JPH07292461A - 自動車用Cu添加高強度Zn―Tiめっき鋼板 - Google Patents

自動車用Cu添加高強度Zn―Tiめっき鋼板

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JPH07292461A
JPH07292461A JP10910294A JP10910294A JPH07292461A JP H07292461 A JPH07292461 A JP H07292461A JP 10910294 A JP10910294 A JP 10910294A JP 10910294 A JP10910294 A JP 10910294A JP H07292461 A JPH07292461 A JP H07292461A
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JP
Japan
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steel sheet
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plated steel
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high strength
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JP10910294A
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Ikuya Inoue
郁也 井上
Susumu Kurosawa
進 黒沢
Yoshikuni Furuno
嘉邦 古野
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 加工後安定性、耐食性に優れた自動車用Cu
添加高強度Zn―Tiめっき鋼板を提供する。 【構成】 Cu:1.0〜2.0wt%を含有する低炭
素鋼板の表面に、3〜60wt%のTiを含み残部がZ
nからなるZn―Ti合金めっき層を1〜60g/m2
形成した自動車用高強度Zn―Tiめっき鋼板。Zn―
Tiめっき層の下地にNiプレめっき処理を0.05〜
3g/m2、Zn―Tiめっき層の上層にZnめっきを
0.1〜10g/m2施してもよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は自動車用鋼板のように表
面外観、耐食性に優れていることが要求される高強度Z
n系めっき鋼板に関する。
【0002】
【従来の技術】鉄鋼製品の大気中での腐食を防ぐ方法と
しては、従来からZnめっきが最も経済的であり、かつ
有効であるとされてきた。
【0003】近年にいたり防錆についての要求はいっそ
う厳格なものになりつつあり、すでに耐食性を向上させ
た合金化溶融亜鉛めっき、Zn―Ni電気めっき、Zn
―Fe電気めっき等、各種のZn合金めっき鋼板が開示
されている。
【0004】一方、これらZn合金めっき鋼板を自動車
用車体に適用する場合、自動車車体の軽量化のために、
低炭素鋼板にCuを添加して析出強化によって高強度化
を図る方法が知られている。
【0005】例えば、多量のCuを添加した低炭素Al
キルド鋼を熱間圧延後に特定の温度で巻取処理を行う
と、巻取中の保熱によって微細なCu析出物が形成され
て熱延鋼板を高強度化することができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前記のように
熱延工程中にCuを析出させ、高強度化された熱延鋼板
に合金化溶融亜鉛めっきを施すと、溶融めっきラインで
一般的に700℃以上の加熱処理を受けるために析出し
たCu析出物が溶解して強度が低下してしまうという問
題がある。
【0007】また、強度低下を避けるために低温で溶融
めっきラインを通板することも可能であるが、合金化溶
融亜鉛めっきのパウダリングが散見され、安定性に劣
る。
【0008】一方、Zn―Ni等の電気めっき鋼板では
合金化溶融亜鉛めっきのような高温加熱処理による強度
低下の問題は生じないが、薄目付けのため耐食性が十分
に確保できず、厚目付化しようとするとコスト高となる
問題を抱えている。
【0009】本発明は、めっき前に強度を付与された被
めっき材の強度低下を生じることなく、優れた耐食性を
持つ自動車用Cu添加高強度めっき鋼板を提供するもの
である。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決した本発
明の第一は、Cu:1.0〜2.0wt%を含有する低
炭素鋼板の表面に、3〜60wt%のTiを含み残部が
ZnからなるZn―Ti合金めっき層を1〜60g/m
2形成した自動車用Cu添加高強度Zn―Tiめっき鋼
板である。
【0011】また、本発明の第二は、上記Zn―Tiめ
っき鋼板において、Zn―Tiめっき層の下地としてN
iプレめっき処理を0.05〜3g/m2施したことを
特徴とする自動車用高強度Zn―Tiめっき鋼板であ
る。
【0012】本発明の第三は、上記第一あるいは第二の
発明のZn―Tiめっき鋼板において、Zn―Tiめっ
き層の上層にZnめっきを0.1〜10g/m2施した
ことを特徴とする自動車用高強度Zn―Tiめっき鋼板
である。
【0013】
【作用】前述した課題を解決するため、めっき工程にお
いて強度の低下をもたらすことなく、めっきの加工後安
定性(パウダリング性)を損なわないめっき種の探索、
および自動車用鋼板として使用に耐え得る耐食性を有す
るめっき種の探索をしたところ気相めっき法で作製でき
るZn―Tiめっきが課題解決に最適であることを見い
出し、本発明を完成した。
【0014】以下に、その詳細を説明する。
【0015】まず、発明者らはZn―Niめっき等の電
気めっき鋼板は、その耐食性については不十分であるも
のの、めっきの加工後安定性(パウダリング性)につい
ては充分であることに着目した。
【0016】すなわち、溶融めっきのように下地鋼板と
の化学反応を伴わなければ、安定しためっき鋼板を作製
することができる。
【0017】しかし、電気めっき鋼板は合金めっきを作
製する際に、水溶液からの析出電位の違う金属同士の合
金を作製することは困難であり、めっき種が限定され高
耐食性を望むのは難しい。また、電気めっき法での厚目
付化はコスト高となり実用的でない。
【0018】そこで、発明者らは溶融めっきに比べ、皮
膜生成時に下地鋼板との化学反応の少ない気相めっき法
に注目し、めっき種の検討を進めたところ、Zn―Ti
めっきが下地鋼板との反応もなく、耐食性にも優れてい
ることを見い出した。
【0019】Zn―Tiめっきは主に真空蒸着法、イオ
ンプレーティング法、スパッタリング法で作製される
が、皮膜生成時にZnとTiが反応し非晶質合金、ある
いは金属間化合物を形成し下地鋼板との反応は無いか、
ごく微量である。
【0020】すなわち、加工後安定性(パウダリング
性)に影響を与えるような下地鋼板との反応はしない。
【0021】また、Zn―Tiめっきの検討結果から、
Ti濃度3〜60wt%、目付量を1〜60g/m2
しなければならないことがわかった。
【0022】Ti濃度が3wt%未満ではTi添加効果
が見られず耐食性が不十分であり、60wt%超ではZ
n―Tiの電位が下地鋼板より貴になり、犠牲防食効果
が失われる。
【0023】目付量は1g/m2未満では下地鋼板に対
する防食性が不十分であり、60g/m2超では加工時
にめっきが剥離する、いわゆるパウダリング現象が生じ
めっき製品として好ましくないので、その範囲を1〜6
0g/m2と規定する。
【0024】さらに、Zn―Tiめっきの下地に0.0
5〜3g/m2のNiプレめっき処理を施すことによっ
て強固な密着性を付与することができる。
【0025】Niプレめっきの下限は、Niプレめっき
が付着していればよいが0.05g/m2とした。上限
は、3g/m2を越えて付着させても、その性能が飽和
してくるので、上限値を3g/m2とした。
【0026】また、Zn―Tiめっきの上層に0.1〜
10g/m2の上層Znめっきを施して化成処理性を向
上させることができる。
【0027】Zn付着量については、化成処理液との十
分な反応ができる量として、0.1〜10g/m2とし
た。
【0028】上記した、下地としてのNiプレめっき処
理、および上層Znめっきを同時に施すことによって、
総合的に性能の高いZn―Tiめっき鋼板が得られる。
【0029】次に、上記したZn―Tiめっきを施すC
u強化低炭素鋼板の母材成分について説明する。
【0030】Cuは析出強化によって高強度化を図るた
めに添加するが、あまり多すぎると亜鉛めっきの生成が
不安定となりパウダリングが問題となる。
【0031】また、Cuに起因したヘゲキズをなくすた
めに必要なNiの添加量も増えて製造コストを大幅に上
昇させることになる。
【0032】そこで、Cu添加の上限は2.0wt%と
する。一方、Cuの析出強化機能を得るためには1.0
wt%以上とすることが必要である。
【0033】Cuを添加する低炭素鋼板は、特に限定さ
れるものではないが、通常はAlキルド鋼をベース鋼と
するのがよい。
【0034】Cは自動車用として加工性が要求される場
合には、真空脱ガス処理によって0.0050wt%以
下とするのが望ましい。
【0035】強化元素としてSi,Mn,Pなどを添加
しても本発明の効果を損なうものではないが、可能な限
りこれらの添加量は少ないほどめっきの安定性の点から
好ましい。
【0036】
【実施例】以下、実施例によって本発明をさらに詳述す
る。
【0037】第1表に示す板厚2.0mmのCu添加析
出強化熱延鋼板に真空蒸着法あるいはイオンプレーティ
ング法を用いてZn―Ti合金めっきを施した。第2表
は作製したZn―Tiめっき鋼板を示している。
【0038】得られた各種Zn―Tiめっき鋼板は下記
の方法で性能評価した。 1)引張り強度はめっき前後の引っ張り試験により、引
張り強さの差を調査した。○は強さの差がほとんどなか
ったもの、×はめっき後に強さが3kg/mm2以上低
下し、差が生じたものとした。
【0039】2)パウダリング性は曲げ加工後のテープ
剥離テストで判定した。めっき面が内側になるように9
0度曲げを行い、テープ剥離テストを行った。めっき剥
離の全くないものを◎、剥離幅が1mm未満のものを
○、剥離幅が1mm以上、3mm未満のものを△、剥離
幅が3mm以上のものを×とした。
【0040】3)裸耐食性は、塩水噴霧試験(JIS
Z 2371に準拠)をし、初期赤錆発生が起こるまで
の時間を測定し、1000時間以上を良好とした。
【0041】4)化成処理は、日本パーカー(株)製B
t3080(商品名)で45℃、3分間浸漬処理し、乾
燥した。
【0042】引張り試験結果、耐食性、パウダリング
性、化成処理性の性能評価結果を第2表に示す。
【0043】本発明のように構成したZn―Tiめっき
がCuに依る析出強化能を損うことなく優れた性能を示
すことがわかる。
【0044】
【表1】
【0045】
【表3】
【0046】
【発明の効果】本発明のような構成とすることによっ
て、Cuを多量に含む析出強化高強度低炭素鋼板を母材
として適用しても、めっきによる強度の低下は全くな
く、めっきの加工後安定性(パウダリング性)や耐食性
に優れた自動車用Cu添加高強度Zn―Tiめっき鋼板
が得られる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Cu:1.0〜2.0wt%を含有する
    低炭素鋼板の表面に、3〜60wt%のTiを含み残部
    がZnからなるZn―Ti合金めっき層を1〜60g/
    2形成した自動車用高強度Zn―Tiめっき鋼板。
  2. 【請求項2】 Zn―Ti合金めっき層の下地としてN
    iプレめっき処理を0.05〜3g/m2施したことを
    特徴とする請求項1記載の自動車用高強度Zn―Tiめ
    っき鋼板。
  3. 【請求項3】 Zn―Ti合金めっき層の上層にZnめ
    っきを0.1〜10g/m2施したことを特徴とする請
    求項1または2記載の自動車用高強度Zn―Tiめっき
    鋼板。
JP10910294A 1994-04-26 1994-04-26 自動車用Cu添加高強度Zn―Tiめっき鋼板 Withdrawn JPH07292461A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010031348A (ja) * 2007-10-31 2010-02-12 Jfe Steel Corp 表面処理鋼板および樹脂被覆鋼板
CN102286723A (zh) * 2011-07-21 2011-12-21 中国第一汽车股份有限公司 一种应用于汽车高合金钢运动摩擦副表面耐磨涂层

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010031348A (ja) * 2007-10-31 2010-02-12 Jfe Steel Corp 表面処理鋼板および樹脂被覆鋼板
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Effective date: 20010703