JP2818880B2 - 電子写真用感光体 - Google Patents

電子写真用感光体

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JP2818880B2 JP63286504A JP28650488A JP2818880B2 JP 2818880 B2 JP2818880 B2 JP 2818880B2 JP 63286504 A JP63286504 A JP 63286504A JP 28650488 A JP28650488 A JP 28650488A JP 2818880 B2 JP2818880 B2 JP 2818880B2
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Description

【発明の詳細な説明】 「発明の利用分野」 本発明は、電子写真プロセスに用いられる円筒状感光
体ドラムに関するものである。
「従来技術」 従来、電子写真方式に於いて使用される感光体として
は、導電性支持体上にセレンなどの無機系光導電材料を
バインダー中に分散させたもの、ポリ−N−ビニルカル
バゾールとトリニトロフルオレオンあるいはアゾ顔料な
どの有機系光導電材料を用いたもの、及び非晶質シリコ
ン系材料を用いたもの等が一般に知られている。
ここにいう「電子写真方式」とは一般的に光導電性の
感光体をまず暗所で、例えばコロナ放電によって帯電さ
せ、次いで像露光し、露光部のみの電荷を選択的に散逸
せしめて静電潜像を得、この潜像部を染料,顔料などの
着色材と高分子物質などの結合剤とから構成される検電
微粒子(トナー)で現像し可視化して画像を形成する様
にした画像形成法の一つである。
この様は電子写真法に於いて感光体に要求される基本
的な特性としては (1)暗所で適当な電位に帯電できること。
(2)暗所において電荷の散逸がすくないこと。
(3)光照射によって速やかに電庫を散逸せしめうる
こと。
などが挙げられる。
上記の各感光体はこれらの基本的な特性以外に実使用
上それぞれ優れた特徴及び欠点を有しているが、なかで
も近年は製造コストが安い,環境汚染が少ない,比較的
自由な感光体設計ができる等の理由により、有機系感光
体の発展が著しい。
一般に有機系感光体とは電荷輸送材料を結着樹脂の中
へ分散あるいは溶解して導電性支持体上に塗布したもの
であり、ひとつの層で電荷保持,電荷発生,電荷輸送の
機能を有する単層型と電荷発生の機能を有する電荷発生
層(CGL),帯電電荷の保持とCGLから注入された電荷の
輸送機能を有する電荷輸送層(CTL),更には必要に応
じて支持体からの電荷の注入を防止する、あるいは支持
体での光の反射を防止する等の機能を有した層などを積
層した構成の機能分離型とが知られている。
機能分離型に使用されている電荷輸送層は帯電電荷を
保持させ、かつ露光により電荷発生層で発生分離した電
荷を移動させて保持していた帯電電荷と結合させること
を目的とする層である。帯電電荷を保持させる目的達成
のために電気抵抗が高いことが要求され、また保持した
帯電電荷で高い表面電位を得る目的を達成するために
は、誘電率が小さくかつ電荷移動性が良いことが要求さ
れる。
これらの要件を満足させるための電荷輸送層として、
電荷輸送物質および必要に応じて用いられるバインダー
樹脂より構成されるものを用いる。
電気輸送物質には、正孔輸送物質と電子輸送物質があ
る。
正孔輸送物質としては、ポリ−N−ビニルカルバゾー
ルおよびその誘導体,ポリ−γ−カルバゾリルエチルグ
ルタメートおよびその誘導体,ピレン−ホルムアルデヒ
ド縮合物およびその誘導体,ポリビニルピレン,ポリビ
ニルフェナントレン,オキサゾール誘導体,オキサジア
ゾール誘導体,イミダゾール誘導体,トリフェニルアミ
ン誘導体,9−(p−ジエチルアミノスチリル)アントラ
セン,1,1−ビス−(4−ジベンジルアミノフェニル)プ
ロパン,スチリルアントラセン,スチリルピラゾリン,
フェニルヒドラゾン類,α−フェニルスチルベン誘導体
等の電子供与性物質を挙げることができる。
電子輸送物質としては、たとえば、クロルアニル,ブ
ロムアニル,テトラシアノエチレン,テトラシアノキノ
ンジメタン,2,4,7−トリニトロ−9−フルオレノン,2,
4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン,2,4,5,7−テ
トラニトロキサントン,2,4,8−トリニトロチオキサント
ン,2,6,8−トリニトロ−4H−インデノ〔1,2−b〕チオ
フェン−4−オン,1,3,7−トリニトロベンゾチオフェノ
ン−5,5−ジオキサイドなどの電子受容性物質が挙げら
れる。
以上の物質を適当な溶剤に溶解ないし分散してこれを
塗布乾燥することにより電荷輸送層を形成する。
また、以上述べた電荷輸送層の他に、アモルファスカ
ーボン即ち炭素または炭素を主成分とする被膜を電荷輸
送層として用いることが、特願昭63−013051号、特願昭
63−073259〜特願昭63−073261、特願昭63−081360〜特
願昭63−081365、特願昭63−081445〜特願昭63−08149
0、特願昭63−082425〜特願昭63−082488、特願昭63−2
18961〜特願昭63−218963等に開示されている。炭素ま
たは炭素を主成分とする被膜は非常に高い硬度を有して
おり、電荷輸送層として用いた場合には非常に良好な耐
摩耗性が期待できる。
このような炭素または炭素を主成分とする被膜として
本発明人の出願による「炭素被膜を有する複合体及びそ
の作成方法」(特願昭56−146936号昭和56年5月17日出
願)が知られており、前記炭素または炭素を主成分とす
る被膜は有機系材料と馴染みが良く、密着性も良好であ
る。それは、炭素を主成分とする被膜はある種の有機膜
であると考えられ、有機感光体と炭素を主成分とする被
膜の界面ではポリマー的な結合をしている予想されるか
らである。
「発明が解決しようとする問題点」 しかしながら、電荷発生層に接して電荷輸送層を炭素
または炭素を主成分とする被膜で形成した場合、炭素を
主成分とする被膜は内部応力が109dyn cm2以上と大き
く、使用の初期においては電荷発生層との間で良好な密
着性が得られるものの、長期使用においてはピーリング
が発生するという問題があった。
本発明は前記のような問題点を無くし、電子写真感光
体における電荷輸送層に炭素または炭素を主成分とする
被膜を応用することを目的としてなされたものである。
「問題点を解決するための手段」 即ち前記の目的を達成するために、円筒状導電性支持
体上に電気発生の機能を有する電荷発生層、電荷発生層
から注入された電荷の輸送機能を有する電荷輸送層をこ
の順に積層した電子写真用感光体であって、電荷輸送層
が炭素または炭素を主成分とする被膜より成り、かつ前
記電荷輸送層の膜厚が円筒状導電性支持体の長さ方向に
沿って、その中心部より端部に近くなるに従って薄くな
っていることを特徴とする電子写真用感光体としたもの
である。
本発明人らは長期の信頼性試験を繰り返し、前記ピー
リングの発生の多くは保護膜端部より発生していること
をつきとめ、端部の膜厚を少なくとも端部により中心に
1mm以上、好ましくは5mm以上にわたって、その端部の膜
厚が、中心部の膜厚に比べ3分の1以下好ましくは5分
の1以下の膜厚とすると保護膜と下地とのピーリングの
発生は10分の1以下に低減できることを確認し、本発明
に到った。
「発明の構成」 本発明の感光体の一例の断面図を第1図に示す。導電
性支持体(3)上に電荷発生層(2)、電荷輸送層
(1)を構成した。
本発明における導電性支持体としては、導電体,ある
いは導電処理をした絶縁体が用いられる。
たとえばAl,Ni,Fe,Cu,Auなどの金属あるいは合金,ポ
リエステル,ポリカーボネート,ポリイミド,ガラス等
の絶縁性基体上にAl,Ag,Au等の金属あるいはIn2o3,Sno2
等の導電材料の薄膜を形成したもの,導電処理をした紙
等が例示できる。
また、導電性支持体の形状は円筒状に限らず必要に応
じて板状,ベルト状のものを用いてもよい。
電荷発生層(CGL)としては、結晶セレン,セレン化
ヒ素等の無機光導電性粉体あるいは有機系染顔料を結着
剤樹脂に分散もしくは溶解させたものが用いられる。
電荷発生物質としての有機染顔料として例えば、シー
アイピグメントブルー25〔カラーインデックル(CI)21
180〕,シーアイピグメントレッド41(CI21200),シー
アイシッドレッド52(CI 45100),シーアイベーシック
レッド3(CI 45210),さらに、ポリフィリン骨格を有
するフタロシアン系顔料,アズレニウム塩顔料,スクア
リック塩顔料,カルバゾール骨格を有するアゾ顔料(特
開昭53−95033号公報に記載),スチリルスチルベン骨
格を有するアゾ顔料(特開昭53−138229号公報に記
載),トリフェニルアミン骨格を有するアゾ顔料(特開
昭53−132547号公報に記載),ジベンゾチオフィン骨格
を有するアゾ顔料(特開昭54−21728号公報に記載),
オキサジアゾール骨格を有するアゾ顔料(特開昭54−12
742号公報に記載),フルオレノン骨格を有するアゾ顔
料(特開昭54−22834号公報に記載),ビススチルベン
骨格を有するアゾ顔料(特開昭54−17733号公報に記
載),ジスチリルオキサジアゾール骨格を有するアゾ顔
料(特開昭54−2129号公報に記載),ジスチリルカルバ
ゾール骨格を有するアゾ顔料(特開昭54−2129号公報に
記載),ジスチリルカルバゾール骨格を有するアゾ顔料
(特開昭54−17734号公報に記載),カルバゾール骨格
を有するトリアゾ顔料(特開昭57−195767号公報、同57
−195768号公報に記載)等、さらにイーアイピグメント
ブルー16(CI 74100)等のフタロシアニン系顔料,シー
アイバッドブラウン5(CI 73410),シーアイバッドダ
イ(CI 73030)9等のインジゴ系顔料,アルゴスカーレ
ッドB(バンオレット社製),インダスレンスカーレッ
トR(バイエル社製)等のペリレン系顔料等を使用する
ことができる。
これらの電荷発生物質は単独で、あるいは2種類併用
して用いられる。
結着剤樹脂は、電荷発生物質100重量部に対して0〜1
00重量部用いるのが適当であり、好ましくは0〜50重量
部である。
これらの有機染顔料と併用される結着剤樹脂としては
ポリイミド,ポリウレタン,ポリエステル,エポキシ樹
脂,ポリカーボネード,ポリエーテルなどの縮合系樹脂
並びにポリスチレン,ポリアクリレート,ポリメタクリ
レート,ポリ−N−ビニルカルバゾール,ポリビニルブ
チラール,スチレン−ブタジエン共重合体,スチレン−
アクリロニトリル共重合体等の重合体および共重合体等
の接着性,絶縁性樹脂が挙げられる。
電荷発生層は、電荷発生物質を必要ならばバインダー
樹脂とともに、テトラヒドロフラン,シクロヘキサノ
ン,ジオキサン,ジクロルエタン等の溶媒を用いてボー
ルミル,アトライター,サンドミルなどにより分散し、
分散液を適度に希釈して塗布することにより形成でき
る。塗布は、浸漬塗工法やスプレーコート,ビードコー
ト法などを用いて行なうことができる。
電荷発生層の膜厚は、0.01〜5μm程度が適当であ
り、好ましくは0.1〜2μmである。
電荷発生物質として結晶セレン又はセレン化ヒ素合金
等の粒子を用いる場合は電子供与性結着剤及び/又は電
子供与性有機化合物と併用される。このような電子供与
性物質としてはポリビニルカルバゾールおよびその誘導
体(例えばカルバゾール骨格に塩素,臭素などのハロゲ
ン,メチル基,アミノ基などの置換基を有するもの),
ポリビニルピレン,オキサジアゾール,ピラゾリンヒド
ラゾン,ジアリールメタン,α−フェニルスチルベン,
トリフェニルアミン系化合物などの窒素含有化合物およ
びジアリールメタン系化合物等があるが、特にポリビニ
ルカルバゾールおよびその誘導体が好ましい。またこれ
らの物質を混合して用いても良い。混合して用いる場合
もポリビニルカルバゾールおよびその誘導体に他の電子
供与性有機化合物を添加するのが好ましい。この種の無
機系電荷発生物質の含有量は層全体の30〜90重量%が適
当である。また無機系電荷発生物質を用いた場合の電荷
発生層の厚さは0.2〜5μmが適当である。
本発明において電荷輸送層として用いる炭素または炭
素を主成分とする被膜を作製する装置の一例を第2図に
示す。図面において、ステンレス容器(1′)は蓋
(1″)を有し、反応空間(1)を構成させている。被
膜を形成しようとする基体(10)を保持体(8),
(8′)により回転させつつ保持した。その裏側の蓋
(1″)側には排気口(7)をホモジナイザ(20′)を
有して設け、基体の装着の時は蓋(1″)を上方向に開
けて行う。高周波電圧または直流電圧はこの基体の保持
体により一方の電極と他の一方の網状電極(20)との間
に印加した。ここに、高周波または直流電源(6)によ
り13.56MHzまたは直流バイアス付の高周波電界を加え
る。この直流バイアスの値により炭素または炭素を主成
分とする被膜の硬さを制御できることは本発明に用いた
被膜形成方法の特徴の一つである。
基体(10)はこの電界に垂直に第2図では位置させて
いる。基体端部より10mmほど重くなるように基体表面よ
り少なくとも10mm好ましくは5mm以下の空間をあけて、
シールドメッシュ(22)を設置している。シールドメッ
シュは端部付近の基体とメッシュ間の空間がプラズマ化
されないように設けるものであり、基体と同電位に保
つ。このメッシュの重なり具合で基体端部の膜厚を調整
することができる。また、基体の円周方向の均一性を向
上させるために、その円周方向に回転させている。
さらに第2図において左右方向が長いときは被膜形成
と同時にこのシールドメッシュとドラムを回転しつつ移
動させてもよい。この基体を多数配設し(図面の前後方
向)これらを回転しつつ均一な膜厚で多数同時に作るべ
く移動させてもよい。
反応性気体はドービング系(13)より(18)を経て石
英管(29)で作られたマイクロ波を用いた共鳴空間
(2)に供給される。この共鳴空間は外側に空心磁石コ
イル(5),(5′)を配し磁場を加える。同時にマイ
クロ波発振器(3)によりアナライザー(4)を経て例
えば2.45GHzのマイクロ波が共鳴空間(2)に供給され
る。この空間ではホイッスラーモードの共鳴を起こすべ
く、反応性気体としてメタン、エタン、エチレン、アセ
チレンのような炭化水素若しくは四弗化炭素、六弗化炭
素、六弗化ベンゼン等の弗化炭素、若しくは三弗化水化
炭素等の弗化水化炭素等の炭化物気体を(32)より加え
る。さらに水素で希釈されたジボラン(B2H6)またはフ
ォスヒン(PH3)を、若しくは三弗化窒素、アンモニア
等の窒素化合物をドーピング用のガスとして(32)よ
り、さらに水素のキャリアガスを(31)より加える。
圧力は、排気系(11)のコントロールバルブ(14)に
よりターボ分子ポンプを併用した真空ポンプ(9)の排
気量を調整して行った。
また、高周波電力として50W〜1KW、プラズマ電界とし
て0.03〜3W/cm2を加えた。DCバイアスは特に加えないと
炭素膜中に水素が多く含まれ、光学的エネルギバンド巾
も2.5〜3.5eVが得られる。基体側を正バイアスとする
と、水素イオンが反発されて結果として膜中の水素含有
量を減少させ、その光学的エネルギバンド巾も1.0〜2.0
eVとなる。
更に必要に応じて、図面においては電子または共鳴励
起したアルゴンを反応空間に十分広げるため、一方の電
極(20)が反応性基体のホモジナイザ(20)の効果を併
用させ得る。即ち、このホモジナイザの穴より放出され
る気体(21)を基体表面に均一に広い面積で成膜させ、
その厚さも基体端部以外の大面積の均一性をより良好に
得るため好ましい。
もちろんホモジナイザをいれるとこの面への電子及び
活性気体の衝突は避けられず、結果としてそこでのエネ
ルギ消費がおき、成長速度の減少が見られる。そのた
め、全体の空間で高い成長速度をより得んとするために
は、マイクロ波による励起が高周波はプラズマCVDのみ
であるよりも有効である。
基体表面温度は−100〜+150℃で好ましくは−100〜
+100℃であり、電荷発生層の耐熱性が十分高くない場
合でもこの炭素膜のコート中に何ら損傷、溶融、変質す
ることはない。
さらにマイクロ波での予備励起を行うと、この場合の
成膜速度は500〜1000Å/分が得られ、きわめて高速成
膜が可能である。しかしこの予備励起を行わないと、10
0〜200Å/分の成膜速度しか得られない。
上記の様な作製方法で作製された炭素または炭素を主
成分とする被膜はダイヤモンドと類似のC−C結合を作
り、ヒッカース硬度100〜3000Kg/cm2、比抵抗(固有抵
抗)1×107〜1×1013Ωcmを有するとともに、光学的
エネルギバンド巾(Egという)が1.0eV以上、好ましく
は1.5〜5.5eVを有する赤外または可視領域で透光性のダ
イヤモンドと類似の特性を有するものである。
電荷輸送層としての機能を発揮しようとすれば、少な
くとも5μm以上、好ましくは10μm以上の膜厚が必要
なため、第1図に示すように両端の0〜5mm部分(11)
の膜厚を2μm〜5μm、中央部の実際に使用する部分
(12)の膜厚を10μm〜15μm、端部より5〜10mmの部
分(13)を端部より中央部に近くなるに従って徐々に膜
厚が大きくなるように構成した。
また、電荷輸送層上に機械的強度向上、或いは排水性
向上のため保護層として炭素または炭素を主成分とする
被膜を設けてもよい。勿論その場合も端部は中央部に比
べて薄くすることは言うまでもない。
以下に実施例に従い本発明を示す。
〔実施例〕
この実施例は電荷輸送層として、水素とメタンとを1:
1としダイヤモンド結合を有するアモルファスまたはダ
イヤモンド微結晶を含むアモルファス炭素膜を形成させ
たものである。
アルミ製シリンダー状支持体(外形40mmφ、長さ250m
m)に下記組成比の混合物をボールミルで12時間分散し
調整した下引層形成液を乾燥後のまくあつが約2μmに
なる用に浸漬法で塗工し下引層を形成した。
〔下引層形成液〕
TiO2(石原産業社製 タイペーク) 1重量部 ポリアミド樹脂(東レ社製 CM−8000) 1重量部 メタノール 25重量部 この下引層状に下記処方の電荷発生層塗工液を浸漬塗
工し、120℃で10分管乾燥させ、膜厚約0.15μmの電荷
発生層を形成した。
〔電荷発生層塗工液〕
下記構造のトリスアゾ顔料 30重量部 ポリエステル樹脂(東洋紡社製 バイロン) 12重量部 シクロヘキサン 360重量部 上記混合物をボールミルで72時間分散した後さらにシ
クロヘキサン:メチルエチルケトン=1:1(重量比)の
混合溶媒500重量部で希釈調整する。
次いでこの電荷発生層上に炭素または炭素を主成分と
する被膜を設けた。
反応空間の圧力を0.1torr、非生成物気体として(3
1)より水素を200SCCMで供給した。加えて、メタンを
(32)より200SCCMで供給した。マイクロ波は2.4GHzの
周波数を有し、出力500Wで調整した。磁場(5),
(5′)の共鳴強度は875ガウスとした。13.56MHzの高
周波電力を500W加えた。かくして放電を開始した後排気
系を調整した。
シールドメッシュ(22)を基体端部より約10mm基体に
重なるように、また、基体とシールドメッシュの間隔を
3mmとなるよう基体およびシールドメッシュを設置した
ところ基体とシールドメッシュで挟まれた空間はプラズ
マ化されず、基体の端には被膜は形成されず、端部より
10mmまでの間で膜厚は0.01μm〜10μmまで変化してい
た。両端部より10mmを除く中心部の膜厚はほぼ10μmで
あり均一であった。
基板温度が室温において被膜形成速度30Å/秒を作る
ことができ、製膜時間は約60分だった。この速度はプラ
ズマCVDのみで得られる1.5Å/秒に比べ20倍の速さであ
る。このアモルファス炭素の電気特性の1例を調べる
と、固有抵抗1013Ωcm、ビッカース硬度2300Kg/mm2、光
学的エネルギバンド巾1.8eVであった。
〔比較例〕
実施例と同様のアルミ製シリンダー状支持体に同様の
方法で下引層を形成し、同様の方法で電荷発生層を形成
した後、膜厚を端部において薄くしない場合の炭素また
は炭素を主成分とする被膜を電荷輸送層とした形成し
た。
〔実験例1〕 本実施例及び実験例により作製された感光体に対し、
−60℃→室温→−60℃の温度サイクルを100回行った結
果を表1及び表2に示す。表1は実施例のサンプルの結
果を、表2は比較例のサンプルの結果を示す。表1に示
す様に、実施例のサンプルでは被膜にクラックが入った
り基板よりはがれたりピーリングせず、歩留りは100%
だった。それに比べて、表2に示す様に、比較例のサン
プルでは被膜にクラックが入ったり基板よりはがれたり
ピーリングが発生したサンプルは約90%もあり、本発明
を応用した炭素または炭素を主成分とする被膜よりなる
電荷輸送層の密着性がいかに優れているかを知ることが
できる。
〔実験例2〕 実際にSampleを静電複写機に装着し繰り返しコピーを
採取して、炭素または炭素を主成分とする被膜よりなる
電荷輸送層の端部よりの剥がれの発生を観察した。使用
した紙のサイズはA版サイズである。
実験例により作製された感光体では104〜7×104枚で
剥がれの発生が認められたが、実験例により作製された
感光体では105〜106枚の複写動作に対しても変化はなか
った。
本発明を応用した炭素または炭素を主成分とする被膜
よりなる電荷輸送層の密着性が大変優れていることがこ
こでも確認することができた。
『効果』 本発明は、感光体における電荷輸送層を炭素または炭
素を主成分とする被膜で構成し、膜の端部を薄くするこ
とにより密着性を向上させたものである。これにより、
感光体の耐久性を格段に向上させることができた。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明を用いた感光ドラムの実施例の断面図を
示す。 第2図は本発明で用いた炭素膜作製用プラズマCVD装置
を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 広瀬 直樹 神奈川県厚木市長谷398番地 株式会社 半導体エネルギー研究所内 (72)発明者 佐々木 麻里 神奈川県厚木市長谷398番地 株式会社 半導体エネルギー研究所内 (72)発明者 竹山 順一 神奈川県厚木市長谷398番地 株式会社 半導体エネルギー研究所内 (72)発明者 小島 成人 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株 式会社リコー内 審査官 原 健司 (56)参考文献 特開 昭55−146454(JP,A) 特開 昭63−121854(JP,A) 特開 昭63−73259(JP,A) 特開 昭61−275846(JP,A) 特開 平2−29662(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G03G 5/00 - 5/16

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】円筒状導電性支持体上に有機材料を有する
    電荷発生層、前記電荷発生層上に電荷輸送層を積層した
    電子写真用感光体であって、 前記電荷輸送層が炭素または炭素を主成分とする皮膜か
    ら成り、 かつ前記電荷輸送層の膜厚が、前記円筒状導電性支持体
    の長さ方向に沿って、前記円筒状導電性支持体の中心部
    より端部に近くなるに従って薄くなっていることを特徴
    とする電子写真用感光体。
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