JPH09222745A - 電子写真用感光体 - Google Patents

電子写真用感光体

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JPH09222745A
JPH09222745A JP5078396A JP5078396A JPH09222745A JP H09222745 A JPH09222745 A JP H09222745A JP 5078396 A JP5078396 A JP 5078396A JP 5078396 A JP5078396 A JP 5078396A JP H09222745 A JPH09222745 A JP H09222745A
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JP
Japan
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protective layer
surface protective
layer
film
diamond
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JP5078396A
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Inventor
Hiroshi Ikuno
弘 生野
Shigeto Kojima
成人 小島
Hiroshi Nagame
宏 永目
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Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 感光層上に保護層を有する感光体の残留電位
防止を向上させ、且つ長期的に安定した画像形成を行う
ことが可能な電子写真用感光体を提供すること。 【解決手段】 導電性支持体上に少なくとも感光層、表
面保護層を順次積層した構成を持つ電子写真感光体にお
いて、前記表面保護層が多孔質構造であり、その細孔に
電荷輸送物質が充填されていることを特徴とする電子写
真用感光体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電子写真用感光体に
関し、更に詳しくは感光層上に耐摩耗性に優れた表面保
護層を有してなる電子写真用感光体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電子写真方式において使用される
感光体としては、導電性支持体上にセレンないしセレン
合金を主体とする感光層を設けたもの、酸化亜鉛、硫化
カドミウムなどの無機系光導電材料をバインダー中に分
散させたもの、ポリ-N-ビニルカルバゾールとトリニト
ロフルオレノンあるいはアゾ顔料などの有機光導電材料
を用いたもの、及び非晶質シリコン系材料を用いたもの
等が一般に知られている。
【0003】ところで、一般に「電子写真方式」とは、
光導電性の感光体をまず暗所で例えばコロナ放電によっ
て帯電させ、次いで像露光し、露光部のみの電荷を選択
的に散逸せしめて静電潜像を得、この潜像部を染料、顔
料などの着色剤と高分子物質などの結合剤とから構成さ
れる検電微粒子(トナー)で現像し可視化して画像を形
成するようにした画像形成法の一つである。
【0004】このような電子写真法において感光体に要
求される基本的な特性としては (1)暗所で適当な電位に帯電できること。 (2)暗所において電荷の散逸が少ないこと。 (3)光照射によって速やかに電荷を散逸できること。 などが挙げられる。
【0005】近年、電子写真複写機の高速化、大型化が
進むなか、感光体に対して上記特性以外に長期繰り返し
使用に際しても高画質を保つことのできる信頼性が強く
要求されるようになっている。
【0006】複写機の中で感光体の寿命を損なっている
主な原因としては、大きく分けて二つ考えられており、
一つは、現像プロセス、クリーニングプロセス、コピー
紙などから受ける機械的なストレスによって引き起こさ
れる摩耗やスクラッチによるもの、もう一つは、帯電、
転写、分離過程等で受けるコロナ放電によって引き起こ
される化学的な損傷によるものである。
【0007】前者の感光体の摩耗を防ぐ方法として、感
光体表面に保護層を設ける技術が知られている。例え
ば、感光層の表面に有機フィルムを設ける方法(特公昭
38−015466号公報)、無機酸化物を設ける方法
(特公昭43−014517号公報)、接着層を設けた
後絶縁層を積層する方法(特公昭43−027591号
公報)、あるいはプラズマCVD法、光CVD法等によ
ってa−Si層、a−Si:N:H層、a−Si:O:
H層等を積層する方法(特開昭57−179859号公
報、特開昭59−058437号公報)等が開示されて
いる。
【0008】また、近年プラズマCVD法、光CVD
法、スパッタ法等の方法で得られる、炭素又は炭素を主
成分とする高硬度膜(a−C:H膜、無定形炭素膜、非
晶質炭素膜、ダイアモンド状炭素膜等と称されてい
る。)の感光体保護層への応用が活発化している。例え
ば、感光層の表面に無定形炭素又は硬質炭素からなる保
護層を設けたもの(特開昭60−249155号公
報)、最表面にダイアモンド状カーボン保護層を設けた
もの(特開昭61−255352号公報)、感光層上に
炭素を主成分とする高硬度絶縁層を形成したもの(特開
昭61−264355号公報)あるいは有機感光層上に
窒素原子、酸素原子、ハロゲン原子、アルカリ金属原子
等の原子を少なくとも含むグロー放電により生成された
非晶質炭素水素膜からなる保護層を設けたもの(特開昭
63−220166号公報、特開昭63−220167
号公報、特開昭63−220168号公報、特開昭63
−220169号公報)などを挙げることができる。
【0009】これらの方法により表面硬度が非常に向上
した耐摩耗性に優れた感光体が得られるようになった。
しかし、これらの感光体は、電子写真複写プロセスによ
る長期的な使用により、残留電位の蓄積や画像流れ等の
画像特性劣化に対しては十分な抵抗力を有していない。
【0010】そこで、表面保護層中に電荷輸送物質を含
有させることにより、残留電位を低減させること(特開
昭64−42658号公報、特開平2−188762号
公報)等が提案されているが、画像特性を含めた感光体
特性という点では不十分であることが明らかとなった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、これらの問
題点を解決するためになされたものであって、その目的
は、感光層上に保護層を有する感光体の残留電位上昇を
抑制し、且つ長期的に安定した画像形成を行うことが可
能な電子写真用感光体を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、導電性
支持体上に少なくとも感光層、表面保護層を順次積層し
た構成を持つ電子写真感光体において、前記表面保護層
が多孔質構造であり、その細孔に電荷輸送物質が充填さ
れていることを特徴とする電子写真用感光体が提供され
る。
【0013】また本発明によれば、前記表面保護層がダ
イヤモンド状カーボン若しくは非晶質カーボン構造の膜
よりなる電子写真感光体が提供され、さらに前記ダイヤ
モンド状カーボン若しくは非晶質カーボン構造を有する
表面保護層が、1〜3μmの膜厚であり、構成元素とし
てF、Nを含有することを特徴とする電子写真感光体が
提供される。
【0014】本発明の電子写真用感光体は、導電性支持
体上に少なくとも感光層、表面保護層を順次積層した構
成を持つ電子写真感光体において、前記表面保護層が多
孔質構造であり、その細孔に電荷輸送物質を充填すると
したことから、保護層を有する感光体の残留電位の低減
及び画像特性が向上できる。
【0015】また上記表面保護層がダイヤモンド状カー
ボン若しくは非晶質カーボン構造を有する膜とすること
により、さらに耐久性の向上した保護層を得ることが可
能になる。さらにダイヤモンド状カーボン若しくは非晶
質カーボン構造を有する表面保護層の膜厚を規定した
り、F、Nを含有することにより、より一層感光体特性
を向上させることが可能となる。
【0016】以下、図面に基いて本発明を詳細に説明す
る。図1は本発明の電子写真用感光体の模式断面図であ
り、導電性支持体1上に感光層2、表面保護層3を順次
設けた構成のものである。図2〜4は各々本発明の他の
電子写真用感光体の構成例を示すものであり、図2は導
電性支持体1上に下引層を介して感光層2、表面保護層
3を順次設けたものであり、図3は感光層2が電荷発生
層(CGL)2aと電荷輸送層(CTL)2bより構成
される機能分離型タイプのもの、図4は機能分離型タイ
プの感光層2のCGL、CTLの積層順序が逆になって
いるものをそれぞれ示したものである。なお、導電性支
持体1上に感光層2と表面保護層3を少なくとも有して
いれば、上記のその他の層、及び感光層のタイプは任意
に組み合わされていても構わない。
【0017】本発明において電子写真用感光体に使用さ
れる導電性支持体としては、導電性あるいは導電処理を
した絶縁体、例えばAl、Fe、Cu、Auなどの金属
あるいはそれらの合金の他、ポリエステル、ポリカーボ
ネート、ポリイミド、ガラス等の絶縁性基体上にAl、
Ag、Au等の金属あるいはIn23、SnO2等の導
電材料の薄膜を形成したもの、導電処理をした紙等が使
用できる。導電性支持体の形状は特に制約はなく板状、
ドラム状あるいはベルト状のいずれかのものも使用でき
る。
【0018】導電性支持体と感光体との間に必要に応じ
て設けられる下引層は感光特性の改善、接着性の向上等
の目的で設けられ、その材料としてはSiO2、Al2
3、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、ク
ロムカップリング剤等の無機材料やポリアミド樹脂、ア
ルコール可溶性ポリアミド樹脂、水溶性ポリビニルブチ
ラール、ポリビニルブチラール、PVA等の接着性のよ
いバインダー樹脂等が使用される。その他、前記接着性
のよい樹脂にZnO、TiO2、ZnS等を分散したも
のも使用できる。下引層の形成方法としては無機材料単
独の場合はスパッタリング、蒸着等の方法が、また、有
機材料を用いた場合は通常の塗布法が採用される。な
お、下引層の厚さは5μm以下が適当である。
【0019】この導電性支持体に直接あるいは下引層を
介して設けられる感光層の種類は前述したSe系、OP
C系等のいずれもが、またその構成は単層型、機能分離
型のいずれもが適用できる。これらのうちOPC系につ
いて以下に説明する。
【0020】単層型有機感光層の例としては、色素増感
された酸化亜鉛、酸化チタン、硫酸亜鉛等の光導電性粉
体、無定形シリコン粉体、スクアリック塩顔料、フタロ
シアニン顔料、アズレニウム塩顔料、アゾ顔料等を必要
に応じて結着剤樹脂及び/又は後述する電子供与性化合
物と共に塗布形成されたもの、またピリリウム系染料と
ビスフェノールA系のポリカーボネートとから形成され
る共晶錯体に電子供与性化合物を添加した組成物を用い
たもの等が挙げられる。結着樹脂としては後述する機能
分離型感光体と同様のものを使用することができる。こ
の単層型感光体の厚さは5〜30μmが適当である。
【0021】一方、機能分離型感光層の例としては電荷
発生層(CGL)と電荷輸送層(CTL)を積層したも
のが例示される。画像露光により潜像電荷を発生分離さ
せるための電荷発生層(CGL)としては、結晶セレ
ン、セレン化ヒ素等の無機光導電性粉体あるいは有機系
染顔料を結着剤樹脂に分散若しくは溶解させたものが用
いられる。
【0022】電荷発生物質としての有機系染顔料として
は、例えば、シーアイピグメントブルー25{カラーイ
ンデックス(CI)21180}、シーアイピグメント
レッド41(CI21200)、シーアイアシッドレッ
ド52(CI45100)、シーアイベーシックレッド
3(CI45210)、さらにポリフィン骨格を有する
フタロシアニン系顔料、アズレニウム塩顔料、スクアリ
ック塩顔料、カルバゾール骨格を有するアゾ顔料(特開
昭53−95033号公報に記載)、スチリルスチルベ
ン骨格を有するアゾ顔料(特開昭53−138229号
公報に記載)、トリフェニルアミン骨格を有するアゾ顔
料(特開昭53−132547号公報に記載)、ジベン
ゾチオフェン骨格を有するアゾ顔料(特開昭54−21
728号公報に記載)、オキサジアゾール骨格を有する
アゾ顔料(特開昭54−12742号公報に記載)、フ
ルオレノン骨格を有するアゾ顔料(特開昭54−228
34号公報に記載)、ビススチルベン骨格を有するアゾ
顔料(特開昭54−17733号公報に記載)、ジスチ
リルオキサジアゾール骨格を有するアゾ顔料(特開昭5
4−2129号公報に記載)、ジスチリルカルバゾール
骨格を有するアゾ顔料(特開昭54−17734号公報
に記載)、カルバゾール骨格を有するトリアゾ顔料(特
開昭57−195767号公報、特開昭57−1957
68号公報に記載)等、さらにシーアイピグメントブル
ー16(CI74100)等のフタロシアニン系顔料、
シーアイバッドブラウン5(CI73410)、シーア
イバッドダイ(CI73030)等のインジゴ系顔料、
アルゴスカーレットB(バイオレット社製)インダンス
レンスカーレットR(バイエル社製)等のペリレン系顔
料等を使用することができる。
【0023】これらの電荷発生物質は単独であるいは二
種以上併用して用いられる。結着剤樹脂は、電荷発生物
質100重量部に対して0〜100重量部用いるのが適
当であり、好ましくは0〜50重量部である。
【0024】これら有機染顔料と併用される結着剤樹脂
としてはポリアミド、ポリウレタン、ポリエステル、エ
ポキシ樹脂、ポリカーボネート、ポリエーテルなど縮合
系樹脂並びにポリスチレン、ポリアクリレート、ポリメ
タクリレート、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリビ
ニルブチラール、スチレン−ブタジエン共重合体、スチ
レン−アクリロニトリル共重合体等の重合体及び共重合
体等の接着性、絶縁性樹脂が挙げられる。
【0025】電荷発生層は、電荷発生物質を必要ならば
バインダー樹脂とともに、テトラヒドロフラン、シクロ
ヘキサノン、ジオキサン、ジクロルエタン等の溶媒を用
いてボールミル、アトライター、サンドミルなどにより
分散し、分散液を適当に希釈して塗布することにより形
成できる。塗布は、浸漬塗工法やスプレーコート、ビー
ドコート法などを用いて行うことができる。電荷発生層
の膜厚は、0.01〜5μm程度が適当であり、好まし
くは0.1〜2μmである。
【0026】また、本発明において、電荷発生物質とし
て結晶セレン又はセレン化ヒ素合金等の粒子を用いる場
合には、電子供与性粘着性及び/又は電子供与性有機化
合物とが併用される。このような電子供与性物質として
はポリビニルカルバゾール及びその誘導体(例えばカル
バゾール骨格に塩素、臭素などのハロゲン、メチル基、
アミノ基などの置換基を有するもの)、ポリビニルピレ
ン、オキサジアゾール、ピラゾリン、ヒドラゾン、ジア
リールメタン、αーフェニルスチルベン、トリフェニル
アミン系化合物などの窒素含有化合物及びジアリールメ
タン系化合物等があるが、特にポリビニルカルバゾール
及びその誘導体が好ましい。またこれらの物質は混合し
ても用いられるが、この場合にはポリビニルカルバゾー
ル及びその誘導体に他の電子供与性有機化合物を添加し
ておくことが好ましい。この種の無機系電荷発生物質の
含有量は層全体の30〜90重量%が適当である。また
無機系電荷発生物質を用いた場合の電荷発生層の厚さは
0.2〜5μm程度が適当である。
【0027】電荷輸送層(CTL)は帯電電荷を保持さ
せ、且つ露光により電荷発生層で発生分離した電荷を移
動させて保持していた帯電電荷と結合させることを目的
とする層である。帯電電荷を保持させる目的達成のため
に電気抵抗が高いことが要求され、また保持していた帯
電電荷で高い表面電位を得る目的を達成するためには、
誘電率が小さく且つ電荷移動性がよいことが要求され
る。
【0028】これらの要件を満足させるための電荷輸送
層は、電荷輸送物質及び必要に応じて用いられるバイン
ダー樹脂より構成される。すなわち、以上の物質を適当
な溶剤に溶解ないし分散してこれを塗布乾燥することに
より電荷輸送層を形成することができる。
【0029】電荷輸送層には、正孔輸送物質と電子輸送
物質とがある。正孔輸送物質としては、ポリ−N−ビニ
ルカルバゾール及びその誘導体、ポリ−γ−カルバゾリ
ルエチルグルタメート及びその誘導体、ピレン−ホルム
アルデヒド縮合物及びその誘導体、ポリビニルピレン、
ポリビニルフェナントレン、オキサゾール誘導体、オキ
サジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、トリフェニ
ルアミン誘導体、9−(pージエチルアミノスチリル)
アントラセン、1,1−ビス−(4−ジベンジルアミノ
フェニル)プロパン、スチリルアントラセン、スチリル
ピラゾリン、フェニルヒドラゾン類、αーフェニルスチ
ルベン誘導体等の電子供与性物質が挙げられる。
【0030】電子輸送物質としては、例えば、クロルア
ニル、ブロムアニル、テトラシアノエチレン、テトラシ
アノキノンジメタン、2,4,7−トリニトロ−9−フ
ルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フル
オレン、2,4,5,7−テトラニトロキサントン、
2,4,8−トリニトロチオキサントン、2,6,8−
トリニトロ−4H−インデノ(1,2−b)チオフェノ
ン−4−オン、1,3,7−トリニトロジベンゾチオフ
ェノン−5,5−ジオキサイドなどの電子受容物質が挙
げられる。
【0031】これらの電荷輸送物質は、単独又は二種以
上混合して用いられる。また、必要に応じて用いられる
バインダー樹脂としては、ポリスチレン、スチレン−ア
クリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合
体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエステ
ル、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合
体、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアクリ
レート樹脂、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート、酢酸
セルロース樹脂、エチルセルロース樹脂、ポリビニルブ
チラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルトルエ
ン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、アクリル樹脂、シ
リコーン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン
樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂等の熱可塑性樹
脂又は熱硬化性樹脂が挙げられる。
【0032】溶剤としては、テトラヒドロフラン、ジオ
キサン、トルエン、モノクロルベンゼン、ジクロルエタ
ン、塩化メチレンなどが用いられる。
【0033】電荷輸送層の厚さは5〜100μm程度が
適当である。また電荷輸送層中に可塑剤やレベリング剤
を添加してもよい。可塑剤としては、ジブチルフタレー
ト、ジオクチルフタレートなど一般の樹脂の可塑剤とし
て使用されているものがそのまま使用でき、その使用量
は、バインダー樹脂に対して0〜30重量%程度が適当
である。レベリング剤としては、ジメチルシリコーンオ
イル、メチルフェニルシリコーンオイルなどのシリコー
ンオイル類が使用され、その使用量はバインダー樹脂に
対して0〜1重量%程度が適当である。
【0034】これらのCGLとCTLは支持体上に支持
体側からCGL、CTLの順に積層しても、CTL、C
GLの順に積層しても構わない。
【0035】本発明において感光体の表面に設けられる
保護層とは、硬度及び耐摩耗性が優れていればよい。さ
らに多孔率が30%以上の膜であることが望ましい。多
孔率の測定は、水銀多孔度計を用いて行う。
【0036】多孔質の保護層に用いられる材料として
は、ナイロン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエチレン樹
脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂、フェ
ノキシ樹脂、ポリスチレン樹脂、ブチラール樹脂、ポリ
ビニルアセタール樹脂、ジアリルフタレート樹脂、アク
リル樹脂、酢酸ビニル樹脂、アルキド樹脂、フェノール
樹脂、ポリスルホン樹脂、スチレン・ブタジエン共重合
体、スチレン・マレイン酸共重合体、アルキド・メラミ
ン共重合体などの樹脂が用いられ、気相成膜法で作製さ
れる高硬度のダイヤモンド状カーボン、非晶質カーボン
構造を有する膜なども挙げられるが、これらの材料に限
定されるものではない。これらの材料は、単独で用いて
も構わないし、二種以上混合しても構わない。さらに単
層である必要はなく、多層構成になっていても構わな
い。
【0037】ダイヤモンド状カーボン及び非晶質カーボ
ン構造を有する高硬度薄膜とは、好ましくはSP3軌道
を有するダイアモンドと類似のC−C結合を有してお
り、膜厚が1〜3μmであることが望ましく、構成元素
としてF、Nを含有することが望ましい。この膜厚の範
囲及びF、Nを含有することにより、感光体表面の対ス
クラッチ性、光透過性、感度などの静電特性がより向上
する。なおSP2軌道を有するグラファイトと類似の構
造を持つ膜でも構わないし、更に非晶質性のものでも構
わない。
【0038】ダイヤモンド状カーボン及び非晶質カーボ
ン構造を有する表面保護層を作製するときには、炭化水
素ガス(メタン、エタン、エチレン、アセチレン等)を
主材料として、H2、Ar等のキャリアガスを用いる。
さらに添加物元素を供給するガスとしては減圧下で気化
できるもの、加熱することにより気化できるものであれ
ば構わない。例えばNを供給するガスとしてNH3、N2
等を用い、Fを供給するガスとしてC26、CH3F等
を用いる。またF、Nを同時に供給するガスとしては、
NF3を用いる。上記のようなガスを用い、プラズマC
VD法、グロー放電分解法、光CVD法などやグラファ
イト等をターゲットとしたスパッタリング法等により形
成される。特にその製膜法は限定されるものではない。
【0039】ダイヤモンド状カーボン及び非晶質カーボ
ン構造を有する表面保護層中に電荷輸送物質を含有する
方法としては、以下の方法がある。一般的な方法として
は、表面保護層を製膜した後に電荷輸送物質を有機溶剤
に溶かした液中に浸漬する。表面保護層中に電荷輸送物
質を充填させにくいときには、保護層表面をH2、O2
Ar等のガスを用いて表面をエッチングすることによ
り、充填しやすくなる。
【0040】この炭素を主成分とする保護層の膜厚は製
膜時間の制御等により調節できる。表面保護層の膜組成
を分析する方法としては、XPS、AES、SIMS等
の測定法を用いる。以下本発明を実施例により説明する
が、これにより本発明の態様が限定されるものではな
い。
【0041】
【実施例】
実施例1 アルミニウム製シリンダー状支持体(外径80mmφ、
長さ340mm)に下記組成の混合物をボールミルで1
2時間分散し、調整した下引層形成液を乾燥後の膜厚が
約2μmになるように浸漬法で塗工し、下引層を形成し
た。 TiO2 ポリアミド樹脂 メタノール この下引層上に下記構造のトリスアゾ顔料を含む電荷発
生層塗工液を浸漬塗工し、乾燥させ、膜厚約0.15μ
mのCGLを形成した。
【0042】
【化1】
【0043】ポリエステル樹脂 シクロヘキサノン [上記混合物をボールミルで分散した後、さらにシクロ
ヘキサノン、メチルエチルケトンの混合溶媒で希釈調整
する。] ついでこのCGL上に下記組成の電荷輸送層塗工液を乾
燥後の膜厚が約30μmになるように浸漬塗工して有機
感光層を作製した。
【0044】
【化2】
【0045】ポリカーボネート テトラヒドロフラン シリコンオイル さらにCTL上に下記組成の樹脂液を乾燥後の膜厚が約
5μmになるように浸漬塗工して保護層とした。 フェノキシ樹脂 テトラヒドロフラン 上記電荷輸送物質 表面保護層の多孔率は、38%だった。
【0046】このようにして作成した感光体を初期及び
市販デジタル複写機イマジオ420V[(株)リコー
製]を用いて20万枚の通紙試験を行った後、静電特
性、感光体表面のスクラッチ状況、画像特性などの評価
を行った。評価結果を表1に示す。
【0047】実施例2 表面保護層の多孔率が9%の膜とすること以外は、すべ
て実施例1と同様にして感光体を作製し、評価を行っ
た。評価結果を表1に示す。
【0048】実施例3 感光層表面に下記製膜条件により作製される非晶質カー
ボン膜を設ける以外は、すべて実施例1と同様にして感
光体を作製し、評価を行った。
【0049】<製膜条件> 製膜方法:プラズマCVD法 反応ガス:C24/H2 ガス流量:90sccm/200sccm 反応圧力:0.01torr RF出力:100W 膜厚 :4μm 表面保護層の多孔率は、15%だった。表面保護層の製
膜後、前記電荷輸送物質をアセトンに溶かした溶液中
に、感光体を24時間浸漬した。評価結果を表1に示
す。
【0050】実施例4 表面保護層の膜厚を0.5μmにすること以外は、すべ
て実施例3と同様にして感光体を作製し評価を行った。
評価結果を表1に示す。
【0051】実施例5 表面保護層の膜厚を2.0μmにすること以外は、すべ
て実施例3と同様にして感光体を作製し評価を行った。
評価結果を表1に示す。
【0052】実施例6 表面保護層の製膜条件及び電荷輸送物質溶液浸漬を行う
前にエッチング処理を行うこと以外は、すべて実施例3
と同様にして感光体を作製し、評価を行った。製膜条件
及びエッチング条件を下記に示す。
【0053】<製膜条件> 製膜方法:プラズマCVD法 反応ガス:C24 ガス流量:100sccm 反応圧力:0.01torr RF出力:200W 膜厚 :2μm
【0054】<エッチング条件> エッチングガス:H2 ガス流量 :1000sccm 反応圧力 :0.01torr RF出力 :200W エッチング時間:3分 表面保護層の多孔率は、18%だった。評価結果を表1
に示す。
【0055】実施例7 表面保護層の製膜条件を下記に示す条件としたこと以外
は、すべて実施例6と同様にして感光体を作製し、評価
を行った。
【0056】<製膜条件> 製膜方法:プラズマCVD法 反応ガス:C24/H2/N2 ガス流量:90sccm/200sccm/40scc
m 反応圧力:0.005torr RF出力:100W 膜厚 :2μm 表面保護層の多孔率は、16%だった。評価結果を表1
に示す。
【0057】実施例8 表面保護層の製膜条件を下記に示す条件としたこと以外
は、すべて実施例6と同様にして感光体を作製し、評価
を行った。
【0058】<製膜条件> 製膜方法:プラズマCVD法 反応ガス:C24/H2/C26 ガス流量:90sccm/200sccm/40scc
m 反応圧力:0.005torr RF出力:100W 膜厚 :2μm 表面保護層の多孔率は、19%だった。評価結果を表1
に示す。
【0059】比較例1 表面保護層に電荷輸送物質を含有させないこと以外は、
すべて実施例1と同様にして感光体を作製し、評価を行
った。評価結果を表1に示す。
【0060】比較例2 表面保護層に電荷輸送物質を含有させないこと以外は、
すべて実施例3と同様にして感光体を作製し、評価を行
った。評価結果を表1に示す。
【0061】
【表1】
【0062】*1 コロナ放電により感光体を帯電さ
せ、感光体表面に光をあてて、表面電位が800Vから
1/5の160Vになるまでの時間(sec)を求め、
感度(E1/5)を算出した。 *2 20万枚ラン後と初期の露光部電位の差 *3 20万枚ランニング後、 ○ 感光体表面にスクラッチが認められなかった場
合 △ 局部的なスクラッチが認められた場合 × 全面スクラッチが認められた場合 *4 ○ 画像流れ、画像ぼけが認められなかった
場合 △ 局部的な画像ぼけが認められた場合 × 全面画像ぼけが認められた場合
【0063】
【発明の効果】以上、詳細かつ具体的に説明したよう
に、本発明においては導電性支持体上に少なくとも感光
層、表面保護層を順次積層した構成を持つ感光体におい
て、前記表面保護層が多孔質構造であり、その細孔に電
荷輸送物質が充填されていることから、表面保護層の残
留電位の蓄積を低減し、長期的に安定な画像が形成可能
になり、ダイヤモンド状カーボン若しくは非晶質カーボ
ン構造を有する表面保護層を有する感光体において、前
記表面保護層が多孔質構造であり、その細孔に電荷輸送
物質を充填するとしたことから、表面保護層の残留電位
の蓄積を低減し、長期的に安定な画像が形成可能にな
り、また、前記ダイヤモンド状カーボン若しくは非晶質
カーボン構造を有する表面保護層が、1〜3μmの膜厚
の膜としたことから、感光体表面の耐スクラッチ性を維
持しながら、感光体の感度がさらに向上するという効果
が発揮され、さらに、前記ダイヤモンド状カーボン若し
くは非晶質カーボン構造を有する表面保護層の構成元素
としてF、Nを含有することから、感光体表面の耐スク
ラッチ性を維持しながら、感光体の感度、残留電位の蓄
積性がさらに向上するという更に優れた効果が発揮され
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電子写真用感光体例の断面を説明する
模式図である。
【図2】本発明の別の電子写真用感光体例の断面を説明
する模式図である。
【図3】本発明のまた別の電子写真用感光体例の断面を
説明する模式図である。
【図4】本発明のさらに別の電子写真用感光体例の断面
を説明する模式図である。
【符号の説明】
1 導電性支持体 2 感光層 2a 電荷発生層(CGL) 2b 電荷輸送層(CTL) 3 保護層 4 下引層

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性支持体上に少なくとも感光層、表
    面保護層を順次積層した構成を持つ電子写真感光体にお
    いて、前記表面保護層が多孔質構造であり、その細孔に
    電荷輸送物質が充填されていることを特徴とする電子写
    真用感光体。
  2. 【請求項2】 前記表面保護層が、ダイヤモンド状カー
    ボン若しくは非晶質カーボン構造の膜よりなる請求項1
    記載の電子写真用感光体。
  3. 【請求項3】 前記ダイヤモンド状カーボン若しくは非
    晶質カーボン構造を有する表面保護層が、1〜3μmの
    膜厚である膜よりなることを特徴とする請求項2記載の
    電子写真用感光体。
  4. 【請求項4】 前記ダイヤモンド状カーボン若しくは非
    晶質カーボン構造を有する表面保護層が、構成元素とし
    てFを含有することを特徴とする請求項2又は請求項3
    記載の電子写真用感光体。
  5. 【請求項5】 前記ダイヤモンド状カーボン若しくは非
    晶質カーボン構造を有する表面保護層が、構成元素とし
    てNを含有することを特徴とする請求項2〜請求項4記
    載の電子写真用感光体。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008242453A (ja) * 2007-03-23 2008-10-09 Xerox Corp 自己組織化されパターン化されたバインダ層を有する感光体デバイス

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