JPH09100297A - 新規ピログルタミルペプチド - Google Patents

新規ピログルタミルペプチド

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JPH09100297A
JPH09100297A JP7256326A JP25632695A JPH09100297A JP H09100297 A JPH09100297 A JP H09100297A JP 7256326 A JP7256326 A JP 7256326A JP 25632695 A JP25632695 A JP 25632695A JP H09100297 A JPH09100297 A JP H09100297A
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acid
peptide
pyroglutamylpeptide
protein
bitterness
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JP7256326A
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Kyoko Koibuchi
恭子 鯉渕
Hideki Okamura
英喜 岡村
Tadaaki Nanatane
忠明 七種
Jiro Kataoka
二郎 片岡
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Ajinomoto Co Inc
Original Assignee
Ajinomoto Co Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 苦味を有する飲食品の苦味を天然物中より探
索した物質を使用して低減させる。 【解決手段】 アミノ酸又はアミノ酸が2〜5個結合し
たペプチドとピログルタミン酸とが酸アミド結合を介し
て結合した形態の構造を有することを特徴とする新規ピ
ログルタミルペプチド、及びこのような新規ピログルタ
ミルペプチドを苦味を有する飲食品に添加することでそ
の苦味をマスキングする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、酸味により飲食品
の苦味をマスキングする天然物由来の新規ピログルタミ
ルペプチドに関する。
【0002】
【従来の技術】一般に苦味を有する飲食品として、
(1)蛋白質加水分解物又はこれを含む飲食品(例え
ば、蛋白加水分解物そのもの、醤油、味噌、清酒、食酢
等)、(2)各種嗜好飲料(例えば、紅茶などの発酵
系、緑茶などの非発酵系、ウーロン茶などの半発酵系、
コヒー、ココア等)、(3)果実類又はこの加工品(例
えば、特に柑橘類又はジュース、ぶどう酒等)、(4)
野菜(例えば、人参、セロリ等)、(5)薬草類(例え
ば、クコ等)等が知られている。そして、このような苦
味を有する飲食品における苦味物質としては、例えば、
次のものがあげられる。
【0003】蛋白質加水分解物では、例えば、L−フェ
ニルアラニン、L−チロシン、L−アルギニン、L−イ
ソロイシン、L−バリン、L−ロイシン、L−メチオニ
ン、L−ヒスチジンなどのアミノ酸及びこれらのアミノ
酸を含む中性または塩基性ペプチドなどが、嗜好飲料で
は、例えば、カフェインなどのアルカロイド類、カテキ
ン、タンニンなどのタンニン類等が、果実類では、例え
ば、ナリンジン、ヘスペリジンなどのフラボノイド類、
リモニンなどのテルペノイド、カテキン、タンニンなど
のタンニン類等が、また野菜又はその加工品では、タン
ニン、クロロゲン等が知られており、その他に、例え
ば、カラメル、メラノイジン類等の褐変物質等が知られ
ている。
【0004】このような飲食品中に含まれる苦味物質
は、一般に、その閾値が低いために微量含まれるだけで
も苦味が感じられる。このような苦味はある程度有する
ことがその飲食品の特徴を生かす上で好ましいが、ある
一定値以上の苦味はその低減が望まれる。
【0005】従来、このような飲食品の苦味除去の有効
な方法としては、苦味ペプチドの除去法として、アミノ
ペプチダーゼ又はカルボキシペプチダーゼを用いて末端
アミノ酸を加水分解する方法が知られている(特公昭5
7−53073)。この方法は、末端アミノ酸を奪取す
る点で有効な手段ではあるが、例えば、環状ペプチドに
は効果がない、酸素反応のために反応が完全には進ま
ず、苦味ペプチドが残存してしまう、等の点で未だ改良
を要するものである。また、プロテアーゼによって苦味
ペプチドのC末端にグルタミン酸等の苦味を呈さないア
ミノ酸を結合せしめて苦味のないペプチドにする方法も
知られているが(特開昭48−40995)、やはり未
反応の苦味ペプチドが残存してしまうという問題点があ
る。さらにまた、苦味のある物質にゲル化剤及び味付け
剤を添加し、味付ゼリー状にして苦味を低減する方法も
知られているが(特開平04−346937)、飲食品
の物性を変化させてしまう等の問題点がある。また、苦
味を有する飲食品中に、L−グルタミン酸含有ペプチド
又はL−アスパラギン酸含有ペプチドを添加する方法も
知られているが(特公昭54−17014)、これらの
ペプチドは合成法によるものであり、天然感に欠けるも
のである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明の目的
は、苦味を有する飲食品の苦味を低減させるのに優れた
物質を、しかもこれを天然物中より探索して提供するこ
とである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は、天然物中か
ら苦味を低減させる物質を分離すべく鋭意研究した結
果、限外濾過、イオン交換クロマトグラフィ、逆相クロ
マトグラフィ等を駆使して蛋白加水分解物の画分の中に
そのような物質の存在することを見出した。
【0008】そして、この物質は、その有する酸味によ
って飲食品の苦味をマスキングするものであること、ア
ミノ酸又はアミノ酸が2〜5個結合したペプチドとピロ
グルタミン酸とが酸アミド結合を介して結合した形態の
構造を有すること(ピログルタミルペプチド)、このピ
ログルタミルペプチドは文献未載の新規物質であるこ
と、更に、この物質は、苦味を有する飲食品に添加すれ
ば、さっぱりとした酸味を付与して苦味をマスキングで
きることを見いだし、このような知見に基いて本発明を
完成するに至った。
【0009】すなわち、本発明は、アミノ酸又はアミノ
酸が2〜5個結合したペプチドとピログルタミン酸とが
酸アミド結合を介して結合した形態の構造を有すること
を特徴とする新規ピログルタミルペプチド、及びこのよ
うな新規ピログルタミルペプチドを添加して苦味をマス
キングされたことを特徴とする飲食品に関する。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。
【0011】本発明の新規ピログルタミルペプチドは、
先に説明したように、これを上記の苦味を有する飲食品
に添加することで、その天然感を損なうことなく、これ
にさっぱりとした酸味を付与し、その苦味をマスキング
できる。なお、本発明の新規ピログルタミルペプチドに
よる苦味のマスキング作用は、上記の飲食品に限定され
るものではなく、上記苦味物質を含有するような苦味を
有するすべての飲食品に有効に適用できる。
【0012】本発明の新規ピログルタミルペプチドは、
これもまた先に説明したように、アミノ酸又はアミノ酸
が2〜5個結合したペプチドとピログルタミン酸とが酸
アミド結合を介して結合した形態の構造を有するが、ピ
ログルタミン酸(ピロリドンカルボン酸とも称される)
を(広義の)アミノ酸に含めるとアミノ酸が2〜6個結
合したペプチドということもできる。
【0013】このようなペプチドを構成するアミノ酸と
しては、ピログルタミン酸の他にプロリン、グルタミン
酸、アスパラギン酸、セリン、バリンなどを挙げること
ができ、これらの中でもプロリン、グルタミン酸及びア
スパラギン酸が酸味付与機能が大きく、延いては苦味の
マスキング作用の見地から好ましい。そして、それらの
立体構造は、L−型である。
【0014】本発明の新規プログルタミルペプチドを得
る1つの方法は、例えば、先ず、麹菌を培養して得られ
る蛋白加水分解酵素を含む培養物又はその分画物を原料
となる蛋白に作用させて蛋白加水分解物を得ることから
始まる。
【0015】このような蛋白は、その種類には特別の制
限はないが、グルタミン酸の含量が高いものが好まし
い。また、蛋白原料としては、純粋な蛋白には限られ
ず、蛋白を多く含有するものであればよい。具体的に
は、脱脂大豆、分離大豆蛋白などの大豆系蛋白、小麦グ
ルテンなどの小麦系蛋白等があげられ、これらは、それ
ぞれ、単独にまたは2種以上を適宜組合わせて用いるこ
とができる。もちろん、これら以外の蛋白原料を用いて
もかまわない。
【0016】また、蛋白原料の酵素処理前の予備処理に
は特別の制限はないが、好ましくは界面活性剤や有機溶
媒などを用いて脱脂することが望ましい。
【0017】次に、上述の蛋白原料に麹菌を培養して得
られる蛋白加水分解酵素を含む培養物又はその分画物を
酵素源として作用させて蛋白加水分解物を得るわけであ
るが、このときに用いられる麹菌は、その種類には特別
の制限はなく、通常醸造工業において用いられているも
のを用いることができる。具体的には、例えば、アスペ
ルギルス・オリーゼ、アスペルギルス・ソーヤ、アスペ
ルギルス・タマリ等を用いることができる。
【0018】なお、蛋白の加水分解を短時間に終了させ
るためには、麹菌の培養物としては、そのプロテアーゼ
活性を乳製カゼインを基質をするアンソン・萩原らのら
の変法(Hagiwara,B.et al.,J.B
iochem.,45,165(1958)の記載を参
照)に従って測定した場合、液体麹の場合は200ユニ
ット/ml、そして、固体麹の場合は1,000ユニッ
ト/g麹以上の活性を保持する培養物が好ましい。
【0019】また、麹菌を培養して得られる蛋白加水分
解酵素を含む培養物を遠心分離、限外濾過、イオン交換
クロマトグラフィ等の手法により分確した分画物を用い
ることもできることはいうまでもない。
【0020】このような蛋白加水分解酵素を含む麹菌培
養物をそのまま又はその分画物を先述の蛋白原料に酵素
源として作用させることにより、酵素反応によって蛋白
はペプチド、さらにはアミノ酸にまで加水分解される。
【0021】なお、この酵素反応を効率的に行うために
は、麹菌培養物又はその分画物と蛋白原料とを水中で共
存させることが好ましい。この際、撹拌しながら反応を
行なっても良いことはもちろんである。
【0022】このような水中での酵素反応においては、
蛋白加水分解酵素の濃度は蛋白原料によっても異なる
が、蛋白原料と酵素源の水中共存混合物に対して50〜
200ユニット/mlとすることができる。そして、こ
のような混合物を、例えば、10〜60℃、好ましくは
30〜50℃にて3〜11日間、好ましくは5〜10日
間保持することにより好ましい蛋白加水分解物が得られ
る。保持温度がこのような範囲より低くかつ保持時間が
このような範囲より短い場合は、加水分解が進まず、目
的のペプチドが得られない。逆に保持温度がこのような
範囲より高くかつ保持時間がこのような範囲より長い場
合は、酵素が失活して加水分解が進まず、やはり目的の
ペプチドが得られない。従って、いずれの場合も好まし
くない。
【0023】また、蛋白加水分解酵素と蛋白原料との水
中共存混合物は緩衝液等を用いてpH5〜9、好ましく
はpH6〜8に調整するのが好ましいことは、蛋白加水
分解酵素の至適作用条件を考慮すると容易に理解される
であろう。
【0024】このような条件で行なった酵素反応の終了
後、未反応の原料蛋白などの不要物は遠心分離や濾過等
の従来の分離法を用いて除去する。不要物を除去した蛋
白加水分解物は、品質確認の目的でアミノ酸分析、ニン
ヒドリン定量及び酵素処理の前後における重量比較など
による重量分解率の測定等を行うと良い。
【0025】さて、上記のようにして得られた蛋白加水
分解物から、例えば、限外濾過膜により高分子物質を除
去した後、イオン交換、逆相などの分離モードを有する
各種カラムを用いて処理することにより本発明の新規ピ
ログルタミルペプチドの画分を得ることができる。
【0026】本発明のピログルタミルペプチドは、これ
が飲食品に添加されて苦味のマスキング効果が奏され、
かつ、特別の副作用の伴なわない限りは、その純度には
特別の制限はなく、純粋であることを要しないことはも
ちろんである。
【0027】本発明の新規ピログルタミルペプチドは、
もちろん、ピログルタミン酸と各種アミノ酸とを原料と
して合成法によって得ることも可能である。このような
合成物も、上に説明したような天然物から分離したもの
と構造が同じであるので、天然感に欠けるところがな
い。
【0028】このようにして得られた新規ピログルタミ
ルペプチドは、これを果実加工品、例えば、グレープフ
ルーツジュース、オレンジジュースなどの柑橘系の果汁
飲料やポン酢醤油、その他先に言及した苦味を呈する飲
食品に添加することにより、これらにさっぱりとした酸
味を付与することができ、延いてはこれらのエグ味、渋
味、苦味をマスキングすることができるのである。
【0029】本発明の新規ピログルタミルペプチドを飲
食品に添加してその苦味をマスキングする方法には、特
別の制限はない。苦味をマスキングし、かつ、好ましか
らざる副作用(例えば、酸味が強くなり過ぎるなど)の
生じない量で飲食品に適宜添加するとよい。付言する
と、本発明のピログルタミルペプチドの飲食品中濃度
は、添加対象とする飲食品に応じてその至適使用範囲が
異なるが、例えば、液中濃度が0.01〜0.5%(重
量/容量)となるように添加することができる。
【0030】
【実施例】以下に、本発明の新規ピログルタミルペプチ
ドを得る方法、構造解析結果及び添加効果等を実施例を
あげて説明する、なお、本発明の技術的範囲は、これれ
ら実施例によって制限されるものではない。
【0031】実施例1(ピログルタミルプロリンの製
造) (a)先ず最初に、使用した蛋白加水分解物の調製につ
いて述べる。すなわち、5%(重量/容量)の脱糖分離
大豆蛋白「アジプロンSU」(味の素(株)製)の水溶
液2Lに、1.5%(重量/容量)リン酸水素一カリウ
ムを含む培地にて30℃、120rpm、48時間、往
復振とう培養した麹菌(Aspergillus or
yzae ATCC 22788)培養物を1L添加
し、この混合物を40℃にて10日間保持することで食
塩非存在下で酵素反応を行った。なお、反応時のpHは
5.5であった。また、蛋白分解酵素の濃度は、分離大
豆蛋白と酵素源の水中共存混合物に対して100ユニッ
ト/mlであった。
【0032】ついで、反応液を7,000rpmにて1
0分間遠心分離して2.8Lの蛋白加水分解物を得た。
【0033】(b)以上のようにして調製した蛋白加水
分解物500mlを分子量1万カットの限外濾過膜処理
に付して高分子物質を除去し、外液として400ml得
た。得られた外液100mlを強塩基性陰イオン交換カ
ラムクロマトグラフィ((株)バイオラッド製「AG8
−X8カラム」260mmφ×700mmを使用)にて
分画した。溶液は、水洗後、脱塩及び分離能の見地から
流速80ml/hrにて溶離液として0.05M酢酸、
0.2m酢酸、2.0M酢酸及び1.0N塩酸をこの順
で使用して段階的に行い、A280(すなわち、波長2
80nmにおける吸光度)を測定し、2.0M酢酸及び
1.0N塩酸で溶出されたピークを合計50ml分取し
た。
【0034】次に、得られた画分から200μlを分取
し、これを逆相カラムクロマトグラフィー(HPLC、
(株)資生堂製、「CAPCELL PAK C18」
4.6mmφ×250mmを使用、溶離液は0.05%
TFA(トリフルオロ酢酸)→0.05%TFA/アセ
トニトリル=20/80、グラディエント)にかけて、
単一物質(ピログルタミルペプチド)の画分を得た。
【0035】このカラムクロマトグラフィのチャートを
図1に示す。この図において、縦軸はA280、そして
横軸は時間(分)を表わす。
【0036】(c)この物質は、ピログルタミルプロリ
ンと同定されたが、その根拠は次の通りである。
【0037】(分子量解析結果)高速原子衝撃分析(以
下、FABMSと略す)より、分子量は226と求めら
れた。
【0038】このFABMSのチャートを図2に示す。
この図において、縦軸は相対強度を、そして横軸は質量
数を示す。
【0039】(構造解析結果)ダンデムマススペクトル
(以下、MS/MSと略す)により、この物質はピログ
ルタミルプロリンと同定された。図3A及び図3Bにそ
れぞれ、ピログルタミルプロリン標品及び得られた単離
サンプルのMS/MSチャートを示す。この図におい
て、縦軸は相対強度、そして横軸は質量数を示す。因み
に、ピログルタミルプロリン標品は、次のようにして作
製した。すなわち、ペプチド合成機「9050 Plu
s」(MILLIPORE社製)によりFmoc固相合
成法で合成し、m−クレゾール/チオアニソール/TF
Aで切り出した後、エチルエーテルで目的のペプチドを
沈殿として得た。
【0040】この物質を構造検索システム(REG F
IRE及びMARPAT)で検索した結果、このような
構造を有する化合物は今まで知られておらず、全く新規
なピログルタミルペプチドであることが判明した。
【0041】(融点測定結果)示差走査熱量計による分
析(以下、DSCと略す)により、融点は294.2℃
と求められた。
【0042】このDSCのチャートを図4に示す。この
図において、縦軸は熱容量を、そして横軸は温度を示
す。
【0043】(赤外吸収スペクトル)赤外吸収スペクト
ルから−OH基、−NH−基、C=O基、−CH2 −C
O−基及びC−N基を構造に有する化合物であることが
わかる。図5にこの赤外吸収スペクトルチャートを示
す。この図において、縦軸は吸収を、そして横軸は波長
を示す。
【0044】実施例2(他のピログルタミルペプチドの
製造) 実施例1に準じてピログルタミルグルタミン酸及びピロ
グルタミルアスパラギン酸を製造し、ピログルタミルプ
ロリンにおけると同様にして同定を行なった。
【0045】ピログルタミルグルタミン酸のカラムクロ
マトグラフィーのチャートを図6に、FABMSチャー
トを図7に、そしてMS/MSチャートを図8B(図8
Aは標品のそれ)にそれぞれ示す。
【0046】ピログルタミルアスパラギン酸のカラムク
ロマトグラフィーのチャートを図9に、FABMSチャ
ートを図10に、そしてMS/MSチャートを図11B
(図11Aは標品のそれ)にそれぞれ示す。
【0047】実施例3(ピログルタミルペプチドの呈味
機能評価) 実施例1におけると同様にして得た新規ピログルタミル
ペプチドであるピログルタミルプロリンの呈味機能を、
これを市販グレープフルーツジュースに0.05%(重
量/容量)となるように上乗せ添加し、その呈味をパネ
ル5名にてプロファイル評価することで検査した。その
結果、この新規プログルタミルペプチドを添加したサン
プルは、市販グレープフルーツジュースにさっぱりとし
た酸味を付与し、グレープフルーツジュースのエグ味及
び苦味をマスキングした。
【0048】さらに、このピログルタミルプロリンの適
正添加量を調べる目的で、同様に市販グレープフルーツ
に0.005%、0.01%、0.05%、0.1%、
0.5%及び1%(重量/容量)となるように添加し、
同じパネルを用いて評価した。この結果、この新規ピロ
グルタミルペプチドを添加したサンプルは、0.01〜
0.5%の範囲においてさっぱりとした酸味を付加し、
グレープフルーツジュースのエグ味及び苦味をマスキン
グした。しかし、0.01%以下では添加効果が顕著に
は奏されず、一方、0.5%以上では酸味が目立ち、味
のバランスを考慮すると0.05%程度が最も好ましい
ことがわかった。
【0049】
【発明の効果】本発明の新規ピログルタミルペプチドに
よれば、苦味を有する飲食品に天然感を損なうことな
く、さっぱりとした酸味を付加することによって苦味を
マスキングすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で得た単離サンプルの「CAPCEL
L PAK C18」カラムクロマトグラフィーのチャ
ートを示す。
【図2】実施例1で得た単離サンプルのFABMSチャ
ートを示す。
【図3A】ピログルタミルプロリン標品のMS/MSチ
ャートを示す。
【図3B】実施例1で得た単離サンプルのMS/MSチ
ャートを示す。
【図4】実施例1で得た単離サンプルのDSCチャート
を示す。
【図5】実施例1で得た単離サンプルの赤外吸収スペク
トルチャートを示す。
【図6】ピログルタミルグルタミン酸のカラムクロマト
グラフィーのチャートを示す(実施例2)。
【図7】ピログルタミルグルタミン酸のFABMSチャ
ートを示す(実施例2)。
【図8A】ピログルタミルグルタミン酸(標品)のMS
/MSチャートを示す(実施例2)。
【図8B】ピログルタミルグルタミン酸単離サンプルの
MS/MSチャートを示す(実施例2)。
【図9】ピログルタミルアスパラギン酸のカラムクロマ
トグラフィーのチャートを示す(実施例2)。
【図10】ピログルタミルアスパラギン酸のFABMS
チャートを示す(実施例2)。
【図11A】ピログルタミルアスパラギン酸(標品)の
MS/MSチャートを示す(実施例2)。
【図11B】ピログルタミルアスパラギン酸のMS/M
Sチャートを示す(実施例2)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A23L 2/02 A23L 2/02 E C07K 5/097 C07K 5/097 5/117 5/117 7/06 7/06 (72)発明者 片岡 二郎 神奈川県川崎市川崎区鈴木町1番1号 味 の素株式会社食品総合研究所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アミノ酸又はアミノ酸が2〜5個結合し
    たペプチドとピログルタミン酸とが酸アミド結合を介し
    て結合した形態の構造を有することを特徴とする新規ピ
    ログルタミルペプチド。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の新規ピログルタミルペプ
    チドを添加して苦味をマスキングされたことを特徴とす
    る飲食品。
JP7256326A 1995-10-03 1995-10-03 新規ピログルタミルペプチド Pending JPH09100297A (ja)

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JP7256326A JPH09100297A (ja) 1995-10-03 1995-10-03 新規ピログルタミルペプチド

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