JPH0860399A - 耐孔あき性と塗装性能に優れた亜鉛−アルミナ系分散めっき鋼板 - Google Patents
耐孔あき性と塗装性能に優れた亜鉛−アルミナ系分散めっき鋼板Info
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- JPH0860399A JPH0860399A JP19969494A JP19969494A JPH0860399A JP H0860399 A JPH0860399 A JP H0860399A JP 19969494 A JP19969494 A JP 19969494A JP 19969494 A JP19969494 A JP 19969494A JP H0860399 A JPH0860399 A JP H0860399A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 耐孔あき性と塗装性能に優れた亜鉛−アルミ
ナ系分散めっき鋼板の提供。 【構成】 C:0.001 〜 0.1wt%、Mn: 0.1〜 1.5wt%
を含み、Cu: 0.1〜 0.5wt%、Ni:0.05〜 0.5wt%、C
r:0.05〜 1.5wt%の1種以上と、さらにP:0.03〜0.1
5wt%、Ti:0.03〜 0.5wt%、Al:0.03〜 0.2wt%、
B:0.001 〜0.05wt%、Nb:0.001 〜0.02wt%の1種以
上を含有し、残部が鉄及び不可避的不純物からなる鋼板
に、Co、Cr、NiおよびFeよりなる群から選択された少な
くとも1種以上の元素を 0.1〜30wt%含み、さらにアル
ミナを0.01〜3wt%含み、残部が亜鉛からなる亜鉛−ア
ルミナ系分散めっき層を有する。
ナ系分散めっき鋼板の提供。 【構成】 C:0.001 〜 0.1wt%、Mn: 0.1〜 1.5wt%
を含み、Cu: 0.1〜 0.5wt%、Ni:0.05〜 0.5wt%、C
r:0.05〜 1.5wt%の1種以上と、さらにP:0.03〜0.1
5wt%、Ti:0.03〜 0.5wt%、Al:0.03〜 0.2wt%、
B:0.001 〜0.05wt%、Nb:0.001 〜0.02wt%の1種以
上を含有し、残部が鉄及び不可避的不純物からなる鋼板
に、Co、Cr、NiおよびFeよりなる群から選択された少な
くとも1種以上の元素を 0.1〜30wt%含み、さらにアル
ミナを0.01〜3wt%含み、残部が亜鉛からなる亜鉛−ア
ルミナ系分散めっき層を有する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は自動車、家電用等に用い
られる高耐食性めっき鋼板に関するものである。
られる高耐食性めっき鋼板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】既に、本出願人は、従来の純Znめっき鋼
板やZn系合金めっき鋼板に比較して格段に優れた裸耐食
性、塗装後耐食性、溶接性などの諸性能を有するZn系め
っき鋼板として、電気Znめっき層中にAlやSiの酸化物お
よび/または水酸化物と、Co、Cr等を共析させた高耐食
性Zn系複合めっき鋼板を提供している(特公昭62−6758
号公報、特開昭61−130498号公報)。これらの高耐食性
Zn系複合めっき鋼板は、その製造方法および品質の確立
が工業的になされており、優れた製品であることが認識
されている。しかし使用する母材鋼板は普通鋼板であり
特に成分組成を規定するものではない。
板やZn系合金めっき鋼板に比較して格段に優れた裸耐食
性、塗装後耐食性、溶接性などの諸性能を有するZn系め
っき鋼板として、電気Znめっき層中にAlやSiの酸化物お
よび/または水酸化物と、Co、Cr等を共析させた高耐食
性Zn系複合めっき鋼板を提供している(特公昭62−6758
号公報、特開昭61−130498号公報)。これらの高耐食性
Zn系複合めっき鋼板は、その製造方法および品質の確立
が工業的になされており、優れた製品であることが認識
されている。しかし使用する母材鋼板は普通鋼板であり
特に成分組成を規定するものではない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来の高耐食性亜鉛−
アルミナ系複合めっき鋼板は耐外面錆性や比較的乾燥し
た腐食環境での耐食性には優れているが、NaCl、CaClな
どの存在する過酷な腐食環境に曝させた場合は耐孔あき
性が不十分である。この場合めっき付着量を多くすれば
よいが、めっき付着量を多くすると経済的に不利になる
ばかりでなく、加工性、溶接性なども悪くなる。
アルミナ系複合めっき鋼板は耐外面錆性や比較的乾燥し
た腐食環境での耐食性には優れているが、NaCl、CaClな
どの存在する過酷な腐食環境に曝させた場合は耐孔あき
性が不十分である。この場合めっき付着量を多くすれば
よいが、めっき付着量を多くすると経済的に不利になる
ばかりでなく、加工性、溶接性なども悪くなる。
【0004】本発明の目的は、通常のめっき付着量でも
耐孔あき性と塗装性能に優れた亜鉛−アルミナ系分散め
っき鋼板を提供することである。
耐孔あき性と塗装性能に優れた亜鉛−アルミナ系分散め
っき鋼板を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、C:0.001 〜
0.1wt%、Mn: 0.1〜 1.5wt%を含み、Cu: 0.1〜 0.5
wt%、Ni:0.05〜 0.5wt%、Cr:0.05〜 1.5wt%の1種
以上と、さらにP:0.03〜0.15wt%、Ti:0.03〜 0.5wt
%、Al:0.03〜 0.2wt%、B:0.001 〜0.05wt%、Nb:
0.001 〜0.02wt%の1種以上を含有し、残部が鉄及び不
可避的不純物からなる鋼板に、Co、Cr、NiおよびFeより
なる群から選択された少なくとも1種以上の元素を 0.1
〜30wt%含み、さらにアルミナを0.01〜3wt%含み、残
部が亜鉛からなる亜鉛−アルミナ系分散めっき層を有す
ることを特徴とする耐孔あき性と塗装性能に優れた亜鉛
−アルミナ系分散めっき鋼板である。
0.1wt%、Mn: 0.1〜 1.5wt%を含み、Cu: 0.1〜 0.5
wt%、Ni:0.05〜 0.5wt%、Cr:0.05〜 1.5wt%の1種
以上と、さらにP:0.03〜0.15wt%、Ti:0.03〜 0.5wt
%、Al:0.03〜 0.2wt%、B:0.001 〜0.05wt%、Nb:
0.001 〜0.02wt%の1種以上を含有し、残部が鉄及び不
可避的不純物からなる鋼板に、Co、Cr、NiおよびFeより
なる群から選択された少なくとも1種以上の元素を 0.1
〜30wt%含み、さらにアルミナを0.01〜3wt%含み、残
部が亜鉛からなる亜鉛−アルミナ系分散めっき層を有す
ることを特徴とする耐孔あき性と塗装性能に優れた亜鉛
−アルミナ系分散めっき鋼板である。
【0006】
【作用】本発明者らは、めっき付着量を多くしないで耐
孔あき性をよくすることを検討した。その結果、亜鉛−
アルミナ系分散めっき鋼板における地鉄の鋼成分を適宜
調整することにより、著しく耐孔あき性が向上すること
が分かった。即ち、地鉄にいくつかの元素を微量添加し
た鋼板に亜鉛−アルミナ系分散めっきを施すことによっ
て、地鉄とめっき層との相互作用あるいは相乗効果によ
る耐孔あき性の向上が可能であることを見出した。
孔あき性をよくすることを検討した。その結果、亜鉛−
アルミナ系分散めっき鋼板における地鉄の鋼成分を適宜
調整することにより、著しく耐孔あき性が向上すること
が分かった。即ち、地鉄にいくつかの元素を微量添加し
た鋼板に亜鉛−アルミナ系分散めっきを施すことによっ
て、地鉄とめっき層との相互作用あるいは相乗効果によ
る耐孔あき性の向上が可能であることを見出した。
【0007】その要旨は、C:0.001 〜 0.1wt%、Mn:
0.1〜 1.5wt%を含み、Cu: 0.1〜0.5wt%、Ni:0.05
〜 0.5wt%、Cr:0.05〜 1.5wt%の1種以上と、さらに
P:0.03〜0.15wt%、Ti:0.03〜 0.5wt%、Al:0.03〜
0.2wt%、B:0.001 〜0.05wt%、Nb:0.001 〜0.02wt
%の1種以上を含有し、残部が鉄及び不可避的不純物か
らなる鋼板に、Co、Cr、NiおよびFeよりなる群から選択
された少なくとも1種以上の元素を 0.1〜30wt%含み、
さらにアルミナを0.01〜3wt%含み、残部が亜鉛からな
る亜鉛−アルミナ系分散めっき層を有する耐孔あき性と
塗装性能に優れた亜鉛−アルミナ系分散めっき鋼板であ
る。
0.1〜 1.5wt%を含み、Cu: 0.1〜0.5wt%、Ni:0.05
〜 0.5wt%、Cr:0.05〜 1.5wt%の1種以上と、さらに
P:0.03〜0.15wt%、Ti:0.03〜 0.5wt%、Al:0.03〜
0.2wt%、B:0.001 〜0.05wt%、Nb:0.001 〜0.02wt
%の1種以上を含有し、残部が鉄及び不可避的不純物か
らなる鋼板に、Co、Cr、NiおよびFeよりなる群から選択
された少なくとも1種以上の元素を 0.1〜30wt%含み、
さらにアルミナを0.01〜3wt%含み、残部が亜鉛からな
る亜鉛−アルミナ系分散めっき層を有する耐孔あき性と
塗装性能に優れた亜鉛−アルミナ系分散めっき鋼板であ
る。
【0008】本発明では、通常の鋼板製造工程で製造さ
れた前記成分の鋼板を、めっき原板として用いる。Cは
強度付与成分として0.001 〜 0.1wt%の範囲で含有さ
せ、特に良好な加工性が要求される場合は0.05wt%以下
が好ましい。また 0.1wt%を超えると加工性が低下し、
耐孔あき性も劣化する傾向にある。
れた前記成分の鋼板を、めっき原板として用いる。Cは
強度付与成分として0.001 〜 0.1wt%の範囲で含有さ
せ、特に良好な加工性が要求される場合は0.05wt%以下
が好ましい。また 0.1wt%を超えると加工性が低下し、
耐孔あき性も劣化する傾向にある。
【0009】Mnは強化付与成分として添加する。しかし
1.5wt%を超えると加工性の低下が大きい。特に良好な
加工性が要求される場合は1wt%以下が好ましい。C、
Mnのみを含み残余がFe及び不可避的不純物からなる鋼よ
り製造された鋼板は、自動車、家電用鋼板等に必要な加
工性を有しているが耐食性が悪い。したがって本発明で
は、耐食性を向上せしめるために、Cu、Ni、Crの1種ま
たは2種以上を添加し、さらにそれらの成分と複合して
耐食性向上を助長するP、Ti、Al、B、Nbを1種または
2種以上を添加する。
1.5wt%を超えると加工性の低下が大きい。特に良好な
加工性が要求される場合は1wt%以下が好ましい。C、
Mnのみを含み残余がFe及び不可避的不純物からなる鋼よ
り製造された鋼板は、自動車、家電用鋼板等に必要な加
工性を有しているが耐食性が悪い。したがって本発明で
は、耐食性を向上せしめるために、Cu、Ni、Crの1種ま
たは2種以上を添加し、さらにそれらの成分と複合して
耐食性向上を助長するP、Ti、Al、B、Nbを1種または
2種以上を添加する。
【0010】Cuは耐食性向上効果がもっとも大きく、
0.1〜 0.5wt%の添加で大きな効果が得られる。 0.1wt
%未満では耐食性向上効果が小さく、 0.5wt%を超える
と耐食性は向上するが、鋼板製造の熱間圧延工程で赤熱
脆性による割れや鋼板表面にCuが濃縮し、ひび割れが発
生しやすくなる。Cuは 0.2〜 0.3wt%の添加が望まし
い。
0.1〜 0.5wt%の添加で大きな効果が得られる。 0.1wt
%未満では耐食性向上効果が小さく、 0.5wt%を超える
と耐食性は向上するが、鋼板製造の熱間圧延工程で赤熱
脆性による割れや鋼板表面にCuが濃縮し、ひび割れが発
生しやすくなる。Cuは 0.2〜 0.3wt%の添加が望まし
い。
【0011】Niの単独添加は耐食性向上効果は小さい
が、Cu、Cr、Pなどと共存すると大きな効果を示す。ま
たCuの熱間脆性をやわらげる効果もある。その添加量は
0.05〜0.5wt%で、0.05wt%未満では効果がなく、 0.5w
t%を超すと製造コストの上昇から望ましくない。Crは
単独添加でも耐食性向上効果があるが、Cuと共存すると
き0.05〜 0.5wt%の微量添加で大きな効果が得られる。
Cu無添加では 0.5wt%以上、望ましくは1〜 1.5wt%が
よい。しかし 1.5wt%を超えると耐食性向上効果は大き
いが加工性の低下が大きく、またコストも高くなる。
が、Cu、Cr、Pなどと共存すると大きな効果を示す。ま
たCuの熱間脆性をやわらげる効果もある。その添加量は
0.05〜0.5wt%で、0.05wt%未満では効果がなく、 0.5w
t%を超すと製造コストの上昇から望ましくない。Crは
単独添加でも耐食性向上効果があるが、Cuと共存すると
き0.05〜 0.5wt%の微量添加で大きな効果が得られる。
Cu無添加では 0.5wt%以上、望ましくは1〜 1.5wt%が
よい。しかし 1.5wt%を超えると耐食性向上効果は大き
いが加工性の低下が大きく、またコストも高くなる。
【0012】PはCuと共存するとき耐食性向上効果が大
きく、Niとの共存においても助長効果がある。その添加
量は0.03〜0.15wt%で、0.03wt%未満では効果がなく、
0.15wt%を超えると加工性の劣化が大きい。好ましくは
0.03〜 0.1wt%である。TiはCuなどと共存するとき耐食
性向上効果があるが、さらに脱窒およびCの安定化効果
があり、耐食性向上元素の添加に伴う加工性の劣化を補
うため、あるいは更に高度な加工性を要求される場合等
に添加する。その添加量は0.03〜 0.5wt%で、好ましく
は0.05〜 0.2wt%である。0.03wt%未満では効果がな
く、 0.5wt%を超える添加は不必要な量である。
きく、Niとの共存においても助長効果がある。その添加
量は0.03〜0.15wt%で、0.03wt%未満では効果がなく、
0.15wt%を超えると加工性の劣化が大きい。好ましくは
0.03〜 0.1wt%である。TiはCuなどと共存するとき耐食
性向上効果があるが、さらに脱窒およびCの安定化効果
があり、耐食性向上元素の添加に伴う加工性の劣化を補
うため、あるいは更に高度な加工性を要求される場合等
に添加する。その添加量は0.03〜 0.5wt%で、好ましく
は0.05〜 0.2wt%である。0.03wt%未満では効果がな
く、 0.5wt%を超える添加は不必要な量である。
【0013】AlはCuと共存するとき耐食性向上効果があ
り0.03〜 0.2wt%添加する。B、Nbは直接的に耐食性を
向上せしめる効果はないが、鋼中のC、Nと結合し加工
性の向上に大きな効果がある。このため耐食性向上元素
の添加による加工性劣化を防ぐ効果が大きい。その添加
量はB:0.001 〜0.05wt%、Nb:0.001 〜0.02wt%の範
囲で十分な効果が得られる。
り0.03〜 0.2wt%添加する。B、Nbは直接的に耐食性を
向上せしめる効果はないが、鋼中のC、Nと結合し加工
性の向上に大きな効果がある。このため耐食性向上元素
の添加による加工性劣化を防ぐ効果が大きい。その添加
量はB:0.001 〜0.05wt%、Nb:0.001 〜0.02wt%の範
囲で十分な効果が得られる。
【0014】その他、鋼中に不可避的に含有されるSは
耐食性に対する悪影響が大きく、0.025 wt%以下、好ま
しくは0.01wt%以下にするのが望ましい。以上に述べた
鋼成分の鋼板は、従来の鋼板に比べて耐食性が優れてい
るものの、現在自動車、家電用鋼板等に要求されている
耐食性からみれば不十分である。従って、より優れた耐
食性を付与するために亜鉛−アルミナ系分散めっきを施
す。
耐食性に対する悪影響が大きく、0.025 wt%以下、好ま
しくは0.01wt%以下にするのが望ましい。以上に述べた
鋼成分の鋼板は、従来の鋼板に比べて耐食性が優れてい
るものの、現在自動車、家電用鋼板等に要求されている
耐食性からみれば不十分である。従って、より優れた耐
食性を付与するために亜鉛−アルミナ系分散めっきを施
す。
【0015】亜鉛は鋼板に対して犠牲防食作用を有する
金属であり、亜鉛単独めっきでも耐食性は著しく改善さ
れる。しかし純亜鉛は活性なため塩水などの腐食環境で
は犠牲防食作用が強く働き亜鉛の消耗が激しく、より高
い耐食性を得るためには亜鉛の目付量を多くする必要が
ある。目付量を多くすることは加工性や溶接性を劣化さ
せるだけでなく、コストが高くなり好ましくない。この
ため本発明は、目付量が少なくてもめっき層の腐食生成
物が安定で長期にわたって防食効果のある亜鉛−アルミ
ナ系分散めっき鋼板を既に特公昭62−6758号公報で提案
している。
金属であり、亜鉛単独めっきでも耐食性は著しく改善さ
れる。しかし純亜鉛は活性なため塩水などの腐食環境で
は犠牲防食作用が強く働き亜鉛の消耗が激しく、より高
い耐食性を得るためには亜鉛の目付量を多くする必要が
ある。目付量を多くすることは加工性や溶接性を劣化さ
せるだけでなく、コストが高くなり好ましくない。この
ため本発明は、目付量が少なくてもめっき層の腐食生成
物が安定で長期にわたって防食効果のある亜鉛−アルミ
ナ系分散めっき鋼板を既に特公昭62−6758号公報で提案
している。
【0016】しかし塩水が浸入するような過酷な腐食環
境での高度な耐食性、耐孔あき性を得るためには目付量
を多くする必要があった。このため目付量を多くするこ
となく耐孔あき性を向上させるためには母材鋼板自体の
耐食性を向上させることが重要である。このような観点
から種々検討した結果、前記組成の鋼板をめっき原板に
使用することにより、一段と優れた耐孔あき性を示すめ
っき鋼板が得られることがわかった。この理由として
は、亜鉛−アルミナ系分散めっき層の腐食生成物は安定
な塩基性塩化亜鉛を形成し犠牲防食作用を保ったまま亜
鉛の溶解がゆっくり進む。さらに亜鉛が溶解し尽くして
犠牲防食作用がなくなっても、安定な腐食生成物が残り
鉄の溶解速度を遅くするため腐食速度が遅くなる。この
結果として耐孔あき性がよくなるものと考えられる。
境での高度な耐食性、耐孔あき性を得るためには目付量
を多くする必要があった。このため目付量を多くするこ
となく耐孔あき性を向上させるためには母材鋼板自体の
耐食性を向上させることが重要である。このような観点
から種々検討した結果、前記組成の鋼板をめっき原板に
使用することにより、一段と優れた耐孔あき性を示すめ
っき鋼板が得られることがわかった。この理由として
は、亜鉛−アルミナ系分散めっき層の腐食生成物は安定
な塩基性塩化亜鉛を形成し犠牲防食作用を保ったまま亜
鉛の溶解がゆっくり進む。さらに亜鉛が溶解し尽くして
犠牲防食作用がなくなっても、安定な腐食生成物が残り
鉄の溶解速度を遅くするため腐食速度が遅くなる。この
結果として耐孔あき性がよくなるものと考えられる。
【0017】なお、亜鉛−アルミナ系分散めっき目付量
の好ましい範囲は10〜30g/m2 である。
の好ましい範囲は10〜30g/m2 である。
【0018】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づきより詳細に説
明する。 〈実施例1〜4、比較例1、2〉 めっき浴組成 硫酸亜鉛(7水基) 400g/l 硫酸コバルト(7水基) 100g/l 40%硫酸クロム水溶液 70g/l 20%アルミナゾル溶液 40g/l 上記めっき浴を用い、アルカリ脱脂および5%塩酸で酸
洗したのち水洗した表1に示す組成の冷延鋼板に、以下
の条件でめっきを行って亜鉛−アルミナ系分散めっき鋼
板を製造した。
明する。 〈実施例1〜4、比較例1、2〉 めっき浴組成 硫酸亜鉛(7水基) 400g/l 硫酸コバルト(7水基) 100g/l 40%硫酸クロム水溶液 70g/l 20%アルミナゾル溶液 40g/l 上記めっき浴を用い、アルカリ脱脂および5%塩酸で酸
洗したのち水洗した表1に示す組成の冷延鋼板に、以下
の条件でめっきを行って亜鉛−アルミナ系分散めっき鋼
板を製造した。
【0019】めっき条件 めっき浴温度 50 ℃ pH 2.8 陽極材料 5%Sn−Pb 電極密度 7A/dm2 〈比較例3、4〉表1に示す組成の鋼板にめっきを施さ
ずに防錆性能を調べた。
ずに防錆性能を調べた。
【0020】以上のようにして製造した防錆鋼板の性能
を表1に示す。表中に示す各性能は次に示す試験方法で
行った。 〈試験方法〉 めっき密着性: 180℃曲げ曲げ戻し試験によるめっき
層の剥離量で評価。 無塗装での耐食性:塩水噴霧試験5時間、乾燥試験
(60℃、相対湿度20%以下)5時間、湿潤試験(50℃、
相対温度95%以上)14時間の1日1サイクルの繰り返し
試験により、鋼板の厚さ 0.8ミリの試験時間60日(60サ
イクル)後の腐食量で評価。 りん酸塩化成処理性:浸漬方式のりん酸亜鉛化成処理
によりりん酸亜鉛化成処理後の外観及びりん酸亜鉛結晶
の生成状況を走査型電子顕微鏡により観察して評価。 電着塗装後の耐食性:と同様にりん酸亜鉛化成処理
後カチオン電着塗料を21μm塗装し、塗膜面にスクラッ
チ傷をいれた試料について、塩水噴霧試験1200時間後の
スクラッチ傷部の腐食幅で評価。 3コート後の塗膜耐水二次密着性:試料にりん酸亜鉛
化成処理を施し、次いでカチオン電着塗料を厚さ21μ
m、中塗り塗料30μm、上塗り塗料35μm塗装した後、
50℃の蒸留水に 240時間浸漬、2ミリ方眼 100個の碁盤
目試験を行い、テーピング剥離状況で評価。 3コート塗装後の耐食性:と同様にして3コート塗
装した試料について、チッピング試験(3〜5gの小石
20個を時速 100kmで塗膜面にショットする) を行い、次
いで1週間に2回海水を散布する海岸暴露試験を1年間
行い塗膜傷部の腐食幅で評価。
を表1に示す。表中に示す各性能は次に示す試験方法で
行った。 〈試験方法〉 めっき密着性: 180℃曲げ曲げ戻し試験によるめっき
層の剥離量で評価。 無塗装での耐食性:塩水噴霧試験5時間、乾燥試験
(60℃、相対湿度20%以下)5時間、湿潤試験(50℃、
相対温度95%以上)14時間の1日1サイクルの繰り返し
試験により、鋼板の厚さ 0.8ミリの試験時間60日(60サ
イクル)後の腐食量で評価。 りん酸塩化成処理性:浸漬方式のりん酸亜鉛化成処理
によりりん酸亜鉛化成処理後の外観及びりん酸亜鉛結晶
の生成状況を走査型電子顕微鏡により観察して評価。 電着塗装後の耐食性:と同様にりん酸亜鉛化成処理
後カチオン電着塗料を21μm塗装し、塗膜面にスクラッ
チ傷をいれた試料について、塩水噴霧試験1200時間後の
スクラッチ傷部の腐食幅で評価。 3コート後の塗膜耐水二次密着性:試料にりん酸亜鉛
化成処理を施し、次いでカチオン電着塗料を厚さ21μ
m、中塗り塗料30μm、上塗り塗料35μm塗装した後、
50℃の蒸留水に 240時間浸漬、2ミリ方眼 100個の碁盤
目試験を行い、テーピング剥離状況で評価。 3コート塗装後の耐食性:と同様にして3コート塗
装した試料について、チッピング試験(3〜5gの小石
20個を時速 100kmで塗膜面にショットする) を行い、次
いで1週間に2回海水を散布する海岸暴露試験を1年間
行い塗膜傷部の腐食幅で評価。
【0021】なお、上記〜の各性能については表2
に示すように4区分に分けて評価した。
に示すように4区分に分けて評価した。
【0022】
【表1】
【0023】
【表2】
【0024】本発明の防錆鋼板は従来の鋼板に比べて、
いずれも優れた性能を示している。
いずれも優れた性能を示している。
【0025】
【発明の効果】本発明の亜鉛−アルミナ系分散めっき鋼
板は、従来の鋼板より耐食性に優れ、十分な耐孔あき性
と塗装性を有しており、自動車や家電用等として有利に
用いることができる。
板は、従来の鋼板より耐食性に優れ、十分な耐孔あき性
と塗装性を有しており、自動車や家電用等として有利に
用いることができる。
Claims (1)
- 【請求項1】 C:0.001 〜 0.1wt%、Mn: 0.1〜 1.5
wt%を含み、Cu: 0.1〜 0.5wt%、Ni:0.05〜 0.5wt
%、Cr:0.05〜 1.5wt%の1種以上と、さらにP:0.03
〜0.15wt%、Ti:0.03〜 0.5wt%、Al:0.03〜 0.2wt
%、B:0.001 〜0.05wt%、Nb:0.001 〜0.02wt%の1
種以上を含有し、残部が鉄及び不可避的不純物からなる
鋼板に、Co、Cr、NiおよびFeよりなる群から選択された
少なくとも1種以上の元素を 0.1〜30wt%含み、さらに
アルミナを0.01〜3wt%含み、残部が亜鉛からなる亜鉛
−アルミナ系分散めっき層を有することを特徴とする耐
孔あき性と塗装性能に優れた亜鉛−アルミナ系分散めっ
き鋼板。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19969494A JPH0860399A (ja) | 1994-08-24 | 1994-08-24 | 耐孔あき性と塗装性能に優れた亜鉛−アルミナ系分散めっき鋼板 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19969494A JPH0860399A (ja) | 1994-08-24 | 1994-08-24 | 耐孔あき性と塗装性能に優れた亜鉛−アルミナ系分散めっき鋼板 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0860399A true JPH0860399A (ja) | 1996-03-05 |
Family
ID=16412066
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP19969494A Pending JPH0860399A (ja) | 1994-08-24 | 1994-08-24 | 耐孔あき性と塗装性能に優れた亜鉛−アルミナ系分散めっき鋼板 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0860399A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2000006808A3 (en) * | 1998-07-29 | 2000-06-08 | Ford Motor Co | Surface treatment of steel |
-
1994
- 1994-08-24 JP JP19969494A patent/JPH0860399A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2000006808A3 (en) * | 1998-07-29 | 2000-06-08 | Ford Motor Co | Surface treatment of steel |
US6475645B1 (en) * | 1998-07-29 | 2002-11-05 | Ford Global Technologies, Inc. | Surface treatment of steel |
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