JPH09100116A - 金属担持テニオライト - Google Patents

金属担持テニオライト

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Publication number
JPH09100116A
JPH09100116A JP25539295A JP25539295A JPH09100116A JP H09100116 A JPH09100116 A JP H09100116A JP 25539295 A JP25539295 A JP 25539295A JP 25539295 A JP25539295 A JP 25539295A JP H09100116 A JPH09100116 A JP H09100116A
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JP
Japan
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ion
metal
silver
supported
ions
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JP25539295A
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English (en)
Inventor
Kimihisa Sugiyama
公寿 杉山
Takashi Suzuki
喬 鈴木
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Rengo Co Ltd
Original Assignee
Rengo Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 式(I) A1-mxx Mg2 Li(Si4 10)F2 ・yH2 O (I) (式中、Aはナトリウムイオンまたはナトリウムイオン
の一部がカリウムイオンに置きかわったものであり、M
は銀イオン、銅イオンまたは亜鉛イオンであり、mはM
で表される金属イオンの価数であり、mxは0<mx≦
1であり、yは結晶水の係数であって1.0<y≦3.
0である)で表される金属担持テニオライト。上記金属
担持テニオライトを有効成分として含有してなる抗菌
剤。 【効果】 本発明の金属担持テニオライトは、耐熱性、
耐水性、機械的強度に優れ、溶出した金属イオンとテニ
オライトに担持された金属イオンの相互作用による高い
抗菌作用・殺菌作用を示し、また、良好な金属担持力を
有し、従来の無機系抗菌剤に比較して金属の溶出性が極
めて低いため、安全性に優れ、抗菌力等の持続性にも優
れ、さらに、低価格で製造できるものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規な金属担持テ
ニオライトに関する。さらに詳しくは、Na型テニオラ
イトの層間に、銀、銅または亜鉛イオンを担持させた、
耐熱性、耐水性、機械的強度に優れ、抗菌性を有する新
規な金属担持テニオライトに関する。
【0002】
【従来の技術・発明が解決しようとする課題】無機イオ
ン交換体の最も代表的なものとしては、ゼオライトがよ
く知られている。ゼオライトは、結晶内部のNa+ イオ
ンやCa2+イオンと、水溶液中の金属陽イオンとが陽イ
オン交換反応することにより、数多くの金属を担持する
ことができる。また、その比表面積、耐熱性、耐水性お
よび機械的強度等、優れた特性を有することから、ガス
吸着分離剤、重金属含有廃水処理剤、イオン固定化剤お
よび金属触媒の担体等に広く利用されている。
【0003】ゼオライトはSiO2 とAl2 3 を主成
分とする結晶性物質であり、その結晶は三次元骨格構造
を形成し、規則性のある細孔を有している。組成は、一
般に(M’2 ,M”)O・Al2 3 ・aSiO2 ・b
2 Oで表される。ここでM’およびM”はそれぞれ1
価および2価の金属イオンであり、aはシリカの係数、
bは結晶水の係数である。ゼオライトは、結晶構造によ
ってフォージャサイト属(ソーダライト属)、チャバサ
イト属、モルデナイト属等がある。ゼオライトの空洞や
孔路中に存在している陽イオンは、他の金属イオンとイ
オン交換可能なことから、硬水軟化、金属イオンの分離
等に利用されている。また、ゼオライトのアルカリ金属
を2〜3価の金属イオン、或いは水素イオンとイオン交
換すると強い固体酸を形成し、石油のクラッキングをは
じめ、各種のカルボニウムイオン反応の優れた触媒とし
て利用される。ゼオライトに銀、銅或いは亜鉛等を担持
させたものは、ポリマーに練り込んで抗菌性を有する変
敗防止包材として食料品の分野で利用されている。特に
銀担持ゼオライトは、エチレン吸着能についても優秀で
あることから利用価値が高い。
【0004】しかしながら、銀、銅或いは亜鉛等を担持
させたゼオライトは、原材料費、製造工程の複雑さ等の
点から、無機材料の特徴とも言える廉価であることの条
件を満たせず、非常に高価な材料となっている。
【0005】これを解決すべく、多くの無機化合物或い
は無機系イオン交換体(例えば、モンモリロナイト、ス
メクタイト、トバモライト等)に上記金属イオンを担持
させた無機系抗菌性物質が開発されたが、金属イオンの
溶出が避けられず、安全性や抗菌力の持続性に問題があ
ったり、意図した廉価化が計れない等の多くの問題を残
していた。
【0006】また、テニオライトに関しても、従来、特
公平7−68094号公報の比較例に、Li型テニオラ
イトを出発物質とし、これに銀イオンを担持させたもの
があるが、銀の溶出が非常に多いために、総合的に抗菌
剤として不適との評価がなされていた。このように、抗
菌性金属イオンは、テニオライト系物質に強固に担持さ
れにくく、抗菌剤として使用することは困難であると考
えられていた。
【0007】従って、本発明の目的は、上記銀、銅或い
は亜鉛担持ゼオライトに代表される従来の無機系抗菌剤
に代わり得て、安全かつ廉価な難溶性抗菌性金属担持テ
ニオライトを提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、まず、1
400℃で合成され、断熱性、機械的強度が優れている
ために、従来は多くの樹脂の強度付与材、特に自動車の
樹脂製バンパーの充填材として広く利用されているフッ
素雲母化合物の一種であるNa型テニオライトに着目
し、Li型テニオライトとは層間距離が異なることか
ら、層間に存在するNa+ イオンを、銀、銅、亜鉛イオ
ンと陽イオン交換させ、強固に担持させ得るのではない
かという全く新しい着想に至った。この着想に基づき、
さらに鋭意研究を続けた結果、Na型テニオライトの層
間に存在するNa+ イオンを、銀、銅、亜鉛イオンと陽
イオン交換させることに初めて成功し、しかもこの新し
い物質は、金属イオンの溶出が非常に少ないこと、また
担持された(不溶出の)金属イオン(特に銀イオン)に
より水中の溶存酸素が活性化されることによって、顕著
な抗菌性を有することを見出し、さらに研究を重ねて本
発明を完成した。つまり、上記目的が本発明により達成
されることを見出した。
【0009】即ち、本発明は、式(I) A1-mxx Mg2 Li(Si4 10)F2 ・yH2 O (I) (式中、Aはナトリウムイオンまたはナトリウムイオン
の一部がカリウムイオンに置きかわったものであり、M
は銀イオン、銅イオンまたは亜鉛イオンであり、mはM
で表される金属イオンの価数であり、mxは0<mx≦
1であり、yは結晶水の係数であって1.0<y≦3.
0である)で表される金属担持テニオライトに関する。
また、本発明は、上記金属担持テニオライトを有効成分
として含有してなる抗菌剤に関する。
【0010】本発明の金属担持テニオライトは、上記式
(I)で表される。Aはナトリウムイオンまたはナトリ
ウムイオンの一部がカリウムイオンに置きかわったもの
であり、好ましくはナトリウムイオンである。ここで、
ナトリウムイオンの一部がカリウムイオンに置きかわっ
たものとは、Na型テニオライトの層間に存在するNa
+ イオンの一部が、K+ イオンを含んだ水、例えば、河
川水等との接触により、K+ イオンと置きかわっている
状態をいう。これは、Na型テニオライトが、K+ イオ
ン存在下ではK型テニオライトへ非常に移行し易いとい
う特性に由来している。
【0011】Mは銀イオン、銅イオンまたは亜鉛イオン
であり、好ましくは銀イオンである。これらの金属イオ
ン(銀イオン、銅イオンまたは亜鉛イオン)により、抗
菌性が発現される。
【0012】mはMで表される金属イオンの価数であ
り、1または2である。mxは0<mx≦1であり、好
ましくは0.01≦mx≦1である。この範囲内である
と顕著な抗菌作用を有する。yは結晶水の係数であっ
て、金属イオンが層間に担持される際に水和している量
に一致しているため、その範囲は1.0<y≦3.0で
ある。
【0013】当該金属担持テニオライトは、例えば、以
下のようにして製造することができる。Aがナトリウム
イオンである金属担持テニオライトは、例えば、後述の
Na型テニオライトの微粉末を、各種濃度の銀、銅また
は亜鉛イオン水溶液に常温で数時間浸漬させ、陽イオン
交換反応させること等により得ることができる。Aが、
ナトリウムイオンの一部がカリウムイオンで置きかわっ
たものである金属担持テニオライトは、例えば、Aがナ
トリウムイオンである金属担持テニオライトを上記のよ
うにして製造した後、これをさらに各種濃度のカリウム
イオン水溶液に接触させた場合、カリウムイオンがナト
リウムイオンの一部とイオン交換して得られる。
【0014】なお、これまでNa型テニオライトは、K
+ 、Cs+ 、NH4 + 等と陽イオン交換反応することは
知られていたが、上記銀、銅または亜鉛イオンと陽イオ
ン交換反応し、強固に結合されることは、今回我々が実
施するまで全く明らかにされていなかった。
【0015】本発明の金属担持テニオライトの原料とな
るNa型テニオライトは、天然雲母の結晶中の水酸基
(OH)をフッ素(F)で置き換えたフッ素雲母化合物
の一種である。その組成は、理論的には、式NaMg2
Li(Si4 10)F2 ・2H2 O(理論式)で表され
る。実際に用いる場合には、この組成に近いものであれ
ば、特に限定されない。
【0016】当該Na型テニオライトは、例えば、原料
酸化物およびフッ化物(例えば、SiO2 、Al
2 3 、Na2 SiF6 、MgO、Fe2 3 、MnO
等)を所定の(理論式の)化学組成になるように混合
し、約1400℃で5〜6時間、溶融法により合成した
後、遠心分離により精製し、必要に応じて微粉末状に粉
砕すること等により製造することができる。
【0017】ここで、天然雲母は地殻中の高温、高圧下
で合成されるのに対し、フッ素雲母化合物は溶融法によ
り比較的容易に合成可能であり、また熱的に安定である
ため工業的に重要である。フッ素雲母化合物は、一般式
XYn 4 102 で表される。なお、Xは主に配位数
12の陽イオン、Yは配位数6の陽イオン、Zは配位数
4の陽イオンであり、nは2〜3である。また、X,
Y,Zには次の陽イオンが置換できる。 X;K+ ,Na+ ,Ca2+,Ba2+等の1種または数種
の組合せ Y;Mg2+,Al3+,Fe2+,Li+ ,Mn2+等の1種
または数種の組合せ Z;Si4+,Ge4+,Al3+等の1種または数種の組合
せ 従って、同型置換の原理に基づいて、種々のフッ素雲母
化合物が合成可能である。
【0018】雲母の主成分はSiO2 であり、結晶中で
はSiO4 四面体が頂点共有により、六角網目状に二次
元的に結合している。上下の四面体層間にY(O,F)
6 八面体層が挟まれており、タブレットと呼ばれる複合
層を形成している。タブレット間に、層間イオンである
アルカリ金属またはアルカリ土類金属イオン等が位置
し、上下の酸素12個と非常に弱く結合しているため、
雲母はこの位置で強い劈開性を示す。
【0019】図1に、フッ素雲母化合物の結晶構造図を
示す。天然雲母は水に入れても膨潤しない「非膨潤型」
であるのに対し、合成フッ素雲母には「水和膨潤性」、
つまり層間に水分子を引き入れて膨れ上がる性質を有す
るものが存在する。最も強い膨潤性を有する雲母は水中
で超微粒体鱗片となり、安定したゾルを形成する。
【0020】図2に、フッ素雲母系化合物の膨潤を模式
的に示す。膨潤性には、Bのように限られた水分子を配
位するものと、Dのように11層以上配位するものとに
分けられる。前者は「限定膨潤型」、後者は「無限膨潤
型」と呼ばれる。Na型テニオライトは「限定膨潤型」
に含まれる。膨潤により底面間隔は著しく変化し、例え
ばK型テニオライト(相対湿度70%)では9.6オン
グストローム、Na型テニオライト(相対湿度70%)
では12.3オングストロームとなる。K型およびNa
型テニオライトの底面間隔の差(2.7オングストロー
ム)がほぼ水分子の大きさに匹敵する。層間イオンが完
全にK+ イオンに置きかわったK型テニオライトが陽イ
オン交換特性を示さず、Na型テニオライトが陽イオン
交換特性を示すのは、この水分子の量が影響するものと
考えられている。
【0021】本発明において、Na型テニオライトの層
間イオンであるNa+ イオンを金属イオンで陽イオン交
換する方法としては、例えば前述のように、Na型テニ
オライトの微粉末を、各種濃度の銀、銅または亜鉛イオ
ン水溶液に常温で数時間浸漬させ、陽イオン交換反応さ
せる方法等が挙げられる。
【0022】陽イオン交換方法における各条件は何等限
定されないが、以下のようにすることが好ましい。使用
する銀、銅および亜鉛イオンは、反応性等の点から、例
えば硝酸塩のように水中で完全に解離するものが好まし
い。反応溶液のpH値は3〜10が好ましい。pHが3
未満では金属イオン(銀、銅、亜鉛イオン)よりもH3
+ イオンがNa型テニオライト層間に導入され易くな
る傾向があり、また逆に10より高いと銀、銅および亜
鉛イオンが塩基性塩として沈殿し易くなる傾向がある。
【0023】反応温度は好ましくは0℃以上、より好ま
しくは25〜80℃である。0℃以上であれば、銀、
銅、亜鉛イオン水溶液が凍ることなく、反応が緩慢とな
ることもない。さらに、25〜80℃であれば、反応速
度がより速く、金属イオン濃度を一定に保ち易くなり、
工業的により適している。反応時間(浸漬時間)は特に
限定されないが、当該時間の長さを調節することによ
り、金属担持量を調節することができる。
【0024】また、Na型テニオライトの、水溶液中の
上記金属イオンに対するイオン交換容量は、例えば、純
粋な(理論式の)Na型テニオライトと上記金属イオン
との反応を考える場合、Na型テニオライトの分子量は
424.90、イオン交換可能な層間Na+ イオンは1
モル存在するので、理論的には2.35meq/g である。
一価の銀イオンに対しては2.35mmol/g取り込むこと
が可能であるが、二価の銅、亜鉛イオンに対しては、1
分子の銅、亜鉛イオンがNa型テニオライトに導入され
ると2分子のNa+ イオンが使用されることから、一価
の陽イオンの半分の1.18mmol/gの銅または亜鉛イオ
ンしか取り込むことができない。また、例えば、後述の
実施例で用いたNa型テニオライトは、前記理論式で表
されたNa型テニオライトに比べてNa+ イオンが少な
い構造になっている(表1参照)。この場合には、イオ
ン交換能は上述の90.6%となり、Na型テニオライ
ト1.0gが、水溶液から取り込み可能な銀、銅および
亜鉛イオン量は、それぞれ最高で2.13、1.07お
よび1.07mmol/gとなる。反応液の金属イオン濃度
は、上記イオン交換容量および所望の金属担持量を考慮
して適宜選択すればよい。
【0025】上記の諸条件を鑑みて、代表的な条件とし
ては、例えば、Na型テニオライトの量(重量)は約1
0.0g前後、pHは約5.0、反応温度は約25℃、
反応時間は所望の金属担持量に見合った時間、反応液の
金属イオン濃度は、反応液4. 0リットル中、銀イオン
が約10. 0mmol前後、銅および亜鉛イオンがそれぞれ
約5.0mmol前後等が挙げられる。
【0026】Na型テニオライトは、元来、耐熱性、耐
水性を有し、機械的強度も大であることから、上記のよ
うにして得られた本発明の金属担持テニオライトも同様
の物理的性質を有する。例えば、後述の図4のようにT
G曲線で見る熱的性質は、Na型テニオライトと、金属
(銀、銅、亜鉛)担持テニオライトの間には、ほとんど
変化がなく、500℃までは層間水が脱離するだけで層
構造の破壊等は見られない。
【0027】本発明の金属担持テニオライトは、抗菌作
用、殺菌作用を有する。つまり、当該金属担持テニオラ
イトにおける金属イオン(銀イオン、銅イオン、亜鉛イ
オン)は、微生物(狭義には細菌、真菌、ウイルス等)
等の下等生物に対して毒性を示し、極微量で細胞の活動
を奪う。この抗菌、殺菌作用は、極微量作用(オリゴジ
ナミー)と言われ、上記金属イオンがSH酵素のチオー
ル基(SH基)のHを置換するために発現する。この他
にも、金属担持テニオライトに担持された金属イオン
が、水中に溶存している酸素を活性化し、この活性酸素
が抗菌、殺菌作用を示す。
【0028】当該金属担持テニオライトが抗菌作用、殺
菌作用を示す微生物の例としては、細菌(芽胞形成菌、
結核菌、らい菌、ジフテリア菌、黄色ブドウ球菌等のグ
ラム陽性菌;大腸菌、淋菌等のグラム陰性菌等)、真菌
(藻菌類、子のう菌類、担子菌類、不完全菌類、黒コウ
ジカビ等)、ウイルス(動物ウイルス、植物ウイルス、
細菌ウイルス等)、酵母(カンジダ等)等が挙げられ
る。
【0029】このように、当該金属担持テニオライトを
有効成分として用いて、抗菌剤、さらには殺菌剤とする
こともできる。
【0030】また、当該金属担持テニオライトを用い
て、抗菌性塗料、抗菌性紙、抗菌性樹脂等を製造するこ
ともできる。なお、金属担持テニオライトの含有量は特
に制限されないが、例えば抗菌性塗料に用いた場合、好
ましくは5〜30重量%(抗菌性塗料を100重量%と
したとき)である。
【0031】
【実施例】以下に実施例を挙げて、本発明をより詳細に
説明するが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。
【0032】参考例1 SiO2 、Al2 3 、Na2 SiF6 、MgO、Li
2 Oを混合したものを1400℃で温度保持した後、放
冷した。この試料を水洗し、遠心分離機で副生成物のα
−クリストバライトを除き精製した。次に、この試料を
200〜400メッシュになるように粉砕し、金属担持
テニオライトの原料であるNa型テニオライト(以下、
NTともいう)を得た。表1に当該NT試料の組成、平
均粒子径、比表面積を示す。
【0033】
【表1】
【0034】実施例1 参考例1で得られたNTの微粉末10.0g(この中に
層間Na+ イオンは約21.3mmol存在し、 理論的には
21.3mmolの銀イオン、10.7mmolの銅または亜鉛
イオンとイオン交換することが可能である)を、10.
0mMの硝酸銀水溶液、5.0mMの硝酸銅水溶液およ
び5.0mMの硝酸亜鉛水溶液4.0リットルにそれぞ
れ混合し、25℃の恒温水槽内で撹拌しながら反応させ
た。このとき、炭酸塩および酸化物等の副生物生成を防
止するために、溶液は脱気し、空気と接触する部分は窒
素で置換したものを用いた。反応後の混合液は、ブフナ
ー漏斗にて吸引濾過し、固体と液体を分離し、固体を金
属担持テニオライトとして得た。
【0035】所定時間ごとの液体中の銀、銅および亜鉛
イオン、Na+ イオンの濃度を原子吸光法で分析した。
その結果を表2、表3、表4に示す。
【0036】
【表2】
【0037】表2より、水溶液中の銀イオンの濃度は、
時間の経過と共に徐々に減少し、12時間で定常状態と
なったことが認められた。このときの水溶液中の銀イオ
ン、Na+ イオンの濃度は、それぞれ6.28mM、
3.73mMであり、水溶液より減少した銀イオン量
(14.9mmol)と水溶液中に遊離したNa+ イオン量
は同量(14.9mmol)であった。
【0038】
【表3】
【0039】表3より、水溶液中の銅イオンの濃度は、
時間の経過と共に徐々に減少し、4時間で定常状態とな
ったことが認められた。このときの水溶液中の銅イオ
ン、Na+ イオンの濃度は、それぞれ2.95mM、
4.10mMであり、水溶液より減少した銅イオン量
(8. 2mmol)に対する水溶液中に遊離したNa+ イオ
ン量は2倍の量(16.4mmol)であった。
【0040】
【表4】
【0041】表4より、水溶液中の亜鉛イオンの濃度
は、時間の経過と共に徐々に減少し、12時間で定常状
態となったことが認められた。このときの水溶液中の亜
鉛イオン、Na+ イオンの濃度は、それぞれ3.40m
M、3.20mMであり、水溶液より減少した亜鉛イオ
ン量(6. 4mmol)に対する水溶液中に遊離したNa+
イオン量は2倍の量(12.8mmol)であった。
【0042】以上の結果より、NT試料と抗菌性金属イ
オン(銀、銅、亜鉛イオン)とのイオン交換反応は、比
較的短時間で定常状態に達し、また層間に取り込まれた
金属イオンと水溶液中に遊離したNa+ イオンとの交換
当量比が1:1であることから、反応が化学量論的に進
行することが判明した。また、抗菌性金属イオンの取り
込み量の序列は銀>銅>亜鉛の順であった。
【0043】また、反応後の固体は、蒸留水2.0リッ
トルで洗浄後、常温で真空乾燥させた後、副生物の存否
を粉末X線回折法により解析した。図3に、各イオンと
の陽イオン交換前後のNa型テニオライトの粉末X線回
折図形を示す。
【0044】銀イオンと陽イオン交換後のNT試料の粉
末X線回折図形は、NT試料で認められた底面間隔を示
す12.3オングストロームの回折ピークに全く変化は
なく、一水層構造を保っていた。また炭酸塩、酸化物等
の副生物も全く検出されなかった。銅イオンと陽イオン
交換後のNT試料の粉末X線回折図形は、NT試料で認
められた12.3オングストロームの回折ピーク以外
に、二水層型の14.5オングストローム相の出現が認
められた。また銀イオンとの反応と同様に、炭酸塩、酸
化物等の副生物は検出されなかった。亜鉛イオンと陽イ
オン交換後のNT試料の粉末X線回折図形は、NT試料
で認められた12.3オングストロームの回折ピークは
消失し、14.3オングストローム相の出現が認められ
た。これはイオンの取り込みにより底面間隔が大きくな
り、二水層型構造に変化したためである。また銀イオ
ン、銅イオンとの反応と同様に炭酸塩、酸化物等の副生
物は検出されなかった。
【0045】各金属担持NT(以下、それぞれAg−N
T、Cu−NT、Zn−NTともいう)の底面間隔の相
違は、取り込みイオンの結晶イオン半径および水和エネ
ルギーの影響によるものと考えられる。即ち、水和エネ
ルギーが小さいイオンほど水を引き付けやすくなり、層
間に水分子が入り込み底面間隔が大きくなる。回折図形
には底面反射の指数の定数倍に帰属される回折ピークが
出現していることより、イオン交換後も層状構造を保持
していることが確認された。
【0046】以上のことから、本実施例により得られた
物質は、Na型テニオライトの層間イオンとして銀、銅
および亜鉛イオンを有する新規物質であることがわか
る。
【0047】図4に、NT、Ag−NT、Cu−NT、
Zn−NTのTG曲線を示す。Ag−NTでは2段階の
脱水挙動を示し、TG減少量は7.0wt%(室温から
110℃) 、0.3wt%(110℃から150℃)と
なった。Cu−NTでは5段階の脱水挙動を示し、TG
減少量は5.4wt%(室温から80℃) 、4.1wt
%(80℃から160℃) 、2.5wt%(160℃か
ら280℃) 、0.7wt%(280℃から380
℃)、0.5wt%(380℃から500℃)となっ
た。Zn−NTでは3段階の脱水挙動を示し、TG減少
量は6.7wt%(室温から105℃) 、4.2wt%
(105℃から190℃) 、3.lwt%(190℃か
ら400℃)となった。
【0048】Ag−NT、Cu−NT、Zn−NTの層
間イオン(Na+ イオンも含む)1個当たりの水分子数
は、それぞれ2.1、6.0、5.7であり、銀イオン
取り込み後では層間水の量はほとんど変化せず、銅、亜
鉛取り込み後では増加することが判明した。
【0049】実施例2 参考例1で得られたNT試料の微粉末10.0gを、濃
度の異なる硝酸銀溶液400mlに混合し、25℃の恒温
水槽内で撹拌しながら15分間から最高12時間反応さ
せた。このとき、溶液は、炭酸塩および酸化物等の副生
物生成を防止するために脱気し、空気と接触する部分は
窒素で置換したものを用いた。このようにして、表5に
示すように、金属担持量の異なるAg−NTを7種類、
Cu−NTを2種類およびZn−NTを2種類合成し
た。以下、表5に示した略号で各金属担持テニオライト
を記す。なお、反応後の銀、銅、亜鉛水溶液中の各陽イ
オンの濃度(金属担持率)の分析は、実施例1中で用い
られた方法に従った。その結果を表5に示す。
【0050】
【表5】
【0051】実験例1:殺菌試験 被検菌浮遊液に、Ag−NT6(Ag担持量;0. 56
mmol/g)を各々1.0,5.0,10. 0mg添加した
もの、Cu−NT2(Cu担持量;0.78mmol/g)ま
たはZn−NT2(Zn担持量;0. 66mmol/g)を各
々1.0,5.0,10.0,20.0mg添加したも
のを用意し、マグネチックスターラーで定速撹拌(30
0rpm)しつつ、金属担持テニオライト添加後30分
後に採取した液を殺菌処理液とした。また、滅菌精製水
300mlに菌原液のみを0.3ml加え、殺菌実験と
同様にマグネチックスターラーにて撹拌し、撹拌開始後
30分後に採取した液をコントロール液とした。殺菌効
果の評価は、殺菌処理液およびコントロール液から一部
採取し、各々1.0mlを適当段階10倍希釈し、その
希釈液0.05mlを普通寒天平板培地に塗沫、37
℃,24時間培養後の、コントロール液の生菌数に対す
る殺菌処理液の生菌数の割合(%)を以て生菌率とし、
判定した。
【0052】本実験で用いた菌株は、Escherichia coli
(K12W3110)で、これを普通寒天斜面培地に毎月1回継
代保存したものである。実験にあたっては、普通ブイヨ
ン10mlを分注したL字管にて37℃、20±2時間
振盪培養後、さらに同培地250mlを入れたフラスコ
に移植し、37℃で18時間振盪培養した。この培養液
から遠心集菌(4℃,5,000rpm,10min)
した菌体を、滅菌生理食塩水にて2回、さらに滅菌精製
水にて1回遠心洗浄し、これを滅菌精製水300mlに
菌濃度108 cells/mlとなるよう浮遊させた。この菌原
液をあらかじめ撹拌子と共に滅菌しておいて、精製水3
00ml中に0.3ml加えた(これで菌濃度は105
cells/mlとなる)。これを被検菌浮遊液とした。
【0053】また、殺菌実験前後のpH変化を測定する
ため、 殺菌処理液およびコントロール液の各々約5ml
を、細孔径0.45μmの精密濾過膜(Dismic-25cs, T
oyoRoshi Kaisha, Ltd.)で濾過し、各々の濾液のpH
をpHメーター(TOA Electron-ics Ltd. )で測定し
た。
【0054】3種類の金属担持テニオライトによる殺菌
実験の結果を表6に、pH変化の結果を表7に示す。
【0055】
【表6】
【0056】
【表7】
【0057】Ag−NT6では、系内銀濃度(本実験で
は金属担持量が異なる金属担持テニオライトを各々使用
しているので、系内に添加された金属の濃度として系内
金属濃度という語を使用している。液中に溶出している
金属濃度ではない。)が、13. 3μmol/l (1434
ppb)以上では生菌率が0%で、3種類の金属担持テ
ニオライトのうち最も高い殺菌効果を有することが認め
られた。Cu−NT2およびZn−NT2では、本実験
において最も系内金属濃度が高いCu−NT2、Zn−
NT2(各々の系内金属濃度104.0μmol/l (6.
6ppm)、88.0μmol/l (5.8ppm))を使
用した場合でも生菌率はそれぞれ0.05%、3.5%
であり、Ag−NT6のほうが高い殺菌効果を示した。
しかしながら表6から明らかなように、Cu−NT2お
よびZn−NT2においても添加量が増加するに従い、
生菌率が低下する傾向が見られることから、さらに金属
担持テニオライトの添加量を増加させることにより、殺
菌効果が高まり、生菌率が0%に近づく可能性はあると
考えられる。
【0058】表7に示すように、各殺菌実験においてp
Hを測定した結果では、どの金属担持テニオライトにお
いてもコントロール液との差は±0.22〜0.35以
内であり、ほとんど変化が見られなかったことから、本
実験における殺菌効果はpH変化によるものではないこ
とが明らかとなった。
【0059】実験例2 上記実験例1で最も殺菌効果が高かったAg−NTにつ
いて、Ag担持量と殺菌効果の関係を検討するため、銀
担持量が各々異なるAg−NT1,Ag−NT3,Ag
−NT5,Ag−NT6およびAg−NT7(Ag担持
量;0.08,0. 29, 0. 41,0.56,0.8
0mmol/g)の5種類のAg−NTを用い、各々を1.0
mg添加した系における殺菌効果を評価した。また、A
g−NT1およびAg−NT7を用い、添加時の系内銀
濃度が同程度となるように各々11.0gおよび1.0
g添加した系における殺菌効果を評価した。殺菌効果の
評価方法は、いずれの実験も上述した方法と同様であ
る。
【0060】図5に、銀担持量の異なるAg−NTを用
いた殺菌実験の結果を示す。図5より明らかなように、
Ag−NTの添加量を一定にした場合、Ag担持量が多
いものほど生菌率が減少し、Ag担持量が少ないものほ
ど生菌率は高かった。即ち、Ag−NTの殺菌効果は、
銀担持量に依存しているという結果となった。
【0061】Ag−NT1とその約11倍のAg担持量
であるAg−NT7を用いて、系内銀濃度を同程度
(2.8μmol/l )にした場合の殺菌効果の結果を表8
に示す。系内銀濃度を同程度にすると、両者の殺菌効果
は同程度であった。この結果より、殺菌効果の低いAg
担持量の少ないAg−NTを用いても、Ag担持量の多
いAg−NTと同程度の系内銀濃度とすれば、高い殺菌
効果を得ることができることが判明した。
【0062】
【表8】
【0063】実験例3 Ag−NTについて経時的な殺菌効果および銀イオンの
溶出量を検討するため、滅菌精製水300mlにAg−
NT2(Ag担持量;0. 22mmol/g)を4.0mg添
加した系について、マグネチックスターラーで0,3,
15,30,60,120,300分間、定速撹拌した
後に採取した処理液中の銀イオン濃度および経時的な生
菌率を測定した。なお、Ag−NT2のAg担持量は
0. 22mmol/gであり、本実験の条件では系内銀濃度は
2. 9μmol/l (318ppb)となり、前述の実験例
1で生菌率0%を示した1434ppbよりかなり低い
濃度である。これは、前述の実験では30分間の撹拌で
実験を停止したが、経時的な殺菌効果を観測するのには
系内銀濃度が低い方が適当と考えたためである。
【0064】図6に、Ag−NT2を用いて経時的な生
菌率の変化を検討した結果を示す。添加直後から生菌数
の減少が認められ、60分以降には生菌率は0%になっ
た。この結果より、Ag担持量が低いAg−NTを使用
しても、菌溶液との接触時間を長くすれば高い殺菌効果
が得られることが判明した。
【0065】実験例4 金属担持テニオライトを水の殺菌剤として応用した場合
の安全性を検討するため、系内金属濃度を変化させた場
合の、精製水中への金属イオンの溶出を検討した。
【0066】精製水300mlに、Ag−NT4(Ag
担持量; 0. 37mmol/g),Cu−NT1(Cu担持
量; 0. 69mmol/g),Zn−NT1(Zn担持量;
0.40mmol/g)を1.0,5.0,10.0,20.
0mg添加し、マグネチックスターラーで30分間定速撹
拌後、その一部を採取し、再度精密濾過膜で濾過した。
この濾液中の金属イオン濃度をICP発光分析装置にて
測定した。
【0067】図7に、Ag−NT4、Cu−NT1およ
びZn−NT1を用い、精製水中での系内金属濃度を変
化させたときの、金属イオン(銀イオン、銅イオン、亜
鉛イオン)の溶出挙動を示す。Ag−NT4では、前述
の殺菌効果の結果のように、生菌率が0%となった1
3.3μmol/l (1434ppb)の2倍近い24. 9
μmol/l (2690ppb)の系内銀濃度とした条件下
においても、 精製水中への銀イオンの溶出濃度は0.3
3μmol/l (35.5ppb)であった。また、Cu−
NT1およびZn−NT1では、本実験で最も系内金属
濃度が高い条件であるCu−NT1;94.0μmol/l
(6. 0ppm)およびZn−NT1;56.4μmol/
l (3.7ppm)の場合において、金属イオンの溶出
濃度は、銅イオンが0. 06μmol/l (0.0037p
pm)、亜鉛イオンが0. 16μmol/l (0.0107
ppm)であり、非常に溶出が少ないことが観察され
た。
【0068】これらの結果は、水道水の法的水質基準
(水質基準に関する省令(昭和53年8月、厚生省令第
56号))である、銅、亜鉛イオンともに1.0ppm
以下(銀イオンの規制値は特にない)という基準を大き
く下回っている。よって、当該抗菌性金属担持テニオラ
イトは、安全性に優れていることがわかる。
【0069】実験例5 殺菌因子の検討を行った。つまり、銀系の無機殺菌剤に
おいて、細菌に対し、溶出した銀イオン自体に殺菌効果
があるのか、或いは銀イオンが担体に担持されたままで
殺菌効果があるのかを検討した。
【0070】実験例4の精製水中で金属イオンの溶出を
検討した実験において、精製水300ml中にAg−N
T4を20mg添加し、30分間撹拌した後、濾過する
ことによって得られた濾液中の銀イオンは、ちょうど菌
液中に溶出している銀イオンと同様の状態にあると考え
られる。そこで、この溶液を銀イオン濃度が0.10,
0.20,0.30および0. 40μmol/l となるよう
に希釈し、溶出した銀イオンのみが存在する系とした。
これら溶液を、撹拌子を入れたフラスコにそれぞれ10
0ml入れて滅菌し、実験例1で用いた菌濃度108 ce
lls/mlの大腸菌原液0.1mlを添加し、実験例1と同
様の方法で殺菌効果を評価した。また、Ag−NT2添
加系を、溶出した銀イオンとNTに担持された銀イオン
が混在する系とし、同様の実験を行った。このように、
溶出した銀イオンのみが存在する系と、溶出した銀イオ
ンとNTに担持された銀イオンが混在する系の殺菌効果
を比較することにより、殺菌因子を検討した。その結果
を表9に示す。
【0071】
【表9】
【0072】溶出した銀イオンのみが存在する系で、生
菌率が一桁(3.8%)となる顕著な殺菌効果を示した
のは、溶出している銀イオン濃度が0.30μmol/l
(32.4ppb)以上の場合であった。これに対し
て、Ag−NT2添加系では、溶出した銀イオン濃度が
0.03μmol/l (2.9ppb)でも一桁(5.8
%)の生菌率となり、溶出した銀イオンのみが存在する
系に比べて、溶出した銀イオン濃度が十分の一にも拘ら
ず、同程度の殺菌効果が認められた。この結果は、Ag
−NT2も含めた全てのAg−NTの殺菌効果が、溶出
した銀イオンによる殺菌作用と、NTに担持された銀イ
オンによる殺菌作用(NTに担持された銀イオンが水中
の溶存酸素を活性化し、生じた活性酸素が殺菌作用を示
す)の相互作用により発現することを示している。
【0073】
【発明の効果】本発明の金属担持テニオライトは、耐熱
性、耐水性、機械的強度に優れ、溶出した金属イオンと
テニオライトに担持された金属イオンの相互作用による
高い抗菌作用・殺菌作用を示し、また、良好な金属担持
力を有し、従来の無機系抗菌剤に比較して金属の溶出性
が極めて低いため、安全性に優れ、抗菌力等の持続性に
も優れ、さらに、低価格で製造できるものである。ま
た、当該金属担持テニオライトは、抗菌剤、殺菌剤とし
て有用であり、銀担持ゼオライトに代表される従来の無
機系抗菌剤が使用される全ての分野に応用が可能である
だけではなく、それらの応用製品の低価格化が図れるも
のである。
【図面の簡単な説明】
【図1】フッ素雲母化合物の結晶構造模式図である。
【図2】フッ素雲母化合物の膨潤性の模式図である。
【図3】銀、銅、亜鉛イオンと陽イオン交換前後のNT
の粉末X線回折図形である。
【図4】NT、Ag−NT、Cu−NT、Zn−NTの
TG曲線を示す。
【図5】銀担持量の異なるAg−NTを用いた殺菌実験
の結果を示す。
【図6】Ag−NT2を用いて行った経時的な生菌率の
測定結果を示す。
【図7】Ag−NT4、Cu−NT1、Zn−NT1を
用いて行った精製水中での各イオンの溶出挙動を示す。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式(I) A1-mxx Mg2 Li(Si4 10)F2 ・yH2 O (I) (式中、Aはナトリウムイオンまたはナトリウムイオン
    の一部がカリウムイオンに置きかわったものであり、M
    は銀イオン、銅イオンまたは亜鉛イオンであり、mはM
    で表される金属イオンの価数であり、mxは0<mx≦
    1であり、yは結晶水の係数であって1.0<y≦3.
    0である)で表される金属担持テニオライト。
  2. 【請求項2】 式(I) A1-mxx Mg2 Li(Si4 10)F2 ・yH2 O (I) (式中、Aはナトリウムイオンまたはナトリウムイオン
    の一部がカリウムイオンに置きかわったものであり、M
    は銀イオン、銅イオンまたは亜鉛イオンであり、mはM
    で表される金属イオンの価数であり、mxは0<mx≦
    1であり、yは結晶水の係数であって1.0<y≦3.
    0である)で表される金属担持テニオライトを有効成分
    として含有してなる抗菌剤。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013533842A (ja) * 2010-07-02 2013-08-29 ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア 金属架橋柱状化ケイ酸塩化合物とその製造方法

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