JPH0899983A - 6−オキソ−(6H)−ジベンズ−[c,e][1,2]−オキサホスホリンを製造するための方法 - Google Patents

6−オキソ−(6H)−ジベンズ−[c,e][1,2]−オキサホスホリンを製造するための方法

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JPH0899983A
JPH0899983A JP7259537A JP25953795A JPH0899983A JP H0899983 A JPH0899983 A JP H0899983A JP 7259537 A JP7259537 A JP 7259537A JP 25953795 A JP25953795 A JP 25953795A JP H0899983 A JPH0899983 A JP H0899983A
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Hans-Josef Buysch
ハンスーヨゼフ・ブイシユ
Volker Glock
フオルカー・グロツク
Bernd Griehsel
ベルント・グリーゼル
Joachim Komoschinski
ヨアヒム・コモシンスキ
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    • C07F9/00Compounds containing elements of Groups 5 or 15 of the Periodic Table
    • C07F9/02Phosphorus compounds
    • C07F9/547Heterocyclic compounds, e.g. containing phosphorus as a ring hetero atom
    • C07F9/6564Heterocyclic compounds, e.g. containing phosphorus as a ring hetero atom having phosphorus atoms, with or without nitrogen, oxygen, sulfur, selenium or tellurium atoms, as ring hetero atoms
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 高い収率及び純度で6−オキソ−(6H)−
ジベンズ−[c,e][1,2]−オキサホスホリン
(ODOP)を製造する方法を提供する。 【構成】 必要に応じて置換されたo−フェニルフェノ
ールを、第一段階において高められた温度でルイス酸の
存在下でPCl3と反応させ、1モルのo−フェニルフ
ェノールあたり少なくとも0.05モル過剰のPCl3
を全反応時間の間中維持し、PCl3の除去の後第二段
階において第一段階の生成物の塩素当量あたり1〜2モ
ルのH2Oを使用して50〜150℃で加水分解し、そ
してHCl及び残留H2Oを除去して必要に応じて置換
された一般式IのODOPを得る。 [R1〜R6は同一又は異なって水素、ハロゲン、C1
4−アルキル又はC1〜C4−アルコキシである]

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】本発明は、第一段階における必要に応じて
置換されたo−フェニルフェノールのPCl3との反応
及び第二段階における第一段階の生成物の加水分解によ
って必要に応じて置換された6−オキソ−(6H)−ジ
ベンズ−[c,e][1,2]−オキサホスホリン(O
DOP)を製造するための方法に関する。
【0002】ODOPは、酸化劣化に対する保護のため
のそして防炎加工のためのポリマーへの重要な添加剤で
あり、そしてまた更なるポリマー添加剤を製造するため
の出発物質として役立つ。
【0003】ドイツ公開特許明細書第20 34 88
7号の実施例5及び6)は、6−クロロ−(6H)−ジ
ベンズ−[c,e][1,2]−オキサホスホリンのソ
ーダ溶液によるアルカリ性鹸化による6−オキソ−(6
H)−ジベンズ−[c,e][1,2]−オキサホスホ
リン(ODOP)の製造を開示している。厄介な操作
で、これは、ひどく汚染された水性アルカリ性溶液中の
ヒドロキシジフェニルホスフィン酸(III)のナトリウ
ム塩をまず与えるが、これは活性炭によって精製しなけ
ればならない。
【0004】
【化3】
【0005】このナトリウム塩は酸性化によって遊離酸
に転換させる。これは殆ど可溶性ではないので、これは
水性塩溶液から単離することができる。引き続いて、そ
れは、真空中で比較的高い温度に加熱することによって
所望のODOPに転換させなければならない。これは、
非常に複雑でかつ比較的環境上好ましくない方法であ
る。何故ならば、それは、塩及び大量の廃水の生成を伴
うからである。
【0006】もう一つの参照文献(ドイツ公開特許明細
書第27 30 371号、18及び19頁)は、6−
クロロ−(6H)−ジベンズ−オキサホスホリンを13
0℃で大量の水と合わせ、加水分解を実施し、減圧下で
水を留去し、そして次に6−オキソ−ジベンズオキサホ
スホリンを得ることを述べている。述べられた操作は技
術的には非常に問題が多く、そして大規模には殆ど実施
することができない。何故ならば、水は130℃で蒸発
しそして反応混合物を冷却するからである。それ故、1
30℃の温度を維持しそしてかくして制御されない結晶
化を防止すべきであるのならば、増加した圧力下で操作
することが必要である。何故ならば、目標の化合物は水
の沸点よりも明らかに高い温度で溶融するからである。
【0007】別の実施例(ドイツ公開特許明細書第20
34 887号中の実施例3)によれば、o−フェニ
ルフェノールのPCl3によるエステル化からの粗製生
成物を氷の上に注ぐことによって加水分解する。これは
対応するホスフィン酸を与えるが、これは、水から分離
しそして、切り離された方法ステップにおいて、対応す
るオキサホスホリンに転換しなければならない。
【0008】上で述べた方法は、オキサホスホリン合成
の副生成物として、使用するのがそして処分するのが困
難である副生成物として希薄なそして汚染された塩酸並
びに塩溶液及び廃水を与える。
【0009】ODOPを製造するための上で述べた方法
はどれも、生成物の収率及び純度については何も述べて
いない。どの場合においても、所望の生成物が得られた
ことが確立されているに過ぎない。
【0010】加水分解が滑らかにそして均一に進行する
かどうか、又はそれが副反応若しくは後続反応によって
悪い影響を受けるかどうかは一度も確立されていない。
上で議論した方法提案の比較は、明らかにアルカリ性鹸
化だけが純粋な物質に導くという結論を当業者にもたら
す。何故ならば、ここにおいてだけ融点及び合致するリ
ン分析が提示されているからである。しかしながら、こ
の結論はまた、この鹸化は、複数の方法ステップ、即ち
アルカリ性鹸化、活性炭による処理、濾過、塩酸による
沈殿、吸引濾過、水による洗浄、単離されたホスフィン
酸のエタノール/水混合物からの再結晶、そして最後に
精製効果を伴う150℃/30トールでの脱水によるオ
キサホスホリンを与える閉環を経由して進行するという
事実を基にしている。
【0011】提案された方法を繰り返す場合には、見い
出されるODOPの収率及び純度は再現性がない。特
に、ODOPのo−フェニルフェノールによる汚染は非
常に広範囲に変動し、そしてODOPが均一な品質で入
手できるためには、得られるODOPの付加的な精製を
強制する。本発明者ら自身の検討は、o−フェニルフェ
ノールをPCl3と反応させるやり方がODOPの収率
及び純度に対して大きな影響を有することを示した。
【0012】o−フェニルフェノールとPCl3との反
応に関してもまた、種々の提案がある。
【0013】ドイツ公開特許明細書第20 34 88
7号によれば、PCl3及びo−フェニルフェノールを
お互いに化学量論量で(8頁、最後の節)反応させる、
即ち異なる理由のためにだけ、できる限り欠乏又は過剰
を回避しなければならない。しかしながら、上で述べた
ドイツ公開特許明細書第の実施例1においては、1.2
モルのo−フェニルフェノールを過剰のPCl3、即ち
1.5モルと反応させる。これは、排除されるHClと
一緒のPCl3の逃げを基にしている。実際には特定の
過剰のPCl3が反応の間にHClと一緒に外に運ばれ
る、即ち1モルのPCl3対1モルのo−フェニルフェ
ノールの化学量論比が最後には存在することが計算され
る。
【0014】ここで生成される6−クロロ−(6H)−
ジベンズ−[c,e][1,2]−オキサホスホリン
(CDOP)の収率は示されていない。反応を繰り返す
と、o−フェニルフェノールを基にして理論収率の約8
0%の収率が得られる。これは、リン及び硫黄、31
巻、71〜76(1987)、特に74頁(1)中の検
討によって確認される。この参照文献においては、理論
収率の79%の収率が、ドイツ公開特許明細書第20
34 887号に従ってのODOPの合成のために与え
られている。
【0015】ドイツ公開特許明細書第2 730 37
1号は、実施例1(18頁)中で、ドイツ公開特許明細
書第20 34 887号の実施例1とは違って、ルイ
ス酸(ここではZnCl2)をo−フェニルフェノール
のPCl3によるエステル化の後からではなくむしろ初
めから添加するo−フェニルフェノール(40モル)の
三塩化リン(47モル)による反応を述べている。更に
また、PCl3は80°に加熱された最初に仕込まれた
o−フェニルフェノールに滴加し、そしてこの混合物を
180°にする。実験のこれ以上の記述は不正確であ
り、そして収率の表示はない。
【0016】EP 582 957においては、ドイツ
公開特許明細書第2 730 371号におけるよう
に、触媒を反応混合物にまさに初めに添加しそしてPC
3を滴加するが、温度を直ちに180℃にする。これ
は、CDOPの非常に良好な収率を与える。
【0017】この先行技術を考慮すると、当業者は、ド
イツ公開特許明細書第2 730371及びEP 58
2 957の提案の結合、即ち反応の初めからの触媒の
存在、PCl3の滴加、及び全反応時間にわたる高温の
設定が見い出された収率改善をもたらすという結論に達
する。
【0018】これらの条件を観察して実施された実験
は、他の重要なパラメーター、例えばPCl3を滴加す
る速度、塩化水素を取り去る速度、及び還流コンデンサ
ー中の冷却媒体の温度に依存して異なる収率を与える。
これらのパラメーターは、塩化水素と共に運び出される
PCl3の量に影響を与える。
【0019】ドイツ公開特許明細書第2 034 88
7号によって教示されたように、反応を化学量論量のP
Cl3を使用して実施しない場合には、そして使用され
る1モルのo−フェニルフェノールあたり少なくとも
0.05モルの過剰の未反応PCl3を、反応時間の間
そして特にその終わりまで反応混合物中で維持する場合
には、ODOPの合成のために適切なo−フェニルフェ
ノール及びPCl3の反応生成物が加水分解によって得
られることがここに見い出された。これらの発見によれ
ば、過剰のPCl3は十分ではなく、むしろそれは最小
量を越えなければならずそして全反応時間の間、終わり
まで維持されなければならない。
【0020】このような反応混合物の蒸留は、引き続く
加水分解において純粋なODOPの高い収率を再現性良
く与える留出物を与える。
【0021】更にまた、留出物を溶融液として又は液体
若しくは蒸気の形の水を含む適切な量の適切な溶媒中に
溶かして、一般的には高められた温度で、加水分解的に
反応せしめ、そして生成される塩化水素をガスとして又
は塩酸として除去する場合には、転化率及び生成物純度
の低下なしで実質的に化学量論的に必要とされる量の水
を使用してCDOPの加水分解を実施することができる
ことが見い出された。このようにして得られるODOP
は、溶媒又は残留水又は塩化水素の除去の後で、多くの
目的のためには、それを溶融液から結晶化させそして包
装することができるほど純粋である。溶媒からの結晶化
を実施することもまた、それが必要である場合には、可
能である。これは、全体の方法の顕著な簡素化でありそ
して環境上の問題を無くす。
【0022】本発明は、式
【0023】
【化4】
【0024】[式中、R1〜R6は、同一又は異なってい
てそして水素、ハロゲン、C1〜C4−アルキル又はC1
〜C4−アルコキシである]の6−オキソ−(6H)−
ジベンズ−[c,e][1,2]−オキサホスホリン
(ODOP)を製造するための方法であって、式
【0025】
【化5】
【0026】[式中、R1〜R6は上で定義された通りで
ある]のo−フェニルフェノールを、第一段階において
70〜220℃の範囲の高められた温度で塩化水素の脱
離を伴ってルイス酸の存在下で三塩化リンと反応させ、
そして第二段階において第一段階の生成物を加水分解す
ることによる方法において、第一段階の全反応時間の
間、使用される1モルのo−フェニルフェノールあたり
少なくとも0.05モルの量の未反応三塩化リンを反応
混合物中で維持し、そして過剰のPCl3の除去の後
で、第一段階の生成物を溶融液として又は不活性溶媒中
に溶かして、第一段階の生成物の1塩素当量あたり1〜
2、好ましくは1〜1.7、特に好ましくは1〜1.5
モルのH2Oと50〜150℃で、好ましくは70〜1
30℃で反応させ、そして140〜170℃に加熱する
ことによってHCl及び残留H2Oを除去することを特
徴とする方法を提供する。
【0027】本発明は、従って、第一段階において生成
される式
【0028】
【化6】
【0029】[式中、R1〜R6は上で定義された通りで
ある]の6−クロロ−(6H)−ジベンズ−[c,e]
[1,2]−オキサホスホリン(CDOP)を経由して
進む。
【0030】本発明の方法のために適切な出発物質は、
一方では、式(I)[式中、R1〜R6が、お互いに独立
に、水素、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、
ブチル、イソブチル、メトキシ、エトキシ、プロポキ
シ、イソプロポキシ、ブトキシ又はイソブトキシ、又は
フッ素、塩素又は臭素、好ましくは塩素である]のo−
フェニルフェノール、そして、他方では、三塩化リンで
ある。
【0031】触媒は、例えばドイツ公開特許明細書第2
034 887号中に述べられているようなルイス
酸、好ましくはFeCl3及びZnCl2である。
【0032】基R1〜R6の二つが水素である、特に好ま
しくは基R1〜R6の四つが水素であるo−フェニルフェ
ノールを使用することが好ましい。o−フェニルフェノ
ールそれ自体が非常に特に好ましい。
【0033】どの場合にも、(II)は、オキサホスホ
リン環の生成のために必要なOHによって置換されてい
ないベンゼン環の少なくとも一つの位置に水素を有す
る。
【0034】第一段階においては、反応は明らかに2つ
の反応相によって進む。第一相においては、1モルのH
Clの脱離によって開鎖構造が形成され[これに関して
はドイツ公開特許明細書第20 34 887号、実施
例1はo−フェニルフェノールのOH基の上のエステル
様構造の式を与えている]、そしてこの開鎖構造は、第
二反応相において、再びHClの脱離によってオキサホ
スホリン環の環状構造に転換される。これらの2つの反
応相は明らかに部分的に重なる可能性がある。これは、
未置換o−フェニルフェノールを例として以下のように
示すことができる:
【0035】
【化7】
【0036】第二段階における加水分解は明らかに以下
のように進む:
【0037】
【化8】
【0038】本発明の肝要な特徴は、以下に更に詳細に
説明する加水分解と合わせた、第一段階における1モル
のo−フェニルフェノールあたり少なくとも0.05モ
ルのモル過剰の未反応PCl3の継続的な維持である。
これは、現行の先行技術からは推論することができなか
った。この方法は、触媒をまさしく初めに又はエステル
化の後でだけ添加するか、PCl3の全体量をまさしく
初めに、部分的に初めにそして部分的に後で添加するか
又は更に全体の反応時間にわたって量り込むかどうか、
そして反応を初めに低い(70〜140℃)又は高い
(180℃)温度で又は閉環の間160〜180℃で又
は更に220℃までで実施するかどうかとは本当に独立
して、信頼性良くそして再現性良く高い収率を与える。
【0039】使用される1モルのo−フェニルフェノー
ルあたり過剰のそれまでのところ未反応のPCl3は、
かくして、第一段階における反応の時間のすべての点に
おいて少なくとも0.05、好ましくは0.08、特に
好ましくは0.1、非常に特に好ましくは少なくとも
0.13モルである。もっと大過剰も可能であるが、経
済的に限定される。かくして、過剰は、1モルのo−フ
ェニルフェノールあたり0.05〜10モル、好ましく
は0.08〜2モル、特に好ましくは0.1〜0.5モ
ルである。この過剰にも拘わらず、1モルのPCl3
1モルのo−フェニルフェノールを各々の場合において
反応のために量り込まなければならない。
【0040】過剰のPCl3は一般には蒸留によって除
去される。CDOPの引き続く反応は、例えば加水分解
においては、残留PCl3による干渉に敏感である。こ
の理由のために、蒸留は真空中で実施しなければならな
い。するとこれは過剰のPCl3を凝縮させそして回収
することを一層困難にし、そして廃ガス流れ中でのその
分解は付加的な努力を要求する。
【0041】PCl3の沸点よりも高くそしてCDOP
の沸点よりも低い沸点を有しそして蒸留によって容易に
除去することができる小量の不活性溶媒の添加は、大気
圧及び中庸な温度での蒸留によるだけでのPCl3の簡
単でかつ完全な除去を可能にし、そして過剰なPCl3
の再使用を可能にすることがここに付加的に見い出され
た。
【0042】PCl3及びo−フェニルフェノールの全
量を反応の初めに添加することができる。これらの2つ
の出発成分の一つを初めに仕込みそして他の一つを量り
込むこともまた可能である。o−フェニルフェノールの
PCl3によるエステル化は、第一ステップにおいて最
初に触媒の非存在下で比較的低い温度で又はその代わり
に触媒の存在下で比較的高い温度で実施することがで
き、CDOPを与える閉環反応もまた同時に進むことが
できる。
【0043】本発明の目的のためには、PCl3の蒸留
可能な除去のための不活性溶媒は、使用される条件下で
使用される他の物質と反応しないものである。沸点は、
有利には約90〜200°、好ましくは100〜180
°、特に好ましくは105〜170°でなければならな
い。
【0044】適切な溶媒は、例えば、脂肪族、芳香族及
び脂環式炭化水素並びにそれらのハロゲン化合物であ
る。メチルシクロヘキサン、イソオクタン、イソデカ
ン、イソドデカン、イソノナン、ジメチルシクロヘキサ
ン、ベンジン例えば石油エーテル、ジシクロペンタン、
デカリン、トルエン、クメン、キシレン、メシチレン、
シメン、クロロベンゼン、クロロトルエン、ブロモベン
ゼン、ジクロロベンゼン、クロロクメン、エチルベンゼ
ン及びジエチルベンゼン及びこれらの複数の混合物を述
べることができる。
【0045】全反応時間の間、未反応PCl3の一定の
レベルを維持しなければならない。これは、使用される
1モルのo−フェニルフェノールあたり少なくとも0.
05モルである。それまでのところ未反応のPCl3
最小量は、存在するPCl3が反応される程度まで更な
る量を量り込むことによって維持しなければならない。
勿論、顕著に多いPCl3が反応混合物中に存在するよ
うにすることもまた可能である。かくして、HCl流れ
によって運び出されるPCl3を考慮して付加的に供給
される量も含む、1バッチのために必要なPCl3の全
量を最初に仕込みそしてo−フェニルフェノールをこの
中に導入することもまた可能である。その際には、PC
3含量のこのモニターを反応時間の終わりに特に集中
しなければならない。何故ならば、最小量よりも下に行
く危険があるのはまさにその時であるからである。
【0046】o−フェニルフェノールを最初に仕込む場
合には、PCl3含量は、全反応時間の間中、モニター
しなければならない。
【0047】これは、例えば、排ガスのPCl3含量の
ガスクロマトグラフの測定によって、又はその他の適切
な方法によって実施することができる。しかしながら、
使用される装置及び反応条件が十分に正確に設計されそ
して適合され、そしてHCl流れを経由するPCl3
損失がこのようにして知られている場合には、反応の終
わりでのPCl3のモニターで十分である可能性があ
る。
【0048】工業的実施のためには、約75℃で沸騰す
るPCl3のための十分に調節された還流コンデンサー
であって、十分に低い温度を有する冷却剤を付加的に供
給することができるコンデンサーを備えることができ
る。更にまた、反応物の制御された添加及び温度の増加
は、HCl発生をそしてかくして放出されるHClの速
度を遅くし、それによってPCl3損失を限界内に保持
することができる。
【0049】反応は、エステル化のためには約80°か
ら閉環のためには約220°までの温度で実施して良
い。反応混合物中のPCl3の所望の最小含量を高温で
維持することができない場合には、これは少し圧力を上
げることによって達成することができる。更にまた、P
Cl3の損失も、反応を圧力下で、例えば1〜15ba
rで、好ましくは1〜10barで実施することによっ
て全反応時間の間、顕著に減らすことができる。
【0050】本発明の方法の第二段階における加水分解
は、第一段階の生成物を溶融液又は不活性溶媒中の溶液
として使用して実施する。この目的のための溶媒は、P
Cl3の除去のために上で述べたのと同じもので良い。
加水分解は、好ましくは、PCl3除去のために使用し
たのと同じ溶媒の溶液中で実施する。
【0051】加水分解に先立って第一段階の生成物を、
例えば結晶化又は真空蒸留によって精製することが有利
である。
【0052】第一段階の反応生成物の蒸留は、減圧下
で、例えば0.01〜50mbarで、好ましくは0.
5〜30mbarで、有利にはフラッシュ蒸発器例えば
落下膜若しくは薄膜蒸発器中で又は当業者には知られて
いる類似の装置中で実施する。完全な加水分解のために
必要とされる水の量は化学量論量である、即ち第一段階
の生成物中の1塩素当量あたり少なくとも1モルの水を
使用しなければならない。本発明に従って使用されるべ
き水の量の範囲は、1塩素当量あたり1〜2モル、好ま
しくは1〜1.7モル、特に好ましくは1〜1.5モル
の水である。
【0053】加水分解は、第一段階の生成物を上で述べ
た溶媒の一つの中に溶かすことによって実施することが
でき、ここで溶媒の量は有利には第一段階の生成物の重
量の0.1〜4倍であり、そして放出される塩化水素の
流れが管理可能に留まるような速度で液体又は蒸気の形
の水を撹拌された溶液中に導入する。溶液を水と混合す
るためには、撹拌容器、循環ポンプ、遠心分離ポンプ、
静的ミキサーを有する混合装置又は向流カラム又は当業
者に知られているその他の適切な装置を使用することが
できる。加水分解は、一般に大気圧又は約3barまで
の少し増加された圧力下で実施する。しかしながら、も
っと高い圧力の使用もまた可能である。
【0054】溶媒中での操作は、反応温度の比較的自由
な選択を与える。何故ならば、結晶点は溶媒の量によっ
て影響されるからである。かくして、温度は50〜15
0℃で変わることができる。それは有利には70〜13
0℃である。終わりには、痕跡のHCl及び水を除去す
るためにそれを140〜170℃にする。
【0055】この後で、ODOPを溶媒から結晶化せし
めることができ、そして次に慣用的なやり方でそれを非
常に純粋な形で単離することができる。これは、例え
ば、生成物が特定の純度要件を満たさなければならない
場合には有利である。しかしながら、一般には溶媒を蒸
留によって、最後は真空中で、約170〜180℃の液
相温度まで除去することができ、そして生成するODO
P溶融液を結晶化しそして包装することができる。これ
らの2つのステップは、例えば、冷却コンベアー、冷却
ローラー又は結晶化スクリュー又はその他の適切な装置
の使用によって実施することができる。
【0056】加水分解はまた、溶媒の添加なしで溶融液
中で直接に実施することができる。この場合には、より
狭い温度範囲が要求される。反応は約90〜95℃で始
まることができる。制御されない結晶化を回避したい場
合には、反応の終わりには、温度は少なくとも120℃
でなければならない。加水分解のために必要な水は、比
較的高い温度のために、有利にはスチームとして、例え
ば反応容器の底に添加するが、上で述べたように、この
目的のための他の適切な装置を使用することもまた可能
である。ここで、少し大気圧より高い圧力下での操作も
また一つの可能性であろう。引き続く反応手順は、溶媒
からの結晶化は明らかにその添加の後でのみ可能である
こと以外は、溶媒を使用する場合におけるようである。
【0057】
【実施例】実施例1 1267g(7.45モル)のo−フェニルフェノール
を、撹拌機、温度計、高効率コンデンサー及び滴下漏斗
を備えた三ッ口フラスコ中に入れ、そして1350g
(9.78モル)の三塩化リンを窒素下でそして撹拌し
ながら約80℃で4時間の期間にわたって滴加したが、
この間に塩化水素が脱離された。滴加したPCl3の量
は、単位時間あたり反応によって消費されたPCl3
量及び少なくとも52gのPCl3(=0.38モル=
1モルのo−フェニルフェノールあたり0.051モ
ル)の過剰分から成っていた。モニターは、取られたサ
ンプルのガスクロマトグラフィーによって又は蒸留処理
によって実施した。コンデンサーに13〜15°の水の
強力な流れを供給した。引き続く6時間の間に、反応温
度はゆっくりとそして着実に80°から約142℃に上
昇した。この後では、フラスコ中に245gのPCl3
(=1モルのo−フェニルフェノールあたり0.24モ
ル)が残っていてそしてHCl放出は止まった。
【0058】6.4gの塩化亜鉛の添加の後で、温度は
13時間の期間にわたって約200°まで着実に上昇し
たが、この時にはHClはもはや放出しなかった。この
後でも、133gのPCl3(=使用された1モルのo
−フェニルフェノールあたり0.13モル)がなお反応
混合物中に残っていた。200gのキシレンの添加の後
で、過剰のPCl3を短いカラムを経由して留去しそし
て別に収集した。これは引き続くバッチにおいて再使用
することができた。PCl3の最後の痕跡は小量のキシ
レンと共に留出したが、これも同様に後で再使用するこ
とができた。得られたキシレン含有混合物には、以後の
反応を施すことができる。それを二つに分け、そして片
方の半分を純粋な6−クロロ−(6H)−ジベンズ−
[c,e][1,2]−オキサホスホリン(CDOP)
を単離する目的のために真空中で蒸留した。160〜1
65℃のトップの温度及び2〜3mbarで、98.8
%のCDOP含量を有する838g(>理論収率の95
%)の水のように透明な留出物が、初期のキシレン留分
の後で留出した。
【0059】実施例2(比較) 実施例1を繰り返したが、コンデンサーには17〜20
°の水を供給した。第一反応相の後で、即ち塩化亜鉛の
添加の前に、反応混合物は、なお1モルのo−フェニル
フェノールあたり0.14モルのPCl3を含んでい
た。塩化亜鉛の添加及び第二反応相の後で、1モルのo
−フェニルフェノールあたり僅かに0.03モルのPC
3がなお、終わりにフラスコ中に残っていた。粗製生
成物の蒸留は、理論収率の78%の収率のCDOPを与
える。
【0060】実施例3(比較) 過剰のPCl3を実施例2による第一反応相の混合物か
ら塩化亜鉛の添加に先立って真空蒸留によって140℃
の液相温度まで除去し、次に塩化亜鉛を添加し、そして
この混合物を実施例1におけるように13時間の期間に
わたって着実に200°まで加熱した場合には、理論収
率の61%の収率のCDOPが得られた。
【0061】実施例4(比較) 816g(4.8モル)のo−フェニルフェノール及び
824g(6.0モル)の三塩化リンを窒素下でそして
撹拌しながらゆっくりと55℃に加熱したが、この間に
はHClの脱離がゆっくりと起きた。一層の加熱はHC
lの放出を加速した。ここでPCl3は還流下で沸騰し
た。約5時間後に、内部温度は約142℃であり、そし
てHClの放出は止まった。この時点で、使用されたo
−フェニルフェノールを基にした過剰の未反応PCl3
は、元の0.25モルから、1モルのo−フェニルフェ
ノールあたり0.14モルであった。
【0062】次に、4.3gのZnCl2を添加し、そ
して塩化水素がもはや放出されなくなるまで、温度を1
0時間の期間にわたって着実に195°に上げた。その
時には、1モルのo−フェニルフェノールあたり0.0
3モルの過剰のPCl3がなお存在していた。CDOP
の収率は理論収率の78%であった。
【0063】実施例5 1045g(7.61モル)の三塩化リンを、1267
g(7.45モル)のo−フェニルフェノール及び6.
4gの塩化亜鉛の混合物に5−1/2時間の期間にわた
って滴加したが、この間には、放出された塩化水素を1
2°の水を供給された高効率コンデンサーを通してそし
て次にドライアイスによって冷却された冷たいトラップ
を通して流した。この時間の間は、温度は160〜16
6°であり、そしてPCl3は還流下で沸騰した。
【0064】次に、追加の360gのPCl3を165
〜168°で滴加し、そしてHCl放出を伴いながら、
この混合物を還流下で12時間維持した。明確に認識し
得る還流が十分に過剰なPCl3を示していたが、これ
は採取したサンプルによって確認されそして実験の繰り
返しにおけるガイドラインとして役立つことができた。
最後の温度は168〜169°であった。約300gの
キシレンを添加し、そして全部で約168gのPCl3
を、まず単独でそして次にキシレンの一部と一緒に、留
去した。また約190gのPCl3が冷たいトラップ中
に存在したので、その結果全部で約1215gのPCl
3が消費された。理論的には、それは1023gでなけ
ればならなかったので、約192gが、HCl流れの中
にそして移動及び凝縮の間の蒸発プロセスの結果として
失われた。
【0065】反応の終わりにおいて混合物中になお存在
した約190gのPCl3(冷たいトラップの内容物)
の量から、過剰のPCl3は、HClの放出が止まった
時点で、使用された1モルのo−フェニルフェノールあ
たり0.186モルであったと計算することができる。
【0066】PCl3を留去した後で得られたキシレン
中の反応混合物の溶液を真空中で蒸発させ、そして反応
生成物を高真空中で蒸留した(0.3〜0.4mbar
で159〜163°)。
【0067】これは、1719g(理論収率の98%)
の水のように透明な留出物及び30gの茶色の樹脂状残
渣を与えた。
【0068】実施例6 実施例1を、同一のやり方で小量のキシレンと一緒の最
後の痕跡のPCl3の蒸留までを繰り返した。
【0069】蒸留残渣を、160〜165°のトップの
温度及び2〜3mbarで蒸留した。小量のキシレンの
初期留分の後で、1675gの生成物が留出したが、こ
れは>95%の蒸留収率に対応する。
【0070】得られた留出物をほぼ等しい量のキシレン
中に溶かし、そして化学量論的に必要とされる量よりも
約2.5g多い131.1g(7.29モル)のH2
と激しい撹拌下で80℃で3時間の期間にわたって滴下
混合したが、HClが脱離した。主な量のHClが放出
された後で、温度を、混合物が還流下で沸騰するまで上
げ、そしてこれを約2時間維持した。次にこの溶液を二
つに分けた。
【0071】実施例6a) 実施例1において得られた溶液のパート1を、ゆっくり
と低下する圧力での沸騰による冷却下で結晶化させた。
無色の結晶スラリーを吸引濾過し、キシレンで洗浄し、
そして乾燥した。これは、99.9%のODOP含量、
0.01%のo−フェニルフェノール含量及び50pp
mの塩素含量を有する685gの白い結晶粉末を与え
た。
【0072】母液はまだ約93gのODOPを含んでい
たが、これは後の結晶化バッチのために使用することが
できる。
【0073】実施例6b) 実施例1において得られた溶液のパート2を、真空中で
約170℃までで溶媒を無くし、そして次に小さなスク
リュー中で溶融液として結晶化させた。これは、99.
7%のODOP含量、0.26%のo−フェニルフェノ
ール含量及び250ppmの塩素含量を有する760g
の白い粒状化生成物を与えた。
【0074】実施例7a) 実施例5において得られた留出物の868.1g(3.
7塩素当量に対応する)を、400gのキシレン中に溶
かし、そして2時間の期間にわたって65.4g(3.
63モル)の水と激しく撹拌しながら80℃で滴下混合
したが、この間には激しいHCl放出が起きた。全部で
3時間の後では、温度が135〜140℃に上がってい
てそしてHClの生成は非常に少なくなっていた。溶液
の塩素含量は0.35%であった。次に、更に4.1g
(0.23モル)の水を滴加し、そして更に3〜4時間
で加水分解を完了した。
【0075】N2ガスを流し込みながら170〜180
℃の液相温度まで真空中でキシレンを留去した後で、実
質的に無色の溶融液が残ったが、これを圧力フィルター
を通して濾過して濁りを除去すると、透明な溶融液が得
られ、更にこれを結晶化スクリュー中で結晶化させた。
【0076】収率:794.8g、即ち使用されたo−
フェニルフェノールを基にして、理論収率の98.0% ハーゼン色No.:10(アセトン中の10%濃度溶
液)含量 : 塩素:50ppm ODOP:99.8% o−フェニルフェノール:0.06%実施例7b) 実施例5からの留出物のもう一つのパートをほぼ等しい
量のキシレン中に溶かし、そして実施例7aにおけるよ
うに加水分解した。得られた熱い溶液を濾過して少しの
濁りを除去し、そして次に125℃の温度で開始し約3
0mbarまで圧力をゆっくりと低下させることによっ
て、沸騰による冷却によって撹拌しながら結晶化させ
た。得られた無色結晶スラリーを吸引濾過し、キシレン
で洗浄しそして乾燥した。
【0077】洗浄後に、結晶スラリーを、実施例7a中
で上で述べたように、最後には真空中でキシレンを留去
しながら、再溶融し、そして再び結晶化スクリュー中で
結晶化させた。
【0078】収率:o−フェニルフェノールを基にして
88%含量 : ODOP:99.9% o−フェニルフェノール:0.01% 生成されたODOPの約11%を含むキシレン含有母液
は、次のバッチにおいて再使用することができた。する
と、収率は、o−フェニルフェノールを基にして理論収
率の約98%まで上昇した。
【0079】実施例7c) 実施例5からの留出物の最後のパートの304g(1.
30塩素当量に対応する)をフラスコ中で溶融させそし
て120〜130℃にした。激しく撹拌しながら、2
8.8g(1.60モル)の量の水を、3〜4時間の期
間にわたってフラスコの底のフレットを通してスチーム
として吹き込んだ。ここで放出された塩化水素の流れ
は、コンデンサーを経由して外に導いた。
【0080】加水分解が完了した後で、少し黄色味を帯
びた溶融液が得られたが、これを結晶化させた。
【0081】収率:275.8g、即ちo−フェニルフ
ェノールを基にして、理論収率の98.3% ハーゼン色No.:15(アセトン中の10%濃度溶
液)含量 : 塩素:81ppm ODOP:99.8% o−フェニルフェノール:0.01%実施例8 (比較) 450g(3.28モル)のPCl3を、3.5時間の
期間にわたって422g(2.48モル)のo−フェニ
ルフェノールに80〜115℃で滴加したが、この間に
はHClの激しい流れが放出された。更に3時間後に
は、内部温度は150℃でありそしてHClの放出は衰
えていた。2.1gのZnCl2を添加し、そして約2
00℃の温度まで加熱を6時間続けた。全反応時間の
間、冷却水温度は約16〜19℃を変動した。反応時間
の終わりには、過剰のPCl3は、使用された1モルの
o−フェニルフェノールあたり0.04モルであった。
【0082】実施例1と類似の方法を使用した生成物の
蒸留は、82%の蒸留収率を与えた。
【0083】実施例6におけるような加水分解の後で、
4.2%のo−フェニルフェノール含量を有するODO
Pが得られた。
【0084】本発明の主なる特徴及び態様は以下の通り
である。
【0085】1. 式
【0086】
【化9】
【0087】[式中、R1〜R6は、同一又は異なってい
てそして水素、ハロゲン、C1〜C4−アルキル又はC1
〜C4−アルコキシである]の6−オキソ−(6H)−
ジベンズ−[c,e][1,2]−オキサホスホリン
(ODOP)を製造するための方法であって、式
【0088】
【化10】
【0089】[式中、R1〜R6は上で定義された通りで
ある]のo−フェニルフェノールを、第一段階において
70〜220℃の範囲の高められた温度で塩化水素の脱
離を伴ってルイス酸の存在下で三塩化リンと反応させ、
そして第二段階において第一段階の生成物を加水分解す
ることによる方法において、第一段階の全反応時間の
間、使用される1モルのo−フェニルフェノールあたり
少なくとも0.05モルの量の未反応三塩化リンを反応
混合物中で維持し、そして過剰のPCl3の除去の後
で、第一段階の生成物を溶融液として又は不活性溶媒中
に溶かして、第一段階の生成物の1塩素当量あたり1〜
2、好ましくは1〜1.7、特に好ましくは1〜1.5
モルのH2Oと50〜150℃で、好ましくは70〜1
30℃で反応させ、そして140〜170℃に加熱する
ことによってHCl及び残留H2Oを除去することを特
徴とする方法。
【0090】2. 第一段階の完了の後で、PCl3
沸点よりも高くそして6−クロロ−(6H)−ジベンズ
−[c,e][1,2]−オキサホスホリンの沸点より
も低い沸点を有する不活性溶媒の存在下で蒸留によって
反応混合物から過剰のPCl3を除去することを特徴と
する、上記1記載の方法。
【0091】3. 基R1〜R6の二つが水素であるこ
と、好ましくは基R1〜R6の四つが水素であること、そ
して特に好ましくはすべての基R1〜R6が水素であるこ
とを特徴とする、上記1記載の方法。
【0092】4. 反応を、第一段階の第一反応相にお
いてはルイス酸なしで70〜140℃の範囲でそして第
一段階の第二反応相においてはルイス酸の存在下で16
0〜220℃の範囲で実施することを特徴とする、上記
1記載の方法。
【0093】5. 90〜200℃、好ましくは100
〜180℃、特に好ましくは105〜170℃の範囲の
沸点を有する溶媒を使用することを特徴とする、上記2
記載の方法。
【0094】6. メチルシクロヘキサン、イソオクタ
ン、イソデカン、イソドデカン、イソノナン、ジメチル
シクロヘキサン、ベンジン例えば石油エーテル、ジシク
ロペンタン、デカリン、トルエン、クメン、キシレン、
メシチレン、シメン、クロロベンゼン、クロロトルエ
ン、ブロモベンゼン、ジクロロベンゼン、クロロクメ
ン、エチルベンゼン及びジエチルベンゼンから成る群か
ら選ばれた一つの溶媒又は複数の溶媒の混合物を使用す
ることを特徴とする、上記5記載の方法。
【0095】7. 第二段階における加水分解を、第一
段階におけるPCl3の除去のために使用される溶媒の
一つを使用して実施することを特徴とする、上記1記載
の方法。
【0096】8. 第一及び第二段階において同じ溶
媒、好ましくはキシレンを使用することを特徴とする、
上記7記載の方法。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (31)優先権主張番号 19505353.2 (32)優先日 1995年2月17日 (33)優先権主張国 ドイツ(DE) (72)発明者 ベルント・グリーゼル ドイツ46242ボトロツプ・インデアシヤン ツエ53 (72)発明者 ヨアヒム・コモシンスキ ドイツ51061ケルン・ゲルステンカンプ16

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式 【化1】 [式中、 R1〜R6は、同一又は異なっていてそして水素、ハロゲ
    ン、C1〜C4−アルキル又はC1〜C4−アルコキシであ
    る]の6−オキソ−(6H)−ジベンズ−[c,e]
    [1,2]−オキサホスホリン(ODOP)を製造する
    ための方法であって、式 【化2】 [式中、 R1〜R6は上で定義された通りである]のo−フェニル
    フェノールを、第一段階において70〜220℃の範囲
    の高められた温度で塩化水素の脱離を伴ってルイス酸の
    存在下で三塩化リンと反応させ、そして第二段階におい
    て第一段階の生成物を加水分解することによる方法にお
    いて、第一段階の全反応時間の間、使用される1モルの
    o−フェニルフェノールあたり少なくとも0.05モル
    の量の未反応三塩化リンを反応混合物中で維持し、そし
    て過剰のPCl3の除去の後で、第一段階の生成物を溶
    融液として又は不活性溶媒中に溶かして、第一段階の生
    成物の1塩素当量あたり1〜2、好ましくは1〜1.
    7、特に好ましくは1〜1.5モルのH2Oと50〜1
    50℃で、好ましくは70〜130℃で反応させ、そし
    て140〜170℃に加熱することによってHCl及び
    残留H2Oを除去することを特徴とする方法。
JP7259537A 1994-09-19 1995-09-13 6−オキソ−(6H)−ジベンズ−[c,e][1,2]−オキサホスホリンを製造するための方法 Pending JPH0899983A (ja)

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DE19505353.2 1995-02-17
DE19505352.4 1995-02-17
DE19505353A DE19505353A1 (de) 1994-09-19 1995-02-17 Verfahren zur Herstellung von 6-Chlor-(6H)-dibenz-[c,e][1,2]-oxaphosphorinen (CDOP)

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