JPH089567B2 - アクリル酸製造においてアクリル酸を高純度に精製する方法 - Google Patents

アクリル酸製造においてアクリル酸を高純度に精製する方法

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JPH089567B2
JPH089567B2 JP186693A JP186693A JPH089567B2 JP H089567 B2 JPH089567 B2 JP H089567B2 JP 186693 A JP186693 A JP 186693A JP 186693 A JP186693 A JP 186693A JP H089567 B2 JPH089567 B2 JP H089567B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、プロピレンおよび/ま
たはアクロレイン(以下、「プロピレン等」ということ
がある)を分子状酸素含有ガスにより接触気相酸化して
アクリル酸を製造する方法に関する。詳しくは、接触気
相酸化して得た反応生成物から副生物、特に酢酸を効率
よく分離してアクリル酸を高純度に製造する方法に関す
る。更に詳しくは上記生成物に水を加えて水溶液とし、
これに更に共沸溶剤を加えて共沸現象により副生物を除
去して高純度のアクリル酸を製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】プロピレン等を、酸化触媒の存在下に分
子状酸素含有ガスにより接触気相酸化すると、目的物で
あるアクリル酸の他、酢酸,蟻酸,アセトアルデヒド,
ホルムアルデヒド等の副生物、更には未反応のプロピレ
ン,アクロレイン等の原料物質を含む混合ガスが反応生
成物として得られる。従来、プロピレン等を分子状酸素
含有ガスにより接触気相酸化してアクリル酸を工業的に
製造する方法においては、この接触気相酸化して得た混
合ガスをアクリル酸捕集塔に導いて水と接触させて冷却
・吸収捕集し、アクリル酸と酢酸等の副生物を含む水溶
液を得、この水溶液から蒸留法によりアクリル酸を分
離、精製して製品を得ている。
【0003】しかし、各種副生物の中でも比較的多いの
は酢酸であって、これを蒸留して分離するには、蒸留温
度が高い(酢酸の沸点は常圧下118.1℃)為にアク
リル酸が重合しやすいこと、アクリル酸と酢酸は比揮発
度(relative volatility)が小さくて単純に蒸留で分離
するのは難しいこと、等の問題がある。そこで酢酸−水
−共沸溶剤からなる三成分系または三成分系以上の共沸
現象を利用すべく、前記反応生成物を水と接触させて水
溶液を得、更に共沸溶剤を加えて蒸留し、塔頂から酢酸
−水−共沸溶剤の混合物を留出させ、塔底からアクリル
酸を得る方法が行なわれている。
【0004】特公昭63−10691号では共沸溶剤と
してトルエンを用いている。しかし、この方法では大部
分の酢酸が共沸によって分離できるものの、一部は分離
できずに共沸分離塔の塔底からアクリル酸と共に抜き出
される。従って、更に酢酸分離塔を設けてここで残りの
酢酸を分離しており、共沸分離塔と酢酸分離塔の2つの
塔が必要となっている。
【0005】また、特公昭46−34691号、特公昭
46−18967号では共沸溶剤として酢酸エチル、酢
酸ブチル、ジブチルエーテル、酢酸エチル、ヘキサン、
ヘプタン、メタクリル酸エチル、アクリル酸プロピル等
を用いて共沸蒸留を行ない、塔頂から共沸溶剤、酢酸お
よび水を留出させ、塔底からアクリル酸を得ている。し
かし、本発明者からの検討によれば、これらの方法では
塔底から得たアクリル酸を蒸留して高沸点不純物を除去
しただけでは酢酸の分離が十分ではなく、アクリル酸製
品とするには不十分であることが判明した。
【0006】尚酢酸以外の不純物として掲げた上記混在
物のうち、蟻酸(bp100.8℃)、アセトアルデヒ
ド(bp20.8℃)、ホルムアルデヒド(bp−1
9.5℃)、アクロレイン(bp52.5℃)は、いず
れも低沸点であり、殊更上記共沸によらずとも十分除去
可能である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、前記
従来技術の問題点に鑑み、接触気相酸化後の混合ガスを
水で捕集して得たアクリル酸、酢酸等の副生物を含むア
クリル酸水溶液に、選択された共沸溶剤を添加して共沸
蒸留し、塔頂から共沸溶剤、酢酸および水を留出させ、
塔底からアクリル酸を得るに際し、実質的に共沸溶剤、
酢酸および水が全量塔頂から留出すると共に、塔底から
は実質的にアクリル酸のみが抜き出されるような高純度
アクリル酸の精製方法を提供しようとするものである。
【0008】本発明の他の目的は塔底から抜き出された
液をそのままでもアクリル酸エステルの製造原料として
用いることができ、また更に蒸留して高沸点不純物を除
去しただけで十分高品質のアクリル酸製品が得られる様
な高純度アクリル酸を得る方法を提供することにある。
【0009】また本発明の更に他の目的は、上記共沸溶
剤として2種以上の共沸溶剤混合物を用いることとし、
特に優れた組合せ共沸溶剤系を見出すことにあり、特に
その優れた混合比率を見出すことにある。また本発明の
更に他の目的は、共沸分離塔の塔頂から得られた酢酸−
水−共沸溶剤の混合物を前記アクリル酸水溶液形成のた
めの水、および共沸の為の共沸溶剤に分離してこれらを
循環使用することができる様な工業的に有利な方法を提
供しようとするものである。本発明のその他の目的は、
以下説明するところに従って理解され、且つその効果も
当業者にとって容易に理解されるであろう。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するものであり、その中心となる技術的思想は、共沸溶
剤として下記溶剤Aと溶剤Bを混合溶剤として用いるこ
とを要点とするものであり、この様な特に選択された溶
剤A,Bの組合せ使用によって、共沸分離塔の塔頂から
は実質的に酢酸、水、共沸溶剤からなる混合物を留出さ
せ、塔底からは実質的に酢酸、水、共沸溶剤を含まない
高純度のアクリル酸を取出すことが可能となったのであ
る。 溶剤A:ジエチルケトン、メチルプロピルケトン、メチ
ルイソブチルケトン、メチル−tert−ブチルケトン、酢
酸n−プロピルよりなる群から選択された少なくとも1
種の溶剤 溶剤B:トルエン、ヘプタン、メチルシクロヘキサンよ
りなる群から選択された少なくとも1種の溶剤
【0011】
【作用】本発明はこの様な技術的思想を種々の実施態様
によって具現化していくものであり、その代表的な実施
態様を図1に示すフローシートおよび幾つかの実施例に
基づいて以下説明するが、本発明の技術的範囲はその説
明によって制限されるものではなく、該説明によって明
らかにされる趣旨から逸脱したり反したりするものでな
い限り、他の実施態様も本発明の技術的範囲に含まれ
る。
【0012】プロピレン等を分子状酸素含有ガスにより
接触気相酸化して得た混合ガスをライン1からアクリル
酸捕集塔101に導き、ライン2から導かれる水と接触
させてライン4からアクリル酸および酢酸等の副生物を
含むアクリル酸水溶液を得る。ライン2からアクリル酸
捕集塔101に供給する水としては、ライン13から水
を供給して用いてもよいが、後述する様に溶剤回収塔1
03の塔底から排出する酢酸水溶液を用いるのが好適で
ある。
【0013】図1のフローシートの場合、アクリル酸捕
集塔101の塔底からライン4を経て排出するアクリル
酸水溶液をそのまま共沸分離塔102に供給する。しか
し、必要であればアクロレイン放散塔(図示しない)を
設置して、ライン4からのアクリル酸水溶液をアクロレ
イン放散塔に供給し、アクリル酸水溶液中に溶解してい
るアクロレインを放散させ、その後アクリル酸水溶液を
共沸分離塔102に供給してもよい。この場合、放散し
たアクロレインを回収して反応系に循環するのがよい。
【0014】共沸分離塔102では、アクリル酸水溶液
をライン4から、共沸溶剤をライン5から夫々供給して
共沸蒸留し、塔頂から共沸溶剤、酢酸および水を留出さ
せ、塔底からアクリル酸を得る。
【0015】本発明において共沸分離塔102中のアク
リル酸水溶液は、ライン2からアクリル酸捕集塔101
に供給する水の量やその他の運転条件で変化するが、通
常行なわれているアクリル酸合成の生産条件の下ではア
クリル酸50〜80重量%、酢酸2〜5重量%、残部水
の範囲内のものが一般的である。本発明において用いる
共沸溶剤は上記した溶剤Aと溶剤Bとの混合溶剤であ
る。
【0016】溶剤Aのグループと溶剤Bのグループは上
記した通りであり、その如何なる組合せにおいても本発
明は優れた効果を発揮するので、その組合せ選択は本発
明を実施する者の自由に委ねられる。但し溶剤Aはいず
れも親水性が高いものであって、その様な溶剤Aの中で
もっとも推奨される溶剤は、水との共沸組成や共沸温
度、更には溶剤価格等を総合的に考慮すると、メチルイ
ソブチルケトンがもっとも有利である。また溶剤Bは酢
酸との親和性が高いものであり、いずれも酢酸との共沸
形成が期待され、反応の進行状況等に応じて最適のもの
を選択すれば良い。
【0017】この特定の共沸溶剤を用いることによっ
て、共沸分離塔102の塔頂から実質的に酢酸、水、共
沸溶剤からなる混合物を留出させ、塔底から実質的に酢
酸、水、共沸溶剤を含まないアクリル酸を得ることがで
きる。ライン5から供給される共沸溶剤の溶剤Aと溶剤
Bとの混合比率は重量比で50:50〜75:25の範
囲内が好適である。溶剤Aが多過ぎると塔底での酢酸濃
度が高くなり、溶剤Bが多過ぎると、塔頂から留出する
アクリル酸が増えてくる。
【0018】共沸分離塔102の塔頂から留出した実質
的に酢酸、水、共沸溶剤からなる混合物は貯槽20に受
け、ここで主として共沸溶剤からなる有機相と、主とし
て酢酸および水からなる水相とに分離する。有機相はラ
イン5を経て共沸分離塔102に循環する。一方、水相
はライン8を経て溶剤回収塔103に導いて蒸留し、溶
剤回収塔103の塔頂から共沸溶剤を留出させライン9
を経て貯槽20に戻し、溶剤回収塔103の塔底からは
ライン14を経て実質的に酢酸および水からなる酢酸水
溶液を抜き出し系外に排出する。しかし、この酢酸水溶
液はライン10からアクリル酸捕集塔101に循環させ
て接触気相酸化して得た混合ガスに接触させる水として
用いることによって有効に活用することもできる。こう
することにより、単に酢酸水溶液を回収・循環している
だけでなく、接触気相酸化して得た混合ガスに接触させ
る水として酢酸水溶液を用いる方が、ライン13からの
水のみを用いるよりもアクリル酸の捕集効率が高くなる
ので、アクリル酸捕集塔101の必要段数が少なくてす
む利点が得られる。これは酢酸水溶液中の酢酸がアクリ
ル酸に対して良好な親和性を示す為であると理解され
る。尚系内を循環させるうちに酢酸濃度が高まり過ぎな
い様にライン13からの水の供給量、ライン14からの
酢酸水溶液の抜き出し量を制御して全体のバランスを保
つことが望まれる。
【0019】共沸分離塔102の塔底から抜き出したア
クリル酸はライン15を経てエステル化工程に送り、そ
のままアクリル酸エステルの製造原料として用いること
ができる。また、高純度のアクリル酸製品を得るには、
ライン7を経て高沸分離塔104に導いて蒸留し、塔底
からライン12を経て重合物などの高沸点物を抜き出
し、塔頂からライン11を経てアクリル酸製品を得る。
【0020】
【発明の効果】本発明の特定の共沸溶剤を用いることに
よって、共沸分離塔において塔頂からはアクリル酸が殆
ど留出せず、かつ塔底からは実質的に酢酸、水、共沸溶
剤を含まないアクリル酸を得ることができ、しかも共沸
分離塔の塔底液をそのままでもアクリル酸エステル製造
原料として用いることができ、また高沸分離塔で蒸留す
ることによって一層高純度のアクリル酸製品を得ること
ができるようになった。従って、従来は共沸分離した後
に更に酢酸分離塔を設けて残りの酢酸を分離していたの
が、本発明の方法では酢酸分離塔が不要となりアクリル
酸製造工程が非常に簡略化できる。
【0021】
【実施例】実施例1 プロピレンを分子状酸素含有ガスにより接触気相酸化し
て得た混合ガスをアクリル酸捕集塔に導いて水と接触さ
せて得た水溶液をアクロレイン放散塔に導いてアクロレ
インを放散させ、水30重量%、酢酸3.0重量%を含
むアクリル酸水溶液を得た。段数60段、段間隔147
mmのシーブトレーを備え、塔頂部に留出管、中央部に原
料供給管、塔底部に塔底液抜き出し管を備えた共沸分離
塔102を用い、共沸溶剤としてメチルイソブチルケト
ンとトルエンとの混合溶剤(混合重量比65:35)を
用いて、このアクリル酸水溶液の共沸蒸留運転を行なっ
た。
【0022】定常運転時における運転状態は、共沸分離
塔102の塔頂温度47℃、塔底温度98℃、塔頂圧力
100mmHg、還流比(単位時間当りの還流液の全モル数
/単位時間当りの留出液の全モル数)1.42、ライン
4からの原料供給量7.59リットル/時であった。ラ
イン8の水相は酢酸6.7重量%、アクリル酸0.5重
量%を含み、一方共沸分離塔102の塔底からライン1
5を経て抜き出される液はアクリル酸97.0重量%、
酢酸0.03重量%、溶剤0.001重量%、その他
2.97重量%を含んでいた。
【0023】ライン8から得られた水相は溶剤回収塔1
03に導入され、その塔頂からライン9を経て溶媒が回
収され、一方塔底からは酢酸水溶液がライン10を経由
して取出される。その組成は酢酸7.1重量%、アクリ
ル酸0.53重量%、残部水であり、アクリル酸捕集塔
101にリサイクルされて接触気相酸化後の混合ガスと
接触させる為の吸収捕集剤として使用される。
【0024】比較例1 実施例1において、共沸溶剤としてメチルイソブチルケ
トンのみを用い、還流比を1.43にした以外は実施例
1と同様にしてアクリル酸水溶液の共沸蒸留運転を行な
った。
【0025】定常運転時におけるライン8の水相は酢酸
6.6重量%、アクリル酸4.0重量%を含み、アクリ
ル酸は実施例1の約8倍も多かった。一方、共沸分離塔
102の塔底からライン15を経て抜き出される液はア
クリル酸96.9重量%、酢酸0.2重量%、溶剤0.
01重量%、その他2.92重量%を含んでおり、酢酸
は実施例1より1桁高い値であった。
【0026】比較例2 実施例1において、共沸溶剤としてトルエンのみを用
い、還流比を1.23にした以外は実施例1と同様にし
てアクリル酸水溶液の共沸蒸留運転を行なった。
【0027】定常運転時におけるライン8の水相は酢酸
6.7重量%、アクリル酸5.8重量%を含み、アクリ
ル酸は実施例1の約10倍も多かった。一方、共沸分離
塔102の塔底からライン15を経て抜き出される液は
アクリル酸97.0重量%、酢酸0.03重量%、溶剤
0.01重量%、その他2.96重量%を含んでいた。
【0028】実施例2 実施例1において、共沸溶剤としてメチルイソブチルケ
トンとヘプタンとの混合溶剤(混合重量比65:35)
を用い、還流比を1.65にした以外は実施例1と同様
にしてアクリル酸水溶液の共沸蒸留運転を行なった。
【0029】定常運転時におけるライン8の水相は酢酸
6.6重量%、アクリル酸0.6重量%を含んでいた。
一方、共沸分離塔102の塔底からライン15を経て抜
き出される液はアクリル酸96.9重量%、酢酸0.0
3重量%、溶剤0.001重量%、その他3.07重量
%を含んでいた。
【0030】実施例3 実施例1において、共沸溶剤としてメチル−tert−ブチ
ルケトンとトルエンとの混合溶剤(混合重量比65:3
5)を用い、還流比を1.89にした以外は実施例1と
同様にしてアクリル酸水溶液の共沸蒸留運転を行なっ
た。
【0031】定常運転時におけるライン8の水相は酢酸
6.7重量%、アクリル酸0.5重量%を含んでいた。
一方、共沸分離塔102の塔底からライン15を経て抜
き出される液はアクリル酸97.3重量%、酢酸0.0
3重量%、溶剤0.001重量%、その他2.67重量
%を含んでいた。
【0032】実施例4 実施例1において、共沸溶剤としてメチル−tert−ブチ
ルケトンとヘプタンとの混合溶剤(混合重量比65:3
5)を用い、還流比を1.99にした以外は実施例1と
同様にしてアクリル酸水溶液の共沸蒸留運転を行なっ
た。
【0033】定常運転時におけるライン8の水相は酢酸
6.6重量%、アクリル酸0.5重量%を含んでいた。
一方、共沸分離塔102の塔底からライン15を経て抜
き出される液はアクリル酸97.2重量%、酢酸0.0
3重量%、溶剤0.001重量%、その他2.77重量
%を含んでいた。
【0034】比較例3 実施例1において、メチルイソブチルケトンとトルエン
の混合重量比を85:15に変え、還流比を1.41に
した以外は実施例1と同様にしてアクリル酸水溶液の共
沸蒸留運転を行なった。定常運転時におけるライン8の
水相は酢酸5.8重量%、アクリル酸0.5重量%を含
んでいた。一方、共沸分離塔102の塔底からライン1
5を経て抜き出される液はアクリル酸97.3重量%、
酢酸0.10重量%、溶剤0.01重量%、その他2.
59重量%を含んでいた。
【0035】実施例5 実施例1において、メチルイソブチルケトンとトルエン
の混合重量比を50:50に変え、還流比を1.49に
した以外は実施例1と同様にしてアクリル酸水溶液の共
沸蒸留運転を行なった。
【0036】定常運転時におけるライン8の水相は酢酸
6.7重量%、アクリル酸0.5重量%を含んでいた。
一方、共沸分離塔102の塔底からライン15を経て抜
き出される液はアクリル酸96.8重量%、酢酸0.0
3重量%、溶剤0.001重量%、その他3.17重量
%を含んでいた。
【0037】実施例6 実施例1において、共沸溶剤としてメチルイソブチルケ
トンとメチルシクロヘキサンの混合溶剤(混合重量比6
5:35)を用い、還流比を1.25にした以外は実施
例1と同様にしてアクリル酸水溶液の共沸蒸留運転を行
なった。
【0038】定常運転時におけるライン8の水相は酢酸
6.6重量%、アクリル酸0.5重量%を含んでいた。
一方、共沸分離塔102の塔底からライン15を経て抜
き出される液はアクリル酸97.3重量%、酢酸0.0
3重量%、溶剤0.001重量%、その他2.67重量
%を含んでいた。
【0039】実施例7 実施例1において、共沸溶剤としてメチル−tert−ブチ
ルケトンとメチルシクロヘキサンの混合溶剤(混合重量
比65:35)を用い、還流比を1.60にした以外は
実施例1と同様にしてアクリル酸水溶液の共沸蒸留運転
を行なった。
【0040】定常運転時におけるライン8の水相は酢酸
6.8重量%、アクリル酸0.5重量%を含んでいた。
一方、共沸分離塔102の塔底からライン15を経て抜
き出される液はアクリル酸97.4重量%、酢酸0.0
3重量%、溶剤0.001重量%、その他2.57重量
%を含んでいた。
【0041】実施例8 実施例1において、共沸溶剤としてジエチルケトンとト
ルエンの混合溶剤(混合重量比65:35)を用い、還
流比を1.58にした以外は実施例1と同様にしてアク
リル酸水溶液の共沸蒸留運転を行なった。
【0042】定常運転時におけるライン8の水相は酢酸
6.2重量%、アクリル酸0.5重量%を含んでいた。
一方、共沸分離塔102の塔底からライン15を経て抜
き出される液はアクリル酸97.2重量%、酢酸0.0
3重量%、溶剤0.001重量%、その他2.77重量
%を含んでいた。
【0043】実施例9 実施例1において、共沸溶剤としてジエチルケトンとヘ
プタンの混合溶剤(混合重量比65:35)を用い、還
流比を1.83にした以外は実施例1と同様にしてアク
リル酸水溶液の共沸蒸留運転を行なった。
【0044】定常運転時におけるライン8の水相は酢酸
6.0重量%、アクリル酸0.4重量%を含んでいた。
一方、共沸分離塔102の塔底からライン15を経て抜
き出される液はアクリル酸97.0重量%、酢酸0.0
3重量%、溶剤0.001重量%、その他2.97重量
%を含んでいた。
【0045】実施例10 実施例1において、共沸溶剤としてジエチルケトンとメ
チルシクロヘキサンの混合溶剤(混合重量比65:3
5)を用い、還流比を1.34にした以外は実施例1と
同様にしてアクリル酸水溶液の共沸蒸留運転を行なっ
た。
【0046】定常運転時におけるライン8の水相は酢酸
6.1重量%、アクリル酸0.4重量%を含んでいた。
一方、共沸分離塔102の塔底からライン15を経て抜
き出される液はアクリル酸97.4重量%、酢酸0.0
3重量%、溶剤0.001重量%、その他2.57重量
%を含んでいた。
【0047】実施例11 実施例1において、共沸溶剤としてメチルプロピルケト
ンとトルエンの混合溶剤(混合重量比65:35)を用
い、還流比を1.67にした以外は実施例1と同様にし
てアクリル酸水溶液の共沸蒸留運転を行なった。
【0048】定常運転時におけるライン8の水相は酢酸
6.1重量%、アクリル酸0.4重量%を含んでいた。
一方、共沸分離塔102の塔底からライン15を経て抜
き出される液はアクリル酸97.3重量%、酢酸0.0
3重量%、溶剤0.001重量%、その他2.67重量
%を含んでいた。
【0049】実施例12 実施例1において、共沸溶剤としてメチルプロピルケト
ンとヘプタンの混合溶剤(混合重量比65:35)を用
い、還流比を1.94にした以外は実施例1と同様にし
てアクリル酸水溶液の共沸蒸留運転を行なった。
【0050】定常運転時におけるライン8の水相は酢酸
6.0重量%、アクリル酸0.4重量%を含んでいた。
一方、共沸分離塔102の塔底からライン15を経て抜
き出される液はアクリル酸97.1重量%、酢酸0.0
3重量%、溶剤0.001重量%、その他2.87重量
%を含んでいた。
【0051】実施例13 実施例1において、共沸溶剤としてメチルプロピルケト
ンとメチルシクロヘキサンの混合溶剤(混合重量比6
5:35)を用い、還流比を1.58にした以外は実施
例1と同様にしてアクリル酸水溶液の共沸蒸留運転を行
なった。
【0052】定常運転時におけるライン8の水相は酢酸
6.2重量%、アクリル酸0.5重量%を含んでいた。
一方、共沸分離塔102の塔底からライン15を経て抜
き出される液はアクリル酸97.1重量%、酢酸0.0
3重量%、溶剤0.001重量%、その他2.87重量
%を含んでいた。
【0053】実施例14 実施例1において、共沸溶剤として酢酸n−プロピルと
トルエンの混合溶剤(混合重量比65:35)を用い、
還流比を2.10にした以外は実施例1と同様にしてア
クリル酸水溶液の共沸蒸留運転を行なった。
【0054】定常運転時におけるライン8の水相は酢酸
6.2重量%、アクリル酸0.5重量%を含んでいた。
一方、共沸分離塔102の塔底からライン15を経て抜
き出される液はアクリル酸97.5重量%、酢酸0.0
3重量%、溶剤0.001重量%、その他2.47重量
%を含んでいた。
【0055】実施例15 実施例1において、共沸溶剤として酢酸n−プロピルと
ヘプタンの混合溶剤(混合重量比65:35)を用い、
還流比を2.14にした以外は実施例1と同様にしてア
クリル酸水溶液の共沸蒸留運転を行なった。
【0056】定常運転時におけるライン8の水相は酢酸
6.2重量%、アクリル酸0.5重量%を含んでいた。
一方、共沸分離塔102の塔底からライン15を経て抜
き出される液はアクリル酸97.4重量%、酢酸0.0
3重量%、溶剤0.001重量%、その他2.57重量
%を含んでいた。
【0057】実施例16 実施例1において、共沸溶剤として酢酸n−プロピルと
メチルシクロヘキサンの混合溶剤(混合重量比65:3
5)を用い、還流比を1.66にした以外は実施例1と
同様にしてアクリル酸水溶液の共沸蒸留運転を行なっ
た。
【0058】定常運転時におけるライン8の水相は酢酸
6.3重量%、アクリル酸0.5重量%を含んでいた。
一方、共沸分離塔102の塔底からライン15を経て抜
き出される液はアクリル酸97.3重量%、酢酸0.0
3重量%、溶剤0.001重量%、その他2.67重量
%を含んでいた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施するときのフローシートである。
【符号の説明】
101 アクリル酸捕集塔 102 共沸分離塔 103 溶剤回収塔 104 高沸分離塔 20 貯槽
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 赤澤 陽治 兵庫県姫路市網干区興浜字西沖992番地の 1 株式会社日本触媒 姫路製造所内 (72)発明者 馬場 将夫 兵庫県姫路市網干区興浜字西沖992番地の 1 株式会社日本触媒 姫路製造所内 (56)参考文献 特開 昭60−38342(JP,A) 特開 昭56−90034(JP,A) 特公 昭46−34692(JP,B1) 特公 昭46−34691(JP,B1) 特公 昭46−30493(JP,B1) 特公 昭46−22456(JP,B1) 特公 昭46−20372(JP,B1)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プロピレンおよび/またはアクロレイン
    を分子状酸素含有ガスにより接触気相酸化して得た混合
    ガスをアクリル酸捕集塔に導いて水と接触させてアクリ
    ル酸および酢酸等の副生物を含むアクリル酸水溶液を
    得、該アクリル酸水溶液を共沸分離塔に導いて共沸溶剤
    を用いて蒸留してアクリル酸を分離するに際し、共沸溶
    剤としてジエチルケトン、メチルプロピルケトン、メチ
    ルイソブチルケトン、メチル−tert−ブチルケトン、酢
    酸n−プロピルの中から選ばれた少なくとも一つの溶剤
    Aと、トルエン、ヘプタン、メチルシクロヘキサンの中
    から選ばれた少なくとも一つの溶剤Bとの混合溶剤を用
    い、共沸分離塔の塔頂から実質的に酢酸、水、共沸溶剤
    からなる混合物を留出させ、塔底から実質的に酢酸、
    水、共沸溶剤をいずれも含まないアクリル酸を得ること
    を特徴とするアクリル酸の製造方法。
  2. 【請求項2】 共沸溶剤の溶剤Aと溶剤Bとの混合比率
    が重量比で50:50〜75:25の範囲内である請求
    項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 共沸分離塔に導かれるアクリル酸水溶液
    が、アクリル酸50〜80重量%、酢酸2〜5重量%、
    水20〜40重量%の範囲内で含有してなるアクリル酸
    水溶液である請求項1または2に記載の方法。
  4. 【請求項4】 共沸分離塔の塔頂から得た実質的に酢
    酸、水、共沸溶剤からなる混合物を溶剤回収塔に導いて
    蒸留し、溶剤回収塔の塔頂から共沸溶剤を含む留分を留
    出させて共沸分離塔に循環させる一方、溶剤回収塔の塔
    底から実質的に酢酸および水からなる酢酸水溶液を抜き
    出し、これをアクリル酸捕集塔に循環させて接触気相酸
    化して得た混合ガスに接触させる水として用いる請求項
    1〜3のいずれかに記載の方法。
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