JPH06340835A - インクジェットプリンタ用インク - Google Patents

インクジェットプリンタ用インク

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JPH06340835A
JPH06340835A JP13182693A JP13182693A JPH06340835A JP H06340835 A JPH06340835 A JP H06340835A JP 13182693 A JP13182693 A JP 13182693A JP 13182693 A JP13182693 A JP 13182693A JP H06340835 A JPH06340835 A JP H06340835A
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ink
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mol
water
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Tetsuo Shimomura
哲生 下村
Satoshi Maeda
郷司 前田
Yozo Yamada
陽三 山田
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、記録紙上でのインクの滲みを無く
し、かつ、極めて良好な画像濃度を得ることの可能なイ
ンクジェット用プリンタのインクを提供するものであ
る。 【構成】 染料または顔料によって着色された、20〜
1000eq/tonの範囲でイオン性基を含有するポ
リエステル粒子を分散質とする水分散体であることを特
徴とするインクジェットプリンタ用インクである。 【効果】 本発明により、インクジェットプリンタにお
いて、記録紙上のインクの滲みが全く無くかつ、極めて
良好な画像濃度が得られるようになった。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、出力装置に関するもの
であ、特に、インクジェットプリンタ用のインクに関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】コンピュータ等の情報機器の出力装置と
してはドットマトリックスプリンタ、熱転写プリンタ、
レーザープリンタ等様々な方式があり、その中で最近、
ランニングコストが安く、高精細でかつカラー化が容易
な方式としてインクジェット方式が注目されている。イ
ンクジェットプリンタ用のインクとしては、従来染料水
溶液が使用されてきたが、ノズルから飛ばされたインク
が記録紙に付着したとき、インクが記録紙で滲み、飛ば
されたときに形成したインク粒よりも大きなドットとな
ってしまったり、記録された画像の耐水性に問題があっ
た。
【0003】従来、この様なインクジェット用インクで
は、それら問題を解決するために多くのアイディアが提
案されてきた。(a) 水溶性染料を水と有機溶媒の混合溶
剤に溶解し、染料の濃度を5wt%以下とし、有機溶剤の
添加料を3〜30%の範囲としたもの(特開昭62-12416
6 )(b) インク中に特定のジエーテル化合物を添加した
もの(特開昭62-32159)(c) 界面活性物質を吸着樹脂に
よって除去した水溶性直接染料、または酸性染料を使用
するもの(特開昭60-49070)(d) インク中に染料及び造
膜させるためのエマルジョンを添加したもの(特開平4-
18462 )(e) 染料によって染色された乳化重合または分
散重合粒子を用いるもの(特開平3-250069)等が提案さ
れている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前述のインク(a)〜
(d) は、記録紙上でインクの滲みをある程度は低減させ
るが、記録紙繊維への毛細管現象によるインクの滲みを
完全に防ぐことは不可能であった。一方、前述の(e) の
方式は、染色された重合粒子を用いている為に、滲みは
発生しないが、該方式で得られた粒子は、粒子の安定性
が悪く長時間放置すると染料が析出沈降したり、粒子表
面に浮き出してしまう。さらに、高濃度に染色すること
が難しい為、十分な画像濃度が得られない。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、記録紙上での
インクの滲みを無くし、かつ、極めて良好な画像濃度を
得ることの可能なインクジェット用プリンタのインクを
提供するものである。即ち本発明は、染料または顔料に
よって着色された、20〜1000eq/tonの範囲
でイオン性基を含有するポリエステル粒子を分散質とす
る水系分散体であることを特徴とするインクジェットプ
リンタ用インクである。
【0006】本発明は、高い画像濃度を得るという課題
に対して、染色が容易であるポリエステルを着色粒子と
して用いることによって解決をした。また、該ポリエス
テルは、粒子分散体であるために、記録紙に付着した場
合、滲みも少なくする効果もある。本発明に用いられ
る、ポリエステル着色粒子は、粒子分散状態であること
が好ましいが、より好ましくは、粒径が1ミクロン以下
が良い。さらに本発明ポリエステル着色粒子に用いられ
るポリエステル樹脂は、多価カルボン酸類と多価アルコ
−ル類からなる。ポリエステル樹脂に用いられる多価カ
ルボン酸類としては、例えば、テレフタル酸、イソフタ
ル酸、オルソフタル酸、1,5−ナフタルレンジカルボ
ン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、ジフェン酸、
スルホテレフタル酸、5−スルホイソフタル酸、4−ス
ルホフタル酸、4−スルホナフタレン−2,7ジカルボ
ン酸、5〔4−スルホフェノキシ〕イソフタル酸、スル
ホテレフタル酸、およびまたはそれらの金属塩、アンモ
ニウム塩などの芳香族ジカルボン酸、p−オキシ安息香
酸、p−(ヒドロキシエトキシ)安息香酸などの芳香族
オキシカルボン酸、コハク酸、アジピン酸、アゼライン
酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸等の脂肪族ジカ
ルボン酸、フマ−ル酸、マレイン酸、イタコン酸、ヘキ
サヒドロフタル酸、テトラヒドロフタル酸、等の不飽和
脂肪族、および、脂環族ジカルボン酸等を、また多価カ
ルボン酸としては他にトリメリット酸、トリメシン酸、
ピロメリット酸等の三価以上の多価カルボン酸等を例示
できる。
【0007】ポリエステル樹脂に用いられる多価アルコ
−ル類としては脂肪族多価アルコ−ル類、脂環族多価ア
ルコ−ル類、芳香族多価アルコ−ル類等を例示できる。
脂肪族多価アルコ−ル類としては、エチレングリコ−
ル、プロピレングリコ−ル、1,3−プロパンジオ−
ル、2,3−ブタンジオ−ル、1,4−ブタンジオ−
ル、1,5−ペンタンジオ−ル、1,6−ヘキサンジオ
−ル、ネオペンチルグリコ−ル、ジエチレングリコ−
ル、ジプロピレングリコ−ル、2,2,4−トリメチル
−1,3−ペンタンジオ−ル、ポリエチレングリコ−
ル、ポリプロピレングリコ−ル、ポリテトラメチレング
リコ−ル等の脂肪族ジオ−ル類、トリメチロ−ルエタ
ン、トリメチロ−ルプロパン、グリセリン、ペンタエル
スリト−ル等のトリオ−ルおよびテトラオ−ル類等を例
示できる。
【0008】脂環族多価アルコ−ル類としては1,4−
シクロヘキサンジオ−ル、1,4−シクロヘキサンジメ
タノ−ル、スピログリコ−ル、水素化ビスフェノ−ル
A、水素化ビスフェノ−ルAのエチレンオキサイド付加
物およびプロピレンオキサイド付加物、トリシクロデカ
ンジオ−ル、トリシクロデカンジメタノ−ル等を例示で
きる。芳香族多価アルコ−ル類としてはパラキシレング
リコ−ル、メタキシレングリコ−ル、オルトキシレング
リコ−ル、1,4−フェニレングリコ−ル、1,4−フ
ェニレングリコ−ルのエチレンオキサイド付加物、ビス
フェノ−ルA、ビスフェノ−ルAのエチレンオキサイド
付加物およびプロピレンオキサイド付加物等を例示でき
る。
【0009】さらにポリエステルポリオ−ルとして、ε
−カプロラクトン等のラクトン類を開環重合して得られ
る、ラクトン系ポリエステルポリオ−ル類等を例示する
ことができる。これらの他、ポリエステル高分子末端の
極性基を封鎖する目的にて単官能単量体がポリエステル
に導入される場合がある。単官能単量体としては、安息
香酸、クロロ安息香酸、ブロモ安息香酸、パラヒドロキ
シ安息香酸、スルホ安息香酸モノアンモニウム塩、スル
ホ安息香酸モノナトリウム塩、シクロヘキシルアミノカ
ルボニル安息香酸、n-ドデシルアミノカルボニル安息香
酸、タ−シャルブチル安息香酸、ナフタレンカルボン
酸、4−メチル安息香酸、3メチル安息香酸、サリチル
酸、チオサリチル酸、フェニル酢酸、酢酸、プロピオン
酸、酪酸、イソ酪酸、オクタンカルボン酸、ラウリル
酸、ステアリル酸、およびこれらの低級アルキルエステ
ル、等のモノカルボン酸類、あるいは脂肪族アルコ−
ル、芳香族アルコ−ル、脂環族アルコ−ル等のモノアル
コ−ルを用いることができる。
【0010】本発明においてはこれらのうち不飽和単量
体をその他成分として用いてもよく、他の成分はポリエ
ステル樹脂のガラス転移温度、モノマ−との相溶性、等
により適宜選択される。
【0011】ポリエステルに導入されるイオン性基とし
ては、スルホン酸アルカリ金属塩基あるいはスルホン酸
アンモニウム塩基を有するモノあるいはジカルボン酸等
を好ましく用いることができるほか、例えばカルボン酸
アルカリ金属塩基あるいはカルボン酸アンモニウム塩基
を有する単量体、硫酸基、リン酸基、ホスホン酸基、ホ
スフィン酸基もしくはそれらのアンモニウム塩、金属塩
等のアニオン性基、または第1級ないし第3級アミン基
等のカチオン性基単量体などをもちいることができる。
【0012】カルボン酸アルカリ金属塩基あるいはカル
ボン酸アンモニウム塩基を導入する場合には、ポリエス
テルの重合末期にトリメリット酸等の多価カルボン酸を
系内に導入することにより高分子末端にカルボキシル基
を付加し、さらにこれをアンモニア、水酸化ナトリウム
等にて中和することによりカルボン酸塩の基に交換する
方法を用いることができる。また、スルホン酸アルカリ
金属塩基あるいはスルホン酸アンモニウム塩基を有する
モノあるいはジカルボン酸を含有することによりこれら
のイオン性基をポリエステル樹脂に導入することができ
る。塩としてはアンモニウム系イオン、Li、Na、
K、Mg、Ca、Cu、Fe等の塩があげられ、特に好
ましいものはK塩またはNa塩である。本発明では5−
ナトリウムスルホイソフタル酸、あるいはメタナトリウ
ムスルホ安息香酸を用いることが好ましい。
【0013】本発明におけるポリエステル樹脂のより具
体的な例として、以下に示される。 a)芳香族系単量体を80mol%以上含有する多価カルボン
酸類、と、 b)エチレングリコ−ル0〜90mol%、プロピレングリコ
−ル100〜10mol%とから得られるポリエステル樹
脂、または a)芳香族系単量体を80mol%以上含有する多価カルボン
酸類、と、 b)2,3−ブタンジオ−ル5〜80mol%、エチレングリ
コ−ル20〜95mol%とから得られるポリエステル樹
脂、または a)芳香族系単量体を80mol%以上含有する多価カルボン
酸類、と、 b)C2 〜C4 の脂肪族系グリコ−ル類70〜95mol%、 c)トリシクロデカン骨格を有するモノand/or多価アルコ
−ル類5〜30mol%とから得られるポリエステル樹脂、
または a)芳香族系単量体を80mol%以上含有する多価カルボン
酸類、と、 b)C2 〜C4 の脂肪族系グリコ−ル類70〜95mol%、 c)ヒドロキシメチルトリシクロデカン5〜30mol%とか
ら得られるポリエステル樹脂、または
【0014】a)芳香族系単量体を80mol%以上含有する
多価カルボン酸類、と、 b)C2 〜C4 の脂肪族系グリコ−ル類70〜95mol%、 c)トリシクロデカンジメタノ−ル5〜30mol%とから得
られるポリエステル樹脂、または a)芳香族系単量体を80mol%以上含有する多価カルボン
酸類、と、 b)C2 〜C4 の脂肪族系グリコ−ル類70〜95mol%、 c)シクロヘキサン骨格を有するモノand/or多価アルコ−
ル類5〜30mol%とから得られるポリエステル樹脂、ま
たは a)芳香族系単量体を80mol%以上含有する多価カルボン
酸類、と、 b)C2 〜C4 の脂肪族系グリコ−ル類70〜95mol%、 c)シクロヘキサンジオ−ル5〜30mol%とから得られる
ポリエステル樹脂、または a)芳香族系単量体を80mol%以上含有する多価カルボン
酸類、と、 b)C2 〜C4 の脂肪族系グリコ−ル類70〜95mol%、 c)水添ビフェノ−ル5〜30mol%とから得られるポリエ
ステル樹脂、または
【0015】a)芳香族系単量体を80mol%以上含有する
多価カルボン酸類、と、 b)C2 〜C4 の脂肪族系グリコ−ル類70〜95mol%、 c)水添ビスフェノ−ルA5〜30mol%とから得られるポ
リエステル樹脂、または a)ナフタレン骨格を有するモノand/or二価以上のカルボ
ン酸1〜20mol%を含む芳香族系単量体を80mol%以上
含有する多価カルボン酸類、と、 b)C2 〜C4 の脂肪族系グリコ−ル類70〜100mol
%、 c)脂環族系単量体0〜30mol%を含有する多価アルコ−
ル類、とから得られるポリエステル樹脂等を例示するこ
とができる。 さらに、ここに示される、「a)芳香族系単量体」はテレ
フタル酸あるいはイソフタル酸であることが好ましい。
テレフタル酸とイソフタル酸の比率は、テレフタル酸含
有率/イソフタル酸含有率=90〜40/10〜60
[mol%]が好ましく、さらに、テレフタル酸含有率/イ
ソフタル酸含有率=80〜50/20〜50[mol%]、
またさらにテレフタル酸含有率/イソフタル酸含有率=
85〜60/15〜40[mol%]が好ましい。
【0016】イオン性基含有単量体をポリエステル樹脂
に導入し、ポリエステル樹脂にイオン性基を与えた場
合、ポリエステル樹脂が水分散性を発現する。イオン性
基含有単量体としては前述したスルホン酸アルカリ金属
塩基あるいはスルホン酸アンモニウム塩基を有するモノ
あるいはジカルボン酸等を好ましく用いることができる
ほか、例えばカルボン酸アルカリ金属塩基あるいはカル
ボン酸アンモニウム塩基を有する単量体、硫酸基、リン
酸基、ホスホン酸基、ホスフィン酸基もしくはそれらの
アンモニウム塩、金属塩等のアニオン性基、または第1
級ないし第3級アミン基等のカチオン性基単量体などを
もちいることができる。カルボン酸アルカリ金属塩基あ
るいはカルボン酸アンモニウム塩基を導入する場合に
は、ポリエステルの重合末期にトリメリット酸等の多価
カルボン酸を系内に導入することにより高分子末端にカ
ルボキシル基を付加し、さらにこれをアンモニア、水酸
化ナトリウム等にて中和することによりカルボン酸塩の
基に交換する方法を用いることができる。
【0017】なおこれらカルボン酸アルカリ金属塩基あ
るいはカルボン酸アンモニウム塩基は前述の「酸価」に
は含めない(酸価とはカルボキシル基価であり、カルボ
ン酸塩は含めない)これらイオン性基の含有量は、スル
ホン酸基およびまたはその塩の基をふくめ、該ポリエス
テル樹脂に対し、10〜1000m当量/1000g、
好ましくは20〜500m当量/1000g、なお好ま
しくは50〜200m当量/1000g、である。イオ
ン性基の含有量が所定の量より少ない場合には十分なる
水分散性が得られない。
【0018】染料としては「常温にて水に不溶の染料」
を用いることが好ましい。これらは一般に分散染料、あ
るいは油溶性染料に分類されるものである。より具体的
には、 ・C.I.Disperse Yellow 198 ・C.I.Disperse Yellow 42 ・C.I.Disperse Red 92 ・C.I.Disperse Violet 26 ・C.I.Disperse Violet 35 ・C.I.Disperse Blue 60 ・C.I.Disperse Blue 87 から選択される少なくとも1種の染料が好ましく用いら
れる。これらは特に耐光堅牢度、昇華堅牢度、色相、彩
度に優れるものであり、プロセスカラ−用三原色として
好ましいものである。他に色相の微調整のために公知の
染顔料を併用してもよい。
【0019】染料をポリエステル樹脂に含有させる方法
としては高温分散染色法を用いることができる。染料原
体を樹脂に直接練り込む方法は、加熱による染料のダメ
−ジを考慮したばあいに好ましい方法ではない。本発明
のポリエステル樹脂はイオン性基の作用により水中にて
良好なる安定分散性を示すため、粒子状を保持したまま
高濃度な染色が可能である。本発明のインクジェットプ
リンタ用インクは、水中に分散された着色ポリエステル
粒子を、1〜50wt%で含まれる。また、本発明インク
ジェットプリンタ用インクは、着色ポリエステル粒子の
他に、必要に応じて、分散剤、分散安定助剤である、界
面活性剤や高分子分散安定剤を添加しても良い。また、
粒子の湿潤性を高めるために、エチレングリコール、グ
リセリン、各種多価アルコール類を添加しても良い。更
に、インク中に混入する金属イオンを封鎖するために、
各種キレート化剤等を添加しても良い。さらに、インク
の保存安定性を向上するために、各種殺菌剤や防カビ
剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤等も添加しても良い。
【0020】
【実施例1】 (ポリエステル樹脂の合成) 温度計、撹拌機を備えたオ−トクレ−ブ中に、 ジメチルテレフタレ−ト 130重量部、 ジメチルイソフタレ−ト 56重量部、 無水トリメリット酸 8重量部、 エチレングリコ−ル 159重量部、 トリシクロデカンジメタノール 30重量部、 テトラブトキシチタネ−ト 0.1重量部、 を仕込み180〜230℃で120分間加熱してエステ
ル交換反応を行った。ついで反応系を240℃まで昇温
し、系の圧力1〜10mmHgとして60分間反応を続
けた結果、共重合ポリエステル樹脂を得た。次に、得ら
れたポリエステル樹脂340重量部、メチルエチルケト
ン150重量部、テトラヒドロフラン140重量部、染
料 C.I.Disperse Blue 87 のコ
ンクケ−キ 30重量部を80℃にて溶解した後80℃
の水680部を添加し、粒子径約0.15μmの共重合
ポリエステル樹脂の水系ミクロ分散体を得た。さらに得
られた水系ミクロ分散体を蒸留用フラスコに入れ、留分
温度が100℃に達するまで蒸留し、冷却後に水を加え
固形分濃度を30%とした。以下、染料を、 ・C.I.Disperse Yellow 198 ・C.I.Disperse Red 92 に代えて同様に染色し、水系ミクロ分散体を得た。
【0021】この様にして得た水系ミクロ分散体をイン
クジェットプリンター(EPSONHGー4000)の
インクとして使用した。使用した紙は、インクジェット
用としての加工のされていないものを使用した。その結
果、本発明によるインクを用いた場合インクの滲みは全
く無かった。また得られた画像の濃度は極めて高く、鮮
明な画像であった。また製作した水系ミクロ分散体は、
室温で3カ月以上放置しても沈澱物の発生や、染料の析
出等は発生せず極めて良好な安定性を示した。これに対
してスチレン重合体を乳化重合して製作した後染色した
分散体は、その着色濃度も低く、さらに分散体の安定性
が悪く室温で3カ月以上放置した場合、染料の析出が見
られた。
【0022】
【発明の効果】本発明により、インクジェットプリンタ
を用いたプリントにおいて、記録紙上のインクの滲みが
全く無くかつ、極めて良好な画像濃度が得られるように
なった。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年9月2日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 インクジェットプリンタ用インク
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、出力装置に関するもの
であ、特に、インクジェットプリンタ用のインクに関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】コンピュータ等の情報機器の出力装置と
してはドットマトリックスプリンタ、熱転写プリンタ、
レーザープリンタ等様々な方式があり、その中で最近、
ランニングコストが安く、高精細でかつカラー化が容易
な方式としてインクジェット方式が注目されている。イ
ンクジェットプリンタ用のインクとしては、従来染料水
溶液が使用されてきたが、ノズルから飛ばされたインク
が記録紙に付着したとき、インクが記録紙で滲み、飛ば
されたときに形成したインク粒よりも大きなドットとな
ってしまったり、記録された画像の耐水性に問題があっ
た。
【0003】従来、この様なインクジェット用インクで
は、それら問題を解決するために多くのアイディアが提
案されてきた。(a) 水溶性染料を水と有機溶媒の混合溶
剤に溶解し、染料の濃度を5wt%以下とし、有機溶剤の
添加料を3〜30%の範囲としたもの(特開昭62-12416
6 )(b) インク中に特定のジエーテル化合物を添加した
もの(特開昭62-32159)(c) 界面活性物質を吸着樹脂に
よって除去した水溶性直接染料、または酸性染料を使用
するもの(特開昭60-49070)(d) インク中に染料及び造
膜させるためのエマルジョンを添加したもの(特開平4-
18462 )(e) 染料によって染色された乳化重合または分
散重合粒子を用いるもの(特開平3-250069)等が提案さ
れている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前述のインク(a)〜
(d) は、記録紙上でインクの滲みをある程度は低減させ
るが、記録紙繊維への毛細管現象によるインクの滲みを
完全に防ぐことは不可能であった。一方、前述の(e) の
方式は、染色された重合粒子を用いている為に、滲みは
発生しないが、該方式で得られた粒子は、粒子の安定性
が悪く長時間放置すると染料が析出沈降したり、粒子表
面に浮き出してしまう。さらに、高濃度に染色すること
が難しい為、十分な画像濃度が得られない。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、記録紙上での
インクの滲みを無くし、かつ、極めて良好な画像濃度を
得ることの可能なインクジェット用プリンタのインクを
提供するものである。即ち本発明は、染料または顔料に
よって着色された、20〜1000eq/tonの範囲
でイオン性基を含有するポリエステル粒子を分散質とす
る水系分散体であることを特徴とするインクジェットプ
リンタ用インクである。
【0006】本発明は、高い画像濃度を得るという課題
に対して、染色が容易であるポリエステルを着色粒子と
して用いることによって解決をした。また、該ポリエス
テルは、粒子分散体であるために、記録紙に付着した場
合、滲みも少なくする効果もある。本発明に用いられ
る、ポリエステル着色粒子は、粒子分散状態であること
が好ましいが、より好ましくは、粒径が1ミクロン以下
が良い。さらに本発明ポリエステル着色粒子に用いられ
るポリエステル樹脂は、多価カルボン酸類と多価アルコ
−ル類からなる。ポリエステル樹脂に用いられる多価カ
ルボン酸類としては、例えば、テレフタル酸、イソフタ
ル酸、オルソフタル酸、1,5−ナフタルレンジカルボ
ン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、ジフェン酸、
スルホテレフタル酸、5−スルホイソフタル酸、4−ス
ルホフタル酸、4−スルホナフタレン−2,7ジカルボ
ン酸、5〔4−スルホフェノキシ〕イソフタル酸、スル
ホテレフタル酸、およびまたはそれらの金属塩、アンモ
ニウム塩などの芳香族ジカルボン酸、p−オキシ安息香
酸、p−(ヒドロキシエトキシ)安息香酸などの芳香族
オキシカルボン酸、コハク酸、アジピン酸、アゼライン
酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸等の脂肪族ジカ
ルボン酸、フマ−ル酸、マレイン酸、イタコン酸、ヘキ
サヒドロフタル酸、テトラヒドロフタル酸、等の不飽和
脂肪族、および、脂環族ジカルボン酸等を、また多価カ
ルボン酸としては他にトリメリット酸、トリメシン酸、
ピロメリット酸等の三価以上の多価カルボン酸等を例示
できる。
【0007】ポリエステル樹脂に用いられる多価アルコ
−ル類としては脂肪族多価アルコ−ル類、脂環族多価ア
ルコ−ル類、芳香族多価アルコ−ル類等を例示できる。
脂肪族多価アルコ−ル類としては、エチレングリコ−
ル、プロピレングリコ−ル、1,3−プロパンジオ−
ル、2,3−ブタンジオ−ル、1,4−ブタンジオ−
ル、1,5−ペンタンジオ−ル、1,6−ヘキサンジオ
−ル、ネオペンチルグリコ−ル、ジエチレングリコ−
ル、ジプロピレングリコ−ル、2,2,4−トリメチル
−1,3−ペンタンジオ−ル、ポリエチレングリコ−
ル、ポリプロピレングリコ−ル、ポリテトラメチレング
リコ−ル等の脂肪族ジオ−ル類、トリメチロ−ルエタ
ン、トリメチロ−ルプロパン、グリセリン、ペンタエル
スリト−ル等のトリオ−ルおよびテトラオ−ル類等を例
示できる。
【0008】脂環族多価アルコ−ル類としては1,4−
シクロヘキサンジオ−ル、1,4−シクロヘキサンジメ
タノ−ル、スピログリコ−ル、水素化ビスフェノ−ル
A、水素化ビスフェノ−ルAのエチレンオキサイド付加
物およびプロピレンオキサイド付加物、トリシクロデカ
ンジオ−ル、トリシクロデカンジメタノ−ル等を例示で
きる。芳香族多価アルコ−ル類としてはパラキシレング
リコ−ル、メタキシレングリコ−ル、オルトキシレング
リコ−ル、1,4−フェニレングリコ−ル、1,4−フ
ェニレングリコ−ルのエチレンオキサイド付加物、ビス
フェノ−ルA、ビスフェノ−ルAのエチレンオキサイド
付加物およびプロピレンオキサイド付加物等を例示でき
る。
【0009】さらにポリエステルポリオ−ルとして、ε
−カプロラクトン等のラクトン類を開環重合して得られ
る、ラクトン系ポリエステルポリオ−ル類等を例示する
ことができる。これらの他、ポリエステル高分子末端の
極性基を封鎖する目的にて単官能単量体がポリエステル
に導入される場合がある。単官能単量体としては、安息
香酸、クロロ安息香酸、ブロモ安息香酸、パラヒドロキ
シ安息香酸、スルホ安息香酸モノアンモニウム塩、スル
ホ安息香酸モノナトリウム塩、シクロヘキシルアミノカ
ルボニル安息香酸、n-ドデシルアミノカルボニル安息香
酸、タ−シャルブチル安息香酸、ナフタレンカルボン
酸、4−メチル安息香酸、3メチル安息香酸、サリチル
酸、チオサリチル酸、フェニル酢酸、酢酸、プロピオン
酸、酪酸、イソ酪酸、オクタンカルボン酸、ラウリル
酸、ステアリル酸、およびこれらの低級アルキルエステ
ル、等のモノカルボン酸類、あるいは脂肪族アルコ−
ル、芳香族アルコ−ル、脂環族アルコ−ル等のモノアル
コ−ルを用いることができる。
【0010】本発明においてはこれらのうち不飽和単量
体をその他成分として用いてもよく、他の成分はポリエ
ステル樹脂のガラス転移温度、モノマ−との相溶性、等
により適宜選択される。
【0011】ポリエステルに導入されるイオン性基とし
ては、スルホン酸アルカリ金属塩基あるいはスルホン酸
アンモニウム塩基を有するモノあるいはジカルボン酸等
を好ましく用いることができるほか、例えばカルボン酸
アルカリ金属塩基あるいはカルボン酸アンモニウム塩基
を有する単量体、硫酸基、リン酸基、ホスホン酸基、ホ
スフィン酸基もしくはそれらのアンモニウム塩、金属塩
等のアニオン性基、または第1級ないし第3級アミン基
等のカチオン性基単量体などをもちいることができる。
【0012】カルボン酸アルカリ金属塩基あるいはカル
ボン酸アンモニウム塩基を導入する場合には、ポリエス
テルの重合末期にトリメリット酸等の多価カルボン酸を
系内に導入することにより高分子末端にカルボキシル基
を付加し、さらにこれをアンモニア、水酸化ナトリウム
等にて中和することによりカルボン酸塩の基に交換する
方法を用いることができる。また、スルホン酸アルカリ
金属塩基あるいはスルホン酸アンモニウム塩基を有する
モノあるいはジカルボン酸を含有することによりこれら
のイオン性基をポリエステル樹脂に導入することができ
る。塩としてはアンモニウム系イオン、Li、Na、
K、Mg、Ca、Cu、Fe等の塩があげられ、特に好
ましいものはK塩またはNa塩である。本発明では5−
ナトリウムスルホイソフタル酸、あるいはメタナトリウ
ムスルホ安息香酸を用いることが好ましい。また、カル
ボン酸塩の基とスルホン塩の基とを併用してもよい。
【0013】本発明におけるポリエステル樹脂のより具
体的な例として、以下に示される。 a)芳香族系単量体を80mol%以上含有する多価カルボン
酸類、と、 b)エチレングリコ−ル0〜90mol%、プロピレングリコ
−ル100〜10mol%とから得られるポリエステル樹
脂、または a)芳香族系単量体を80mol%以上含有する多価カルボン
酸類、と、 b)2,3−ブタンジオ−ル5〜80mol%、エチレングリ
コ−ル20〜95mol%とから得られるポリエステル樹
脂、または a)芳香族系単量体を80mol%以上含有する多価カルボン
酸類、と、 b)C2 〜C4 の脂肪族系グリコ−ル類70〜95mol%、 c)トリシクロデカン骨格を有するモノand/or多価アルコ
−ル類5〜30mol%とから得られるポリエステル樹脂、
または a)芳香族系単量体を80mol%以上含有する多価カルボン
酸類、と、 b)C2 〜C4 の脂肪族系グリコ−ル類70〜95mol%、 c)ヒドロキシメチルトリシクロデカン5〜30mol%とか
ら得られるポリエステル樹脂、または
【0014】a)芳香族系単量体を80mol%以上含有する
多価カルボン酸類、と、 b)C2 〜C4 の脂肪族系グリコ−ル類70〜95mol%、 c)トリシクロデカンジメタノ−ル5〜30mol%とから得
られるポリエステル樹脂、または a)芳香族系単量体を80mol%以上含有する多価カルボン
酸類、と、 b)C2 〜C4 の脂肪族系グリコ−ル類70〜95mol%、 c)シクロヘキサン骨格を有するモノand/or多価アルコ−
ル類5〜30mol%とから得られるポリエステル樹脂、ま
たは a)芳香族系単量体を80mol%以上含有する多価カルボン
酸類、と、 b)C2 〜C4 の脂肪族系グリコ−ル類70〜95mol%、 c)シクロヘキサンジオ−ル5〜30mol%とから得られる
ポリエステル樹脂、または a)芳香族系単量体を80mol%以上含有する多価カルボン
酸類、と、 b)C2 〜C4 の脂肪族系グリコ−ル類70〜95mol%、 c)水添ビフェノ−ル5〜30mol%とから得られるポリエ
ステル樹脂、または
【0015】a)芳香族系単量体を80mol%以上含有する
多価カルボン酸類、と、 b)C2 〜C4 の脂肪族系グリコ−ル類70〜95mol%、 c)水添ビスフェノ−ルA5〜30mol%とから得られるポ
リエステル樹脂、または a)ナフタレン骨格を有するモノand/or二価以上のカルボ
ン酸1〜20mol%を含む芳香族系単量体を80mol%以上
含有する多価カルボン酸類、と、 b)C2 〜C4 の脂肪族系グリコ−ル類70〜100mol
%、 c)脂環族系単量体0〜30mol%を含有する多価アルコ−
ル類、とから得られるポリエステル樹脂等を例示するこ
とができる。 さらに、ここに示される、「a)芳香族系単量体」はテレ
フタル酸あるいはイソフタル酸であることが好ましい。
テレフタル酸とイソフタル酸の比率は、テレフタル酸含
有率/イソフタル酸含有率=90〜40/10〜60
[mol%]が好ましく、さらに、テレフタル酸含有率/イ
ソフタル酸含有率=80〜50/20〜50[mol%]、
またさらにテレフタル酸含有率/イソフタル酸含有率=
85〜60/15〜40[mol%]が好ましい。
【0016】イオン性基含有単量体をポリエステル樹脂
に導入し、ポリエステル樹脂にイオン性基を与えた場
合、ポリエステル樹脂が水分散性を発現する。イオン性
基含有単量体としては前述したスルホン酸アルカリ金属
塩基あるいはスルホン酸アンモニウム塩基を有するモノ
あるいはジカルボン酸等を好ましく用いることができる
ほか、例えばカルボン酸アルカリ金属塩基あるいはカル
ボン酸アンモニウム塩基を有する単量体、硫酸基、リン
酸基、ホスホン酸基、ホスフィン酸基もしくはそれらの
アンモニウム塩、金属塩等のアニオン性基、または第1
級ないし第3級アミン基等のカチオン性基単量体などを
もちいることができる。カルボン酸アルカリ金属塩基あ
るいはカルボン酸アンモニウム塩基を導入する場合に
は、ポリエステルの重合末期にトリメリット酸等の多価
カルボン酸を系内に導入することにより高分子末端にカ
ルボキシル基を付加し、さらにこれをアンモニア、水酸
化ナトリウム等にて中和することによりカルボン酸塩の
基に交換する方法を用いることができる。
【0017】これらイオン性基の含有量は、スルホン酸
基およびまたはその塩の基をふくめ、該ポリエステル樹
脂に対し、10〜1000m当量/1000g、好まし
くは20〜500m当量/1000g、なお好ましくは
50〜200m当量/1000g、である。イオン性基
の含有量が所定の量より少ない場合には十分なる水分散
性が得られない。
【0018】染料としては「常温にて水に不溶の染料」
を用いることが好ましい。これらは一般に分散染料、あ
るいは油溶性染料に分類されるものである。より具体的
には、 ・C.I.Disperse Yellow 198 ・C.I.Disperse Yellow 42 ・C.I.Disperse Yellow 162 ・C.I.Disperse Red 92 ・C.I.Disperse Red 60 ・C.I.Disperse Violet 26 ・C.I.Disperse Violet 35 ・C.I.Disperse Blue 60 ・C.I.Disperse Blue 87 ・C.I.Solvent Blue 25 ・C.I.Solvent Blue 35 ・C.I.Solvent Blue 38 ・C.I.Solvent Blue 64 ・C.I.Solvent Blue 70 ・C.I.Solvent Black 3 から選択される少なくとも1種の染料が好ましく用いら
れる。これらは特に耐光堅牢度、昇華堅牢度、色相、彩
度に優れるものであり、プロセスカラ−用三原色として
好ましいものである。他に色相の微調整のために公知の
染顔料を併用してもよい。
【0019】本発明における微粒子分散体の平均粒子径
は1.0μm以下であることが必須であり、好ましくは
0.5μm以下、さらに好ましくは0.2μm以下、ま
たさらに好ましくは0.1μm以下である。微粒子分散
体の粒子系がこの範囲を越える場合には分散安定性が悪
化する場合がある。かかるポリエステル樹脂に微粒子分
散体は以下に述べる方法にて得ることができる。すなわ
ち、イオン性基を含有した場合、本発明におけるポリエ
ステル樹脂は水分散性を発現する。水分散性とは一般に
エマルジョンあるいはコロイダルディスパージョンと称
される状態を意味するものである。イオン性基は水系媒
体中において解離し、ポリエステル樹脂と水との界面に
電気二重層を形成する。ポリエステル樹脂が微細なミク
ロ粒子として水系内に存在する場合に電気二重層の働き
によりミクロ粒子間には静電的な反発力が生じ、ミクロ
粒子が水系内にて安定的に分散する。イオン性基含有ポ
リエステル樹脂の水分散体は、イオン性基含有ポリエス
テル樹脂と水溶性有機化合物とをあらかじめ混合後に水
を加える方法、イオン性基含有ポリエステル樹脂と水溶
性有機化合物と水とを一括して混合加熱する方法等によ
り得ることができる。またその際に界面活性剤等を併用
することもできる。水溶性有機化合物としてはエタノー
ル、イソプロパノール、ブタノール、エチレングリコー
ル、プロピレングリコール、メチルセロソルブ、エチル
セロソルブ、ブチルセロソルブ、アセトン、メチルエチ
ルケトン、テトラヒドロフラン、ジオキサン等を用いる
ことができる。水溶性有機化合物はイオン性基含有ポリ
エステル樹脂を水分散化した後に共沸等により除去する
ことができるものが好ましい。本発明のポリエステル樹
脂は染料、油溶性染料、建浴染料、ヴァット染料、スレ
ン染料、塩基性等を用いることができる染料をポリエス
テル樹脂に含有させる方法としては高温分散染色法を用
いることができる。染料原体を樹脂に直接練り込む方法
は、加熱による染料のダメ−ジを考慮したばあいに好ま
しい方法ではない。本発明のポリエステル樹脂はイオン
性基の作用により水中にて良好なる安定分散性を示すた
め、粒子状を保持したまま高濃度な染色が可能である。
また、エマルジョン化時にポリエステル樹脂を溶剤で溶
解したときに染料を添加してもよい。本発明のインクジ
ェットプリンタ用インクは、水中に分散された着色ポリ
エステル粒子を、1〜50wt%で含まれる。また、本発
明インクジェットプリンタ用インクは、着色ポリエステ
ル粒子の他に、必要に応じて、分散剤、分散安定助剤で
ある、界面活性剤や高分子分散安定剤を添加しても良
い。また、粒子の湿潤性を高めるために、エチレングリ
コール、グリセリン、各種多価アルコール類を添加して
も良い。更に、インク中に混入する金属イオンを封鎖す
るために、各種キレート化剤等を添加しても良い。さら
に、インクの保存安定性を向上するために、各種殺菌剤
や防カビ剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤等も添加しても
良い。
【0020】
【実施例1】 (ポリエステル樹脂の合成) 温度計、撹拌機を備えたオ−トクレ−ブ中に、 ジメチルテレフタレ−ト 130重量部、 ジメチルイソフタレ−ト 56重量部、 5ナトリウムスルホイソフタル酸ジメチルエステル 8重量部、 エチレングリコ−ル 159重量部、 トリシクロデカンジメタノール 30重量部、 テトラブトキシチタネ−ト 0.1重量部、 を仕込み180〜230℃で120分間加熱してエステ
ル交換反応を行った。ついで反応系を240℃まで昇温
し、系の圧力1〜10mmHgとして60分間反応を続
けた結果、共重合ポリエステル樹脂を得た。次に、得ら
れたポリエステル樹脂340重量部、メチルエチルケト
ン150重量部、テトラヒドロフラン140重量部、染
料 C.I.Disperse Blue 87 のコ
ンクケ−キ 30重量部を80℃にて溶解した後80℃
の水680部を添加し、粒子径約0.15μmの共重合
ポリエステル樹脂の水系ミクロ分散体を得た。さらに得
られた水系ミクロ分散体を蒸留用フラスコに入れ、留分
温度が100℃に達するまで蒸留し、冷却後に水を加え
固形分濃度を30%とした。以下、染料を、 ・C.I.Disperse Yellow 198 ・C.I.Disperse Red 92 に代えて同様に染色し、水系ミクロ分散体を得た。
【0021】この様にして得た水系ミクロ分散体をイン
クジェットプリンター(EPSONHGー4000)の
インクとして使用した。使用した紙は、インクジェット
用としての加工のされていないものを使用した。その結
果、本発明によるインクを用いた場合インクの滲みは全
く無かった。また得られた画像の濃度は極めて高く、鮮
明な画像であった。また製作した水系ミクロ分散体は、
室温で3カ月以上放置しても沈澱物の発生や、染料の析
出等は発生せず極めて良好な安定性を示した。これに対
してスチレン重合体を乳化重合して製作した後染色した
分散体は、その着色濃度も低く、さらに分散体の安定性
が悪く室温で3カ月以上放置した場合、染料の析出が見
られた。更に比較例として通常インクジェットインクに
使用されている水溶性染料を用いてインクの滲みを見
た、使用した水溶性染料は C.I.Acid Yellow 7、 C.I.Acid Red 94、 C.I.Acid Blue 1、 を水に溶解しインクとした。その結果、専用紙を用いた
場合は、良好であるが、普通紙を用いた場合は、本発明
とはことなり、大きく滲んでしまった。また耐光性の比
較も行った。プリントアウトしたそれぞれのインクは紫
外線フェードメーター(カーボンアーク)63℃で20
時間照射した前後の色差を測定した。その結果発明にに
よるインクはΔEが3〜5出会ったのに対して、水溶性
染料によるインクはΔEが8〜40と大きく退色した。
【0022】
【発明の効果】本発明により、インクジェットプリンタ
を用いたプリントにおいて、記録紙上のインクの滲みが
全く無くかつ、極めて良好な画像濃度が得られるように
なった。 ─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成6年6月6日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】インクジェットプリンタ用インク
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、出力装置に関するもの
であり、特に、インクジェットプリンタ用のインクに関
するものである。
【0002】
【従来の技術】コンピュータ等の情報機器の出力装置と
してはドットマトリックスプリンタ、熱転写プリンタ、
レーザープリンタ等様々な方式があり、その中で最近、
ランニングコストが安く、高精細でかつカラー化が容易
な方式としてインクジェット方式が注目されている。イ
ンクジェット方式は、微細なインク滴をノズルから吐出
し、直接被記録材に印字記録する方法である。インクジ
ェット方式に使用されるインクはインク吐出を行う上で
の物理的な要求から、低粘度、かつ、ある程度の表面張
力を有することが要求される。従来よりインクジェット
プリンタ用のインクとしては、染料の溶液が主として用
いられている。個人ユース、オフィスユースを前提とし
た場合、溶剤系の染料溶液の使用は安全衛生上困難であ
り、水系媒体と水溶性染料の組み合わせが主として用い
られる。一般的な水溶性染料型インクは、 ・酸性染料、直接染料等のアニオン型水溶性染料、 ・水、 ・インク乾燥によるノズル詰まり防止のための保湿材と
して、グリコール、グリセリン、アルキルアミン、アル
カノールアミン類、 ・その他添加剤(pH調整、防腐、表面張力調整等な
ど)からなる。インク粘度は数cps程度、表面張力は
40〜50dyn/cm程度である。水溶性染料型インクは、
媒体として水を使い、さらに保湿剤成分を含有するがゆ
えに、記録後の乾燥速度が遅いという問題がある。現実
には、記録紙繊維へ毛細管現象によりインクが素早くし
みこむため見掛けの乾燥速度はあがっている。がしが
し、その結果、インクは記録紙上で滲み(記録ドットの
太り、フェザリング(ヒゲ状のにじみ))を生じ印字品
位低下、記録画質の劣化を生じる。また、記録剤として
水溶性染料を用いるがゆえの問題点として記録画像の耐
水性が劣り、こぼした水等により画像が損傷したり、汗
等によりニジミ、手指の汚染等を生じる場合がある。さ
らに、染料が単に記録紙の繊維表面にて乾燥固着したの
みの状態におかれるため高堅牢度、高耐光性は望み難
い。
【0003】従来より、この様な水溶性染料型インクの
問題を解決するために多くのアイディアが提案されてき
た。例えば特開昭62-124166 には「水溶性染料を水と有
機溶媒の混合溶剤に溶解し、染料の濃度を5wt%以下と
し、有機溶剤の添加料を3〜30%の範囲とするイン
ク」、特開昭62-32159には「特定のジエーテル化合物を
添加したインク」、特開昭60-49070には「界面活性物質
を吸着樹脂によって除去した水溶性直接染料、または酸
性染料を使用した」インクに関する提案がある。これら
の提案は水溶性染料型インクの表面張力、粘度、乾燥速
度等により、記録紙上でのインクの浸透形態を制御し、
印字精度を改良しようというものであるが、現実には多
種多様な表面状態を有する記録紙全てに対応することは
困難であり印字品位を著しく改良するには至っていな
い。また記録画像の耐水性、耐光性に関してはなんらの
効果も期待できない。「ラテックス、エマルジョン等の
ポリマー微粒子を添加したインク」に関する提案がなさ
れている。例えば特開昭55-18412においてはラテックス
として、スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス、ア
クリロニトリル−ブタジエン共重合体樹脂ラテックス、
ポリクロロプレンラテックス、ブチルゴムラテックス等
の合成ゴムラテックス、あるいはポリアクリル酸エステ
ル樹脂ラテックス、酢酸ビニル系ラテックス、塩化ビニ
ル系ラテックス、塩化ビニリデン系ラテックス等の合成
樹脂系ラテックス(すべてビニル重合系樹脂のラテック
ス)を添加したインクが提案されている。該発明におけ
る記録剤は請求項に明示されていないが、本文中に一般
公知の染顔料が油性、水性を問わず広く例示されてい
る。しかしながら該提案の主旨および実施例から見て水
溶性染料の使用を念頭においたものであることは明らか
である。本文中に該ラテックス粒子そのものの着色に関
する記載は一切ない。 この提案の主旨は、記録紙にイ
ンクが付着し、水溶性染料を含む液媒体が記録紙に染込
むことにより記録がなされ、さらに、乾燥する過程に於
いてラテックスが記録紙表面にて造膜し、記録部分表面
を保護することにより記録画像・文字の耐水性、耐光
性、耐摩擦性を改良しようという考え方にある。このよ
うな考え方によれば文字の耐水性、耐摩擦性に関し一応
の改良効果は認められると思われる。また、ラテックス
が造膜することにより形成されたフィルムに紫外線遮蔽
機能があれば、ある程度の耐光性改良効果も期待でき
る。しかしながらこれらの提案においては記録紙上にお
けるインクのニジミ防止に関してはなんらの効果もな
く、印字品位、記録画質を向上は望めない。「着色され
たポリマー微粒子を記録剤として用いたインク」に関す
る提案が多数なされている。例えば特開昭54-58504にお
いては、疎水性染料溶液とビニル重合体微粒子の混合物
を水中油型分散させたインクが提案されている。ビニル
重合体微粒子は疎水性染料溶液と混合されることにより
染料溶液の溶媒にて膨潤し、さらに染料により着色され
ることが本文にて開示されている。疎水性染料を記録剤
とするため、得られる画像は耐水性を有するものとな
る。
【0004】疎水性染料をインクジェット記録用インク
に使用する場合には一般に媒体として溶剤が用いられ
る。インクジェット記録用インクに使用できる程度の低
粘度溶剤は揮発性が高く環境の汚染、引火等の危険を伴
い、またノズル先端での乾燥に起因するノズル詰まりが
生じやすい。そのため、ノズル洗浄機能、換気機能等が
必要となり高い機器価格、またオフィス内での使用制限
などの問題が生ずる。該提案では、連続相として水を用
い、分散相として溶剤にて膨潤した着色ビニル重合体粒
子を用いることにより、インク粘度の支配を水に持た
せ、溶剤としてある程度高粘度(低揮発性)のものを用
いることを許容させている。しかしながらこの提案によ
れば最終的に記録紙に印字された画像が定着するために
は溶剤が蒸発することが必要となるため、いかに低揮発
性の溶剤を用いようとも環境汚染は免れない。また本文
中に、分散系の安定性を保つために分散粒子径は0.1
μm以下であることが必要であると記載されており、か
かる粒子径では粒子は記録紙繊維の間隙に容易に染込
み、ニジミ低減効果は期待できない。さらにビニル重合
体は一般に染料の溶解性がさほど高くなく、高濃度に着
色することは困難である。特に染料を高濃度に配合した
場合、長時間保存により染料が重合体粒子から分離析出
し、インク内にて結晶成長し、粗大な粒子として沈降す
る恐れがある。
【0005】特開平3-250069には染料によって染色され
た乳化重合または分散重合粒子を用いたインクが提案さ
れている。提案の主旨は特開昭54-58504と同様、着色し
た粒子を分散質、水(透明)を媒体とすることによるニ
ジミ防止であるが、この提案の場合には溶剤を含まない
ため、粒子が造膜することにより記録紙に定着されるこ
とが必要となる。造膜の必要、分散安定性の確保の観点
より、望ましい粒子径はサブミクロン領域であることが
示唆されている。この発明においても重合体粒子がビニ
ル系ポリマーに限られるため高濃度着色が困難でありか
つ、安定的に着色状態を維持することが難しいことは同
様である。色材として顔料、カーボンブラック等を用
い、分散剤を使用して水系媒体に微分散した分散インク
の使用も多数提案されているが、分散安定性を高めるた
めには0.1μm以下程度の領域にまで微分散すること
が必要とされ、ニジミ改善効果は低い。また分散剤の使
用により粘度、表面張力の調整範囲が制限されインクジ
ェット方式に適正なるインク特性を整えることはなかな
かに困難である。さらに一般の油性印刷インクに用いら
れている顔料のいくつかは酸性染料と多価金属イオンか
らなる不溶性アゾレ−キ顔料であり、耐水性に劣り安定
な水分散体を得ることはできない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】以上述べてきたよう
に、従来のインクジェット記録用インクにおいては 1.水溶性染料型インクにおいては、 ・記録紙面でのニジミを抑えることが困難であり高画質
印字ができない。 ・記録画像の耐水性が劣る。 ・記録画像の耐光性が劣る。 2.微粒子分散型インクにおいてはニジミの少ない高画
質な印字が可能となり、記録画像の耐水性、耐光性も改
善されることが期待されるが、現実には、 1)着色高分子微粒子を用いたインクの場合 ・高濃度に着色された微粒子を得ることが困難である。 ・着色粒子の安定性が低く、染料の析出・再結晶により
インク内に粗大粒子を生成しやすい。 2)顔料粒子を用いたインクの場合、 ・微細分散が必要でありニジミ改善効果が低い。 ・分散剤により、インク物性制御範囲が狭くなる。 等などの問題点を有するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者等はかかる状況
に鑑み、記録紙上でのインクの滲みを無くし、かつ、極
めて高いな画像濃度を得ることが可能で、さらに貯蔵安
定性、印字信頼性にすぐれ、かつ高い耐水性、耐光性を
有する記録画像を得ることが可能なインクジェット用プ
リンタのインクを開発すべく鋭意研究を重ねた結果つぎ
なる発明に到達した。 即ち本発明は、染料または顔料
によって着色された、20〜1000eq/tonの範
囲でイオン性基を含有するポリエステル粒子を分散質と
する水分散体であることを特徴とするインクジェットプ
リンタ用インクである。
【0008】本発明は、高い画像濃度を得るという課題
に対して、染色が容易であるポリエステルを着色粒子と
して用いることによって解決をした。また、該ポリエス
テルは、エマルジョンであるために、記録紙に付着した
場合、滲みも少なくする効果もある。本発明に用いられ
る、ポリエステル着色粒子は、エマルジョン状態である
ことが好ましいが、より好ましくは、粒径が1ミクロン
以下が良い。さらに本発明ポリエステル着色粒子に用い
られるポリエステル樹脂は、多価カルボン酸類と多価ア
ルコ−ル類からなる。ポリエステル樹脂に用いられる多
価カルボン酸類としては、例えば、テレフタル酸、イソ
フタル酸、オルソフタル酸、1,5−ナフタルレンジカ
ルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、ジフェン
酸、スルホテレフタル酸、5−スルホイソフタル酸、4
−スルホフタル酸、4−スルホナフタレン−2,7ジカ
ルボン酸、5〔4−スルホフェノキシ〕イソフタル酸、
スルホテレフタル酸、およびまたはそれらの金属塩、ア
ンモニウム塩などの芳香族ジカルボン酸、p−オキシ安
息香酸、p−(ヒドロキシエトキシ)安息香酸などの芳
香族オキシカルボン酸、コハク酸、アジピン酸、アゼラ
イン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸等の脂肪族
ジカルボン酸、フマ−ル酸、マレイン酸、イタコン酸、
ヘキサヒドロフタル酸、テトラヒドロフタル酸、等の不
飽和脂肪族、および、脂環族ジカルボン酸等を、また多
価カルボン酸としては他にトリメリット酸、トリメシン
酸、ピロメリット酸等の三価以上の多価カルボン酸等を
例示できる。
【0009】ポリエステル樹脂に用いられる多価アルコ
−ル類としては脂肪族多価アルコ−ル類、脂環族多価ア
ルコ−ル類、芳香族多価アルコ−ル類等を例示できる。
脂肪族多価アルコ−ル類としては、エチレングリコ−
ル、プロピレングリコ−ル、1,3−プロパンジオ−
ル、2,3−ブタンジオ−ル、1,4−ブタンジオ−
ル、1,5−ペンタンジオ−ル、1,6−ヘキサンジオ
−ル、ネオペンチルグリコ−ル、ジエチレングリコ−
ル、ジプロピレングリコ−ル、2,2,4−トリメチル
−1,3−ペンタンジオ−ル、ポリエチレングリコ−
ル、ポリプロピレングリコ−ル、ポリテトラメチレング
リコ−ル等の脂肪族ジオ−ル類、トリメチロ−ルエタ
ン、トリメチロ−ルプロパン、グリセリン、ペンタエル
スリト−ル等のトリオ−ルおよびテトラオ−ル類等を例
示できる。脂環族多価アルコ−ル類としては1,4−シ
クロヘキサンジオ−ル、1,4−シクロヘキサンジメタ
ノ−ル、スピログリコ−ル、水素化ビスフェノ−ルA、
水素化ビスフェノ−ルAのエチレンオキサイド付加物お
よびプロピレンオキサイド付加物、トリシクロデカンジ
オ−ル、トリシクロデカンジメタノ−ル等を例示でき
る。芳香族多価アルコ−ル類としてはパラキシレングリ
コ−ル、メタキシレングリコ−ル、オルトキシレングリ
コ−ル、1,4−フェニレングリコ−ル、1,4−フェ
ニレングリコ−ルのエチレンオキサイド付加物、ビスフ
ェノ−ルA、ビスフェノ−ルAのエチレンオキサイド付
加物およびプロピレンオキサイド付加物等を例示でき
る。
【0010】さらにポリエステルポリオ−ルとして、ε
−カプロラクトン等のラクトン類を開環重合して得られ
る、ラクトン系ポリエステルポリオ−ル類等を例示する
ことができる。これらの他、ポリエステル高分子末端の
極性基を封鎖する目的にて単官能単量体がポリエステル
に導入される場合がある。単官能単量体としては、安息
香酸、クロロ安息香酸、ブロモ安息香酸、パラヒドロキ
シ安息香酸、スルホ安息香酸モノアンモニウム塩、スル
ホ安息香酸モノナトリウム塩、シクロヘキシルアミノカ
ルボニル安息香酸、n-ドデシルアミノカルボニル安息香
酸、タ−シャルブチル安息香酸、ナフタレンカルボン
酸、4−メチル安息香酸、3メチル安息香酸、サリチル
酸、チオサリチル酸、フェニル酢酸、酢酸、プロピオン
酸、酪酸、イソ酪酸、オクタンカルボン酸、ラウリル
酸、ステアリル酸、およびこれらの低級アルキルエステ
ル、等のモノカルボン酸類、あるいは脂肪族アルコ−
ル、芳香族アルコ−ル、脂環族アルコ−ル等のモノアル
コ−ルを用いることができる。
【0011】本発明におけるポリエステル樹脂のより具
体的な例として、以下に示される。 a)芳香族系単量体を80mol%以上含有する多価カルボン
酸類、と、 b)エチレングリコ−ル0〜90mol%、プロピレングリコ
−ル100〜10mol%とから得られるポリエステル樹
脂、または a)芳香族系単量体を80mol%以上含有する多価カルボン
酸類、と、 b)2,3−ブタンジオ−ル5〜80mol%、エチレングリ
コ−ル20〜95mol%とから得られるポリエステル樹
脂、または a)芳香族系単量体を80mol%以上含有する多価カルボン
酸類、と、 b)C2 〜C4 の脂肪族系グリコ−ル類70〜95mol%、 c)トリシクロデカン骨格を有するモノあるいは多価アル
コ−ル類5〜30mol%とから得られるポリエステル樹
脂、または a)芳香族系単量体を80mol%以上含有する多価カルボン
酸類、と、 b)C2 〜C4 の脂肪族系グリコ−ル類70〜95mol%、 c)ヒドロキシメチルトリシクロデカン5〜30mol%とか
ら得られるポリエステル樹脂、または a)芳香族系単量体を80mol%以上含有する多価カルボン
酸類、と、 b)C2 〜C4 の脂肪族系グリコ−ル類70〜95mol%、 c)トリシクロデカンジメタノ−ル5〜30mol%とから得
られるポリエステル樹脂、または a)芳香族系単量体を80mol%以上含有する多価カルボン
酸類、と、 b)C2 〜C4 の脂肪族系グリコ−ル類70〜95mol%、 c)シクロヘキサン骨格を有するモノあるいは多価アルコ
−ル類5〜30mol%とから得られるポリエステル樹脂、
または a)芳香族系単量体を80mol%以上含有する多価カルボン
酸類、と、 b)C2 〜C4 の脂肪族系グリコ−ル類70〜95mol%、 c)シクロヘキサンジオ−ル5〜30mol%とから得られる
ポリエステル樹脂、または a)芳香族系単量体を80mol%以上含有する多価カルボン
酸類、と、 b)C2 〜C4 の脂肪族系グリコ−ル類70〜95mol%、 c)水添ビフェノ−ル5〜30mol%とから得られるポリエ
ステル樹脂、または a)芳香族系単量体を80mol%以上含有する多価カルボン
酸類、と、 b)C2 〜C4 の脂肪族系グリコ−ル類70〜95mol%、 c)水添ビスフェノ−ルA5〜30mol%とから得られるポ
リエステル樹脂、または a)ナフタレン骨格を有するモノあるいは二価以上のカル
ボン酸1〜20mol%を含む芳香族系単量体を80mol%以
上含有する多価カルボン酸類、と、 b)C2 〜C4 の脂肪族系グリコ−ル類70〜100mol
%、 c)脂環族系単量体0〜30mol%を含有する多価アルコ−
ル類、とから得られるポリエステル樹脂等を例示するこ
とができる。 さらに、ここに示される、「a)芳香族系単量体」はテレ
フタル酸あるいはイソフタル酸であることが好ましい。
テレフタル酸とイソフタル酸の比率は、テレフタル酸含
有率/イソフタル酸含有率=90〜40/10〜60
[mol%]が好ましく、さらに、テレフタル酸含有率/イ
ソフタル酸含有率=80〜50/20〜50[mol%]、
またさらにテレフタル酸含有率/イソフタル酸含有率=
85〜60/15〜40[mol%]が好ましい。
【0012】本発明のポリエステル樹脂には、20〜1
000eq/tonの範囲でイオン性基を含有すること
が必須である。ポリエステルに導入されるイオン性基と
しては、スルホン酸アルカリ金属塩基あるいはスルホン
酸アンモニウム塩基を有するモノあるいはジカルボン酸
等を好ましく用いることができるほか、例えばカルボン
酸アルカリ金属塩基あるいはカルボン酸アンモニウム塩
基を有する単量体、硫酸基、リン酸基、ホスホン酸基、
ホスフィン酸基もしくはそれらのアンモニウム塩、金属
塩等のアニオン性基、または第1級ないし第3級アミン
基等のカチオン性基単量体などをもちいることができ
る。カルボン酸アルカリ金属塩基あるいはカルボン酸ア
ンモニウム塩基を導入する場合には、ポリエステルの重
合末期にトリメリット酸等の多価カルボン酸を系内に導
入することにより高分子末端にカルボキシル基を付加
し、さらにこれをアンモニア、水酸化ナトリウム等にて
中和することによりカルボン酸塩の基に交換する方法を
用いることができる。また、スルホン酸アルカリ金属塩
基あるいはスルホン酸アンモニウム塩基を有するモノあ
るいはジカルボン酸を含有することによりこれらのイオ
ン性基をポリエステル樹脂に導入することができる。塩
としてはアンモニウム系イオン、Li、Na、K、M
g、Ca、Cu、Fe等の塩があげられ、特に好ましい
ものはK塩またはNa塩である。本発明では5−ナトリ
ウムスルホイソフタル酸、あるいはメタナトリウムスル
ホ安息香酸を用いることが好ましい。またカルボン酸塩
の基とスルホン酸塩の基を使用しても良い。
【0013】イオン性基含有単量体をポリエステル樹脂
に導入し、ポリエステル樹脂にイオン性基を与えた場
合、ポリエステル樹脂が水分散性を発現する。これらイ
オン性基の含有量は、スルホン酸基およびまたはその塩
の基をふくめ、該ポリエステル樹脂に対し、10〜10
00m当量/1000g、好ましくは20〜500m当
量/1000g、なお好ましくは50〜200m当量/
1000g、である。イオン性基の含有量が所定の量よ
り少ない場合には十分なる水分散性が得られない。着色
剤としては公知の染料、顔料を広く用いることができ
る。本発明のポリエステル粒子を着色可能な染料として
は酸性染料、直接染料、食品用染料等のアニオン性染
料、塩基性染料等のカチオン染料、分散染料、油性染
料、ヴァット染料等の水不溶ないし難溶性染料を例示で
きる。ポリエステル樹脂にイオン性基としてカチオン性
基を導入した場合、アニオン性染料によりイオン的に高
堅牢に染色可能である。またポリエステル樹脂にアニオ
ン性基を導入した場合にはカチオン染料により高彩度に
着色が可能である。
【0014】本発明では、染料としては「常温にて水に
不溶の染料」を用いることが好ましい。これらは一般に
分散染料、あるいは油溶性染料に分類されるものであ
る。より具体的には、 ・C.I.Disperse Yellow 198 ・C.I.Disperse Yellow 42 ・C.I.Disperse Yellow 162 ・C.I.Disperse Red 92 ・C.I.Disperse Red 60 ・C.I.Disperse Violet 26 ・C.I.Disperse Violet 35 ・C.I.Disperse Blue 60 ・C.I.Disperse Blue 87 ・C.I.Solvent Blue 25 ・C.I.Solvent Blue 35 ・C.I.Solvent Blue 38 ・C.I.Solvent Blue 64 ・C.I.Solvent Blue 70 ・C.I.Solvent Black 3 から選択される少なくとも1種の染料が好ましく用いら
れる。これらは特に耐光堅牢度、昇華堅牢度、色相、彩
度に優れるものであり、プロセスカラ−用三原色として
好ましいものである。他に色相の微調整のために公知の
染顔料を併用してもよい。
【0015】本発明における分散質であるポリエステル
粒子の平均粒子径は特に限定されないが、0.01〜
1.0μmが好ましく、0.05〜0.8μmの範囲が
より好ましく、0.1〜0.5μmの範囲がさらに好ま
しい。かかるポリエステル樹脂に微粒子分散体は以下に
述べる方法にて得ることができる。すなわち、イオン性
基を含有した場合、本発明におけるポリエステル樹脂は
水分散性を発現する。水分散性とは一般にエマルジョン
あるいはコロイダルディスパ−ジョンと称される状態を
意味するものである。イオン性基は水系媒体中において
解離し、ポリエステル樹脂と水との界面に電気二重層を
形成する。ポリエステル樹脂が微細なミクロ粒子として
水系内に存在する場合には電気二重層の働きによりミク
ロ粒子間には静電的な反発力が生じ、ミクロ粒子が水系
内にて安定的に分散する。
【0016】イオン性基含有ポリエステル樹脂の水分散
体は、イオン性基含有ポリエステル樹脂と水溶性有機化
合物とをあらかじめ混合後に水を加える方法、イオン性
基含有ポリエステル樹脂と水溶性有機化合物と水とを一
括して混合加熱する方法等により得ることができる。ま
たその際に界面活性剤等を併用することもできる。水溶
性有機化合物としてはエタノ−ル、イソプロパノ−ル、
ブタノ−ル、エチレングリコ−ル、プロピレングリコ−
ル、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロ
ソルブ、アセトン、メチルエチルケトン、テトラヒドロ
フラン、ジオキサン等を用いることができる。水溶性有
機化合物はイオン性基含有ポリエステル樹脂を水分散化
した後に共沸等により除去することができるものが好ま
しい。
【0017】本発明のポリエステル樹脂は染料にて着色
された場合においても耐光堅牢度が良好である。染料と
しては分散染料、油溶性染料、建浴染料、ヴァット染
料、スレン染料、塩基性等を用いることができる。染料
をポリエステル樹脂に含有させる方法としては高温分散
染色法を用いることができる。染料原体を樹脂に直接練
り込む方法は、加熱による染料のダメ−ジを考慮したば
あいに好ましい方法ではない。本発明のポリエステル樹
脂はイオン性基の作用により水中にて良好なる安定分散
性を示すため、粒子状を保持したまま高濃度な染色が可
能である。また、エマルジョン化時に、ポリエステル樹
脂を溶剤で溶解した時に染料を添加しても良い。本発明
のインクジェットプリンタ用インクは、水中に分散され
た着色ポリエステル粒子を、1〜50wt%で含まれる。
また、本発明インクジェットプリンタ用インクは、着色
ポリエステル粒子の他に、必要に応じて、分散剤、分散
安定助剤である、界面活性剤や高分子分散安定剤を添加
しても良い。また、粒子の湿潤性を高めるために、エチ
レングリコール、グリセリン、各種多価アルコール類を
添加しても良い。更に、インク中に混入する金属イオン
を封鎖するために、各種キレート化剤等を添加しても良
い。さらに、インクの保存安定性を向上するために、各
種殺菌剤や防カビ剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤等も添
加しても良い。
【0018】
【実施例1】 (ポリエステル樹脂の合成) 温度計、撹拌機を備えたオ−トクレ−ブ中に、 ジメチルテレフタレ−ト 130重量部、 ジメチルイソフタレ−ト 56重量部、 5ナトリウムスルホイソフタル酸ジメチルエステル 6
重量部、 エチレングリコ−ル 159重量部、 トリシクロデカンジメタノール 30重量部、 テトラブトキシチタネ−ト 0.1重量部、 を仕込み180〜230℃で120分間加熱してエステ
ル交換反応を行った。ついで反応系を240℃まで昇温
し、系の圧力1〜10mmHgとして60分間反応を続
けた結果、共重合ポリエステル樹脂を得た。次に、得ら
れたポリエステル樹脂340重量部、メチルエチルケト
ン150重量部、テトラヒドロフラン140重量部、染
料 C.I.Disperse Blue 87 のコ
ンクケ−キ 30重量部を80℃にて溶解した後80℃
の水680部を添加し、粒子径約0.15μmの共重合
ポリエステル樹脂の水系ミクロ分散体を得た。さらに得
られた水系ミクロ分散体を蒸留用フラスコに入れ、留分
温度が100℃に達するまで蒸留し、冷却後に水を加え
固形分濃度を30%とした。以下、染料を、 ・C.I.Disperse Yellow 198 ・C.I.Disperse Red 92 に代えて同様に染色し、水系ミクロ分散体を得た。
【0019】この様にして得た水系ミクロ分散体をイン
クジェットプリンター(EPSONHGー4000)の
インクとして使用した。使用した紙は、インクジェット
用としての加工のされていないものを使用した。その結
果、本発明によるインクを用いた場合インクの滲みは全
く無かった。また得られた画像の濃度は極めて高く、鮮
明な画像であった。また製作した水系ミクロ分散体は、
室温で3カ月以上放置しても沈澱物の発生や、染料の析
出等は発生せず極めて良好な安定性を示した。
【0020】
【比較例1】1リットルのセパラブルフラスコに水50
0重量部、スチレン200重量部、スチレンスルホン酸
ナトリウム10重量部、分散染料C.I.Disper
seBlue87のコンクケ−キ10重量部、過硫酸カ
リウム10重量部を仕込み70℃にて18時間反応させ
着色スチレン乳化重合粒子分散体を得た。得られた着色
スチレン乳化重合粒子分散体をビーカーに入れ、約30
分間静置したところ、ビーカーの底に染料の結晶粒子が
沈降した。回収された染料の総量は仕込み量の約70%
に相当した。着色濃度は低いものであった。沈降した染
料結晶を除去し、さらに室温で3カ月以上放置したとこ
ろ、再度容器の底に染料結晶の析出が見られた。
【0021】
【比較例2】通常インクジェットインクに使用されてい
る水溶性染料を用いてインクの滲みを見た。使用した水
溶性染料は C.I.Acid Yellow 7、 C.I.Acid Red 94、 C.I.Acid Blue 1、 を水に溶解しインクとした。その結果、専用紙を用いた
場合は、良好であるが、普通紙を用いた場合は、本発明
とは異なり、大きく滲んでしまった。また耐光性の比較
も行った。プリントアウトしたそれぞれのインクは紫外
線フェードメーター(カーボンアーク)63℃で20時
間照射した前後の色差を測定した。その結果本発明によ
るインクはΔEが3〜5であったのに対して、水溶性染
料によるインクはΔEが8〜40と大きく退色した。
【0022】
【発明の効果】本発明により、インクジェットプリンタ
を用いたプリントにおいて、記録紙上のインクの滲みが
全く無くかつ、極めて良好な画像濃度が得られるように
なった。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 染料または顔料によって着色された、2
    0〜1000eq/tonの範囲でイオン性基を含有す
    るポリエステル粒子を分散質とする水系分散体であるこ
    とを特徴とするインクジェットプリンタ用インク。
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