JPH0893426A - 内燃機関の電磁式弁駆動装置 - Google Patents

内燃機関の電磁式弁駆動装置

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JPH0893426A
JPH0893426A JP6228164A JP22816494A JPH0893426A JP H0893426 A JPH0893426 A JP H0893426A JP 6228164 A JP6228164 A JP 6228164A JP 22816494 A JP22816494 A JP 22816494A JP H0893426 A JPH0893426 A JP H0893426A
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internal combustion
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magnetic flux
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隆志 出尾
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    • H01F7/08Electromagnets; Actuators including electromagnets with armatures
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は内燃機関の吸排気弁を構成する弁体
を電磁力で駆動する内燃機関の電磁式弁駆動装置に関
し、磁束を集中化することで省電力化を実現することを
目的とする。 【構成】 磁性体からなるプランジャ20を、非磁性体
からなるプランジャホルダ18を介して内燃機関の弁体
12に固定する。プランジャ20の上下に電磁コイル2
2,24及びコア24,28を配設する。プランジャ2
0の内周側端部20a及び外周側端部20bを、コア2
4,28の内周部24a,28a及び外周部24b,2
8bの厚さ方向の中間点近傍に対向配置する。また、プ
ランジャ20の形状をその中間部20cに向けて肉厚が
増す形状に成形する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、内燃機関の電磁式弁駆
動装置に係り、特に内燃機関の吸排気弁を構成する弁体
を電磁力で駆動する内燃機関の電磁式弁駆動装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来より、内燃機関の吸排気弁等の弁体
を、電磁コイルの発する電磁力により駆動する内燃機関
の電磁式弁駆動装置が知られている。この装置によれ
ば、内燃機関において一般に必要とされていた弁体駆動
用のカム機構等が不要となることに加え、弁体の開閉弁
時期が任意に変更でき、内燃機関の運転状態に応じて理
想的な開閉弁時期を実現することが可能である。
【0003】ここで、かかる弁駆動装置としては、例え
ば特開昭61−237810号公報に開示される構成が
知られている。この装置は、内燃機関の吸排気弁の弁軸
に、磁性体で構成した平板からなるプランジャを固定
し、更にプランジャの上下に、外周にコアを備える電磁
コイルをそれぞれ所定距離離間して配設してなる構成で
ある。
【0004】この場合、一方の電磁コイルにのみ電流を
供給すれば、この電磁コイルを取り巻くコアとプランジ
ャとの間に電磁吸引力が働き、その結果弁体が一方向に
変移し、また他方の電磁コイルにのみ電流を供給するこ
ととすれば、弁体は他方の変移端に向けて変移すること
になる。
【0005】従って、プランジャの上下に配設された電
磁コイルに対して交互に電流を供給することとすれば、
弁体はその弁軸に沿って往復運動することになり、内燃
機関の吸排気弁としての所望の動作が実現されることに
なる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来の弁
駆動装置は、プランジャが磁性体製の平板からなる構成
である。このため、電磁コイルから発せられる磁束は、
プランジャと弁軸とが固定される部位の近傍等にも流通
することになる。
【0007】これに対して、プランジャとコアとの間に
電磁吸引力を発生させるためには、プランジャとコアと
が最も近接する部位に磁束を集中させることが有利であ
る。従って、上記従来の装置の如く、かかる部位を外れ
た領域に磁束が流出し易い構成は、必要な電磁吸引力を
確保するうえで省電力化の要請に反するという問題を内
在していることになる。
【0008】更に、電磁コイルを取り巻いて配設される
コアと、このコアに対向配置されるプランジャとからな
る磁気回路内に磁束が流通する場合、プランジャ内にお
ける磁束密度は全面において一定ではないのに対して、
上記従来の装置におけるプランジャは、全面において磁
束の流通し易さが均一である。
【0009】従って、さほど磁束が流通しない部位では
不要な肉厚を有することとなる一方、磁束が集中する部
位では磁束の飽和が起こり易い状況となり、この意味で
は、十分な磁束飽和密度の確保とプランジャの軽量化と
の両立が図られていないという問題が内在していること
になる。
【0010】本発明は、上述の点に鑑みてなされたもの
であり、プランジャ周辺における磁束の流通し易さを適
切に調整することにより、又はプランジャの形状を適切
に形成することにより、上記の課題を解決する内燃機関
の電磁式弁駆動装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記の目的は、請求項1
に記載する如く、内燃機関の弁体に固定されるプランジ
ャを電磁力で駆動する内燃機関の電磁式弁駆動装置にお
いて、前記プランジャは、該プランジャに比して磁束が
流通し難いプランジャホルダを介して前記弁体に固定さ
れている内燃機関の電磁式弁駆動装置により達成され
る。
【0012】また、上記の目的は、請求項2に記載する
如く、上記請求項1記載の内燃機関の電磁式弁駆動装置
において、前記プランジャに付与される電磁力は、前記
プランジャの内周側端部近傍に対向する内周部と、前記
プランジャの外周側端部近傍に対向する外周部とを備え
るコアから発せられると共に、前記プランジャは、内周
側端部及び外周側端部の少なくとも一方が、前記コアを
構成する内周部の厚さ方向の中間点近傍に、又は前記コ
アを構成する外周部の厚さ方向の中間点近傍に対向する
ように構成される内燃機関の電磁式弁駆動装置により達
成される。
【0013】更に、上記の目的は、請求項3に記載する
如く、内燃機関の弁体に固定されるプランジャを、該プ
ランジャの内周側対向部に対向する内周部と、前記プラ
ンジャの外周側対向部に対向する外周部とを備えるコア
から発せられる電磁力で駆動する内燃機関の電磁式弁駆
動装置において、前記プランジャは、前記内周部対向
部、及び前記外周側対向部から、これらの中間部に向け
て肉厚が増す形状に成形されている内燃機関の電磁式弁
駆動装置によっても達成される。
【0014】
【作用】請求項1記載の発明において、前記プランジャ
は、前記プランジャホルダを介して前記弁体に固定され
ている。ここで、前記プランジャホルダは、前記プラン
ジャに比して磁束が流通し難く構成されている。
【0015】従って、前記プランジャに向けて供給され
た磁束は、前記プランジャから前記プランジャホルダに
向けて流出し難く、前記プランジャに向けて供給された
磁束の、前記弁体近傍への流出が抑制される。その結
果、前記プランジャ周辺において発生した電磁エネルギ
が、前記プランジャを駆動する力として有効に用いられ
ることになる。
【0016】請求項2記載の発明において、前記プラン
ジャの内周側端部及び外周側端部の少なくとも一方は、
前記コアを構成する内周部又は外周部の厚さ方向の中間
点近傍に対向する。
【0017】この場合、前記プランジャの内周側端部及
び外周側端部の少なくとも一方においては、前記コアか
ら供給される磁束が前記プランジャと前記コアとの対向
部位に集中することになり、電磁力の損失が有効に抑制
されることになる。
【0018】請求項3記載の発明において、前記プラン
ジャには、前記コアの内周部及び外周部から電磁力が供
給される。この場合、前記コアの内周部又は外周部から
発せられた磁束は、前記プランジャの内部を流通して前
記コアの外周側又は内周側に還流する。
【0019】この際、前記プランジャの、前記内周側対
向部と前記外周側対向部との中間部には、あらゆる部位
から流入した磁束が流通する。このため、該中間部に
は、前記プランジャ内で最も多くの磁束が流通すること
になる。
【0020】これに対して、本発明における前記プラン
ジャは、前記内周側対向部、及び前記外周側対向部から
前記中間部に向けて肉厚が増す形状に成形されている。
従って、前記中間部近傍は、プランジャ内で最も大きな
磁束流通能力を有することになる。
【0021】このため、本発明におけるプランジャにお
いては、全ての領域において不要な肉厚を有することな
く十分な磁束流通能力が確保されることになる。
【0022】
【実施例】図1は、本発明の一実施例である内燃機関の
弁駆動装置10の全体構成図を示す。同図において弁体
12は、図中下端部を内燃機関の燃焼室内に露出させた
状態でシリンダヘッド内に配設され、内燃機関の吸気
弁、又は排気弁を構成する部材である。
【0023】すなわち、内燃機関のシリンダヘッドに
は、弁体12に対する弁座を備えるポートが設けられて
おり、弁体12が弁座から離座又は着座することでポー
トの開閉が制御される。
【0024】弁体12には、弁軸14が固定されてい
る。弁軸14は、バルブガイド16により軸方向に摺動
可能に保持されると共に、その上端においてプランジャ
ホルダ18に固定されている。
【0025】プランジャホルダ18は、非磁性体からな
る部材であり、その外周部にはプランジャ20が接合さ
れている。尚、プランジャホルダ18を構成する非磁性
体としては、軽量化を図る意味でTi、Ti−Al、A
l等の非磁性軽量合金が適している。
【0026】プランジャ20は、Fe,Ni,Co等を
ベース材料とする軟磁性材料からなるドーナツ状の部材
であり、電子ビーム溶接、レーザ溶接、ろう付け、カシ
メ、接着等の手法でプランジャホルダ18に接合されて
いる。尚、非接合部材として繊維強化樹脂を用いる場合
には、インサート成形による一体成形、又は超音波溶着
等の手法が有効である。
【0027】プランジャ20の上方には、所定距離離間
して第1の電磁コイル22及び第1のコア24が配設さ
れている。また、プランジャ20の下方には、同様に所
定距離離間して第2の電磁コイル26及び第2のコア2
8が配設されている。
【0028】第1及び第2のコア24,28(以下、こ
れらを総称する場合には単にコア24,28と称す)
は、共に磁性体で構成された部材であり、それぞれ第1
又は第2の電磁コイル22,26(以下、これらを総称
する場合には単に電磁コイル22,26と称す)を把持
すると共に、外筒30により所定の位置関係に保持され
ている。
【0029】更に、コア24,28は、その中心近傍に
中空部を有し、それぞれプランジャホルダ18を上下方
向より弾性支持するスプリング32,34を収納してい
る。また、第1のコア24の上端には、スプリング32
の上端部を保持するスプリングガイド36、及びスプリ
ング32,34の変形量を調整するアジャスタ38が設
けられている。
【0030】ここで、本実施例においては、アジャスタ
38を調整することにより、何らの電磁力も作用しない
中立状態において、プランジャ20が、コア24,28
の中央に位置すべくスプリング32,34の付勢力の釣
合いを図っている。
【0031】上記構成の弁駆動装置10において、第1
の電磁コイル22に電流を流通させて、その内周側及び
外周側を還流する磁界を生ぜしめると、第1のコア2
4、プランジャ20、及び両者間のエアギャップからな
る磁気回路に磁束が流通し、より安定な状態を実現すべ
くプランジャ20には図1中上方へ向かう電磁吸引力が
作用する。
【0032】一方、第2の電磁コイル26に電流を流通
させてその内周側及び外周側を還流する磁界を生ぜしめ
ると、第2のコア28、プランジャ20、及び両者間の
エアギャップからなる磁気回路に磁束が流通し、より安
定な状態を実現すべくプランジャ20には図1中下方へ
向かう電磁吸引力が作用する。
【0033】従って、電磁コイル22,26に、交互に
適当な電流を流通させることとすれば、プランジャ20
を上下方向に往復運動させることが可能であり、これに
より弁体12の開閉状態を切り換えることが可能であ
る。
【0034】ところで、プランジャ20に変移が生ずる
と、その結果スプリング32,34には弾性変形が生
じ、その後電磁力が消滅すれば、弁体12には中立位置
に向かう復元力が作用する。
【0035】すなわち、本実施例の弁駆動装置10は、
弁体12の作動に伴う摺動損失が無いとすれば、バネ・
質量系の単振動を行うことになり、一方の変移端から他
方の変移端への遷移時間tは、可動部質量をM、スプリ
ング32,34の合成バネ定数をKとして、t=π√
(M/K)で表されることになる。
【0036】従って、弁駆動装置10の応答速度を高め
るためには、可動部質量Mを小さくすること、又は合成
バネ定数Kを高めることが必要とされる。一方、弁駆動
装置10の作動を開始するため、及びプランジャ18を
変移端に保持するためには、スプリング32,34の付
勢力を越える電磁吸引力を発生させる必要があり、装置
の省電力化を図る意味では合成バネ定数Kは小さい方が
有利である。
【0037】このため、弁駆動装置10において省電力
化と高速性を両立するためには、合成バネ定数Kを小さ
くし、かつ可動部質量Mの軽量化を図る工夫が必要とな
る。
【0038】ここで本実施例の弁駆動装置10は、かか
る点を考慮することで上記特性の両立を図ると共に、プ
ランジャ18周辺における磁束の流れを制御することで
更なる省電力化を実現すべく構成されたものである。以
下、プランジャ18周辺の拡大図である図2を参照して
その特徴部分について詳説する。
【0039】電磁コイル22,26の巻数がN、それら
を流通する電流がIである場合、電磁コイル22,26
における起磁力ΨはΨ=NIで表すことができる。従っ
て、電磁コイル22,26に電流Iを供給した際に得ら
れる電磁吸引力を高めるには、起磁力NIに基づいてで
きるだけ大きな磁束Φを発生させ、更に発生した磁束Φ
を効率良くプランジャ20とコア24,26との間に集
中させる必要がある。
【0040】このためには、電磁コイル22,26の周
辺に形成される磁気回路の磁気抵抗をできるだけ小さく
し、更に磁気回路内を流通する磁束Φがプランジャ20
とコア24,26との間に集中するように、適切な磁束
線制御を行うことが有効である。
【0041】そして、上記要求を満たしつつ可動部質量
Mを軽減するためには、プランジャ20において磁束Φ
が集中する部位には十分な肉厚を確保し、一方、さほど
磁束Φが集中しない部位には不要な肉厚を付与しないこ
とが効果的である。
【0042】これに対して、本実施例においては、第1
に上述の如くプランジャ20の内周に非磁性体からなる
プランジャホルダ18を配設することにより、第2にプ
ランジャ20の内周側端部20a及び外周側端部20b
を、それぞれコア24,28の内周部24a,28aの
厚さ方向の中間点近傍、及び外周部24b,28bの厚
さ方向の中間点近傍に対向配置することにより、第3に
プランジャ20の形状を、中間部20c周辺から中間部
20cに向けて肉厚が増す形状に成形することにより、
上述した各要求の実現を図っている。
【0043】すなわち、プランジャ20の内周に非磁性
体からなるプランジャホルダ18を配設した場合、コア
24,28からプランジャ20に供給された磁束Φがプ
ランジャ18の内周側に流出することがなく、磁束Φを
効果的にプランジャ20とコア24,28との対向部に
集中させることができる。
【0044】また、プランジャ20の内周側端部20a
及び外周側端部20bを上記の如くコア24,28と対
向配置した場合、コア24,28から発せられた磁束Φ
は、プランジャ20の内周側端部20a又は外周側端部
20bに集中的に流入し、その後外周側端部20b又は
内周側端部20aから集中的にコア24,28に向けて
流出することとなり、磁束Φの集中化が促進される。
【0045】尚、本実施例においては、コア24,28
の内周部24a,28a、及び外周部24b,28bの
プランジャ18側の端部にテーパ加工を施して、更なる
磁束の集中化を図っている。
【0046】更に、プランジャ20においては中間部2
0cに最も高い磁束流通能力が要求されるが、本実施例
におけるプランジャ20の形状は、プランジャ20の肉
厚が中間部20cに向けて増す形状とされている。この
ため、プランジャ20の軽量化を図りつつ、プランジャ
20全体として十分な磁束流通能力が確保されることに
なる。
【0047】ここで、プランジャ20において中間部2
0cに最も高い磁束流通能力が要求されるのは、プラン
ジャ20の内周側端部20a近傍及び外周側端部20b
近傍には、コア24,28から発せられた磁束Φの全て
は流通しないのに対して、中間部20cにはほぼ全ての
磁束Φが流通するからである。
【0048】このように、上記図2に示す構成によれば
プランジャ20の周辺における適切な磁束線制御と、可
動部質量Mの適切な軽量化とを共に実現することがで
き、弁駆動装置10において、大幅な省電力化が実現さ
れることになる。
【0049】尚、参考のため、図3及び図4に、それぞ
れプランジャ20周辺における磁束の流れを表す磁束線
図、及び磁束密度線図を示す。但し図4は、図3に示す
磁束線図に基づいて、磁束密度の高い順からプランジャ
20及び第2のコア28を(I)〜(IV)の領域に区分して
表したものである。
【0050】この場合において上記図3は、第2のコア
28とプランジャ20との間の磁束の授受が、主として
プランジャ20の内周側端部20a及び外周側端部20
b近傍で行われていること、及びプランジャ20の中間
部20cには他の部位に比して磁束が集中していること
を表している。
【0051】また、図4は、プランジャ20の中間部2
0cの磁束密度が、その内周側及び外周側と比して大幅
に高密度化されていないことを示している。
【0052】つまり、これら図3及び図4によれば、プ
ランジャ20周辺を流通する磁束がプランジャ20と第
2のコア28との対向部に適切に集中されていること、
及びプランジャ20の中間部20cにおける磁束の飽和
が適切に防止されていることを、容易に理解することが
できる。
【0053】ところで、プランジャ20の軽量化を図り
つつ上述した磁束線制御を実現するためには、プランジ
ャ20の形状は、中間部20cにおいて最も厚肉化され
ていれば足り、例えば中間部20cから内周側端部20
a及び外周側端部20bに向けて単純に肉厚が薄くなる
形状であっても所望の効果を得ることはできる。
【0054】これに対して、本実施例におけるプランジ
ャ20は、プランジャ20とプランジャホルダ18との
接合部における耐久性を確保すべく、図2に示すよう
に、中間部20cから内周側端部20aに向けて一端肉
厚が薄くなり、その後再び肉厚が厚くなる形状に成形さ
れている。
【0055】すなわち、図5は、内周側端部20aを固
定して、外周側端部20bに下向きの応力を付与した場
合にプランジャ20が受ける曲げ応力を、応力の大きい
順に(I)〜(V)の領域に区分して表したものであるが、
同図から明らかなように、その最大応力は内周側端部2
0aの上端に作用する。
【0056】このため、プランジャ20とプランジャホ
ルダ18との接合部に対して電磁吸引力とスプリング3
2,34の付勢力とが繰り返し作用する弁駆動装置10
において、十分な耐久性を確保するためには、内周側端
部20aの幅をある程度確保して、上記接合部に生ずる
歪みを小さく抑える必要がある。
【0057】そこで、本実施例においては、かかる点を
も考慮して上述の如くプランジャ20の形状を決定した
ものである。尚、この場合においては、プランジャ20
の内周側端部20aと中間部20cとの間で最も肉圧の
薄い部分、及びプランジャ20の外周側端部20bが、
前記請求項3記載の内周側対向部、及び外周側対向部に
相当することになる。
【0058】ところで、プランジャ20とプランジャホ
ルダ18との接合部に生ずる歪みを抑制する意味では、
プランジャ20の内周側端部20aの上下端に適当な距
離が確保されていればよい。
【0059】従って、図6に示す如く内周側端部40a
近傍に中空部を備えるプランジャ40によっても同様の
効果を得ることができる。また、かかる形状のプランジ
ャ40を用いた場合、弁駆動装置10の可動部質量Mが
更に軽減されることになり、より一層の省電力化が実現
可能となる。
【0060】尚、本実施例においては、適切な磁束流通
能力の確保し、かつ適切な軽量化を実現する観点等か
ら、プランジャ20,40の厚肉化、及び薄肉化を、増
減角5°〜20°程度で行うこととしている。
【0061】ところで、弁駆動装置10においては、プ
ランジャ20に付与される電磁吸引力、及びプランジャ
ホルダ18に付与されるスプリング32,34の付勢力
を、適切に弁軸14に伝達する必要がある。
【0062】これに対して、本実施例においては、弁軸
14及びプランジャホルダ18にテーパ部14a,18
a及びストレート部14b,18bを設けて両者を圧入
することでかかる機能の実現を図っている。
【0063】この場合、テーパ部14a,18aが設け
られたことにより圧入部位の接触面積が拡大し、大きな
圧入強度が得られると共に、圧入部位として比較的長い
距離が確保されていることから、プランジャ20に対し
て抜け方向に作用する外力に対しても、回転方向に作用
する回転トルクに対しても、安定した固定強度を得るこ
とができる。
【0064】ところで、上記実施例に示す弁駆動装置1
0は、プランジャホルダ18を非磁性体で構成すること
でプランジャ20の内周への磁束の流出を防止する構成
としているが、プランジャホルダ18の材質はこれに限
るものではなく、プランジャに比して磁束の流通し難い
弱磁性体、又は飽和磁束密度の小さい材料等で構成して
もよい。
【0065】また、上記実施例に示す弁駆動装置10
は、プランジャ20の内周側端部20a及び外周側端部
20bを、共にコア24,28の内周部24a,28a
及び外周部24b,28bの厚さ方向の中間点近傍に対
向配置する構成としているが、これに限るものではな
く、少なくとも一方がかかる配置とされていればよい。
【0066】
【発明の効果】上述の如く、請求項1記載の発明によれ
ば、プランジャに供給された磁束の、弁体近傍への流出
を効果的に抑制することができる。このため、本発明に
よれば、プランジャ周辺に発生した磁束を適切に集中さ
せ、プランジャに対して効率良く電磁吸引力を作用させ
ることができる。
【0067】従って、本発明によれば、少ない消費電力
で、十分な電磁吸引力を発生させることができ、省電力
化の要請に応えた内燃機関の弁駆動装置を実現すること
ができる。
【0068】また、請求項2記載の発明によれば、プラ
ンジャの内周側端部及び外周側端部の少なくとも一方に
おいては、コアから発せられる磁束を、確実にプランジ
ャとコアとの対向部位に集中させることができる。
【0069】このため、本発明によれば、プランジャ周
辺に発生した磁束のエネルギを損失なくプランジャを駆
動する力に変換し、上記請求項1記載の発明に比して更
なる省電力化を実現し得る内燃機関の電磁式弁駆動装置
を実現することができる。
【0070】更に、請求項3記載の発明によれば、プラ
ンジャの中間部に最も磁束が集中することに対応して、
プランジャの形状が、中間部において最も厚肉化される
ように形成されている。
【0071】従って、本発明によれば、プランジャ全体
として重量増加を伴うことなく磁束の飽和を有効に防止
することができ、電磁力の有効利用による省電力化を可
能とする内燃機関の弁駆動装置を実現することが可能で
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である弁駆動装置の全体構成
を表す正面断面図である。
【図2】本実施例の弁駆動装置の要部構成を表す拡大図
である。
【図3】本実施例の弁駆動装置においてプランジャ周辺
に生ずる磁束の状態を表す磁束線図である。
【図4】本実施例の弁駆動装置においてプランジャ周辺
に生ずる磁束の密度を表す磁束密度線図である。
【図5】本実施例の弁駆動装置に用いられるプランジャ
の応力分布図である。
【図6】本実施例の弁駆動装置に用いられる他のプラン
ジャの応力分布図である。
【符号の説明】
10 弁駆動装置 12 弁体 14 弁軸 18 プランジャホルダ 20,40 プランジャ 20a 内周側端部 20b 外周側端部 20c 中間部 24 第1のコア 28 第2のコア 24a,28a 内周部 24b,28b 外周部 32,34 スプリング

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内燃機関の弁体に固定されるプランジャ
    を電磁力で駆動する内燃機関の電磁式弁駆動装置におい
    て、 前記プランジャは、該プランジャに比して磁束が流通し
    難いプランジャホルダを介して前記弁体に固定されてい
    ることを特徴とする内燃機関の電磁式弁駆動装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の内燃機関の電磁式弁駆動
    装置において、 前記プランジャに付与される電磁力は、前記プランジャ
    の内周側端部近傍に対向する内周部と、前記プランジャ
    の外周側端部近傍に対向する外周部とを備えるコアから
    発せられると共に、 前記プランジャは、内周側端部及び外周側端部の少なく
    とも一方が、前記コアを構成する内周部の厚さ方向の中
    間点近傍に、又は前記コアを構成する外周部の厚さ方向
    の中間点近傍に対向するように構成されることを特徴と
    する内燃機関の電磁式弁駆動装置。
  3. 【請求項3】 内燃機関の弁体に固定されるプランジャ
    を、該プランジャの内周側対向部に対向する内周部と、
    前記プランジャの外周側対向部に対向する外周部とを備
    えるコアから発せられる電磁力で駆動する内燃機関の電
    磁式弁駆動装置において、 前記プランジャは、前記内周側対向部、及び前記外周側
    対向部から、これらの中間部に向けて肉厚が増す形状に
    成形されていることを特徴とする内燃機関の電磁式弁駆
    動装置。
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