JPH08991B2 - 耐発錆性に優れた亜鉛被覆鋼板およびその製造方法 - Google Patents
耐発錆性に優れた亜鉛被覆鋼板およびその製造方法Info
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- JPH08991B2 JPH08991B2 JP62289587A JP28958787A JPH08991B2 JP H08991 B2 JPH08991 B2 JP H08991B2 JP 62289587 A JP62289587 A JP 62289587A JP 28958787 A JP28958787 A JP 28958787A JP H08991 B2 JPH08991 B2 JP H08991B2
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Description
【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は大気環境で腐食したときの赤錆の発生を抑制
した耐発錆性に優れた鋼材に関するものである。
した耐発錆性に優れた鋼材に関するものである。
(従来技術) 普通鋼は安価な鋼として一般の構造用材を初めとし
て、あらゆる分野で幅広く使用されている。しかし一般
環境においても容易に赤錆が発生するため表面にめっき
したり、塗料を塗布したりして防食して使用している。
しかし、海岸付近やその隣接地帯など、塩分を含んだ大
気が存在する環境や、工業地帯など粉塵や亜硫酸ガスを
含む大気が存在する環境においては、表面処理膜が薄い
場合には容易に破壊され、短期間で発錆し腐食してしま
う。そのため屋根や外板部など腐食部分の補修や交換な
ど使用部材の管理に多大な労力と費用をようしている。
そこで赤錆の発生を防止するために、厚めっきしたり、
多重塗装した材料が使用されているが、このような表面
処理を施こすと材料のコストは高くなる。また、十分な
表面処理を行なった材料を用いても、外来の接触や衝撃
によっては、表面処理部が破壊され、割れたり剥がれた
りすると、その部分から容易に錆が生じ隙間腐食となっ
て成長し大きな腐食となってしまう。
て、あらゆる分野で幅広く使用されている。しかし一般
環境においても容易に赤錆が発生するため表面にめっき
したり、塗料を塗布したりして防食して使用している。
しかし、海岸付近やその隣接地帯など、塩分を含んだ大
気が存在する環境や、工業地帯など粉塵や亜硫酸ガスを
含む大気が存在する環境においては、表面処理膜が薄い
場合には容易に破壊され、短期間で発錆し腐食してしま
う。そのため屋根や外板部など腐食部分の補修や交換な
ど使用部材の管理に多大な労力と費用をようしている。
そこで赤錆の発生を防止するために、厚めっきしたり、
多重塗装した材料が使用されているが、このような表面
処理を施こすと材料のコストは高くなる。また、十分な
表面処理を行なった材料を用いても、外来の接触や衝撃
によっては、表面処理部が破壊され、割れたり剥がれた
りすると、その部分から容易に錆が生じ隙間腐食となっ
て成長し大きな腐食となってしまう。
一方、表面処理を施さないでも、優れた耐候性を有す
るステンレス鋼の使用が考えられるが、ステンレス鋼は
海岸地帯など、Cl-が存在するような環境では軽微な発
錆を示すことがある。軽微な発錆であっても赤錆となる
ため外装材としての方面では美感をそこねるため問題と
なり、また耐候性を上げるためCrやMoを増すと高価とな
る。
るステンレス鋼の使用が考えられるが、ステンレス鋼は
海岸地帯など、Cl-が存在するような環境では軽微な発
錆を示すことがある。軽微な発錆であっても赤錆となる
ため外装材としての方面では美感をそこねるため問題と
なり、また耐候性を上げるためCrやMoを増すと高価とな
る。
(発明が解決しようとする問題点) 以前から、亜鉛鉄板や塗装鋼板など、表面処理材が住
宅建材として利用されているが、その需要の増加と共に
赤錆の発生や腐食に対する問題が表面化してきた。この
ことから、外装材や構造用材等としては耐久性があり、
比較的安価な高耐候性材料の開発の要望があった。
宅建材として利用されているが、その需要の増加と共に
赤錆の発生や腐食に対する問題が表面化してきた。この
ことから、外装材や構造用材等としては耐久性があり、
比較的安価な高耐候性材料の開発の要望があった。
本発明者らはこれらの点について注目し、素材の耐候
性や表面処理方法およびその製造方法の面から研究開発
を進めてきた。
性や表面処理方法およびその製造方法の面から研究開発
を進めてきた。
(問題を解決するための手段) 本発明は、従来の普通鋼では十分に補えなかった素地
の耐発錆性を向上させ、その表面を防食するために必要
な最低の表面処理を施し、安価でしかも容易に製造出来
る被覆鋼板とその製造方法を見出した。また、この方法
で造られた鋼板は表面での疵や隙間部での局部腐食に対
して十分に保護され、しかも海岸付近など塩分を含んだ
大気が存在する環境において、十分な耐食性を示した。
の耐発錆性を向上させ、その表面を防食するために必要
な最低の表面処理を施し、安価でしかも容易に製造出来
る被覆鋼板とその製造方法を見出した。また、この方法
で造られた鋼板は表面での疵や隙間部での局部腐食に対
して十分に保護され、しかも海岸付近など塩分を含んだ
大気が存在する環境において、十分な耐食性を示した。
本発明では、その表面にZnを主成分とし、FeおよびN
i,Coの一種または二種以上の電気めっきを施すことを前
提として素材鋼を開発し、めっきの密着性およびめっき
の難易性などのめっき性の面からと、素地の耐食性(耐
孔食性、耐隙間腐食性など)と、めっき材との電気化学
的な犠牲防食効果について研究を行なってきた。
i,Coの一種または二種以上の電気めっきを施すことを前
提として素材鋼を開発し、めっきの密着性およびめっき
の難易性などのめっき性の面からと、素地の耐食性(耐
孔食性、耐隙間腐食性など)と、めっき材との電気化学
的な犠牲防食効果について研究を行なってきた。
(発明の構成) 本発明は 重量%で, C:0.10%以下, Si:1.0%以下, Mn:1.0%以下, Cr:2.0〜18.0%, Ni:0.05〜1.0%, P:0.1%以下, S:0.03%以下, を含み,場合によってはさらに, Mo:0.5%以下, Cu:0.5%以下 の一種または二種を含み, 残余はFeおよび不可避的不純物よりなる鋼板に,Znめ
っきまたはZnを主成分としFe,Ni,Coの一種または二種以
上を含むZn合金めっきを施してなる耐発錆性に優れた亜
鉛被覆鋼板を提供する。
っきまたはZnを主成分としFe,Ni,Coの一種または二種以
上を含むZn合金めっきを施してなる耐発錆性に優れた亜
鉛被覆鋼板を提供する。
また,本発明によれば,当該鋼板に前記のめっきを施
すにあたり,該鋼板をめっき溶液に浸漬し,該鋼板を陰
極として1A/dm2以下の低電流密度で表面を還元して活性
状態にしてから,引続き2〜100A/dm2の電流密度で電気
めっきすることを特徴とする耐発錆性に優れた亜鉛被覆
鋼板の製造方法を提供する。
すにあたり,該鋼板をめっき溶液に浸漬し,該鋼板を陰
極として1A/dm2以下の低電流密度で表面を還元して活性
状態にしてから,引続き2〜100A/dm2の電流密度で電気
めっきすることを特徴とする耐発錆性に優れた亜鉛被覆
鋼板の製造方法を提供する。
電気めっき用鋼として、成分を限定した理由を述べ
る。
る。
Cはフェライト相では炭化物を形成し、局部腐食の要
因となるため少ないほうが好ましいが、本発明では、上
限は通常の製造工程で可能な0.10%以下とした。
因となるため少ないほうが好ましいが、本発明では、上
限は通常の製造工程で可能な0.10%以下とした。
Siは鋼の脱酸剤として使用されたものが残留する程度
とし、その上限を1.0%までとした。
とし、その上限を1.0%までとした。
Mnは脱酸剤として有効な成分で、製造上必要な量と
し、その上限は1.0%までとした。
し、その上限は1.0%までとした。
Crは耐食性に最も有効に作用し、2.0%以上含有され
ると、耐食性に及ぼす効果が表れ、3.0%以上になると
顕著な効果として認められる。Crを多量に含有すると不
動態化特性が良くなり、めっき性が低下し製造性が悪く
なるため、上限は18.0%までとした。
ると、耐食性に及ぼす効果が表れ、3.0%以上になると
顕著な効果として認められる。Crを多量に含有すると不
動態化特性が良くなり、めっき性が低下し製造性が悪く
なるため、上限は18.0%までとした。
Niは耐食性の改善に有効であるが、多量に含有すると
高価になるため、その上限は1.0%までとした。
高価になるため、その上限は1.0%までとした。
Pは製造上不可避的な元素である。Pの増加はめっき
の前処理(不動態皮膜が除去しやすくなる。)に有効に
作用するが、Pが多量に含有すると粒間腐食が激しくな
る。またPを極端に低くすることは脱Pに対するコスト
が大きくなり、安価なめっき用鋼板としてのメリットは
無くなる。これらの点を考慮し、Pは製造上特別な処理
をすることなく、含有する範囲としその上限は0.1%ま
でとした。
の前処理(不動態皮膜が除去しやすくなる。)に有効に
作用するが、Pが多量に含有すると粒間腐食が激しくな
る。またPを極端に低くすることは脱Pに対するコスト
が大きくなり、安価なめっき用鋼板としてのメリットは
無くなる。これらの点を考慮し、Pは製造上特別な処理
をすることなく、含有する範囲としその上限は0.1%ま
でとした。
Sは硫化物を形成し、発錆の起点となって悪影響をお
よぼすため、少ないほうが好ましいが、通常の製造で含
まれる範囲とし、その上限は0.03%までとした。
よぼすため、少ないほうが好ましいが、通常の製造で含
まれる範囲とし、その上限は0.03%までとした。
Moは耐食性に有効な元素で、多いほど好ましいが高価
になるため、上限は0.5%までとした。
になるため、上限は0.5%までとした。
Cuは耐食性に有効に作用するが、多量に含有すると製
造上問題となることから、上限は0.5%までとした。
造上問題となることから、上限は0.5%までとした。
これらの鋼を用いて、表面にZn単独、あるいはZnを主
成分としFeおよびNi,Coの一種または二種以上の合金め
っきを行なうことによって、耐発錆性を有するめっき鋼
板材を製造しうる。
成分としFeおよびNi,Coの一種または二種以上の合金め
っきを行なうことによって、耐発錆性を有するめっき鋼
板材を製造しうる。
これらのめっき基体用鋼を用いて目的とするめっきを
行なうには、先ず基体鋼板の表面を活性化しなければな
らない。
行なうには、先ず基体鋼板の表面を活性化しなければな
らない。
一般に、母材が普通鋼の場合は表面が活性化されやす
く、前処理を施すことなく、直接めっきすることが出来
る。
く、前処理を施すことなく、直接めっきすることが出来
る。
一方ステンレス鋼はその表面が不動態皮膜で保護され
ているため、直接にめっきすることは出来ないしめっき
性も悪い。そのため、表面の不動態皮膜を除去する必要
があり、通常HFやHNO3,HCl,H2SO4などの水溶液に浸漬す
る方法か、または上記の溶液に浸漬後、電解する方法で
おこなわれている。しかも、表面の不動態皮膜を除去
後、ただちにめっき処理を行なわないと、表面は再不動
態化してめっき性は悪くなる。
ているため、直接にめっきすることは出来ないしめっき
性も悪い。そのため、表面の不動態皮膜を除去する必要
があり、通常HFやHNO3,HCl,H2SO4などの水溶液に浸漬す
る方法か、または上記の溶液に浸漬後、電解する方法で
おこなわれている。しかも、表面の不動態皮膜を除去
後、ただちにめっき処理を行なわないと、表面は再不動
態化してめっき性は悪くなる。
しかし本発明によるめっき基体用鋼を用い、Znを主体
としNi,Fe,Coなどを単独または複合で含む硫酸系のめっ
き溶液中に浸漬後、先ずめっき処理と同じく鋼板側を陰
極として1A/dm2以下の低電流密度で表面の皮膜を還元し
て活性化状態にしその後、目的とする元素のめっき条件
にあった電流密度(2〜100A/dm2)に上げてめっきを行
なえば、表面の皮膜を還元し、活性化状態にした後、大
気に触れることなく、連続的にめっきすることが出来
る。この場合には、ステンレス鋼に見られた不動態皮膜
を除去するために用いたHFやHNO3,H2SO4,HClなどの水溶
液を使用することなく、表面を活性化状態にし容易にめ
っきすることが可能である。
としNi,Fe,Coなどを単独または複合で含む硫酸系のめっ
き溶液中に浸漬後、先ずめっき処理と同じく鋼板側を陰
極として1A/dm2以下の低電流密度で表面の皮膜を還元し
て活性化状態にしその後、目的とする元素のめっき条件
にあった電流密度(2〜100A/dm2)に上げてめっきを行
なえば、表面の皮膜を還元し、活性化状態にした後、大
気に触れることなく、連続的にめっきすることが出来
る。この場合には、ステンレス鋼に見られた不動態皮膜
を除去するために用いたHFやHNO3,H2SO4,HClなどの水溶
液を使用することなく、表面を活性化状態にし容易にめ
っきすることが可能である。
めっきによる目付量が多いほど鋼の耐発錆性は優れた
特性を示すが、目付量が多いほどめっき時間が長くな
り、製造能率は悪くなり(ラインでの通板速度が遅くな
り)、しかもコスト高となって利点は無くなる。
特性を示すが、目付量が多いほどめっき時間が長くな
り、製造能率は悪くなり(ラインでの通板速度が遅くな
り)、しかもコスト高となって利点は無くなる。
(発明の具体的開示) 以下に本発明を実施例によって詳細に説明する。第1
表に本発明に用いためっき用基体鋼の代表的な成分を示
す。第1表において、試料A〜Dは本発明にかヽる鋼
で、E,Fは比較材である。第2表にZnおよびZnの合金め
っきに用いためっき浴の組成を示す。第3表に第1表の
めっき用鋼と市販の普通鋼およびSUS 430を用い、めっ
きされる鋼材側を陰極としてZn硫酸系めっき浴でめっき
(還元電流密度=0.3〜0.5A/dm2×10sec:Znめっき電流
密度=20±5A/dm2×約30sec)した鋼材のめっき目付量
とめっき密着性の試験結果および発錆性の試験結果を示
す。めっき密着性の試験は90°の繰返し曲げを行ない、
クラックや剥離の発生状態で評価する方法、およびめっ
き面に1mm角の碁盤の目をカッターなどで1cm四方に傷を
入れ、その面にセロハンテープを張付け、セロハンテー
プを再度剥がす時、碁盤の目に傷つけためっきの部分が
剥がれるか否かで評価する方法で行なった。発錆性の評
価は塩水噴霧試験、迅速環境サイクル試験および乾湿交
番試験を行ない、赤錆が発生するまでの噴霧時間や試験
サイクル数で行なった。塩水噴霧試験はJIS-Z-2371に準
じて行なった。迅速環境サイクル試験は、人口海水噴霧
(塩付着量=0.05mg/cm2)→湿潤(30℃×60min:湿度=
80%)→乾燥(40℃×30min:湿度=50%)→水洗(シャ
ワー:10min)→乾燥(40℃×80min:湿度=35%)を1サ
イクルとした方法で行なった。乾湿交番試験は塩水噴霧
(3.5%NaCl×3Hr)→乾燥(50℃×3Hr:湿度=35〜40
%)→湿潤(60℃×3Hr:湿度=90〜95%)を1サイクル
とした方法で行なった。
表に本発明に用いためっき用基体鋼の代表的な成分を示
す。第1表において、試料A〜Dは本発明にかヽる鋼
で、E,Fは比較材である。第2表にZnおよびZnの合金め
っきに用いためっき浴の組成を示す。第3表に第1表の
めっき用鋼と市販の普通鋼およびSUS 430を用い、めっ
きされる鋼材側を陰極としてZn硫酸系めっき浴でめっき
(還元電流密度=0.3〜0.5A/dm2×10sec:Znめっき電流
密度=20±5A/dm2×約30sec)した鋼材のめっき目付量
とめっき密着性の試験結果および発錆性の試験結果を示
す。めっき密着性の試験は90°の繰返し曲げを行ない、
クラックや剥離の発生状態で評価する方法、およびめっ
き面に1mm角の碁盤の目をカッターなどで1cm四方に傷を
入れ、その面にセロハンテープを張付け、セロハンテー
プを再度剥がす時、碁盤の目に傷つけためっきの部分が
剥がれるか否かで評価する方法で行なった。発錆性の評
価は塩水噴霧試験、迅速環境サイクル試験および乾湿交
番試験を行ない、赤錆が発生するまでの噴霧時間や試験
サイクル数で行なった。塩水噴霧試験はJIS-Z-2371に準
じて行なった。迅速環境サイクル試験は、人口海水噴霧
(塩付着量=0.05mg/cm2)→湿潤(30℃×60min:湿度=
80%)→乾燥(40℃×30min:湿度=50%)→水洗(シャ
ワー:10min)→乾燥(40℃×80min:湿度=35%)を1サ
イクルとした方法で行なった。乾湿交番試験は塩水噴霧
(3.5%NaCl×3Hr)→乾燥(50℃×3Hr:湿度=35〜40
%)→湿潤(60℃×3Hr:湿度=90〜95%)を1サイクル
とした方法で行なった。
密着性の試験法および評価は次の通りである。密着性
試験A法(90°繰返し曲げによる密着性試験) ◎:3回以上繰返し曲げをしても割れ剥離が無い ○:3回繰返し曲げでしわ発生 △:3回繰返し曲げ割れ発生 密着性試験B法(セロテープによる密着性試験法) ◎:剥離無し ○:5%以下の僅かな剥離が発生 △:5〜15%の剥離が発生 発錆の試験法および評価は次の通りである。
試験A法(90°繰返し曲げによる密着性試験) ◎:3回以上繰返し曲げをしても割れ剥離が無い ○:3回繰返し曲げでしわ発生 △:3回繰返し曲げ割れ発生 密着性試験B法(セロテープによる密着性試験法) ◎:剥離無し ○:5%以下の僅かな剥離が発生 △:5〜15%の剥離が発生 発錆の試験法および評価は次の通りである。
発錆試験1法(塩水噴霧試験:GIS-Z-2371) 赤錆発生までの塩水噴霧試験時間 発錆試験2法(迅速環境サイクル試験) 赤錆発生までサイクル数 発錆試験3法(乾湿交番試験) 赤錆発生までサンクル数 (実施例1) 第3表において、本発明に用いためっき基体用鋼板に
めっきした鋼板は、めっきの密着性もよく、しかも優れ
た耐発錆性を示した。普通鋼や2%未満の低クロム材は
めっきの密着性はよいが耐発錆性でかなり劣る。また18
%を越える高クロムになると、不動態皮膜が強くなり低
電流還元法では皮膜が除去できなくなり、めっきの密着
性は悪く、しかもめっきむらが生じ製品価値がなくな
る。SUS 430と比較しても、本発明のめっき鋼板は優れ
た耐発錆性を有していることがわかる。
めっきした鋼板は、めっきの密着性もよく、しかも優れ
た耐発錆性を示した。普通鋼や2%未満の低クロム材は
めっきの密着性はよいが耐発錆性でかなり劣る。また18
%を越える高クロムになると、不動態皮膜が強くなり低
電流還元法では皮膜が除去できなくなり、めっきの密着
性は悪く、しかもめっきむらが生じ製品価値がなくな
る。SUS 430と比較しても、本発明のめっき鋼板は優れ
た耐発錆性を有していることがわかる。
(実施例2) 第4表において、本発明に用いためっき用鋼(試料C
−1)にめっき(還元電流密度=0.3〜0.5A/dm2×10se
c:Znめっき電流密度=20±5A/dm2×10〜200sec)した鋼
材のめっき目付量とめっき密着性および耐発錆性の試験
結果を示す。めっき目付量が多いほど耐発錆性は向上し
てゆくが、目付量が10g/m2以上になると密着性での曲げ
試験法において、しわが発生しはじめる。この結果よ
り、本発明のめっき鋼板は薄めっきでも十分な耐発錆性
を有していることがわかる。
−1)にめっき(還元電流密度=0.3〜0.5A/dm2×10se
c:Znめっき電流密度=20±5A/dm2×10〜200sec)した鋼
材のめっき目付量とめっき密着性および耐発錆性の試験
結果を示す。めっき目付量が多いほど耐発錆性は向上し
てゆくが、目付量が10g/m2以上になると密着性での曲げ
試験法において、しわが発生しはじめる。この結果よ
り、本発明のめっき鋼板は薄めっきでも十分な耐発錆性
を有していることがわかる。
(実施例3) 第5表に本発明に用いためっき基板用鋼(試料C−
1)に、めっきの組成を変えてめっき(還元電流密度=
0.3〜0.5A/dm2×10sec:Zn-Ni,Zn-Fe,Zn-Co,Zn-Fe-Ni-Co
のめっき電流密度=2〜80A/dm2≒30sec)しためっき鋼
板のめっき組成とめっき密着性および耐発錆性の試験結
果を示す。めっき組成が変わっても、めっきの密着性は
優れている。めっき組成がZnの単独めっきよりも、Fe,N
i,Coと合金化することによって耐発錆性はよくなり、と
くにCoは少ない含有量で大きな向上が見られる。
1)に、めっきの組成を変えてめっき(還元電流密度=
0.3〜0.5A/dm2×10sec:Zn-Ni,Zn-Fe,Zn-Co,Zn-Fe-Ni-Co
のめっき電流密度=2〜80A/dm2≒30sec)しためっき鋼
板のめっき組成とめっき密着性および耐発錆性の試験結
果を示す。めっき組成が変わっても、めっきの密着性は
優れている。めっき組成がZnの単独めっきよりも、Fe,N
i,Coと合金化することによって耐発錆性はよくなり、と
くにCoは少ない含有量で大きな向上が見られる。
(発明の効果) 上述のように、本発明のめっき鋼板は薄い目付量で赤
錆の発生を防止し、しかも優れた耐発錆性を有する。ま
ためっき法については、同一のめっき浴内で容易にめっ
きでき、しかも薄い目付量であることから短時間で速く
めっきできる。それゆえ、めっき操作は非常に簡単でし
かも低コストでできる。
錆の発生を防止し、しかも優れた耐発錆性を有する。ま
ためっき法については、同一のめっき浴内で容易にめっ
きでき、しかも薄い目付量であることから短時間で速く
めっきできる。それゆえ、めっき操作は非常に簡単でし
かも低コストでできる。
めっき基体用鋼の製造については、溶製において脱P
等の特別な操業を必要とせず、低コストで製造でき、め
っきの製造費を加算して考えても安価な鋼材であること
がわかる。
等の特別な操業を必要とせず、低コストで製造でき、め
っきの製造費を加算して考えても安価な鋼材であること
がわかる。
本発明のめっき鋼板は住宅建材での屋根材や外装材お
よび家電製品の外板材など、屋内外での一般的な構造部
材のすべてに使用できる。
よび家電製品の外板材など、屋内外での一般的な構造部
材のすべてに使用できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C25D 5/26 H (72)発明者 大橋 秀次 山口県新南陽市大字富田4976番地 日新製 鋼株式会社周南研究所内 (56)参考文献 特開 昭63−76892(JP,A) 特開 昭63−11691(JP,A) 日本学術振興会製鋼第19委員会編「鉄鋼 と合金元素(上)」(昭和41−2−28)誠 文堂新光社P.332−333
Claims (4)
- 【請求項1】重量%で, C:0.10%以下, Si:1.0%以下, Mn:1.0%以下, Cr:2.0〜18.0%, Ni:0.05〜1.0%, P:0.1%以下, S:0.03%以下, 残余はFeおよび不可避的不純物よりなる鋼板に,Znめっ
きまたはZnを主成分としFe,Ni,Coの一種または二種以上
を含むZn合金めっきを施してなる耐発錆性に優れた亜鉛
被覆鋼板。 - 【請求項2】重量%で, C:0.10%以下, Si:1.0%以下, Mn:1.0%以下, Cr:2.0〜18.0%, Ni:0.05〜1.0%, P:0.1%以下, S:0.03%以下, を含み,さらに, Mo:0.5%以下, Cu:0.5%以下 の一種または二種を含み, 残余はFeおよび不可避的不純物よりなる鋼板に,Znめっ
きまたはZnを主成分としFe,Ni,Coの一種または二種以上
を含むZn合金めっきを施してなる耐発錆性に優れた亜鉛
被覆鋼板。 - 【請求項3】重量%で, C:0.10%以下, Si:1.0%以下, Mn:1.0%以下, Cr:2.0〜18.0%, Ni:0.05〜1.0%, P:0.1%以下, S:0.03%以下, 残余はFeおよび不可避的不純物よりなる鋼板に,Znめっ
きまたはZnを主成分としFe,Ni,Coの一種または二種以上
を含むZn合金めっきを施すにあたり,該鋼板をめっき溶
液に浸漬し,該鋼板を陰極として1A/dm2以下の低電流密
度で表面を還元して活性状態にしてから,引続き2〜10
0A/dm2の電流密度で電気めっきすることを特徴とする耐
発錆性に優れた亜鉛被覆鋼板の製造方法。 - 【請求項4】重量%で, C:0.10%以下, Si:1.0%以下, Mn:1.0%以下, Cr:2.0〜18.0%, Ni:0.05〜1.0%, P:0.1%以下, S:0.03%以下, を含み,さらに, Mo:0.5%以下, Cu:0.5%以下 の一種または二種を含み, 残余はFeおよび不可避的不純物よりなる鋼板に,Znめっ
きまたはZnを主成分としFe,Ni,Coの一種または二種以上
を含むZn合金めっきを施すにあたり,該鋼板をめっき溶
液に浸漬し,該鋼板を陰極として1A/dm2以下の低電流密
度で表面を還元して活性状態にしてから,引続き2〜10
0A/dm2の電流密度で電気めっきすることを特徴とする耐
発錆性に優れた亜鉛被覆鋼板の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62289587A JPH08991B2 (ja) | 1987-11-18 | 1987-11-18 | 耐発錆性に優れた亜鉛被覆鋼板およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62289587A JPH08991B2 (ja) | 1987-11-18 | 1987-11-18 | 耐発錆性に優れた亜鉛被覆鋼板およびその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH01132792A JPH01132792A (ja) | 1989-05-25 |
JPH08991B2 true JPH08991B2 (ja) | 1996-01-10 |
Family
ID=17745160
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP62289587A Expired - Lifetime JPH08991B2 (ja) | 1987-11-18 | 1987-11-18 | 耐発錆性に優れた亜鉛被覆鋼板およびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08991B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH02179853A (ja) * | 1988-12-29 | 1990-07-12 | Kawasaki Steel Corp | 電気メッキ用フェライト系ステンレス鋼 |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS6311691A (ja) * | 1986-06-30 | 1988-01-19 | Nippon Steel Corp | めつき密着性に優れたZn系合金電気めつき鋼板の製造法 |
JPH0635674B2 (ja) * | 1986-09-18 | 1994-05-11 | 川崎製鉄株式会社 | 自動車車体外面用Zn−Niめつき鋼板の製造方法 |
-
1987
- 1987-11-18 JP JP62289587A patent/JPH08991B2/ja not_active Expired - Lifetime
Non-Patent Citations (1)
Title |
---|
日本学術振興会製鋼第19委員会編「鉄鋼と合金元素(上)」(昭和41−2−28)誠文堂新光社P.332−333 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH01132792A (ja) | 1989-05-25 |
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