JPH09100390A - レーザーマーキング用樹脂組成物 - Google Patents
レーザーマーキング用樹脂組成物Info
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- JPH09100390A JPH09100390A JP7282423A JP28242395A JPH09100390A JP H09100390 A JPH09100390 A JP H09100390A JP 7282423 A JP7282423 A JP 7282423A JP 28242395 A JP28242395 A JP 28242395A JP H09100390 A JPH09100390 A JP H09100390A
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Abstract
ーキングを呈することができ、成形加工性、耐衝撃性に
優れたレーザーマーキング用樹脂組成物を提供するこ
と。 【解決手段】 (A)ABS樹脂などのビニル系重合体
10〜99重量部、(B)他の熱可塑性樹脂90〜1重
量部の合計量100重量部に対し、(C)着色剤0.0
1〜5重量部を配合してなるレーザーマーキング用樹脂
組成物。
Description
することで、樹脂表面に鮮明なマーキングが可能で、成
形外観、耐衝撃性に優れるレーザーマーキング用樹脂組
成物に関する。
チック成形品、半導体などの物品の表面に、文字・記号
などをマーキングする際には、タンポ印刷、シルク印刷
などが用いられている。しかしながら、これらの方法で
は、インクの飛散、型板が必要で、微細部品へのマーキ
ングが困難などの問題がある。これらの問題点を解決す
るために、最近、レーザーマーキングが行われている。
レーザー光を照射することで、成形品表面の一部分を蒸
発または熱分解により消失させることで、素地部分と照
射部分(文字記号部分)とを区別する方法である。しか
しながら、レーザーマーキングされる部品の材質、樹脂
の種類などによっては、発色度、鮮明さが不充分である
という問題がある。
術の課題を背景になされたもので、ビニル系重合体に特
定の熱可塑性樹脂を添加することで、ビニル系重合体本
来の特徴である成形外観、耐衝撃性を損なうことなく、
レーザー光照射で発色度および鮮明さに優れたマーキン
グが得られる、レーザーマーキング用樹脂組成物を提供
することを目的とする。
たは非存在下に、芳香族ビニル化合物、シアン化ビニル
化合物、(メタ)アクリル酸エステル、無水マレイン酸
およびマレイミド化合物の群から選ばれた少なくとも1
種の単量体成分(b)〔ただし、(a)+(b)=10
0重量%〕を重合して得られる(A)ビニル系重合体1
0〜99重量部と、(B)他の熱可塑性樹脂90〜1重
量部の合計量100重量部に対し、(C)着色剤0.0
01〜5重量部を配合してなるレーザーマーキング用樹
脂組成物を提供するものである。
ニル系重合体中の(メタ)アクリル酸エステルの共重合
量を20〜80重量%とし、かつ(B)他の熱可塑性樹
脂として、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリオキシ
メチレンおよびポリアミドの群から選ばれた少なくとも
1種を用いると、白色レーザーマーキング用として好ま
しい。
ニル系重合体中のシアン化ビニル化合物の共重合量を1
0〜60重量%とし、かつ(B)他の熱可塑性樹脂とし
て、ポリカーボネート、ポリフェニレンオキサイド、ノ
ボラック樹脂、ポリエチレンテレフタレートおよびポリ
ブチレンテレフタレートの群から選ばれた少なくとも1
種を用いると、黒色レーザーマーキング用として好まし
い。
系重合体は、ゴム強化樹脂(A−1)および/または重
合体(A−2)から構成される。上記(A−1)成分
は、ゴム状重合体(a)が好ましくは5〜70重量%、
さらに好ましくは12〜60重量%、特に好ましくは1
5〜50重量%の存在下に、芳香族ビニル化合物、シア
ン化ビニル化合物、(メタ)アクリル酸エステル、無水
マレイン酸およびマレイミド化合物の群から選ばれた少
なくとも1種の単量体成分(b)を好ましくは95〜3
0重量%、さらに好ましくは88〜40重量%、特に好
ましくは85〜50重量%〔ただし、(a)+(b)=
100重量%〕を重合して得られるゴム強化樹脂であ
る。また、上記(A−2)成分は、上記単量体成分
(b)を重合して得られる重合体である。
タジエン、ポリイソプレン、ブタジエン−スチレン共重
合体、ブタジエン−アクリロニトリル共重合体、エチレ
ン−プロピレン−(非共役ジエン)共重合体、エチレン
−ブテン−1(非共役ジエン)共重合体、イソブチレン
−イソプレン共重合体、アクリルゴム、スチレン−ブタ
ジエン−スチレンブロック共重合体、スチレン−ブタジ
エン−スチレンラジアルテレブロック共重合体、スチレ
ン−イソプレン−スチレンブロック共重合体、SEBS
などの水素添加ジエン系(ブロック、ランダム、および
ホモ)重合体、ポリウレタンゴム、アクリルゴム、シリ
コーンゴムなどが挙げられる。これらのなかで、ポリブ
タジエン、ブタジエン−スチレン共重合体、エチレン−
プロピレン−(非共役ジエン)共重合体、エチレン−ブ
テン−1−(非共役ジエン)共重合体、水素添加ジエン
系重合体およびシリコーンゴムが好ましい。特に、ゴム
状重合体(a)中にシリコーンゴムを好ましくは5重量
%以上用いると、鮮明なレーザーマーキングが得られ
る。また、ゴム状重合体(a)として、シリコーンゴム
を使用した場合には、摺動性にも優れるレーザーマーキ
ング用樹脂組成物が得られる。
ニル化合物としては、スチレン、α−メチルスチレン、
o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチル
スチレン、p−ヒドロキシスチレン、α−エチルスチレ
ン、メチル−α−メチルスチレン、ジメチルスチレン、
ブロモスチレン、ジブロモスチレン、トリブロモスチレ
ン、クロルスチレン、ジクロルスチレン、トリクロルス
チレン、スチレンスルホン酸ナトリウムなどが挙げられ
る。これらのなかで、スチレン、p−メチルスチレン、
α−メチルスチレンが好ましい。
アン化ビニル化合物としては、アクリロニトリル、メタ
クリロニトリルなどが挙げられる。これらのなかで、ア
クリロニトリルが好ましい。さらに、上記単量体成分
(b)を構成する(メタ)アクリル酸エステルとして
は、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸
ブチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メ
タクリル酸ブチルなどが挙げられる。これらのなかで、
メタクリル酸メチル、アクリル酸ブチルが好ましい。
マレイミド化合物としては、マレイミド、N−メチルマ
レイミド、N−エチルマレイミド、N−プロピルマレイ
ミド、N−イソプロピルマレイミド、N−ラウリルマレ
イミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−フェニル
マレイミド、N−(2−メチルフェニル)マレイミド、
N−(2,6−ジエチルフェニル)マレイミド、N−
(4−カルボキシフェニル)マレイミド、N−(4−ヒ
ドロキシフェニル)マレイミド、N−(4−ブロモフェ
ニル)マレイミド、トリブロモフェニルマレイミド、N
−(4−クロルフェニル)マレイミドなどが挙げられ
る。これらのなかで、N−フェニルマレイミド、N−シ
クロヘキシルマレイミドが好ましい。
合体(a)の含有率が5重量%未満の場合には、耐衝撃
性が充分でなく、一方70重量%を超えると、グラフト
率、樹脂の表面光沢および成形加工性が低下する。ま
た、ゴム強化樹脂(A−1)のグラフト率は、5〜15
0重量%、好ましくは10〜150重量%、さらに好ま
しくは10〜120重量%である。グラフト率が5重量
%未満では、ゴム成分の添加効果が充分発揮されず、例
えば充分な耐衝撃性が得られない。一方、150重量%
を超えると、成形加工性が劣る。ここで、グラフト率
(%)は、(A−1)成分1g中のゴム成分量をx、
(A−1)成分1g中のメチルエチルケトン不溶分量を
yとすると、次式により求めた値である。 グラフト率(%)={(y−x)/x}×100
化合物の好ましい含有率は、60〜95重量%、さらに
好ましくは65〜70重量%であり、上記の範囲内にあ
ると、成形加工性の優れたレーザーマーキング用樹脂組
成物が得られる。また、重合体(A−2)中のシアン化
ビニル化合物の好ましい含有率は、10〜60重量%、
さらに好ましくは20〜30重量%であり、上記範囲内
であると、成形加工性およびレーザーマーキングに優れ
た組成物が得られる。さらに、重合体(A−2)中の
(メタ)アクリル酸エステルの含有率は、好ましくは2
0〜100重量%、さらに好ましくは40〜100重量
%であり、上記範囲内であると、鮮明なレーザーマーキ
ングが得られる。
ける、好ましい単量体成分(b)の組み合わせは、芳香
族ビニル化合物、シアン化ビニル化合物、(メタ)アク
リル酸エステルの群から選ばれた少なくとも2種の組み
合わせである。
ように、ゴム強化樹脂(A−1)および/または重合体
(A−2)から構成される。ここで、ゴム強化樹脂(A
−1)と重合体(A−2)の配合割合は、ゴム強化樹脂
(A−1)が、通常、1〜100重量%、好ましくは5
〜95重量%、さらに好ましくは5〜70重量%、特に
好ましくは20〜60重量%、重合体(A−2)が、通
常、99〜0重量%、好ましくは95〜5重量%、さら
に好ましくは95〜30重量%、特に好ましくは80〜
40重量%〔ただし、(A−1)+(A−2)=100
重量%〕である。上記範囲内であると、耐衝撃性および
成形加工性が一段と優れたレーザーマーキング用樹脂組
成物が得られる。
アクリル酸エステルの含有率が、好ましくは20〜80
重量%、さらに好ましくは30〜70重量%、特に好ま
しくは35〜55重量%であると、特に鮮明性(コント
ラスト)の優れた白色レーザーマーキング用樹脂組成物
が得られる。また、(A)ビニル系重合体中のシアン化
ビニル化合物の含有率が、好ましくは10〜60重量
%、さらに好ましくは15〜50重量%、特に好ましく
は15〜40重量%であると、鮮明でコントラストの良
い黒色レーザーマーキング用樹脂組成物が得られる。
度〔η〕(メチルエチルケトン中、30℃で測定)は、
0.1〜1.5dl/g、好ましくは0.3〜1.0d
l/gである。極限粘度〔η〕が0.1dl/g未満で
あると、衝撃強度が充分に発現されず、一方1.5dl
/gを超えると、成形加工性が低下する。ここで、マト
リックス樹脂とは、(A)成分中のグラフト化ゴム成分
以外の樹脂成分のことであり、上記極限粘度〔η〕は、
(A)成分のうち、メチルエチルケトン溶解分を常法に
従って測定することによって求めた値である。
ゴム状重合体(a)の存在下に、単量体成分(b)を重
合する方法、ゴム状重合体(a)の存在下に、単量体
成分(b)の一部を重合し、残りの単量体成分(b)を
別途重合し、これらをブレンドするグラフト・ブレンド
法、などの製造方法によって得られる。また、上記重合
体(A−2)は、例えば上記またはの方法におい
て、ゴム状重合体(a)を使用しない製造方法、によっ
て得られる。
の組成が挙げられる。ただし、本発明の請求範囲は、下
記の組成に制約されるものではない。 ABS樹脂/AS樹脂 ABS樹脂/メチルメタクリレート−スチレン−アク
リロニトリル共重合体(MMA−ST−AN共重合体) ABS樹脂/シリコーンゴム変性樹脂/ポリメチルメ
タクリレート(PMMA) シリコーンゴム変性樹脂/MMA−ST−AN共重合
体/PMMA ABS樹脂(またはAES樹脂)
例えばナイロン6、ナイロン6,6、ナイロン4,6、
ナイロン12などのポリアミド、ポリブチレンテレフタ
レート(PBT)、ポリエチレンテレフタレート(PE
T)などのポリエステル、ポリフェニレンサルファイド
(PPS)、ポリフェニレンオキサイド(PPO)、ポ
リエチレン、ポリプロピレン(ランダム、ホモ、ブロッ
ク型など)、ポリオキシメチレン(POM)などのポリ
アセタール、ポリエーテルエステルアミド、ポリエーテ
ルイミド、ポリイミド、ポリエーテルエステルケトン
(PEEK)、ポリアリレート、塩素系ポリマー、フッ
素系ポリマー、エポキシ樹脂、ポリウレタン、ノボラッ
ク樹脂、および熱可塑性エラストマー群から選ばれた少
なくとも1種である。これらの(B)成分は、公知のも
のを使用することができる。
に、(B)他の熱可塑性樹脂を配合することで、優れた
レーザーマーキング性が得られることである。また、
(A)成分中の共重合成分(単量体成分)と、(B)成
分を適切に組み合わせることで、さらに優れたレーザー
マーキング性が得られる。この(A)ビニル系重合体と
(B)他の熱可塑性樹脂の好ましい組み合わせは、下記
のとおりである。 (A)成分中の単量体成分;(メタ)アクリル酸エス
テル〔単量体成分(b)中の含有量は、上記のように好
ましくは20〜80重量%〕 (B)成分;ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリオキ
シメチレンおよびポリアミドの群から選ばれた少なくと
も1種 (A)成分中の単量体成分;シアン化ビニル化合物
〔単量体成分(b)中の含有量は、上記のように好まし
くは10〜60重量%〕 (B)成分;ポリカーボネート、ポリフェニレンオキサ
イド、ノボラック樹脂、ポリエチレンテレフタレートお
よびポリブチレンテレフタレートの群から選ばれた少な
くとも1種
合わせでは、鮮明な白色レーザーマーキングが得られ
る。すなわち、レーザー光照射時に、樹脂組成物中のエ
ステル結合、エーテル結合が分解し、発泡することで、
白色マーキングが得られる。また、レーザーマーキング
の推定機構から、白色発色用に使用することのできる
(B)成分は、チッ素雰囲気下での熱重量分析におい
て、400℃下で5重量%以上重量減少する重合体が好
ましい。
ンは、融点が好ましくは100〜140℃、ガラス転移
温度が好ましくは−50〜−20℃である。また、の
組み合わせにおいて、ポリプロピレンは、ランダム型、
ブロック型、ホモ型などを、自由に選定することができ
る。また、メタロセン触媒を用いて重合したポリプロピ
レンを使用することもできる。好ましいポリプロピレン
の流動性(MFR)(230℃、2.16kg荷重)
は、1〜70g/10minである。
キシメチレンの好ましい融点は、170〜180℃であ
る。さらに、の組み合わせにおいて、ポリアミドとし
ては、ナイロン6、ナイロン12、ナイロン6,6、ナ
イロン4,6などを使用することができる。なかでも、
ナイロン6、ナイロン6,6、ナイロン12が好まし
い。ポリアミドの好ましい相対粘度(ポリマー1gを9
8重量%硫酸100mlに溶解し、25℃で測定)は、
0.5〜0.8であり、特に好ましくは1.5〜6.0
である。
の組み合わせでは、鮮明な黒色レーザーマーキングが得
られる。すなわち、レーザー光照射時に、樹脂組成物中
のシアン化ビニル化合物が環化し、炭素膜(チャー)を
形成することで、黒色マーキングが得られ、また(B)
成分中の芳香環がさらにチャー形成を促進するために、
鮮明な黒色マーキングが得られる。
用いることのできる(B)成分は、熱重量分析(チッ素
雰囲気下)、500℃において、残渣(残炭率)が、好
ましくは1重量%以上である樹脂が好ましい。上記の
組み合わせの(B)成分中、ポリカーボネートとして
は、公知のものを使用することができるが、なかでも芳
香族ポリカーボネート、特にビスフェノールAとホスゲ
ンとの反応により得られるポリカーボネートが好まし
い。このポリカーボネートの粘度平均分子量は、好まし
くは10,000〜40,000、さらに好ましくは1
7,000〜35,000である。
中、ポリフェニレンオキサイドは、公知のものを使用す
ることができる。さらに、上記の組み合わせの(B)
成分中、ノボラック樹脂は、公知のものを使用すること
ができる。好ましいノボラック樹脂は、石炭酸とホルム
アルデヒドから重合されるものである。このノボラック
樹脂の好ましい軟化点は、40〜150℃、さらに好ま
しくは50〜120℃である。1つのノボラック樹脂中
の石炭酸の数は、好ましくは4〜40核体、さらに好ま
しくは6〜15核体である。
中、ポリエチレンテレフタレートは、公知のものを使用
することができる。このポリエチレンテレフタレートの
好ましい融点は、250〜270℃である。さらに、
の組み合わせの(B)成分中、ポリブチレンテレフタレ
ートも、公知のものを使用することができる。ポリブチ
レンテレフタレートの好ましい融点は、220〜230
℃、好ましい流動性(MFR)(240℃、荷重10k
g)は、1〜50g/10minである。
上記範囲の(B)成分を使用すると、成形加工性、レー
ザーマーキング性に優れる本発明のレーザーマーキング
用樹脂組成物が得られる。
(B)成分の配合割合は、(A)成分が10〜99重量
部、好ましくは40〜98重量部、さらに好ましくは6
0〜97重量部、特に好ましくは70〜96重量部、
(B)成分が90〜1重量部、好ましくは60〜2重量
部、さらに好ましくは40〜3重量部、特に好ましくは
30〜4重量部〔ただし、(A)+(B)=100重量
部〕である。(A)成分が10重量部未満では、組成物
の耐衝撃性、成形加工性が不充分であり、一方99重量
部を超えると、鮮明なレーザーマーキングが得られな
い。
組成物の製造に際しては、重合体間の相溶性を向上させ
るために相溶化剤を用いることにより、耐衝撃性および
成形品表面外観を向上させることができる。相溶化方法
としては、混練り時に酸無水物基、ヒドロキシル基、ア
ミノ基、エポキシ基、オキサゾリン基、およびイミド基
の群から選ばれた少なくとも1種の官能基を有する官能
基含有不飽和化合物、および必要に応じて過酸化物を存
在させる方法、上記官能基を有する他の重合体を用いる
方法などがある。
に0.1〜10重量%程度共重合しておいても良い。上
記官能基を有する重合体は、上記官能基を有する不飽和
化合物と、これと共重合可能な他のビニル単量体とのラ
ンダム、ブロックおよびグラフト共重合体である。
リシジルメタクリレート共重合体、スチレン−無水マレ
イン酸共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、ス
チレン−アクリロニトリル−メタクリル酸共重合体など
の、スチレンと上記官能基含有不飽和化合物と必要に応
じてこれらと共重合可能な単にビニル単量体の1種以上
とを共重合した共重合体が挙げられる。また、エチレン
−グリシジルメタクリレート共重合体、エチレン−グリ
シジルメタクリレート−酢酸ビニル共重合体などの、エ
チレンと上記官能基含有不飽和化合物と必要に応じてこ
れらと共重合可能な他のビニル単量体の1種以上とを共
重合した共重合体も挙げられる。これらの共重合体に
は、これらのエチレン共重合体上に他の重合体をグラフ
ト反応させたものも含まれる。グラフト反応させる他の
重合体としては、例えばポリ(メタ)アクリル酸アルキ
ルエステル、ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリ
ル共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸アルキルエ
ステル共重合体などのラジカル重合可能なビニル単量体
を用いて重合された重合体が挙げられる。
用樹脂組成物100重量部に対して、好ましくは0.1
〜20重量部、さらに好ましくは0.5〜10重量部で
ある。上記範囲であると、成形加工性、耐衝撃性に優れ
る本発明のレーザーマーキング用樹脂組成物が得られ
る。
配合することにより、レーザー光を樹脂表面に吸収し、
さらに光エネルギーを熱エネルギーに変換することで、
マーキングすることができる。この(C)着色剤として
は、次の化合物が挙げられるが、本発明の請求範囲は、
本発明の要旨を越えない限り、下記例示に限定されるも
のではない。すなわち、(C)着色剤としては、有機顔
料、無機顔料、染料などが挙げられる。
顔料;アセトアセトアリールイド系、ピラゾロン系、
2,3−オキシナフトイルアリールアミド系、パルピツ
ール酸系、チオパルピツール酸系、2,4,6−トリア
ミノ−1,3−ピリミジン系、3−シアノ−4−メチル
−ピリドン系のモノアゾまたはジスアゾ化合物、ならび
にアゾ化合物の金属塩からなる群から選択されるもの、
ジアゾ顔料;アセトアセトアリールイド系、ピラゾロン
系または2,3−オキシナフトイルアリールアミド系か
ら選択されるもの、その他の有機顔料;銅フタロシアニ
ン、塩素化鉛フタロシアニン、群青などが使用できる。
ー、クロム酸銅、スルホクロム酸鉛、チタンブラック、
ケッチェンブラック、カーボンブラック、黒色酸化鉄、
ベンガラ、白色チタンなどが挙げられる。さらに、染料
としては、カーボンブラックを含有する黒色染料などが
挙げられる。
ンブラック、カーボンブラック、黒色酸化鉄、カーボン
ブラックを含有する染料などが挙げられる。また、
(C)着色剤として、200〜2,000nmの波長を
部分的にでも吸収する化合物でもよい。好ましくは、照
射するレーザー光の波長に合った着色剤が好ましい。例
えば、YAGレーザーの場合、1,000nm前後に吸
収を持つ着色剤が有効に使用できる。また、800〜
1,800nmの波長を吸収する化合物として、近赤外
吸収剤も使用することができる。
(B)成分の合計量100重量部に対し0.001〜5
重量部、好ましくは0.01〜4重量部、さらに好まし
くは0.1〜3重量部である。(C)着色剤の配合量
が、0.001重量部未満では鮮明なレーザーマーキン
グが得られず、一方5重量部を超えると、耐衝撃性が劣
る。
脂組成物には、必要に応じて酸化防止剤、紫外線吸収剤
などの安定剤、シリコーンオイル、低分子量のポリエチ
レンなどの滑剤、炭酸カルシウム、タルク、クレー、シ
リカ、炭酸マグネシウム、硫酸バリウム、酸化カルシウ
ム、酸化アルミニウム、マイカ、ガラスビーズ、ガラス
繊維、金属フィラー、木粉などの充填剤、難燃剤、分散
剤、発泡剤、抗菌剤などを添加することができる。
系、リン系の化合物が挙げられる。特に、臭素系の難燃
剤が好ましく、具体的にはテトラブロモビスフェノール
A、テトラブロモビスフェノールAのオリゴマー(末端
がエポキシ基または封止型)、臭素化ポリカーボネート
オリゴマー、トリブロモフェノキシエタンなどが挙げら
れる。臭素化合物の好ましい軟化点(融点)は、80〜
350℃であり、さらに好ましくは90〜280℃であ
る。また、好ましいリン系化合物としては、トリフェニ
ルホスフェート、トリフェニルホスフェートのオリゴマ
ーなどが挙げられる。これらの難燃剤の配合量は、上記
(A)〜(B)成分の合計量100重量部に対し、好ま
しくは1〜30重量部、さらに好ましくは2〜25重量
部である。また、難燃剤に、三酸化アンチモンなどの難
燃助剤を併用することもできる。
バリーミキサー、ニーダー、ロールなどで、好ましくは
160℃〜300℃の範囲で各成分を混練りすることに
よって得ることができる。混練りするに際しては、各成
分を一括混練りしてもよく、また任意の成分を混練りし
たのち、残りの成分を添加し混練りする多段分割混練り
法を採用することもできる。好ましい混練り法は、押し
出し機で行う方法であり、押し出し機としては、二軸同
方向回転押出機が特に好ましい。本発明のレーザーマー
キング用樹脂組成物は、射出成形機、押し出し成形、圧
縮成形などにより成形品を得て、この成形品の表面をレ
ーザー光で照射することにより、マーキングを得る。
eレーザー、Arレーザー、CO2レーザー、エキシマ
レーザーなどの気体レーザー、YAGレーザーなどの固
体レーザー、半導体レーザー、色素レーザーなどがあ
り、レーザーマーキング用としては、CO2 レーザー、
エキシマレーザー、YAGレーザーなどが用いられる。
本発明においては、YAGレーザー、エキシマレーザー
が好ましい。エキシマレーザーを用いると、文字部分と
素地部分で凹凸のないマーキングを得ることができ、特
に好ましい。
は、押し出し成形、射出成形、圧縮成形などにより成形
することでき、得られる成形品は、耐衝撃性および実用
成形性に優れており、表面外観も良好である。このた
め、家庭用品、電気用品、OA機器などの物品、自動車
などの製品、および建築材料として極めて有用である。
具体的な応用例としては、OA機器のスイッチボタン材
料、パソコンのキートップ材料、電話機などの数字キ
ー、バーコードなどが挙げられる。
とおりである。 (A)ビニル系重合体中の(メタ)アクリル酸エステ
ルの共重合量が20〜80重量%であり、かつ(B)他
の熱可塑性樹脂として、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ポリオキシメチレンおよびポリアミドの群から選ば
れた少なくとも1種を用いる、白色レーザーマーキング
用樹脂組成物。 (A)ビニル系重合体中のシアン化ビニル化合物の共
重合量が10〜60重量%であり、かつ(B)他の熱可
塑性樹脂として、ポリカーボネート、ポリフェニレンオ
キサイド、ノボラック樹脂、ポリエチレンテレフタレー
トおよびポリブチレンテレフタレートの群から選ばれた
少なくとも1種を用いる、黒色レーザーマーキング用樹
脂組成物。
に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下
の実施例に何ら制約されるものではない。なお、実施例
中、部および%は特に断らないかぎり重量基準である。
また、実施例中の各種の測定項目は、下記に従った。
え、10時間振とうさせ、その後、回転数20,000
rpmの遠心分離機を用いて、可溶分と不溶分とに分離
し、不溶分を真空乾燥機で乾燥し、不溶分(X)を得
た。一方、重合組成と重合転化率から不溶分(X)中の
ゴム量(R)を算出し、次式よりグラフト率(%)を求
めた。 グラフト率=〔(X)−(R)〕100/(R)極限粘度〔η 〕 上記可溶分を真空乾燥機を用いて乾燥し、溶媒であるメ
チルエチルケトンに溶解し、30℃の温度条件により、
ウベローデ型粘度計で測定した。
ノッチ付きの試験条件で測定した。単位は、kg・cm
/cmである。曲げモジュラス ASTM D790に準拠して測定した。単位は、kg
/cm2 である。
(S45C)を用いた。試験片は、外径25.6mm、
内径20.0mmの中空円筒状のものを用い、相手材も
同様の形状のものを用いた。動摩擦係数の測定条件は、
室温23℃、湿度50%の雰囲気中で、荷重0.5k
g、走行速度50cm/秒、走行距離3kmで測定し、
動摩擦係数および摩耗量を測定した。動摩擦係数は、次
式によって算出した。 μ=〔3×F×(r2 2 −r1 2 )〕/〔P×(r2 3
−r1 3 )〕 (式中、μは動摩擦係数、Fはロードセルに与える力、
Pは荷重、Rはロードセルまでのアーム長、r1 は内
径、r2 は外径を表す。)損失係数 厚み3.2mm、タテ195mm、幅10mmのサンプ
ルを、片持ち型で測定した。損失係数は、半値幅法によ
り求めた。
き行った。NCは、規定外であることを示す。 試験片寸法;1×16″×1/2″×5″
機を備えたセパラブルフラスコに、ポリブタジエンゴム
ラテックスを固形分換算で40部、イオン交換水65
部、ロジン酸セッケン0.3部、スチレン15部および
アクリロニトリル10部を加え、次にピロリン酸ナトリ
ウム0.2部、硫酸第1鉄7水和物0.01部およびブ
ドウ糖0.4部をイオン交換水20部に溶解した溶液に
加えた。
0.07部を加えて重合を開始し、1時間重合させたの
ち、さらにイオン交換水45部、ロジン酸セッケン0.
7部、スチレン20部、アクリロニトリル15部および
キュメンハイドロパーオキサイド0.01部を2時間か
けて連続的に添加し、さらに1時間かけて重合させ反応
を完結させた。得られたラテックスに硫酸を加え凝固
し、水洗、乾燥してゴム強化樹脂A−1−を得た。ま
た、同様にして、表1に示す組成のA−1−を得た。
チルジメトキシシラン1.5部とオクタメチルシクロテ
トラシラン98.5部を混合し、これをドデシルベンゼ
ンスルホン酸2.0部を溶解した蒸留水300部中に入
れ、ホモミキサーにより3分間攪拌して乳化分散させ
た。この混合液を、コンデンサー、チッ素導入口および
攪拌器を備えたセパラブルフラスコに移し、攪拌混合し
ながら90℃で6時間加熱し、5℃で24時間冷却する
ことによって、縮合を完結させた。得られたポリオルガ
ノシロキサン系重合体中のオクタメチルシクロテトラシ
ロキサンの縮合率は、92.8%であった。
ックスを、炭酸ナトリウム水溶液でpH7に中和し、ポ
リオルガノシロキサン系重合体ラテックスを得た。次
に、攪拌器を備えた内容積7リットルのガラス製フラス
コに、イオン交換水100部、ドデシルベンゼンスルホ
ン酸ナトリウム0.5部、水酸化カリウム0.01部、
t−ドデシルメルカプタン0.1部、上記ポリオルガノ
シロキサン系重合体40部、スチレン15部、およびア
クリロニトリル5部からなるバッチ重合成分を加え、攪
拌しながら昇温した。温度が45℃になった時点で、エ
チレンジアミン四酢酸ナトリウム0.1部、硫酸第1鉄
7水和物0.003部、ホルムアルデヒドナトリウムス
ルホキシラート2水塩0.2部およびイオン交換水15
部からなる活性剤水溶液、ならびにジイソプロピルベン
ゼンヒドロパーオキサイド0.1部を添加し、1時間反
応を続けた。
ンゼンスルホン酸ナトリウム1部、水酸化カリウム0.
02部、t−ドデシルメルカプタン0.1部、ジイソプ
ロピルベンゼンヒドロパーオキサイド0.2部、スチレ
ン25部およびアクリロニトリル15部からなるインク
レメント重合成分の混合物を、3時間かけて連続的に滴
下し、反応を続けた。添加終了後、さらに攪拌しなが
ら、1時間、反応を続けたのち、2,2−メチレン−ビ
ス−(4−エチレン−t−ブチルフェノール)0.2部
を添加し、反応生成物をフラスコより取り出した。次い
で、塩化カリウム2部を用いて生成物を凝固させ、脱
水、水洗、乾燥をおなって、粉末状のA−1−を得
た。特性を表2に示す。
−スチレンブロック共重合体〔数平均分子量=100,
000、スチレン結合量=20%、イソプレン結合量=
80%〕
器を備えたセパラブルフラスコに、イオン交換水250
部、ラウリル酸カリウム3.0部、スチレン70部、ア
クリロニトリル30部およびt−ドデシルメルカプタン
0.1部を加え、次にエチレンジアミン四酢酸ナトリウ
ム0.05部、硫酸第1鉄7水和物0.002部および
ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート0.1部
をイオン交換水8部に溶解した溶液に加えた。次いで、
ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド0.1
部を加えて重合を開始し、約1時間重合して反応を完結
させた。得られたラテックスに硫酸を加え、凝固し、水
洗、乾燥して重合体A−2−を得た。また、同様にし
て、表3に示す組成の重合体A−2−を得た。
は、スチレン40部、アクリロニトリル15部、メタク
リル酸メチル45部を用いる以外は、重合体A−2−
と同様の方法で重合を行い、反応を完結させて得た。ま
た、A−2−は、ポリメタクリル酸メチル〔呉羽化学
工業(株)製、パラペットGF〕を用いた。さらに、重
合体A−2−は、スチレン54部、アクリロニトリル
17部、N−フェニルマレイミド29部を乳化重合して
得た。
スポリエチ HD 640VF〕 B−2;ポリプロピレン〔三菱ポリプロ(株)製、MA
3〕 B−3;ポリオキシメチレン〔ポリプラスチック社製、
ジュラコンM90〕 B−4;ポリアミド(ナイロン6)〔カネボウ(株)
製、MC112〕 B−5;ポリカーボネート〔バイエル社製、マクロロン
2807〕 B−6;ポリフェニレンオキサイド〔2,6キシレノー
ルを臭化第2銅の存在下で重合。極限粘度〔η〕(30
℃、クロロホルム溶液中で測定)=0.40dl/g〕 B−7;ポリブチレンテレフタレート〔カネボウ(株)
製、PBT720〕
青、白色チタン、ベンガラ、カーボンブラックを用い
た。相溶化剤の調製 相溶化剤として、下記のものを用いた。 相溶化剤1;メタクリル酸−スチレン−アクリロニトリ
ル共重合体(メタクリル酸/スチレン/アクリロニトリ
ル=5/70/25%) 相溶化剤2;エチレン−グリシジルメタクリレート共重
合体にAS樹脂をグラフト重合した重合体 相溶化剤3;ポリスチレン−ASブロック共重合体(P
S/AS=70/30%) 相溶化剤4;ポリプロピレン/ASブロック重合体(P
P/AS=50/50%)
ヒドリンからなる分子両末端エポキシ系オリゴマーの両
末端を、トリブロモフェノールで封止したもので、分子
量約2,000のものを用いた。なお、難燃助剤とし
て、必要に応じて三酸化アンチモンを併用した。
で、温度190〜240℃の範囲で溶融混練りし、ペレ
ットを作製した。このペレットを、5oz射出成形機を
用い、成形温度200〜240℃の範囲で成形して、試
験片を作製し、そのレーザーマーキング性を評価した。
結果を表4〜5に示す。
11によると、本発明の目的とするレーザーマーキング
用樹脂組成物が得られている。特に、実施例9に示した
ように、モジュラスの低い材料においても、レーザーマ
ーキングは可能である。また、この実施例9から分かる
ように、(B)成分と(A)成分のMMAを併用するこ
とで、MMA含量が少なくても、鮮明なマーキングが得
られる。
(C)成分の配合割合が本発明の範囲外であり、鮮明な
マーキングが得られず、耐衝撃性が劣る。比較例2は、
(A)成分および(C)成分を使用しない例であり、レ
ーザーマーキング性に劣る。比較例3は、(C)成分の
配合量が本発明の範囲を超えており、レーザーマーキン
グ性に劣る。比較例4は、(A)成分および(C)成分
の配合量が本発明の範囲外であり、レーザーマーキング
性、耐衝撃性が劣る。
物による成形品は、レーザー光により鮮明なマーキング
を得ることができる。しかも、成形加工性、耐衝撃性に
優れたレーザーマーキング用樹脂組成物である。従っ
て、OA機器などの事務機器や電気機器への使用が可能
で、実用上優れた材料であり、工業的価値が極めて高
く、産業上重要である。
Claims (1)
- 【請求項1】 ゴム状重合体(a)の存在下または非存
在下に、芳香族ビニル化合物、シアン化ビニル化合物、
(メタ)アクリル酸エステル、無水マレイン酸およびマ
レイミド化合物の群から選ばれた少なくとも1種の単量
体成分(b)〔ただし、(a)+(b)=100重量
%〕を重合して得られる(A)ビニル系重合体10〜9
9重量部と、(B)他の熱可塑性樹脂90〜1重量部の
合計量100重量部に対し、(C)着色剤0.001〜
5重量部を配合してなるレーザーマーキング用樹脂組成
物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7282423A JPH09100390A (ja) | 1995-10-05 | 1995-10-05 | レーザーマーキング用樹脂組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7282423A JPH09100390A (ja) | 1995-10-05 | 1995-10-05 | レーザーマーキング用樹脂組成物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09100390A true JPH09100390A (ja) | 1997-04-15 |
Family
ID=17652223
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7282423A Pending JPH09100390A (ja) | 1995-10-05 | 1995-10-05 | レーザーマーキング用樹脂組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
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