JPH09108907A - 丸駒チップ回動装置及び回動方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 回動前後で刃先位置に誤差をほとんど生じな
い丸駒チップ回動装置及び回動方法を提供する。 【解決手段】 回動装置は、丸駒チップ２と、この丸駒
チップ２を回動自在に保持する工具ホルダ１と、丸駒チ
ップをクランプするクランパ３と、回動補助部材１０と
を備える。ホルダ本体１ａには、ピン２３により揺動自
在に支持されたレバー２４と、丸駒チップ２の外周部に
当接するピン２０、２１が設けられている。工具ホルダ
１ａを回動補助部材１０の弾性体９に当接して丸駒チッ
プをアンクランプ状態にし、そのままホルダを移動させ
て丸駒チップ２を回動させる。クランプ状態では、丸駒
チップ２をレバー２４とピン２０、２１で固定し、アン
クランプ状態及び回動時には、丸駒チップ２を回動補助
部材１０とレバー２４とで固定する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、丸駒チップ回動装
置及び回動方法に係り、更に詳細には、刃先位置にほと
んど誤差を生ずることなく回動させることができる丸駒
チップ回動装置及び回動方法に関する。

【０００２】

【従来の技術】旋盤や平削り盤に使用されるバイトの一
種として丸刃バイトなどが知られており、これらの先端
には、セラミック製、超硬合金製、ＣＢＮ製などの丸駒
チップが装着される。この丸駒チップは被削材を切削す
る際に摩耗するので、丸駒チップの刃先全周を均一に摩
耗させるべく、適宜刃先を回動させることが行われてい
る。

【０００３】従来の丸駒チップ回動装置としては、例え
ば、図７に示すようなものがある。この回動装置は、工
具ホルダ１と、この工具ホルダ１とは別体の回動補助部
材１０とを備えている。工具ホルダ１は、ホルダ本体１
ａに軸４を固着し、軸４の一端に丸駒チップ２を回動自
在に支持し、丸駒チップ２をクランプするクランパ３を
クランプ方向にばね５により付勢されたクランプボルト
６とナット７にて保持する構成となっており、また、回
動補助部材１０には、テーパ８と摩擦係数の大きな弾性
体、例えばゴム９等とが設けられている。

【０００４】上述の構成の回動装置において、工具ホル
ダ１を回動補助部材１０に近付ける方向（１１）に移動
すると、ホルダ本体１ａの軸４に回動自在に支持された
丸駒チップ２が回動補助部材１０の弾性体９に当接する
と同時に、回動補助部材１０のテーパ８にクランプボル
ト６の下端が当接し、ばね５に抗してクランプボルト６
が上動し、クランパ３をアンクランプ状態にする。次い
で、上記アンクランプ状態で丸駒チップ２が弾性体９に
当接した状態を保持したまま、工具ホルダ１を回動補助
部材１０の弾性体９と平行方向（１２）に所定量移動す
ると、丸駒チップ２は工具ホルダ１の移動量に応じた角
度１３だけ回動する。

【０００５】この回動は、弾性体９と丸駒チップ２の外
径部及び丸駒チップ２の内径部と軸４の外径部に生じ
る、摩擦力×半径＝回転力の差により行われる。上記回
動後に工具ホルダ１を回動補助部材から離れる方向（１
４）に移動することで、クランプボルト６がテーパ８か
ら離れ、ばね５によりクランプボルト６とクランパ３を
介して丸駒チップ２はクランプされる。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の丸駒チップ回動装置にあっては、丸駒チップ
内径部を軸４で保持する構成となっていたため、丸駒チ
ップ内外径の偏心誤差により、回動前後で刃先位置に誤
差が生じて被削材の寸法が変化するという課題があっ
た。また、軸４の外径と丸駒チップ２の内径にクリアラ
ンスがあるため上記同様に回動前後で刃先位置に誤差が
生じて被削材の寸法が変化するという課題があった。本
発明は、このような従来技術の課題に着目してなされた
もので、その目的とするところは、回動前後で刃先位置
に誤差をほとんど生じない丸駒チップ回動装置及び回動
方法を提供することにある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、丸駒チップの内径
領域で揺動するレバーと、丸駒チップの外径部に当接す
る位置決め部材とを設け、クランプ・アンクランプ時に
これらを利用して丸駒チップを適切に固定することによ
り、上記目的が達成できることを見出し、本発明を完成
するに至った。

【０００８】即ち、本発明の丸駒チップ回動装置は、丸
駒チップと、この丸駒チップを回動自在に保持するホル
ダと、上記丸駒チップをクランプ可能なクランプ部材
と、上記丸駒チップと当接したまま上記ホルダを移動さ
せることによりこの丸駒チップを回動させる回動補助部
材とを備えた丸駒チップ回動装置において、上記丸駒チ
ップの内径領域内で揺動可能なレバー部材と、この丸駒
チップの外径部に当接し得る位置決め部材とを備え、上
記丸駒チップのクランプ時には、その外径部と当接した
上記位置決め部材と、その内径部と当接した上記レバー
部材とで、この丸駒チップを挾持・固定し、アンクラン
プ時及び回動時には、その外径部と当接した上記回動補
助部材と、その内径部に当接した上記レバーとで、この
丸駒チップを挾持・固定することを特徴とする。

【０００９】また、本発明の他の丸駒チップ回動装置
は、丸駒チップと、この丸駒チップを回動自在に保持す
るホルダと、上記丸駒チップと当接したまま上記ホルダ
を移動させることによりこの丸駒チップを回動させる回
動補助部材とを備えた丸駒チップ回動装置において、上
記丸駒チップの内径領域内で揺動可能なレバー部材と、
この丸駒チップの外径部に当接し得る位置決め部材とを
備え、上記ホルダが、液圧により上記丸駒チップをクラ
ンプ及びアンクランプし、上記丸駒チップのクランプ時
には、その外径部と当接した上記位置決め部材と、その
内径部と当接した上記レバー部材とで、この丸駒チップ
を挾持・固定し、アンクランプ時及び回動時には、その
外径部と当接した上記回動補助部材と、その内径部に当
接した上記レバーとで、この丸駒チップを挾持・固定す
ることを特徴とする。

【００１０】更に、本発明の丸駒チップ回動方法は、ホ
ルダに回動自在に保持された丸駒チップをこのホルダを
移動させて回動補助部材と当接させ、その外径部を回動
補助部材と当接したまま上記ホルダを移動することによ
り回動させる丸駒チップの回動方法において、上記丸駒
チップのクランプ時には、その外径部に位置決め部材を
当接し、且つその内径部に当該領域内で揺動可能なレバ
ー部材を部分的に当接し、アンクランプ時及び回動時に
は、上記外径部に上記回動補助部材を当接し、且つ上記
内径部に上記レバーを部分的に当接させることを特徴と
する。

【００１１】

【作用】本発明においては、クランパのクランプ・アン
クランプと連動して丸駒チップ内径部で揺動するレバー
部材と、丸駒チップの外径部に当接して位置決めを行う
位置決め部材とを設けた。このため、丸駒チップのクラ
ンプ時には、丸駒チップ内径部に当接した上記レバー部
材と、丸駒チップ外径部と当接した位置決め部材とで丸
駒チップが挾持されてその位置が精密に制御され、且つ
アンクランプ時及び回動時には、丸駒チップ外径部と当
接した回動補助部材と、丸駒チップ内径部に当接した上
記レバー部材とで丸駒チップが挾持されてその位置が精
密に制御されるので、回動前後における丸駒チップの位
置が精密に制御され、従って、丸駒チップの刃先位置に
ほとんど誤差を生じない。また、上記レバー部材は、丸
駒チップ内径部に当接するため、回動時の回転力差を大
きくでき、丸駒チップの回動を安定化することができ
る。

【００１２】また、本発明においては、上記クランパを
除去し、丸駒チップのクランプ・アンクランプを液圧を
介して揺動するレバー部材と上記位置決め部材により行
い、且つ丸駒チップの回動補助部材への押圧を液圧以外
の他の手法で行うことにした。従って、丸駒チップのク
ランプ・アンクランプと回動補助部材への押圧を別個独
立に制御できるので、丸駒チップの損傷を回避すること
ができるとともに、回動とクランプの制御が容易にな
り、より安定した回動を得ることができる。

【００１３】

【発明の実施の形態】以下、本発明を、図面を参照して
実施形態により詳細に説明する。 （実施形態１）図１は、本発明の回動装置の一実施形態
を示す平面図及び断面図である。同図において、この回
動装置は、丸駒チップ２と、この丸駒チップ２を回動自
在に保持する工具ホルダ１と、丸駒チップ２をクランプ
するクランパ３と、回動補助部材１０とを備えている。
ホルダ本体１ａには、ピン２３により揺動自在に支持さ
れたレバー２４が設けられており、レバー２４のボルト
側端部２４ａはばね５により付勢されたクランプボルト
６の溝６ａに嵌合し、レバー２４のチップ側端部２４ｂ
は丸駒チップ２の内径部に当接している。

【００１４】また、ホルダ本体１ａには、丸駒チップ２
の外周部に当接する位置決め部材の一例であるピン２
０、２１が配設されており、クランプ状態においては、
丸駒チップ２をレバーのチップ側端部２４ｂとピン２
０、２１とで挾持・固定する一方で、丸駒チップ２を、
ばね５によりクランプ方向に付勢されたクランプボルト
６とナット７にて保持されたクランパ３で上下方向にク
ランプしている。

【００１５】次に、本実施形態の回動装置の動作につい
て説明する。図２は、上述の回動装置の動作を示す平面
及び断面説明図であり、説明の便宜のため、図２（ａ）
及び（ｂ）の平面図において、クランパ３は図示してい
ない。図２（ａ）において、工具ホルダ１を回動補助部
材側に移動（１１）すると、ホルダ本体１ａの丸駒チッ
プ２は回動補助部材１０の弾性体９に当接し、クランプ
ボルト６が回動補助部材のテーパ８に当接する。次い
で、クランプボルト６はばね５に抗して上動し、クラン
パ３をアンクランプ状態にする。これと同時に、クラン
プボルト６の溝６ａと嵌合しているレバー２４はクラン
プボルト６の上動に伴い回動補助部材１０側に揺動（２
５）し、チップ側端部２４ｂが丸駒チップ２の内径部と
当接し、丸駒チップ２はピン２０、２１から離れ回動補
助部材１０の弾性体９に押圧される。

【００１６】上記状態を保持したまま、ホルダ本体１を
弾性体９と平行に所定量移動（１２）することで、丸駒
チップ２をホルダ本体１の移動量に応じた角度だけ回動
（１３）する。ここで、この回動は、弾性体９と丸駒チ
ップ２の外径部及び丸駒チップ２の内径部とレバーのチ
ップ側端部２４ｂに生ずる、摩擦力×半径＝回転力の差
により行われ、両者の回転力差が大きいほど安定な回動
を得ることができる。

【００１７】上述の回動後にホルダ本体１ａを回動補助
部材１０から引き離すことで（１４）、クランプボルト
６がテーパ８から離れ、丸駒チップ２は、ばね５により
クランプボルト６を介してクランパ３によりクランプさ
れる。これと同時に、クランプボルト６の下動に伴いレ
バー２４はホルダ１側に揺動して（２６）、レバー側端
部２４ｂが丸駒チップ２の内径部と当接し、丸駒チップ
２をピン２０、２１に押圧する（図２（ｂ）参照）。以
上に説明したように、クランプ時には、丸駒チップ２の
外径部をピン２０、２１で位置決めすることで回動前後
の刃先の位置精度が向上でき、回動時においては、丸駒
チップ２の内径部をチップ側端部２４ａにより支持する
ことで半径比から生じる回転力差を大きくでき、安定し
た回動を得ることができる。

【００１８】（実施形態２）図３に、本発明の回動装置
の他の実施形態を示す。図３は、回動装置における丸駒
チップの近傍を示す部分平面図及び断面図であって、本
実施形態においては、レバーのチップ側端部２４ｂの丸
駒チップ２を保持する位置を、丸駒チップ２の中心とピ
ン２０、２１の中心を通る軸上の位置としたもので、ピ
ン２０、２１は、レバー２４の揺動方向に対し、相互に
等角度変位させて配設されている。上述の回動（クラン
プ及びアンクランプ）に際し、２個のピン２０、２１の
中間方向に押圧した場合（１５）、当該圧力が理想的に
分散するので、特にセラミック製の丸駒チップの割損が
防止できるという利点がある。

【００１９】（実施形態３）一般に、回動補助部材１０
の弾性体９の材質として、摩擦係数の大きなゴム等を使
用しても、油や水が付着すると摩擦係数が低下して弾性
体９と丸駒チップ２の外径部との間の回転力が低下し、
上述の回転力差が小さくなって丸駒チップ２を安定して
回動させることが困難になる。本実施形態では、チップ
側端部２４ｂの材質として摩擦係数が異なるものを選定
し、弾性体９に油や水が付着した場合の丸駒チップ２の
回動状態を調査した。得られた結果を表２に示す。

【００２０】

【表１】

【００２１】表１に示したように、油や水の付着により
弾性体９の摩擦係数が低下しても、チップ側端部２４ｂ
の材質を摩擦係数の小さなセラミックや超硬とすること
で、上記回転力差を大きくでき、丸駒チップ２の安定し
た回動を得られることが分かる。なお、この場合、セラ
ミックや超硬は、研削仕上げにより表面粗さがＲａ（中
心線平均粗さ）１．０以下とするのが好ましい。

【００２２】また、図４に示したように、ホルダ１の丸
駒チップ２の底部と当接する部分にチップ受け座２７を
設け、この材質をセラミックや超硬とすることによって
も丸駒チップ２の回動を安定させることができる。更
に、チップ側端部２４ｂとチップ受け座２７の材質をセ
ラミック又は超硬とし、これらをラップ仕上げすること
により当該摩擦係数を更に小さくし、丸駒チップ２の回
動を一層安定させることが可能である。ラップ仕上げを
施した場合の摩擦係数を、研磨仕上げの場合とともに表
２に示す。

【００２３】

【表２】

【００２４】（実施形態４）図５に、本発明の回動装置
の他の実施形態を示す。同図において、この回動装置で
は、ホルダ１の丸駒チップ２の底部との当接部分にベア
リング受け２９とベアリングが設けられている。また、
回動補助部材１０の弾性体９に勾配を設け、弾性体９と
丸駒チップ２とが斜めに当接する構成となっている。本
実施形態の回動装置によれば、丸駒チップ２と弾性体９
とが斜めに当接するので、丸駒チップ２に作用する力
は、下方に作用する力（３０）と径方向に作用する力
（３１）とに分解される。また、ベアリング２８により
丸駒チップ２の底面の抵抗を小さくできるため、チップ
座面とチップ内径とに生じる回転抵抗の合力を小さくす
ることができ、安定した回動を得ることができる。

【００２５】（実施形態５）図６に、本発明の回動装置
の更に他の実施形態を示す。同図において、この回動装
置では、ホルダ本体１の内部にピストン４０とばね４１
と、ピストン４０と固着したロッド４２と、ロッド４２
の溝４２ａと嵌合しロッド４２と連動して揺動するレバ
ー４４が設けられている。液圧４３を加えることにより
ピストン４０、ロッド４２、レバー４４を介して丸駒チ
ップ２はピン２０、２１に押圧され、液圧を解除するこ
とでばね４１によりピストン４０は前記と反対方向に移
動し、丸駒チップ２は回動補助部材側に押圧される。

【００２６】上述の如く、丸駒チップ２のピン２０、２
１側への押圧に液圧を用い、回動補助部材１０側への押
圧にはばね４１の付勢力を用いているため、それぞれの
力を独立して調整でき、丸駒チップ２の損傷を防止でき
るとともに安定した回動を得ることができる。また、本
実施形態では、実施形態１のようなクランパ３を使用し
ておらず、クランパが存在しないためチップ交換を容易
に行うこともできる。

【００２７】以上、本発明を若干の実施形態により説明
したが、本発明はこれら実施形態に限定されるものでは
なく、本発明の要旨の範囲内において種々の変形が可能
である。例えば、実施形態５において、丸駒チップのク
ランプ・アンクランプを液圧を用いて行ったが、図示矢
印４３及びその反対方向に力を作用させるこのとのでき
る機構であれば十分であり、気圧、ばね等の付勢力及び
ねじ等を用いる機構であってもよい。

【００２８】

【発明の効果】以上説明してきたように、本発明によれ
ば、丸駒チップの内径領域で揺動するレバーと、丸駒チ
ップの外径部に当接する位置決め部材とを設け、クラン
プ・アンクランプ時にこれらを利用して丸駒チップを適
切に固定することとしたため、回動前後で刃先位置に誤
差をほとんど生じない丸駒チップ回動装置及び回動方法
を提供することができる。また、レバー部材のチップ側
端部を摩擦係数の小さな材質とし、その表面粗さを向上
し、回動補助部材に勾配を設け回動時に丸駒チップに作
用する力を分散したため、丸駒チップの回動を一層安定
させることできるという効果が得られる。更に、液圧で
のクランプ機構を設けた構成としたため、丸駒チップ位
置決めのための押圧力と回動補助部材への押圧力を所望
の値に調整できる。更にまた、レバーのチップ側端部の
材質をセラミックや超硬とすることで耐摩耗性を向上で
きる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の回動装置の一実施形態を示す平面及び
断面図である。

【図２】図１に示した回動装置の回動状態を示す平面及
び断面説明図である。

【図３】本発明の回動装置の他の実施形態を示す部分平
面及び部分断面図である。

【図４】本発明の回動装置の他の実施形態を示す断面図
である。

【図５】本発明の回動装置の他の実施形態を示す断面図
である。

【図６】本発明の回動装置の更に他の実施形態を示す平
面及び断面図である。

【図７】従来の丸駒チップ回動装置の一例を示す平面及
び断面図である。

【符号の説明】

１・・・工具ホルダ、１ａ・・・ホルダ本体、２・・・丸駒チッ
プ、３・・・クランパ、４・・・軸、５・・・ばね、６・・・クラン
プボルト、６ａ・・・溝、７・・・ナット、８・・・テーパ、９・
・・弾性体、１０・・・回動補助部材、１１・・・工具移動方
向、１２・・・工具移動方向、１３・・・工具回動方向、１４
・・・工具移動方向、２０、２１・・・ピン、２３・・・レバー
ピン、２４・・・レバー、２４ａ・・・レバーのボルト側端
部、２４ｂ・・・レバーのチップ側端部、２５、２６・・・揺
動方向、２７・・・チップ受け、２８・・・ベアリング、２９
・・・ベアリング受け、３０、３１・・・力の方向、４０・・・
ピストン、４１・・・ばね、４２・・・ロッド、４２ａ・・・
溝、４３・・・液圧、４４・・・レバー

Claims (9)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 丸駒チップと、この丸駒チップを回動自
   在に保持するホルダと、上記丸駒チップをクランプ可能
   なクランプ部材と、上記丸駒チップと当接したまま上記
   ホルダを移動させることによりこの丸駒チップを回動さ
   せる回動補助部材とを備えた丸駒チップ回動装置におい
   て、 上記丸駒チップの内径領域内で揺動可能なレバー部材
   と、この丸駒チップの外径部に当接し得る位置決め部材
   とを備え、 上記丸駒チップのクランプ時には、その外径部と当接し
   た上記位置決め部材と、その内径部と当接した上記レバ
   ー部材とで、この丸駒チップを挾持・固定し、 アンクランプ時及び回動時には、その外径部と当接した
   上記回動補助部材と、その内径部に当接した上記レバー
   とで、この丸駒チップを挾持・固定する、ことを特徴と
   する丸駒チップ回動装置。
2. 【請求項２】 丸駒チップと、この丸駒チップを回動自
   在に保持するホルダと、上記丸駒チップと当接したまま
   上記ホルダを移動させることによりこの丸駒チップを回
   動させる回動補助部材とを備えた丸駒チップ回動装置に
   おいて、 上記丸駒チップの内径領域内で揺動可能なレバー部材
   と、この丸駒チップの外径部に当接し得る位置決め部材
   とを備え、 上記ホルダが、液圧により上記丸駒チップをクランプ及
   びアンクランプし、 上記丸駒チップのクランプ時には、その外径部と当接し
   た上記位置決め部材と、その内径部と当接した上記レバ
   ー部材とで、この丸駒チップを挾持・固定し、 アンクランプ時及び回動時には、その外径部と当接した
   上記回動補助部材と、その内径部に当接した上記レバー
   とで、この丸駒チップを挾持・固定する、ことを特徴と
   する丸駒チップ回動装置。
3. 【請求項３】 上記クランプ時において、上記レバー部
   材の揺動方向に対し相互にほぼ等角度変位させて設けら
   れた２個の上記位置決め部材と、上記丸駒チップの中心
   を通る上記レバー部材とで、この丸駒チップを挾持・固
   定することを特徴とする請求項１又は２記載の回動装
   置。
4. 【請求項４】 上記レバー部材の丸駒チップ側端部が、
   超硬若しくはセラミック材で形成されるか又はセラミッ
   ク材で被覆されて成ることを特徴とする請求項１〜３の
   いずれか１つの項に記載の回動装置。
5. 【請求項５】 上記ホルダの丸駒チップ底面と当接する
   部分が、超硬若しくはセラミック材で形成されるか又は
   セラミック材で被覆されて成ることを特徴とする請求項
   １〜４のいずれか１つの項に記載の回動装置。
6. 【請求項６】 上記レバー部材の丸駒チップ側端部及び
   ／又は上記ホルダの丸駒チップ底面との当接部分の表面
   粗さが、中心線平均粗さＲａ１．０μｍ以下であること
   を特徴とする請求項４又は５記載の回動装置。
7. 【請求項７】 上記丸駒チップ底面と、上記ホルダの丸
   駒チップとの当接部分との間にベアリングを配設し、上
   記回動補助部材の丸駒チップとの当接部分に勾配を設け
   たことを特徴とする請求項１〜６のいずれか１つの項に
   記載の回動装置。
8. 【請求項８】 ホルダに回動自在に保持された丸駒チッ
   プをこのホルダを移動させて回動補助部材と当接させ、
   その外径部を回動補助部材と当接したまま上記ホルダを
   移動することにより回動させる丸駒チップの回動方法に
   おいて、 上記丸駒チップのクランプ時には、その外径部に位置決
   め部材を当接し、且つその内径部に当該領域内で揺動可
   能なレバー部材を部分的に当接し、 アンクランプ時及び回動時には、上記外径部に上記回動
   補助部材を当接し、且つ上記内径部に上記レバーを部分
   的に当接させる、ことを特徴とする丸駒チップ回動方
   法。
9. 【請求項９】 上記クランプ・アンクランプと、丸駒チ
   ップの回動補助部材への当接とを別個独立に制御するこ
   とを特徴とする請求項８記載の回動方法。