JPH07102200A - インクジェットプリンタ用インク - Google Patents

インクジェットプリンタ用インク

Info

Publication number
JPH07102200A
JPH07102200A JP24528893A JP24528893A JPH07102200A JP H07102200 A JPH07102200 A JP H07102200A JP 24528893 A JP24528893 A JP 24528893A JP 24528893 A JP24528893 A JP 24528893A JP H07102200 A JPH07102200 A JP H07102200A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
acid
ink
dye
group
polyester
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP24528893A
Other languages
English (en)
Inventor
Tetsuo Shimomura
哲生 下村
Satoshi Maeda
郷司 前田
Yozo Yamada
陽三 山田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyobo Co Ltd
Original Assignee
Toyobo Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyobo Co Ltd filed Critical Toyobo Co Ltd
Priority to JP24528893A priority Critical patent/JPH07102200A/ja
Publication of JPH07102200A publication Critical patent/JPH07102200A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Inks, Pencil-Leads, Or Crayons (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 記録紙上でのインクの滲みを無くし、かつ、
極めて良好な画像濃度を得ることの可能なインクジェッ
ト用プリンタのインクを提供する。 【構成】 染料または顔料によって着色され、かつ式
[I]で示されるベンゾフェノン系化合物を含有し、2
0〜1000eq/tonの範囲でイオン性基を含有す
るポリエステル粒子を分散質とする水分散体であること
を特徴とするインクジェットプリンタ用インク。 式中R1,R2,R3及びR4は、各々水素原子また
は、ハロゲン原子、水酸基、カルボキシル基、スルホン
酸基、スルホン酸塩の基、ないしは炭素数が1〜20の
アルキル基、アルコキシル基、芳香環を有する置換基を
有するものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、インクに関するもので
あり、特に、インクジェットプリンタ用のインクに関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】コンピュータ等の情報機器の出力装置と
してはドットマトリックスプリンタ、熱転写プリンタ、
レーザープリンタ等様々な方式があり、その中で最近、
ランニングコストが安く、高精細でかつカラー化が容易
な方式としてインクジェット方式が注目されている。イ
ンクジェットプリンタ用のインクとしては、従来染料水
溶液が使用されてきたが、ノズルから飛ばされたインク
が記録紙に付着したとき、インクが記録紙で滲み、飛ば
されたときに形成したインク粒よりも大きなドットとな
ってしまったり、記録された画像の耐水性に問題があっ
た。
【0003】従来、この様なインクジェット用インクで
は、それら問題を解決するために多くのアイディアが提
案されてきた。 a)水溶性染料を水と有機溶媒の混合溶剤に溶解し、染料
の濃度を5wt%以下とし、有機溶剤の添加料を3〜30
%の範囲としたもの(特開昭62-124166 ) b)インク中に特定のジエーテル化合物を添加したもの
(特開昭62-32159) c)界面活性物質を吸着樹脂によって除去した水溶性直接
染料、または酸性染料を使用するもの(特開昭60-4907
0) d)インク中に染料及び造膜させるためのエマルジョンを
添加したもの(特開平4-18462 ) e)染料によって染色された乳化重合または分散重合粒子
を用いるもの(特開平3-250069)等が提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前述のインクa)〜d)
は、記録紙上でインクの滲みをある程度は低減させる
が、記録紙繊維への毛細管現象によるインクの滲みを完
全に防ぐことは不可能であった。一方、前述のe)の方式
は、染色された重合粒子を用いている為に、滲みは発生
しないが、該方式で得られた粒子は、粒子の安定性が悪
く長時間放置すると染料が析出沈降したり、粒子表面に
浮き出してしまう。さらに、高濃度に染色することが難
しい為、十分な画像濃度が得られない。更に、一般に広
く使われている水溶性染料を用いたものは、染料自体が
直接紙に塗布されるようになり、耐光性が非常に悪い。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、記録紙上での
インクの滲みを無くし、かつ、極めて良好な画像濃度を
得ることの可能でかつ耐光性の良好なインクジェット用
プリンタのインクを提供するものである。即ち本発明
は、染料または顔料によって着色され、かつ一般式化1
で示される化合物を含有し、20〜1000eq/to
nの範囲でイオン性基を含有するポリエステル粒子を分
散質とする水分散体であることを特徴とするインクジェ
ットプリンタ用インクである。
【0006】本発明は、高い画像濃度を得るという課題
に対して、染色が容易であるポリエステルを着色粒子と
して用いることによって解決をした。また、該ポリエス
テルは、エマルジョンであるために、記録紙に付着した
場合、滲みも少なくする効果もある。本発明に用いられ
る、ポリエステル着色粒子は、エマルジョン状態である
ことが好ましいが、より好ましくは、粒径が1ミクロン
以下が良い。さらに本発明ポリエステル着色粒子に用い
られるポリエステル樹脂は、多価カルボン酸類と多価ア
ルコ−ル類からなる。ポリエステル樹脂に用いられる多
価カルボン酸類としては、例えば、テレフタル酸、イソ
フタル酸、オルソフタル酸、1,5−ナフタルレンジカ
ルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、ジフェン
酸、スルホテレフタル酸、5−スルホイソフタル酸、4
−スルホフタル酸、4−スルホナフタレン−2,7ジカ
ルボン酸、5〔4−スルホフェノキシ〕イソフタル酸、
スルホテレフタル酸、およびまたはそれらの金属塩、ア
ンモニウム塩などの芳香族ジカルボン酸、p−オキシ安
息香酸、p−(ヒドロキシエトキシ)安息香酸などの芳
香族オキシカルボン酸、コハク酸、アジピン酸、アゼラ
イン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸等の脂肪族
ジカルボン酸、フマ−ル酸、マレイン酸、イタコン酸、
ヘキサヒドロフタル酸、テトラヒドロフタル酸、等の不
飽和脂肪族、および、脂環族ジカルボン酸等を、また多
価カルボン酸としては他にトリメリット酸、トリメシン
酸、ピロメリット酸等の三価以上の多価カルボン酸等を
例示できる。
【0007】ポリエステル樹脂に用いられる多価アルコ
−ル類としては脂肪族多価アルコ−ル類、脂環族多価ア
ルコ−ル類、芳香族多価アルコ−ル類等を例示できる。
脂肪族多価アルコ−ル類としては、エチレングリコ−
ル、プロピレングリコ−ル、1,3−プロパンジオ−
ル、2,3−ブタンジオ−ル、1,4−ブタンジオ−
ル、1,5−ペンタンジオ−ル、1,6−ヘキサンジオ
−ル、ネオペンチルグリコ−ル、ジエチレングリコ−
ル、ジプロピレングリコ−ル、2,2,4−トリメチル
−1,3−ペンタンジオ−ル、ポリエチレングリコ−
ル、ポリプロピレングリコ−ル、ポリテトラメチレング
リコ−ル等の脂肪族ジオ−ル類、トリメチロ−ルエタ
ン、トリメチロ−ルプロパン、グリセリン、ペンタエル
スリト−ル等のトリオ−ルおよびテトラオ−ル類等を例
示できる。
【0008】脂環族多価アルコ−ル類としては1,4−
シクロヘキサンジオ−ル、1,4−シクロヘキサンジメ
タノ−ル、スピログリコ−ル、水素化ビスフェノ−ル
A、水素化ビスフェノ−ルAのエチレンオキサイド付加
物およびプロピレンオキサイド付加物、トリシクロデカ
ンジオ−ル、トリシクロデカンジメタノ−ル等を例示で
きる。芳香族多価アルコ−ル類としてはパラキシレング
リコ−ル、メタキシレングリコ−ル、オルトキシレング
リコ−ル、1,4−フェニレングリコ−ル、1,4−フ
ェニレングリコ−ルのエチレンオキサイド付加物、ビス
フェノ−ルA、ビスフェノ−ルAのエチレンオキサイド
付加物およびプロピレンオキサイド付加物等を例示でき
る。
【0009】さらにポリエステルポリオ−ルとして、ε
−カプロラクトン等のラクトン類を開環重合して得られ
る、ラクトン系ポリエステルポリオ−ル類等を例示する
ことができる。これらの他、ポリエステル高分子末端の
極性基を封鎖する目的にて単官能単量体がポリエステル
に導入される場合がある。単官能単量体としては、安息
香酸、クロロ安息香酸、ブロモ安息香酸、パラヒドロキ
シ安息香酸、スルホ安息香酸モノアンモニウム塩、スル
ホ安息香酸モノナトリウム塩、シクロヘキシルアミノカ
ルボニル安息香酸、n-ドデシルアミノカルボニル安息香
酸、タ−シャルブチル安息香酸、ナフタレンカルボン
酸、4−メチル安息香酸、3メチル安息香酸、サリチル
酸、チオサリチル酸、フェニル酢酸、酢酸、プロピオン
酸、酪酸、イソ酪酸、オクタンカルボン酸、ラウリル
酸、ステアリル酸、およびこれらの低級アルキルエステ
ル、等のモノカルボン酸類、あるいは脂肪族アルコ−
ル、芳香族アルコ−ル、脂環族アルコ−ル等のモノアル
コ−ルを用いることができる。
【0010】本発明においてはこれらのうち不飽和単量
体を必須成分とし、他の成分はポリエステル樹脂のガラ
ス転移温度、モノマ−との相溶性、等により適宜選択さ
れる。ポリエステルに導入されるイオン性基としては、
スルホン酸アルカリ金属塩基あるいはスルホン酸アンモ
ニウム塩基を有するモノあるいはジカルボン酸等を好ま
しく用いることができるほか、例えばカルボン酸アルカ
リ金属塩基あるいはカルボン酸アンモニウム塩基を有す
る単量体、硫酸基、リン酸基、ホスホン酸基、ホスフィ
ン酸基もしくはそれらのアンモニウム塩、金属塩等のア
ニオン性基、または第1級ないし第3級アミン基等のカ
チオン性基単量体などをもちいることができる。
【0011】カルボン酸アルカリ金属塩基あるいはカル
ボン酸アンモニウム塩基を導入する場合には、ポリエス
テルの重合末期にトリメリット酸等の多価カルボン酸を
系内に導入することにより高分子末端にカルボキシル基
を付加し、さらにこれをアンモニア、水酸化ナトリウム
等にて中和することによりカルボン酸塩の基に交換する
方法を用いることができる。また、スルホン酸アルカリ
金属塩基あるいはスルホン酸アンモニウム塩基を有する
モノあるいはジカルボン酸を含有することによりこれら
のイオン性基をポリエステル樹脂に導入することができ
る。塩としてはアンモニウム系イオン、Li、Na、
K、Mg、Ca、Cu、Fe等の塩があげられ、特に好
ましいものはK塩またはNa塩である。本発明では5−
ナトリウムスルホイソフタル酸、あるいはメタナトリウ
ムスルホ安息香酸を用いることが好ましい。またカルボ
ン酸塩の基とスルホン酸塩の基を使用しても良い。
【0012】本発明におけるポリエステル樹脂の主成分
のより具体的な例として、以下に示される。 a)芳香族系単量体を80mol%以上含有する多価カルボン
酸類、と、 b)エチレングリコ−ル0〜90mol%、プロピレングリコ
−ル100〜10mol%とから得られるポリエステル樹
脂、または a)芳香族系単量体を80mol%以上含有する多価カルボン
酸類、と、 b)2,3−ブタンジオ−ル5〜80mol%、エチレングリ
コ−ル20〜95mol%とから得られるポリエステル樹
脂、または a)芳香族系単量体を80mol%以上含有する多価カルボン
酸類、と、 b)C2 〜C4 の脂肪族系グリコ−ル類70〜95mol%、 c)トリシクロデカン骨格を有するモノあるいは多価アル
コ−ル類5〜30mol%とから得られるポリエステル樹
脂、または a)芳香族系単量体を80mol%以上含有する多価カルボン
酸類、と、 b)C2 〜C4 の脂肪族系グリコ−ル類70〜95mol%、 c)ヒドロキシメチルトリシクロデカン5〜30mol%とか
ら得られるポリエステル樹脂、または
【0013】a)芳香族系単量体を80mol%以上含有する
多価カルボン酸類、と、 b)C2 〜C4 の脂肪族系グリコ−ル類70〜95mol%、 c)トリシクロデカンジメタノ−ル5〜30mol%とから得
られるポリエステル樹脂、または a)芳香族系単量体を80mol%以上含有する多価カルボン
酸類、と、 b)C2 〜C4 の脂肪族系グリコ−ル類70〜95mol%、 c)シクロヘキサン骨格を有するモノあるいは多価アルコ
−ル類5〜30mol%とから得られるポリエステル樹脂、
または a)芳香族系単量体を80mol%以上含有する多価カルボン
酸類、と、 b)C2 〜C4 の脂肪族系グリコ−ル類70〜95mol%、 c)シクロヘキサンジオ−ル5〜30mol%とから得られる
ポリエステル樹脂、または a)芳香族系単量体を80mol%以上含有する多価カルボン
酸類、と、 b)C2 〜C4 の脂肪族系グリコ−ル類70〜95mol%、 c)水添ビフェノ−ル5〜30mol%とから得られるポリエ
ステル樹脂、または
【0014】a)芳香族系単量体を80mol%以上含有する
多価カルボン酸類、と、 b)C2 〜C4 の脂肪族系グリコ−ル類70〜95mol%、 c)水添ビスフェノ−ルA5〜30mol%とから得られるポ
リエステル樹脂、または a)ナフタレン骨格を有するモノあるいは二価以上のカル
ボン酸1〜20mol%を含む芳香族系単量体を80mol%以
上含有する多価カルボン酸類、と、 b)C2 〜C4 の脂肪族系グリコ−ル類70〜100mol
%、 c)脂環族系単量体0〜30mol%を含有する多価アルコ−
ル類、とから得られるポリエステル樹脂等を例示するこ
とができる。さらに、ここに示される、「a)芳香族系単
量体」はテレフタル酸あるいはイソフタル酸であること
が好ましい。テレフタル酸とイソフタル酸の比率は、テ
レフタル酸含有率/イソフタル酸含有率=90〜40/
10〜60[mol%]が好ましく、さらに、テレフタル酸
含有率/イソフタル酸含有率=80〜50/20〜50
[mol%]、またさらにテレフタル酸含有率/イソフタル
酸含有率=85〜60/15〜40[mol%]が好まし
い。
【0015】イオン性基含有単量体をポリエステル樹脂
に導入し、ポリエステル樹脂にイオン性基を与えた場
合、ポリエステル樹脂が水分散性を発現する。イオン性
基含有単量体としては前述したスルホン酸アルカリ金属
塩基あるいはスルホン酸アンモニウム塩基を有するモノ
あるいはジカルボン酸等を好ましく用いることができる
ほか、例えばカルボン酸アルカリ金属塩基あるいはカル
ボン酸アンモニウム塩基を有する単量体、硫酸基、リン
酸基、ホスホン酸基、ホスフィン酸基もしくはそれらの
アンモニウム塩、金属塩等のアニオン性基、または第1
級ないし第3級アミン基等のカチオン性基単量体などを
もちいることができる。カルボン酸アルカリ金属塩基あ
るいはカルボン酸アンモニウム塩基を導入する場合に
は、ポリエステルの重合末期にトリメリット酸等の多価
カルボン酸を系内に導入することにより高分子末端にカ
ルボキシル基を付加し、さらにこれをアンモニア、水酸
化ナトリウム等にて中和することによりカルボン酸塩の
基に交換する方法を用いることができる。
【0016】これらイオン性基の含有量は、スルホン酸
基およびまたはその塩の基をふくめ、該ポリエステル樹
脂に対し、10〜1000m当量/1000g、好まし
くは20〜500m当量/1000g、なお好ましくは
50〜200m当量/1000g、である。イオン性基
の含有量が所定の量より少ない場合には十分なる水分散
性が得られない。
【0017】本発明では、耐光性向上を目的として用い
られる前記化1の化合物において式中R1、R2、R3
及びR4は、各々水素原子または、ハロゲン原子、水酸
基、カルボキシル基、スルホン酸基、スルホン酸塩の
基、ないしは炭素数が1〜20のアルキル基、アルコキ
シル基、芳香環を有する置換基を有するものである。該
化合物の具体例を挙げて示すと以下のものが例示できる
が、該化合物のうち本発明に用いる化合物はこれらに限
定されるものではない。また、前記一般式化1で表され
る化合物を2種類以上混合して用いても良い。2,4−
ジヒドロキソベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メ
トキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ
ベンゾフェノン−5−スルホン酸、2−ヒドロキシ−4
−n−オクトキシベンゾフェノン、2−ひどろきし−4
−n−ドデイロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−
4−ベンジフォキシベンゾフェノン等がある。本発明に
用いられる該化合物の添加量は、ポリエステル樹脂に対
して0.5 〜5重量%の範囲が好ましい。
【0018】染料としては「常温にて水に不溶の染料」
を用いることが好ましい。これらは一般に分散染料、あ
るいは油溶性染料に分類されるものである。より具体的
には、 ・C.I.Disperse Yellow 198 ・C.I.Disperse Yellow 42 ・C.I.Disperse Yellow 162 ・C.I.Disperse Red 92 ・C.I.Disperse Red 60 ・C.I.Disperse Violet 26 ・C.I.Disperse Violet 35 ・C.I.Disperse Blue 60 ・C.I.Disperse Blue 87 ・C.I.Solvent Blue 25 ・C.I.Solvent Blue 35 ・C.I.Solvent Blue 38 ・C.I.Solvent Blue 64 ・C.I.Solvent Blue 70 ・C.I.Solvent Black 3 から選択される少なくとも1種の染料が好ましく用いら
れる。これらは特に耐光堅牢度、昇華堅牢度、色相、彩
度に優れるものであり、プロセスカラ−用三原色として
好ましいものである。他に色相の微調整のために公知の
染顔料を併用してもよい。
【0019】本発明における微粒子分散体の平均粒子径
は1.0μm以下であることが必須であり、好ましくは
0.5μm以下、さらに好ましくは0.2μm以下、ま
たさらに好ましくは0.1μm以下である。微粒子分散
体の粒子系がこの範囲を越える場合には分散安定性が悪
化する場合がある。かかるポリエステル樹脂に微粒子分
散体は以下に述べる方法にて得ることができる。すなわ
ち、イオン性基を含有した場合、本発明におけるポリエ
ステル樹脂は水分散性を発現する。水分散性とは一般に
エマルジョンあるいはコロイダルディスパ−ジョンと称
される状態を意味するものである。イオン性基は水系媒
体中において解離し、ポリエステル樹脂と水との界面に
電気二重層を形成する。ポリエステル樹脂が微細なミク
ロ粒子として水系内に存在する場合には電気二重層の働
きによりミクロ粒子間には静電的な反発力が生じ、ミク
ロ粒子が水系内にて安定的に分散する。
【0020】イオン性基含有ポリエステル樹脂の水分散
体は、イオン性基含有ポリエステル樹脂と水溶性有機化
合物とをあらかじめ混合後に水を加える方法、イオン性
基含有ポリエステル樹脂と水溶性有機化合物と水とを一
括して混合加熱する方法等により得ることができる。ま
たその際に界面活性剤等を併用することもできる。水溶
性有機化合物としてはエタノ−ル、イソプロパノ−ル、
ブタノ−ル、エチレングリコ−ル、プロピレングリコ−
ル、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロ
ソルブ、アセトン、メチルエチルケトン、テトラヒドロ
フラン、ジオキサン等を用いることができる。水溶性有
機化合物はイオン性基含有ポリエステル樹脂を水分散化
した後に共沸等により除去することができるものが好ま
しい。
【0021】本発明のポリエステル樹脂は染料にて着色
された場合においても耐光堅牢度が良好である。染料と
しては分散染料、油溶性染料、建浴染料、ヴァット染
料、スレン染料、塩基性等を用いることができる。染料
をポリエステル樹脂に含有させる方法としては高温分散
染色法を用いることができる。染料原体を樹脂に直接練
り込む方法は、加熱による染料のダメ−ジを考慮したば
あいに好ましい方法ではない。本発明のポリエステル樹
脂はイオン性基の作用により水中にて良好なる安定分散
性を示すため、粒子状を保持したまま高濃度な染色が可
能である。また、エマルジョン化時に、ポリエステル樹
脂を溶剤で溶解した時に染料を添加しても良い。本発明
のインクジェットプリンタ用インクは、水中に分散され
た着色ポリエステル粒子を、1〜50wt%で含まれる。
また、本発明インクジェットプリンタ用インクは、着色
ポリエステル粒子の他に、必要に応じて、分散剤、分散
安定助剤である、界面活性剤や高分子分散安定剤を添加
しても良い。また、粒子の湿潤性を高めるために、エチ
レングリコール、グリセリン、各種多価アルコール類を
添加しても良い。更に、インク中に混入する金属イオン
を封鎖するために、各種キレート化剤等を添加しても良
い。さらに、インクの保存安定性を向上するために、各
種殺菌剤や防カビ剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤等も添
加しても良い。
【0022】
【実施例1】 (ポリエステル樹脂の合成) 温度計、撹拌機を備えたオ−トクレ−ブ中に、 ジメチルテレフタレ−ト 130重量部、 ジメチルイソフタレ−ト 56重量部、 5ナトリウムスルホイソフタル酸ジメチルエステル 6
重量部、 エチレングリコ−ル 159重量部、 トリシクロデカンジメタノール 30重量部、 テトラブトキシチタネ−ト 0.1重量部、 を仕込み180〜230℃で120分間加熱してエステ
ル交換反応を行った。ついで反応系を240℃まで昇温
し、系の圧力1〜10mmHgとして60分間反応を続
けた結果、共重合ポリエステル樹脂を得た。次に、得ら
れたポリエステル樹脂340重量部、メチルエチルケト
ン150重量部、テトラヒドロフラン140重量部、染
料 C.I.Disperse Blue 87 のコ
ンクケ−キ 30重量部、2,4-ジヒドロキソベンゾフェ
ノン4重量部を80℃にて溶解した後80℃の水680
部を添加し、粒子径約0.15μmの共重合ポリエステ
ル樹脂の水系ミクロ分散体を得た。さらに得られた水系
ミクロ分散体を蒸留用フラスコに入れ、留分温度が10
0℃に達するまで蒸留し、冷却後に水を加え固形分濃度
を30%とした。以下、染料を、 ・C.I.Disperse Yellow 198 ・C.I.Disperse Red 92 に代えて同様に染色し、水系ミクロ分散体を得た。
【0023】この様にして得た水系ミクロ分散体をイン
クジェットプリンター(EPSONHG−4000)の
インクとして使用した。使用した紙は、インクジェット
用としての加工のされていないものを使用した。その結
果、本発明によるインクを用いた場合インクの滲みは全
く無かった。また得られた画像の濃度は極めて高く、鮮
明な画像であった。また製作した水系ミクロ分散体は、
室温で3カ月以上放置しても沈澱物の発生や、染料の析
出等は発生せず極めて良好な安定性を示した。これに対
してスチレン重合体を乳化重合して製作した後染色した
分散体は、その着色濃度も低く、さらに分散体の安定性
が悪く室温で3カ月以上放置した場合、染料の析出が見
られた。更に比較例として通常インクジェットインクに
使用されている水溶性染料を用いてインクの滲みを見
た。使用した水溶性染料はC.I.Acid Yell
ow 7、C.I.Acid Red 94、C.I.
Acid Blue 1、を水に溶解しインクとした。
その結果、専用紙を用いた場合は、良好であるが、普通
紙を用いた場合は、本発明とはことなり、大きく滲んで
しまった。また耐光性の比較も行った。プリントアウト
したそれぞれのインクは紫外線フェードメーター(カー
ボンアーク)63℃で20時間照射した前後の色差を測
定した。その結果本発明によるインクはΔEが1〜3で
あったのに対して、水溶性染料によるインクはΔEが8
〜40と大きく退色した。
【0024】
【発明の効果】本発明のインクジェットプリンタ用イン
クは、耐光性にすぐれ、かつ滲みのない実用性にすぐれ
たものである。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 染料または顔料によって着色され、かつ
    下記化1で示される化合物を含有し、20〜1000e
    q/tonの範囲でイオン性基を含有するポリエステル
    粒子を分散質とする水分散体であることを特徴とするイ
    ンクジェットプリンタ用インク。 【化1】 式中R1、R2、R3及びR4は、各々水素原子また
    は、ハロゲン原子、水酸基、カルボキシル基、スルホン
    酸基、スルホン酸塩の基、ないしは炭素数が1〜20の
    アルキル基、アルコキシル基、芳香環を有する置換基を
    有するものである。
JP24528893A 1993-09-30 1993-09-30 インクジェットプリンタ用インク Pending JPH07102200A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP24528893A JPH07102200A (ja) 1993-09-30 1993-09-30 インクジェットプリンタ用インク

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP24528893A JPH07102200A (ja) 1993-09-30 1993-09-30 インクジェットプリンタ用インク

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH07102200A true JPH07102200A (ja) 1995-04-18

Family

ID=17131439

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP24528893A Pending JPH07102200A (ja) 1993-09-30 1993-09-30 インクジェットプリンタ用インク

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH07102200A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1997016495A1 (fr) * 1995-10-30 1997-05-09 Kao Corporation Encre a base d'eau
JPH09151342A (ja) * 1995-09-28 1997-06-10 Dainippon Ink & Chem Inc 記録液用アニオン性マイクロカプセル化顔料含有水性分散液及び記録液
EP3950354A4 (en) * 2019-03-27 2022-12-21 Seiko Epson Corporation AQUEOUS COMPOSITION FOR INK-JET PRINTERS AND METHOD FOR PRODUCTION OF RECORDED SUBSTANCES

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09151342A (ja) * 1995-09-28 1997-06-10 Dainippon Ink & Chem Inc 記録液用アニオン性マイクロカプセル化顔料含有水性分散液及び記録液
WO1997016495A1 (fr) * 1995-10-30 1997-05-09 Kao Corporation Encre a base d'eau
EP3950354A4 (en) * 2019-03-27 2022-12-21 Seiko Epson Corporation AQUEOUS COMPOSITION FOR INK-JET PRINTERS AND METHOD FOR PRODUCTION OF RECORDED SUBSTANCES

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3345959B2 (ja) インクジェットプリンタ用インク
US5837754A (en) Ink for ink jet printer
JP3399588B2 (ja) 筆記具用インク
JP3821306B2 (ja) インク
JP3642358B2 (ja) ポリエステル系樹脂水分散体およびその製法
JPH07268254A (ja) インクジェットプリンタ用インク
JPH07196965A (ja) インクジェットプリンタ用インク
JPH07268257A (ja) インクジェットプリンタ用インク
JP3897128B2 (ja) 着色微粒子水分散体
JP3541978B2 (ja) 着色ポリエステル水分散体
JP3468309B2 (ja) インクジェットプリンタ用インク
JPH07102200A (ja) インクジェットプリンタ用インク
JP3897130B2 (ja) インクジェット記録用インク
JP3591603B2 (ja) 着色微粒子水分散体
JP3897129B2 (ja) インクジェット記録用インク
JP3613720B2 (ja) ポリエステル水分散体
JP3541976B2 (ja) 着色水分散体
JPH08259871A (ja) 着色微粒子水分散体
JPH0797540A (ja) インクジェットプリンタ用インク
JPH07133452A (ja) インクジェットプリンタ用インク
JP3642359B2 (ja) ポリエステル水分散体
JP2002129074A (ja) 水性インク組成物
JP3588875B2 (ja) 着色ポリエステル水分散体
JPH07133455A (ja) インクジェットプリンタ
JP2002138231A (ja) 水性インク組成物