JPH09109435A - 画像記録装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】高品質な画像を形成できる画像記録装置の提供
を目的とする。 【解決手段】ドラム表面に電極を配置した電圧印加手段
と、該電圧印加手段表面に記録媒体を固定する記録媒体
固定手段と、該記録媒体の該電圧印加手段と対向した面
に現像剤を供給する現像剤供給手段とを備え、該電圧印
加手段への電圧印加により該電圧印加手段および該現像
剤供給手段間の電位差を用いて該記録媒体上に画像を形
成することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、紙やＯＨＰシート
等の記録媒体上に画像を転写して記録する画像記録装置
に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、電子写真方式は米国特許第2,297,
691 号等に開示されているが、一般には光導電性物質で
ある感光体を利用し、該感光体を帯電させた後に種々の
光学的手段により感光体表面に電位差による電気的潜像
（すなわち、静電荷像）を形成し、次いで該潜像を現像
剤を用いて現像し、記録媒体上に現像剤画像を転写した
後、加熱，圧力あるいは溶剤蒸気などにより該記録媒体
上に該現像剤を定着し、画像を該記録媒体上に形成する
方法である。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】上記の従来例には以下
の問題点があった。即ち、電子写真方式は上記したとお
り、帯電・露光・現像・転写・定着と種々のプロセスが
必要であり、結果的に装置の大型化につながっていた。
帯電・露光のプロセスを簡略化するために特開平4−633
66号公報に微小電極をドラム表面にマトリックス状に配
置し、画像情報に対応して選択的に微小電極を印加して
電気潜像を形成する方法が開示されているが、現像剤を
記録媒体上に画像として形成するには該ドラム上に形成
された該電気潜像上への現像剤への転写と、該現像剤を
記録媒体上に転写するという転写過程が二回行われるた
め、機械的精度，転写効率精度等の問題が蓄積され、印
画品質の低下が生じていた。また、多色印画を行うこと
は不可能であった。また、従来の電子写真方式において
も多色印画を行う際には帯電・露光・現像・転写・定着
のプロセスのうち少なくとも帯電・露光・現像・転写の
過程を必要回数繰り返す必要があり、機械的精度の限界
により生じる記録媒体上での現像剤の位置ずれが生じ、
また、単色印画と同等な速度での多色印刷が困難であっ
た。また、従来の電子写真方式を用いた画像記録装置で
はモノクロ画像記録装置として製品化されたものはフル
カラー画像記録装置へシステムアップをはかることは実
質的に不可能であった。

【０００４】本発明の目的は上記の従来技術の欠点に鑑
み、本発明は電子写真方式のプロセスの簡略化を行い、
装置の小型化を図ると同時に、多色印画において機械的
精度等に起因する記録媒体上での現像剤の位置ずれがな
く、かつ単色印画と実質的に同等の速度により画像を記
録する画像記録装置を提供するものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記課題はドラム表面に
電極を配置した電圧印加手段と、該電圧印加手段表面に
記録媒体を固定する記録媒体固定手段と、前記記録媒体
を介して前記電圧印加手段の表面に対向した位置に現像
剤を供給する現像剤供給手段とを備え、前記電圧印加手
段への電圧印加により該電圧印加手段および前記現像剤
供給手段間の電位差を用いて前記記録媒体上に画像を形
成する画像記録装置により解決できる。また上記課題は
現像剤供給手段の追加および電圧印加手段の回路変更に
より匡体を変更することなく容易にモノクロ画像記録装
置をフルカラー画像記録装置に変更できる装置により解
決できる。さらに上記課題は多色印画あるいは単色印画
の多重印画において前記画像記録装置の電圧印加手段が
該ドラムの長軸方向に対して回転し、該電圧印加手段と
対向した該ドラムの回転方向の下流側に存在する複数の
現像剤供給手段と電圧印加手段とが対向した際に逐次電
圧を該電圧印加手段に印加する画像記録装置により解決
することができる。また上記課題は該電圧印加手段上に
固定される記録媒体の誘電率を測定し該誘電率に応じた
電位パターンの電圧を該電圧印加手段に印加する検出器
を備えた画像記録装置により解決することができる。

【０００６】

【発明の実施の形態】以下、本発明を実施例により詳し
く説明するが、これにより本発明は限定されるものでは
ない。

【０００７】（実施例１）図１は本発明における第１の
実施例を示したものである。

【０００８】図１において１はドラムである。図２に示
すようにこのドラム１の円周表面１ａには絶縁性の基材
３が被着されており、この基材３内に複数の微小電極４
がマトリックス状に埋め込まれて配置されており、各微
小電極４はそれぞれ基材３に埋め込まれたリード線５を
介して電圧印加制御機構６に接続されている。リード線
７は図１における現像剤供給手段８に接続されている。
図１の点ｂにおける断面図を図３に示す。ドラム１上に
被着された微小電極４、および電圧印加制御機構６によ
り形成される電圧印加手段９上に記録媒体１０が記録媒
体固定ロール１１により固定され、さらにドラム１に対
向する側に現像剤供給手段８により帯電された現像剤１
２が現像ロール１３上に静電的に付着して存在する。現
像ロール１３はリード線７を介して電圧印加制御機構６
により電位が制御されており、微小電極４の対局とな
る。

【０００９】次に本実施例の記録装置の動作を説明す
る。記録媒体１０が該記録媒体の誘電率検出器１４に備
えた検出電極間を通過し、検出電極間の静電容量から該
記録媒体の誘電率が測定される。該記録媒体はドラム１
上で固定された後に図４に示すように画像に応じて必要
な微小電極１５にそれぞれ電位を印加すると電圧印加手
段９を構成している電圧が印加された微小電極１５と現
像剤１２を静電的に吸着させた現像ロール１３との間に
電位差が発生し、静電気潜像が形成される。印加する電
位は現像剤供給手段８を通過する際に検出器１４により
測定された記録媒体１０の誘電率に応じて変化させる。
その結果上記現像剤１６に働く電界が強まりクーロン力
により上記現像剤１６が該記録媒体１０に向けて飛翔
し、電圧印加手段９により形成された画像情報が記録媒
体１０上に形成される。たとえば図４において微小電極
１５に電圧印加制御機構６により正電圧を印加し、負の
電荷を有する現像剤１２を供給すると正電圧が印加され
た微小電極１５上の現像剤１６が該微小電極１５に引き
つけられる。その結果記録媒体１０上に画像が形成され
る。該記録媒体１０上に形成された画像情報は加熱，加
圧あるいは溶剤蒸気噴霧などの手段を用いる定着機１７
により該記録媒体１０上に定着される。

【００１０】上記実施例によれば、ドラム１上に電圧印
加手段９を設け、対極に現像剤供給手段８を設ける構成
であるので、装置の構成要素が少なくなり、装置の小型
化が図れる。また本実施例では現像剤の転写は一回であ
ることから位置ずれのない高品質な画像形成が可能であ
る。

【００１１】尚、本実施例では負帯電現像剤を用いて説
明したが、電圧印加手段９は電圧を自由に変化させるこ
とが可能であることから、正帯電現像剤を用いることも
可能である。また、本実施例では微小電極１５に印加す
る電圧値について特に言及していないが、印加電圧の値
を種々変えることにより中間調の印画も容易にできる。
図５に電圧印加手段９を示す。画素電極１８，１８′，
１８″，１８′′′の一端は電解効果トランジスタ（以
下ＦＥＴ）を構成する半導体部１９，１９′，１９″，
１９′′′に接続している。半導体の他端はソース電極
２０，２０′に列毎に共通接続されている。ゲート電極
２１，２１′は半導体の下部へ絶縁層を介して導かれ、
ソース電極２０，２０′と絶縁層を介して交差し、各半
導体の行毎に共通接続してなる。

【００１２】図６に図５の等価回路図を示す。２は各画
素電極１８，１８′，１８″，１８′′′の対向電極と
なる転写シートである。この等価回路の駆動方法を概説
すれば、たとえばゲート電極２１，２１′に走査信号を
順次印加する。走査信号が印加されたＦＥＴは導通状態
となる。このときこれと直交するソース電極２０，２
０′に画像信号を与えると、この電圧または電荷が画素
電極１８へ供給される。順次この走査信号を隣接のゲー
ト電極に移動させ、各行のＦＥＴがオンになった状態で
その行の画素電極群へ電圧または電荷を供給し、ゲート
線を一周させることにより、全画素に対し画像信号が供
給される。このようにして供給された画像電圧もしくは
電荷が対極である現像ロール１３上に吸着した現像剤１
６を選択的に電気力で引きつける。記録媒体１０は該電
圧印加手段９と現像ロール１３間に挿入されているた
め、現像剤１６は該記録媒体上に電気的に付着し、記録
媒体上に画像が記録される。

【００１３】なお、画素電極は図４あるいは図５で示し
た四角形に限定されない。画素が比較的粗な場合には画
素電極形状は円形の方が見かけ上連続性、特に曲線に対
しての連続性が良くなる。従って画素電極の形状は正方
形，三角形，円形，楕円形，ひし形，その他多角形を用
いても良い。

【００１４】（実施例２）図７は本発明における第２の
実施例を示したものである。

【００１５】同図において第１の実施例との相違はカラ
ー印画に対応した点である。カラー印画に対応するにあ
たってシアン，マゼンタおよびイエローの各現像剤供給
手段８，８′および８″をドラム１上に固定された記録
媒体１０を介してドラム１の対面に配置した構造を採
る。画像記録方法は実施例１に示した単色を記録する際
の画像記録方法と同様である。異なる点は各微小電極４
は各現像剤供給手段８，８′あるいは８″に対向した際
に各色に対応した画像電圧が電圧印加手段９により微小
電極１５に印加され逐次各色をそれぞれ記録媒体１０上
に記録する点である。

【００１６】本実施例によれば、記録媒体１０は常に電
圧印加手段９上に固定されているため、２色以上を該記
録媒体上の同一箇所に記録する際に電圧印加箇所が同一
となることから色ずれのない高品質なカラー画像が形成
される。また、各色の記録を単色の画像の記録と同様の
過程で行うことから、単色画像の記録と同様に一回の現
像工程によりフルカラーの画像を形成でき、単色画像の
印画と同等の速度でフルカラー画像の印画が可能とな
る。また、カラー印画する場合には単色画像記録装置に
現像剤供給手段の追加と、電圧印加制御機構の変更で行
うことができる。尚、本実施例では色ずれが生じないこ
とからブラックの現像剤供給手段を備えていないが、該
ブラック現像剤供給手段を備えてもかまわない。

【００１７】

【発明の効果】本発明の画像記録装置によれば、現像剤
の転写は一度のみで済むので印字品質が向上する。

【００１８】また本発明の画像記録装置によれば、多色
印画の現像剤の位置ずれを防止することが可能となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例の概略構成図。

【図２】本発明実施例の電圧印加手段の概略構成図。

【図３】本発明実施例のドラム表面および現像剤供給手
段の部分断面図。

【図４】本発明実施例の動作説明図。

【図５】本発明実施例の電圧印加手段の平面図。

【図６】図５の電圧印加手段の等価回路図。

【図７】本発明の別の実施例の概略構成図。

【符号の説明】

１…ドラム、４…微小電極、６…電圧印加制御機構、８
…現像剤供給手段、９…電圧印加手段、１０…記録媒
体、１２…現像剤、１３…現像ロール、１４…記録媒体
誘電率検出器、１７…定着機。

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】ドラム表面に電極を配置した電圧印加手段
   と、該電圧印加手段に記録媒体を固定する記録媒体固定
   手段と、前記記録媒体を介して前記電圧印加手段の表面
   に対向した位置に現像剤を供給する現像剤供給手段とを
   備え、前記電圧印加手段への電圧印加により該電圧印加
   手段および前記現像剤供給手段間の電位差を用いて前記
   記録媒体上に画像を形成することを特徴とする画像記録
   装置。
2. 【請求項２】請求項１に記載の画像記録装置において、
   前記電圧印加手段が前記ドラム長軸方向に対して回転
   し、前記ドラムの回転方向の下流側に備えた複数の現像
   剤供給手段に対向し逐次電圧を前記電圧印加手段により
   印加することを特徴とする画像記録装置。
3. 【請求項３】請求項１に記載の画像記録装置において、
   前記電圧印加手段上に固定される記録媒体の誘電率を測
   定し、該誘電率に応じて電位パターンを作成する前記電
   圧印加手段に印加する電圧を変化させる検出器を備えた
   ことを特徴とする画像記録装置。