JPH0662550B2 - 3,3′−ジアミノジフエニルスルホンの製造法 - Google Patents

3,3′−ジアミノジフエニルスルホンの製造法

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JPH0662550B2
JPH0662550B2 JP60162838A JP16283885A JPH0662550B2 JP H0662550 B2 JPH0662550 B2 JP H0662550B2 JP 60162838 A JP60162838 A JP 60162838A JP 16283885 A JP16283885 A JP 16283885A JP H0662550 B2 JPH0662550 B2 JP H0662550B2
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  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は3,3′−ジアミノジフェニルスルホン(以下、
3,3′−DASと略記する)の製造方法に関する。
この3,3′−DASは耐熱性高分子単量体、農医薬および染
料中間体等に有用であり、特に耐熱性ポリアミド、ポリ
アミドイミド、ポリイミドの原料およびエポキシ樹脂の
硬化剤として重要な化合物である。
(従来の技術) 従来、3,3′−DASは、典型的には3,3′−ジニトロジフ
ェニルスルホン(以下3,3′−DNDSと略記する)を還元
して製造されている(特開昭56-25150)。この3,3′−D
NDSを製造する方法はジフェニルスルホンを混酸により
ニトロ化して製造する方法(ジャーナル・オブ・オーガ
ニック・ケミストリー(J.Org.Chem.)4 262(1939),ケ
ミカル・アブストラクト(Chem.Abs.)19 980(1925))
か、ジフェニルスルフィドを発煙硝酸により、酸化と同
時にニトロ化して製造する方法(ケミカル・アブストラ
クト(Chem.Abs.)40 7153(1946))がある。
また、ベンゼンを無水硫酸の存在下でニトロ化した場合
の副生物として単離している方法(ケミカル・アブスト
ラクト(Chem.Abs.)73 34962n(1970))があり、さらに
は、ニトロベンゼンをスルホン化してm−ニトロベンゼ
ンスルホン酸を製造する際の副生物として単離している
方法(ケミカル・アブストラクト(Chem.Abs.)73 3496
2n(1970))が知られている。
しかしながら、3,3′−DNDSをジフェニルスルホンなら
びにジフェニルスルフィドから製造する方法では、ニト
ロ化により得られる反応生成物が異性体を含む混合物で
あるために、3,3′−DNDSを単離するには多量の溶剤を
使用し、再結晶精製を繰り返し行なわなければならな
い。このため、収率は低下し、また、精製に用いた溶剤
の回収および残査の処理等に経費と労力を要する。
一方、無水硫酸中でのベンゼンのニトロ化およびニトロ
ベンゼンのスルホン化により、m−ニトロベンゼンスル
ホン酸を製造する際の副生物として3,3′−DNDSを得る
場合では、収率は低く、かつそれ自身が主目的として製
造されていないので、供給に問題があり、さらに、需要
の増大に対して必要量の確保ができないという欠点があ
る。
(発明が解決しようとする問題点) 本発明の課題は、高純度な3,3′−DASを安価に、かつ安
定的に供給するために、異性体化合物を含む粗3,3′−D
NDSを簡単な処理で収率よく高純度化する工程を含む、
3,3′−DASの工業的製造法を提供することである。
(問題点を解決するための手段) 上記課題の達成のため、本発明者らは鋭意検討した。そ
の結果、異性体化合物を含む粗3,3′−DNDSを低級アル
コールと塩基で反応させた場合、実質的に3,3′−DNDS
の損失がなく、o−および/またはp−位にニトロ基が
置換された異性体化合物のみが対応するアルコキシ体に
変換され、さらに3,3′−DNDSは低級アルコールに対す
る溶解性が小さいので、反応後、溶解しているアルコキ
シ体と別するだけで収率よく高純度化した3,3′−DND
Sを単離することができ、これを還元すれば目的物の3,
3′−DASが製造できることを見出し、本発明を完成し
た。
本発明の方法は、安価なジフェニルスルホン、または3
−ニトロベンゼンスルホニルクロリドとベンゼンのフリ
ーデルクラフッ反応で得られる3−ニトロジフェニルス
ルホンを、混酸でニトロ化し、3,3′−DNDSの含有率が
85〜95%の粗ジニトロジフェニルスルホンを低級ア
ルコールと塩基で処理して高純度な3,3′−DNDSとし、
ついでこの3,3′−DNDSを還元して目的物の3,3′−DAS
へ誘導するものである。
本発明の方法で使用する異性体化合物を含む粗3,3′−
ジニトロジフェニルスルホンは、ジフェニルスルホンの
スルホニル基に対し、o−位またはp−位がニトロ化さ
れたジフェニルスルホンを含有する3,3′−ジニトロジ
フェニルスルホンである。このような粗3,3′−ジニト
ロジフェニルスルホンは、ジフェニルスルホンまたは3
−ニトロジフェニルスルホンを混酸でニトロ化する方法
や、ジフェニルスルフィドを酸化とニトロ化する方法に
よって得られる。一般にジフェニルスルホンまたは3−
ニトロジフェニルスルホンのニトロ化が多用される。こ
の方法で得られる生成物は主成分は3,3′−DNDSである
が反応の条件により、異性体組成が変化する。すなわ
ち、ニトロ化剤の種類、量および反応温度等によって、
3,3′−DNDSの含有量は60〜95%の範囲で変化し、
副生物の2,3′−ジニトロジフェニルスルホンおよび3,
4′−ジニトロジフェニルスルホンの総量も5〜40%
となる。また、ジフェニルスルホンを原料とした場合
は、微量〜少量の2,2′−ジニトロジフェニルスルホン
も副生する。しかしながら、この方法で得られる粗3,
3′−DNDSは、副生物が本発明の方法で容易に取り除け
る範囲、または全体的な収率の向上を考慮して、出来る
だけ3,3′−DNDSの選択率を高めたジニトロジフェニル
スルホンを製造することが望ましい。その方法として、
ニトロ化剤に混酸を使用し、比較的低温度でニトロ化反
応を行なう。
混酸は、硝酸または硝酸ナトリウム、硝酸カリウム等の
硝酸のアルカリ金属塩と硫酸を用いるが、3,3′−DNDS
の選択性を向上させるために、出来るだけ無水の状態で
行なう方がよい。このため、硝酸は硝酸濃度90%以上
の発煙硝酸が好ましく、また、硫酸は98%以上、さら
には無水硫酸を30%程度含む範囲の発煙硫酸が効果的で
ある。水等の存在によって混酸濃度が低い場合は3,3′
−DNDSの選択性が低下する。
反応温度は、3−ニトロジフェニルスルホンをモノニト
ロ化する場合、50℃以下で目的が達成されるが、ジフ
ェニルスルホンをジニトロ化する場合は20℃以下、好
ましくは5℃以下がよい。このニトロ化反応では反応温
度が高くなるにつれて3,3′−DNDSの選択性が低下す
る。
硝酸または硝酸塩の使用量は、理論量の小過剰、すなわ
ち、3−ニトロジフェニルスルホンをモノニトロ化する
場合は原料に対し1.0〜2.0倍モル、好ましくは1.05
〜1.2倍モルでよく、ジフェニルスルホンをジニトロ化
する場合は原料に対し2.0〜3.5倍モル、好ましくは2.
1〜2.5倍モルでよい。
硫酸、発煙硫酸の使用量は、使用する硝酸に対し2.5〜
10倍モル、好ましくは3〜5倍モルでよい。この第一
の工程の一般的な実施方法は、混酸中に原料を加える
か、あるいは硫酸に原料を溶解または懸独させた状態で
硝酸を加えニトロ化するかのどちらでもよい。
反応後、氷水に排出し、析出した結晶を過して粗ジニ
トロ体を得る。
このようにしてニトロ化した粗ジニトロジフェニルスル
ホンの異性体組成は、主成分の3,3′−DNDSが85〜9
5%で副生物の2,2′−ジニトロジフェニルスルホン微
量、2,3′−ジニトロジフェニルスルホン2〜10%お
よび3,4′−ジニトロジフェニルスルホン2〜6%程度
含むものである。
次に本発明の方法では、まず、前記のような方法で得ら
れた3,3′−DNDSを85〜95%含有する粗ジニトロジ
フェニルスルホンを低級アルコールと塩基で処理し、よ
り高純度な3,3′−DNDSとして分離する。
すなわち、2,2′−体、2,3′−体、3,4′−体および3,
3′−体とからなるジニトロジフェニルスルホンを低級
アルコールと塩基を用いて、比較的温和な条件下で反応
させれば、目的物の中間体化合物である、3,3′−ジニ
トロ体以外の異性体化合物はアルコキシ化されて低級ア
ルコールに可溶化するが、3,3′−ジニトロ体は析出し
たまま存在する。
さらに詳しく説明すると、この工程の方法はジフェニル
スルホンのスルホニル基に対してo−位およびp−位が
ニトロ基で置換された2,2′−ジニトロジフェニルスル
ホン、2,3′−ジニトロジフェニルスルホンおよび3,4′
−ジニトロジフェニルスルホンは塩基と低級アルコール
で反応させると容易にo−またはp−アルコキシ体に変
換されるが、3,3′−DNDSはm−位のニトロ基が不活性
であるため全く反応しない。
したがって、3,3′−DNDSは実質的に損失なく存在す
る。
また、使用する低級アルコールに対して3,3′−DNDSは
ほとんど不溶であることから、反応後、析出状態にある
結晶を別するだけで高純度化された3,3′−DNDSがほ
とんど損失なく単離することができる。
この工程で使用するアルコールの種類としてはメタノー
ル、エタノール、イソプロパノール等の低級脂肪族一価
アルコールや、シクロヘキサノール等の脂環状アルコー
ル、ベンジルアルコール等の芳香族アルコール、および
エチレングリコール等の低級多価アルコール等も使用で
きるが、アルコキシ化反応速度や回収等の経費を考慮し
た場合、低級脂肪族一価アルコールが好ましく、さらに
好ましくは炭素数5以下の脂肪族一価アルコールがよ
い。
使用するアルコールの量は、粗ジニトロジフェニルスル
ホン中に含まれる3,3′−DNDS以外の異性体含量と等モ
ル以上なら特に限定はされないが、通常は、溶剤を兼
て、攪拌できる程度の量を使用する。
すなわち、原料の粗ジニトロジフェニルスルホンに対し
て1〜5重量倍あればよい。
また、特にアルコールを1重量倍以下の少量使用するた
めに、原料およびアルコールに不活性な他の溶剤を加え
て反応させてもよく、この溶剤としては、ベンゼン、ト
ルエン、モノクロロベンゼン等の芳香族炭化水素類、1,
2−ジクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン等のハロ
ゲン化炭化水素類、ジオキサン、ジクライム、テトラヒ
ドロフラン等のエーテル類、アセトン、メチルエチルケ
トン等のケトン類、N,N−ジメチルホルムアミド、N−
メチルピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジ
ノン、スルホラン等の非プロトン性極性溶剤類および水
が挙げられる。
次に、使用する塩基性化合物としては、炭酸カリウム、
炭酸ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、
および水酸化カルシウム等のアルカリ金属及びアルカリ
土類金属の水酸化物もしくはそれらの炭酸塩、重炭酸
塩、亜硫酸塩及び重亜硫酸塩等が挙げられる。
特に、好ましくは安価な水酸化ナトリウムがよい。
これら塩基性化合物の使用量は、原料の粗ジニトロジフ
ェニルスルホン中に含まれる3,3′−DNDS以外の異性体
含量と化学量論的に当量以上あればよく、好ましくは1.
5〜5当量である。
反応温度は、その反応系での沸点以下で適当な反応速度
を与えるように選ばれる。
通常は、使用するアルコールの沸点付近で反応させるの
が便利である。加圧下でこれより高い温度で実施する事
もできるが経済的ではない。
反応の進行は、薄層クロマトグラフィ、ガスクロマトグ
ラフィーまたは高速液体クロマトグラフィーにより確認
できる。
また、本発明の方法では、反応を促進するための触媒と
して、4級アンモニウム塩、4級ホスホニウム塩、クラ
ウンエーテルのような大環状ポリエーテル、クリプテー
トのような含窒素大環状ポリエーテル、含窒素鎖状ポリ
エーテル、ポリエチレングリコールおよびそのアルキル
エーテルのような相間移動触媒を加えてもよい。
この工程の一般的な実施方法は、原料の粗ジニトロジフ
ェニルスルホンと所定量の塩基、アルコール、場合によ
っては他の溶剤を装入し、使用したアルコールの沸点〜
それ以上の温度で反応させ、反応終了後冷却して析出し
ている3,3′−DNDSを別することにより達成される。
このようにして得られた3,3′−DNDSの純度は97〜9
9%の範囲であり、微量〜少量の2,3′−ジニトロジフ
ェニルスルホンおよび3,4′−ジニトロジフェニルスル
ホンが残存する。
この微量〜少量の不純物は、還元した後の簡単な精製操
作により除去され、その結果、高純度な目的物を与え
る。
ついで、以上のようにして得られた高純度化された3,
3′−DNDSを溶剤中で還元する。この還元方法は特に制
限はなく、通常ニトロ基をアミノ基に還元する方法(例
えば、新実験化学講座、15巻、酸化と還元〔II〕、丸善
(1977))を適用できるが、工業的には接触還元が好ま
しい。接触還元で使用される還元触媒としては、一般に
接触還元に用いられている金属触媒、例えばニッケル、
パラジウム、白金、ロジウム、ルテニウム、コバルト、
銅などを使用することができる。工業的にはパラジウム
触媒を使用するのが好ましい。これらの触媒は、金属の
状態でも使用することができるが、通常は、カーボン、
硫酸バリウム、シリカゲル、アルミナ、セライトなどの
担体表面に担持させて用いたり、また、ニッケル、コバ
ルト、銅などはラネー触媒としても用いられる。触媒の
使用量は特に制限はないが、原料に対して、金属として
0.01〜10重量%の範囲であり、通常、金属の状態で使
用する場合は2〜8重量%、担体に担持させた場合では
0.1〜5重量%の範囲である。
反応溶媒としては、反応に不活性なものであれば特に限
定されるものでなく、例えば、メタノール、エタノー
ル、イソプロピルアルコール等のアルコール類、エチレ
ングリコール、プロピレングリコール等のグリコール
類、エーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、メチ
ルセロソルブ等のエーテル類、場合によってはヘキサ
ン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素類、ベンゼン、
トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、酢酸エチ
ル、酢酸ブチル等のエステル類、ジクロロメタン、クロ
ロホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン、1,1,2−
トリクロロエタン、テトラクロロエタン等のハロゲン化
炭化水素類およびN,N−ジメチルホルムアミド等が使用
できる。なお、水と混和しない反応溶媒を使用した際
に、反応の進行が遅い場合は四級アンモニウム塩、四級
ホスホニウム塩のような一般に使用されている相間移動
触媒を加えることによって速めることができる。溶媒の
使用量は、原料を懸濁させるかあるいは完全に溶解させ
るに足る量で十分であり特に限定されないが、通常、原
料に対して0.5〜10重量倍で十分である。
反応温度は、特に限定はない。一般的には20〜200℃
の範囲、特に20〜100℃が好ましい。また、反応圧力
は、通常、常圧〜50kg/cm2-G程度である。
反応は、通常、原料を溶媒に溶解もしくは懸濁させた状
態で触媒を加え、ついで攪拌下に所定の温度で水素を導
入して還元反応を行なう。反応の終点は水素吸収量によ
っても、あるいは薄層クロマトグラフィーや高速液体ク
ロマトグラフィーなどによっても決定できる。
反応終了後、反応液を熱過して触媒を除去した後、必
要に応じて溶媒を留去すると目的とする3,3′−DASの粗
製品が得られる。この粗製品は再結晶あるいは塩酸塩と
して単離することにより精製することができる。
(作用および効果) 本発明の方法では、安価なジフェニルスルホンまたは3
−ニトロジフェニルスルホンを発煙硝酸と硫酸または発
煙硫酸からなる混酸により、比較的低温度でニトロ化反
応を行えば、3,3′−DNDSの選択性が高いその他の異性
体を含むジニトロジフェニルスルホンが得られ、これを
低級アルコールと塩基を用い、極めて容易な作業方法で
高純度化することができ、なおかつ、粗製品中に含有す
る3,3′−DNDSをほとんど損失することなく得ることが
できる。また、使用する材料はいずれも安価なものであ
り、回収も容易であるので経済的であるばかりでなく、
無公害な方法として推奨できる。
この高純度化された3,3′−DNDSを通常の還元手段で、
簡単に目的物の3,3′−DASへ誘導することができる。
本発明の方法で製造した3,3′−DASは、各種耐熱樹脂モ
ノマー、エポキシ樹脂硬化剤等の用途に使用しても何ら
問題はない。
すなわち、本発明は、従来、異性体の分離操作が煩雑
で、経済的に採算がとれなかったジフェニルスルホン等
のニトロ化法による粗3,3′−DNDSから有用な3,3′−ジ
アミノジフェニルスルホンを安価に製造する方法を提供
したものである。
このため、需要に対して安定的に供給することができる
ので、その意義は大きい。
(実施例) 本発明を実施例により更に詳細に説明する。
実施例1 温度計、攪拌装置を備えた反応器に工業用98%硫酸44
0gおよびジフェニルスルホン109.2g(0.5モル)
を装入し、攪拌溶解させながら冷却して温度を0〜2℃
の範囲に保った。同温度で比重1.52の発煙硝酸70.7
gを2時間かけて滴下した。滴下終了後、冷却浴を除
き、室温まで上昇させて5時間熟成を行なった。反応終
了後、反応液を氷水1.5に排出し、析出した結晶を
過、水洗後乾燥した。これは粗3,3′−DNDSであり、収
量は151.5g(収率98.3%)で、高速液体クロマトグ
ラフィー(HPLC)による分析の結果は次のとおりであっ
た。
この粗ジニトロジフェニルスルホン30.8g(0.1モル)
と苛性ソーダー1.2g(0.03モル)、メタノール70m
、トリエチルベンジルアンモニウムクロリド0.5gお
よび水30mを温度計、攪拌装置および還流冷却器を
備えた反応器に装入し、還流下で8時間反応した。冷却
後、析出している結晶を過、洗浄後乾燥して26.8g
(収率87.0%)の3,3′−DNDSを得た。融点は197〜201
℃で高速液体クロマトグラフィーによる純度は次のとお
りであった。
次に、上記3,3′−DNDSを5%pd/c触媒0.8gおよびメタ
ノール150mとともに密閉型還元反応器に装入し、激
しく攪拌しながら水素を導入した。
温度50〜60℃で5時間行なったところ11.5の水素
を吸収し、これ以上水素の吸収が認められなかったので
終了した。ただちに、反応液を過して触媒を除き、エ
バポレーターで濃縮すると淡褐色プリズム晶の3,3′−D
ASが析出した。これを過、洗浄後乾燥して高速液体ク
ロマトグラフィーによる純度99.15%の3,3′−DAS19.6
gを得た。融点は171〜173.5℃でジフェニルスルホンよ
りの収率77.6%であった。
上記3,3′−DASをイソプロパノールで再結晶して微褐色
プリズム晶の純品を得た。融点は172〜174℃で元素
分析の結果は次のとおりである。
実施例2 温度計、攪拌装置を備えた反応器に3−ニトロジフェニ
ルスルホン131.6g(0.5モル)と工業用98%硫酸300
gを装入し、温度0〜2℃で比重1.52の発煙硝酸36
gを滴下し、実施例1と同様にニトロ化反応および後処
理を行なって152.1g(収率98.7%)の粗ジニトロ
ジフェニルスルホンを得た。このものの高速液体クロマ
トグラフィーによる分析結果は次のとおりであった。
この粗ジニトロジフェニルスルホン30.8g(0.1モ
ル)を無水炭酸カリウム1.38g(0.01モル)および
エタノール100mとにより、還流下で5時間反応さ
せた。
次に、冷却したのち過、洗浄、乾燥して28.7g(収
率93.2%)の3,3′−DNDSを得た。融点は198〜201℃
であり高速液体クロマトグラフィーによる純度は次のと
おりであった。
次に、上記3,3′−DNDSをラネーニッケル触媒2gおよ
びメチルセロソルブ100mとともにオートクレーブに
装入し、水素圧30〜50kg/cm2、反応温度70〜80℃
で3時間還元を行なった。反応後の後処理は実施例1と
同様に行なって高速液体クロマトグラフィーによる純度
99.38%の3,3′−DNDS21.5gを得た。融点は171.
5〜174℃で3−ニトロジフェニルスルホンよりの収率
85.5%であった。
実施例3 温度0〜−2℃の25%発煙硫酸440g中にジフェニ
ルスルホン109.2gを装入した。ついで、温度0〜2
℃に保ちながら、比重1.52の発煙硝酸を3時間かけて
滴下した。滴下終了後、冷却浴を取り除いて内温を25
℃に上げ3時間攪拌を行なったのち、反応液を氷水1.5
に排出した。析出した結晶を過、水洗して高速液体
クロマトグラフィーによる3,3′−DNDSの含有率91.48%
のジニトロジフェニルスルホンの湿結晶310gを得た。
(固形分48.4%)。
この湿結晶と45%苛性ソーダー16.7g、メタノール
750mを還流冷却器を備えた反応器に装入し、加熱
還流を5時間行なった。冷却後、過して純度98.12
%の3,3′−DNDS湿結晶171gを得た(固形分80%)。
次に、還元反応器に5%Pd/C触媒2g、メタノール80
0mとともに上記湿結晶を装入し、水素ガスを導入し
ながら温度50〜60℃で激しく攪拌して還元を行なっ
た。
還元終了後、過して触媒を除きエバポレーターで溶剤
を回収したところ淡褐色プリズム晶の結晶が析出した。
これを過、洗浄後、5%希塩酸水溶液570gに溶解
させた。ついで活性炭2.9gを加えて過したのち、2
9%アンモニア水48.6gで中和結析した。析出した白色
の結晶を過、水洗、乾燥して93gの3,3′−DASを得
た。融点は172〜174℃、純度99.2%、通算収率75%
であった。
実施例4 実施例2で得られた粗ジニトロジフェニルスルホン30.
8gに対し、苛性カリ1.2g、n−ブタノール10m
およびトルエン75mを用い、還流状態で15時間反
応させた。冷却後、過、洗浄して乾燥したところ27.
9g(収率90.6%)の3,3′−DNDSを得た。
高速液体クロマトグラフィーによる純度は次のとおりで
あった。
この3,3′−DNDSを実施例1と同様に還元、後処理して
23.2gの3,3′−DASを得た。
純度99.2%、融点171.5〜174℃、通算収率は8
3.6%であった。
フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07B 61/00 300

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】異性体化合物を含む粗3,3′−ジニトロジ
    フェニルスルホンを低級アルコールと塩基の存在下で処
    理し、実質的にo−位および/またはp−位にニトロ基
    を有する異性体化合物のみを対応するアルコキシ化合物
    に転化して分離除去し、得られた3,3′−ジニトロジフ
    ェニルスルホンを還元することを特徴とする3,3′−ジ
    アミノジフェニルスルホンの製造方法。
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