トリベンジルホスファイト、トリ
ノニルホスファイトのような亜リン酸トリエステルと、
リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム又はセシ
ウムとのコンプレックス等が挙げられる。
いて説明する。一般式R(OM1)n 又は(RO)2M2 で
示されるアルコール、フェノールのアルカリ金属塩又は
アルカリ土類金属塩の具体的な例には、メチルアルコー
ル、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、tert
−ブチルアルコール、tert−アミルアルコール、シクロ
ヘキシルアルコール、アリルアルコール、2−ブテニル
アルコール、ベンジルアルコール、フェノール、カテコ
ール、レゾルシノール、ヒドロキノン、1−ナフチルア
ルコール、p−ノニルフェノール、ピロガロール等のリ
チウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウ
ム、カルシウム及びバリウムの各塩が含まれる。
1 により示されるアルカリ金属のカルボン酸及び酸性炭
酸エステル塩の具体例には、イソ吉草酸、ラウリル酸、
パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、ロジン酸、
安息香酸、ピメリン酸、酸性炭酸n−ドデシル、酸性炭
酸フェニル等のリチウム、ナトリウム、カリウム、ルビ
ジウム及びセシウム塩等を挙げることができる。
より表されるアルカリ金属のスルホン酸及び硫酸エステ
ル塩の具体例としては、ドデシルベンゼンスルホン酸、
ジイソプロピルナフタリンスルホン酸、N−メチル−N
−メタンスルホン酸塩ラウリルアミド、ラウリルアルコ
ールの硫酸エステル塩、カプロイルエチレングリコール
硫酸エステル等のリチウム、ナトリウム、カリウム、ル
ビジウム及びセシウム塩が含まれる。
チルアミン、テトラメチルエチレンジアミン等が上げら
れる。
は、前記(1)エーテル類及び前記(4)R(OM1)n
が挙げられる。
合物1モル当量当たり、0.01〜1000モル当量の
範囲である。
ことは、重合系中で少なくともモノマーの存在下でまず
有機リチウム化合物を添加し、しかる後、二級アミン化
合物を添加して、両者を接触させる点にある。この条件
に合致すれば、両化合物の各溶液使用の要否等は特に制
限されない。また、さらに、前記の如くランダマイザー
を所望により添加する場合は、有機リチウム化合物と二
級アミン化合物を添加した後に添加することが、得られ
る重合体の物性の観点からは好ましい。例えば、モノマ
ー、溶媒、有機リチウム化合物溶液を混合後、これに二
級アミン溶液を添加し、その後、ランダマイザーを添加
するような方法が好ましく挙げられる。
内で任意の温度で行うことができるが、−20〜100
℃の温度が好ましい。重合反応は発生圧下で行うことが
できるが、通常はモノマーを実質的に液相下に保つに十
分な圧力で操作することが望ましい。即ち、圧力は重合
される個々の物質や、用いる希釈剤及び重合温度にもよ
るが、所望ならばより高い圧力を用いることができ、こ
のような圧力は重合反応に関して不活性なガスで反応器
を加圧する等の適当な方法で得られる。
されるアミン化合物及び前記一般式(B)で表されるイ
ミン化合物から選ばれる少なくとも1つの二級アミン化
合物を添加する時期は、前記重合体の重合転化率が5%
未満の時期であることが、得られる重合体の物性の観点
からは好ましく、2%未満の時期であることがさらに好
ましく、1%未満の時期であることがより好ましい。こ
のため、前記モノマーの重合反応を、二級アミン化合物
を添加する時期までのあいだ抑制することが好ましく、
従って、二級アミン化合物を添加する時期までの重合体
の重合反応温度は、前記反応温度にかかわらず、−10
〜30℃に保持することが好ましく、より好ましくは0
〜20℃である。このように、重合反応温度を低温に保
持したり、さらに、前記の如くランダマイザーの添加を
二級アミン化合物を添加した後に行うことも、同様に二
級アミン化合物を添加する時期までの重合反応を抑制す
る観点から好ましい。
用できるが、炭化水素溶媒中での溶液重合を用いること
が好適である。溶媒は普通重合反応の条件下では液体で
あることが好ましく、脂肪族、脂環族又は芳香族炭化水
素等の炭化水素溶媒が使用される。好ましい炭化水素溶
媒の例としては、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサ
ン、ヘプタン、イソオクタン、シクロペンタン、シクロ
ヘキサン、メチルシクロヘキサン、デカン、ベンゼン、
テトラヒドロナフタリン等が挙げられる。これら溶媒を
2種類以上の混合物として用いることも本発明の範囲に
含まれる。
合工程に関与する全ての物質から、水、酸素、二酸化炭
素及び他の触媒毒を除去するのが好適である。
ノ基変性効率(E)は、下記数式を満足することが好ま
しい。
(1)開始重合鎖末端に二級アミノ基を有する高分子量
重合体、(2)末端に二級アミノ基を有しない高分子量
重合体、(3)末端に二級アミノ基を有するオリゴマー
等が主として含まれる。ここで言う二級アミノ基変性効
率(E)とは、全高分子量重合体中の上記(1)の割合
を意味し、全高分子量重合体は主として上記(1)+
(2)と考えられるため、(E)は〔(1)の重量/
(1)+(2)の重量〕×100で表すことができる。
好ましい。(E)が20重量%未満であると、得られる
重合体は二級アミンを添加しなかった場合と差異がみら
れなくなる。
ケルダール法及び後記実施例に用いたローソンらのパテ
ントブルー(Ptent Blue)で染色する方法等によって求
めることができる。
化合物/有機リチウム化合物のモル比を選択することに
より、有機リチウム化合物による一般のアニオンリビン
グ生長反応と同様、重合体末端に活性リチウムが存在す
るため、重合終了後、カップリング剤及び/又は親電子
試薬を添加して、重合体の変性を行うことができる。カ
ップリング剤として具体的には、四塩化スズ、メチル三
塩化スズ、ジブチルジクロロスズ、トリブチルクロロス
ズ等のハロゲン化スズ化合物、テトラアリルスズ、ジエ
チルジアリルスズ、テトラ(2−オクテニル)スズ等の
アリルスズ化合物、テトラフェニルスズ、テトラベンジ
ルスズ等のスズ化合物、四塩化ケイ素、四臭化ケイ素、
メチル三塩化ケイ素、ジメチルジクロロケイ素、トリメ
チルクロロケイ素等のハロゲン化ケイ素化合物、テトラ
フェノキシケイ素、テトラエトキシケイ素等のアルコキ
シケイ素化合物、四塩化ゲルマニウム等のハロゲン化ゲ
ルマニウム等の化合物を挙げることができる。また、親
電子試薬として、例示すれば、N−メチルピロリドン、
N,N’−ジメチルイミダゾリジノン、N,N−ジメチ
ルホルムアミド等のアミド類、ジエチルフタル酸、酢酸
ブチル等のエステル類、ベンゾフェノン、ミヒラーケト
ン、カルコン等のケトン類、エチレンオキサイド、スチ
レンオキサイド等のオキシラン類、また更にフェニルイ
ソシアネート、メチレンビスフェニルイソシアネート等
のイソシアネート類、二酸化炭素(CO2 )等を挙げる
ことができる。中でも好ましいカップリング剤はハロゲ
ン化スズ化合物及びハロゲン化ケイ素化合物であり、効
果の観点からハロゲン化スズ化合物がさらに好ましい。
また、好ましい親電子試薬はアミド類及びイソシアネー
ト類である。
実質的に終了した後、カップリング変性前の重合体の数
平均分子量は、本発明の製造方法により得られる重合体
の主な使用目的がゴム原料、樹脂原料等であるため、8
×103 〜1×106 であることが好ましく、更に5×104
〜8×105 であることが更に好ましい。この分子量が8
×103 未満及び1×106 を超えると本発明の重合体の所
望の物性効果が十分発揮できず、好ましくない。この重
合体の分子量は二級アミン化合物の量とは関係なく、有
機リチウム化合物の量に依存しているので、容易に調製
できる。
硫しうるゴムとして、タイヤトレッド、アンダートレッ
ド、カーカス、サイドウォール、ビード部等のタイヤ部
材、ガスケット、シート、ベルト、窓枠、履物、ゴム
糸、防振ゴム、パッキング等に有利に用いることがで
き、特に、タイヤトレッド用ゴムとして好適に使用され
る。またビニル芳香族炭化水素を多く含む共重合体は樹
脂として用いられるが、靴底、床タイル、接着組成物、
諸種の成形品等としての用途を有する。
アミン化合物の添加方法の違いにより、生成するリチウ
ム系開始剤を用いてモノマーの重合を行うと、得られる
重合体の物性が大きく異なることが新事実として明らか
になった。
推定できる。説明の都合上、有機リチウム化合物として
のブチルリチウムをBuLi、二級アミン化合物をR2
NH、生成したリチウム系開始剤をR2 NLi、モノマ
ーとしてのブタジエンをBdと、各々仮定又は略記し、
また、BuLi及びR2 NHの添加量を各10モル(モ
ル比=1)と仮定する。重合機構を以下の反応式により
説明する。
uLi(b)を添加し、次いで第2にR2 NH(a)を
添加して両化合物を接触させて、開始剤R2 NLi
(c)を生成させ(上記反応式中(1)で示す)、その
開始剤(c)によってモノマーBd(d)の重合を行う
ものである(上記反応式中(2)で示す)。
(a)10モルの添加に時間を要したとしても、上記式
中(5)の重合反応がある程度起こり、低分子量のポリ
ブタジエンが多少生成するものの、大部分の(b)は、
(1)の反応によって開始剤(c)を生成させることに
なり、開始剤(c)は約10モル生成する。即ち、効率
よく高濃度で開始剤(c)が生成し、(2)で示される
リビング重合反応が起こり、従って、得られる重合体
は、二級アミノ基を有する重合体(e)を多量に含むこ
とになり、二級アミノ基変性効率が高く、しかも、片末
端には活性リチウムを有しているため、必要に応じて四
塩化スズの如き変性剤により容易にカップリングするこ
とができる。
即ち、(b)が過剰である場合には、(b)による
(5)の反応が並行して起こり、前記数式で(E)とし
て示される二級アミノ基変性効率が低下する。
る、即ち、(a)が過剰であると、過剰の(a)が残存
している限り、(4)及び(3)の反応が繰り返され、
アミン含有ブタジエンオリゴマー(g)が蓄積され、過
剰の(a)が完全に消費された後に、(c)による
(2)のリビング重合反応が進行する。この場合、
(b)の濃度に依存する(c)の濃度は変わらないた
め、予想通りの分子量を有する重合体が得られる。しか
し、得られた共重合体成分中に(g)が多量に生成する
ことは、物性上好ましくない。従って、(a)/(b)
のモル比の上限、下限ともに限界がある。
均一的に可溶の重合開始剤により速やかに進行する。得
られる重合体はその開始重合鎖末端に二級アミノ基を有
し、カップリング反応も効率よく起こることが確認され
ており、従って、本発明のリチウム系重合開始剤は、有
機リチウム化合物と二級アミン化合物とが接触して生成
されるR2 NLi(c)と思われる可溶性重合開始剤で
あると結論される。
明においては従来の事前調製の不溶性リチウムアミド開
始剤と異なり、重合開始剤が重合系中で作られ、さらに
望ましくない連鎖移動反応も抑制されるため、重合開始
剤の調製、貯蔵等のあらゆる工程、管理が不要であり、
開始剤が可溶性であるため、開始効率が大きく、重合の
再現性も良く、その結果として、得られる重合体はあら
ゆる分子構造を望ましくコントロールでき、その再現性
も極めてよく、また二級アミノ基変性効率やカップリン
グ効率も大きく、高分子量体であり、低ヒステリシスロ
ス等の物性も優れている。
アミン化合物の量とは関係なく、有機リチウム化合物の
量により決まってくるのは、リチウム量で決まる数の、
可溶なR2 NLiと思われる単一に近い活性種がリビン
グ系開始剤となっていることによるものと考えられる。
つまり、二級アミン化合物が過剰にあっても、どういう
形にしろ活性リチウムがある限り、アミンと反応して重
合初期の短時間に効率良く、高濃度でR2 NLiとな
り、含アミンのオリゴマー(g)量は増大するが、最終
的にはリチウム量で決まる一定量のR2 NLiが生成
し、これが開始剤となって、高分子量及び狭い分子量分
布の重合体を作るものと考えられる。また、得られた重
合体の狭い分子量分布が過剰なアミン量とは無関係であ
ることも、前記と同様に説明される。一般に、重合反応
における連鎖生長時期において連鎖移動速度が十分であ
る場合に、得られた重合体の分子量分布は、通常のリビ
ング重合において得られる場合よりも顕著に大きくな
る。一方、本発明の重合方法では、上記のように、重合
開始時期で、連鎖移動反応を促進する過剰な遊離二級ア
ミンは完全に消費されると思われるため、重合鎖の生長
時期では殆ど連鎖移動反応は起こることはない。従っ
て、得られる重合体の分子量分布は、通常のリビング重
合のように、開始速度及び生長速度のバランスによっ
て、自動的に決定されることになると考えられる。
を添加し、次いで、第2にBuLi(b)をある時間を
要して添加して両化合物を接触させてモノマーBd
(d)の重合を行う場合を考える。
いで、(b)10モルを添加するが、時間を要するた
め、今、(b)1モルが添加された時点を仮定すれば、
(a)1モルと(b)1モルで(c)1モルが生成する
[(1)の反応]。ここで得られた開始剤(c)によ
り、(2)の重合反応に移行した初期の段階、即ち、
(3)のオリゴメゼーションの段階におけるオリゴマー
(f)1モルは、未反応の(a)9モル中の(a’)1
モルと反応して、(c’)1モルと(g)1モルが生成
する。(c’)は(3)のオリゴメゼーションの後、さ
らに、未反応の(a)8モル中の(a’)1モルと反応
して、(c’)1モルと(g)1モルが生成する。この
ように、未反応の(a)が存在する限り、(4)及び
(3)の反応が繰り返され、アミン含有ブタジエンオリ
ゴマー(g)が蓄積され、過剰の(a)が完全に消費さ
れた後に、本来の(2)のリビング重合反応が進行す
る。
ため、添加された(b)は、上記のように(1)の反応
に関与する状況により、(2)、(3)、(4)の反応
につながっていく。(a)は(g)の生成に消費される
ため、(b)と反応すべき(a)は不足となり、(b)
の添加の末期には(b)が過剰となってくる。この過剰
の(b)によって(5)の重合反応が起こり、最終的に
得られる重合体は、(2)の重合反応による二級アミノ
基を有する重合体(e)と、(5)の重合反応による二
級アミノ基を含まない重合体(h)とを含むことにな
り、このことは、得られる重合体の二級アミノ基変性効
率が低いことを意味するものである。
1未満であると1を超えるとにかかわらず、上記の反応
が起こる限り、目的とする二級アミノ基変性効率が高い
重合体は得難いと考えられる。
説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、これら
実施例によって制限されるものではない。
の数平均分子量(Mn)及び分子量分布(Mw/Mn)
の測定は、ゲルパーミエイションクロマトグラフィ(G
PC、東ソー製HLC−8020、カラム:東ソー製G
MH−XL(2本直列))により行い、示差屈折率(R
I)を用いて、単分散ポリスチレンを標準としてポリス
チレン換算で行った。
ング剤を添加した場合について測定し、GPCの測定曲
線における高分子量分と低分子量分の面積比から求め
た。
及びブタジエン−スチレン共重合体中のブタジエン部分
のミクロ構造は、赤外法(モレロ法)により求めた。ま
た、結合スチレン含有量は、699cm-1のフェニル基
の吸収に基づいた赤外法による検量線から求めた。
級アミノ基変性効率を、ローソンら方法により求めた。
即ち、0.08gのパテントブルー(Ptent Blue)VF
と0.01N塩酸水溶液1リットルを混合して染色用溶
液を調製した。また、実施例で得られた重合体の絶対分
子量を測定し、そのトリクロルメタン(CHCl3 )溶
液(0.15〜0.4重量%の範囲で濃度を正確に決め
たもの)を調製して試料とした。この染色用溶液10m
lと重合体溶液試料10mlとを混合し、室温にて2.
5時間震盪した後、2時間静置して有機層を抽出し、6
28nmにおける紫外線吸収強度を測定した。濃度の異
なるN−n−ドデカ−ヘキサメチレンイミンのトリクロ
ルメタン溶液を調製して同様に紫外線吸収強度を測定し
て検量線を求め、この検量線より重合体試料中の二級ア
ミノ基濃度を求めた。重合体試料中の重合体モル濃度と
前記二級アミノ基濃度より、二級アミノ基変性効率を算
出した。
用いた。tanδが小さい程、低ヒステリシスロスであ
ると評価する。tanδの測定は、粘弾性測定装置(R
VE:レオメトリックス社製)を使用し、温度50℃、
歪み1%、周波数15Hzで行った。 なお、実施例、
比較例に用いた全ての原料は脱水精製した。
ットルのオートクレーブ中に、表1に示したように、シ
クロヘキサン2100g、ブタジエンモノマー320
g、スチレンモノマー80gを入れ、10℃にした後、
n−ブチルリチウム(BuLi:1.6規定、2.5m
l)を15分間かけて加えた後、すみやかにヘキサメチ
レンイミン(以下、HMIと略す)0.29g(リチウ
ム対比モル当量1.0)、テトラヒドロフラン(TH
F)20.2g(リチウム対比モル当量70)を記載し
た順序で投入して60分間重合を行った。HMIを投入
した直後に、内容液200mlを取り出し、重合転化率
を調べた。この間オートクレーブ内温は85℃まで上昇
した。重合系は重合開始から終了まで、全く沈澱は見ら
れず均一で透明であった。終了時の重合転化率はほぼ1
00%であった。
ロピルアルコールを加え、固形物を乾燥し、ゴム状共重
合体を得た。この共重合体についてミクロ構造、分子量
及び分子量分布を測定した。重合処方を表1に、測定結
果を表2にそれぞれ示した。同時に低分子量成分の有無
を確認したが、二級アミン投入時までに生成したと思わ
れる低分子量成分の存在は観察されなかった。ここで、
前記の方法に従って、得られた重合体の二級アミノ基変
性効率を測定したところ90%であった。
て四塩化スズを重合体末端の活性リチウム原子に対し、
塩素原子として等モル当量加え、70℃で30分間変性
を行った。これをイソプロピルアルコール中に投入、攪
拌することにより得られた固形物を乾燥し、ゴム状共重
合体を得た。この共重合体について、カップリング効率
を測定した。その結果を表2に示した。
に示す処方に従って配合された配合物を145℃、33
分間加硫した加硫物について、tanδを測定した結
果、0.075であった。
の投入順序を変更した重合例である。
MI、THF、さらにその後、BuLi(1.6規定、
2.5ml)とした以外は、BuLiを15分間かけて
添加する等、実施例1と同様の方法で共重合体を得た。
この間オートクレーブ内温は85℃まで上昇した。重合
系は重合開始から終了まで、全く沈澱は見られず均一で
透明であった。重合転化率はほぼ100%であった。ま
た、実施例1と同様にカップリング変性を行った。以
下、実施例1と同様に、この共重合体のミクロ構造、分
子量、分子量分布及び変性後のカップリング効率を測定
した。重合処方を表1に、測定結果を表2にそれぞれ示
した。
ゴムの粘弾性を測定したところ、tanδ値は0.11
3であった。
ド重合開始剤を用いた重合例である。
ガラス容器に、シクロヘキサン37ml、HMI1.0
gを入れ、室温下で攪拌しながら、BuLiのヘキサン
溶液(1.6規定、63ml)を15分間かけて滴下
し、N−リチウムヘキサメチレンイミド(以下、LHM
Iと略す)溶液を得た。収率はほぼ100%であった。
この反応液は時間を経るにつれて、不溶分が析出し、懸
濁状となった。
トクレーブ中に、シクロヘキサン2100g、ブタジエ
ンモノマー320g、スチレンモノマー80gを入れ、
さらにTHF20.2gを入れて10℃にした後、予め
前記方法で調整されたLHMI(1.0規定、4.0m
l、調整後7日間静置後のもの)を15分間かけて投入
し、60分間重合を行い、共重合体を得た。この間オー
トクレーブ内温は85℃まで上昇した。重合系は重合開
始時には、若干不透明で不均一であったが、終了時には
全く沈澱は見られず均一に透明であった。重合転化率は
ほぼ100%であった。また、実施例1と同様にカップ
リング変性を行った。以下、実施例1と同様に、この共
重合体のミクロ構造、分子量、分子量分布及び変性後の
カップリング効率を測定した。重合処方を表1に、測定
結果を表2にそれぞれ示した。
ゴムの粘弾性を測定したところ、tanδ値は0.10
0であった。
て用いた重合例である。
剤にかかわる化合物の量及び順序を、BuLi(1.6
規定、2.5ml)、その後、THF20.2gとした
以外は実施例1と同様の方法で共重合体を得た。この間
オートクレーブ内温は85℃まで上昇した。重合系は重
合開始から終了まで、全く沈澱は見られず均一で透明で
あった。重合転化率はほぼ100%であった。また、実
施例1と同様にカップリング変性を行った。以下、実施
例1と同様に、この共重合体のミクロ構造、分子量、分
子量分布及び変性後のカップリング効率を測定した。重
合処方を表1に、測定結果を表2にそれぞれ示した。
ゴムの粘弾性を測定したところ、tanδ値は0.12
5であった。
て用いた重合例である。
剤にかかわる化合物の量及び順序を、THF20.2
g、その後、BuLi(1.6規定、2.5ml)とし
た以外は実施例1と同様の方法で共重合体を得た。この
間オートクレーブ内温は85℃まで上昇した。重合系は
重合開始から終了まで、全く沈澱は見られず均一で透明
であった。重合転化率はほぼ100%であった。また、
実施例1と同様にカップリング変性を行った。以下、実
施例1と同様に、この共重合体のミクロ構造、分子量、
分子量分布及び変性後のカップリング効率を測定した。
重合処方を表1に、測定結果を表2にそれぞれ示した。
ゴムの粘弾性を測定したところ、tanδ値は0.12
5であった。
リジンを用いた重合例である。
を、BuLi(1.6規定、2.5ml)、次に、ピロ
リジン0.28g(リチウム対比モル当量1.0)、そ
の後、THF20.2gとした以外は実施例1と同様の
方法で共重合体を得た。この間オートクレーブ内温は8
5℃まで上昇した。重合系は重合開始から終了まで、全
く沈澱は見られず均一で透明であった。重合転化率はほ
ぼ100%であった。二級アミノ基変性効率は88%で
あった。また、実施例1と同様にカップリング変性を行
った。以下、実施例1と同様に、この共重合体のミクロ
構造、分子量、分子量分布及び変性後のカップリング効
率を測定した。重合処方を表1に、測定結果を表2にそ
れぞれ示した。
ゴムの粘弾性を測定したところ、tanδ値は0.08
3であった。
リジンを用いた重合例である。
を、まずピロリジン0.28g、次に、THF20.2
g、その後、BuLi(1.6規定、2.5 ml)と
した以外は、BuLiを15分間かけて添加する等、実
施例1と同様の方法で共重合体を得た。この間オートク
レーブ内温は85℃まで上昇した。重合系は重合開始か
ら終了まで、全く沈澱は見られず均一に透明であった。
重合転化率はほぼ100%であった。また、実施例1と
同様にカップリング変性を行った。以下、実施例1と同
様に、この共重合体のミクロ構造、分子量、分子量分布
及び変性後のカップリング効率を測定した。重合処方を
表1に、測定結果を表2にそれぞれ示した。
ゴムの粘弾性を測定したところ、tanδ値は0.11
8であった。
2,3,6−テトラヒドロピリジンを用いた重合例であ
る。
を、BuLi(1.6規定、2.5ml)、次に、1,
2,3,6−テトラヒドロピリジン0.33g(リチウ
ム対比モル当量1.0)、その後、THF20.2gと
した以外は実施例1と同様の方法で共重合体を得た。こ
の間オートクレーブ内温は85℃まで上昇した。重合系
は重合開始から終了まで、全く沈澱は見られず均一で透
明であった。重合転化率はほぼ100%であった。二級
アミノ基変性効率は82%であった。
を行った。以下、実施例1と同様に、この共重合体のミ
クロ構造、分子量、分子量分布及び変性後のカップリン
グ効率を測定した。重合処方を表1に、測定結果を表2
にそれぞれ示した。
ゴムの粘弾性を測定したところ、tanδ値は0.07
8であった。
ムアルコキサイドを添加し、モノマーのスチレン/ブタ
ジエン比を変更した重合例である。
を、BuLi(1.6規定、2.5ml)、次に、HM
I0.29g、その後、カリウムt−アミレート0.0
25g(リチウム対比モル当量0.05)とし、120
分間重合した以外は実施例1と同様の方法で共重合体を
得た。この間オートクレーブ内温は85℃まで上昇し
た。重合系は重合開始から終了まで、全く沈澱は見られ
ず均一で透明であった。重合転化率はほぼ100%であ
った。二級アミノ基変性効率は82%であった。
を行った。以下、実施例1と同様に、この共重合体のミ
クロ構造、分子量、分子量分布及び変性後のカップリン
グ効率を測定した。重合処方を表1に、測定結果を表2
にそれぞれ示した。
ゴムの粘弾性を測定したところ、tanδ値は0.11
0であった。
ムアルコキサイドを添加した重合例である。
を、まずHMI0.29g、次に、カリウムt−アミレ
ート0.025g、その後、BuLi(1.6規定、
2.5ml)とし、120分間重合した以外は、BuL
iを15分間かけて添加する等、実施例4と同様の方法
で共重合体を得た。この間オートクレーブ内温は85℃
まで上昇した。重合系は重合開始から終了まで、全く沈
澱は見られず均一で透明であった。重合転化率はほぼ1
00%であった。また、実施例1と同様にカップリング
変性を行った。以下、実施例1と同様に、この共重合体
のミクロ構造、分子量、分子量分布及び変性後のカップ
リング効率を測定した。重合処方を表1に、測定結果を
表2にそれぞれ示した。
ゴムの粘弾性を測定したところ、tanδ値は0.15
0であった。
た後、低温にて放置した重合例である。
で20分間放置した後に、HMIを投入したこと以外は
実施例1と同様の方法で共重合体を得た。重合系は重合
開始から終了まで、全く沈澱は見られず均一で透明であ
った。重合転化率はほぼ100%であった。二級アミノ
基変性効率は87%であった。
を行った。以下、実施例1と同様に、この共重合体のミ
クロ構造、分子量、分子量分布及び変性後のカップリン
グ効率を測定した。重合処方を表1に、測定結果を表2
にそれぞれ示した。
ゴムの粘弾性を測定したところ、tanδ値は0.08
7であった。
を投入した後の温度を25℃とした重合例である。
の温度を25℃とした以外は実施例1と同様の方法で共
重合体を得た。重合系は重合開始から終了まで、全く沈
澱は見られず均一で透明であった。重合転化率はほぼ1
00%であった。二級アミノ基変性効率は85%であっ
た。
を行った。以下、実施例1と同様に、この共重合体のミ
クロ構造、分子量、分子量分布及び変性後のカップリン
グ効率を測定した。重合処方を表1に、測定結果を表2
にそれぞれ示した。
ゴムの粘弾性を測定したところ、tanδ値は0.08
0であった。
を投入した後の温度を35℃とした重合例である。
の温度を35℃とした以外は実施例1と同様の方法で共
重合体を得た。重合系は重合開始から終了まで、全く沈
澱は見られず均一で透明であった。重合転化率はほぼ1
00%であった。二級アミノ基変性効率は86%であっ
た。
を行った。以下、実施例1と同様に、この共重合体のミ
クロ構造、分子量、分子量分布及び変性後のカップリン
グ効率を測定した。重合処方を表1に、測定結果を表2
にそれぞれ示した。
ゴムの粘弾性を測定したところ、tanδ値は0.09
5であった。
方法で得られた重合体は、二級アミン化合物の種類を換
えたり(実施例1、2及び3)、ランダマイザーを変更
しても(実施例4)、二級アミン化合物投入前の重合転
化率を変化させても(実施例5、6及び7)、全て透明
で、均一型の重合形態をとる。これらは、開始効率が大
きく、また安定したリビング重合反応が起こるため、分
子量はコントロールされ、分子量分布も小さく、またカ
ップリング効率も大きいという優れた効果が見られる。
本発明の実施例では、開始重合鎖末端に二級アミノ基を
有し、かつ、カップリングによる例えば、スズ−炭素結
合鎖を持つ分子構造をとる重合体が容易に得られるの
で、この重合体は低ヒステリシスロス等の優れた物性を
有することになる。
ミン化合物の添加方法として、先ず、二級アミン化合物
を添加し、次いで、通常の工業的規模の製造方法で必然
的に実施しているように、時間を要して有機リチウム化
合物を添加して行った比較例1、5及び6は、二級アミ
ン化合物及びランダマイザーの種類にかかわらず、得ら
れた重合体の分子量分布は小さいものの、二級アミノ基
変性効率が極めて低く、所望の低ヒステリシスロス効果
を得難い。
開始剤とする比較例2では、リチウムアミド自体が、元
来溶媒不溶性のため、不均一型の重合開始形態をとって
いる。このため、開始剤効率が悪く、重合活性種が不安
定となり、分子量をコントロールできず、その増大を招
き、また分子量分布の拡大をもたらし、更にカップリン
グ効率も低下する結果となっている。さらに、比較例2
の如く事前調製したリチウムアミドを用いる場合には、
工業的規模で実施する場合、重合開始剤を調製する専用
の設備が必要になるという問題も有する。
3及び4は、ブチルリチウムとランダマイザーであるT
HFとの添加順序にかかわらず、低ヒステリシスロス効
果が小さい。
ンランダム共重合体及び有機リチウム化合物と二級アミ
ン化合物の添加方法を変えて得られた共重合体のtan
δを、比較例1、3、4、5及び6と実施例1乃至6と
を対比して検討すれば明らかなように、本発明の方法に
よって得られた共重合体は、二級アミノ基変性効率及び
低ヒステリシスロス効果が大きく、二級アミン化合物を
添加する以前の重合転化率を1%未満に抑制した実施例
1、2、3及び6において、その効果が著しい。
び二級アミン化合物を接触する際に、両化合物の添加方
法により得られる重合体の物性が変化することは、前記
作用の欄で述べた重合機構の推定を裏付けるものと考え
られる。
したので、重合開始剤自体は、(1)開始剤の事前調製
プロセス、貯蔵設備、貯蔵安定化の管理を必要としない
こと、(2)開始剤成分を容易に安定管理できるので、
取扱いが楽であること、(3)効率よく、高濃度で所望
の重合開始剤が生成する、従って、開始効率を大きくす
ることができ、開始剤濃度の再現性がよく、正確な濃度
把握が可能であること、また得られる重合体は(4)分
子量分布が小さいこと、(5)再現性のよい分子量及び
ミクロ構造を有すること、(6)二級アミン化合物に関
係なく、有機リチウム化合物を規定することにより、容
易に分子量が制御されること、(7)開始重合鎖末端に
二級アミノ基を有する高分子量重合体の割合(二級アミ
ノ基変性効率)が大きいこと、(8)リビング性を有す
るので、高いカップリング効率で変性できること、
(9)高分子量であること、(10)低ヒステリシスロ
ス等良好な物性を示すこと、さらに、(11)この方法
を工業化に適するような規模にスケールアップするな
ど、製造規模を変更しても、安定した品質の重合体を再
現性良く得ることができること、という優れた効果を有
する。
Claims (12)
- 【請求項1】 炭化水素溶媒中で、リチウム系重合開始
剤により共役ジエンモノマー及びビニル芳香族炭化水素
モノマーから選ばれる少なくとも1つのモノマーの重合
を行う重合体の製造方法において、 該リチウム系重合開始剤は、重合系中に、少なくとも1
つの該モノマーの存在下で、 (1)第1に、有機リチウム化合物を添加し、次いで、 (2)第2に、下記一般式(A)で表されるアミン化合
物及び下記一般式(B)で表されるイミン化合物から選
ばれる少なくとも1つの二級アミン化合物を添加し、 この順で前記両化合物を添加、接触させて生成する可溶
性重合開始剤であり、且つ、得られた重合体は高分子量
体である、 ことを特徴とする重合体の製造方法。 【化1】 (式中、R1 及びR2 は脂肪族、脂環族、芳香族の各炭
化水素基から選ばれる炭素数1〜20の炭化水素基を表
し、同一であっても異なっていてもよい。) 【化2】 〔式中、Xは次の構造基から選ばれ (X−I :(CR3 R4 )n からなる飽和型構造基、 X−II :(CR5 R6 )m 及びNR7 若しくはOからな
る飽和型構造基、 X−III:X−I、X−II構造基にお
ける炭素・炭素単結合の少なくとも一部を炭素・炭素二
重結合とした分子構造の構造基)、 ここで、R3 、R4 、R5 及びR6 は、水素又は、脂肪
族、脂環族及び芳香族の各炭化水素基から選ばれる炭素
数1〜10の炭化水素基を表し、また、R7 は、脂肪
族、脂環族及び芳香族の各炭化水素基から選ばれる炭素
数1〜10の炭化水素基を表し、R3 、R4 、R5 、R
6 及びR7 は同一であっても異なっていてもよい。nは
3〜20の整数、mは2〜9の整数を表す。〕 - 【請求項2】 前記一般式(A)で表されるアミン化合
物及び前記一般式(B)で表されるイミン化合物から選
ばれる少なくとも1つの二級アミン化合物を添加する時
期が、前記重合体の重合転化率が5%未満の時期であ
る、ことを特徴とする請求項1記載の重合体の製造方
法。 - 【請求項3】 前記二級アミン化合物を添加する時期ま
での、前記重合体の重合反応温度を30℃以下に保持す
ることを特徴とする請求項1又は2記載の重合体の製造
方法。 - 【請求項4】 前記有機リチウム化合物と、前記二級ア
ミン化合物を添加した後に、重合系中に、さらに、ラン
ダマイザーを添加して、重合を行うことを特徴とする請
求項1乃至3記載の重合体の製造方法。 - 【請求項5】 前記重合体の二級アミノ基変性効率
(E)が、下記数式を満足することを特徴とする請求項
1乃至4記載の重合体の製造方法。 【数1】 - 【請求項6】 前記重合が実質的に終了した後に、カッ
プリング剤及び親電子試薬の少なくとも1つを添加し
て、重合体の変性を行うことを特徴とする請求項1乃至
4記載の重合体の製造方法。 - 【請求項7】 前記共役ジエンモノマーが1,3−ブタ
ジエンであること特徴とする請求項1乃至4記載の重合
体の製造方法。 - 【請求項8】 前記ビニル芳香族炭化水素モノマーがス
チレンであること特徴とする請求項1乃至4記載の重合
体の製造方法。 - 【請求項9】 前記共役ジエンモノマー及びビニル芳香
族炭化水素モノマーが各々ブタジエン及びスチレンであ
ることを特徴とする請求項1乃至4記載の重合体の製造
方法。 - 【請求項10】 前記有機リチウム化合物の量がモノマ
ー100gに対し、0.05〜15mmolであることを特
徴とする請求項1乃至4記載の重合体の製造方法。 - 【請求項11】 前記二級アミン化合物の量が有機リチ
ウム化合物1モル当量に対し0.1〜2.0モル当量で
あることを特徴とする請求項1乃至4記載の重合体の製
造方法。 - 【請求項12】 前記重合が実質的に終了した後の、変
性前の前記重合体の数平均分子量が8×103 〜1×106
であることを特徴とする請求項1乃至4記載の重合体の
製造方法。
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