JPH07207149A - 難燃性ポリアミド組成物 - Google Patents

難燃性ポリアミド組成物

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JPH07207149A
JPH07207149A JP98494A JP98494A JPH07207149A JP H07207149 A JPH07207149 A JP H07207149A JP 98494 A JP98494 A JP 98494A JP 98494 A JP98494 A JP 98494A JP H07207149 A JPH07207149 A JP H07207149A
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JP
Japan
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acid
polyamide
flame
weight
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Application number
JP98494A
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English (en)
Inventor
Yoshimasa Ogo
合 佳 正 小
Masaru Sudo
藤 勝 須
Hidenori Sakai
井 英 紀 酒
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Mitsui Petrochemical Industries Ltd
Original Assignee
Mitsui Petrochemical Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、耐熱性ポリアミドを含み、コンパ
ウンディング時あるいは成形時に発泡したり、着色した
りすることのない熱安定性に優れた難燃性ポリアミド組
成物を提供する。 【構成】 本発明に係る難燃性ポリアミド組成物は、 [A][A-1] 芳香族ポリアミドまたは[A-2] ナイロン4
6である耐熱性ポリアミド;60〜100重量部と、
[B]変性ポリオレフィン;0〜40重量部と、上記の
[A]および[B]の合計量100重量部に対して、 [C]四酸化二アンチモン;0.5〜50重量部と、 [D]ハロゲン化合物;10〜60重量部と、必要に応
じて [E]酸化マグネシウム、酸化亜鉛およびリン化合物か
らなる群から選ばれる化合物;0.5〜50重量部とか
らなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、難燃性ポリアミド組成物
に関し、さらに詳しくは、難燃性に優れるとともに、コ
ンパウンディング時あるいは成形時の熱安定性に優れた
難燃性ポリアミド組成物に関する。
【0002】
【発明の技術的背景】ポリアミドは、通常ジカルボン酸
とジアミンとから誘導されるポリマーであり、従来よ
り、合成ポリアミドとしては、6ナイロン、66ナイロ
ンなどが広く知られている。
【0003】また近年、テレフタル酸などの芳香族ジカ
ルボン酸と脂肪族アルキレンジアミンとから誘導される
ポリアミド(特開昭59−53536号公報)あるいは
脂肪族ジカルボン酸とキシリレンジアミンなどの芳香族
ジアミンとから誘導されるポリアミド(特開昭57−2
00420号公報)などの芳香族ポリアミドは、6ナイ
ロン、66ナイロンなどの脂肪族ポリアミドに比べてよ
り一層機械的強度、剛性、耐熱性に優れている。
【0004】しかしながらこのような芳香族ポリアミド
は、脂肪族ポリアミド、ポリオレフィンなどの他の熱可
塑性樹脂と同様に、着火しやすく燃焼しやすいという問
題点があった。
【0005】このようなポリアミドを難燃化する方法と
しては、従来ポリアミドにハロゲン化合物などの難燃化
剤を添加する方法が知られており、たとえばポリアミド
にハロゲン化ポリスチレンが添加された組成物(特開昭
51−47034号公報)、あるいはポリアミドにブロ
ム化フェノールの縮合生成物が添加された組成物(特開
昭56−2100号公報)が知られている。これら公報
には、ハロゲン化合物とともに、難燃化助剤として三酸
化アンチモンを添加することが開示されている。また特
公昭63−260951号公報には、ポリアミドに難燃
化助剤としてアンチモン酸ナトリウムを添加することが
開示されている。
【0006】しかしながら上記のようなポリアミド特に
芳香族ポリアミドと、ハロゲン化合物と、三酸化アンチ
モンまたはアンチモン酸ナトリウムとをコンパウンドし
て難燃性組成物を形成する際、あるいは得られた組成物
を成形する際には、芳香族ポリアミドの加工温度が高い
こともあって、発泡が生じたり、着色したりすることが
あり、また難燃剤が分解して成形機を腐蝕させるなどの
問題点があった。また難燃化助剤としてアンチモン酸ナ
トリウムを用いる場合には、アンチモン酸ナトリウムを
多量に用いる必要があった。
【0007】このため難燃性に優れ、しかもコンパウン
ディング時あるいは成形時に発泡したり、着色したりす
ることのない難燃性ポリアミド組成物の出現が望まれて
いる。
【0008】
【発明の目的】本発明は、上記のような従来技術に鑑み
てなされたものであって、耐熱性ポリアミドを含み、コ
ンパウンディング時あるいは成形時に発泡したり、着色
したりすることのない熱安定性に優れた難燃性ポリアミ
ド組成物を提供することを目的としている。
【0009】
【発明の概要】本発明に係る難燃性ポリアミド組成物
は、 [A][A-1] 芳香族ポリアミドまたは[A-2] ナイロン4
6である耐熱性ポリアミド;60〜100重量部と、 [B]変性ポリオレフィン;0〜40重量部と、上記の
[A]および[B]の合計量100重量部に対して、 [C]四酸化二アンチモン;0.5〜50重量部と、 [D]ハロゲン化合物;10〜60重量部と、必要に応
じて [E]酸化マグネシウム、酸化亜鉛およびリン化合物か
らなる群から選ばれる化合物;0.5〜50重量部とか
らなることを特徴としている。
【0010】
【発明の具体的説明】本発明に係る難燃性ポリアミド組
成物は、[A]耐熱性ポリアミドと、[B]変性ポリオ
レフィンと、[C]四酸化二アンチモンと、[D]ハロ
ゲン化合物と、必要に応じて[E]酸化マグネシウム、
酸化亜鉛およびリン化合物からなる群から選ばれる化合
物とからなることを特徴としている。
【0011】以下、まず本発明に係る難燃性ポリアミド
組成物を形成する各成分について説明する。[A]耐熱性ポリアミド 本発明では、耐熱性ポリアミドとしては、[A-1] 芳香族
ポリアミドまたは[A-2] ナイロン46が用いられる。
【0012】[A-1] 芳香族ポリアミド樹脂 本発明で用いられる[A-1] 芳香族ポリアミドは、少なく
とも一方が芳香族基含有化合物を含むジカルボン酸とジ
アミンとから誘導されている。
【0013】本発明では、このような芳香族ポリアミド
[A-1] として、テレフタル酸を必須成分として含むジカ
ルボン酸とジアミンとから誘導される構成単位からなる
芳香族ポリアミド樹脂が好ましく用いられる。
【0014】本発明で用いられる芳香族ポリアミド樹脂
[A-1] に必須成分として含まれるテレフタル酸とジアミ
ンとから誘導される構成単位(a) は、下記の式[I-a]
で示される。
【0015】
【化1】
【0016】テレフタル酸とともにこのような構成単位
(a) を形成するジアミンとしては、炭素原子数4〜18
の脂肪族アルキレンジアミンおよび/または脂環族ジア
ミンが挙げられる。具体的に、脂肪族アルキレンジアミ
ンとしては、1,4-ジアミノブタン、1,6-ジアミノヘキサ
ン、トリメチル-1,6-ジアミノヘキサン、1,7-ジアミノ
ヘプタン、1,8-ジアミノオクタン、1,9-ジアミノノナ
ン、1,10-ジアミノデカン、1,11-ジアミノウンデカンお
よび1,12-ジアミノドデカンなどが挙げられ、脂環族ジ
アミンとしては、ジアミノシクロヘキサンなどが挙げら
れる。
【0017】本発明では、上記のようなジアミンのう
ち、直鎖状脂肪族アルキレンジアミンが好ましく、具体
的に、1,6-ジアミノヘキサン、1,8-ジアミノオクタン、
1,10-ジアミノデカン、1,12-ジアミノドデカンおよびこ
れらの組合せが好ましく、特に1,6-ジアミノヘキサンが
好ましい。
【0018】この芳香族ポリアミド樹脂[A-1] は、上記
のような構成単位(a) とともに、テレフタル酸以外のジ
カルボン酸とジアミンとから誘導される構成単位を含有
していてもよい。
【0019】このようなテレフタル酸以外のジカルボン
酸としては、テレフタル酸以外の芳香族ジカルボン酸お
よび脂肪族ジカルボン酸が挙げられる。テレフタル酸以
外の芳香族ジカルボン酸としては、たとえばイソフタル
酸、2-メチルテレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸な
どが挙げられる。
【0020】これらのうちでは、イソフタル酸が好まし
く、このイソフタル酸とジアミンとから誘導される構成
単位(b) は、次式[I-b]で示される。
【0021】
【化2】
【0022】また脂肪族ジカルボン酸としては、炭素原
子数4〜20好ましくは6〜12のアルキレン基を有す
る脂肪族ジカルボン酸が挙げられ、たとえばコハク酸、
アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸などが挙げられ
る。
【0023】これらのうちでは、アジピン酸、セバシン
酸が好ましい。このような脂肪族ジカルボン酸とジアミ
ンとから誘導される構成単位(c) は、[I-c]で示され
る。
【0024】
【化3】
【0025】本発明で用いられる芳香族ポリアミド[A-
1] は、上記のようなテレフタル酸を含むジカルボン酸
とジアミンとから誘導されるが、ジカルボン酸から誘導
される構成単位を100モル%とするとき、テレフタル
酸から誘導される構成単位(a)を、50〜100モル%
好ましくは50〜80モル%さらに好ましくは50〜7
0モル%で含有しており、テレフタル酸以外の芳香族ジ
カルボン酸から誘導される構成単位(b) を、0〜50モ
ル%好ましくは0〜40モル%さらに好ましくは0〜2
0モル%の量で含有しており、脂肪族ジカルボン酸から
誘導される構成単位(c) を、0〜50モル%好ましくは
10〜50モル%さらに好ましくは20〜50モル%特
に好ましくは30〜50モル%である。
【0026】また本発明で用いられる芳香族ポリアミド
[A-1] は、上記のようなジカルボン酸およびジアミンか
ら誘導される構成単位とともに、トリメリット酸、ピロ
メリット酸などの三塩基性以上の多価カルボン酸から誘
導される構成単位を、少量具体的には、通常5モル%以
下の量で含有していてもよい。
【0027】さらに本発明で用いられる芳香族ポリアミ
ド[A-1] は、上記の式[I-a]で示されるジカルボン酸
としてのテレフタル酸から誘導される構成単位(a) を主
な構成単位とする芳香族ポリアミドと、式[I-b]で示
されるジカルボン酸としてのイソフタル酸から誘導され
る構成単位(b) を主な構成単位とする芳香族ポリアミド
との混合物であってもよい。この場合には、芳香族ポリ
アミド[A-1] は、構成単位(a) を主な構成単位とする芳
香族ポリアミドを、通常、50重量%以上好ましくは5
5重量%以上の量で含有している。
【0028】上記のような本発明で用いられる芳香族ポ
リアミド[A-1] は、30℃の濃硫酸中で測定される極限
粘度[η]が、0.5〜3.0dl/g好ましくは0.5
〜2.8dl/g特に好ましくは0.6〜2.5dl/gで
あることが望ましい。
【0029】また芳香族ポリアミド[A-1] は、アミノ基
含有量(メタクレゾール溶液中でp-トルエンスルホン酸
を用いて中和滴定により測定される値)は、通常、0.
04〜0.2ミリ当量/g好ましくは0.045〜0.
15ミリ当量/g特に好ましくは0.5〜0.1ミリ当
量/gである。
【0030】上記のような芳香族ポリアミド[A-1] は、
融点が高く、通常300℃を超えている。このような融
点を有する芳香族ポリアミド[A-1] のうちでも、融点が
305〜340℃さらに好ましくは310〜330℃で
ある芳香族ポリアミドが特に優れた耐熱性を有してい
る。さらに芳香族ポリアミド[A-1] の非晶部におけるガ
ラス転移温度は通常は80℃以上である。
【0031】またこのような芳香族ポリアミド[A-1]
は、上記のように特定の構造を有するため、吸水性につ
いても低い値を示す。本発明では、耐熱性ポリアミド
[A]として、[A-2] ナイロン46を用いることもでき
る。
【0032】本発明で用いられる[A-2] ナイロン46
は、テトラメチレジアミンとアジピン酸とから誘導され
るポリテトラメチレンアジパミドからなる。[A-2] ナイ
ロン46は、本発明の目的を損なわない範囲で、テトラ
メチレジアミンおよびアジピン酸以外と共重合しうる化
合物から誘導される構成単位を含んでいてもよい。
【0033】このような共重合化合物としては、アミド
を生成しうる化合物が挙げられ、具体的に、6-アミノカ
プロン酸、11- アミノウンデカン酸、12- アミノドデカ
ン酸、パラアミノメチル安息香酸などのアミノ酸、ε−
カプロラクタム、ω−ラウリルラクタムなどのラクタ
ム、ヘキサメチレンジアミン、ウンデカメチレンジアミ
ン、ドデカメチレンジアミン、2,2,4-/2,4,4-トリメチ
ルヘキサメチレンジアミン、5-メチルノナメチレンジア
ミン、メタキシリレンジアミン、パラキシリレンジアミ
ン、1,3-ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,4-ビ
ス(アミノメチル)シクロヘキサン、1-アミノ-3- アミ
ノメチル-3,5,5- トリメチルシクロヘキサン、ビス(3-
メチル-4- アミノシクロヘキシル)メタン、2,2-ビス
(4-アミノシクロヘキシル)プロパン、ビス(アミノプ
ロピル)ピペラジン、アミノエチルピペラジンなどのジ
アミン、アジピン酸、スペリン酸、アゼライン酸、セバ
シン酸、ドデカン二酸、テレフタル酸、イソフタル酸、
2-クロルテレフタル酸、2-メチルテレフタル酸、5-メチ
ルイソフタル酸、5-ナトリウムスルホイソフタル酸、ヘ
キサヒドロイソフタル酸、ジグリコール酸などのジカル
ボン酸などが挙げられる。
【0034】また[A-2] ナイロン46は、必要に応じて
他のポリアミドを含有していてもよく、他のポリアミド
としては、上記のテトラメチレジアミンおよびアジピン
酸以外の化合物から誘導されるポリアミドを挙げること
ができる。などが挙げられる。
【0035】この[A-2] ナイロン46は、テトラメチレ
ジアミンとアジピン酸と必要に応じて共重合化合物とか
ら公知の製造方法によって製造することができ、この製
造方法は、たとえば特開昭56-149430 号公報、特開昭56
-149431 号公報、特開昭58-83029号公報、特開昭61-436
31号公報などに開示されている。具体的には、まず環状
末端基が少ないプレポリマーを特定の条件下で製造した
後、これを水蒸気雰囲気下で固相重合して高粘度ナイロ
ン46を製造する方法あるいは2-ピロリドン、N-メチル
ピロリドンなどの極性有機溶媒中で加熱してナイロン4
6を製造する方法などがある。
【0036】本発明で用いられるナイロン46[A-2]
は、30℃の濃硫酸中で測定される極限粘度[η]が、
0.5〜3.0dl/g好ましくは0.6〜2.5dl/g
であることが望ましい。
【0037】本発明では、耐熱性ポリアミド[A]とし
て、上記のような芳香族ポリアミド[A-1] またはナイロ
ン46[A-2] を単独で用いてもよく、あるいはこれらを
組合わせて用いてもよい。耐熱性ポリアミド[A]とし
て、芳香族ポリアミド[A-1]とナイロン46[A-2] とを
組合わせて用いる際には、芳香族ポリアミド[A-1] 10
0重量部に対して、ナイロン46[A-2] を0.5〜50
重量部の量で用いることが望ましい。
【0038】本発明で用いられる耐熱性ポリアミド
[A]は、耐熱性に優れており、コンパウンディング時
および成形時の加工温度が、通常、280〜380℃、
好ましくは300〜370℃である。
【0039】[B]変性ポリオレフィン 本発明では、[B]変性ポリオレフィンとして、[B-1]
変性結晶性ポリオレフィン、[B-2] 変性芳香族ビニル化
合物・共役ジエン共重合体またはその水素化物および[B
-3] 変性ポリオレフィンエラストマーからなる群から選
ばれる少なくとも一種が用いられる。
【0040】これらの変性ポリオレフィンは、後述する
ようなそれぞれに対応するポリオレフィンと、下記のよ
うなグラフトモノマー(変性剤)とをそれぞれグラフト
重合させることにより得られる。
【0041】本発明で用いられる[B]変性ポリオレフ
ィンでは、ポリオレフィンに対するグラフトモノマー付
加量(変性率)が、通常0.01〜10重量%好ましく
は0.1〜2.5重量%であることが望ましい。
【0042】変 性 本発明において、各変性ポリオレフィンを調製する際に
用いられるグラフトモノマーとしては、エチレン性不飽
和カルボン酸またはその誘導体が挙げられる。
【0043】このような不飽和カルボン酸としては、ア
クリル酸、メタクリル酸、α-エチルアクリル酸、マレ
イン酸、フマール酸、イタコン酸、シトラコン酸、テト
ラヒドロフタル酸、メチルテトラヒドロフタル酸、エン
ドシス-ビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン-2,5-ジカルボン
酸(ナジック酸TM)およびメチル-エンドシス-ビシクロ
[2.2.1]ヘプト-5-エン-2,5-ジカルボン酸(メチルナジ
ック酸TM)などが挙げられ、不飽和カルボン酸の誘導体
としては、上記の不飽和カルボン酸の酸ハライド化合物
(塩化マレイルなど)、イミド化合物(マレイミドな
ど)、エステル化合物(マレイン酸モノメチル、マレイ
ン酸ジメチル、グリシジルマレエートなど)、酸無水物
(無水マレイン酸、無水シトラコン酸、無水ナジック酸
および無水メチルナジック酸)などが挙げられる。
【0044】これらの変性剤は、組み合わせて用いるこ
ともできる。これらのうち、不飽和カルボン酸無水物、
特に、無水マレイン酸、無水ナジック酸が好ましく用い
られる。
【0045】ポリオレフィンと変性剤とをグラフト重合
させるグラフト反応は、通常60〜350℃の温度で行
われる。ポリオレフィンに、変性剤をグラフト重合させ
るには、ポリオレフィンの溶液または懸濁液に変性剤を
添加してグラフト反応させる方法(溶液法)、あるいは
ポリオレフィンを溶融させた状態で変性剤をグラフト反
応させる方法(溶融法)などが挙げられる。
【0046】これらのうち、溶融法によって、ポリオレ
フィンを、180〜280℃、好ましくは200〜24
0℃の温度で溶融混練することが好ましい。溶融混練
は、一般的に樹脂を溶融混練する際に用いられる装置た
とえば一軸押出機、二軸押出機、ニーダー、バンバリー
ミキサなどを用いて行うことができる。押出機より押出
されるグラフト変性物中には、未反応物が含有されてい
ることがあるので、乾燥装置、ベントタイプの押出機に
よりベント真空などの方法によって、未反応物を除去す
ることが好ましい。
【0047】[B]変性ポリオレフィンを調製する際に
は、変性剤は、その反応性を考慮して適宜量用いられる
が、通常ポリオレフィン100重量部に対して、通常
0.01〜10重量部、好ましくは0.1〜2.5重量
部の量で用いられる。
【0048】なお上記のようなグラフト反応は、ラジカ
ル開始剤の存在下に行われることが好ましい。ラジカル
開始剤としては、たとえば有機ペルオキシド、有機ペル
エステルおよびアゾ化合物などが用いられる。
【0049】具体的に、ベンゾイルペルオキサイド、ジ
クロルベンゾイルペルオキサイド、ジクミルペルオキサ
イド、ラウロイルペルオキシド、ジ-tert-ブチルペルオ
キサイド、2,5-ジメチル-2,5-ビス(tert-ブチルペルオ
キシベンゾエート)ヘキシン-3、1,4-ビス(tert-ブチ
ルペルオキシイソプロピル)ベンゼン、2,5-ジメチル-
2,5-ビス(tert-ブチルペルオキシ)ヘキサン、2,5-ジ
メチル-2,5-ビス(tert-ブチルペルオキシ)ヘキシン-
3、1,4-ビス(tert-ブチルペルオキシイソプロピル)ベン
ゼンなどの有機ペルオキシド、tert-ブチルペルベンゾ
エート、tert-ブチルペルアセテート、tert-ブチルペル
フェニルアセテート、tert-ブチルペルオキシイソブチ
レート、tert-ブチルペル-sec-オクトエート、tert-ブ
チルペルピバレート、クミルペルピバレート、tert-ブ
チルペルジエチルアセテートなどの有機ペルエステル、
アゾビスイソブチロニトリル、ジメチルアゾイソブチレ
ートなどのアゾ化合物が挙げられる。
【0050】これらのラジカル開始剤は、単独であるい
は組み合わせて用いられる。これらのうち、ベンゾイル
ペルオキシド、ジクミルペルオキシド、ジ-tert-ブチル
ペルオキシド、2,5-ジメチル-2,5-ビス(tert-ブチルペ
ルオキシ)ヘキシン-3、2,5-ジメチル-2,5-ビス(tert-ブ
チルペルオキシ)ヘキサン、1,4-ビス(tert-ブチルペル
オキシイソプロピル)ベンゼンなどが好ましく用いられ
る。
【0051】ラジカル開始剤は、ポリオレフィン100
重量部に対して、通常0.001〜5重量部の量で用い
られることが望ましい。また本発明では、電離放射線あ
るいは紫外線などのエネルギー線をラジカル発生源とし
て用いてグラフト重合を行なうこともできる。さらに上
記のようにラジカル開始剤の存在下に行なわれる反応系
に、エネルギー線を照射しながらグラフト重合を行なっ
てもよい。
【0052】以下に、このように変性されたポリオレフ
ィン[B-1] 、[B-2] および[B-3]について、より具体的
に説明する。[B-1] 変性結晶性ポリオレフィン 本発明で用いられる変性結晶性ポリオレフィン[B-1]
は、下記のような結晶性ポリオレフィンに、上述したよ
うな変性剤をグラフト重合させることにより得られる。
【0053】この結晶性ポリオレフィンは、X線回折法
により測定される結晶化度が、通常20%以上、好まし
くは30〜80%である。この結晶性ポリオレフイン
は、135℃のデカリン中で測定される極限粘度[η]
が、通常、0.1〜30dl/g、好ましくは1〜20dl
/g、特に好ましくは1.5〜15dl/gである。
【0054】本発明では、結晶性ポリオレフィンとし
て、引張弾性率が、通常2000kg/cm2を超えるポリ
オレフィン、好ましくは3000〜30000kg/cm2
であるポリオレフィンが用いられる。
【0055】このような結晶性ポリオレフィンとして
は、炭素原子数2〜20のα−オレフィンの単独重合体
またはα-オレフィンの共重合体が挙げられる。具体的
にたとえば、ポリエチレン、ポリプロピレン、線状低密
度ポリエチレン(LLDPE)、超低密度線状ポリエチ
レン(VLDPE)、ポリブテン-1、ポリ3-メチルブテ
ン-1およびポリ4-メチルペンテン-1などが挙げられる。
【0056】[B-2] 変性芳香族ビニル化合物・共役ジエ
ン共重合体またはその水素化物 本発明で用いられる変性芳香族ビニル化合物・共役ジエ
ン共重合体は、下記のような芳香族ビニル化合物・共役
ジエン共重合体またはその水素化物に、上述したような
変性剤をグラフト重合させることにより得られる。
【0057】この芳香族ビニル化合物・共役ジエン共重
合体としては、芳香族ビニル化合物と共役ジエン系化合
物とのランダムあるいはブロック共重合体が挙げられ、
また芳香族ビニル化合物・共役ジエン共重合体の水素化
物は、芳香族ビニル化合物と共役ジエン系化合物とのブ
ロック共重合体中に残存する二重結合の一部または全部
が水素化されたものが挙げられる。
【0058】このような芳香族ビニル化合物・共役ジエ
ン共重合体またはその水素化物としては、具体的に、ス
チレン・ブタジエンブロック共重合体ゴム、スチレン・
ブタジエン・スチレンブロック共重合体ゴム、スチレン
・イソプレンブロック共重合体ゴム、スチレン・イソプ
レン・スチレンブロック共重合体ゴム、水素添加スチレ
ン・ブタジエン・スチレンブロック共重合体(SEB
S)、水素添加スチレン・イソプレン・スチレンブロッ
ク共重合体ゴムおよびスチレン・ブタジエンランダム共
重合体ゴムなどが挙げられる。
【0059】このような芳香族ビニル化合物・共役ジエ
ン共重合体またはその水素化物において、芳香族ビニル
化合物から誘導される構成単位と共役ジエンから誘導さ
れる構成単位とのモル比(芳香族ビニル化合物/共役ジ
エン)は、通常、10/90〜70/30であることが
望ましい。
【0060】この芳香族ビニル化合物・共役ジエン共重
合体またはその水素化物は、135℃のデカリン中で測
定される極限粘度[η]が、通常、0.01〜10dl/
g、好ましくは0.08〜7dl/gであり、ガラス転移
温度(Tg)が、通常0℃以下、好ましくは−10℃以
下、特に好ましくは−20℃以下である。またX線回折
法により測定される結晶化度は、0〜10%、好ましく
は07%、特に好ましくは0〜5%である。
【0061】[B-3] 変性ポリオレフィンエラストマー 本発明で用いられる変性ポリオレフィンエラストマー
は、下記のようなポリオレフィンエラストマーに、上述
したような変性剤をグラフト重合させることにより得ら
れる。
【0062】ポリオレフィンエラストマーは、低結晶性
または非晶性の共重合体であるが、X線回折法により測
定される結晶化度が10%以下好ましくは5%以下特に
好ましくは0%であって、実質的に非晶性であることが
望ましい。従ってこの(iii)ポリオレフィンエラストマ
ーには、明確な融点を示さないものが多い。
【0063】ポリオレフィンエラストマーは、このよう
に結晶化度が低いため軟質であり、その引張りモジュラ
スは、通常0.1kg/cm2 〜20000kg/cm2 、好ま
しくは1kg/cm2 〜15000kg/cm2 である。
【0064】またポリオレフィンエラストマーは、メル
トインデックス(190℃で測定)が、通常、0.1〜
30g/10分、好ましくは1.0〜20g/10分、特に
好ましくは2.0〜15g/10分であり、GPCにより
測定されるMw/Mnの値が、通常、5.5以下、好ま
しくは4.5以下、特に好ましくは3.5以下であるこ
とが望ましい。
【0065】ガラス転移温度(Tg)は、通常、−15
0〜+50℃、好ましくは−80〜−20℃であり、1
35℃、デカリン中で測定される極限粘度[η]は、通
常、0.2〜10dl/g、好ましくは1〜5dl/gであ
ることが望ましい。
【0066】密度は、通常、0.82〜0.96g/cm
3、好ましくは0.84〜0.92g/cm3であることが
望ましい。このような特性を有するポリオレフィンエラ
ストマーとしては、異なるα−オレフィンから誘導され
る構成単位がランダムに配置されたα−オレフィン共重
合体が挙げられ、具体的にたとえば、(イ)エチレン・
α−オレフィン共重合体ゴム、(ロ)プロピレン・α−
オレフィン共重合体ゴムなどが挙げられる。
【0067】このエチレン・α−オレフィン共重合体ゴ
ム(イ)を構成するα−オレフィンとしては、通常、炭
素数3〜20のα−オレフィン、たとえばプロピレン、
1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、4-メチル-1-ペン
テン、1-オクテン、1-デセンおよびこれらの組合せを挙
げることができる。このうち特にプロピレンおよび/ま
たは1-ブテンが好ましい。
【0068】このようなエチレン・α−オレフィン共重
合体ゴム(イ)としては、より具体的に、エチレン・プ
ロピレン共重合体、エチレン・ブテン-1共重合体、エチ
レン・4-メチルペンテン-1共重合体、エチレン・ヘキセ
ン-1共重合体、エチレン・オクテン-1共重合体およびエ
チレン・デセン-1共重合体などの2成分系の共重合体、
エチレン・プロピレン・1,4-ヘキサジエン共重合体、エ
チレン・プロピレン・ジシクロペンタジエン共重合体、
エチレン・プロピレン・5-エチリデン-2-ノルボルネン共
重合体、エチレン・プロピレン・ 2,5- ノルボルナジエ
ン共重合体、エチレン・ブテン-1・ジシクロペンタジエ
ン共重合体、エチレン・ブテン-1・1,4-ヘキサジエン共
重合体、エチレン・ブテン-1・5-エチリデン-2-ノルボル
ネン共重合体などの多成分系の共重合体が挙げられる。
【0069】エチレン・α−オレフィン共重合体(イ)
では、エチレンとα−オレフィンとのモル比(エチレン
/α−オレフィン)は、α−オレフィンの種類によって
も異なるが、通常10/90〜99/1、好ましくは5
0/50〜95/5である。このモル比は、α−オレフ
ィンがプロピレンである場合には、50/50〜90/
10であることが好ましく、α−オレフィンが炭素数4
以上のα−オレフィンである場合には80/20〜95
/5であることが好ましい。
【0070】またプロピレン・α−オレフィン共重合体
ゴム(ロ)を構成するα−オレフィンとしては、通常、
炭素数4〜20のα-オレフィン、たとえば1-ブテン、1
-ペンテン、1-ヘキセン、4-メチル-1-ペンテン、1-オク
テン、1-デセンおよびこれらの組合せを挙げることがで
きる。このうち特に1-ブテンが好ましい。
【0071】このようなプロピレン・α-オレフィン共
重合体ゴム(ロ)としては、より具体的に、プロピレン
・ブテン-1共重合体、プロピレン・4-メチルペンテン-1
共重合体、プロピレン・ヘキセン-1共重合体、プロピレ
ン・オクテン-1共重合体、プロピレン・デセン-1共重合
体、プロピレン・ジシクロペンタジエン共重合体、プロ
ピレン・5-エチリデン-2-ノルボルネン共重合体、プロ
ピレン・2,5-ノルボルナジエン共重合体などの2成分系
の共重合体、プロピレン・ブテン-1・ジシクロペンタジ
エン共重合体、プロピレン・ブテン-1・1,4-ヘキサジエ
ン共重合体およびプロピレン・ブテン-1・5-エチリデン
-2-ノルボルネン共重合体などの多成分系の共重合体が
挙げられる。
【0072】プロピレン・α−オレフィン共重合体
(ロ)では、プロピレンとα−オレフィンとのモル比
(プロピレン/α−オレフィン)は、α−オレフィンの
種類によっても異なるが、通常、50/50〜95/5
である。このモル比は、α−オレフィンが1-ブテンであ
る場合には、50/50〜90/10であることが好ま
しく、α−オレフィンが炭素数5以上である場合には、
80/20〜95/5であることが好ましい。
【0073】なお本発明で用いられるポリオレフィンエ
ラストマーは、その特性を損なわない範囲内で、α−オ
レフィンと共重合しうる他のモノマーから誘導される構
成単位を含有していてもよく、具体的に、10モル%以
下、好ましくは5モル%以下の量で含有していてもよ
い。
【0074】このような他のモノマーとしては、具体的
に、1,4-ヘキサジエン、1,6-オクタジエン、2-メチル-
1,5-ヘキサジエン、6-メチル-1,5-ヘプタジエンおよび7
-メチル-1,6-オクタジエンなどの鎖状非共役ジエン、シ
クロヘキサジエン、ジシクロペンタジエン、メチルテト
ラヒドロインデン、5-ビニルノルボルネン、5-エチリデ
ン-2-ノルボルネン、5-メチレン-2-ノルボルネン、5-イ
ソプロピリデン-2-ノルボルネンおよび6-クロロメチル-
5-イソプロペニル-2-ノルボルネンなどの環状非共役ジ
エン、2,3-ジイソプロピリデン-5-ノルボルネン、2-エ
チリデン-3-イソプロピリデン-5-ノルボルネンおよび2-
プロペニル-2,2-ノルボルナジエンなどのジエン類が挙
げられる。
【0075】本発明では、ポリオレフィンエラストマー
として、上記のようなエチレン・α−オレフィン共重合
体ゴム(イ)とプロピレン・α−オレフィン共重合体ゴ
ム(ロ)とを組合わせて用いることもできる。
【0076】[C]四酸化二アンチモン 本発明で用いられる四酸化二アンチモンは、分子式Sb
24 またはSb48で示される。
【0077】この四酸化二アンチモンは、900℃以下
では、アンチモン酸化物のうち最も安定な酸化物であっ
て、アンチモン、三酸化二アンチモン、硫化アンチモ
ン、五酸化二アンチモンを加熱することにより得られ
る。
【0078】四酸化二アンチモンは、通常アンチモン
(III)とアンチモン(V)との混合酸化物として分析
される。本発明では、粒子状の四酸化二アンチモン、通
常30μm以下、好ましくは10μm以下、粒径の四酸
化二アンチモンを用いることが好ましい。特に平均粒径
3〜8μmの粒子状の四酸化二アンチモンを用いること
が好ましい。
【0079】[D]ハロゲン化合物 本発明で用いられるハロゲン化合物としては、たとえば
下記繰り返し単位で示されるハロゲン化ポリスチレンが
挙げられる。
【0080】
【化4】
【0081】このようなハロゲン化ポリスチレンとして
は、具体的に、ポリジブロモスチレン、ポリトリブロモ
スチレン、ポリペンタブロモスチレン、ポリジクロロス
チレン、ポリトリクロロスチレン、ポリペンタクロロス
チレン、ポリトリブロモα−メチルスチレンなどが挙げ
られる。
【0082】上記のようなハロゲン化ポリスチレンは、
ハロゲン化スチレンまたはハロゲン化α−メチルスチレ
ンを重合させるか、あるいはポリスチレンまたはポリα
−メチルスチレンをハロゲン化することにより製造され
る。
【0083】また本発明では、ハロゲン化合物[D]と
して、下記のような臭素化合物を用いることもできる。
ヘキサブロモベンゼン、ペンタブロモエチルベンゼン、
ヘキサブロモビフェニル、デカブロモジフェニル、ヘキ
サブロモジフェニルオキサイド、オクタブロモジフェニ
ルオキサイド、デカブロモジフェニルオキサイド、テト
ラブロモビスフェノールAおよびテトラブロモビスフェ
ノールA−ビス(ヒドロキシエチルエーテル)、テトラ
ブロモビスフェノールA−ビス(2,3−ジブロモプロピ
ルエーテル)、テトラブロモビスフェノールA−ビス
(ブロモエチルエーテル)、テトラブロモビスフェノー
ルA−ビス(アリルエーテル)などのテトラブロモビス
フェノールA誘導体、テトラブロモビスフェノールSお
よびテトラブロモビスフェノールS−ビス(ヒドロキシ
エチルエーテル)、テトラブロモビスフェノールS−ビ
ス(2,3-ジブロモプロピルエーテル)などのテトラブロ
モビスフェノールS誘導体、テトラブロモ無水フタル
酸、テトラブロモフタルイミド、エチレンビステトラブ
ロモフタルイミドなどのテトラブロモ無水フタル酸誘導
体、エチレンビス(5,6-ジブロモノルボルナン-2,3- ジ
カルボキシイミド)、トリス-(2,3-ジブロモプロピル-
1)-イソシアヌレート、ヘキサブロモシクロペンタジエ
ンのディールスアルダー付加物、トリブロモフェニルグ
リシジルエーテル、トリブロモフェニルアクリレート、
エチレンビストリブロモフェニルエーテル、エチレンビ
スペンタブロモフェニル、エチレンビスペンタブロモフ
ェニルエーテル、テトラデカブロモジフェノキシベンゼ
ン、臭素化ポリフェニレンオキサイド、臭素化エポキシ
樹脂、臭素化ポリカーボネート、ポリペンタブロモベン
ジルアクリレート、オクタブロモナフタリン、ペンタブ
ロモシクロヘキサン、ヘキサブロモシクロドデカン、ビ
ス(トリブロモフェニル)フマルアミド、N−メチルヘ
キサブロモジフェニルアミンなどが挙げられる。
【0084】これらのハロゲン化合物は、2種以上組合
わせて用いることもできる。これらのうち、ハロゲン化
ポリスチレン、テトラブロモビスフェノールS−ビス
(2,3-ジブロモプロピルエーテル)などが好ましく用い
られ、特に臭素化ポリスチレンが特に好ましく用いられ
る。
【0085】[E]酸化マグネシウム、酸化亜鉛または
リン化合物 本発明に係る難燃性ポリアミド組成物は、上記のような
成分[A]、[B]、[C]および[D]とともに酸化
マグネシウム、酸化亜鉛およびリン化合物から選ばれる
少なくとも1種の化合物を含んでいてもよい。
【0086】本発明では、酸化マグネシウムおよび酸化
亜鉛は、粒子状で用いられることが好ましく、通常30
μm以下、好ましくは10μm以下の粒径の酸化マグネ
シウムおよび酸化亜鉛が用いられる。
【0087】また成分[E]として用いられるリン化合
物としては、リン酸塩(1) 、有機リン酸塩(2) 、含リン
無機酸と有機酸との混酸から合成される金属塩(3) など
が挙げられる。
【0088】これらのリン化合物(塩)を形成する金属
としては、Na、K、Li、Ba、Mg、Ca、Zn、
Al、Srなどおよびこれらの組合せが挙げられる。
(1) リン酸塩としては、リン酸、亜リン酸、次亜リン酸
の金属塩が挙げられ、具体的に、リン酸一ナトリウム、
リン酸二ナトリウム、リン酸三ナトリウム、亜リン酸一
ナトリウム、亜リン酸二ナトリウム、次亜リン酸ナトリ
ウムなどのナトリウム塩、リン酸一カリウム、リン酸二
カリウム、リン酸三カリウム、亜リン酸一カリウム、亜
リン酸二カリウム、次亜リン酸カリウムなどのカリウム
塩、リン酸一リチウム、リン酸二リチウム、リン酸三リ
チウム、亜リン酸一リチウム、亜リン酸二リチウム、次
亜リン酸リチウムなどのリチウム塩、リン酸二水素バリ
ウム、リン酸水素バリウム、リン酸三バリウム、次亜リ
ン酸バリウムなどのバリウム塩、リン酸一水素マグネシ
ウム、リン酸水素マグネシウム、リン酸三マグネシウ
ム、次亜リン酸マグネシウムなどのマグネシウム塩、リ
ン酸二水素カルシウム、リン酸水素カルシウム、リン酸
三カルシウム、次亜リン酸カルシウムなどのカルシウム
塩、リン酸亜鉛、亜リン酸亜鉛、次亜リン酸亜鉛などの
亜鉛塩、リン酸アルミニウム、亜リン酸アルミニウム、
次亜リン酸アルミニウムなどのアルミニウム塩などが挙
げられる。
【0089】また(2) 有機リン酸塩としては、(亜)リ
ン酸アルキルエステルの金属塩が挙げられる。具体的
に、リン酸アルキルエステルの金属塩としては、PO
(OR)(OH)2 …(i) で示されるモノアルキルエステ
ルの金属塩、PO(OR)2OH …(ii)で示されるジア
ルキルエステルの金属塩などが挙げられる。
【0090】上記の式(i) で示されるモノアルキルエス
テルの金属塩としては、たとえば、リン酸エチルリチウ
ム、リン酸ブチルナトリウム、リン酸2-エチルヘキシル
バリウム、リン酸オクチルカリウム、リン酸ヘキシルカ
ルシウム、リン酸ドデシルマグネシウムなどが挙げら
れ、式(ii)で示されるジアルキルエステルの金属塩とし
ては、たとえば、リン酸ジエチルナトリウム、リン酸ジ
ブチルカリウム、リン酸ジ(2-エチルヘキシル)バリウ
ム、リン酸ジオクチルマグネシウム、リン酸ジヘキシル
カルシウム、リン酸ジドデシルリチウムなどが挙げられ
る。
【0091】また亜リン酸アルキルエステルの金属塩と
しては、P(OR)(OH)2 …(iii) で示されるモノア
ルキルエステルの金属塩、P(OR)2OH …(iv)で示
されるジアルキルエステルの金属塩などが挙げられる。
【0092】上記の式(iii) で示されるモノアルキルエ
ステルの金属塩としては、たとえば、亜リン酸エチルナ
トリウム、亜リン酸ブチルカルシウム、亜リン酸(2-エ
チルヘキシル)バリウム、亜リン酸ジオクチルカリウ
ム、亜リン酸デシルマグネシウムなどが挙げられ、式(i
v)で示されるジアルキルエステルの金属塩としては、た
とえば、亜リン酸ジエチルナトリウム、亜リン酸ジブチ
ルカルシウム、亜リン酸ジヘキシルバリウム、亜リン酸
ジオクチルマグネシウム、亜リン酸ジ(2-エチルヘキシ
ル)バリウム、亜リン酸ジドデシルカリウムなどが挙げ
られる。
【0093】本発明で用いられる(3) 含リン無機酸と有
機酸との混酸の金属塩は、有機酸を0.1〜50重量%
で含有する混酸と上記のような金属とから合成される。
このような混酸を形成する際に用いられるる含リン無機
酸としては、次亜リン酸、亜リン酸、リン酸が挙げら
れ、また有機酸としては、酢酸、プロピオン酸、酪酸、
カプリル酸、カプリン酸、2-エチルヘキソイン酸、ラウ
リン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、12- ヒドロ
キシステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレイ
ン酸、チオグリコール酸、メルカプトプロピオン酸、ラ
ウリルメルカプトプロピオン酸、安息香酸、p-tertブチ
ル安息香酸、ジメチル安息香酸、アミノ安息香酸、サリ
チル酸、アミノ酢酸、グルタミン酸、シュウ酸、コハク
酸、アジピン酸、フタル酸、マレイン酸、チオジプロピ
オン酸、フマル酸、マロン酸、リンゴ酸、酒石酸、クエ
ン酸などが挙げられる。
【0094】この混酸は、含リン無機酸または有機酸を
それぞれ単独でまたは2種以上含有していてもよい。本
発明で用いられる(3) 混酸の金属塩は、酸1モルに対し
て金属を1〜3モルの量で含有しており、塩基性塩であ
ってもよい。
【0095】これらのリン化合物は、2種以上組み合わ
せて用いることもできる。本発明では、リン化合物とし
ては、リン酸ナトリウムが好ましく用いられる。このよ
うなリン化合物を含有する難燃性ポリアミド組成物は、
造粒性が向上し、またこのポリアミド組成物から形成さ
れる成形体の色相も改善される。
【0096】難燃性ポリアミド組成物 本発明に係る難燃性ポリアミド組成物は、上記のような
各成分から形成される。
【0097】この難燃性ポリアミド組成物は、樹脂成分
として[A]耐熱性ポリアミドを含有しているが、
[A]耐熱性ポリアミドとともに[B]変性ポリオレフ
ィンを含有していてもよく、具体的に、[A]耐熱性ポ
リアミドと[B]変性ポリオレフィンとの合計を100
重量部とするとき、[B]変性ポリオレフィンを40重
量部以下の量で含有していてもよい。
【0098】また本発明に係る難燃性ポリアミド組成物
は、上記の[A]および[B]の合計量100重量部に
対して、[C]四酸化二アンチモンを0.5〜50重量
部好ましくは5〜25重量部の量で、[D]ハロゲン化
合物を10〜60重量部好ましくは30〜50重量部の
量で、さらに必要に応じて、[E]酸化マグネシウム、
酸化亜鉛およびリン化合物からなる群から選ばれる化合
物を0.5〜50重量部好ましくは0.5〜2.0重量
部の量で含有している。
【0099】このような特定の各成分からなる難燃性ポ
リアミド組成物は、難燃性に優れるとともに、加工温度
において熱安定性に優れており、コンパウンディング時
あるいは成形時に発泡したり、着色したりすることがな
い。
【0100】なお前述したように、従来からポリアミド
に、ハロゲン化合物とともに難燃性助剤として三酸化二
アンチモンを配合して得られる難燃性ポリアミド組成物
が知られているが、このような難燃性ポリアミド組成物
は、コンパウンディング時あるいは成形時の熱安定性に
劣り、得られる成形品は色相に劣ったり、機械的強度に
劣ったりすることがある。また難燃性助剤としてアンチ
モン酸ナトリウムを配合する場合には、ポリアミドに対
してアンチモン酸ナトリウムを多量に添加する必要があ
り、得られる難燃性ポリアミド組成物の特性が低下する
ことがある。
【0101】他の成分 本発明に係る難燃性ポリアミド組成物は、上記のような
各成分に加えて本発明の目的を損なわない範囲で、上記
以外の耐熱安定剤、耐候安定剤、可塑剤、増粘剤、帯電
防止剤、離型剤、顔料、染料、無機あるいは有機充填
剤、核剤、繊維補強剤、カーボンブラック、タルク、ク
レー、マイカなどの無機化合物などの種々公知の配合剤
を含有していてもよい。
【0102】特に本発明に係る難燃性ポリアミド組成物
は、上記のうち繊維補強剤を含有していることにより、
より一層耐熱性、難燃性、剛性、引張強度、曲げ強度、
衝撃強度が向上される。
【0103】このような繊維補強剤としては、ガラス繊
維(グラスファイバー)、チタン酸カリウム繊維、金属
被覆ガラス繊維、セラミックス繊維、ウオラストナイ
ト、炭素繊維、金属炭化物繊維、金属硬化物繊維などの
無機繊維が挙げられる。またこのような繊維補強剤は表
面処理されていてもよく、たとえばビニルトリエトキシ
シラン、2-アミノプロピルトリエトキシシラン、2-グリ
シドキシプロピルトリエトキシシランなどのシラン系化
合物で表面処理されていてもよい。
【0104】これらのうちでは、グラスファイバーが好
ましく用いられる。さらに本発明に係る難燃性ポリアミ
ド組成物は、本発明の目的を損なわない範囲で他の重合
体を含有していてもよく、このような他の重合体として
は、たとえばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ4-メ
チル-1- ペンテン、エチレン・1-ブテン共重合体、プロ
ピレン・エチレン共重合体、プロピレン・1-ブテン共重
合体、ポリオレフィンエラストマーなどのポリオレフィ
ン、ポリスチレン、ポリアミド、ポリカーボネート、ポ
リアセタール、ポリスルフォン、ポリフェニレンオキシ
ド、フッ素樹脂、シリコーン樹脂などが挙げられる。
【0105】上記のような各成分から本発明に係る難燃
性ポリアミド組成物を製造するには、公知の樹脂混練方
法を採用すればよく、たとえば各成分を、ヘンシェルミ
キサー、Vブレンダー、リボンブレンダー、タンブラー
ブレンダーなどで混合する方法、あるいは混合後さらに
一軸押出機、多軸押出機、ニーダー、バンバリーミキサ
ーなどで溶融混練後、造粒あるいは粉砕する方法を採用
すればよい。
【0106】
【発明の効果】本発明に係る難燃性ポリアミド組成物
は、コンパウンディング時あるいは成形時に発泡した
り、着色したりすることがなく熱安定性に優れている。
【0107】
【実施例】次に本発明を実施例により具体的に説明する
が、本発明はこれら実施例により限定されるものではな
い。
【0108】以下の実施例および比較例においては、下
記のような各成分を用いた。 [A]耐熱性ポリアミド〔酸成分…テレフタル酸55モ
ル%とアジピン酸45モル%、ジアミン成分…1,6-ジア
ミノヘキサン100モル%、極限粘度[η]…1.0dl
/g(濃硫酸、30℃)〕 [C]ポリ(トリブロモスチレン) [D]四酸化二アンチモン:平均粒径7μmの粒子 [E]リン酸ナトリウム [他の成分]グラスファイバー [比較例]アンチモン酸ナトリウム
【0109】
【実施例1〜3】上記のような各成分を、表1に示すよ
うな量(重量部)で混合し、温度330℃に設定した径
65mmφの二軸ベント付押出機に装入し、溶融混練し
てペレット化した。
【0110】得られたペレットを、温度340℃に設定
した2オンスのスクリュウインライン型射出成形機によ
り、金型温度120℃で成形し、燃焼試験片(1/16イン
チ×1/2 ×5インチ)、ASTM−1号ダンベルおよび
1/2 インチ幅アイゾット衝撃試験片を得た。これらの試
験片について、垂直型燃焼試験(UL−94規格)、引
張試験(ASTM−D638)、アイゾット衝撃試験
(ASTM−D256、ノッチ付き)を行った。
【0111】結果を表1に示す。
【0112】
【比較例1〜4】表1に示すような組成物を用いた以外
は、実施例と同様にして試験片を得た。これらの試験片
について、実施例1と同様にして垂直型燃焼試験、引張
試験、アイゾット衝撃試験を行った。
【0113】結果を表1に示す。
【0114】
【表1】
【0115】なお表中、発泡の有無は、コンパウンド時
およびペレットについて目視により判断した。また総燃
焼時間は、UL−94の垂直燃焼試験により測定した。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】[A][A-1] 芳香族ポリアミドまたは[A-
    2] ナイロン46である耐熱性ポリアミド;60〜10
    0重量部と、 [B]変性ポリオレフィン;0〜40重量部と、上記の
    [A]および[B]の合計量100重量部に対して、 [C]四酸化二アンチモン;0.5〜50重量部と、 [D]ハロゲン化合物;10〜60重量部とからなるこ
    とを特徴とする難燃性ポリアミド組成物。
  2. 【請求項2】[A][A-1] 芳香族ポリアミドまたは[A-
    2] ナイロン46である耐熱性ポリアミド;60〜10
    0重量部と、 [B]変性ポリオレフィン;0〜40重量部と、上記の
    [A]および[B]の合計量100重量部に対して、 [C]四酸化二アンチモン;0.5〜50重量部と、 [D]ハロゲン化合物;10〜60重量部と、 [E]酸化マグネシウム、酸化亜鉛およびリン化合物か
    らなる群から選ばれる化合物;0.5〜50重量部とか
    らなることを特徴とする難燃性ポリアミド組成物。
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