JP2003238879A - 布用マーキングペン用水性インキ組成物及びマーキングペン - Google Patents

布用マーキングペン用水性インキ組成物及びマーキングペン

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JP2003238879A JP2002035838A JP2002035838A JP2003238879A JP 2003238879 A JP2003238879 A JP 2003238879A JP 2002035838 A JP2002035838 A JP 2002035838A JP 2002035838 A JP2002035838 A JP 2002035838A JP 2003238879 A JP2003238879 A JP 2003238879A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 布に筆記した際に耐滲み性、耐洗濯性が良好
で、かつ、誤って付着したインキ組成物を洗濯によって
完全に除去できる水性インキ組成物を提供する。 【解決手段】 少なくとも樹脂エマルションと着色材を
含み、前記樹脂エマルションに含まれる樹脂のガラス転
移点が20℃以上100℃以下であり、さらに前記樹脂
エマルションは前記着色材で着色された着色樹脂エマル
ションを構成している水性インキ組成物を採用する。ま
た、前記着色材が、水不溶性染料または顔料である水性
インキ組成物を採用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、布用マーキングペ
ンとして、布に筆記された筆跡又は塗膜の耐滲み性、耐
洗濯性が良好で、且つ、誤って付着したインキ組成物を
洗濯によって完全に徐去することができる水性インキ組
成物に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、布用マーキングペンなどに用いら
れる各種インキ組成物が公知となっている。例えば、特
開平5−9424号公報では着色材、炭素数4以下の脂
肪族アルコール、及び、ケトン樹脂・ロジン変性マレイ
ン酸樹脂・ひまし油変性アルキド樹脂から選ばれる1種
又は2種以上を混合した樹脂からなる油性インキ組成物
が開示されている。また、特開平8−188735で
は、少なくとも顔料及び0℃以上の造膜温度若しくはガ
ラス転移点を有する樹脂エマルションからなるインキ組
成物が開示されている。また、特開平8−209052
では、少なくとも顔料、及び、0℃以下の造膜温度若し
くはガラス転移点を有してニトリル基、カルボキシル
基、ビニル基などの官能基を含有するモノマーを共重合
してなる樹脂粒子からなるエマルションを有するインキ
組成物が開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】編物、織物又は不織布
等の布に代表されるシート状物に筆記することを目的と
した、従来公知の各種布用マーキングペンは、そのイン
キ組成物を用いて布に筆記した場合に筆跡が滲みやす
く、耐洗濯性の観点で評価した場合には徐々に筆跡の色
落ちが確認され、満足のいくものではない。特に油性イ
ンキ組成物の場合は含まれる溶剤の溶剤臭等の問題があ
る。よって、この滲み、耐洗濯性を改良する為に、特開
平5−9424、特開平8−18873、特開平8−2
0952が提案されている。また、布用マーキングペン
に用いられる従来公知のインキ組成物において、誤って
付着したインキ組成物を、洗濯等の水洗によって除去す
ることができる製品はない。
【0004】本発明の目的は、布に筆記された筆跡又は
塗膜の耐滲み性、耐洗濯性が良好で、且つ、誤って付着
したインキ組成物を洗濯等の水洗によって完全に除去す
ることができる水性インキ組成物を提供するところにあ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に鋭意検討した結果、本発明者は、着色材と樹脂エマル
ションを含み、前記樹脂エマルションに含まれる樹脂の
ガラス転移点が20℃以上100℃以下であり、且つ、
前記樹脂エマルションが前記着色材で着色された着色樹
脂エマルションを構成している水性インキ組成物を採用
した。上記の様な水性インキ組成物は、着色材が樹脂エ
マルションに含まれる樹脂に包含され、着色材による布
地への浸透及び着色を防ぐことができる為、誤って付着
した筆跡又は塗膜を完全に除去することができ、さらに
筆跡又は塗膜を加熱することにより、耐洗濯性を発現す
ることを見出し本発明に至った。
【0006】
【発明の実施の形態】(樹脂エマルション)本発明の樹脂
エマルションとしては、樹脂エマルション中に含まれる
樹脂のガラス転移点が20℃以上100℃以下であれば
格別限定されるものではないが、55〜85℃であるこ
とが好ましく、60〜70℃であるのがより好ましい。
樹脂エマルション中の樹脂のガラス転移点が20℃未満
であるときは、室温下で樹脂が接着性を発現するため、
洗濯による筆跡の除去性能が低下する。また、樹脂のガ
ラス転移点が100℃以上である場合は、アイロンの様
な簡単な加熱手段で樹脂が接着性を発現させることが困
難となり、耐洗濯性が低下する。また、樹脂成分を加熱
された水中で分散する方法で樹脂エマルションを簡易に
製造することが好ましいのであるが、ガラス転移点が1
00℃を超える場合には、加圧等の特殊な装置が必要と
なり、通常の製造装置を用いて製造することができて温
度コントロールが容易であることから前記ガラス転移点
の範囲は上限が85℃であることが好ましく、前記ガラ
ス転移点が60〜70℃であることがより好ましい。
【0007】本発明の樹脂エマルションに含まれる樹脂
としては、組成が格別限定されるものではないが、ポリ
エステル成分を含んでいることが好ましい。ポリエステ
ル成分を含む筆跡又は塗膜は、ガラス転移点以上に加熱
されると、布地へ強く定着する。これは、ガラス状にな
って強固に接着するためと考えられる為である。この様
に、布地に強い定着性を示すものであれば、樹脂エマル
ションに含まれる樹脂は、部分的にポリエステル成分を
含んでいるのであっても、全部がポリエステル成分で構
成されているのであっても良い。前記樹脂が、ポリエス
テル成分を部分的に含む場合には、共重合体成分とポリ
エステル成分とで構成されていることが耐洗濯性の向上
の為に好ましい。共重合体成分とポリエステル成分によ
り構成された前記樹脂はグラフト重合体でもブロック重
合体でも良く、特に限定されるものではない。共重合体
成分は、スチレン等のビニルモノマー及び/又は(メ
タ)アクリルモノマーにより構成されたものであれば良
い。前記ポリエステル成分としては、フタル酸、テレフ
タル酸、マレイン酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン
酸、フマル酸等を挙げることができる。また、前記ポリ
エステルのポリオール成分としてはグリセリン、エチレ
ングリコール、プロピレングリコール、1,3-ブタンジ
オール等を挙げることができる。また、モノマー成分と
しては、スチレン、ビニルアルコール、アクリル酸メチ
ル、メタクリル酸メチル、アクリロニトリル等を挙げる
ことができる。これらの1種又は2種以上を混合して使
用することができる。
【0008】樹脂エマルションの含有量は特に制限され
ないが、例えば、インキ組成物全量に対して固形分で
0.1〜40重量%が好適範囲である。樹脂エマルショ
ンの含有量がインキ組成物全量に対して固形分で0.1
重量%未満であると、加熱後の等跡又は塗膜の布地への
接着性が低下する。一方、樹脂エマルションの含有量が
インキ組成物全量に対して固形分で40重量%を越える
と、粘度の上昇により筆記特性が低下し、また、ベン先
で目詰まりしやすくなる。樹脂エマルションの最適含有
量は、インキ組成物全量に対して固形分で0.3〜30
重量%である。
【0009】(着色材)本発明の着色材は、樹脂エマルシ
ョンに含まれる樹脂に取り込まれ、又は結合されて、樹
脂エマルション中で着色樹脂粒子を形成するものであれ
ばく特に限定されるものではないが、水不溶性のもので
あることが耐滲み性に優れる点で好ましい。例えば顔
料、水不溶性染料を挙げることができる。具体的には
C.I.Disperse Yellow5、C.I.
Disperse Yellow64、C.I.Dis
perse Yellow82、C.I.Disper
se Yellow12、C.I.Disperse O
renge11、C.I.Disperse Oren
ge13、C.I.Disperse Orenge2
9、C.I.Disperse Orenge73、
C.I.Disperse Red54、C.I.Di
sperse Red58、C.I.Disperse
Red60、C.I.Disperse Red88、
C.I.Disperse Red92、C.I.Di
sperse Red127、C.I.Dispers
e Blue7、C.I.Disperse Blue5
6、C.I.Disperse Blue60、C.
I.Disperse Blue73、C.I.Dis
perse Blue81、C.I.Disperse
Blue91、C.I.Direct Yellow1
2、C.I.Direct Yellow44、C.
I.Direct Yellow85、C.I.Dir
ect Yellow142、C.I.Direct O
range8、C.I.Direct Orange2
6、C.I.Direct Orange79、C.
I.Direct Orange83、C.I.Dir
ect Orange89、C.I.Direct Re
d4、C.I.Direct Red9、C.I.Di
rectRed23、C.I.Direct Red3
1、C.I.Direct Red81、C.I.Di
rect Blue22、C.I.Direct Blu
e71、C.I.Direct Blue78、C.
I.Direct Blue86、C.I.Direc
t Blue89、C.I.Direct Blue9
0、C.I.Direct Green6、C.I.D
irect Green59、C.I.Direct G
reen80、C.I.Direct Black2
2、C.I.Direct Black51、C.I.
Solvent Yellow25、C.I.Solv
ent Yellow33、C.I.Solvent Y
ellow44、C.I.Solvent Yello
w93、C.I.Solvent Yellow11
6、C.I.Solvent Red49、C.I.S
olvent Red82、C.I.Solvent R
ed83、C.I.Solvent Red84、C.
I.Solvent Red111、C.I.Solv
ent Red146、C.I.Solvent Blu
e5、C.I.Solvent Blue35、C.
I.Solvent Blue83、C.I.Solv
ent Green3、C.I.Solvent Gre
en7、C.I.Solvent Black22、
C.I.Solvent Black42、C.I.S
olvent Black43、C.I.Pigmen
t Yellow1、C.I.Pigment Yell
ow147、C.I.Pigment Red53、
C.I.Pigment Red57、C.I.Pig
ment Yellow249、C.I.Pigmen
t Red250、C.I.Pigment Red25
1、C.I.Pigment Green7、C.I.
Pigment Green36、C.I.Pigme
nt Blue15、C.I.Pigment Blac
k7等を例示することができる。これらの1種又は2種
以上を混合して使用することができる。また、前記樹脂
エマルションとの着色樹脂エマルションとして用いられ
ることが好適である。
【0010】本発明における着色材は、樹脂エマルショ
ンに含まれる樹脂固形分全量に対して0.01〜75重
量%含まれていることが好ましい。着色材が樹脂エマル
ションに含まれている樹脂固形分全量に対して0.01
重量%未満の場合は、着色力が十分でない。また、着色
材が樹脂エマルションに含まれる樹脂固形分全量に対し
て75重量%を超えると、乳化重合等の方法による着色
樹脂エマルションの調整の際に未反応の染料又は顔料が
多くなり、耐洗濯性が低下する。着色材の最適配合量は
樹脂固形分全量に対して0.1〜15重量%である。ま
た、着色材は、粒径の小さいものが好ましく、平均粒子
径が0.5μm以下であることが好適である。
【0011】(着色樹脂エマルション)本発明の着色樹
脂エマルションは、前記樹脂エマルションと前記着色材
により構成され、塗膜形成成分としての機能を持つもの
である。前記着色樹脂エマルションの平均粒子径は0.
1〜1μmであることが好ましい。平均粒子径が0.1
μmより小さい場合は、粒子が繊維内に入り込みやすく
なるため、洗濯による除去性能が低下し、1μmを超え
る場合は、筆記具とした場合にペン先から流出しない。
また、前記着色樹脂エマルションの製造方法について
は、特に限定されるものではなく、公知の製造方法を用
いることがきる。例えば、溶解若しくは溶融した状態の
ポリエステル樹脂等の樹脂成分と着色材とを加熱混合
し、さらに蒸留水を添加した後に加熱撹拌して分散し、
溶媒を留去することにより前記着色樹脂エマルションを
作ることができる。
【0012】(その他の成分)なお、本発明のインキ組成
物では、湿潤剤として、グリセリン、エチレングリコー
ル、ジエチレングリコールなどのグリコール類をインキ
組成物全量に対して0.5〜40重量%の範囲で添加し
ても良い。また、界面活性剤、防腐防黴剤などのインキ
組成物に用いられる公知の成分を適宜添加することがで
きる。
【0013】(製造方法)本発明の水性インキ組成物の
製造方法は、格別限定されるものではないが、例えば次
の方法によって製造することが好ましい。まず、プロペ
ラ羽根のついたオートクレーブに原料である酸成分及び
アルコール成分を仕込み、180〜220℃で2時間撹
拌する。その後240℃まで昇温させ、ゆっくり減圧し
て20分後に10mmHgとして、2時間撹拌すること
によりポリエステル樹脂を得る。この得られたポリエス
テル樹脂を用いて、ポリエステル樹脂が40重量%、メ
チルエチルケトンが30重量%、テトラヒドロフランが
20重量%、着色材C.I.Solvent Blac
k22が10重量%である比率の原料をプロペラ羽根の
ついた4つ口セパラブルフラスコに仕込み、80℃で3
0分間撹拌する。次いで、前記原料対蒸留水が重量比で
7:3となるように80℃の蒸留水を加えて1時間撹拌
する。その後、97℃で水以外の溶剤を蒸発させること
により、着色されたポリエステル水分散体である着色樹
脂エマルションを得る。この着色樹脂エマルションに必
要に応じて、防腐防黴剤、湿潤剤を添加し、目的の水性
インキ組成物を得ることができる。なお、かかる調製に
際しては、従来公知の分散方法、脱泡方法、濾過方法な
どを採用することができる。
【0014】また、次の方法によっても製造することが
できる。ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダなどの界面
活性剤と過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウムなどの開
始剤をイオン交換水に溶解する。これを4ツロフラスコ
等に仕込み、マレイン酸、テレフタル酸等の酸成分と、
グリセリン、エチレングリコール等のポリオール成分を
滴下し、80℃で3時間攪拌し、目的のポリエステル樹
脂エマルションを得る。ここで、ポリエステル成分を含
む共重合体を得る場合は、更に開始剤を添加した後、メ
タクリル酸メチル等のモノマーを滴下し、2時間撹拌
し、目的の樹脂エマルションを得る。この様にして得た
樹脂エマルションに、水不溶性染料、又は顔料を水に分
散させた分散体を滴下し、2時間撹拌し、目的の着色樹
脂エマルションを得る。この着色樹脂エマルションに、
必要に応じて、防腐防黴剤、湿潤剤を添加し、目的の水
性インキ組成物を得る。なお、かかる調製に際しては、
従来公知の分散方法、脱泡方法、濾過方法などを採用す
ることができる。
【0015】
【実施例】(ポリエステル樹脂Iの製造例)プロペラ羽
根のついたオートクレーブに原料である酸成分及びアル
コール成分をテレフタル酸ジメチルエステル15重量
%、イソフタル酸ジメチルエステル15重量%、イソフ
タル酸7重量%、1,2−プロピレングリコール30重
量%、ジエチレングリコール33重量%の比率で仕込
み、180〜220℃で2時間撹拌した。その後240
℃まで昇温し、ゆっくり減圧して20分後に10mmH
gとして、2時間撹拌することによりガラス転移点64
℃であるポリエステル樹脂Iを得た。 (ポリエステル樹脂IIの製造例)プロペラ羽根のついた
オートクレーブに原料である酸成分及びアルコール成分
をテレフタル酸ジメチルエステル30重量%、イソフタ
ル酸ジメチルエステル10重量%、エチレングリコール
9重量%、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加
物(平均分子量350)51重量%の比率で仕込み、触
媒量のテトラブトキシチタネートを加えて150〜22
0℃で3時間撹拌した。その後240℃まで昇温し、ゆ
っくり減圧して30分後に10mmHgとして2時間撹
拌し、更に減圧を解除したに後に200℃に保持しなが
ら上記酸成分及びアルコール成分の合計量に対して1重
量%の無水トリメリット酸を加えて1時間撹拌すること
によりガラス転移点71℃であるポリエステル樹脂IIを
得た。 (ポリエステル樹脂IIIの製造例)プロペラ羽根のつい
たオートクレーブに原料である酸成分及びアルコール成
分をシクロヘキサンジカルボン酸ジメチルエステル5
4.1重量%、5ナトリウムスルホイソフタル酸ジメチ
ルエステル1.7重量%、プロピレングリコール44.
2重量%の比率で仕込み、触媒量のテトラブトキシチタ
ネートを加えて150〜220℃で3時間撹拌した。そ
の後240℃まで昇温し、ゆっくり減圧して30分後に
10mmHgとして2時間撹拌し2時間撹拌することに
よりガラス転移点55℃であるポリエステル樹脂IIIを
得た。 (ポリエステル樹脂IVの製造例)プロペラ羽根のついた
オートクレーブに原料である酸成分及びアルコール成分
をシクロヘキサンジカルボン酸ジメチルエステル36重
量%、フマル酸ジメチルエステル13重量%、1,4−
ブタンジオール51重量%の比率で仕込み、触媒量のテ
トラブトキシチタネートを加えて150〜220℃で3
時間撹拌した。その後240℃まで昇温し、ゆっくり減
圧して30分後に10mmHgとして2時間撹拌し、更
に減圧を解除したに後に200℃に保持しながら上記酸
成分及びアルコール成分の合計量に対して1重量%の無
水トリメリット酸を加えて1時間撹拌することによりガ
ラス転移点32℃であるポリエステル樹脂IVを得た。 (ポリエステル樹脂Vの製造例)1,4−ブタンジオー
ルの一部を1,6−ヘキサンジオールに替え、ポリエス
テル樹脂IVの製造例と同様の方法でガラス転移点22℃
であるポリエステル樹脂Vを得た。 (着色樹脂エマルションI〜Vの製造例)上記製造例によ
り得られたポリエステル樹脂I〜Vを用い、各ポリエス
テル樹脂について、ポリエステル樹脂が40重量%、メ
チルエチルケトンが30重量%、テトラヒドロフランが
20重量%、着色材C.I.Solvent Blac
k22が10重量%である比率の原料をプロペラ羽根の
ついた4つ口セパラブルフラスコに仕込み、80℃で3
0分間撹拌した。次いで、前記原料対蒸留水が重量比で
7:3となるように80℃の蒸留水を加えて1時間撹拌
した。その後、97℃で水以外の溶剤を蒸発させること
により、着色されたポリエステル水分散体を得て、それ
ぞれ着色樹脂エマルションI〜Vとした。 (着色樹脂エマルションVIの製造例)原料の比率をポリエ
ステル樹脂IVが40重量%、メチルエチルケトンが35
重量%、テトラヒドロフランが23.5重量%、着色材
C.I.SolventBlack22が1.5重量%
としたこと以外は、着色樹脂エマルションI〜Vと同様
の方法で、着色樹脂エマルションVIを得た。
【0016】(実施例1〜6)表1に示す組成及び配合量
で、前記の製造例により得られた着色樹脂エマルション
に湿潤剤、防腐剤を添加し、実施例1〜6のインキ組成
物を得た。尚、表1における配合量は重量部で示されて
いる。
【0017】(比較例1及び2)表1に示す組成及び配合
量で、前記の製造方法により得られた着色樹脂エマルシ
ョンに湿潤剤、防腐剤を添加し、比較例1の水性インキ
組成物、比較例2の油性インキ組成物を得た。尚、表1
における配合量は重量部で示されている。
【0018】
【表1】
【0019】
【表2】
【0020】表1中、各原料組成は下記の通りである。 (着色材) I 黒色顔料:C.I.Pigment Black 7 II 水溶性黒色染料:C.I.Solvent Black 29 (樹脂) I アルキルフェノール樹脂:商品名「タマノル51
0」、荒川化学社製、軟化点:75〜95℃ II スチレンーアクリル共重合体:商品名「ジョンクリ
ル390」、ジョンソンポリマー社製、ガラス転移点:
2℃ (湿潤剤) I グリセリン:試薬 II エチレングリコール:試薬 (防腐剤) 2-ベンゾイソチアゾリン−3−オン:商品名「プロクセ
ルXL−2」、ヘキスト合成株式会社製 (溶剤) I イオン交換水 II プロピレングリコールモノメチルエーテル:商品名
「ダウアノールPM」、ダウケミカル社製
【0021】(試験サンプルの作製)表1に示した各実施
例及び比較例のインキ組成物を、それぞれポリエステル
製のベン先を一端に連設したインキ吸蔵体に含ませ、こ
のインキ収容部を装填した各試験サンプルのマーキング
ペンを作製した。
【0022】(評価試験)次に、これらのマーキングペン
を用いて、下記の耐滲み性試験、耐洗濯性試験、除去性
試験を行った。これらの評価結果は表2に示した。 (耐滲み性試験)実施例及び比較例に係る試験サンプルの
マーキングペンを用いて、綿プロードの布地に筆記した
後、筆跡の滲みの状態を目視で観察し、以下の評価基準
により評価した。 ○:筆跡の周囲に滲みが発生している。 ×:筆跡の周囲に滲みが発生していない。 (除去性試験)実施例及び比較例に係る試験サンプルのマ
ーキングペンを用いて、綿ブロードの布地に筆記した
後、自然乾燥させた。この様にして得られたサンプルを
1時間放置した後、市販されている粉末洗剤を所定量入
れた洗濯機で15分間洗濯する。これらのサンプルを乾
燥後、目視により筆跡の残存状態を洗濯前のサンプルと
比較し、以下の評価基準により評価した。 5:色落ちが認められない。 4:若干の色落ちが認められる。 3:色薄に感じる程度の色落ちが発生している。 2:筆跡が僅かに認められる程度の色落ちが発生してい
る。 1:筆跡が視認できないほど色落ちが発生している。 上記の評価基準に基づき、評価1及び2について洗濯に
よる除去性が良好であり、評価3〜5について実用的で
ないと判断した。 (耐洗濯性試験)実施例及び比較例に係る試験サンプルの
マーキングペンを用いて、綿ブロードの布地に筆記した
後、アイロンで30秒間、筆跡を加圧、加熱する。この
様にして得られたサンプルを1時間放置した後、市販さ
れている粉末洗剤を所定量入れた洗濯機で15分間洗濯
する。これらのサンプルを乾燥後、目視により筆跡の残
存状態を洗濯前のサンプルと比較し、以下の評価基準に
より評価した。 5:色落ちが認められない。 4:若干の色落ちが認められる。 3:色薄に感じる程度の色落ちが発生している。 2:筆跡が僅かに認められる程度の色落ちが発生してい
る。 1:筆跡が視認できないほど色落ちが発生しているも 上記の評価基準に基づき、評価5について耐洗濯性が良
好であり、評価1〜4について実用的でないと判断し
た。
【0023】表2より、実施例1〜6及び比較例1の水
性インキ組成物では、筆跡の滲みは認められなかった。
一方、比較例2の油性インキ組成物では筆跡の周りに著
しい滲みが認められた。
【0024】表2より、実施例1〜6の水性インキ組成
物では、洗濯性試験において、アイロン前の筆跡は洗濯
により完全に筆跡を除去することができるのに対し、ア
イロン後の筆跡は洗濯による色落ちがほとんど認められ
ない。―方、比較例1及び2に係るインキ組成物では、
洗濯性試験において、アイロン前の筆跡を洗濯により完
全に除去することができなかった。
【0025】
【発明の効果】少なくとも樹脂エマルションと着色材を
含む水性インキ組成物において、前記樹脂エマルション
は前記着色材で着色された着色樹脂エマルションを構成
しているので、このようなインキ組成物を用いて布に筆
記した筆跡の耐滲み性と洗濯による除去性能を飛躍的に
向上させることができる。また、前記樹脂エマルション
に含まれる樹脂のガラス転移点が20℃以上100℃以
下であるので、このようなインキ組成物を用いて布に筆
記した筆跡は、室温下では洗濯により完全に除去するこ
とができるが、アイロン等の手段で加熱されることによ
り筆跡が布地に接着され、耐洗濯性を発現する。また、
前記着色材は、水不溶性染料または顔料であるので、さ
らに耐洗濯性を優れたものとすることができる。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 着色材と樹脂エマルションを含み、前記
    樹脂エマルションに含まれる樹脂のガラス転移点が20
    ℃以上100℃以下であり、前記樹脂エマルションは前
    記着色材で着色された着色樹脂エマルションである布用
    マーキングペン用水性インキ組成物。
  2. 【請求項2】 前記樹脂エマルションに含まれる樹脂が
    ポリエステルである請求項1記載の布用マーキングペン
    用水性インキ組成物。
  3. 【請求項3】 前記樹脂エマルションに含まれる樹脂が
    ポリエステル成分を含む共重合体である請求項1又は2
    記載の布用マーキングペン用水性インキ組成物。
  4. 【請求項4】 前記着色材が、水不溶性染料または顔料
    である請求項1乃至3のいずれかの項に記載の布用マーキ
    ングペン用水性インキ組成物。
  5. 【請求項5】 前記着色材は前記着色樹脂エマルション
    中の樹脂固形分全量に対して0.01〜75重量%含ま
    れている請求項1乃至4のいずれかの項に記載の布用マ−
    キングベン用水性インキ組成物。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至5のいずれかの項に記載の水
    性インキが充填された布用マーキングペン。
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