JPH09100396A - 着色ポリエステル水分散体 - Google Patents

着色ポリエステル水分散体

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JPH09100396A
JPH09100396A JP26002195A JP26002195A JPH09100396A JP H09100396 A JPH09100396 A JP H09100396A JP 26002195 A JP26002195 A JP 26002195A JP 26002195 A JP26002195 A JP 26002195A JP H09100396 A JPH09100396 A JP H09100396A
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polyester resin
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郷司 前田
Tetsuo Shimomura
哲生 下村
Yasunari Hotsuta
泰業 堀田
Yozo Yamada
陽三 山田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 どのような素材に対しても、高品位な画像記
録、印字が可能であり、かつ高い信頼性と保存安定性を
両立する記録剤として有用な着色ポリエステル水系分散
体の提供。 【解決手段】 染料および/または顔料、好ましくはイ
オン性基含有ポリエステル樹脂、親水性溶剤を混合溶解
し、水を加えて乳化後に脱溶剤して着色されたポリエス
テル微小粒子を得、さらに緩凝集域にて二次凝集させ、
不定形粒子を得る。不定形粒子を分散質とし、水を主た
る成分とする媒体を分散媒とする水分散体において、分
散質濃度と分散体粘度とが下記数式(I)を満たす関係
にあることを特徴とする着色ポリエステル水分散体。 【数1】 ただし、 【数2】 〔式中、ηi は20℃における水分散体の粘度(cp
s)を、η0 は20℃における水分散媒の粘度(cp
s)を、Sは分散質濃度(実効体積比)を示す〕

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ペイント、水性塗
料、紙塗工剤、フィルム用コ−ティング剤等から各種記
録材料にまで広く用いられるポリエステル樹脂水分散体
に関する。特に、マーカー、マーキングペン等をはじめ
とする筆記具から各種印刷機やノンインパクトプリンタ
等で用いられるインク記録材料として、好適に用いるこ
とができる着色されたポリエステル樹脂の水分散体に関
する。
【0002】
【従来の技術】近年、環境問題対策があらゆる分野で求
められており、印刷機、ノンインパクトプリンタ、マー
カー等の筆記具等に用いられる記録材料やインキング材
料にも脱溶剤化、水性化が求められてきている。
【0003】かかる情況下、水性記録材料やインキング
材料として、水溶性染料の水溶液、顔料の水分散体、前
記水溶性染料の水溶液と樹脂のエマルジョンやラテック
スとの混合物等種々のものが提案されている。なかで
も、特開平6−340835号公報では、油性ないし疎
水性染料により着色されたポリエステル樹脂の水分散体
が開示され、この水分散体を用いた筆記具用インク、あ
るいは各種プリンタ用記録剤は、ニジミによる記録ドッ
トの広がりや紙の繊維に沿ったひげ状のすじ(フェザリ
ング)がない等、記録品位が良好で、高解像度の記録が
でき、記録された印字の耐水性にも優れている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながらその後の
研究で、この水分散体を用いても、織布、ウエス、布地
等のテキスタイル製品、ニット製品、紙質の悪いダンボ
ール、再生紙等には、ニジミによる記録ドットの広がり
やフェザリングが起きる等、記録品位が不十分であるこ
とが判明した。また、樹脂粒子の沈降も起き、インク等
の濃度が不均一になり、樹脂粒子濃度の高い部分では流
動性を失い、乾燥造膜に伴うペン先あるいはノズルの目
詰まり等の面でもまだ問題を残している。樹脂の粒子径
を大きくすることによる上記問題の解決法は、粒子の沈
降による不具合を生じる。
【0005】
【課題を解決するための手段】従来から種々なされてい
る樹脂粒子水分散体の検討は、重量比のみに着目されて
いるが、本発明者らの検討により、樹脂比重と併記され
ない重量比の記載はニジミ防止効果に本質的な意味を与
えるものではないことが初めて判明した。本発明者らは
さらに分散体の特性と印字品位との関係を子細に検討し
た結果、分散体の粘度と分散質の体積分率との割合を適
切に調整することによって、どのような素材に対して
も、ニジミやフェザリング等のない記録品位の優れた印
字が得られ、かつノズルの目詰まり、粒子の沈降等の従
来の諸問題を全て解決できることを初めて発見し、次な
る発明に到達した。
【0006】すなわち本発明は、(1)〜(10)の着
色ポリエステル水分散体に関する。 (1)染料および/または顔料により着色されたポリエ
ステル樹脂の微粒子を主成分とする分散質と、水を主成
分とする分散媒とを含む着色水分散体であって、該分散
体の分散質濃度と分散体粘度とが下記数式(I)を満た
す関係にあることを特徴とする着色ポリエステル水分散
体。
【0007】
【数3】
【0008】ただし
【0009】
【数4】
【0010】〔式中、ηi は20℃における水分散体の
粘度(cps)を、η0 は20℃における水分散媒の粘
度(cps)を、Sは分散質濃度(実効体積比)を示
す〕
【0011】(2)ポリエステル樹脂の粒子が、水に不
溶ないし難溶でかつ有機溶剤に可溶な疎水性染料により
着色されていることを特徴とする(1)の着色ポリエス
テル水分散体。
【0012】(3)着色ポリエステル樹脂の粒子が、非
球形であることを特徴とする(1)の着色ポリエステル
水分散体。
【0013】(4)ポリエステル樹脂が、イオン性基を
含有することを特徴とする(1)の着色ポリエステル水
分散体。
【0014】(5)イオン性基が、カルボン酸基の有機
アミン塩であることを特徴とする(4)の着色ポリエス
テル水分散体。
【0015】(6)分散質が、さらに非球形の着色され
ていない樹脂粒子を含むことを特徴とする(1)の着色
ポリエステル水分散体。
【0016】(7)非球形の着色されていない樹脂粒子
が、低級アルコール、アルキレングリコールおよびアル
カノールアミンから選ばれる少なくとも1種に対して室
温において非膨潤性であることを特徴とする(6)の着
色ポリエステル水分散体。
【0017】(8)非球形樹脂微粒子が、アルカリ膨潤
状態のシード粒子の存在下のシード乳化重合により得ら
れる微粒子の集合体状粒子であることを特徴とする
(6)の着色ポリエステル水分散体。
【0018】(9)分散質の平均粒子径が、0.01〜
1.0μmであることを特徴とする(1)の着色ポリエ
ステル水分散体。
【0019】(10)分散体が、分散体に対し20重量
%以上の分散質を含み、粘度が1.5〜30cpsであ
ることを特徴とする(1)の着色ポリエステル水分散
体。
【0020】本発明の着色ポリエステル水分散体は、分
散質と分散媒からなる水分散体である。分散質は着色さ
れたポリエステル樹脂粒子を含むことが必須である。ま
た、分散媒は水を含むことが必須である。
【0021】本発明の最も重要な必須要件は、分散質の
濃度と分散体の粘度が下記の数式(I)を満たすことで
ある。
【0022】
【数5】
【0023】ただし、
【0024】
【数6】
【0025】〔式中、ηi は20℃における分散体の粘
度(cps)を、η0 は20℃における分散媒の粘度
(cps)を、Sは分散体中の分散質の濃度(実効体積
比)を示す〕。
【0026】数式(I)において、分散質の濃度[S]
は、分散体に対する分散質の体積比である。なお分散質
が内部に空洞等を有する場合には、実効的な体積比とし
て、内部にある空洞、液泡も分散質の体積に含める。
【0027】ηi は室温20℃での分散体の粘度(cp
s)を示し、回転式B型粘度計により測定される。η0
は分散体の分散媒のみの粘度であり、上記同様、回転式
B型粘度計により測定される。
【0028】分散媒の粘度の具体的な測定としては、例
えば、分散体を超遠心等により分散質を強制沈降、除去
を行なった後の上澄み液の粘度、あるいは比重が分散媒
より小さい分散質を含む場合には、分散体を限外濾過
膜、MF膜、UF膜等を使用する濾過により、分散質を
分離した後の液体成分の粘度を測定する。さらに、分散
質と分散媒の分離が困難な場合には、分散体の成分分析
を行い判明する主要液体成分(分散媒)を用いて再調整
したものの粘度で代用しても良い。
【0029】本発明の水分散体の粘度は、20℃で1.
5〜30cpsの範囲が好ましく、さらに好ましくは
1.8〜15cps、特に好ましくは2.0〜10cp
s、最も好ましくは3.0〜6.0cpsである。
【0030】本発明では、数式(I)の値を5以上とす
ることが必要である。そうすることにより、普通紙にお
いてニジミの少ない高品位な印字、画像記録を可能とす
る。さらに再生紙等の紙質がやや落ちる紙においても、
高品位な画像記録を得ることができる。数式(I)の値
は6以上であれば好ましく、7以上であればさらに好ま
しい。また、繊維が粗く、緻密に繊維が集合していな
い、表面粗度の大きい、いわゆる紙質の落ちる紙、例え
ば、新聞紙、ダンボール紙等であっても、数式(I)の
値を8以上、さらに10以上にすることにより十分に品
位の高い印字ないしは画像記録を得ることができる。数
式(I)の上限は特に限定されないが、好ましくは10
0、さらに好ましくは80、特に好ましくは60、最も
好ましくは40である。
【0031】本発明の分散体の分散質は、主成分として
着色されたポリエステル樹脂粒子を含有する。該ポリエ
ステル樹脂は、多価カルボン酸類と多価アルコ−ル類と
の縮合により得られる。多価カルボン酸類として、ジカ
ルボン酸、多価カルボン酸が使用される。ジカルボン酸
の具体例として、例えば、テレフタル酸、イソフタル
酸、オルソフタル酸、1,5−ナフタレンジカルボン
酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、ジフェン酸等の
芳香族ジカルボン酸、p−オキシ安息香酸、p−(ヒド
ロキシエトキシ)安息香酸、ヘキサヒドロフタル酸、テ
トラヒドロフタル酸などの芳香族オキシカルボン酸、フ
ェニレンジアクリル酸等の芳香族不飽和多価カルボン
酸、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン
酸、ドデカンジカルボン酸等の脂肪族ジカルボン酸、フ
マル酸、マレイン酸、イタコン酸、メサコン酸、シトラ
コン酸等の不飽和多価カルボン酸、および、シクロヘキ
サンジカルボン酸、シクロヘキセンジカルボン酸、ダイ
マー酸等の脂環族ジカルボン酸等が挙げられる。三価以
上の多価カルボン酸として、例えば、トリメリット酸、
トリメシン酸、ピロメリット酸等が例示できる。
【0032】多価アルコ−ル類として、脂肪族多価アル
コ−ル類、脂環族多価アルコ−ル類、芳香族多価アルコ
−ル類等が例示される。脂肪族多価アルコ−ル類として
は、エチレングリコ−ル、プロピレングリコ−ル、1,
3−プロパンジオ−ル、2,3−ブタンジオ−ル、1,
4−ブタンジオ−ル、1,5−ペンタンジオ−ル、1,
6−ヘキサンジオ−ル、ネオペンチルグリコ−ル、ジメ
チロ−ルヘプタン、ジエチレングリコ−ル、ジプロピレ
ングリコ−ル、2,2,4−トリメチル−1,3−ペン
タンジオ−ル、ポリエチレングリコ−ル、ポリプロピレ
ングリコ−ル、ポリテトラメチレングリコ−ル等の脂肪
族ジオ−ル類、トリメチロ−ルエタン、トリメチロ−ル
プロパン、グリセリン、ペンタエルスリト−ル等のトリ
オ−ルおよびテトラオ−ル類等が例示される。脂環族多
価アルコ−ル類としては、1,4−シクロヘキサンジオ
−ル、1,4−シクロヘキサンジメタノ−ル、スピログ
リコ−ル、水素化ビスフェノ−ルA、水素化ビスフェノ
−ルAのエチレンオキサイド付加物およびプロピレンオ
キサイド付加物、トリシクロデカンジオ−ル、トリシク
ロデカンジメタノ−ル、ダイマージオール等が例示され
る。芳香族多価アルコ−ル類としては、パラキシレング
リコ−ル、メタキシレングリコ−ル、オルトキシレング
リコ−ル、1,4−フェニレングリコ−ル、1,4−フ
ェニレングリコ−ルのエチレンオキサイド付加物、ビス
フェノ−ルA、ビスフェノ−ルAのエチレンオキサイド
付加物およびプロピレンオキサイド付加物等が例示され
る。さらにポリエステルポリオ−ルとして、ε−カプロ
ラクトン等のラクトン類を開環重合して得られる、ラク
トン系ポリエステルポリオ−ル類等が例示される。
【0033】本発明において好ましく用いられるポリエ
ステル樹脂は、多価カルボン酸成分として芳香族ジカル
ボン酸および/または脂環族ジカルボン酸を、多価アル
コ−ル成分として脂肪族ジオ−ルおよび/または脂環族
ジオ−ルを用いて得たものである。特に、芳香族ジカル
ボン酸と脂肪族ジオールから得られるポリエステル樹
脂、および脂環族ジカルボン酸と脂肪族ジオールおよび
脂環族ジオールから得られるポリエステル樹脂を用いる
ことが好ましい。
【0034】ポリエステル樹脂は、真空重合法、減圧重
合法等の常法により得ることができる。真空重合法は、
繊維、フィルム、ポリボトル等に用いられポリエチレン
テレフタレ−ト等を重合する際に用いられる方法で、比
較的分子量の高いポリエステル樹脂を得ることができ
る。減圧重合法は、アルキド樹脂等の不飽和ポリエステ
ル樹脂を重合する際に用いられる方法であり、比較的分
子量の低いポリエステル樹脂が得られる。また、酸クロ
ライド法によって得たポリエステル樹脂も使用すること
ができる。
【0035】樹脂(ポリエステル)の吸水性を低下させ
る目的で、ポリエステル樹脂の末端に存在する極性基
(−OH)を封鎖してもよい。封鎖の目的で使用される
単官能単量体としては、例えば、安息香酸、クロロ安息
香酸、ブロモ安息香酸、パラヒドロキシ安息香酸、スル
ホ安息香酸モノアンモニウム塩、スルホ安息香酸モノナ
トリウム塩、シクロヘキシルアミノカルボニル安息香
酸、n−ドデシルアミノカルボニル安息香酸、t−ブチ
ル安息香酸、ナフタレンカルボン酸、4−メチル安息香
酸、3メチル安息香酸、サリチル酸、チオサリチル酸、
フェニル酢酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、
オクタンカルボン酸、ラウリル酸、ステアリル酸、およ
びこれらの低級アルキルエステル等のモノカルボン酸
類、あるいは脂肪族アルコ−ル、芳香族アルコ−ル、脂
環族アルコ−ル等のモノアルコ−ルを用いることができ
る。
【0036】またポリエステル樹脂には、該ポリエステ
ル樹脂粒子に分散安定性を付与する働きを有するイオン
性基を含有することが好ましい。ポリエステル樹脂に導
入されるイオン性基としては、スルホン酸アルカリ金属
塩基およびスルホン酸アンモニウム塩基等のスルホン酸
塩基、カルボン酸アルカリ金属塩基、カルボン酸アンモ
ニウム塩基およびカルボン酸アミン塩基等のカルボン酸
塩基、硫酸基、リン酸基、ホスホン酸基、ホスフィン酸
基もしくはそれらのアンモニウム塩、アルカリ金属塩等
のアニオン性基、および第1級ないし第3級アミン基等
のカチオン性基などを用いることができる。
【0037】イオン性基はイオン性基含有単量体を用い
ることにより導入できる。例えば、カチオン性基を導入
するためには、2−アミノプロパン1,3ジオ−ル、ニ
トリルモノアルカノール、ニトリルジアルカノール、ニ
トリルトリアルカノール等が好ましく用いられる。スル
ホン酸アルカリ金属塩基あるいはスルホン酸アンモニウ
ム塩基を導入するためには、スルホテレフタル酸、5−
スルホイソフタル酸、4−スルホフタル酸、4−スルホ
ナフタレン−2,7ジカルボン酸、5〔4−スルホフェ
ノキシ〕イソフタル酸、メタスルホ安息香酸等、スルホ
ン酸基を有するモノないし多価カルボン酸類のアルカリ
金属塩、アンモニウム塩等をポリエステルに共重合すれ
ばよい。スルホン酸基と塩を形成させるために使用でき
るイオンとして、Li、Na、K、等のアルカリ金属イ
オン、アルカリ土類金属イオン、アンモニウムイオン、
1級〜4級アルキルアンモニウムイオン、アルカノール
アミン等との塩が挙げられる。
【0038】上記イオン性基のうち、カルボン酸塩基が
好ましく、カルボン酸基の有機アミン塩が特に好まし
い。カルボン酸塩基を有するポリエステル樹脂は、ポリ
エステル樹脂にカルボキシル基を導入し、その後に、ア
ルカリ金属、アンモニア、有機アミン類等の塩基で中和
することによって得ることができる。カルボキシル基
は、真空重合法、減圧重合法等によってポリエステル樹
脂に導入される。真空重合法においては、例えば、ポリ
エステルの重合末期に、無水トリメリット酸、無水フタ
ル酸、無水ピロメリット酸等の多価カルボン酸無水物を
系内に導入する方法が挙げられる。また減圧重合法で得
たポリエステル樹脂は、該ポリエステル末端に残るカル
ボキシル基をそのまま利用できる。
【0039】有機アミンとして、例えば、アルキルアミ
ン、アルカノールアミン、アルキルアルカノールアミ
ン、芳香族アミン、環状アミン、アルキレンジアミン等
が挙げられる。なかでもアルカノールアミンが好まし
い。アルカノールアミンとして、例えば、モノアルカノ
ールアミン、ジアルキルモノアルカノールアミン、ジア
ルカノールアミン、モノアルキルジアルカノールアミ
ン、トリアルカノールアミン等が挙げられる。アルカノ
ールアミンのなかでも、トリアルカノールアミンが好ま
しく、2,2’,2''−ニトリルトリエタノール、トリ
プロパノールアミン、トリブタノールアミンおよびトリ
ヘキサノールアミンがさらに好ましい。
【0040】イオン性基の含有量は、ポリエステル樹脂
の20〜2000ミリ当量/1000g、好ましくは2
0〜1000ミリ当量/1000g、さらに好ましくは
50〜500ミリ当量/1000g、最も好ましくは5
0〜200ミリ当量/1000gである。イオン性基の
含有量が上記範囲より少ない場合は、所望の水分散性が
得られない場合があり、また上記範囲を越える場合は、
ポリエステル樹脂が水溶化し目的とする水分散体が得ら
れない場合がある。
【0041】また、ポリエステル樹脂に不飽和単量体を
導入し、水分散させた後に、スチレン、ジビニルベンゼ
ン、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸エステル、
メタクリル酸エステル等のビニル系モノマーにより分散
微粒子を膨潤させた後架橋させることもできる。
【0042】ポリエステル樹脂の数平均分子量は特に限
定されないが、1000〜20000の範囲が好まし
く、さらに好ましくは1500〜10000、特に好ま
しくは2000〜5000である。ポリエステル樹脂の
分子量が、上記の範囲内であると、塗膜物性に優れ、乾
燥造膜が阻害されない。
【0043】ポリエステル樹脂のガラス転移温度も特に
限定されないが、20℃以上が好ましく、さらに好まし
くは40℃以上、特に好ましくは50℃以上、最も好ま
しくは60〜80℃の範囲である。ポリエステル樹脂の
ガラス転移温度が上記の範囲内であると、乾燥塗膜は粘
着性を帯びず、乾燥造膜が阻害されない。
【0044】ポリエステル樹脂粒子の製造法は特に限定
されず、機械的方法、界面化学的な方法等公知の手法を
用いて得ることができる。例えば、ポリエステル樹脂の
溶液を、界面活性剤等の乳化剤の存在下に、水系媒体中
に、ホモジナイザーの如き高速の撹拌機により機械的に
乳化し、その後脱溶剤する方法等が挙げられる。また、
ジェットミル、フリーザーミル、ボールミル、アトライ
ター、サンドミル等により樹脂を直接粉砕する方法もあ
る。
【0045】ポリエステル樹脂がイオン性基を含有する
場合は、ポリエステル樹脂が自己乳化性を有するため、
転相自己乳化法により粒子とすることができる。このよ
うにして得たポリエステル樹脂の球形粒子を二次的に凝
集融着させることにより、デンドライト状の非球形粒子
とすることができる。
【0046】本発明におけるポリエステル樹脂微粒子の
平均粒子径は、0.01〜1.0μmの範囲にあること
が好ましく、0.03〜0.5μmの範囲がさらに好ま
しく、0.05〜0.4の範囲がなお好ましく、0.1
〜0.3μmの範囲がなおさらに好ましい。
【0047】ポリエステル樹脂粒子の粒子径は、ポリエ
ステル樹脂中に存在するイオン性基の含有量、乳化の際
のポリエステル樹脂と後述する水溶性有機化合物との
比、攪拌機の回転数、攪拌時の温度等の乳化条件により
制御することが可能である。
【0048】ポリエステル樹脂の粒子を着色する顔料と
して、例えば、C.I.Pigment Yellow
3、13、14、15、16、17および185、
C.I.Pigment Red 47、48、58、
81、95、122、184および185、C.I.P
igment Violet 23、C.I.Pigm
ent Blue 15、16、カーボンブラック類等
が好適に用いられる。
【0049】染料としては、ポリエステル樹脂粒子を堅
牢に染色しうるものであれば特に制限されるものではな
い。ポリエステル樹脂にアニオン性基が含有される場合
は、塩基性染料等のカチオン性染料で、カチオン性基が
含有される場合は、酸性染料、直接染料、反応性染料等
のアニオン性染料にて染色することができる。またポリ
エステル繊維等の染色に用いられる分散染料、油性染
料、一部のヴァット染料、反応性分散染料等も用いるこ
とができる。
【0050】酸性染料として、例えば、カラ−インデッ
クスのC.I.Acid Colorに分類される公知
の酸性染料が挙げられる。また一部C.I.Direc
tColorに分類される染料を酸性染料として用いる
こともできる。これらはアゾ系、アントラキノン系、キ
ノフタロン系、トリアリルメタン系、キサンテン系、フ
タロシアニン系などの染料骨格に1〜4個程度のアニオ
ン性基(多くはスルホン酸ナトリウム基)が導入された
ものである。好ましいプロセスカラ−用としては、例え
ば、イエロ−としてC.I.Acid Yellowの
うち、HueがGreenish Yellow、また
はBright Greenish Yellowに分
類される染料、マゼンタとしてC.I.Acid Re
dのうち、HueがBluish Red、またはBr
ight Bluish Redに分類される染料、
C.I.Acid Violetのうち、HueがRe
ddish Violet、またはBrightRed
dish Violetに分類される染料、シアンとし
てC.I.Acid Blueのうち、HueがGre
enish Blue、またはBright Gree
nish Blue、C.I.Acid Greenの
うち、HueがBluish Green、またはBr
ight Bluish Greenに分類される染料
が挙げられる。これらは、単独あるいは混合物として使
用される。
【0051】塩基性染料として、例えば、アクリジン
系、メチン系、ポリメチン系、アゾ系、アゾメチン系、
キサンテン系、チオキサンテン系、オキサジン系、チオ
キサジン系、トリアリルメタン系、シアニン系、アント
ラキノン系、フタロシアニン系等公知の塩基性染料が挙
げられる。特に、好ましいプロセスカラ−の三原色用と
しては、イエロ−としてC.I.Basic Yell
ow 11、12、13、21、23、24、33、4
0、51、54、63、71および87、マゼンタとし
てC.I.Basic Red 13、14、45、1
9、26、27、34、35、36、38、39、4
2、43、45、46、50、51、52、53、5
6、59、63、65、66および71、C.I.Ba
sic Violet 7、11、14、15、16、
18、19、20、28、29、30、33、34、3
5、36、38、39、41および44、シアンとして
C.I.Basic Blue 3、22、33、4
1、45、54、63、65、66、67、75、7
7、85、87、88、109および116が挙げられ
る。
【0052】染料としては、水に不溶ないしは難溶でか
つ有機溶剤に可溶な疏水性染料が、回収等も含めて生産
工程における取扱いが容易であるため好ましい。「水に
不溶ないしは難溶性でかつ有機溶剤に可溶である染料」
としては、油溶性染料、分散染料、および一部の建浴染
料を例示することができる。これらはカラ−インデック
スにおいて「Solvent Dye」、「Dispe
rse Dye」、「Vat Dye」に分類されるも
のである。また化学構造的に分類すると、アントラキノ
ン系染料、アゾ系染料、ジスアゾ系染料、トリアゾ系染
料、フタロシアニン系染料、インジゴ系染料、メチン系
染料、ニトロ系染料、キノフタロン系染料、キノリン系
染料、シアノメチン系染料、トリフェニルメタン系染
料、キサンテン系染料などが挙げられる。これらは、耐
光堅牢度、昇華堅牢度、色相、彩度に優れるものであ
り、プロセスカラ−用三原色として好ましいものであ
る。他に色相の微調整のために公知の染顔料を併用して
もよい。
【0053】染料は、ポリエステル樹脂に対して0.2
〜30重量%の範囲で配合され、好ましくは2〜25重
量%、さらに好ましくは5〜20重量%、最も好ましく
は10〜20重量%の範囲に配合される。染料の配合量
が上記範囲内であると、十分な着色濃度が得られると同
時に、水分散体の安定性もよい。
【0054】特に上記したイオン性の染料は、ポリエス
テル樹脂に含有されるイオン性基当量に対して1〜98
%(当量%)の範囲、好ましくは20〜90%の範囲で
使用できる。
【0055】着色ポリエステル樹脂粒子は球形であって
もよいが、好ましい形状は非球形である。非球形ポリエ
ステル樹脂粒子の平均非球形度は、1.1以上が好まし
く、さらに好ましくは1.2以上、より好ましくは1.
5以上である。
【0056】非球形度とは、粒子を平面に投影した投影
図形における面積換算円の円周長に対する投影図形の外
周長の比で定義される。面積換算円の円周長および投影
図形の外周長は、画像処理装置(東洋紡績株式会社製の
「イメージアナライザー」)により測定した値であっ
て、ランダムに選ぶ30個以上の粒子の平均値である。
【0057】ポリエステル樹脂の非球形粒子は、(1)
機械的な粉砕手段、(2)分散重合法、(3)懸濁重合
法、乳化重合法、転相(自己)乳化法等により得られた
樹脂微粒子の二次凝集等により得ることができる。二次
凝集は、例えば、懸濁重合法、乳化重合法、転相(自
己)乳化法等によって得られるポリエステル樹脂の球状
粒子を、該ポリエステル樹脂の軟化温度を若干越えた程
度の温度領域で二次凝集させ、部分的に融着させること
により得るという方法がある。二次凝集は、ポリエステ
ル樹脂粒子の緩凝集領域で行なうことが好ましい。具体
的には、ポリエステル樹脂の微粒子の水分散体に電解質
を加え、水分散体の温度を、樹脂のガラス転移温度ない
しは軟化温度近傍、それよりやや高めの温度に上昇させ
ると樹脂粒子が二次凝集される。電解質の添加量は、添
加温度域での臨界凝集濃度を越えない範囲であることが
好ましい。二次凝集により得られる粒子の形状は処理の
時間、温度、電解質の添加量等により制御可能である。
なお、上記二次凝集法は、ポリエステル樹脂粒子以外の
後述する着色されていない非球形粒子についても適用可
能である。
【0058】分散質には、着色ポリエステル樹脂粒子に
加えて着色されていない非球形樹脂粒子を添加してもよ
い。着色ポリエステル樹脂粒子が非球形である場合に
は、必ずしも非球形樹脂粒子を添加する必要はないが、
球形の場合は、非球形樹脂粒子を添加するのが好まし
い。
【0059】上記非球形樹脂粒子として、例えば、エチ
レン/(メタ)アクリル酸共重合体を主成分とし、アル
カリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン、あるいはア
ンモニウム系イオン等により部分的にイオン架橋した、
所謂、アイオノマー樹脂、エチレン/(メタ)アクリル
酸共重合体にスチレン等をグラフトさせた樹脂を主成分
とし、アルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン、
あるいはアンモニウム系イオン等により部分的にイオン
架橋されたグラフトアイオノマー樹脂、ポリエステル樹
脂、アクリル酸、メタクリル酸等のカルボキシル基を含
有するアルカリ膨潤型エマルジョンをアルカリ膨潤さ
せ、その存在下にビニルモノマーを水溶性開始剤でシー
ド重合、あるいは乳化重合して得られる樹脂等の微粒子
の集合体状粒子等が好ましく使用される。
【0060】アイオノマー樹脂の非球形粒子の水分散体
は、加熱と機械的撹拌を併用する強制機械乳化等、乳化
重合以外の方法により得ることが可能である。具体的に
は、商品名ケミパールS−100、同S−200、同S
−300、(三井石油化学社製)等を例示することがで
きる。グラフトアイオノマー樹脂の非球形粒子の水分散
体として、商品名ケミパールSA−100(三井石油化
学社製)等を例示することができる。
【0061】ポリエステル樹脂として、ジカルボン酸を
主成分とするカルボン酸類とジオール類を主成分とする
アルコール類との縮重合により得られるポリエステル樹
脂、例えば、前記した着色されたポリエステル樹脂粒子
と同様のポリエステル樹脂粒子を用いることができる。
樹脂微粒子の集合体状粒子としては、例えば、グロスデ
ール110M(三井東圧化学社製)を例示することがで
きる。
【0062】着色されていない非球形樹脂粒子は、平均
非球形度で、1.05以上が好ましく、さらに好ましく
は1.1以上、より好ましくは1.2以上、特に好まし
くは1.5以上、最も好ましくは2.0以上である。
【0063】かかる非球形樹脂粒子は、後述する分散媒
に添加してもよい水溶性有機化合物に対して非膨潤性で
あることが好ましい。「非膨潤性」とは、樹脂粒子が該
有機化合物に対して溶解しないことはもちろん、該有機
化合物を樹脂粒子の10重量%以上、好ましくは5重量
%以上吸収しないことをいう。
【0064】上記非球形粒子を構成する樹脂の比重は特
に限定されないが、好ましくは0.9〜1.3の範囲、
さらに好ましくは0.95〜1.10の範囲、特に好ま
しくは0.93〜1.00の範囲、最も好ましくは0.
94〜0.98の範囲である。
【0065】本発明で使用する非球形粒子として、数式
(II)を満足する水分散体も挙げることができる。
【0066】
【数7】
【0067】ただし
【0068】
【数8】
【0069】〔式中、ηd は20℃における分散体の粘
度(cps)を、S’は分散体中の分散質の濃度(実効
体積比)を示す〕 式(II)で示される特性は、非球形粒子の水分散体に
おいて発現する場合が多い。あるいは、粒度分布が比較
的シャープな粒子の水分散体、特に粒子径分布の標準偏
差を平均値で除した値CV値が20%以下、好ましくは
15%以下、さらに好ましくは10%以下の水分散体に
おいて発現する場合が多い。
【0070】非球形粒子の形状に特に限定はなく、上記
した範囲の非球形度をもつものが使用される。例えば、
非球形粒子の集合体形状を有する粒子、あるいはデンド
ライト状形状を有するものが好ましい。市販の粒子水分
散体の例を表1に示す。
【0071】
【表1】
【0072】なお表中の粒子濃度(体積比)は重量%と
粒子比重から算出した値である。
【0073】さらに、分散質として、顔料、無機粒子を
含んでもよい。分散質の平均粒子径は、0.01〜1μ
mの範囲が好ましい。なお本明細書では、不連続相を形
成する固体成分、および比較的高い粘度(1000cp
s以上)を有する液体成分を分散質と定義する。
【0074】分散媒は、水を必須成分とする。これに水
溶性有機化合物を加えてもよい。水溶性有機化合物とし
ては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノー
ル、イソプロパノール、ブタノ−ル等の炭素数8以下の
低級アルコール、ベンジルアルコール等の芳香族アルコ
ール、エチレングリコ−ル、プロピレングリコ−ル、ブ
チレングリコール、ジプロピレングリコ−ル、ネオペン
チルグリコール、ポリプロピレングリコ−ル、メチルセ
ロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、タ−
シャルブチルセルソルブ、ジエチレングリコール、トリ
エチレングリコール、ポリエチレングリコール等の(ポ
リ)アルキレングリコール、モノエタノールアミン、ト
リエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリイソプ
ロパノールアミン等のアルカノールアミン類、チオジグ
リコール、グリセリン、2,2',2''- ニトリルトリエ
タノール、エチレンジアミン、エチレングリコールモノ
メチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテ
ル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチ
レングリコールモノエチルエーテル、アルキレングリコ
ールモノアルキルエーテル、N−メチルピロリドン、メ
チルエチルケトン、テトラヒドロフラン、ジオキサン等
が例示される。かかる水溶性有機化合物は、水系媒体全
体の50重量%を越えない範囲で適宜添加される。
【0075】該水溶性有機化合物は、ポリエステル樹脂
がイオン性基を含有している場合、該ポリエステル樹脂
を水分散化した後に共沸等により除去できるものが好ま
しい。水溶性有機化合物の添加によって、水分散体の、
10℃以上、とりわけ5℃以上の造膜温度の低下を抑え
るという利点、また、樹脂の軟化温度あるいはガラス転
移温度以下の領域においても、粒子形状の実効的な変化
が生じさせないという利点が得られる。
【0076】分散媒として、上記水溶性有機化合物の他
にも、界面活性剤、防菌剤、香料等を含んでもよい。な
お、本明細書では、揮発成分、不揮発成分を問わず、連
続相を形成する液体成分を分散媒と定義する。
【0077】ポリエステル樹脂粒子の分散体は、着色さ
れたポリエステル樹脂粒子と水溶性有機化合物とをあら
かじめ混合後し、それに水を加える方法、着色されたポ
リエステル樹脂粒子と水溶性有機化合物と水とを一括し
て混合加熱する方法等により得ることができる。またそ
の際に界面活性剤等を併用することもできる。なかで
も、所定量のカルボキシル基を有するポリエステル樹脂
をまず重合し、該ポリエステル樹脂、染料、水溶性有機
化合物、塩基を十分に混合溶解し、その後水を添加し水
分散化し、必要に応じ、水溶性有機化合物を共沸等によ
り除去する方法が好ましい。またポリエステル樹脂粒子
の水分散体を得た後に、染料を系内に添加し高温で処理
することによっても得ることができる。
【0078】ポリエステル樹脂がイオン性基を含有する
場合、該イオン性基が媒体中で解離し、ポリエステル樹
脂粒子と水との界面に電気二重層を形成する。ポリエス
テル樹脂粒子が微細なミクロ粒子として水系内に存在す
る場合には、電気二重層の働きによりミクロ粒子間に静
電的な反発力が生じ、ミクロ粒子が水系媒体内で安定的
に分散する。
【0079】分散体とは、本明細書では、エマルジョン
あるいはコロイダルディスパ−ジョンと称される状態を
いう。
【0080】分散体中の粒子(着色ポリエステル樹脂粒
子および着色されていない樹脂粒子を始めとする分散体
内に存在する全ての粒子)の粒子径分布の下限は、分散
体の粘度上昇等の問題が生じない限り、概ね0.01μ
m程度までの範囲が許容される。しかしながら上限は、
2.0μm程度、好ましく1.5μm、さらに好ましく
は1.2μmである。即ち、粒子の好ましい粒度分布は
必ずしも正規分布ではなく、小径の粒子側にやや尾を引
いた形状が好ましく、単分散性の高い粒子は必ずしも好
ましいとは言えない。
【0081】分散体中の着色ポリエステル樹脂粒子の含
有量は、分散体の1〜50重量%であり、好ましくは1
0〜40重量%、さらに好ましくは10〜30重量%で
ある。着色されていない樹脂の非球形の粒子の量は、分
散体の0〜30重量%が好ましく、2〜20重量%がよ
り好ましく、5〜20量%が特に好ましく、5〜10重
量%が最も好ましい。着色ポリエステル樹脂粒子と着色
されていない樹脂の非球形粒子との総和は、分散体の5
0重量%以下が好ましく、さらに好ましくは10〜40
重量%、特に好ましくは15〜30重量%である。な
お、着色ポリエステル樹脂粒子の粒子径(平均粒子径な
いしは最大粒子径)は、非球形の樹脂粒子の粒子径と同
じかそれより小さいことが好ましい。
【0082】本発明の水分散体には、フッ素系、シリコ
−ン系消泡剤などを添加することができる。さらに各種
殺菌剤や防カビ剤、また必要に応じて、透明性を損なわ
ない程度に無機、有機系の顔料を添加することもでき
る。
【0083】また5〜50ppm 程度の微量のアルカリ金
属イオン、アルカリ土類金属イオンの添加は、水分散体
の粘度を低下させるために好ましい場合がある。
【0084】本発明の水分散体のpHは、4以上が好ま
しく、さらに好ましくは6以上、特に好ましく7.5以
上、最も好ましくは7.5〜9.5である。
【0085】本発明の水分散体は、最低造膜温度が40
℃以上であることが好ましく、さらに好ましくは60℃
以上、特に好ましくは70〜100℃、最も好ましくは
80〜100℃である。かかる最低造膜温度を実現する
ためには、着色ポリエステル樹脂および着色されていな
い樹脂の、ASTM D1525−70で定義されるビ
カット軟化点が40〜100であることが好ましく、さ
らに好ましくは45〜80℃であり、特に好ましくは5
0〜70℃である。また、着色されていない樹脂は、4
0℃以上のガラス転移温度をもつことが好ましく、さら
に好ましくは55℃以上である。
【0086】本発明の分散体中の着色ポリエステル粒子
のゼータ電位は特に限定されないが、20〜70mVが
好ましく、さらに好ましくは30〜60mVの範囲であ
る。
【0087】本発明の水分散体の表面張力も特に限定さ
れるものではないが、25℃において、好ましくは10
〜72dyn/cm、さらに好ましくは20〜70dy
n/cm、特に好ましくは30〜60dyn/cmであ
る。
【0088】本発明の水系媒体にはフッ素系、ないしは
シリコ−ン系の消泡剤などを添加することができる。さ
らに各種殺菌剤や防カビ剤、また必要に応じて、透明性
を損なわない程度に無機、有機系の顔料類を添加するこ
ともできる。
【0089】また5〜50ppm 程度の微量のアルカリ金
属イオン、アルカリ土類金属イオンの添加は水分散体の
粘度を低下させるために好ましい。
【0090】本発明の水分散体のpHは4以上が好まし
く、さらに好ましくは6以上、特に好ましくは7.5以
上、最も好ましくは7.5〜9.5の範囲である。
【0091】本発明では、耐光性、耐熱性向上を目的と
して紫外線吸収剤、酸化防止剤等を添加することができ
る。紫外線吸収剤、光安定剤としてはサリチレ−ト系化
合物、ベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾ−ル系
化合物等を用いることができる。金属不活性剤として
は、N−サリシロイル−N'-アルデヒドヒドラジン、N
−サリシロイル−N'-アセチルヒドラジン、N,N'-ジ
フェニル−オキサミド、N、N'-ジ(2−ヒドロキシフ
ェニル)オキサミド等を用いることができる。オゾン劣
化防止剤としては、6−エトキシ−2,2,4−トリメ
チル−1,2ジヒドロキノリン、N−フェニル−N’−
イソプロピル−p−フェニレンジアミン等を用いること
ができる。ラジカル連鎖禁止剤(一次酸化防止剤)とし
てはフェノ−ル系化合物、アミン系化合物、アスコルビ
ン酸系化合物等を用いることができる。過酸化物分解剤
(二次酸化防止剤)としては硫黄系化合物、相乗剤とし
てはクエン酸、りん酸等を用いることができる。本発明
ではベンゾトリアゾ−ル系、ベンゾフェノン系、ベンゾ
サリシレ−ト系から選択される少なくとも1種の紫外線
吸収剤を用いることが好ましい。これら酸化防止剤の配
合量は、着色ポリエステル樹脂に対して0.01〜5.
0重量%が好ましく、さらに好ましくは0.02〜1.
0重量%、特に好ましくは0.05〜0.5重量%程度
である。
【0092】〔作用〕本発明の限定条件を与える数式
(I)は、粒子の分散体の特性と印字品位間の関係を子
細に調査した結果見出された関係式であり、用いられる
粒子の粒子径をパラメータとして含まない。即ち数式
(I)は、粒子の分散体の粘度と、該分散体に含まれる
分散質の体積分率との関係を示すもので、体積分率の増
加による粘度の増加速度を特徴付ける関係式である。粒
子分散体型記録剤においては、かかる分散体が記録紙表
面に達した時点より分散媒と分散質の拡散速度の差によ
り両者の分離が始まる。これはいわゆるペーパークロマ
トグラフ的な現象と理解できる。分散媒は水を主とする
液体であるから、繊維間隙に浸透すると同時に繊維内に
も吸収される。初めのうちは分散質の一部も分散媒とと
もに繊維間隙に浸透する。しかし分散媒が繊維内に吸収
されるにともなって分散体は濃縮され、粘度は上昇し、
やがて流動性を失い、分散質の移動が停止する。分散媒
は流動性を失った分散質粒子の間隙から記録紙へと拡散
浸透を続け、同時に乾燥蒸発し、最終的に分散質は記録
紙表面近傍に固着される。以上が本発明者等の考える微
粒子分散体型記録剤におけるニジミ防止効果発現メカニ
ズムである。
【0093】ここでは、分散媒と分散質とが分離してい
き分散質濃度の上昇するのに伴う分散体粘度の上昇割合
が重要である。数式(I)の左辺の値が小さければ、分
散媒と分散質の分離が進んでも分散体の粘度上昇が緩や
かであるため、分散体の繊維間隙への浸透速度は落ち
ず、結果としてニジミが大きくなる。数式(I)の左辺
の値を十分に大きくすれば、分散媒と分散質の分離に伴
い、分散体の粘度が急激に上昇し、ニジミは生じない。
【0094】また、分散質の濃度は重量比ではなく体積
比で与えられるべきであることも同様に理解される。即
ち、分散質濃度上昇に伴う分散体の粘度上昇は、主に分
散質粒子間隙の自由度、衝突頻度に伴う現象であると理
解される。そのため重量比は本質的な意味を有さず、体
積比が本質的な意味を有するものである。
【0095】さらに本発明において特筆すべきことはか
かる特性を有する微粒子分散体型記録剤においては、同
じ量の記録剤を用いた本発明外の記録剤に比較して記録
濃度が向上することである。この事実は、記録剤が記録
紙の表面近傍に比較的多く残るためであると理解され、
本発明におけるニジミ防止効果の高さを立証する有力な
状況証拠とすることができる。
【0096】以下に実施例を示し、本発明をより具体的
に説明するが本発明はここに示す実施例に限定されるも
のではない。。 [ポリエステル樹脂の重合] 製造例1 温度計、撹拌機を備えたオ−トクレ−ブ中に、 テレフタル酸ジメチルエステル 96重量部、 イソフタル酸ジメチルエステル 92重量部、 5ナトリウムスルホイソフタル酸ジメチルエステル 6重量部、 エチレングリコ−ル 72重量部、 ネオペンチルグリコ−ル 103重量部、 テトラブトキシチタネ−ト 0.1重量部、 を仕込み、150〜220℃で180分間加熱してエス
テル交換反応を行った。次いで240℃に昇温した後、
系の圧力を徐々に減じて30分後に10mmHgとし、
90分間反応を続け共重合ポリエステル樹脂(A1)を
得た。得られた共重合ポリエステル樹脂(A1)は、平
均分子量は3100、酸価5等量/トン、ガラス転移温
度は58℃、比重は1.26、スルホン酸ナトリウム基
当量98等量/トンであった。
【0097】製造例2 温度計、撹拌機を備えたオ−トクレ−ブ中に、 シクロヘキサンジカルボン酸ジメチルエステル 196重量部、 エチレングリコ−ル 102重量部、 トリシクロデカンジメタノール 99重量部、 テトラブトキシチタネ−ト 0.1重量部、 を仕込み、150〜220℃で180分間加熱してエス
テル交換反応を行った。次いで240℃に昇温した後、
系の圧力を徐々に減じて30分後に10mmHgとし、
120分間反応を続けた。その後オ−トクレ−ブ中を窒
素ガスで置換し、大気圧とし、温度を200℃に保ち、 無水トリメリット酸 4重量部 を加え、60分間反応を行い、共重合ポリエステル樹脂
(A2)を得た。得られた共重合ポリエステル樹脂(A
2)は、平均分子量は3500、酸価214当量/ト
ン、ガラス転移温度は70℃、比重は1.18であっ
た。
【0098】製造例3 温度計、撹拌機を備えたオ−トクレ−ブ中に、 テレフタル酸ジメチルエステル 75重量部、 イソフタル酸ジメチルエステル 75重量部、 4−シクロヘキセン−1,2ジカルボン酸 50重量部、 5ナトリウムスルホイソフタル酸ジメチルエステル 10重量部、 エチレングリコ−ル 120重量部、 ネオペンチルグリコ−ル 103重量部、 テトラブトキシチタネ−ト 0.1重量部、 を仕込み、150〜220℃で180分間加熱してエス
テル交換反応を行った。次いで240℃に昇温した後、
系の圧力を徐々に減じて30分後に10mmHgとし、
90分間反応を続け共重合ポリエステル樹脂(A3)を
得た。得られた共重合ポリエステル樹脂(A3)は、平
均分子量は3000、酸価5当量/トン、ガラス転移温
度は58℃、比重は1.23、スルホン酸ナトリウム基
当量165当量/トンであった。
【0099】製造例4 温度計、コンデンサ−、撹拌羽根を備えた四つ口の10
リットルセパラブルフラスコにポリエステル樹脂(A
1)200重量部、メチルエチルケトン100重量部、
テトラハイドロフラン50重量部、染料としてT−77
(油性染料)[保土ヶ谷化学製]14重量部を仕込み7
0℃にて溶解した。次いで70℃のイオン交換水500
重量部を加え、水分散化した後、蒸留用フラスコにて留
分温度が103℃に達するまで蒸留し、黒色に着色され
た着色ポリエステル水分散体(B1)を得た。染料T−
77は通常は電子写真用トナーのCCAとして用いられ
る含Fe錯体系の色素である。得られたポリエステル水
分散体(B1)中に存在する微分散粒子の平均粒子径は
0.16μm、ポリエステル粒子のゼ−タ電位は−48
mV、SEM観察による粒子形状は実質的に球形であっ
た。着色ポリエステル樹脂粒子の形状、粒子径および非
球形度、および参考のため水分散体(B1)の数式
(I)の左辺の値を表2に示す。
【0100】製造例5 温度計、コンデンサ−、撹拌羽根を備えた四つ口の10
リットルセパラブルフラスコにポリエステル樹脂(A
2)200重量部、メチルエチルケトン200重量部、
テトラハイドロフラン100重量部、染料としてT−7
7(油性染料)[保土ヶ谷化学]14重量部を仕込み、
70℃にて溶解した。次いで塩基として2,2',2''-
ニトリルトリエタノール6重量部を加えた後、70℃の
イオン交換水500重量部を加え、水分散化した後、蒸
留用フラスコにて留分温度が103℃に達するまで蒸留
し、冷却後に水を加え、固形分濃度を25%の着色ポリ
エステル水分散体(B2)を得た。得られたポリエステ
ル水分散体(B2)に存在する微分散粒子の平均粒子径
は、0.18μm、ポリエステル粒子のゼ−タ電位は−
53mV、SEM観察による粒子形状は実質的に球形で
あった。着色ポリエステル樹脂粒子の形状、粒子径およ
び非球形度、および参考のため水分散体(B2)の数式
(I)の左辺の値を表2に示す。
【0101】製造例6 温度計、コンデンサ−、撹拌羽根を備えた四つ口の10
リットルセパラブルフラスコにポリエステル樹脂(A
3)200重量部、メチルエチルケトン100重量部、
テトラハイドロフラン50重量部、染料としてT−77
(油性染料)[保土ヶ谷化学製]14重量部を仕込み、
70℃にて溶解した。次いで70℃のイオン交換水50
0重量部を加え、水分散化した後、蒸留用フラスコにて
留分温度が103℃に達するまで蒸留し、黒色に着色さ
れた着色ポリエステル水分散体(B3)を得た。得られ
たポリエステル水分散体(B3)に存在する微分散粒子
の平均粒子径は、0.07μm、ポリエステル粒子のゼ
−タ電位は−51mV、SEM観察による粒子形状は実
質的に球形であった。着色ポリエステル樹脂粒子の形
状、粒子径および非球形度、および参考のため水分散体
(B3)の数式(I)の左辺の値を表2に示す。
【0102】製造例7 不揮発分を25wt%となるように調整した着色ポリエス
テル樹脂粒子水分散体(B3)1000重量部を、65
℃に加熱して撹拌した。次いでジメチルアミノエチルメ
タクリレート31.4重量部を水31.4重量部ととも
に加え、さらに30分間撹拌を続けた後、氷を入れて室
温まで冷却した。次いで人工腎臓モジュールAKH[東
洋紡績製]を用いて透析液の導電率が0.1mS/cm
以下になるまで透析洗浄を行い、不揮発分濃度30重量
%にまで濃縮し、着色ポリエステル水分散体(B4)を
得た。得られたポリエステル水分散体(B4)に存在す
る微分散粒子の平均粒子径は、0.22μm、ポリエス
テル粒子のゼ−タ電位は−53mV、SEM観察による
粒子形状は一次粒子が、樹枝状に凝集し融着しかけたデ
ンドライト状形状であった。得られたSEM写真を画像
処理装置「イメージアナライザーV10(東洋紡績
(株)製」にて解析して求めた平均非球形度は、3.4
であった。ここに非球形度は、粒子を平面に投影した投
影図形における面積換算円の円周長に対する投影図形の
外周長の比である。着色ポリエステル樹脂粒子の形状、
粒子径および非球形度、および参考のため水分散体(B
4)の数式(I)の左辺の値を表2に示す。
【0103】製造例8 ジメチルアミノエチルメタクリレート添加前の温度を8
0℃にした以外は製造例7と同様に操作し、デンドライ
ト形状の非球形ポリエステル樹脂粒子水分散体(B5)
を得た。着色ポリエステル樹脂粒子の形状、粒子径およ
び非球形度、および参考のため水分散体(B4)の数式
(I)の左辺の値を表2に示す。
【0104】
【表2】
【0105】実施例1 下記構成となるように混合調製し、水分散体を得た。 水分散体(1) 着色ポリエステル微粒子(B1) (不揮発分換算)20重量% 非球形粒子(B4)(着色している) (不揮発分換算)5重量% グリセリン 5重量% 水 70重量% 水分散体(1)の粘度は4.2センチポイズ、表面張力
は52dyn/cmに調整した。また以下に示す実施
例、比較例においても一定条件下にて比較できるよう、
水分散体表面張力は49〜53dyn/cmの範囲に入
るよう調整した。分散媒はグリセリン/水=5/70
(重量比)からなる混合液体であり、粘度は1.7セン
チポイズであった。分散質濃度は体積比で0.210
(21.0容量%)であった。なお、この数値は水分散
体の各構成成分の比重と重量%から求めた計算値であ
る。表3に、水分散体粘度、分散媒粘度、分散質濃度、
および数式(I)の左辺の値を示す。
【0106】得られた水分散体(1)の記録品位、ニジ
ミ幅、耐水性を以下のようにして評価した。
【0107】記録品位 水分散体(1)を用いて烏口にて、再生紙に幅0.3m
mの線を罫がき、記録品位を目視評価した。 品位(目視):1線長1cmあたりのヒゲ状ノイズ(フ
ェザリング) ◎:1本未満 ○:1〜2本 △:2〜4本 ×:4本以上
【0108】ニジミ幅 書道用半紙に水分散体(1)を用いて烏口にて0.3m
mの線を罫がきし、本来の線幅と実際に罫かれた線幅よ
り線の太りを求め、ニジミ幅とした。
【0109】耐水性 罫書を行なった紙をイオン交換水に5分間浸し、色材の
ニジミだしの有無をもって耐水性を評価した。 耐水性(目視) ○:色成分のニジミだしが全くない △:色成分が一部ニジミでるが、記録紙の記録は残存す
る(文字の判読可能)。 ×:色成分がニジミ出し、記録紙上の記録が欠落する
(文字の判読ができなくなる) 結果を表3に示す。
【0110】実施例2〜8 実施例1と同様にして、表3に示す組成比の水分散体得
た。得られた水分散体の評価を実施例1と同様に行なっ
た。結果を表3に示す。なお表3中「S−100」はケ
ミパールS−100[三井石油化学]、「G−110
M」はグロスデール110M[三井東圧化学]を示す。
【0111】
【表3】
【0112】比較例1〜4 実施例1と同様にして、表4に示す組成比の水分散体を
得た。得られた水分散体の評価を実施例1と同様に行な
った。結果を表4に示す。
【0113】比較例5 下記組成の水分散体を調製し、実施例1と同様の評価を
行なった。結果を表4に示す。 水溶性染料 C.I.Direct Blue 86 精製品 2重量% グリセリン 5重量% 水 93重量% 染料の精製操作は主に無機不純物である硫酸ナトリウム
の除去を意味する。上記水分散体は樹脂粒子を含まな
い、いわゆる典型的な水溶性染料型記録剤である。
【0114】比較例6 下記組成の水分散体を調製し、実施例1と同様の評価を
行なった。結果を表4に示す。 水溶性染料 C.I.Direct Blue 86 精製品 2重量% エチレングリコール 5重量% ケミパールS−100 5重量% 水 88重量%
【0115】
【表4】
【0116】
【発明の効果】以上述べてたように、本発明の着色ポリ
エステル樹脂粒子水分散体は、どのような素材に対して
も記録品位が良好で、高解像度の記録ができる。従って
筆記具から各種ノンインパクトプリンター、グラビア印
刷、フレキソ印刷、オフセット印刷等に広く用いること
ができるものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山田 陽三 滋賀県大津市堅田二丁目1番1号 東洋紡 績株式会社総合研究所内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】染料および/または顔料により着色された
    ポリエステル樹脂の微粒子を主成分とする分散質と、水
    を主成分とする分散媒とを含む着色水分散体であって、
    該分散体の分散質濃度と分散体粘度とが下記数式(I)
    を満たす関係にあることを特徴とする着色ポリエステル
    水分散体。 【数1】 ただし 【数2】 〔式中、ηi は20℃における水分散体の粘度(cp
    s)を、η0 は20℃における水分散媒の粘度(cp
    s)を、Sは分散質濃度(実効体積比)を示す〕
  2. 【請求項2】ポリエステル樹脂の粒子が、水に不溶ない
    し難溶でかつ有機溶剤に可溶な疎水性染料により着色さ
    れていることを特徴とする請求項1記載の着色ポリエス
    テル水分散体。
  3. 【請求項3】着色ポリエステル樹脂の粒子が、非球形で
    あることを特徴とする請求項1記載の着色ポリエステル
    水分散体。
  4. 【請求項4】ポリエステル樹脂が、イオン性基を含有す
    ることを特徴とする請求項1記載の着色ポリエステル水
    分散体。
  5. 【請求項5】イオン性基が、カルボン酸基の有機アミン
    塩であることを特徴とする請求項4記載の着色ポリエス
    テル水分散体。
  6. 【請求項6】分散質が、さらに非球形の着色されていな
    い樹脂粒子を含むことを特徴とする請求項1記載の着色
    ポリエステル水分散体。
  7. 【請求項7】非球形の着色されていない樹脂粒子が、低
    級アルコール、アルキレングリコールおよびアルカノー
    ルアミンから選ばれる少なくとも1種に対して室温にお
    いて非膨潤性であることを特徴とする請求項6記載の着
    色ポリエステル水分散体。
  8. 【請求項8】非球形の着色されていない樹脂粒子が、ア
    ルカリ膨潤状態のシード粒子の存在下のシード乳化重合
    により得られる微粒子の集合体状粒子であることを特徴
    とする請求項6記載の着色ポリエステル水分散体。
  9. 【請求項9】分散質の平均粒子径が、0.01〜1.0
    μmであることを特徴とする請求項1記載の着色ポリエ
    ステル水分散体。
  10. 【請求項10】分散体が、分散体に対し20重量%以上
    の分散質を含み、粘度が1.5〜30cpsであること
    を特徴とする請求項1記載の着色ポリエステル水分散
    体。
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