JPH09101625A - 電子写真用感光体 - Google Patents

電子写真用感光体

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JPH09101625A
JPH09101625A JP14858296A JP14858296A JPH09101625A JP H09101625 A JPH09101625 A JP H09101625A JP 14858296 A JP14858296 A JP 14858296A JP 14858296 A JP14858296 A JP 14858296A JP H09101625 A JPH09101625 A JP H09101625A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 感光層上に炭素を主成分とする保護層を有す
る感光体の耐剥離性及び耐スクラッチ性を向上させるこ
とが可能な電子写真用感光体を提供すること。 【解決手段】 導電性支持体上に少なくとも感光層、水
素を含有するダイヤモンド状カーボンもしくは非晶質カ
ーボン構造を有する表面保護層を順次積層した構成を持
つ電子写真用感光体において、前記表面保護層が窒素、
フッ素、硼素、リン、塩素、臭素及び沃素等から選ばれ
た少なくとも1種の添加物元素を含有する膜からなり、
その添加物元素の炭素に対する含有原子量比が表面保護
層の感光層近傍付近において、それ以外の部分よりも少
なく、さらに表面保護層の最表層のヌープ硬度が100
0kg/mm2以上であるものとする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電子写真用感光体に
関し、更に詳しくは感光層上に耐剥離性に優れた表面保
護層を有してなる電子写真用感光体に関する。
【0002】
【従来技術】従来、電子写真方式において使用される感
光体としては、導電性支持体上にセレンないしセレン合
金を主体とする感光層を設けたもの、酸化亜鉛、硫化カ
ドミウムなどの無機系光導電材料をバインダー中に分散
させたもの、ポリ−N−ビニルカルバゾールとトリニト
ロフルオレノンあるいはアゾ顔料などの有機光導電材料
を用いたもの、及び非晶質シリコン系材料を用いたもの
等が一般に知られている。
【0003】ところで、一般に「電子写真方式」とは、
光導電性の感光体をまず暗所で例えばコロナ放電によっ
て帯電させ、次いで像露光し、露光部のみの電荷を選択
的に散逸せしめて静電潜像を得、この潜像部を染料、顔
料などの着色剤と高分子物質などの結合剤とから構成さ
れる検電微粒子(トナー)で現像し可視化して画像を形
成するようにした画像形成法の一つである。このような
電子写真法において感光体に要求される基本的な特性と
しては、(1)暗所で適当な電位に帯電できること、
(2)暗所において電荷の散逸が少ないこと、(3)光
照射によって速やかに電荷を散逸できること、などが挙
げられる。近年、電子写真複写機の高速化、大型化が進
むなか、感光体に対して上記特性以外に長期繰返し使用
に際しても高画質を保つことの出来る信頼性が強く要求
される様に成っている。
【0004】複写機の中で感光体の寿命を損なっている
主な原因としては、大きく分けて2つ考えられており、
ひとつは、現像プロセス、クリーニングプロセス、コピ
ー紙などから受ける機械的なストレスによってひきおこ
される摩耗やスクラッチによるもの、もうひとつは、帯
電、転写、分離過程等で受けるコロナ放電によって引き
起こされる化学的な損傷によるものである。前者の感光
体の摩耗を防ぐ方法として、感光体表面に保護層を設け
る技術が知られている。例えば、感光層の表面に有機フ
ィルムを設ける方法(特公昭38−15466号公
報)、無機酸化物を設ける方法(特公昭43−1451
7号公報)、接着層を設けた後絶縁層を積層する方法
(特公昭43−27591号公報)、あるいはプラズマ
CVD法、光CVD法等によってa−Si層、a−S
i:N:H層、a−Si:O:H層等を積層する方法
(特開昭57−179859号、特開昭59−5843
7号各公報)等が開示されている。
【0005】また、近年、プラズマCVD法、光CVD
法、スパッタ法等の方法で得られる、炭素又は炭素を主
成分とする高硬度膜(a−C:H膜、無定形炭素膜、非
晶質炭素膜、ダイヤモンド状炭素膜等と称されてい
る。)の感光体保護層への応用が活発化している。例え
ば、感光層の表面に無定形炭素又は硬質炭素からなる保
護層を設けたもの(特開昭60−249155号公
報)、最表面にダイヤモンド状カーボン保護層を設けた
もの(特開昭61−255352号公報)、感光層上に
炭素を主成分とする高硬度絶縁層を形成したもの(特開
昭61−264355号公報)あるいは有機感光層上に
窒素原子、酸素原子、ハロゲン原子、アルカリ金属原子
等の原子を少なくとも含むグロー放電により生成された
非晶質炭化水素膜からなる保護層を設けたもの(特開昭
63−220166〜9号各公報)などを挙げることが
出来る。
【0006】これらの方法により表面硬度が非常に向上
した耐摩耗性に優れた感光体が得られるようになった。
しかし、これらの感光体は、電子写真複写プロセスによ
り受ける局部的で且つ長期的な機械的ストレスにより発
生する表面保護層の剥離及びクラックに対しては充分な
抵抗力を有していない。
【0007】そこで、表面保護層である非晶質炭化水素
膜に含有されるフッ素濃度を膜厚方向に且つ感光層側に
大きくなるように変化させることにより、耐久性耐湿性
を改善するとともに画像かぶりを防ぐこと(特開平1−
227161号公報)等が提案されているが、表面保護
層の剥離抵抗性という点では未だ不十分であることが明
らかとなった。また本発明者らにより、水素を含有する
ダイヤモンド状カーボンもしくは非晶質カーボン構造を
有する表面保護層に、窒素、フッ素、硼素、リン、塩
素、臭素及び沃素などの添加物元素を含有させ、その添
加物元素の炭素に対する含有原子量比が、感光層近傍付
近よりも最表層付近の方が大きいとする発明(特開平7
−168385号公報)が提案されている。さらに本発
明者らにより、表面保護層を3層構成とし、感光層に近
い第1表面保護層と最表層側にある第3表面保護層が炭
素を主成分とし、それ以外に、水素、酸素を含有する膜
よりなり、且つ前記両層に挟まれる第2表面保護層が炭
素を主成分とし、それ以外に少なくとも水素、酸素及び
窒素を含有する膜とするという発明(特開平7−244
394号公報)も提案されている。これらの発明は、何
れも表面保護層の剥離抵抗性の向上という点については
満足するものであるが、耐スクラッチ性については未だ
充分ではないことが判明した。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、これらの問
題点を解決する為になされたものであって、その目的
は、感光層上に炭素を主成分とする保護層を有する感光
体の耐剥離性及び耐スクラッチ性を向上させることが可
能な電子写真用感光体を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、導電性
支持体上に少なくとも感光層、水素を含有するダイヤモ
ンド状カーボンもしくは非晶質カーボン構造を有する表
面保護層を順次積層した構成を持つ電子写真用感光体に
おいて、前記表面保護層が窒素、フッ素、硼素、リン、
塩素、臭素及び沃素等から選ばれた少なくとも1種の添
加物元素を含有する膜からなり、その添加物元素の炭素
に対する含有原子量比が表面保護層の感光層近傍付近に
おいて、それ以外の部分よりも少なく、さらに表面保護
層の最表層のヌープ硬度が1000kg/mm2以上で
あることを特徴とする電子写真用感光体が提供される。
【0010】また、本発明によれば、導電性支持体上に
少なくとも感光層、水素を含有するダイヤモンド状カー
ボンもしくは非晶質カーボン構造を有する表面保護層を
順次積層した構成を持つ電子写真用感光体において、前
記表面保護層がさらに少なくとも窒素を含有する膜から
なり、しかも窒素と炭素の含有原子量比(N/C比)が
感光層近傍付近では0.005以下であるか、もしくは
前記表面保護層がさらに少なくともフッ素を含有する膜
からなり、しかもフッ素と炭素の含有原子量比(F/C
比)が感光層近傍付近では0.001以下であることを
特徴とする電子写真用感光体が提供され、さらに前記表
面保護層の膜厚が1〜3μmである膜よりなる電子写真
用感光体が提供される。
【0011】本発明の電子写真用感光体は、導電性支持
体上に少なくとも感光層、水素を含有するダイヤモンド
状カーボンもしくは非晶質カーボン構造を有する表面保
護層を順次積層した構成を持つ電子写真感光体におい
て、前記表面保護層が窒素、フッ素、硼素、リン、塩
素、臭素及び沃素等から選ばれた少なくとも1種の添加
物元素を含有する膜からなり、さらにその添加物元素の
炭素に対する含有原子量比が表面保護層の感光層近傍付
近において、それ以外の部分よりも少ないものとし、表
面保護層の最表層のヌープ硬度が1000kg/mm2
以上であるとしたことから、感光体の保護層の耐剥離性
及び耐スクラッチ性が向上できる。
【0012】これらの表面保護層の耐剥離性及び耐スク
ラッチ性向上の推定メカニズムは、次の通りである。表
面保護層に窒素、フッ素、硼素、リン、塩素、臭素及び
沃素等の添加物元素を含有させることにより、表面保護
層を低抵抗化及び透過性の良好な膜とし、画像特性の向
上は図られる。しかし、この膜を単独で感光層表面に製
膜した場合、製膜時に添加物元素を含有させるために用
いるNH3、N2、C26、CH3F、B26、PH3、C
3Cl、CH2Cl2、CHCl3、CCl4、CH3
r、CH3I、NF3、BCl3、BBr3、BF3、P
3、PCl3等の添加物ガスにより、感光層がエッチン
グされダメージを受ける。感光層がダメージを受けた場
合、感光体の残留電位が高くなり、さらに長期的な通紙
により、接着性が低下する。本発明者らの検討によれ
ば、添加物ガスによる感光層へのダメージ防止のため
に、感光層近傍付近に表面保護層を製膜するとき、前記
の添加物ガスの添加量を少なくし、そしてある一定膜厚
で製膜した後、添加物ガスの添加量を増やすことによ
り、画像特性が向上し、感光層のダメージの少ない感光
体を製膜することが可能となることが判明した。さらに
上記表面保護層の最表層にヌープ硬度が1000kg/
mm2以上の膜を製膜することにより、上記特性に加え
て、更に摩耗特性及び耐クラック性を向上させることが
可能となることも知見された。また、上記表面保護層
に、窒素を含有し、感光層近傍付近とそれ以外の層で窒
素と炭素の含有原子量比を規定したり、若しくは表面保
護層に、フッ素を含有し、感光層近傍付近とそれ以外の
層でフッ素と炭素の含有原子量比を規定したり、あるい
は表面保護層の膜厚を規定することにより、より一層上
記特性を向上させることが可能となる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、図面に沿って本発明を説明
する。図1は本発明の電子写真用感光体の模式断面図で
あり、導電性支持体1上に感光層2、表面保護層3を順
次設けた構成のものである。図2〜4は各々本発明の他
の電子写真用感光体の構成例を示すものであり、図2は
導電性支持体1上に下引層4を介して感光層2、表面保
護層3を順次設けたものであり、図3は感光層2が電荷
発生層(CGL)2aと電荷輸送層(CTL)2bより
構成される機能分離型タイプのもの、図4は機能分離型
タイプの感光層2のCGL、CTLの積層順序が逆にな
っているものをそれぞれ示したものである。なお、本発
明においては、導電性支持体1上に感光層2と表面保護
層3を少なくとも有していれば、上記のその他の層、及
び感光層のタイプは任意に組み合わされていても構わな
い。
【0014】本発明において電子写真用感光体に使用さ
れる導電性支持体としては、導電体あるいは導電処理を
した絶縁体、例えばAl、Fe、Cu、Auなどの金属
あるいはそれらの合金の他、ポリエステル、ポリカーボ
ネート、ポリイミド、ガラス等の絶縁性基体上にAl、
Ag、Au等の金属あるいはIn23、SnO2等の導
電材料の薄膜を形成したもの、導電処理をした紙等が使
用できる。導電性支持体の形状は特に制約はなく板状、
ドラム状あるいはベルト状のいずれのものも使用でき
る。
【0015】導電性支持体と感光層との間に必要に応じ
設けられる下引層は感光特性の改善、接着性の向上等の
目的で設けられ、その材料としてはSiO、Al23
シランカップリング剤、チタンカップリング剤、クロム
カップリング剤等の無機材料やポリアミド樹脂、アルコ
ール可溶性ポリアミド樹脂、水溶性ポリビニルブチラー
ル、ポリビニルブチラール、PVA等の接着性の良いバ
インダー樹脂等が使用される。その他、前記接着性の良
い樹脂にZnO、TiO2、ZnS等を分散したものも
使用できる。下引層の形成方法としては無機材料単独の
場合はスパッタリング、蒸着等の方法が、また、有機材
料を用いた場合は通常の塗布法が採用される。なお、下
引層の厚さは5μm以下が適当である。この導電性支持
体に直接あるいは下引層を介して設けられる感光層の種
類は前述したSe系、OPC系等のいずれもが、またそ
の構成は単層型、機能分離型のいずれもが適用できる。
これらのうちOPC系について以下に簡単に説明する。
【0016】単層型有機感光層の例としては、色素増感
された酸化亜鉛、酸化チタン、硫酸亜鉛等の光導電性粉
体、無定形シリコン粉体、スクアリック塩顔料、フタロ
シアニン顔料、アズレニウム塩顔料、アゾ顔料等を必要
に応じて結着剤樹脂及び/又は後述する電子供与性化合
物と共に塗布形成されたもの、またビリリウム系染料と
ビスフェノールA系のポリカーボネートとから形成され
る共晶錯体に電子供与性化合物を添加した組成物を用い
たもの等が挙げられる。結着樹脂としては後述する機能
分離型感光体と同様のものを使用することができる。こ
の単層型感光体の厚さは5〜30μmが適当である。
【0017】一方、機能分離型感光層の例としては電荷
発生層(CGL)と電荷輸送層(CTL)を積層したも
のが例示される。画像露光により潜像電荷を発生分離さ
せるための電荷発生層(CGL)としては、結晶セレ
ン、セレン化ヒ素等の無機光導電性粉体あるいは有機系
染顔料を結着剤樹脂に分散もしくは溶解させたものが用
いられる。
【0018】電荷発生物質としての有機系染顔料として
は、例えば、シーアイピグメントブルー25{カラーイ
ンデックス(CI)21180}、シーアイピグメント
レッド41(CI21200)、シーアイアシッドレッ
ド52(CI45100)、シーアイベーシックレッド
3(CI45210)、さらにポリフィリン骨格を有す
るフタロシアニン系顔料、アズレニウム塩顔料、スクア
リック塩顔料、カルバゾール骨格を有するアゾ顔料(特
開昭53−95033号公報に記載)、スチリルスチル
ベン骨格を有するアゾ顔料(特開昭53−138229
号公報に記載)、トリフェニルアミン骨格を有するアゾ
顔料(特開昭53−132547号公報に記載)、ジベ
ンゾチオフェン骨格を有するアゾ顔料(特開昭54−2
1728号公報に記載)、オキサジアゾール骨格を有す
るアゾ顔料(特開昭54−12742号公報に記載)、
フルオレノン骨格を有するアゾ顔料(特開昭54−22
834号公報に記載)、ビススチルベン骨格を有するア
ゾ顔料(特開昭54−17733号公報に記載)、ジス
チリルオキサジアゾール骨格を有するアゾ顔料(特開昭
54−2129号公報に記載)、ジスチリルカルバゾー
ル骨格を有するアゾ顔料(特開昭54−17734号公
報に記載)、カルバゾール骨格を有するトリアゾ顔料
(特開昭57−195767号公報、同57−1957
68号公報に記載)等、さらにシーアイピグメントブル
ー16(CI74100)等のフタロシアニン系顔料、
シーアイバッドブラウン5(CI73410)、シーア
イバッドダイ(CI73030)等のインジゴ系顔料、
アルゴスカーレットB(バイオレット社製)インダンス
レンスカーレットR(バイエル社製)等のペリレン系顔
料等を使用することができる。これらの電荷発生物質は
単独であるいは2種以上併用して用いられる。結着剤樹
脂は、電荷発生物質100重量部に対して0〜100重
量部用いるのが適当であり、好ましくは0〜50重量部
である。
【0019】これら有機染顔料と併用される結着剤樹脂
としてはポリアミド、ポリウレタン、ポリエステル、エ
ポキシ樹脂、ポリカーボネート、ポリエーテルなど縮合
系樹脂並びにポリスチレン、ポリアクリレート、ポリメ
タクリレート、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリビ
ニルブチラール、スチレン−ブタジエン共重合体、スチ
レン−アクリロニトリル共重合体等の重合体および共重
合体等の接着性、絶縁性樹脂が挙げられる。
【0020】電荷発生層は、電荷発生物質を必要ならば
バインダー樹脂とともに、テトラヒドロフラン、シクロ
ヘキサノン、ジオキサン、ジクロルエタン等の溶媒を用
いてボールミル、アトライター、サンドミルなどにより
分散し、分散液を適当に希釈して塗布することにより形
成できる。塗布は、浸漬塗工法やスプレーコート、ビー
ドコート法などを用いて行なうことができる。電荷発生
層の膜厚は、0.01〜5μm程度が適当であり、好ま
しくは0.1〜2μmである。
【0021】また、本発明において、電荷発生物質とし
て結晶セレン又はセレン化ヒ素合金等の粒子を用いる場
合には、電子供与性粘着剤及び/又は電子供与性有機化
合物とが併用される。このような電子供与性物質として
はポリビニルカルバゾールおよびその誘導体(例えばカ
ルバゾール骨格に塩素、臭素などのハロゲン、メチル
基、アミノ基などの置換基を有するもの)、ポリビニル
ピレン、オキサジアゾール、ピラゾリン、ヒドラゾン、
ジアリールメタン、α−フェニルスチルベン、トリフェ
ニルアミン系化合物などの窒素含有化合物およびジアリ
ールメタン系化合物等があるが、特にポリビニルカルバ
ゾールおよびその誘導体が好ましい。またこれらの物質
は混合しても用いられるが、この場合にはポリビニルカ
ルバゾールおよびその誘導体に他の電子供与性有機化合
物を添加しておくことが好ましい。この種の無機系電荷
発生物質の含有量は層全体の30〜90重量%が適当で
ある。また無機系電荷発生物質を用いた場合の電荷発生
層の厚さは0.2〜5μm程度が適当である。
【0022】電荷輸送層(CTL)は帯電電荷を保持さ
せ、かつ露光により電荷発生層で発生分離した電荷を移
動させて保持していた帯電電荷と結合させることを目的
とする層である。帯電電荷を保持させる目的達成のため
に電気抵抗が高いことが要求され、また保持していた帯
電電荷で高い表面電位を得る目的を達成するためには、
誘電率が小さくかつ電荷移動性が良いことが要求され
る。これらの要件を満足させるための電荷輸送層は、電
荷輸送物質および必要に応じて用いられるバインダー樹
脂より構成される。すなわち、以上の物質を適当な溶剤
に溶解ないし分散してこれを塗布乾燥することにより電
荷輸送層を形成することができる。電荷輸送物質には、
正孔輸送物質と電子輸送物質とがある。
【0023】正孔輸送物質としては、ポリ−N−ビニル
カルバゾールおよびその誘導体、ポリ−γ−カルバゾリ
ルエチルグルタメートおよびその誘導体、ピレン−ホル
ムアルデヒド縮合物およびその誘導体、ポリビニルピレ
ン、ポリビニルフェナントレン、オキサゾール誘導体、
オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、トリフ
ェニルアミン誘導体、9−(p−ジエチルアミノスチリ
ル)アントラセン、1,1−ビス−(4−ジベンジルア
ミノフェニル)プロパン、スチリルアントラセン、スチ
リルピラゾリン、フェニルヒドラゾン類、α−フェニル
スチルベン誘導体等の電子供与性物質が挙げられる。
【0024】電子輸送物質としては、例えば、クロルア
ニル、ブロムアニル、テトラシアノエチレン、テトラシ
アノキノンジメタン、2,4,7−トリニトロ−9−フ
ルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フル
オレン、2,4,5,7−テトラニトロキサントン、
2,4,8−トリニトロチオキサントン、2,6,8−
トリニトロ−4H−インデノ(1,2−b)チオフェノ
ン−4−オン、1,3,7−トリニトロジベンゾチオフ
ェノン−5,5−ジオキサイドなどの電子受容物質が挙
げられる。これらの電荷輸送物質は、単独又は2種以上
混合して用いられる。
【0025】また、必要に応じて用いられるバインダー
樹脂としては、ポリスチレン、スチレン−アクリロニト
リル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレ
ン−無水マレイン酸共重合体、ポリエステル、ポリ塩化
ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビ
ニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアクリレート樹脂、フ
ェノキシ樹脂、ポリカーボネート、酢酸セルロース樹
脂、エチルセルロース樹脂、ポリビニルブチラール、ポ
リビニルホルマール、ポリビニルトルエン、ポリ−N−
ビニルカルバゾール、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、
エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、フェノー
ル樹脂、アルキッド樹脂等の熱可塑性樹脂又は熱硬化性
樹脂が挙げられる。溶剤としては、テトラヒドロフラ
ン、ジオキサン、トルエン、モノクロルベンゼン、ジク
ロルエタン、塩化メチレンなどが用いられる。
【0026】電荷輸送層の厚さは5〜100μm程度が
適当である。また電荷輸送層中に可塑剤やレベリング剤
を添加してもよい。可塑剤としては、ジブチルフタレー
ト、ジオクチルフタレートなど一般の樹脂の可塑剤とし
て使用されているものがそのまま使用でき、その使用量
は、バインダー樹脂に対して0〜30重量%程度が適当
である。レベリング剤としては、ジメチルシリコーンオ
イル、メチルフェニルシリコーンオイルなどのシリコー
ンオイル類が使用され、その使用量はバインダー樹脂に
対して0〜1重量%程度が適当である。これらのCGL
とCTLは支持体上に支持体側からCGL、CTLの順
に積層しても、CTL、CGLの順に積層してもかまわ
ない。
【0027】本発明において感光体の表面に設けられる
保護層とは、水素を含有するダイヤモンド状カーボンも
しくは非晶質カーボン構造を有し、窒素、フッ素、硼
素、リン、塩素、臭素及び沃素等から選ばれた少なくと
も1種の添加物元素を有し、表面保護層の最表層のヌー
プ硬度が1000kg/mm2以上である高硬度薄膜よ
り構成される。
【0028】上記高硬度薄膜とは、好ましくはSP3
道を有するダイヤモンドと類似のC−C結合を有してお
り、膜厚が1〜3μmであることが望ましい。この膜厚
の範囲では、感光体表面の耐スクラッチ性、光透過性、
感度などの静電特性がより向上する。感光体近傍付近の
上記含有元素は、他の部分よりも少ないことが好ましい
が、全く含有しないことが最も望ましい。また窒素を含
有する場合は、窒素と炭素の含有原子量比(N/C比)
を、感光層近傍付近では0.005以下の膜であること
が望ましく、またフッ素を含有する場合は、フッ素と炭
素の含有原子量比(F/C比)を、感光層近傍では0.
001以下の膜であることが望ましい。なおSP2軌道
を有するグラファイトと類似の構造を持つ膜でも構わな
いし、更に非晶質性のものでも構わない。更に積層構成
ではなく、添加物元素の炭素に対する含有原子量比の濃
度勾配がついた明確な界面のない単層構成でも構わな
い。
【0029】表面保護層を作製するときには、炭化水素
ガス(メタン、エタン、エチレン、アセチレン等)を主
材料として、H2、Ar等のキャリアガスを用いる。さ
らに添加物元素を供給するガスとしては減圧下で気化で
きるもの、加熱することにより気化できるものであれば
構わない。例えば窒素を供給するガスとしてNH3、N2
等を用い、フッ素を供給するガスとしてC26、CH3
F等を用い、硼素を供給するガスとしてはB26等を用
い、リンを供給するガスとしてはPH3等を用い、塩素
を供給するガスとしてはCH3Cl、CH2Cl2、CH
Cl3、CCl4等を用い、臭素を供給するガスとしては
CH3Br等を用い、沃素を供給するガスとしてはCH3
I等が用いることができる。また添加物元素を複数供給
するガスとしては、NF3、BCl3、BBr3、BF3
PF3、PCl3等を用いる。上記のようなガスを用い、
プラズマCVD法、グロー放電分解法、光CVD法など
やグラファイト等をターゲットとしたスパッタリング法
等により形成される。特にその製膜法は限定されるもの
ではないが、保護層として良好な特性を有する炭素を主
成分とする膜を形成する方法として、プラズマCVD法
でありながらスパッタ効果を伴わせつつ製膜させる方法
(特開昭58−49609号公報)等が知られている。
【0030】プラズマCVD法を利用した炭素を主成分
とする保護層の製膜法では、支持体を特に加熱する必要
がなく、約150℃以下の低温で被膜を形成できるた
め、耐熱性の低い有機系感熱層上に保護層を形成する際
にも、何ら支障がないというメリットがある。この炭素
を主成分とする保護層の膜厚は製膜時間の制御等により
調節できる。表面保護層の膜組成を分析する方法として
は、XPS、AES、SIMS等の測定法を用いる。
【0031】
【実施例】以下本発明を実施例により説明するが、これ
により本発明の態様が限定されるものではない。部は何
れも重量基準である。
【0032】(実施例1)アルミニウム製シリンダー状
支持体(外径80mmφ、長さ340mm)に下記組成
比の混合物をボールミルで12時間分散し、調製した下
引層形成液を乾燥後の膜厚が約2μmになるように浸漬
法で塗工し、下引層を形成した。 TiO2 (石原産業社製:タイペーク) 1部 ポリアミド樹脂(東レ社製:CM8000) 1部 メタノール 25部
【0033】この下引層上に下記構造のトリスアゾ顔料
を含む電荷発生層塗工液を浸漬塗工し、120℃で10
分間乾燥させ、膜厚約0.15μmのCGLを形成し
た。
【化1】 30部 ポリエステル樹脂(東洋紡社製:バイロン200) 12部 シクロヘキサノン 360部 [上記混合物をボールミルで72時間分散した後、さら
にシクロヘキサノン:メチルエチルケトン=1:1(重
量比)の混合溶媒500部で希釈調製する。]
【0034】ついで、このCGL上に下記組成の電荷輸
送層塗工液を乾燥後の膜厚が約30μmになるように浸
漬塗工して有機感光層を作成した。
【化2】 10部 ポリカーボネート(帝人化成社製:パンライトC−1400)10部 テトラヒドロフラン 80部 シリコーンオイル(信越シリコーン社製:KF50) 0.001部
【0035】このようにして作製した有機感光体を図5
〜図7に示すようなプラズマCVD装置にセットし、炭
素又は炭素を主成分とする薄膜よりなる保護層を形成し
た。ここで図5中107はプラズマCVD装置の真空槽
であり、ゲート弁109によりロード/アンロード用予
備室117と仕切られている。真空槽107内は排気系
120(圧力調整バルブ121、ターボ分子ポンプ12
2、ロータリーポンプ123よりなる)により真空排気
され、また一定圧力に保たれるようになっている。真空
槽107内には反応槽150が設けられている。反応槽
は図6、図7に示すような枠状構造体102(電極側よ
り見て四角又は六角形状を有している)と、この両端の
開口部を覆うようにしたフード108、118、さらに
このフード108、118に配設された一対の同一形状
を有する第一及び第二の電極103、113(アルミニ
ウム等の金属メッシュを用いている)より構成されてい
る。130は反応槽150内へ導入するガスラインを示
しており、各種材料ガス容器が接続されており、それぞ
れ流量計129を経てノズル125より反応槽150の
中へ導入される。枠状構造体102中には、前記感光層
を形成した支持体101(101−1、101−2…1
01−n)が図6、図7のように配置される。なお、そ
れぞれの支持体は、後述するように第三の電極として配
置される。電極103、113にはそれぞれ第一の交番
電圧を印加するための一対の電源115(115−1、
115−2)が用意されている。第一の交番電圧の周波
数は1〜100MHzである。これらの電源はそれぞれ
マッチングトランス116−1、116−2とつなが
る。このマッチングトランスでの位相は位相調整器12
6により調整し、互いに180°または0°ずれて供給
できる。すなわち対称型または同相型の出力を有してい
る。マッチングトランスの一端104及び他端114は
それぞれ第一及び第二の電極103、113に連結され
ている。またトランスの出力側中点105は接地レベル
に保持されている。更にこの中点105と第三の電極す
なわち支持体101(101−1、101−2…101
−n)またはそれらに電気的に連結するホルダ102の
間に第二の交番電圧を印加するための電源117が配設
されている。この第二の交番電圧の周波数は1〜500
KHzである。この第一及び第二の電極に印加する第一
の交番電圧の出力は13.56MHzの周波数の場合
0.1〜1KWであり、第三の電極すなわち支持体に印
加する第二の交番電圧の出力は150KHzの周波数の
場合約100Wである。
【0036】保護層を2層構成とし、感光層に接してい
る側から順に第1表面保護層、第2表面保護層とした。
第1表面保護層は、水素を含む非晶質炭素膜である。そ
の製膜条件は以下の通りである。 CH4流量 : 200sccm 反応圧力 : 0.01torr 第一の交番電圧出力 : 100W 13.56MHz バイアス電圧(直流分) : −100V 膜厚 : 0.15μm この膜の組成分析(XPS法)を行った結果、膜の組成
が、炭素、酸素及び水素を含有することが判明し、窒素
は含有していないことが判明した。
【0037】第2表面保護層は、水素を含む非晶質炭素
膜であって、更に窒素を含有する膜からなる。その製膜
条件は以下の通りである。 CH4流量 : 90sccm H2流量 : 210sccm N2流量 : 45sccm 反応圧力 : 0.02torr 第一の交番電圧出力 : 100W 13.56MHz バイアス電圧(直流分) : −35V 膜厚 : 4μm ヌープ硬度 : 1200kg/mm2 N/C比 : 0.15 この膜の組成分析(XPS法)を行った結果、膜の組成
が、炭素、酸素、水素及び窒素を含有していることが判
明した。
【0038】このようにして作成した感光体を初期及び
市販デジタル複写機イマジオ420V[(株)リコー
製]を用いて50万枚の通紙試験を行った後、感光体表
面の保護層の剥離状況、スクラッチ状況などの評価を行
った。評価結果を表1に示す。
【0039】(実施例2)第1表面保護層の製膜条件を
下記に示す条件とした以外は、すべて実施例1と同様に
して感光体を作成し、評価を行った。 CH4流量 : 200sccm N2流量 : 20sccm 反応圧力 : 0.01torr 第一の交番電圧出力 : 100W 13.56MHz バイアス電圧(直流分) : −200V 膜厚 : 0.12μm N/C比 : 0.008 この膜の組成分析(XPS法)を行った結果、膜の組成
が、炭素、酸素、水素及び窒素を含有することが判明し
た。評価結果を表1に示す。
【0040】(実施例3)第2表面保護層の製膜条件を
下記に示す条件とした以外は、すべて実施例1と同様に
して感光体を作成し、評価を行った。 CH4流量 : 100sccm H2流量 : 200sccm C26流量 : 50sccm 反応圧力 : 0.01torr 第一の交番電圧出力 : 100W 13.56MHz バイアス電圧(直流分) : −40V ヌープ硬度 : 1100kg/mm2 F/C比 : 0.05 この膜の組成分析(XPS法)を行った結果、膜の組成
が、炭素、水素及びフッ素を含有していることが判明し
た。評価結果を表1に示す。
【0041】(実施例4)第2表面保護層の製膜条件を
下記に示す条件とした以外は、すべて実施例1と同様に
して感光体を作成し、評価を行った。 CH4流量 : 90sccm H2流量 : 200sccm B26流量 : 40sccm 反応圧力 : 0.01torr 第一の交番電圧出力 : 100W 13.56MHz バイアス電圧(直流分) : −30V 膜厚 : 0.15μm ヌープ硬度 : 1050kg/mm2 この膜の組成分析(XPS法)を行った結果、膜の組成
が、炭素、酸素、水素及び硼素を含有していることが判
明した。評価結果を表1に示す。
【0042】(実施例5)第1表面保護層の製膜条件を
下記に示す条件とした以外は、すべて実施例1と同様に
して感光体を作成し、評価を行った。 CH4流量 : 200sccm N2流量 : 5sccm 反応圧力 : 0.01torr 第一の交番電圧出力 : 100W 13.56MHz バイアス電圧(直流分) : −200V 膜厚 : 0.12μm N/C比 : 0.002 この膜の組成分析(XPS法)を行った結果、膜の組成
が、炭素、酸素、水素及び窒素を含有していることが判
明した。評価結果を表1に示す。
【0043】(実施例6)第2表面保護層の膜厚を0.
8μmにすること以外は全て実施例1と同様にして感光
体を作製し、評価を行った。
【0044】(実施例7)第2表面保護層の膜厚を1.
8μmにすること以外は全て実施例1と同様にして感光
体を作成し、評価を行った。
【0045】(実施例8)保護層を3層構成とし、感光
層に接している側から順に第1表面保護層、第2表面保
護層、第3表面保護層とした。各保護層の製膜条件を下
記に示す条件としたこと以外は、全く実施例1と同様に
して感光体を作成し、評価を行った。
【0046】 (第1表面保護層) C24流量 : 200sccm 反応圧力 : 0.01torr 第一の交番電圧出力 : 100W 13.56MHz バイアス電圧(直流分) : −200V 膜厚 : 0.12μm この膜の組成分析(XPS法)を行った結果、膜の組成
が、炭素、酸素、水素を含有していることが判明した。
【0047】 (第2表面保護層) C24流量 : 90sccm H2流量 : 210sccm NF3流量 : 45sccm 反応圧力 : 0.02torr 第一の交番電圧出力 : 100W 13.56MHz バイアス電圧(直流分) : −20V 膜厚 : 1.9μm この膜の組成分析(XPS法)を行った結果、膜の組成
が、炭素、酸素、水素、窒素及びフッ素を含有している
ことが判明した。
【0048】 (第3表面保護層) C24流量 : 90sccm H2流量 : 210sccm NF3流量 : 45sccm 反応圧力 : 0.02torr 第一の交番電圧出力 : 100W 13.56MHz バイアス電圧(直流分) : −100V 膜厚 : 0.2μm ヌープ硬度 : 1300kg/mm2 この膜の組成分析(XPS法)を行った結果、膜の組成
が、炭素、酸素、水素、窒素及びフッ素を含有している
ことが判明した。評価結果を表1に示す。
【0049】(実施例9)第1表面保護層と第2表面保
護層の製膜条件を下記に示す条件としたこと以外は、す
べて実施例1と同様にして感光体を作成し、評価を行っ
た。 (第1表面保護層) CH4流量 : 250sccm C26量 : 20sccm 反応圧力 : 0.01torr 第一の交番電圧出力 : 100W 13.56MHz バイアス電圧(直流分) : −200V 膜厚 : 0.12μm F/C比 : 0.002 この膜の組成分析(XPS法)を行った結果、膜の組成
が、炭素、酸素、水素及びフッ素を含有していることが
判明した。
【0050】 (第2表面保護層) CH4流量 : 100sccm H2流量 : 200sccm C26流量 : 50sccm 反応圧力 : 0.02torr 第一の交番電圧出力 : 100W 13.56MHz バイアス電圧(直流分) : −50V 膜厚 : 4μm ヌープ硬度 : 1200kg/mm2 F/C比 : 0.05 この膜の組成分析(XPS法)を行った結果、膜の組成
が、炭素、水素及びフッ素を含有していることが判明し
た。評価結果を表1に示す。
【0051】(実施例10)第1表面保護層の製膜条件
を下記に示す条件としたこと以外は、すべて実施例9と
同様にして感光体を作成し、評価を行った。 (第1表面保護層) CH4流量 : 250sccm C26量 : 5sccm 反応圧力 : 0.01torr 第一の交番電圧出力 : 100W 13.56MHz バイアス電圧(直流分) : −200V 膜厚 : 0.12μm F/C比 : 0.0005 この膜の組成分析(XPS法)を行った結果、膜の組成
が、炭素、酸素、水素及びフッ素を含有していることが
判明した。評価結果を表1に示す。
【0052】(比較例1)保護層に第2表面保護層を設
けず、第1表面保護層の膜厚を4μmにすること以外
は、すべて実施例1と同様にして感光体を作成し、評価
を行った。評価結果を表1に示す。
【0053】(比較例2)保護層に第1表面保護層を設
けないこと以外は、すべて実施例1と同様にして感光体
を作成し、評価を行った。評価結果を表1に示す。
【0054】(比較例3)第1表面保護層と第2表面保
護層の製膜条件を下記に示す条件とした以外は、すべて
実施例1と同様にして感光体を作成し、評価を行った。 (第1表面保護層) CH4流量 : 90sccm H2流量 : 210sccm N2流量 : 45sccm 反応圧力 : 0.02torr 第一の交番電圧出力 : 100W 13.56MHz バイアス電圧(直流分) : −35V 膜厚 : 0.14μm N/C比 : 0.15 この膜の組成分析(XPS法)を行った結果、膜の組成
が、炭素、酸素、水素及び窒素を含有することが判明し
た。
【0055】 (第2表面保護層) CH4流量 : 200sccm 反応圧力 : 0.01torr 第一の交番電圧出力 : 100W 13.56MHz バイアス電圧(直流分) : −100V 膜厚 : 4μm ヌープ硬度 : 2000kg/mm2 この膜の組成分析(XPS法)を行った結果、膜の組成
が、炭素、酸素及び水素を含有していることが判明し、
窒素は含有していないことが判明した。評価結果を表1
に示す。
【0056】(比較例4)第1表面保護層と第2表面保
護層の製膜条件を下記に示す条件とした以外は、すべて
実施例1と同様にして感光体を作成し、評価を行った。 (第1表面保護層) CH4流量 : 200sccm 反応圧力 : 0.01torr 第一の交番電圧出力 : 100W 13.56MHz バイアス電圧(直流分) : −100V 膜厚 : 0.15μm この膜の組成分析(XPS法)を行った結果、膜の組成
が、炭素、酸素及び水素を含有することが判明し、窒素
は含有していないことが判明した。
【0057】 (第2表面保護層) CH4流量 : 90sccm H2流量 : 210sccm N2流量 : 45sccm 反応圧力 : 0.03torr 第一の交番電圧出力 : 100W 13.56MHz バイアス電圧(直流分) : −5V 膜厚 : 4μm ヌープ硬度 : 500kg/mm2 N/C比 : 0.15 この膜の組成分析(XPS法)を行った結果、膜の組成
が、炭素、酸素、水素及び窒素を含有していることが判
明した。
【0058】(比較例5)第2表面保護層の製膜条件を
下記に示す条件とした以外は、すべて実施例1と同様に
して感光体を作成し、評価を行った。 CH4流量 : 100sccm H2流量 : 200sccm C26流量 : 50sccm 反応圧力 : 0.02torr 第一の交番電圧出力 : 100W 13.56MHz バイアス電圧(直流分) : −25V 膜厚 : 4μm ヌープ硬度 : 900kg/mm2 この膜の組成分析(XPS法)を行った結果、膜の組成
が、炭素、水素及びフッ素を含有していることが判明し
た。評価結果を表1に示す。
【0059】(比較例6)第2表面保護層の製膜条件を
下記に示す条件としたこと以外は、すべて実施例1と同
様にして感光体を作成し、評価を行った。 CH4流量 : 90sccm H2流量 : 200sccm B26流量 : 40sccm 反応圧力 : 0.03torr 第一の交番電圧出力 : 100W 13.56MHz バイアス電圧(直流分) : −20V 膜厚 : 4μm ヌープ硬度 : 850kg/mm2 この膜の組成分析(XPS法)を行った結果、膜の組成
が、炭素、酸素、水素及び硼素を含有していることが判
明した。評価結果を表1に示す。
【0060】
【表1】
【0061】
【発明の効果】請求項1の電子写真用感光体は、導電性
支持体上に少なくとも感光層、水素を含有するダイヤモ
ンド状カーボンもしくは非晶質カーボン構造を有する表
面保護層を順次積層した構成を持つ電子写真用感光体に
おいて、前記表面保護層が窒素、フッ素、硼素、リン、
塩素、臭素及び沃素等から選ばれた少なくとも1種の添
加物元素を含有する膜からなり、その添加物元素の炭素
に対する含有原子量比が表面保護層の感光層近傍付近に
おいて、それ以外の部分よりも少なく、さらに表面保護
層の最表層のヌープ硬度が1000kg/mm2以上で
あるとしたことから、水素を含有するダイヤモンド状カ
ーボンもしくは非晶質カーボンの保護層を有する感光体
の耐剥離性及び耐スクラッチ性を向上させ、且つ長期的
な安定した画像形成を行うことが可能となる。
【0062】請求項2の電子写真用感光体は、前記表面
保護層が窒素を含有し、表面保護層の感光層近傍付近の
窒素と炭素の含有原子量の比(N/C比)が0.005
以下である膜としたことから、添加物元素に窒素を含有
する表面保護層を有する感光体の感度及び耐剥離性の向
上が可能となる。
【0063】請求項3の電子写真用感光体は、前記表面
保護層がフッ素を含有し、表面保護層の感光層近傍付近
のフッ素と炭素の含有原子量の比(F/C比)が0.0
01以下である膜としたことから、添加物元素にフッ素
を含有する表面保護層を有する感光体の感度及び耐剥離
性の向上が可能となる。
【0064】請求項4の電子写真用感光体は、前記表面
保護層の膜厚が1〜3μmである膜としたことから、感
光体表面の耐スクラッチ性を維持しながら、感光体の感
度が更に向上するという効果が加わる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の画像形成装置で使用する電子写真用感
光体の断面の模式図。
【図2】本発明の画像形成装置で使用する電子写真用感
光体の断面の模式図。
【図3】本発明の画像形成装置で使用する電子写真用感
光体の断面の模式図。
【図4】本発明の画像形成装置で使用する電子写真用感
光体の断面の模式図。
【図5】炭素又は炭素を主成分とする薄膜よりなる保護
層を形成する際に用いるプラズマCVD装置の具体例の
説明図。
【図6】上記プラズマCVD装置の枠状構造体102の
平面図。
【図7】上記プラズマCVD装置の枠状構造体102の
平面図。
【符号の説明】
図1〜4について 1 導電性支持体 2 感光層 2a 電荷発生層(CGL) 2b 電荷輸送層(CTL) 3 保護層 4 下引層 図5〜7について 101−0〜101−n 支持体 102 枠状構造体 103、113 電極 104、114 マッチングトランスの端部 105 トランス出力側中点 107 真空槽 108、118 フード 109 ゲート弁 115 電源 116−1、116−2 マッチングトランス 117 電源 120 排気系統 121 調整バルブ 122 ターボ分子ポンプ 123 ロータリーポンプ 125 ガス導入ノズル 126 位相調整器 130〜134 ガスライン 140 交番電源系 150 反応槽
フロントページの続き (72)発明者 永目 宏 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 山▲崎▼ 舜平 神奈川県厚木市長谷398 株式会社半導体 エネルギー研究所内 (72)発明者 林 茂則 神奈川県厚木市長谷398 株式会社半導体 エネルギー研究所内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性支持体上に少なくとも感光層、水
    素を含有するダイヤモンド状カーボンもしくは非晶質カ
    ーボン構造を有する表面保護層を順次積層した構成を持
    つ電子写真用感光体において、前記表面保護層が窒素、
    フッ素、硼素、リン、塩素、臭素及び沃素等から選ばれ
    た少なくとも1種の添加物元素を含有する膜からなり、
    その添加物元素の炭素に対する含有原子量比が表面保護
    層の感光層近傍付近において、それ以外の部分よりも少
    なく、さらに表面保護層の最表層のヌープ硬度が100
    0kg/mm2以上であることを特徴とする電子写真用
    感光体。
  2. 【請求項2】 前記表面保護層が窒素を含有し、表面保
    護層の感光層近傍付近の窒素と炭素の含有原子量の比
    (N/C比)が0.005以下である膜よりなる請求項
    1に記載の電子写真用感光体。
  3. 【請求項3】 前記表面保護層がフッ素を含有し、表面
    保護層の感光層近傍付近のフッ素と炭素の含有原子量の
    比(F/C比)が0.001以下である膜よりなる請求
    項1に記載の電子写真用感光体。
  4. 【請求項4】 前記表面保護層の膜厚が1〜3μmであ
    る膜よりなる請求項1、2又は3に記載の電子写真用感
    光体。
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