JP3060447B2 - 表面実装部品用熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents

表面実装部品用熱可塑性樹脂組成物

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JP3060447B2
JP3060447B2 JP4332309A JP33230992A JP3060447B2 JP 3060447 B2 JP3060447 B2 JP 3060447B2 JP 4332309 A JP4332309 A JP 4332309A JP 33230992 A JP33230992 A JP 33230992A JP 3060447 B2 JP3060447 B2 JP 3060447B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電気、電子分野等で用
いられるコネクタ−、スイッチ、リレ−、コイルボビン
などの表面実装部品に好適な熱可塑性樹脂組成物に関す
る。
【0002】
【従来技術】ポリテトラメチレンアジパミド(ナイロン
4,6)はすでに公知のポリアミドであり、エンジニア
リングプラスチックとして優れた特性、特に卓越する耐
熱性を持つ樹脂であることが知られている。一般に、ポ
リアミド樹脂は、強度、耐衝撃性、耐摩耗性などの機械
的性質が優れ、耐熱性や耐薬品性が高いといった特長を
もち、成形加工性も良好なために、自動車部品、電気部
品、一般機械部品などの種々の用途に使用されている。
その中でも、ナイロン4,6は、耐熱性に優れ、また、
結晶化速度が速いために、成形サイクルが短く、さらに
溶融粘度が低いために成形性が良好である。このように
ナイロン4,6は、ポリアミドのもつ優れた耐薬品性に
加えて、耐熱性や力学特性や成形性にも優れるために、
エンジニアリングプラスチックとして、その応用が各方
面から期待されている樹脂である。 中でも、コネク
タ−、スイッチ、リレ−、コイルボビンなどの表面実装
用部品には,その耐熱性及び成形加工性が良好なことか
らガラス繊維強化ナイロン4,6が使用されている場合
が多い。そのガラス繊維強化ナイロン4,6からなる表
面実装部品を吸水状態で近赤外線、遠赤外線、あるい
は、熱風(エア−)式リフロ−炉を通過させると、表面
にブリスタ−(ふくれ)を生じるという問題があり、改
良がもとめられている。しかしながら、ナイロン4,6
のガラス繊維強化物の耐ブリスタ−性の向上に関して
は、未だ効果的な方法が考案されておらず、表面実装用
部品としての耐ブリスタ−性は不充分であることが現状
である。ナイロン4,6の耐ブリスター性をナイロン
4,6の耐熱性を損なわずに向上させる方法として例え
ば特開平3−63675号公報では、ナイロン4,6を
カオリン、タルク等の非繊維状充填材単独あるいは、ガ
ラス繊維と共に強化する方法が有効であることを提案し
ている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この方
法では、さらに臭素化ポリスチレンを代表とする難燃剤
と配合した際に、延性(引張破断伸び)あるいは靱性の
低下が通常のガラス繊維単独強化品と比較して著しいと
いう問題があり、特に、コネクター等においてピンの圧
入の際に割れ易く問題であった。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意研究
を重ねた結果、ナイロン4,6に非繊維状充填剤、繊維
状充填剤、難燃剤及び難燃助剤を配合した組成物にさら
に酸変性水添ブロック共重合体を添加することで、ナイ
ロン4,6の延性(引張破断伸び)あるいは靱性を向上
させ、かつ耐ブリスター性を向上することができること
を見いだし本発明に至った。
【0005】すなわち本発明は、(A)ポリテトラメチ
レンアジパミド20〜90重量%、(B)平均径と厚さ
との比で示されるアスペクト比が15以下であり、平均
径が0.01〜50μmである非繊維状充填材2〜50
重量%、(C)繊維状充填材2〜50重量%、(D)難
燃剤2〜50重量%、(E)難燃助剤1〜20重量%お
よび(F)ビニル芳香族化合物重合体ブロックAとカル
ボキシル基またはその誘導体基を有するオレフィン化合
物重合体ブロックBからなる変性ブロック共重合体であ
って、ブロックBの不飽和度が20%を越えない変性ブ
ロック共重合体1〜20重量%からなる表面実装用部品
用熱可塑性樹脂組成物を提供するものである。
【0006】以下、本発明を構成要件別に説明する。 (A)ポリテトラメチレンアジパミド(以下ナイロン
4,6という) 本発明で用いられるナイロン4,6はテトラメチレンジ
アミンとアジピン酸とから得られる共重合体である。本
発明で用いられるナイロン4,6にはポリテトラメチレ
ンアジパミド単位以外に他の成分が共重合されていても
よい。共重合成分の具体例としては、6-アミノカプロ
ン酸、11-アミノウンデカン酸、12-アミノウンデカ
ン酸、パラアミノメチル安息香酸などのアミノ酸、ε-
カプロラクタム、ω-ラウリルラクタムなどのラクタ
ム、ヘキサメチレンジアミン、ウンデカメチレンジアミ
ン、ドデカメチレンジアミン、2,2,4-/2,4,4-ト
リメチルヘキサメチレンジアミン、5-メチルノナメチ
レンジアミン、メタキシレンジアミン、パラキシレンジ
アミン、1,3-ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、
1,4-ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1-アミ
ノ-3-アミノメチル-3,5,5-トリメチルシクロヘキサ
ン、ビス(3-メチル-4-アミノシクロヘキシル)メタ
ン、2,2-ビス(アミノプロシル)ピペラジン、アミノ
エチルピペラジンなどのジアミンとアジピン酸、スベリ
ン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン2酸、テレ
フタル酸、イソフタル酸、2-クロルテレフタル酸、2-
メチルテレフタル酸、5-メチルイソフタル酸、5-ナト
リウムスルホイソフタル酸、ヘキサヒドロテレフタル
酸、ヘキサヒドロイソフタル酸、ジグリコ−ル酸などの
ジカルボン酸などを挙げることができる。
【0007】本発明で用いられるナイロン4,6の製造
方法は任意であり、たとえば特開昭56−149430
号公報、特開昭56−149431号公報、特開昭58
−83029号公報および特開昭61−43631号公
報などで開示された方法、つまりまず環状末端基が少な
いプレポリマ−を特定の条件下で製造した後、これを水
蒸気雰囲気下で固相重合して高粘度ナイロン4,6を調
製する方法あるいは2-ピロリドンやN-メチルピロリド
ンなどの極性有機溶媒中で加熱してそれを得る方法など
がある。ナイロン4,6の重合度については特に制限は
ないが、25℃、96%硫酸中、0.1g/dlにおけ
る相対粘度が2から6の範囲内にあるナイロン4,6が
好ましく用いられる。
【0008】本発明におけるナイロン4,6の使用量
は、20〜93重量%であるが、好ましくは30〜85
重量%、さらに好ましくは30〜80重量%である。ナ
イロン4,6の使用量が20重量%未満では当該部品の
加工性に問題を生じ、93重量%を超えると耐ブリスタ
−性が劣る。
【0009】(B)非繊維状充填材 本発明で用いられる非繊維状充填材とは、平均径と厚さ
との比で示されるアスペクト比が15以下であり、平均
径が0.01〜50μmである充填材で、具体的にはカ
オリン(あるいは、カオリナイト)、ワラストナイト、
タルク、炭酸カルシウムと呼ばれる充填材である。これ
らの非繊維状充填材のうち、耐ブリスタ−性に対する効
果の大きさから、カオリン、あるいは、タルクが好まし
く、カオリンが最も好ましい。非繊維状充填材のアスペ
クト比は、例えば、単分子膜法(日本ゴム協会編、発行
日;昭和60年11月25日の「フィラ−ハンドブッ
ク」に記載の水面粒子膜法による膜厚の測定方法)に従
って測定した値から、あるいは、電子顕微鏡観察によっ
て測定された値から算出することができる。また、本発
明で用いられる非繊維状充填材は、本発明の目的を逸脱
しない限りにおいて表面処理を施したものであってもよ
く、なかでも、アミノシラン処理、ステアリルアミン処
理、アクリルシラン処理、ビニル処理などを施されたも
のは本発明の目的から好ましい。本発明における非繊維
状充填材のアスペクト比は15以下であるが、好ましく
は1〜10、さらに好ましくは3〜10である。本発明
における非繊維状充填材のアスペクト比が15を超える
と耐ブリスタ−性に対する効果が認められなくなる。本
発明における非繊維状充填材の使用量は2〜50重量%
であるが、好ましくは5〜45重量%、さらに好ましく
は5〜40重量%である。非繊維状充填材の添加量が5
0重量%を超えると当該部品の加工性に問題を生じ、2
重量%未満であると耐ブリスタ−性が劣る。
【0010】(C)繊維状充填材 本発明で用いられる繊維状充填材には、棒状充填材、針
状充填材、柱状充填材、短繊維状充填材等と呼ばれるも
のも含み、好ましくは、長手方向の長さと横断面の平均
径との比で示されるアスペクト比が16〜1500であ
り、横断面における平均径が0.1〜100μmである
充填材である。繊維状充填材のアスペクト比は、例え
ば、顕微鏡写真法によって測定した値により算出するこ
とができる。具体的には、その材質等から、ガラス繊
維、アスベスト繊維、炭素繊維、グラファイト繊維、金
属繊維、チタン酸カリウムウイスカ−、珪素系ウイスカ
−と呼ばれる充填材である。本発明の目的から、ガラス
繊維、炭素繊維が好ましく、とりわけその経済性からガ
ラス繊維が好ましい。本発明の繊維状充填材は成形性・
物性を損なわない限りにおいて集束剤(ポリ酢酸ビニ
ル、ポリウレタン、アクリルウレタン、ポリエステル
等)、カップリング剤(アミノシラン、アクリルシラ
ン、ビニルシラン、エポキシシラン等)で処理されたも
のが好ましい。繊維状充填材の添加量は2〜50重量
%、好ましくは3〜45重量%、さらに好ましくは5〜
20重量%であるが、2重量%未満であると繊維状充填
材による引張強度等に対する補強効果が現れず、50重
量%を超えると特に押出成形性や射出成形性に問題を生
じる。
【0011】(D)難燃剤 本発明に用いられる難燃剤は、臭素化ポリスチレン、臭
素化ポリフェニレンエーテル、臭素化エポキシオリゴマ
ーから選ばれた1種あるいは2種の難燃剤であり、特に
臭素化ポリスチレンが好ましい。本発明に用いられる臭
素化ポリスチレンとしては、ベンゼン環に少なくとも1
の臭素原子を置換した構造を有するポリスチレンであ
り、臭素化スチレンを重合するか、またはポリスチレン
を臭素化することによって製造することができる。ま
た、臭素化ポリスチレンにはスチレン以外の他のビニル
化合物が共重合されていても使用可能である。本発明で
使用される臭素化ポリスチレンの分子量は、重量平均分
子量で5000〜1000000のものが好ましく用い
られる。本発明において、難燃剤の使用量は、2〜50
重量%、好ましくは5〜40重量%、さらに好ましくは
10〜30重量%である。使用量が2重量%未満では本
発明組成物の難燃化効果が充分でなく、50重量%を越
えると機械的特性、熱的特性が損なわれるため好ましく
ない。
【0012】(E)難燃助剤 本発明で用いられる難燃助剤は難燃剤との相乗効果によ
りナイロン4,6の難燃性を高める働きをするものであ
る。本発明で用いられる難燃助剤としては、周期律表第
Va族の金属化合物や酸化ホウ素、酸化ジルコニウム、
酸化鉄、酸化亜鉛等の金属化合物が挙げられ、特に周期
律表第Va族の金属化合物としてアンチモン化合物が好
ましい。アンチモン化合物としては3酸化アンチモン、
5酸化アンチモン、アンチモン酸ナトリウム等が挙げら
れるが、特に3酸化アンチモンが好ましく用いられる。
また、これらの難燃助剤は1種のみ使用しても、2種以
上併用してもよい。本発明における難燃助剤の使用量は
1〜20重量%、好ましくは2〜15重量%、さらに好
ましくは3〜10重量%であり、これらの難燃助剤の使
用量は(D)成分の臭素化ポリスチレンの臭素原子2〜
5に対しアンチモン等の金属原子1となる割合となる使
用量であることが好ましい。
【0013】(F)変性ブロック共重合体 本発明で用いられる変性ブロック共重合体は、ビニル芳
香族化合物重合体ブロックA(以下ブロックAという)
と共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロック(以下
ブロックBという)とから構成されているブロック共重
合体の共役ジエン部の不飽和度が20%を越えない程度
までに選択的に水添し、ついでカルボキシル基またはそ
の誘導体有する化合物を付加させた重合体である。本
発明の変性ブロック共重合体において、ブロックAの含
有率は好ましくは、10〜42重量%の範囲であって、
さらに好ましくは15〜25重量%の範囲である。変性
ブロック共重合体の中のブロックAの含有量が42重量
%を越えると、本発明組成物の引張破断伸びが小さくな
り、本発明の目的の一つである延性(引張破断伸び)の
増加が充分でなくなることから好ましくない。一方、ブ
ロックAの含有量が10重量%未満の場合は、配合され
た組成物の強度、剛性が低下するので好ましくない。
【0014】本発明で用いられる変性ブロック共重合体
を製造するには、まず、ブロックAとブロックCからな
るブロック共重合体を公知の方法により製造する。本発
明においてブロック共重合体を製造するのに用いられる
ビニル芳香族化合物としては、例えばスチレン、α−メ
チルスチレン、ビニルトルエン、ビニルナフタレンなど
が挙げられるが、特にスチレンが好ましい。また共役ジ
エン化合物としては、例えば1.3−ブタジエン、1,
3−ペンタジエン、イソプレンなどが例示されるが、特
に1.3−ブタジエンが好ましい。次に、ブロックAと
ブロックCとからなるブロック共重合体は公知の方法、
例えば、特公昭42−8704号公報に記載の方法で水
添することにより、ビニル芳香族化合物の芳香族二重結
合の20%を超えない部分及び共役ジエン化合物ブロッ
クBの脂肪族二重結合の少なくとも80%が水素添加さ
れている部分水素添加ブロック共重合体が合成される。
本発明でいうブロックBの不飽和度とは、ブロックBに
含まれる炭素−炭素二重結合の割合のことであって、こ
れは従来公知の技術、例えばヨード滴定法等によって求
められる。
【0015】水添されたブロック共重合体は、ついでカ
ルボキシル基またはその誘導体基を含有する化合物を付
加反応させることにより変性される。本発明において、
カルボキシル基の誘導体基とは、カルボキシル基の水素
原子が、ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属原
子、メチル基、エチル基などのアルキル基で置換された
基や、カルボン酸の無水物基などを示すものである。本
発明でいうカルボキシル基またはその誘導体を含有する
化合物としては、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル
酸、イタコン酸、アクリル酸、メタクリル酸、ハイミッ
ク酸、無水ハイミック酸、クロトン酸などのが挙げられ
るが、特に無水マレイン酸が好ましい。カルボキシル基
またはその誘導体基を含有する化合物の付加量は、水添
されたブロック共重合体100重量部に対して0.01
〜20重量部が好ましく、0.1〜5重量部が特に好ま
しい。付加量が20重量部を超えると、(A)成分のナ
イロン4,6の着色、分子量低下等の好ましくない結果
が得られる。カルボキシル基またはその誘導体基を含有
する化合物の水添されたブロック重合体への付加反応
は、従来公知の方法を用いることができ、溶媒の存在下
あるいは非存在下、ラジカル発生剤の共存下に行うこと
が好ましい。
【0016】本発明に用いるラジカル発生剤としては、
ベンゾイルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、
ジ−t−ブチルパーオキサイド、1、1−ビス(t−ブ
チルパーオキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサ
ン、2,5−ジメチル−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘ
キサン等を使用することができる。本発明において変性
ブロック共重合体は、通常、ベンゼン、トルエン、シク
ロヘキサン等の不活性炭化水素溶媒中で、ブチルリチウ
ム等の有機リチウム化合物等を触媒としてビニル芳香族
化合物と共役ジエン化合物をモノマーをモノマーとする
アニオンリビング重合法により合成されるが、いかなる
手段を用いて合成されたものであってもよい。本発明に
おいて変性ブロック共重合体の数平均分子量は、10、
000〜500、000の範囲であり、20、000〜
100、000の範囲が好ましい。本発明において変性
ブロック共重合体の使用量は通常1〜20重量%、好ま
しくは1〜15重量%、さらに好ましくは2〜10重量
%である。
【0017】本発明の組成物には、必要に応じて、その
成形性、物性を損なわない限りにおいて他の成分、例え
ば顔料、染料、補強材、銅化合物およびヒンダ−ドフェ
ノ−ル系化合物等の安定剤、紫外線吸収剤、耐候剤、滑
剤、結晶核剤、離型剤、可塑剤、帯電防止剤、他のポリ
オレフィン樹脂、ポリオレフィン系ゴム及びこれらの不
飽和カルボン酸で類で変性したもの、スチレン/無水マ
レイン酸共重合体、ポリフェニレンエーテル、ポリエス
テル、ポレフェニレンサルファイド等の樹脂などの重合
体などを添加導入することができる。本発明の樹脂組成
物はを得るには任意の配合方法を用いることができる。
例えば、ニーダー、ブラベンダー、バンバリーミキサー
等のバッチ式混合機あるいは単軸、二軸押出機を用いて
本発明の各成分を同時に、あるいは別々に例えば2〜3
成分をあらかじめブレンダー等で予備ブレンドするかニ
ーダー、押出機で予備混合し、さらに残りの成分を、混
合し、均質化する方法を用いることができる。。
【0018】本発明において、表面実装用部品と称する
ものとしては、例えば各種コネクタ−、スイッチ、リレ
−、コイルボビン、ボリュ−ム、ソケット、プラグボ−
ド、端子台、センサ−、抵抗器、トランス、IC(集積
回路)などの本体、あるいは、主として、ハウジング
(ケ−ス、ボディ、カバ−)、枠、電気絶縁体、スライ
ド(スライダ−)、ベ−ス、ウェ−ハ、レンカム、スプ
−ル、カ−ド、ヨ−クなどが挙げられる。
【0019】
【実施例】以下、実施例および比較例により本発明をさ
らに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるも
のではない。なお、実施例および比較例中のペレット
化、吸水率、耐ブリスタ−性、引張強度、熱変形温度お
よび、難燃性は以下の方法により測定した。
【0020】ペレット化 二軸押出機で樹脂組成物を溶融混練しペレット化した時
のストランドの引き取り性、ペレット形状を以下の様に
評価した。○ 良好 × ペレット化不可 吸水率測定法 ASTM D570に準じ、直径約50mm、厚さ約3mm
の円盤に成形した部品を試料として、23℃水中に24
時間浸漬し、重量変化から測定した。耐ブリスター性 射出成形により、外側寸法が縦127mm×横12.7
mm×厚み0.8mmに成形した部品を試料とし、23
℃水中に24時間浸漬することによって調湿し、調湿し
た試験片を1.6mm厚みのガラスエポキシ基板に固定
し、予熱部180℃、本加熱部を10℃間隔の種々の温
度に設定した卓上型遠赤外式リフロー炉を用い、図1に
示すプロファイルで通過させ、成形品表面にブリスター
(ふくれ)が生じているか否かを肉眼で観察した。そし
て、ブリスターが観察されなかった試料表面の最高温度
をもってその試料の耐ブリスター温度として評価した。
【0021】
【図1】
【0022】引張強度・引張破断伸び ASTM D638に準じた。熱変形温度 ASTM D648(246psi)に従って測定し
た。難燃性 アンダーライターズラボラトリー(Underwriters Labol
atory;以下、「UL」と略記)社のUL−94試験法
に準じて、1/32インチ厚さの試験片を用いて燃焼試
験(Vertical Test)を行い、V−0、もしくは、V−
2を判定した。ただし、当該燃焼試験において、V−0
とは、樹脂の溶融滴下がない場合、あるいは、樹脂の溶
融滴下があるが下部に置いた綿花を発火させない場合で
あり、V−2とは、炎をともなう樹脂の溶融滴下があり
下部に置いた綿花を発火させる場合である。
【0023】実施例1〜3および比較例1〜6 下記に示す各成分を表1に示す割合であらかじめタンブ
ラーにて均一に混合した後、シリンダー温度300〜3
20℃に設定した45mmφ2軸押出機(池貝鉄工PC
M45)で真空にひきながら溶融混練しペレット化し
た。得られたペレットを射出成形機(シリンダー温度2
90〜320℃)にて、所定の試験片を作製し、試験に
供した。実施例および比較例として、その組成および耐
ブリスター性等の評価結果を表1に示す。 (A)ナイロン4,6:オランダ国DSM社製STAN
YL、96%硫酸0.1g/dlでの相対粘度3.3
0) (B)非繊維状充填材(カオリン):トランスリンク
T−445(平均径約1.4μm、アスペクト比8〜2
0) (C)繊維状充填材(ガラス繊維):旭ファイバーグラ
ス(株)製、繊維径10μ、長さ3mm、成形品中のガ
ラス繊維の平均アスペクト比は約20〜40 (D)臭素化ポリスチレン:日産フェロ有機化学(株)
製、PYRO−CHECK 68PB(臭素含有量=6
8.5重量%)(E) 難燃助剤(3酸化アンチモン):日本精鉱(株)
製、PATOX−C(F) 変性ブロック共重合体:旭化成(株)製、タフテ
ックM1943(スチレン/エチレン・ブテン重量比=
20/80、酸価 10mgCHONa/g)
【0024】
【表1】
【0025】実施例1〜3においては、得られた樹脂組
成物は、良好な機械的強度、延性(引張り破断伸び)、
充分高い耐ブリスター温度を示した。比較例1は本発明
の構成成分(F)の変性ブロック共重合体が添加されて
いないため、引張り破断伸び(延性)に劣る。比較例2
は、本発明の構成成分(B)の非繊維状充填材が添加さ
れていないため、耐ブリスター性が劣る。比較例3は、
本発明の構成成分(D)(E)の臭素化ポリスチレン、
3酸化アンチモンの添加量が請求範囲より少ないため、
難燃性に劣る。比較例4は、本発明の構成成分(B)の
非繊維状充填材の添加量が請求範囲を越えるため、ペレ
ット化ができなかった。比較例5は本発明の構成成分
(B)、(C)の非繊維状充填材、繊維状充填材の添加
量が、請求範囲より少ないため、耐熱性、耐ブリスター
温度に劣る。比較例6は、本発明の構成成分(C)の繊
維状充填材の添加量が請求範囲を越えるため、ペレット
化ができなかった。
【0026】
【発明の効果】本発明の表面実装部品用熱可塑性樹脂組
成物は、リフロ−炉を用いたハンダ付けなどにも優れた
耐熱性を有し、さらに靱性、延性、および耐ブリスタ−
性を有するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】耐ブリスター性を測定する時の温度と時間を示
す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI H01L 23/31 //(C08L 77/06 53:00) (56)参考文献 特開 平4−279661(JP,A) 特開 平3−128964(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 77/00 - 77/12 C08L 53/00 - 53/02 C08K 3/00 - 13/08

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)ポリテトラメチレンアジパミド2
    0〜90重量%、(B)平均径と厚さとの比で示される
    アスペクト比が15以下であり、平均径が0.01〜5
    0μmである非繊維状充填材2〜50重量%、(C)繊
    維状充填材2〜50重量%、(D)難燃剤2〜50重量
    %、(E)難燃助剤1〜20重量%および(F)ビニル
    芳香族化合物重合体ブロックAとカルボキシル基または
    その誘導体基を有するオレフィン重合体ブロックBから
    なる変性ブロック共重合体であって、ブロックBの不飽
    和度が20%を越えない変性ブロック共重合体1〜20
    重量%からなる表面実装部品用熱可塑性樹脂組成物。
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