JPH0897674A - 表面実装型ラダー型フィルタならびに直列共振子または並列共振子の製造方法 - Google Patents

表面実装型ラダー型フィルタならびに直列共振子または並列共振子の製造方法

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JPH0897674A
JPH0897674A JP23280394A JP23280394A JPH0897674A JP H0897674 A JPH0897674 A JP H0897674A JP 23280394 A JP23280394 A JP 23280394A JP 23280394 A JP23280394 A JP 23280394A JP H0897674 A JPH0897674 A JP H0897674A
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JP
Japan
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resonator
vibrator
parallel resonator
wiring pattern
series
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JP23280394A
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English (en)
Inventor
Mutsuaki Hirota
睦明 廣田
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Kyocera Corp
Original Assignee
Kyocera Corp
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Publication date
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  • Piezo-Electric Or Mechanical Vibrators, Or Delay Or Filter Circuits (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 共振子における振動子の保持構造が強固で信
頼性が高く、部品点数が少なくかつ内部接続が簡単にで
き、薄型化が可能で製造が容易な表面実装型ラダー型フ
ィルタを提供する。 【構成】 本発明の表面実装型ラダー型フィルタ1は、
2枚の絶縁プレート2、5の間に、圧電体基板に拡がり
振動子とその拡がり振動子を取り囲んで保持する枠体と
を一体的に形成して成り、かつその両主面にそれぞれが
導通した配線パターン9、8を設けた直列共振子4およ
び並列共振子3を積み重ねて、上記直列共振子4の配線
パターン9と並列共振子3の配線パターン8と絶縁プレ
ート2の表面に配設した端子電極6とを導通せしめてい
る。また、その直列共振子4または並列共振子3の製造
に際して、サンドブラスト法により圧電体基板の一部を
除去して、その基板に拡がり振動子と枠体とを一体的に
形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、通信機器や携帯電話・
コードレス電話の中間周波フィルタ用などに用いる表面
実装型ラダー型フィルタに関するものであり、またそれ
に用いる直列共振子または並列共振子の製造方法に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】圧電素子を用いた表面実装型ラダー型フ
ィルタとして、圧電共振子と端子板とが積み重ねられた
積層体と、積層体を収納するための開口を有するケース
と、ケースの開口を封止するためのシール材と、端子板
から延びてシール材から突出するリード端子とを備えた
ものが知られている。このラダー型フィルタは、封止部
の外部でリード端子が表面実装に適した形状に予めフォ
ーミングされ、そのリード端子によりプリント配線基板
上に表面実装される。
【0003】従来、例えば 455kHz帯のラダー型フィ
ルタ等では、拡がり振動モードを利用した略正方形の圧
電素子(振動子)の両面を、中央に突起を形成した金属
端子で挟む構造を採っていた。この圧電素子は、直列共
振子と並列共振子を組み合わせた基本L区間を多段にと
ることにより所望のフィルタ減衰特性を得ていた。
【0004】そして、金属端子で挟んだ圧電素子は樹脂
ケースに入れて所定のバネ圧で保持し、そのケースの開
口部が樹脂封止されて、表面実装型のラダー型フィルタ
として使用されていた。
【0005】また、そのようなラダー型フィルタの製造
に際して圧電素子を形成した直列共振子あるいは並列共
振子を作製する場合、圧電体基板を加工して振動子を形
成する方法としては、例えば特開平5−259797号
に開示されているように、従来はエッチング法が一般的
であった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来のラダー型フィルタでは、樹脂ケースに多くの部品を
正確に入れる作業が難しく、機械化が非常に困難なため
に手作業に頼らざるを得ないので、製造が難しくて工数
がかかるものになるという問題点があった。
【0007】また、振動子を適当なバネ圧により金属端
子部の中央の突起部だけで保持しているために、振動子
が自由に拡がり振動を起こすための振動子保持構造の強
度が不足しがちとなり、外部からショックを受けた際に
振動子が動いてしまい、ノイズが発生したり特性が変動
してしまう恐れがあるという問題点もあった。
【0008】さらに、圧電体基板の加工をエッチング法
により行なう場合、ラダー型フィルタに用いる圧電体基
板は肉厚が 0.3〜1.2 mmと厚いものであるため、エッ
チングに時間がかかってしまい、また、エッチング液の
管理や廃液処理に多大のコストがかかるので、製造に適
用することが難しいという問題点があった。
【0009】さらにまた、エッチング加工で形成した振
動子が所望の周波数特性に入っていないときは、周波数
特性を調整するために振動子の外形を再加工する必要が
あるが、その再加工をエッチング法で行なうには再度レ
ジストパターンを形成しなければならず、実際には適用
が不可能であるという問題点もあった。
【0010】本発明は上述の問題点に鑑みて案出された
ものであり、その目的は、部品点数が少なくかつ内部配
線の接続が簡単にでき、薄型化が可能で製造が容易な、
低コストの表面実装型ラダー型フィルタを提供すること
にある。
【0011】また本発明の目的は、直列共振子および並
列共振子における振動子の保持強度を高めて、外部から
のショック等による素子ずれを起こすことがなく、耐衝
撃性に優れた信頼性の高い表面実装型ラダー型フィルタ
を提供することにある。
【0012】さらにまた本発明の目的は、圧電体基板を
加工して直列共振子または並列共振子の振動子やその振
動子を保持する枠体を形成するのに際して、薬品を使わ
ず、高速処理が可能で、しかも周波数特性の調整のため
の再加工にも簡単に適用できる直列共振子または並列共
振子の製造方法を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明の表面実装型ラダ
ー型フィルタは、少なくとも一方に端子電極を有する2
枚の絶縁プレート間に、直列共振子と並列共振子とを、
該直列共振子の配線パターンと並列共振子の配線パター
ンと絶縁プレートの端子電極とが導通するように積み重
ねて配置した表面実装型ラダー型フィルタであって、前
記直列共振子および並列共振子が、拡がり振動子と該拡
がり振動子を取り囲んで保持する枠体とが一体的に形成
された圧電体基板と、前記圧電体基板の両主面にそれぞ
れが導通するように被着された配線パターンとから成る
ことを特徴とするものである。
【0014】また本発明の直列共振子または並列共振子
の製造方法は、サンドブラスト法により圧電体基板の一
部を除去し、圧電体基板に拡がり振動子と該拡がり振動
子を取り囲んで保持する枠体とを一体的に形成すること
を特徴とするものである。
【0015】
【作用】本発明の表面実装型ラダー型フィルタによれ
ば、従来の共振子のような振動子を金属端子で挟む保持
構造を持たず、内部の配線や端子電極との配線も直列共
振子および並列共振子の表面に設けた配線パターンによ
り簡単に接続できるため、製造が難しくて工数がかかる
ようなこともなく低コストとなり、振動子保持構造の強
度不足のために外部からショックを受けた際に振動子が
動いてノイズが発生したり特性が変動してしまうことも
なくなる。また、共振子を形成した圧電体基板と絶縁プ
レートとを積層しただけの構成なので、フィルタ本体を
薄型化することができる。
【0016】また、各共振子において振動子を取り囲む
ように枠体を一体的に形成してその枠体により振動子を
保持しているので、振動子の保持強度が向上する。従っ
て、各共振子の耐衝撃性を高めることができ、信頼性の
高い表面実装型ラダー型フィルタとなる。
【0017】また、本発明の直列共振子または並列共振
子の製造方法によれば、所望のパターンを形成したマス
クを圧電体基板に重ねてメディアを吹き付けることで物
理的に基板の一部を除去して加工を行なうサンドブラス
ト法によって、圧電体基板に枠体と拡がり振動子とを一
体的に形成するので、エッチング法のように薬品を使用
する必要がなく、薬品の管理や廃液処理などが不要とな
る。また、メディアおよび吹き付け条件を適宜選択する
ことにより、短時間で圧電体基板を貫通する溝や穴を加
工・形成できるので、高速処理が可能となる。しかも、
マスクを重ねてメディアを吹き付けるだけで容易に加工
を行なえるので、周波数特性の調整のための再加工にも
簡単に適用できる。
【0018】
【実施例】以下、本発明の表面実装型ラダー型フィルタ
ならびにそのラダー型フィルタに用いる直列共振子また
は並列共振子の製造方法を、図面に基づいて詳説する。
なお、本発明はこれに限定されるものではなく、本発明
の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えてもよい。
【0019】図1は、本発明の一実施例である、各々2
素子の直列共振子および並列共振子を2個ずつ持った4
素子の表面実装型ラダー型フィルタの分解斜視図であ
る。
【0020】図1の表面実装型ラダー型フィルタ1は、
絶縁プレートである下プレート2と、2素子入りの並列
共振子3と、2素子入りの直列共振子4と、絶縁プレー
トである上プレート5から主に構成されている。下プレ
ート2の表面には、4カ所の各コーナーにそれぞれ上面
から下面に至る端子電極6が形成されている。また、並
列共振子3の表面には、その上面から下面にわたって導
通している配線パターン8が設けられており、直列共振
子4の表面にも同様に、その上面から下面にわたって導
通している配線パターン9が設けられている。そして、
これらを積み重ねて接着剤などによって一体化すること
により、その積層体内部の各配線パターン8、9ならび
に端子電極6も接続されて、ラダー型フィルタ1が得ら
れる。
【0021】次に、このラダー型フィルタ1を構成する
各部材について説明する。図2(a)はそれぞれ下プレ
ート2および並列共振子3、直列共振子4、上プレート
5の上面を示す平面図であり、同図(b)はそれらの下
面を示す平面図である。
【0022】下プレート2は略長方形状のアルミナ等の
絶縁性セラミック材料の基板からなる。その厚みは、ラ
ダー型フィルタの高さ寸法ならびに要求される機械的強
度を考慮して決められるが、通常は焼成後で 200μm〜
1mmとする。
【0023】また、下プレート2の上面の中央部には、
上面の外周部を除き、深さが 0.1〜0.5 mmの凹部7が
形成されている。
【0024】さらに、下プレート2の4カ所の各コーナ
ーにはそれぞれ端子電極6が、Ag−Pd電極の焼付
け、あるいは銅やニッケルなどのメッキによって形成さ
れている。これら各々の端子電極6は、下プレート2の
上面から各コーナーの端面を通って下面に至るように形
成されている。
【0025】このような端子電極6を形成する方法を、
図3により説明する。図3は下プレートを作製するため
の母基板の加工状態を示す斜視図である。図3に示した
ように、下プレート2となる母基板10をプレス成形する
際に、下プレート2の各コーナーに対応する十字状のス
ルーホール11を設け、母基板10の主面へのAg−Pd電
極の印刷・焼付け時に十字状スルーホール11の内面にも
同様に電極膜を形成すればよい。その後、各十字状スル
ーホール11を通るように母基板10に予め設けたスナップ
ライン12に沿ってブレークしてそれぞれを分離すること
により、各コーナーに端子電極6が設けられた下プレー
ト2が得られる。
【0026】なお、この端子電極6は、ラダー型フィル
タの所望の仕様に応じて、その数や位置、形状を変えて
設ければよい。
【0027】並列共振子3は、下プレート2と同寸法
の、略長方形状のジルコンチタン酸鉛などの圧電体基板
で形成され、厚み方向に分極処理されている。その厚み
は、所望のフィルタ特性に応じて適宜設定されるが、通
常は 0.2〜0.5 mmのものが用いられる。
【0028】本実施例の並列共振子3においては、枠体
3aと、その長辺の中央部に設けられた枠体と同様の役
割をする梁3bに囲まれた内側に、それぞれ振動子3c
が1つずつ計2つ形成された2素子のもので、振動子3
cは、それぞれ枠体3aおよび梁3bに、枝3dによっ
て保持されている。これにより、振動子3cは2点保持
される構造となり、外部からのショック等による素子ず
れを起こすことがなくなって、振動や衝撃に対して強い
ものとなる。また、この振動子3cはその長辺方向に拡
がり振動をし、長辺方向の中央付近はちょうど振動の節
点に相当するので、その位置を両側から保持しても振動
特性に悪影響を与えることはない。
【0029】また振動子3cは、ラダー型フィルタの所
望の仕様に応じて、後述する並列共振子4の振動子とと
もにその数や位置・形状・寸法を変えて設けられる。
【0030】振動子3cの寸法は、通常は短辺が2〜4
mm、長辺が約5mmとなるように形成される。
【0031】この並列共振子3も、下プレート2と同じ
く図3に示したように、圧電体基板からなる母基板10に
各コーナーに対応する十字状のスルーホール11を設け、
スナップライン12に沿ってダイシングでカットして分離
することにより得られる。
【0032】並列共振子3の表面には、上下の主面にそ
れぞれ異なるパターンで配線パターン8が設けられてお
り、各コーナーの端面を通って上面と下面とが導通され
ている。配線パターン8はAg、Ag−Pdなどからな
り、上下面に所望の配線パターン8を印刷・焼付する際
に十字状のスルーホール11の内面にも電極膜を形成する
ことにより、上下面の導通が得られる。なお、この配線
パターン8の上下面の導通は、枠体3aの内面や他の場
所に設けたスルーホールで行なってもよく、その数・位
置・形状などは適宜設定すればよい。また、母基板10か
ら分離した後の端面に、上下面の配線パターン8を導通
するように電極膜を形成してもよい。
【0033】このように配線パターン8が形成された圧
電体基板に、その厚み方向に分極処理を施した後、所望
の振動子形状に対応したパターンを形成したステンレス
製などのマスクを重ねて、サンドブラスト法により並列
共振子3を作製する。このマスクは、ステンレス等の薄
板に、並列共振子3の枠体3aと梁3b・振動子3c・
枝3dで囲まれたコの字型の領域がエッチング処理など
によって実寸大で穴開け加工されている。このマスクを
圧電体基板に重ねて密着させ、マスク側から砂状のメデ
ィアを吹き付けることにより、マスクの穴開き部に相当
する部分の基板をメディアで削りとってその部分を除去
して窓開け加工を施し、並列共振子3を作製する。
【0034】このサンドブラスト加工は、マスクを基板
の片面のみに重ねてその片面側のみから行なってもよい
し、マスクを基板の両面に重ねて両面から行なってもよ
い。メディアには粒径が30〜100 μmのSiCの粒子な
どが用いられ、基板の加工速度や加工精度などの要求さ
れる特性に応じて適宜選択されて使用される。また、メ
ディアはノズルから空気圧や水圧によって流量や速度が
調整されて吹き出され、マスクを重ねた基板に吹き付け
られる。そして、基板に完全に窓開け加工がなされる速
度で基板上を掃引され、基板全面にわたって加工が施さ
れる。あるいは、所望の箇所のみに加工を行なう。
【0035】このようにして加工された並列共振子3の
周波数特性・共振特性は、母基板状態で数個もしくは全
数の特性をチェックされる。ここで所望の特性からはず
れていた場合は、必要に応じて初めと同一のマスクもし
くは別のマスクを用いて、再度サンドブラスト法で加工
を施すことにより、振動子3cの先端部を削除するなど
して、簡便に調整することができる。
【0036】そして、特性の調整が終わった後、スナッ
プライン12に沿ってダイシングでカットして母基板10か
ら分離されることにより、表面に電極としての配線パタ
ーン8が配設された並列共振子3が得られる。
【0037】直列共振子4も、並列共振子3と同様に、
下プレート2と同寸法の略長方形状の圧電体基板からな
り、厚みは通常 0.3〜1.2 mmのものが用いられる。こ
の直列共振子4も、枠体4aと、その長辺の中央部に設
けられた枠体と同様の役割をする梁4bに囲まれた内側
に、それぞれ振動子4cが1つずつ計2つ形成された2
素子のもので、振動子4cは、それぞれ枠体4aおよび
梁4bに、枝4dによって保持されている。この振動子
4cも2点保持される構造であり、耐衝撃性に優れたも
のとなる。また、枝4dによる保持が振動特性に悪影響
を与えることもない。この振動子4cの数や位置・形状
・寸法も、所望の仕様に応じて適宜設定される。
【0038】この直列共振子4も、上記の並列共振子3
と同様にして形成され、その表面には、上下の主面にそ
れぞれ異なるパターンで配線パターン9が設けられてお
り、各コーナーの端面を通って上下面のパターンが導通
されている。
【0039】上プレート5は、下プレート2と同じく略
長方形状のアルミナ等の絶縁性セラミック材料の基板か
らなる。その厚みも、同様に通常は焼成後で 200μm〜
1mmとする。そして、その表面に端子電極を形成しな
い他は、下プレート2と同様にして形成される。なお、
この上プレート5の表面にも、必要に応じて端子電極を
設けてもよい。
【0040】上記のようにして形成された下プレート
2、並列共振子3、直列共振子4、上プレート5は、図
1に示したようにこの順序で積み重ねられ、各共振子の
枠体のみに塗布された接着剤などによって接合されて一
体化され、本発明の表面実装型ラダー型フィルタ1とな
る。この接合においては、下プレート2の並列共振子3
に接合される面に深さ 0.1〜0.5 mmの凹部7が形成さ
れているため、また、端子電極6および配線パターン
8、9のそれぞれの接続部の厚みを30〜50μmと大きく
して、これらを重ね合わせたときに50〜100 μmのギャ
ップが形成されるようにするため、各共振子3、4の振
動子3c、4cは相互に接触したり上下のプレートに接
触することはない。
【0041】また、直列共振子4と並列共振子3と下プ
レート2の各表面の配線パターン8、9の間は、各々の
コーナー部での配線パターンの接触によって接続されて
いる。すなわち、図2(a)および(b)中に示したよ
うに、各コーナー、、、同士がそれぞれ接続さ
れる。なお、本実施例では、下プレート2の端子電極6
においては入力端子に対応し、は出力端子に、は
接地端子にそれぞれ対応している。また、この接続をよ
り確実にするために、プレートならびに共振子の端面に
ニッケルや半田などのメッキ膜を形成してもよい。
【0042】このラダー型フィルタ1の内部の接続は、
図4に等価回路図で示したようなフィルタ回路を形成し
ている。なお、同図中、図1および図2と同様の箇所に
は、同じ符号を付してある。
【0043】以上のようにして得られた本発明のラダー
型フィルタ1によれば、窓開け加工ならびに配線パター
ンの形成を施した圧電体基板ならびに絶縁体基板を4枚
積み重ねて接合するだけで、表面実装に適した薄型のラ
ダー型フィルタが得られる。また、各共振子の枠体や梁
・枝に配線パターンを設けることで、それらを積み重ね
ることにより、容易にその内部の配線パターン同士およ
び端子電極との導通がとれる。そして、部品点数が4点
と少ないことから、原料コストや組立コストを極めて小
さくできる。
【0044】また、各共振子における振動子がそれを取
り囲む枠体と一体構造になって保持されているので、外
部からのショックなどで素子ずれを起こすことがなく、
信頼性の高いラダー型フィルタとなる。このような優れ
た耐衝撃性は、各共振子の振動子形状を図5に示したよ
うに略正方形状にし、その各辺の中央部で枠体に4点保
持することにより、さらに高めることができる。
【0045】図5は、本発明の他の実施例としての共振
子13の形状を示す平面図である。この共振子13も、枠体
13aとその長辺の中央部に設けられた枠体と同様の役割
をする梁13bに囲まれた内側に、それぞれ略正方形状の
振動子13cが1つずつ計2つ形成された2素子のもの
で、振動子13cは各辺の中央部において、それぞれ枠体
13aおよび梁13bに枝13dによって保持されている。こ
れにより、振動子13cは4点保持される構造となり振動
子の保持が強固なものとなって、外部からのショック等
による素子ずれに対してさらに強いものとなる。この振
動子13cはその長辺方向に拡がり振動をし、各辺の中央
付近はちょうど振動の節点に相当するので、その位置を
それぞれ保持しても振動特性に悪影響を与えることはな
い。
【0046】振動子13cの寸法も所望の振動特性に応じ
て適宜設定されるが、通常は一辺が約5mmとなるよう
に形成される。また、枠体13aおよび梁13b・枝13d、
あるいはカギ型の窓部の寸法は、その幅を基板の厚みの
大きさ以上にするとよい。
【0047】この共振子13も上記の並列共振子3および
直列共振子4と同様にして形成され、表面に設ける配線
パターンの形状によって並列あるいは直列共振子とな
る。
【0048】さらに、本発明の直列共振子または並列共
振子の製造方法によれば、サンドブラスト法によって圧
電体基板の一部を除去して、圧電体基板に拡がり振動子
とそれを取り囲んで保持する枠体とを一体的に形成して
いるので、薬品を使わずに高速処理して加工することが
でき、加工の管理や処理が容易となって量産性に優れた
製造方法となる。また、最初の基板加工だけでなく、周
波数特性や振動特性の調整のための再加工にも簡単に適
用できる製造方法である。
【0049】上述のような本発明のラダー型フィルタに
よれば、従来は素子間に挿入されていた多数の端子板が
不要となり、小型で薄型のフィルタとなる。また、組立
も各部材を積み重ねのことで行なえるので、人手に頼ら
ず機械化して製造することができる。
【0050】
【発明の効果】以上のように本発明の表面実装型ラダー
型フィルタによれば、部品点数が少なくかつ内部配線の
接続が簡単にできるため、薄型化が可能で製造が容易
な、低コストの表面実装型ラダー型フィルタを提供する
ことができた。
【0051】また本発明のラダー型フィルタによれば、
直列共振子および並列共振子において振動子を金属端子
で挟む保持構造を持たず、各共振子の振動子を取り囲む
ように形成した枠体で各々の振動子を保持している。そ
のため、振動子の保持強度が高められて外部からのショ
ック等による素子ずれを起こすことがなく、耐衝撃性に
優れた信頼性の高い表面実装型ラダー型フィルタを提供
することができた。
【0052】さらに、本発明の直列共振子または並列共
振子の製造方法によれば、サンドブラスト法によって圧
電体基板を加工して振動子やその振動子を保持する枠体
を一体的に形成するので、エッチング法のように薬品を
使わず、高速処理が可能で、しかも周波数特性や振動特
性の調整のための再加工にも簡単に適用できる直列共振
子または並列共振子の製造方法を提供することができ
た。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示す表面実装型ラダー型フィ
ルタの分解斜視図である。
【図2】(a)および(b)は、本発明の実施例の表面
実装型ラダー型フィルタの構成部材を示す平面図であ
る。
【図3】本発明の実施例の絶縁プレートもしくは共振子
の母基板の加工状態を示す斜視図である。
【図4】本発明の実施例のラダー型フィルタの等価回路
図である。
【図5】本発明の他の実施例のラダー型フィルタの共振
子形状を示す平面図である。
【符号の説明】
1・・・・・・・表面実装型ラダー型フィルタ 2・・・・・・・下プレート(絶縁プレート) 3・・・・・・・並列共振子 4・・・・・・・直列共振子 3a、4a・・枠体 3b、4b・・梁(枠体) 3c、4c・・振動子 3d、4d・・枝 5・・・・上プレート(絶縁プレート) 6・・・・端子電極 8、9・・配線パターン

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも一方に端子電極を有する2枚
    の絶縁プレート間に、直列共振子と並列共振子とを、該
    直列共振子の配線パターンと並列共振子の配線パターン
    と絶縁プレートの端子電極とが導通するように積み重ね
    て配置した表面実装型ラダー型フィルタであって、前記
    直列共振子および並列共振子が、拡がり振動子と該拡が
    り振動子を取り囲んで保持する枠体とが一体的に形成さ
    れた圧電体基板と、前記圧電体基板の両主面にそれぞれ
    が導通するように被着された配線パターンとから成るこ
    とを特徴とする表面実装型ラダー型フィルタ。
  2. 【請求項2】 サンドブラスト法により圧電体基板の一
    部を除去し、圧電体基板に拡がり振動子と該拡がり振動
    子を取り囲んで保持する枠体とを一体的に形成すること
    を特徴とする直列共振子または並列共振子の製造方法。
JP23280394A 1994-09-28 1994-09-28 表面実装型ラダー型フィルタならびに直列共振子または並列共振子の製造方法 Pending JPH0897674A (ja)

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