JPH1146718A - 調味料組成物 - Google Patents

調味料組成物

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JPH1146718A
JPH1146718A JP9213088A JP21308897A JPH1146718A JP H1146718 A JPH1146718 A JP H1146718A JP 9213088 A JP9213088 A JP 9213088A JP 21308897 A JP21308897 A JP 21308897A JP H1146718 A JPH1146718 A JP H1146718A
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JP
Japan
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protein
molecular weight
amount
seasoning
weight
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JP9213088A
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English (en)
Inventor
Takehiko Watanabe
毅彦 渡辺
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 加熱安定性が高くかつ天然のだしの味を付与
する調味料を提供する。 【解決手段】 タンパクを酵素や酸で部分的に分解した
り、膜濃縮を組み合わせることにより、調味料中の総タ
ンパク量5%以上、分子量1千以上5万未満のタンパク
量を総タンパク量中の30%以上含有しかつグリシン、
アラニン、グルタミン酸以外の遊離アミノ酸を調味料中
の20%未満含有させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は加工食品において加
熱工程を経ても、色、香り、味の変化の少ない調味料及
び天然のだしの味を付与する調味料に関する。
【0002】
【従来の技術】加工食品への味付け、香り付けには、H
AP(動物タンパク加水分解物)、HVP(植物タンパ
ク加水分解物)、酵母エキス、畜肉エキス、魚介エキス
等の天然調味料が広く用いられている。加工食品には、
加熱工程は不可欠であるが、この加熱工程(とりわけレ
トルト処理)により天然調味料の香り、味が変化してし
まい、加熱前の品質に比べて加熱後の品質が大きく劣る
という問題点を抱えている。また従来の旨味調味料や分
解型のHAP,HVPや単なる抽出エキスでは天然のだ
しの味を再現できず、天然のだしにより近い調味料の要
望がある。ここでいう天然のだしの味とは、肉や魚や野
菜の煮出し汁のことを言う。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、タンパクの
分子量を制御することにより、加熱安定性に優れかつ天
然のだしの味を有する調味料の提供を目的とする。
【0004】
【課題を解決する為の手段】本発明者は、前記課題を解
決する為、鋭意検討を重ねた結果、総タンパク量中の分
子量1千から5万のタンパク量と遊離アミノ酸の量を制
御した調味料とすることにより加熱に伴う色の変化、香
りの変化、味の変化が抑えられること、さらに総タンパ
ク量中の分子量1千から5万のタンパク量がある一定比
率を超えると天然のだしに非常に近い味が生成できるこ
とを知り、本発明を完成するに至った。すなわち本発明
は、調味料中に総タンパク量が5%以上、分子量1千以
上5万未満のタンパクを総タンパク量の30%以上含有
する調味料、および、グルタミン酸、グリシン、アラニ
ン以外の遊離アミノ酸の含量が20%未満である前記の
調味料組成物である。
【0005】本発明について、さらに詳細に説明する。
本発明の調味料組成物中には、タンパクが5重量%以上
含まれ、好ましくは10重量%以上である。本発明でい
うタンパクとは、動物性、植物性、あるいは微生物起源
等タンパクであれば全て用いることができる。望ましく
は、動物性のカツオの煮汁やビーフ、ポーク、チキンか
ら抽出して得られたタンパクが望ましい。タンパク量
は、BCA PROTEIN ASSAY REAGE
NT(フナコシ(株))により測定されるものを指し、
サンプル0.1mlに検出液2mlを添加し、37℃で
30分間放置後562nmでの吸光度を測定して、検量
線により求めることができる。
【0006】前記タンパク中には、分子量1千以上5万
未満のタンパクが30重量%以上、好ましくは45重量
%以上、より好ましくは50重量%含まれる。30重量
%以上であると、加熱安定性が高まりかつ天然のだしの
味が得られる。ここでいう分子量とは、限外濾過膜(旭
化成(株)ペンシル型モジュール)とルーズRO(日交
電工(株)平膜テストセル)を用いて分画されるもので
あり、ペンシル型モジュールAHPー0013(分子量
5万)を通過しないものは分子量5万以上、5万を通過
しルーズROのフラットシートメンブレン(NTR−7
410、分子量1千)を通過しないものは、1千以上5
万未満、ルーズROのフラットシートメンブレン(NT
R−7410、分子量1千)を通過するものは、分子量
1千未満と定義する。
【0007】本発明の調味料中には、グルタミン酸、グ
リシン、アラニン以外の遊離アミノ酸の含量が20重量
%未満である。好ましくは14重量%未満、より好まし
くは7重量%である。この範囲にすることにより加熱安
定性が高まる。ここでいう遊離アミノ酸とは、サンプル
1gを0.02N塩酸100mlに稀釈後20ulをア
ミノ酸分析計(日立製)に供すことにより測定されるも
のであるが、グルタミン酸、グリシン、アラニンの3種
の遊離アミノ酸は、除く。この3種の遊離アミノ酸は、
加熱に伴う色、香り、味の変化が大変小さい為である。
【0008】次に、本発明の調味料の製造方法について
述べる。まず、調味料原料中に含まれるタンパクを酵素
分解又は酸分解により、目的の分子量の画分が所定量得
られるまで分解する。酵素分解は、プロテアーゼ(タン
パク分解酵素)により行われる。ここで用いるプロテア
ーゼとしては植物、動物、微生物など起源は問わない
が、高分子蛋白に対する活性を持つプロテアーゼと低分
子蛋白に対する活性をもつプロテアーゼを併用すること
も可能である。例えば高分子蛋白に対する活性の高いプ
ロテアーゼとしては、パパイン、レンニン、コラゲナー
ゼ、キモトリプシン、エラスターゼ、コラゲナーゼ、ウ
ロキナーゼ及びこれらの配合品、低分子活性の高いプロ
テアーゼとしては、ロイシンアミノペプチダーゼ、アル
ギニンペプチダーゼなどのアミノペプチダーゼ、キニナ
ーゼ、アルデニンカルボキシペプチダーゼなどのカルボ
キシペプチダーゼ及びこれらの配合品が挙げられる。
【0009】酵素反応時の温度条件は40−60度程
度、ペーハーはPH4−8がよいが、望ましくは、温度
は50−60度、ペーハーはPH5−6.5の範囲であ
る。酵素反応の時間は数時間から数十時間の反応が望ま
しい。目的の分子量分画が得られたら速やかに90度以
上で10分間加熱することにより酵素を失活させる。酵
素の失活時期が早いと1千−5万の分子量を持つタンパ
クは目的量に達せず加熱安定性に欠け、酵素の失活が遅
いと遊離アミノ酸の量が目的量より増えすぎ加熱安定性
に欠ける。酵素反応で目的とする分子量分画が得られな
くても、限外濾過膜(分子量5万)やルーズRO膜(分
子量1千)等の膜を用いて1千以上5万未満のタンパク
を選択的に集めることにより目的とする分子量の範囲の
タンパクを増やすことも可能である。
【0010】別法として、酸によりタンパク分解を行う
方法もある。酸分解は、塩酸、硫酸、りん酸等の各種酸
により分解される。酸の濃度は、3Nから12Nの酸が
望ましい。反応時間は、数時間から数十時間の反応が望
ましい。酸分解後に水酸化ナトリウム等により中和を行
いペーハーを酸分解前に戻す。酸分解で目的とする分子
量分画が得られなくても、限外濾過膜(分子量5万)や
ルーズRO膜(分子量1千)等の膜を用いて1千以上5
万未満のタンパクを選択的に集めることにより目的とす
る分子量の範囲のタンパクを増やすことも可能である。
得られた分解物は、そのまま利用してもよいし、さらに
他の動物タンパク加水分解物や植物タンパク加水分解物
等の調味料を加えてもよい。必要に応じてスプレードラ
イ等の方法で粉末化してもよいが、調味量の水分量をそ
のままデキストリン等の賦形剤に置き換えたものが最も
効果を発揮する。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明を実施例及び比較例
を示して本発明を具体的に説明するが、本発明はこれに
より何ら限定されるものではない。
【0012】
【実施例1】鶏の骨1kg、水3kgを120℃で4時
間加熱抽出し、さらしで濾過した液を固形分含量50%
まで濃縮した。(水分50%、タンパク含量50%)こ
の濃縮液100gにパパイン(アサヒビール)0.1
g、プロテアーゼP0.1gを添加し50℃で8時間反応
させた。8時間経過後90℃で10分加熱して酵素を失
活させた。得られた調味料組成物の総タンパク含量は5
0重量%であり、総タンパク量のうち、分子量1千以上
5万未満のタンパク量は40重量%、調味料中のグリシ
ン、アラニン、グルタミン酸以外の遊離アミノ酸量は、
3重量%であった。この調味料の2%溶液を120℃で
10分加熱したものと加熱前のものとの官能評価及び色
の変化を測定した。結果を表1に示す。
【0013】
【比較例1】鶏の骨1kg、水3kgを120℃で4時
間加熱抽出し、さらしで濾過した液を固形分含量50%
まで濃縮した。(水分50%、タンパク含量50%)こ
の濃縮液100gにアロアーゼAP−10(ヤクルト)
を添加し50℃で4時間反応させた。4時間経過後90
℃で10分加熱して酵素を失活させた。得られた調味料
組成物中の総タンパク量は50重量%であり、総タンパ
ク量のうち分子量1千以上5万未満のタンパク量は2重
量%、調味料中のグリシン、アラニン、グルタミン酸以
外の遊離アミノ酸量は、1重量%であった。この調味料
の2%溶液を120℃で10分加熱したものと加熱前の
ものとを実施例1と同様2点比較法により官能評価及び
色の変化を測定した。その結果を表1に示す。
【0014】
【表1】 実施例1 比較例1 加熱による香りの変化が小さいのは 16人 0人 加熱による味の変化が小さいのは 15人 1人 天然の肉の煮出し汁の味に近いのは 16人 0人 色(420nmでの吸光度)の変化 0.02 0.12 *肉100gを1Lの水で98℃で6時間煮込んだ液を天然の煮出し汁とす る。 *色の変化は、420nmでの吸光度により測定(日立分光光度計を使用)
【0015】
【実施例2】牛の骨1kg、水3kgを120℃で4時
間加熱抽出し、さらしで濾過した液を固形分含量50%
まで濃縮した。(水分50%、タンパク含量50%)こ
の濃縮液100gに6N塩酸50gを添加し105℃で
1時間分解した。1時間経過後水酸化ナトリウムを用い
てペーハーを6.0に調整した。得られた調味料組成物
のタンパク含量は33重量%であり、総タンパク量のう
ち分子量1千以上5万未満のタンパクは20%、調味料
中の総タンパク量は約48%であった。この溶液を限外
濾過膜(分子量5万、旭化成製)を通過させ、ルーズR
O膜(分子量1千、日交電工)を通過しないものを集め
て取り除いた。その結果得られた調味料中の総タンパク
量は21重量%、総タンパク量のうち分子量1千以上5
万未満のタンパクは91重量%、グリシン、アラニン、
グルタミン酸以外の遊離アミノ酸量は、1重量%であっ
た。この調味料の2%溶液を120℃で20分加熱した
ものと加熱前のものとを実施例1と同様にして官能評価
及び色の変化を測定した。結果を表2に示す。
【0016】
【比較例2】牛の骨1kg、水3kgを120℃で4時
間加熱抽出し、さらしで濾過した液を固形分含量50%
まで濃縮した。(水分50%、タンパク含量50%)こ
の濃縮液100gに6N塩酸50gを添加し110℃で
9時間分解した。9時間経過後水酸化ナトリウムを用い
てペーハーを6.0に調整した。得られた調味料組成物
中のタンパク量は33重量%であり、総タンパク量のう
ち分子量1千以上5万未満のタンパクは20重量%、調
味料中の総タンパク量は約22%、グリシン、アラニ
ン、グルタミン酸以外の遊離アミノ酸量は、28%であ
った。この調味料の2%溶液を120℃で20分加熱し
たものと加熱前のものとの官能評価及び色の変化を測定
した。結果を表2に示す。
【0017】
【表2】 実施例2 比較例2 加熱による香りの変化が小さいのは 16人 0人 加熱による味の変化が小さいのは 15人 1人 天然の肉の煮出し汁の味に近いのは 16人 0人 色(420nmでの吸光度)の変化 0.02 0.33 *肉100gを1Lの水で98℃で6時間煮込んだ液を天然の煮出し汁とす る。 *色の変化は、420nmでの吸光度により測定(日立分光光度計を使用)
【0018】
【発明の効果】本発明によれば、タンパク質を部分分解
して、分子量1千以上5万未満のタンパク量と遊離アミ
ノ酸の量を制御することにより、加熱に安定でかつ天然
のだしの味を有する調味料を得ることができ、各種加工
食品、特にソース、スープ等のレトルト品(高圧加熱殺
菌)に加熱安定な天然のだし味の付与が可能となる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 調味料中の総タンパク量が5%以上であ
    って、分子量1千以上5万未満のタンパクを総タンパク
    量の30%以上含有することを特徴とする調味料組成
    物。
  2. 【請求項2】 グルタミン酸、グリシン、アラニン以外
    の遊離アミノ酸含量が20%未満である請求項1の調味
    料組成物。
JP9213088A 1997-08-07 1997-08-07 調味料組成物 Pending JPH1146718A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007174920A (ja) * 2005-12-27 2007-07-12 Ace Shokuhin Kk マイクロウェーブ解凍・加熱用冷凍麺類の製造方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007174920A (ja) * 2005-12-27 2007-07-12 Ace Shokuhin Kk マイクロウェーブ解凍・加熱用冷凍麺類の製造方法
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