JPH089581B2 - 3,4’−ジアミノジフェニルエーテルの製造方法 - Google Patents

3,4’−ジアミノジフェニルエーテルの製造方法

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JPH089581B2
JPH089581B2 JP60066096A JP6609685A JPH089581B2 JP H089581 B2 JPH089581 B2 JP H089581B2 JP 60066096 A JP60066096 A JP 60066096A JP 6609685 A JP6609685 A JP 6609685A JP H089581 B2 JPH089581 B2 JP H089581B2
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賢一 杉本
良満 田辺
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三井東圧化学株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、異性体混合物を含まない高純度な3,4′−
ジアミノジフェニルエーテルの製造方法に関する。
更に詳しくは、3−ニトロフェノールまたは3−アミ
ノフェノールと4−クロロニトロベンゼンを縮合させた
のち、還元して、3,4′−ジアミノジフェニルエーテル
を製造する際、2−クロロニトロベンゼンの含有量が0.
1wt%以下である4−クロロニトロベンゼンを使用する
ことを特徴とする3,4′−ジアミノジフェニルエーテル
の製造方法に関する。
3,4′−ジアミノジフェニルエーテルは、芳香族ポリ
アミド、ポリイミド等の重要な原料であるが、特に、p
−フェニレンジアミンとテレフタル酸クロライドとの3
成分からなる高張力、高モジュラスなアラミド繊維(特
公昭52-39719、同53-32838)の原料として重要である。
(従来の技術) 3,4′−ジアミノジフェニルエーテルは、従来、3,4′
−ジニトロジフェニルエーテルを中間体とする方法、ま
たは、3−アミノ−4′−ニトロジフェニルエーテルを
中間体とする方法が知られている。例えば、前者の中間
体は、3−ブロモニトロベンゼンと4−ニトロフェノー
ルカリウム塩の縮合反応により収率33%で製造(井川
ら,薬学雑誌,79 275(1959))され、4−クロロニト
ロベンゼンと3−ニトロフェノールカリウム塩をDMF中
で反応させ収率79%で得ている(J.J.Randallら,J.Org.
Chem.,27 4098〜4101(1962))。
後者の中間体は、4−クロロニトロベンゼンと3−ア
ミノフェノールから収率95.4%で製造されている(虫明
ら,特公昭47-18101)。これらの中間体のいずれも、通
常の還元手段で目的物である3,4′−ジアミノジフェニ
ルエーテルへ導くことができる。
(発明が解決しようとする問題点) これら公知の方法のうち、3−ブロモニトロベンゼン
を原料とする方法は、低収率であり経済的ではない。
4−クロロニトロベンゼンを使用する方法は、いずれ
も好収率で中間体を与え、3,4′−ジアミノジフェニル
エーテルの工業的な製造方法に適しているといえる。
しかしながら、3,4′−ジアミノジフェニルエーテル
をアラミド繊維の原料として使用するためには、極めて
高い純度が要求され、この純度の目安としては99.95wt
%以上であることが要求される。
一方、工業的に3,4′−ジアミノジフェニルエーテル
を製造する場合、原料の4−クロロニトロベンゼン中に
0.3〜3wt%程度含有する異性体のうち、2−クロロニト
ロベンゼンからは2,3′−ジアミノジフェニルエーテル
が副生する。この副生した異性体化合物は、前記アラミ
ド繊維の製造で、ジフェニルエーテル構造におけるオル
ソ位のアミノ基がほとんど反応に関与しないために末端
停止機能を有する。したがって、この異性体化合物の含
有量が増加するにつれて重縮合度は大幅に低下し、所望
の性能を具現することが不可能となる。
一般に高張力、高モジュラスな繊維用重合体を得るた
めには、できるだけ高重合度のものが要求される。例え
ば、ηinh(重合体0.5gを濃硫酸100mlに溶解させた溶液
の対数粘度)は1以上、好ましくは1.5以上である(特
公昭53-32838)。このためには、前述した如く、不純物
の総量で、0.05wt%以下が必須であり、特に、この異性
体化合物に関しては更に低減することが望ましい。
このような課題に対して、異性体化合物を目標値以下
または全く含有しない高純度な目的物を得るには、中間
体の段階、または、還元後のジアミンを精製する必要が
ある。しかしながら、この異性体化合物は、再結晶精製
で取り除き難く、繰り返し再結晶を行っても収率が大幅
に低下するのみで所望の純度に達しない。
本発明の課題は、このような異性体化合物を除いた高
純度の3,4′−ジアミノジフェニルエーテルの製造法を
提供することである。
(問題点を解決するための手段) 本発明者らは、上記のような課題を解決するため鋭意
検討した。その結果、2−クロロニトロベンゼンの含有
量が0.1wt%以下である4−クロロニトロベンゼンと3
−ニトロフェノールまたは3−アミノフェノールを縮
合、還元後、簡単な精製操作で目的物である99.95wt%
以上の高純度で、3,4′−ジアミノジフェニルエーテル
が高収率に得られることを見出し、本発明を完成させ
た。
すなわち、本発明は、3−ニトロフェノールまたは3
−アミノフェノールと4−クロロニトロベンゼンを縮合
させたのち、還元して、3,4′−ジアミノジフェニルエ
ーテルを製造する際、2−クロロニトロベンゼンの含有
量が0.1wt%以下である4−クロロニトロベンゼンを使
用することを特徴とする99.95wt%以上の高純度の3,4′
−ジアミノジフェニルエーテルの製造方法である。
本発明の方法では、3−ニトロフェノールまたは3−
アミノフェノールと、2−クロロニトロベンゼンが0.1w
t%以下である4−クロロニトロベンゼンを塩基の存在
下、非プロトン性極性溶剤中で縮合させる工程と、縮合
工程で得られた中間体化合物、すなわち、3−ニトロフ
ェノールから3,4′−ジニトロジフェニルエーテル、ま
たは3−アミノフェノールから3−アミノ−4′−ニト
ロジフェニルエーテルの中間体化合物を還元して目的物
の3,4′−ジアミノジフェニルエーテルを製造する還元
工程からなる。
本発明の方法で用いられる4−クロロニトロベンゼン
は、2−クロロニトロベンゼンの含有量が0.1wt%以下
である高純度の4−クロロニトロベンゼンであり、通
常、純度として99.9wt%を越えるものである。
4−クロロニトロベンゼンは、工業的には、クロロベ
ンゼンのニトロ化により多量に製造されている。このよ
うなクロロニトロベンゼンは、製造時に各種の副生物、
例えば、2−クロロニトロベンゼン、3−クロロニトロ
ベンゼンおよびポリニトロ化物が副生し、これを蒸留精
製して取り除いている。しかし、2−クロロニトロベン
ゼン、3−クロロニトロベンゼンのような異性体化合物
は、4−クロロニトロベンゼンと沸点が近いので、完全
に取り除くことが困難である。すなわち、工業用として
の4−クロロニトロベンゼンは、これらの異性体を、通
常、0.3〜3wt%程度含有している。
しかしながら、これらの異性体のうち、3−クロロニ
トロベンゼンの含量は、2−クロロニトロベンゼンに比
べて1/10以下と微量であること、電子吸引性基がメタ位
で相対しているために極めて反応性に乏しいこと、仮に
ジアミン化合物となった場合でも、その構造上末端停止
機能を持たないこと等で無視することができる。したが
って、問題となるのは2−クロロニトロベンゼンのみで
あり、この化合物の反応性は、主反応の4−クロロニト
ロベンゼンと比べてほぼ同じであること、得られるジア
ミン化合物はポリマーの製造における末端停止機能を有
すること、また、このジアミン化合物は再結晶精製で除
去し難いこと等で大変やっかいな問題を持っている。
したがって、本発明の方法では、高純度の3,4′−ジ
アミノジフェニルエーテルを収率よく製造するために、
原料の一方の化合物である4−クロロニトロベンゼン中
に含有する2−クロロニトロベンゼンを0.1wt%以下に
低減させて反応を行なう。この方法によれば、反応で得
られた粗製品を簡単な精製手段で、要求されるような高
純度の製品にすることができる。
一方、2−クロロニトロベンゼンの含有量が0.1wt%
以上では再結晶精製を繰り返し行なっても、所望の高純
度な製品は得られないばかりか、収率が大幅に低下す
る。
本発明の方法では、前期のような高純度の4−クロロ
ニトロベンゼンを使用するので、4−クロロニトロベン
ゼン中に含まれる異性体化合物を、アルコール類、脂肪
族炭化水素類、芳香族炭化水素類またはハロゲン化炭化
水素類で再結晶を行なって取除き、2−クロロニトロベ
ンゼンの含有量を0.1wt%以下として使用する。
この再結晶による原料4−クロロニトロベンゼンの調
製では、前記溶剤の大部分は溶解性が大きいので精製品
の収率が低い。一方、溶解性の小さい溶剤を使用する
と、目的物が溶融分離してしまうので精製効果が低下し
て好ましくない。
ところが、共沸組成のイソプロパノール水溶液を用い
ると高純度の4−クロロニトロベンゼンを高収率で得る
ことができ、なおかつ、再結晶溶剤の回収再使用をする
際に、安定した組成を保つことが容易である。
共沸組成のイソプロパノール水溶液は、通常、イソプ
ロパノール対水の比が87.4対12.6(wt%)であるが(講
談社刊,溶剤ハンドブック)、本発明では70〜95wt%の
範囲の濃度のイソプロパノール水溶液が使用できる。特
に、80〜90wt%の範囲の濃度のイソプロパノール水溶液
が、純度、収量および作業性の点で多用される。
この方法によって、2−クロロニトロベンゼン等の異
性体を0.3〜3wt%程度含有する工業用の4−クロロニト
ロベンゼンを再結晶精製すれば、2−クロロニトロベン
ゼンが0.1wt%以下である4−クロロニトロベンゼン
が、90%以上の収率で製造できる。
上記のような4−クロロニトロベンゼンと3−ニトロ
フェノールまたは3−アミノフェノールの縮合工程は、
この4−クロロニトロベンゼンとフェノール類とを、化
学量論量、あるいは、いずれかの過剰量で行なえば良
い。
この縮合反応では、塩基および溶剤を使用する。塩基
としては、アルカリ金属の炭酸塩、炭酸水素塩、水酸化
物またはアルコキシドであり、具体的には、炭酸カリウ
ム、炭酸ナトリウム、炭酸水素カリウム、水酸化カリウ
ム、水酸化ナトリウム、ナトリウムメトキシド等が挙げ
られる。これら塩基の使用量は、フェノール類に対して
当量以上あればよく、具体的には、1〜3当量の範囲で
十分である。
溶剤としては、非プロトン性極性溶剤が使用される。
具体的には、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチ
ルアセトアミド、N−メチルピロリドン、ジメチルスル
ホキシド、スルホラン、1,3−ジメチル−2−イミゾリ
ジノン等が挙げられる。この溶剤の使用量は、特に限定
されないが、通常は原料に対して1〜10重量倍で十分で
ある。
この縮合反応における反応温度は、30〜180℃の範囲
であるが、3−アミノフェノールをアルカリ金属塩とし
て反応させる場合は、30〜50℃の範囲が好ましく、それ
以外では、120〜160℃の温度範囲が好ましい。
反応の終点は、ガスクロマトグラフィーまたは高速液
体クロマトグラフィー等で決定することができる。
反応終了後、溶剤を濃縮するか、あるいは、そのまま
水等へ投入すれば結晶が析出し、これを濾過することに
より中間体化合物を得ることができる。次に、還元工程
は縮合工程で得られた中間体化合物を溶剤中で、触媒の
存在下に還元する方法が用いられる。この方法として
は、一般的な接触還元またはヒドラジン還元による方法
が好ましく用いられる。
この溶剤としては、水、メタノール、エタノール、イ
ソプロパノール、イソブタノール、メチルセロソルブ、
エチルセロソルブ、エチレングリコール、プロピレング
リコール、ジグライム、ジオキサン、テトラヒドロフラ
ン等のアルコール類、グリコール類、エーテル類が好ん
で用いられ、場合によっては、ヘキサン、シクロヘキサ
ン、ベンゼン、トルエン、酢酸エチル、酢酸ブチル、ジ
クロロメタン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2−トリクロ
ロエタン等の脂肪族炭化水素類、芳香族炭化水素類、エ
ステル類、ハロゲン化炭化水素類も使用することができ
る。これら溶剤は、単独で用いても、2種類以上混合し
て用いても良い。溶剤の使用量は特に限定されないが、
通常、被還元物に対して1〜15重量倍で十分である。
還元触媒としては、一般に使用されている還元触媒、
例えば、パラジウム、白金、ロジウム、ルテニウム、ラ
ネーニッケル、銅、鉄等が使用できる。これら触媒は金
属の状態でも使用できるが、通常は、カーボン、硫酸バ
リウム、シリカゲル、アルミナ等の担体表面に付着させ
て用いられる。工業的には、パラジウム、白金触媒が好
ましく、ヒドラジン還元では塩化第二鉄を活性炭に吸着
させて使用することも好ましい。これら触媒の使用量
は、被還元物に対して、金属として0.01〜30重量%の範
囲であり、通常、担体に付着させて用いる場合では0.05
〜5重量%の範囲である。
反応温度は、特に限定はなく、一般的には0〜150℃
の範囲、特に10〜80℃が好ましい。また、接触還元方法
において反応応力は通常、常圧〜50kg/cm2でよい。
この還元反応は、前記中間体化合物を溶剤に溶解また
は懸濁させたのち、還元反応で使用する触媒を加えて行
なう。
ヒドラジン還元では、所定の温度でヒドラジンを滴下
させ、反応が完結するまで一定に保って行なう。
接触還元では、水素ガスの吸収量を定量するか、また
は、水素ガスの吸収が停止するまで行なう。
反応の進行は、ガスクロマトグラフィーまたは高速液
体クロマトグラフィーにより知ることができる。
反応終了後、いずれの場合も、溶媒を濃縮するか、水
等で希釈することにより、目的物である3,4′−ジアミ
ノジフェニルエーテルが単離できる。これを再結晶精製
すれば容易に高純度な目的物が得られる。
(作用および効果) 本発明の方法によれば、縮合反応において再結晶精製
等で除去し難い異性体が、極めて微量〜ほとんど副生し
ないので、簡単な精製操作で収率を大幅に低下させるこ
となく、高純度な3,4′−ジアミノジフェニルエーテル
が製造できる。また、原料である4−クロロニトロベン
ゼンも高収率で精製品が得られるので目的物での原単位
向上に極めて有利である。
さらに、各種溶剤の回収再使用も容易であるため、工
程の簡略化とともに、経済的であり工業的に実施するう
えで好適である。
(実施例) 以下、本発明の方法を実施例により更に詳細に説明す
る。
実施例1 工業用の4−クロロニトロベンゼン(三井東圧化学
製、GC純度、4−クロロニトロベンゼン99.3wt%、2−
クロロニトロベンゼン0.67wt%、3−クロロニトロベン
ゼン0.03wt%)500gを80wt%イソプロパノール水溶液10
00mlで再結晶精製すると、ガスクロマトグラフィーによ
る純度99.99wt%の高純度な4−クロロニトロベンゼン
が469g(収率93.8%)得られた。
撹拌装置、温度計を備えた反応器に、この高純度な4
−クロロニトロベンゼン165.5g(1.05モル)、3−アミ
ノフェノール109g(1.0モル)、無水炭酸カリウム97g
(0.7モル)およびN,N−ジメチルホルムアミド(500ml
を装入し、窒素ガスを通気せながら撹拌下で反応を行な
った。反応は温度130〜135℃で15時間行なって終了し
た。
反応終了後、濃縮して溶剤を回収したのち水1中に
排出した。析出した黄色の結晶を濾過して、3−アミノ
−4′−ニトロジフェニルエーテルを得た。次に、撹拌
装置、温度計を備えた密閉型還元反応器に、前記3−ア
ミノ−4′−ニトロジフェニルエーテルと5%パラジウ
ムカーボン触媒4.5gおよびメタノール500mlを装入し、
激しく撹拌しながら水素ガスを導入した。反応温度25〜
35℃で8時間反応を行なったところ、65.5lの水素を吸
収し、これ以上の吸収が認められなくなったので反応を
終了した。終了後、濾過して触媒のパラジウムカーボン
を除き、エバポレーターにより減圧濃縮すると3,4′−
ジアミノジフェニルエーテルの粗結晶が析出した。これ
を濾過したのち、10%濃度の塩酸水溶液1に溶解さ
せ、10gの活性炭を加えて濾過した。濾液を温度80℃に
加熱した後、食塩270gを徐々に加え冷却すると、白色針
状の3,4′−ジアミノジフェニルエーテル塩酸塩が析出
した。
これを濾過してイソプロパノールで洗浄後、50%イソ
プロパノール水溶液600mlに溶解させ、活性炭処理を行
なったのちアンモニア水で中和した。析出した白色燐片
状晶の結晶を濾過し、イオン水で洗浄後、真空乾燥して
164.8g(収率82.3%)の3,4′−ジアミノジフェニルエ
ーテルを得た。ガスクロマトグラフィーによる純度は9
9.95wt%であり、融点は73.5〜74℃であった。元素分析
の結果は次のとおりである。 元素分析(C12H12N2O) C H N 計算値(%) 71.98 6.04 13.99測定値(%) 71.90 6.19 13.81 実施例2 2−クロロニトロベンゼ2.12wt%、3−クロロニトロ
ベンゼン0.18wt%を含有する4−クロロニトロベンゼン
200gを90wt%イソプロパノール水溶液300mlで再結晶精
製すると、ガスクロマトグラフィーによる純度が99.93w
t%の4−クロロニトロベンゼン(2−クロロニトロベ
ンゼン0.07wt%)が180.4g(収率90.2%)得られた。
次に、撹拌装置、温度計、還流冷却器および水分離器
を備えた反応器に、3−ニトロフェノール139.1g(1.0
モル)、96%苛性カリ58.3g(1.0モル)、N−メチルピ
ロリドン350mlおよびトルエン50mlを装入し、トルエン
の還流状態で留出してくる水を水分離器により系外へ抜
き取った。
次いで、上記4−クロロニトロベンゼン165.5g(1.05モ
ル)とN−メチルピロリドン250mlの溶液を30分で滴下
させ、温度を130〜145℃に保った。同温度で6時間反応
させたのち、溶剤を濃縮して水1中に排出した。析出
した黄褐色の結晶を濾過して3,4′−ジニトロジフェニ
ルエーテルを得た。
この3,4′−ジニトロジフェニルエーテルについて、
溶剤をイソプロパノールにした以外は、実施例1と同様
にして接触還元を行なった。
還元終了後、濾過して触媒を除き、濾液に35%塩酸30
0gを加え冷却すると、3,4′−ジアミノジフェニルエー
テル塩酸塩の白色結晶が析出した。これを濾過、洗浄
後、実施例1と同様の方法で中和することにより、ガス
クロマトグラフィーの純度99.99wt%の3,4′−ジアミノ
ジフェニルエーテル146.8g(収率73.3%)を得た。融点
は73.5〜74℃であった。
実施例3 攪拌装置、温度計を備えた反応器に3−アミノフェノ
ール109g(1.0モル)、96%苛性ソーダ40gおよびジメチ
ルスルホキシド500mlを装入し、窒素ガスを通気させな
がら80℃で溶解した。冷却後、実施例1で得られた4−
クロロニトロベンゼン165.5g(105モル)を50℃で装入
した。同温度で12時間反応を行なって終了した。反応終
了後、濃縮して溶剤を回収したのち水1中に排出し
た。析出した茶褐色の結晶を濾過して、3−アミノ−
4′−ニトロジフェニルエーテルを得た。
次に、この3−アミノ−4′−ニトロジフェニルエー
テルをイソプロパノール800ml、活性炭10gおよび塩化第
二鉄1gとともに、還流状態において、ヒドラジン水和物
200gを5時間で滴下させた。ひきつづき還流状態で3時
間反応させて終了とした。反応終了後、冷却、濾過して
触媒を除き、エバポレーターにより濃縮すると、3,4′
−ジアミノジフェニルエーテルの粗結晶が析出した。こ
れを実施例1と同様に処理して、ガスクロマトグラフィ
ーによる純度99.98wt%の3,4′−ジアミノジフェニルエ
ーテルを153.4g(収率76.6%)得た。
比較例1 縮合反応に、実施例1で用いた2−クロロニトロベン
ゼン等の異性体を0.7wt%含有する工業用の4−クロロ
ニトロベンゼンを使用した以外は、すべて実施例1と同
様に行なったところ、目的物の3,4−ジアミノジフェニ
ルエーテルの収量は、158.4g(収率79.1%)、融点73〜
74℃で、ガスクロマトグラフィーによる純度が99.5wt%
であった。この3,4′−ジアミノジフェニルエーテル30g
をイソプロパノール100mlで再々結晶したところ純度は9
9.67wt%であり、収量は20.8g(通算収率54.8%)であ
った。
比較例2 縮合反応に2−クロロニトロベンゼン等の異性体を2.
3%含有する4−クロロニトロベンゼンを使用した以外
は、実施例2と同様に行なった。目的物の融点は73〜74
℃でガスクロマトグラフィーによる純度は98.3%であっ
た。
この純度では再結晶精製を繰り返し行なっても、目標
とする高純度品が得られる見込みは全くないと判断され
る。
比較例3 2−クロロニトロベンゼン等の異性体化合物を0.7wt
%含む工業用4−クロロニトロベンゼン165.5g(1.05モ
ル)、3−アミノフェノール109g(1.0モル)、無水炭
酸カリウム97g(0.7モル)およびN,N−ジメチルホルム
アミド500mlを装入し、実施例1と同じように反応し
て、粗3−アミノ−4′−ニトロジフェニルエーテルを
224.6g(収率97.6%)を得た。高速液体クロマトグラフ
ィーによる純度は98.3Area%であった。この粗3−アミ
ノ−4′−ニトロジフェニルエーテルをトルエンとシク
ロヘキサン1/2(Vol/Vol)の混合溶媒により再結晶精製
を行なったところ、純度は98.7Area%であった。これ
を、更にイソプロパノールで再々結晶精製したが、純度
はほとんど変わらなかった。つぎに、この再々結晶品を
用いて実施例1と同じように還元し、塩酸塩精製して目
的物の3,4′−ジアミノジフェニルエーテル97.7g(通算
収率48.8%)を得た。このもののガスクロマトグラフィ
ーによる純度は99.63wt%であった。
比較例4 ガスクロマトグラフィー分析で2−クロロニトロベン
ゼン0.16wt%および3−クロロニトロベンゼンをトレー
ス程度含有する4−クロロニトロベンゼンを用い、実施
例1と同様に行なって、3,4′−ジアミノジフェニルエ
ーテルを163.0g(収率81.4%)得た。ガスクロマトグラ
フィーによる純度は99.7wt%であった。
つぎに、この3,4′−ジアミノジフェニルエーテル各1
0gを用いて再結晶条件を検討した。
下記表1に結果を示す。
参考例1 実施例1および比較例1で得られた3,4′−ジアミノ
ジフェニルエーテルを用いて、以下の方法で重合体を
得、重合度の目安となるηinhを測定した。ηinhは重合
体0.5gを濃硫酸100mlに溶解した溶液の30℃における対
数粘度のことである。即ち、3,4′−ジアミノジフェニ
ルエーテル10.012g(0.05モル)とP−フェニレンジア
ミン5.407g(0.05モル)と乾燥したN−メチルピロリド
ン500mlに溶解させ、乾燥窒素気流下で0℃に冷却した
のち、激しく攪拌ながらテレフタル酸クロライドの粉末
20.302g(0.1モル)を速やかに添加した。この混合溶液
を5時間攪拌したのち、酸化カルシウム5.7gを加えて副
生塩酸を中和した。ついで、この重合体溶液の一部を50
%メタノール水溶液に投入して重合体を沈澱せしめ、濾
過、水洗後、乾燥した。かくして得られた実施例1の原
料を使用したポリアミドのηinhは1.95であり、比較例
1の原料を使用したポリアミドのηinhは0.86であっ
た。
フロントページの続き 審判の合議体 審判長 吉村 康男 審判官 谷口 操 審判官 横尾 俊一 (56)参考文献 特公 昭47−18101(JP,B1) 特公 昭48−27297(JP,B1)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】3−ニトロフェノールまたは3−アミノフ
    ェノールと4−クロロニトロベンゼンを縮合させたの
    ち、還元して、3,4′−ジアミノジフェニルエーテルを
    製造するに際し、2−クロロニトロベンゼンの含有量が
    0.1wt%以下である4−クロロニトロベンゼンを使用す
    ることを特徴とする99.95wt%以上の高純度のアラミド
    繊維の原料用の3,4′−ジアミノジフェニルエーテルの
    製造方法。
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