JP2009280651A - 難燃性ポリアミド樹脂組成物及びこれを用いた成形品 - Google Patents

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Abstract

【課題】耐光変色性及びレーザーマーキング性に優れた難燃性ポリアミド樹脂組成物を提供する。
【解決手段】
(A)ポリアミド樹脂100重量部に対して、(B)アクリル系ゴム、ポリオルガノシロキサン系ゴム及びこれらの複合ゴムより成る群から選ばれたゴムを含有するコア層を有するコアシェル型化合物1〜35重量部、及び(C)有機ハロゲン系難燃剤1〜40重量部を配合して成ることを特徴とする難燃性ポリアミド樹脂組成物を提供すること。
【選択図】なし

Description

本発明は、ポリアミド樹脂にコアシェル型化合物その他を配合して成る難燃性ポリアミド樹脂組成物に関するものである。この組成物は耐光変色性に優れているので淡色系の成形品の製造に好適であり、さらにレーザーマーキング性についても優れているので、表面にレーザーマーキングを施した淡色系の成形品の製造に特に好適である。
一般にポリアミド樹脂は、成形性、機械的特性、電気的特性、耐薬品性に優れているので、難燃剤を配合して、自動車の電装部品、電気・電子機器等の用途に広く使用されている。この分野にはポリブチレンテレフタレート樹脂等のポリエステル系樹脂も使用されているが、ポリアミド樹脂の方が一般的にトラッキング性等が優れているので、100V以上の電流が流れる端子等を有する電気電子部品、例えばノーヒューズブレーカー、コンセント、スイッチ、ランプソケット等の一般家庭における電気配線部品には、ポリエステル系樹脂よりもポリアミド樹脂が好んで使用されている。
ブレーカー等の筐体に使用される材料は、機械的特性として剛性と同時に耐衝撃性が求められる。また製品に種々の標識を施すことが多いので、レーザーマーキング特性が良いことが求められ、そのため成形品は良好な外観表面を有する必要がある。また、UL94規格における難燃性がV−2以上、好ましくはV−0であることが求められる。さらに、最近では、電気電子部品の誤認を防ぐ標識として、また部品をその性能により識別するための標識として、黒色以外の色調への着色が求められるようになってきた。しかし、ポリアミド樹脂は光変色を起こしやすく、紫外線吸収剤等を添加してもあまり効果がない。また、難燃剤、特にハロゲン系難燃剤を配合した難燃性ポリアミド樹脂成形品は、耐光変色性がさらに悪化する。光変色は特に淡色系において目立ちやすいので、淡色系における光変色を起こさない材料が求められているが、従来は事実上黒色にしか着色できなかった。
ポリアミド樹脂の耐衝撃性を改良する方法としてエラストマーを配合することが知られている。特に−40℃のような低温域でも耐衝撃性の改良効果の高いオレフィン系エラストマーを配合することが広く行われている。しかし、オレフィン系エラストマーの配合は難燃性を低下させるので、難燃剤の配合量を増す必要があり、そのため耐光変色性がさらに悪化するという問題がある。
ポリアミド樹脂の耐衝撃性を改良する方法として、ゴム状のコア層をガラス状樹脂のシェル層で覆ったコアシェル型化合物を用いることも知られている。例えば、特許文献1には、ナイロン6にコアシェル型化合物を配合した組成物が示されおり、耐衝撃性の改善効果があることが示されている。特許文献2には、317℃の高融点を有するナイロン9Tにコアシェル型化合物を配合した組成物が示されていて、耐衝撃性、耐熱性、耐熱水性等の特性に優れていることが示されている。しかし、これらの特許文献には、耐光変色性やレーザーマーキング性に影響するような特性についての記載はない。
ポリアミド樹脂以外の樹脂にコアシェル型化合物を配合することも知られている。例えば、特許文献3には、熱可塑性ポリエステル樹脂とコアシェル型化合物、ハロゲン系難燃剤及び繊維状充填材からなる組成物が示されている。そして、コアシェル型化合物とエチレンエチルアクリレート共重合体のエラストマーとの比較が示されているが、耐ヒートショック性が改良されることが示されているのみで、耐光変色性、レーザーマーキング性についての記述はない。
特開平5−339462号公報 特開2000−186204号公報 特開平8−183896号公報
本発明の目的は、耐光変色性、レーザーマーキング性及び耐衝撃性に優れた難燃性ポリアミド樹脂組成物を提供することであり、特に淡色の成形品においても光変色が少ない成形品を与える難燃性ポリアミド樹脂組成物を提供することである。
本発明者らは、意外なことに、有機ハロゲン系難燃剤を配合したポリアミド樹脂に対して、アクリル系ゴム、ポリオルガノシロキサン系ゴム又はそれらの複合ゴムを含有するコア層を有するコアシェル型化合物を配合することにより、難燃性を低下させることなく、優れた耐光変色性、レーザーマーキング性を有するポリアミド樹脂組成物が得られることを見出し、本発明に到達した。
即ち、本発明の要旨は、
(A)ポリアミド樹脂100重量部に対して
(B)アクリル系ゴム、ポリオルガノシロキサン系ゴム及びこれらの複合ゴムより成る群から選ばれたゴムを含有するコア層を有するコアシェル型化合物 1〜35重量部、及び
(C)有機ハロゲン系難燃剤 1〜40重量部
を配合して成ることを特徴とする難燃性ポリアミド樹脂組成物に存する。
また本発明の他の要旨は、この難燃性ポリアミド樹脂組成物を成形して成る成形品、特に表面にレーザーによるマーキングを有する成形品に存する。
本発明によれば、難燃性に富み、且つ優れた耐光変色性、レーザーマーキング性、耐衝撃性を有する淡色のポリアミド樹脂組成物を提供することができる。このものからは種々の色に着色された成形品を得ることができる。従って、色を識別標識として用いることにより、電気電子部品の操作の安全性を向上させることができる。具体的な電気電子部品の例としては、ノーヒューズブレーカー、ランプソケット、プラグ、コンセント、コネクター等である。
以下、本発明を詳細に説明する。
(A)ポリアミド樹脂
ポリアミド樹脂としては、ω−アミノ酸類もしくはそのラクタム類、又は二塩基酸類とジアミン類等を原料とし、これらの重縮合によって得られるポリアミド樹脂を用いる。
ω−アミノ酸類としては、ε−アミノカプロン酸、7−アミノヘプタン酸、9−アミノノナン酸、11−アミノウンデカン酸、12−アミノドデカン酸等が挙げられる。
ラクタム類としては、ε−カプロラクタム、エナントラクタム、カプリルラクタム、ラウリルラクタム、α−ピロリドン、α−ピペリドン等が挙げられる。
二塩基酸類としては、アジピン酸、グルタル酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカンジオン酸、ドデカジオン酸、ヘキサデカジオン酸、ヘキサデセンジオン酸、エイコサンジオン酸、エイコサジエンジオン酸、ジグリコール酸、2,2,4−トリメチルアジピン酸、キシリレンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸等が挙げられる。
ジアミン類としては、ヘキサメチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、ウンデカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、2,2,4(又は2,4,4)−トリメチルヘキサメチレンジアミン、ビス−(4,4'−アミノシクロヘキシル)メタン、メタキシリレンジアミン等が挙げられる。
ポリアミド樹脂として一般に用いられているのは、ε−カプロラクタム又はε−アミノカプロン酸を主原料とするポリアミド6、ヘキサメチレンジアミンとアジピン酸の等モル塩を主原料とするポリアミド66、ヘキサメチレンジアミンとアジピン酸の等モル塩とε−カプロラクタム又はε−アミノカプロン酸とを主原料としたポリアミド6/66共重合体、メタキシリレンジアミンとアジピン酸とを主原料とするポリアミドMXD6等であるが、本発明でもこれらのポリアミド樹脂を用いることができる。これらは単独で用いても、混合して用いてもよい。
好ましくは、結晶化温度が140〜180℃の範囲、特に150〜175℃の範囲にあるポリアミド樹脂を用いる。なお結晶化温度とは、ポリアミド樹脂組成物に用いるポリアミド樹脂(複数のポリアミド樹脂を混合して用いる場合には当該混合物)を溶融してストランド状に押し出し、冷却固化させたのち切断してペレットとしたもの10mgを試料として、セイコー電子工業社製、DSC20を用い、昇温速度20℃/分で270℃まで昇温し、10分間270℃で保持後、20℃/分で降温を行なったときの、降温時の発熱ピークのピークトップの温度である。ポリアミド6の結晶化温度は約170℃であり、ポリアミド6/66(共重合重量比率85/15)の結晶化温度は約150℃であるが、ポリアミド66の結晶化温度は213℃である。従ってポリアミド樹脂としては、ポリアミド6、ポリアミド6/66ないしはこれらの混合物を用いるのが好ましい。このようなポリアミド樹脂を用いることにより、成形品表面でのレーザー光の透過性が向上し、レーザーマーキング性が良好となる傾向にある。ポリアミド樹脂の末端は、分子量調節も兼ねてカルボン酸又はアミン化合物で封止されていてもよい。
また、ポリアミド樹脂の粘度数は、結晶化温度の測定に用いるポリアミド樹脂ペレットを試料として、96%硫酸中、濃度1重量%、温度23℃で測定した値で70〜190ml/gの範囲であるのが好ましい。より好ましくは70〜120ml/g、特に72〜115ml/gである。一般に市販されているポリアミド樹脂の粘度数は約80〜350ml/gであるから、本発明で好ましく用いられるポリアミド樹脂は、比較的低分子量のものである。粘度が70ml/gより低いと機械的強度が低下する傾向にある。また粘度が190ml/gより高いと難燃性及び流動性が低下する傾向にある。また成形品表面の外観も悪化し、レーザーマーキング性が不良になり、ブレーカー等の筐体のように製品識別のためのレーザーマーキングを施す用途向けには好ましくない。
(B)コアシェル型化合物
コアシェル型化合物とは、ゴム状エラストマー成分を含有するコア層を、シェル層であるガラス状の樹脂で包含した化合物である。本発明においては、コアシェル型化合物のコア層は、アクリル系ゴム若しくはポリオルガノシロキサン系ゴム又はこれらの複合ゴムを含有していることが必要である。これらのゴムのみから成るコア層であるのがより好ましい。しかしながら、このコア層を有するコアシェル化合物が耐光変色性、レーザーマーキング性の改良効果を奏する作用機構は不明である。コア層には、本発明の目的を損なわない範囲で、これらに加えて他のゴム成分を含有していてもよい。しかしポリブタジエンのようなジエン系ゴムは、樹脂組成物の成形時にジエン成分が分解して変色を生ずる怖れがあるので注意を要する。コア層にはこれらのゴム成分の混合物又は共重合/グラフト重合させた複合系ゴムを用いることができ、共重合/グラフト重合等の化学結合により2種類のゴム成分が一体になった複合ゴムを用いるのが好ましい。コア層のゴムの平均粒径は、レーザー回折法で測定して、1μm以下、特に0.1〜0.6μmであるのが好ましい。平均粒径が1μmを超えると得られる樹脂組成物の機械的特性が不十分となることがある。
アクリル系ゴム成分とポリオルガノシロキサン系ゴム成分とは任意の比率で併用することができる。一般的に、コア層に占めるポリオルガノシロキサン系ゴム成分が99重量%を越えると、得られる樹脂組成物を用いた成形品表面の外観が悪化し、レーザーマーキング性が低下する怖れがある。しかし、難燃性低下の抑制のためには、ポリオルガノシロキサン系ゴム成分が多い方が好ましい。総合的にみて、アクリル系ゴム成分とポリオルガノシロキサン系ゴム成分との重量比率は、前者/後者=100/0〜15/85が好ましく、さらに好ましくは99/1〜30/70である。
アクリル系ゴムとしては、ブチルアクリレートのようなアクリル酸エステルと少量のブチレングリコールジアクリレートのような架橋性モノマーを共重合させたものを用いる。 アクリル酸エステルとしては、ブチルアクリレートの他に、メチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、ヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート等が用いられる。また、架橋性モノマーとしては、ブチレングリコールジアクリレートの他に、ブチレングリコールジメタクリレート、エチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、オリゴエチレングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパンジアクリレート、トリメチロールプロパンジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレートのようなポリ(メタ)アクリレート、アリルアクリレート、アリルメタクリレート、ジアリルマレート、ジアリルフマレート、ジアリルイタニレート、モノアリルマレート、モノアリルフマレート、トリアリルシアヌレートのようなアリル化合物等が用いられる。
ポリオルガノシロキサン系ゴムとは、オルガノシロキサンの重合体であり、通常は3量体以上の環状オルガノシロキサンを重合したものである。重合原料としては3〜6量体のものが好ましく用いられる。例えば、ヘキサメチルトリシクロシロキサン、オクタメチルテトラシクロシロキサン、デカメチルペンタシクロシロキサン、ドデカメチルヘキサシクロシロキサン、トリメチルトリフェニルトリシロキサン、テトラメチルテトラフェニルシクロテトラシロキサン、オクタフェニルシクロテトラシクロシロキサン等が用いられる。これらと共重合させる架橋剤としては、3官能性又は4官能性のもの、即ち、トリアルコキシアルキルもしくはアリ−ルシラン又はテトラアルコキシシランが用いられる。例えば、トリメトキシメチルシラン、トリエトキシフェニルシラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラ−n−プロポキシシラン、テトラブトキシシラン等が用いられる。本発明では架橋剤としてはテトラアルコキシシランを用いるのが好ましく、テトラエトキシシランが特に好ましい。
コアシェル型化合物のガラス状の樹脂で形成されるシェル層は、ビニル系(共)重合体で形成される。すなわちシェル層は、コア層の上に芳香族ビニル単量体、シアン化ビニル単量体、メタクリル酸エステル単量体、アクリル酸エステル単量体等を、重合又は共重合させることにより形成される。ビニル系単量体は官能基を有していてもいなくてもよい。官能基を有していないものとしては、メチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート等のメタクリル酸エステル;メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート等のアクリル酸エステル;スチレン、ハロゲン置換スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン等の芳香族アルケニル化合物;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のシアン化ビニル化合物等が挙げられる。
官能基を有するものとしては、グリシジルメタクリレート、グリシジルアクリレート、ビニルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートのグリシジルエーテル、ポリアルキレングリコ−ル(メタ)アクリレートのグリシジルエーテル、グリシジルイタコネート等のエポキシ基含有化合物や、アクリル酸、メタクリル酸等のカルボキシル基含有化合物が挙げられる。ポリアミド樹脂との相溶性の観点から、シェル層には、エポキシ基又は/及びカルボキシル基含有ビニル系単量体を少量共重合させるのが好ましい。
コアシェル型化合物のゴム層とシェル層は、グラフト結合によって結合されているのが好ましい。このグラフト結合化は、ゴム層の重合時にシェル層と反応するグラフト交差剤を添加してゴム層に反応基を与えた後、シェル層を形成させることによって得られる。グラフト交差剤は、ビニル結合と反応する基を有する化合物であり、アクリル系ゴムの場合には、上述の架橋モノマーで兼用可能であるが、ポリオルガノシロキサン系ゴムの場合には、ビニル結合を有するオルガノシロキサン又はチオール基を有するオルガノシロキサンを用いる。ビニル結合を有するオルガノシロキサンであるアクリロイルオキシシロキサン、メタクリロイルオキシシロキサン、ビニルシロキサン等を用いるのが好ましい。
(メタ)アクリロイルオキシシロキサンの中ではメタクリロイルオキシシロキサンが好ましく、この具体例としてはβ−メタクリロイルオキシエチルジメトキシメチルシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルメトキシジメチルシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルジメトキシメチルシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルエトキシジエトキシシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルジエトキシメチルシラン、δ−メタクリロイルオキシブチルジエトキシメチルシラン等のメタクリロイルオキシアルキルシロキサンが挙げられる。
ビニルシロキサンとしてはビニルメチルジメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン等が挙げられる。
チオール基を有するオルガノシロキサンであるメルカプトシロキサンとしては、γ−メルカプトプロピルジメトキシメチルシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルジエトキシエチルシラン等を挙げることができる。
本発明において好ましく使用されるコア層に複合ゴムやポリオルガノシロキサン系ゴムを含有したコアシェル型化合物は、例えば特開平5−5055号公報、特開平5−25377号公報、特開2001−261945号公報等に記載の製造法により製造することができる。
コアシェル型化合物は、ポリアミド樹脂100重量部に対して、1〜35重量部、好ましくは5〜30重量部の範囲で配合される。1重量部未満であると本発明の目的とする耐光変色性、レーザーマーキング性の改良効果が得られず、多すぎると逆に耐熱性の低下を生じ、且つ剛性等の機械的性質が低下する。
(C)有機ハロゲン系難燃剤
本発明で使用する(C)有機ハロゲン系難燃剤としては常用のものを用いればよいが、ハロゲンとして臭素を含有するものを用いるのが好ましい。臭素系難燃剤の具体例としては、デカブロモジフェニルオキサイド、オクタブロモジフェニルオキサイド、テトラブロモジフェニルオキサイド、テトラブロモ無水フタル酸、ヘキサブロモシクロドデカン、ビス(2,4,6−トリブロモフェノキシ)エタン、エチレンビステトラブロモフタルイミド、ヘキサブロモベンゼン、1,1−スルホニル[3,5−ジブロモ−4−(2,3−ジブロモプロポキシ)]ベンゼン、ポリジブロモフェニレンオキサイド、テトラブロムビスフェノール−S、トリス(2,3−ジブロモプロピル−1)イソシアヌレート、トリブロモフェノール、トリブロモフェニルアリルエーテル、トリブロモネオペンチルアルコール
ブロム化ポリスチレン、ブロム化ポリエチレン、テトラブロムビスフェノール−A、テトラブロムビスフェノール−A誘導体、テトラブロムビスフェノール−A−エポキシオリゴマー又はポリマー、テトラブロムビスフェノール−A−カーボネートオリゴマー又はポリマー、ブロム化フェノールノボラックエポキシ等のブロム化エポキシ樹脂、
テトラブロムビスフェノール−A−ビス(2−ヒドロキシジエチルエーテル)、テトラブロムビスフェノール−A−ビス(2,3−ジブロモプロピルエーテル)、テトラブロムビスフェノール−A−ビス(アリルエーテル)、テトラブロモシクロオクタン、エチレンビスペンタブロモジフェニル、トリス(トリブロモネオペンチル)ホスフェート、ポリ(ペンタブロモベンジルポリアクリレート)、オクタブロモトリメチルフェニルインダン、ジブロモネオペンチルグリコール、ペンタブロモベンジルポリアクリレート、ジブロモクレジルグリシジルエーテル、N,N−エチレン−ビス−テトラブロモフタルイミド等が挙げられる。なかでも、N,N’−エチレン−ビス−テトラブロモフタルイミドやポリ(ペンタブロモベンジルアクリレート)が好ましい。
有機ハロゲン系難燃剤の配合量は、ポリアミド樹脂100重量部に対して1〜40重量部であり、好ましくは2〜35重量部である。配合量が多すぎると機械的、物理的性質、熱安定性、流動性等が損なわれ、逆に少なすぎると難燃性が不十分となるのみならず、光変色性を阻止する効果が十分に発揮されなくなる。
(D)繊維状強化充填材
本発明の難燃性ポリアミド樹脂組成物には、機械的強度を向上させるためさらに繊維状強化充填材を配合するのが好ましい。繊維状強化充填材としては、ガラス繊維、カーボン繊維、玄武岩繊維、シリカ−アルミナ繊維、ジルコニア繊維、ホウ素繊維、窒化ホウ素繊維、窒化ケイ素チタン酸カリウム繊維等が挙げられる。これらのうち、高い強度及び剛性を有する樹脂組成物を与える点で、ガラス繊維(チョップドストランド等)を用いるのが好ましい。繊維状強化充填材は2種以上組み合わせて用いてもよい。なお、繊維状強化充填材の配合は得られる樹脂組成物の難燃性を向上させるので、難燃剤の配合量を少なくできるという効果もある。
繊維状強化充填材は収束剤や表面処理剤と組み合わせて用いても良い。このような剤としてはエポキシ系化合物、シラン系化合物、チタネート系化合物等が挙げられる。繊維状強化充填材は、ポリアミド樹脂100重量部に対して170重量部以下、好ましくは5〜160重量部配合する。
(E)難燃助剤
また、本発明においては、有機ハロゲン系難燃剤は難燃助剤と共に用いるのが好ましい。難燃助剤としては、三酸化アンチモン、五酸化アンチモン、アンチモン酸ナトリウム、ハロゲン化アンチモン等のアンチモン化合物、金属の酸化物や水酸化物、例えば、水酸化アルミニウムや水酸化マグネシウム等を用いればよい。難燃助剤の配合量はポリアミド樹脂100重量部に対して20重量部以下であり、好ましくは1〜17重量部である。
(F)滴下防止剤
本発明の樹脂組成物には、さらに燃焼時の滴下防止剤として作用するフッ素樹脂を配合するのが好ましい。このようなフッ素樹脂としては、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン/パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体、テトラフルオロエチレン/エチレン共重合体、フッ化ビニリデン、ポリクロロトリフルオロエチレン等のフッ素化ポリオレフィンが好ましく、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン/パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体、テトラフルオロエチレン/エチレン共重合体がより好ましい。特に好ましいのはポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン/ヘサフルオロプロピレン共重合体である。フッ素樹脂の配合は難燃性の向上にも寄与する。
フッ素樹脂は組成物に所望の物性に応じて任意の重合度(粘度)のものを用いることができ、例えば350℃における溶融粘度が、1.0×10〜1.0×1015Pa・sのものが好ましく、中でも1.0×10〜1.0×1014Pa・s、特には1.0×1010〜1.0×1012Pa・sのものが好適に用いられる。溶融粘度が1.0×10Pa・s未満であると燃焼時の滴下防止能が不十分であり、1.0×1015Pa・sより大きくなると組成物の流動性が著しく低下するので好ましくない。
滴下防止剤の配合量は、樹脂組成物全量中の0.05〜5重量%、好ましくは0.1〜3重量%である。配合量が少なすぎると、UL−94規格に準拠した燃焼試験におけるドリップ性の改良が十分でなく、また、多すぎると分散不良等による物性の低下を招き好ましくない。
(G)着色剤
本発明の樹脂組成物は、一般に用いられている着色剤を配合することができ、それにより黒色から淡色まで任意の色調に着色することができるが、耐光変色性に優れているという特性を生かすには淡色で用いるのが好ましい。淡色とは、測色色差計を用い、C光源にて測色した際の明度(L値)が50以上、好ましくは70以上を示すものをいう。
黒色顔料としては、例えば、カーボンブラック(アセチレンブラック、ランプブラック、サーマルブラック、ファーネスブラック、チャンネルブラック、ケッチェンブラック、ガスブラック、オイルブラック等)、グラファイト、チタンブラック、黒色酸化鉄等が挙げられる。これらのうち、分散性、発色性、コスト等の面からカーボンブラックが特に望ましい。黒色顔料は単独で又は2種以上組み合わせて使用できる。
非黒色顔料としては、後述の種々の無機顔料や有機顔料が挙げられる。これらの非黒色顔料は、単独で又は2種以上組み合わせて使用できる。
無機顔料としては、例えば、炭酸カルシウム、酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛等の白色顔料、カドミイエロー、黄鉛、チタンイエロー、ジンククロメート、黄土、黄色酸化鉄等の黄色顔料、赤口顔料、アンバー、赤色酸化鉄、カドミウムレッド等の赤色顔料、紺青、群青、コバルトブルー等の青色顔料、クロムグリーン等の緑色顔料等が挙げられる。
有機顔料としては、アゾ系、アゾメチン系、メチン系、インダスロン系、アントラキノン系、ピランスロン系、フラバンスロン系、ベンゼンスロン系、フタロシアニン系、キノフタロン系、ペリレン系、ペリノン系、ジオキサジン系、チオインジゴ系、イソインドリノン系、イソインドリン系、ピルールピロール系、キナクリドン系等を使用できる。
淡色系樹脂組成物を与えるという本発明の優れた特性を十分に発現させるには、非黒色顔料の中でも酸化チタンや、硫化亜鉛、酸化亜鉛、炭酸カルシウム等の白色無機顔料を配合するのが好ましく、これらを50重量%以上含有する顔料を用いるのが好ましい。特に好ましいのは遮蔽効果が大きい酸化チタンを含有するものである。
酸化チタンを含有する白色顔料としては、一般に市販されているものの中で、白色度と隠蔽性の点で、酸化チタンを80重量%以上含有するものを用いるのが好ましい。酸化チタンには、ルチル型とアナターゼ型の2種の結晶型のものがあるが、いずれも使用できる。酸化チタンを含有する白色顔料は、これをポリアミド、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン等に高濃度に配合したマスターバッチとして用いることもできる。また分散性を改良するために表面処理を施して用いてもよい。
着色剤の配合量は、ポリアミド樹脂100重量部に対して0.1〜20重量部、好ましくは0.3〜18重量部、さらに好ましくは0.5〜15重量部である。配合量が0.1重量部未満の場合は、隠蔽効果が不十分なため、樹脂組成物の耐光性や耐候性が低下し、一方、20重を超えると、機械的強度や難燃性が低下する場合がある。本発明の難燃性ポリアミド樹脂組成物の最も好ましい様態の一つは、ポリアミド樹脂100重量部に対して1〜15重量部の白色顔料を配合して淡色の樹脂組成物とし、成形品の製造に用いることである。
先に(0004)に記載したように、ポリアミド樹脂に難燃剤を配合したものにさらにエラストマーを配合することが広く行われているが、本発明の樹脂組成物にもさらにエラストマーを配合することができる。しかし、エラストマーの配合は、難燃性はあまり低下させないがレーザーマーキング性を低下させるので注意を要する。ただしその低下の程度は、コアシェル型化合物を配合しない場合よりも小さい。
その他の成分
本発明に係るポリアミド樹脂組成物には、さらに必要に応じて、本発明の効果を損なわない範囲量で、他の各種樹脂添加剤を配合することができる。その例としては、銅系、リン系等の熱安定剤、ヒンダードフェノール系等の酸化防止剤、離型剤、耐侯性改良剤、造核剤、発泡剤、耐衝撃改良剤、滑剤、可塑剤、流動性改良剤、有機充填材、分散剤等が挙げられる。またポリアミド樹脂以外の熱可塑性樹脂、例えば、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリフェニレンオキサイド樹脂等を添加することも出来る。
ポリアミド樹脂組成物の製造方法
本発明に係る難燃性ポリアミド樹脂組成物は、熱可塑性樹脂について一般に用いられている溶融・混練機により、原料を均一になるように溶融混練することにより製造できる。溶融・混練機としては、例えば、1軸又は多軸押出機、ロール、バンバリーミキサー等が挙げられる。特に2軸押出機を用いた製造法が、コアシェル型化合物、難燃剤の分散等が良好で好ましく、全原料を秤量し、ミキサー等で均一に混合したのち、2軸押出機のホッパーに投入し、シリンダー温度230〜280℃で減圧下溶融混練し、ペレット化するという一般的な方法で製造することが可能である。ただ、繊維状強化充填材は、2軸押出機のシリンダー途中のサイドフィーダーから添加するのが、押出機の損傷の防止、充填材の破砕の防止等の点から好ましい。
本発明の樹脂組成物から成形品を製造する方法は、特に限定されるものではなく、樹脂組成物について一般に採用されている成形法、すなわち射出成形法、中空成形法、押出成形法、シート成形法、熱成形法、回転成形法、積層成形法、プレス成形法等を採用することができるが、射出成形法が好ましい。
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
[使用した各成分の略号、物性等]
(A)ポリアミド樹脂
(A−1)ポリアミド6;三菱エンジニアリングプラスチックス社製 ノバミッド1010J、粘度数118ml/g、結晶化温度170℃
(B)コアシェル型化合物
(B−1)エポキシ基含有ビニル系単量体をグラフトしたポリオルガノシロキサン/ポリアルキル(メタ)アクリレート複合ゴム系コアシェル型化合物(エポキシ複合ゴムコアシェルと略記する);
特開2001−261945号公報の参考例1と同様に製造した。コア部分のポリオルガノシロキサン/ポリアルキル(メタ)アクリレートの重量比率は約40/60である。
(B−2)エポキシ基含有ビニル系単量体をグラフトしたポリオルガノシロキサンゴム系コアシェル型化合物(エポキシ含有シリコンゴムコアシェルと略記する);
特開平5−25377号公報の参考例1と同様に製造した。コア部分は実質的にポリオルガノシロキサンゴムのみである。
(B−3)エポキシ基を含有していないビニル系単量体をグラフトしたポリオルガノシロキサン/ポリアルキル(メタ)アクリレート複合ゴム系コアシェル型化合物(複合ゴムコアシェルと略記する);
特開2001−261945号公報の参考例2と同様に製造した。コア部分のポリオルガノシロキサン/ポリアルキル(メタ)アクリレートの重量比率は約40/60である。
(B−4)アクリルゴム系コアシェル型化合物(アクリルゴムコアシェルと略記する);
ローム アンド ハース社製「商品名:パラロイドEXL−2315」
(B−5)エポキシ基含有アクリルゴム系コアシェル型化合物(エポキシ含有アクリルゴムコアシェルと略記する);
ローム アンド ハース社製「商品名:パラロイドEXL−2314」
(B−6)ブタジエンゴム系コアシェル型化合物(ブタジエンゴムコアシェルと略記する);
カネカ社製「商品名:カネエースFM」。このものはコア層がブタジエン系ゴムであり、本発明で用いるコアシェル型化合物ではない。
(C)有機ハロゲン系難燃剤
(C−1)ポリ(ペンタブロモベンジルアクリレート);ブロモケム・ファーイースト社製「商品名:PBBPA−FR1025」
(D)繊維状強化充填材
(D−1)ガラス繊維;オーエンスコーニング社製「商品名:DS1105」
難燃助剤
(E−1)三酸化アンチモン;森六社製「商品名:MIC−3」
(G)非黒色着色剤
(G−1)酸化チタン;石原産業社製「商品名:タイペークCR90」
(G−2)硫化亜鉛;サクトリス社製「商品名:サクトリスHD」
(G−3)酸化亜鉛;堺化学社製
(H)エラストマー
(H−1)スチレン−エチレン/ブチレン−スチレン−g−無水マレイン酸共重合体(無水マレイン酸変性SEBSと略記する)(−g−はグラフト重合を示す);旭化成社製「商品名:タフテックM1943」、スチレン含量20重量%、無水マレイン酸変性量2.7重量%
(H−2)スチレン−エチレン/ブチレン−スチレン共重合体(SEBSと略記する);旭化成社製「商品名:タフテックH1052」、スチレン含量20重量%
(H−3)無水マレイン酸変性エチレン−ブテン共重合体(無水マレイン酸変性EBRと略記する);三井石油化学工業社製、「商品名:タフマーA−4085」の無水マレイン酸変性物。無水マレイン酸変性量0.8重量%
(H−4)エチレン−グリシジルメタクリレート−メチルアクリレート=64/6/30の共重合体(EGMA共重合体と略記する);三井デュポンポリケミカル社製「商品名:エルバロイ」
[実施例1〜実施例8、比較例1〜比較例4]
<樹脂組成物の調製>
ガラス繊維以外の各種原料を表1に示す配合量(重量部)で秤量し、タンブラーミキサーで混合し、混合物を得た。得られた混合物を、二軸押出機(日本製鋼所社製、型式:TEX30HCT、スクリュー径30mm)のホッパーに供給し、ガラス繊維はサイドフィーダーを通じて供給し、シリンダー温度260℃、スクリュー回転数200rpm、吐出量15kg/hの条件下で溶融混練してポリアミド樹脂組成物のペレットを得た。
[各種物性の評価方法]
1)流動性
上記の方法で得られたポリアミド樹脂組成物ペレットを120℃で8時間真空乾燥した後、射出成形機(日本製鋼所社製、型式:J75ED)にて、シリンダー温度260℃、金型温度90℃の条件で、ISO試験片を成形した時の最大射出圧力にて評価した。数値が高いほど、流動性が悪いことを示す。
2)機械的特性
上記の方法で得られたポリアミド樹脂組成物ペレットを120℃で8時間真空乾燥した後、上記1)の射出成形機にて、シリンダー温度260℃、金型温度90℃の条件でISO試験片を成形した。これを用いてISO178規格に準拠して、曲げ弾性率及び曲げ強度を、ISO179規格に準拠してノッチ付シャルピー衝撃強度を測定した。
3)難燃性
上記の方法で得られたポリアミド樹脂組成物ペレットを120℃で8時間真空乾燥した後、上記1)の射出成形機にて、シリンダー温度260℃、金型温度90℃の条件で大きさが127mm×12.7mmで、厚さが1.5mmの試験片を成形した。これを用いてUL−94規格に準拠して難燃性を評価した。
4)耐光性
上記の方法で得られたポリアミド樹脂組成物ペレットを120℃で8時間真空乾燥した後、上記1)の射出成形機にて、シリンダー温度260℃、金型温度90℃の条件で大きさが10cm×10cmで、厚さが3cmの平板試験片を成形した。得られた平板試験片から大きさ5cm×5cmの試験片を切り出し、キセノンアークウエザー試験機(波長340nm、照射エネルギー1200kJ/m)にて、ブラックパネル温度63℃、雨なしの条件で500時間の照射を行った。その試験片の試験前後の色差を下記の方法にて測定した。
[色差評価]
分光測色色差計(コニカミノルタ社製、CM−3600d)を使用し、耐光性試験前と試験後の色差(ΔE)を次式で評価した。淡色性評価のための明度(L値)も同じ試験機にて測定した。
ΔE=((ΔL+(Δa+(Δb1/2
ΔEが小さいほど変色性が小さく、明度(L値)が大きいほど明るい色彩で、淡色系と判断される。
5)成形品表面外観
上記の方法で得られたポリアミド樹脂組成物ペレットを120℃で8時間真空乾燥した後、上記1)の射出成形機にて、シリンダー温度260℃、金型温度90℃の条件で、100mm径、厚さ2mmの円盤状試験片を成形した。その試験片の表面外観を目視にて観察し、くっきりと写るものを○、少し揺らいで写るものを△、揺らいで写るものを×として評価した。○以上が実用上問題ないと判断される。
6)レーザーマーキング性
上記5)の100mm径、厚さ2mmの円盤状試験片について、日本電気(株)製、レーザーマーカーSL475Hマーキングを用いてマーキングを行った。レーザー発振器はS141Cを用いた。レーザーの種類は連続発振式Nd:YAGレーザー、最大出力が50W以上で、スキャンスピードは200mm/sec、超音波Qスイッチは2kHzの条件にて行った。マーキング状況(濃さ、コントラスト)を目視にて判断し、次の5段階で評価した。この評価で4、5は実用にならない。
1:くっきり鮮明で良好なマーキング
2:良好なマーキング
3:やや薄めだが、良好なマーキング
4:解読可能であるが、かなり不鮮明なマーキング
5:印字不可又は解読不可能
上記1)〜6)の評価結果を、表1に示した。
Figure 2009280651
表1より、次のことが明らかとなる。
実施例1〜5と比較例1〜4の比較において、本発明のコアシェル型化合物を含有している樹脂組成物は、良好な流動性、機械的強度、難燃性、耐光変色性、表面外観、レーザーマーキング性を有していることが判明する。さらに、淡色系顔料を含んだ実施例6〜8は、さらに改良された耐光変色性を有している。

Claims (12)

  1. (A)ポリアミド樹脂100重量部に対して
    (B)アクリル系ゴム、ポリオルガノシロキサン系ゴム及びこれらの複合ゴムより成る群から選ばれたゴムを含有するコア層を有するコアシェル型化合物 1〜35重量部、及び
    (C)有機ハロゲン系難燃剤 1〜40重量部
    を配合して成ることを特徴とする難燃性ポリアミド樹脂組成物。
  2. (A)ポリアミド樹脂100重量部に対して
    (B)アクリル系ゴム、ポリオルガノシロキサン系ゴム及びこれらの複合ゴムより成る群から選ばれたゴムを含有するコア層を有するコアシェル型化合物 1〜35重量部
    (C)有機ハロゲン系難燃剤 1〜40重量部、及び
    (D)繊維状強化充填材 170重量部以下
    を配合して成ることを特徴とする難燃性ポリアミド樹脂組成物。
  3. (A)ポリアミド樹脂100重量部に対して
    (B)アクリル系ゴム、ポリオルガノシロキサン系ゴム及びこれらの複合ゴムより成る群から選ばれたゴムを含有するコア層を有するコアシェル型化合物 1〜35重量部
    (C)有機ハロゲン系難燃剤 1〜40重量部
    (D)繊維状強化充填材 170重量部以下、及び
    (E)難燃助剤 20重量部以下(但し、難燃助剤はアンチモン化合物、金属酸化物及び金属水酸化物より成る群から選ばれる)
    を配合して成ることを特徴とする難燃性ポリアミド樹脂組成物。
  4. (B)アクリル系ゴム、ポリオルガノシロキサン系ゴム及びこれらの複合ゴムより成る群から選ばれたゴムを含有するコア層を有するコアシェル型化合物の配合量が5〜30重量部であることを特徴とする、請求項1ないし3のいずれかに記載の難燃性ポリアミド樹脂組成物。
  5. (C)有機ハロゲン系難燃剤の配合量が2〜35重量部であることを特徴とする、請求項1ないし4のいずれかに記載の難燃性ポリアミド樹脂組成物。
  6. (A)ポリアミド樹脂100重量部に対して
    (B)アクリル系ゴム、ポリオルガノシロキサン系ゴム及びこれらの複合ゴムより成る群から選ばれたゴムを含有するコア層を有するコアシェル型化合物 5〜30重量部
    (C)有機ハロゲン系難燃剤 2〜35重量部
    (D)繊維状強化充填材 5〜160重量部、及び
    (E)難燃助剤 1〜17重量部(但し、難燃助剤はアンチモン化合物、金属酸化物及び金属水酸化物より成る群から選ばれる)
    を配合して成ることを特徴とする難燃性ポリアミド樹脂組成物。
  7. (A)ポリアミド樹脂が、結晶化温度が140〜180℃であり、96%硫酸中、濃度1重量%、温度23℃で測定した粘度数が70〜190ml/gのものであることを特徴とする、請求項1ないし6のいずれかに記載の難燃性ポリアミド樹脂組成物。
  8. (A)ポリアミド樹脂100重量部に対して、さらに白色顔料を1〜15重量部配合して成ることを特徴とする、請求項1ないし7のいずれかに記載の難燃性ポリアミド樹脂組成物。
  9. 明度(L値)が50以上であることを特徴とする、請求項1ないし8のいずれかに記載の難燃性ポリアミド樹脂組成物。
  10. 請求項1ないし9のいずれかに記載の難燃性ポリアミド樹脂組成物から成る成形品。
  11. 表面にレーザーマーキングを有することを特徴とする請求項10に記載の成形品。
  12. 電気用部品又は電子用部品であることを特徴とする請求項10又は11に記載の成形品。
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