JPH0892495A - フタロシアニン化合物及びそれを含有してなる光記録媒体 - Google Patents

フタロシアニン化合物及びそれを含有してなる光記録媒体

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JPH0892495A
JPH0892495A JP6231619A JP23161994A JPH0892495A JP H0892495 A JPH0892495 A JP H0892495A JP 6231619 A JP6231619 A JP 6231619A JP 23161994 A JP23161994 A JP 23161994A JP H0892495 A JPH0892495 A JP H0892495A
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伝美 三沢
Kenichi Sugimoto
賢一 杉本
Taizo Nishimoto
泰三 西本
Takeshi Tsuda
武 津田
Hirosuke Takuma
啓輔 詫摩
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 下記一般式(1)または(2)で示されるフ
タロシアニン化合物、及びそれを記録層中に含有してな
る光記録媒体。 【化1】 〔上式中、Mは2個の水素原子、2価の金属原子、3価
1置換金属原子、4価2置換金属原子、オキシ金属原子
を表し、L1は式(a)または(b)、L2は式(c) 【化2】 (式中、R1、R4、R5は炭素数3〜10の直鎖または
分岐のアルケニル基を表し、OR2、OR3は、炭素数1
〜10の直鎖または分岐のアルコキシ基を表す。)を表
す。〕 【効果】 本発明のフタロシアニン化合物は、アルコシ
基及びアルケニル基の導入により、通常記録のみなら
ず、高速記録及び高密度記録における感度及び記録特性
に優れた光記録媒体の記録層形成化合物として著しい効
果を示した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規な光ディスク用記
録材料、情報記録、表示センサー、保護眼鏡等のオプト
エレクトロニクス関連に重要な役割を果たす近赤外線吸
収剤として有用な化合物と、それを記録層に含有して形
成される光ディスク及び光カード等の光記録媒体に関す
る。
【0002】
【従来の技術】光ディスク、光カード装置等における書
き込み及び読み取りのためにレーザー光が利用されてい
る。特にこれらの装置で用いられる光記録媒体の記録方
式は、実用レベルとしては通常、光・熱変換を経たヒー
トモード記録(熱記録)が採用されており、そのために
記録層としては低融点金属、有機高分子、さらには融
解、蒸発、分解、あるいは昇華等の物理変化または化学
変化を起こす有機色素が種々提案されている。なかでも
融解、分解等の温度が低い有機色素系は記録感度上好ま
しいことから、シアニン系色素、フタロシアニン系色
素、ナフタロシアニン系色素、アゾ系色素などを中心に
記録層として開発されてきている。
【0003】例えば、特開平2-147286号公報において、
記録層にシアニン系色素を含む光記録媒体が提案されて
いる。しかしながら、この媒体系は長期保存性および耐
光性に劣り、さらには記録特性も不十分であった。
【0004】アントラキノン色素(例えば、特開昭58-2
24448号公報)、ナフトキノン色素(例えば、特開昭58-
224793号公報)を記録層に含む光記録媒体も提案されて
いるが、いずれもシアニン系色素と同様に長期保存性お
よび耐光性に劣り、さらには記録特性も不十分であっ
た。
【0005】特開昭61-25886号公報、特開平2-43269号
公報(USP 4960538)、特開平2-296885号公報等において
は、記録層にナフタロシアニン色素を含む光記録媒体が
提案されている。この媒体系では、耐光性は優れるが、
記録層の反射率が低く、記録特性も不十分であった。
【0006】また、光記録媒体の記録層に、フタロシア
ニン色素、特にアルコキシ置換フタロシアニンを利用す
る技術は、特開昭61-154888号公報(EP 186404)、同61-1
97280号公報、同61-246091号公報、同62-39286号公報(U
SP 4769307)、同63-37991号公報、同63-39388号公報等
により広く知られている。これらの特許に開示されてい
るフタロシアニン色素を用いた光記録媒体においては、
感度、記録特性において十分な性能を有しているとは言
い難かった。それを改良したのが特開平3-62878号公報
(USP 5124067)であるが、その改良化合物においても、
レーザー光による高速記録及び高密度記録時の誤差が大
きく未だ実用上十分ではなかった。 特開平2-43269号
公報(USP 4960538)特表平2-502099号公報及び特開平2-2
96885号公報においてアルコキシ置換ナフタロシアニ
ン、特開昭63-37991号公報において脂肪族炭化水素オキ
シ置換フタロシアニン、特開昭63-39388号公報において
はアルケニルチオ置換フタロシアニンの、光記録媒体へ
の利用を提案しているが、感度、記録特性に効果がある
ということは記載されていない。
【0007】尚、その他の公知の色素を用いた光記録媒
体の記録特性においても十分な性能を有しているものは
見出されていない。
【0008】光記録媒体への書き込み及び読み出しは4
00〜900nmのレーザー光を利用するので、記録材
料の使用レーザー発振波長近傍における吸収係数、屈折
率等の制御及び書き込み時における精度の良いピット形
成が重要である。このことは、最近願望されている高速
記録、高密度記録においては特に重要である。そのた
め、構造安定性が高く、レーザー発振波長近傍の光に対
して屈折率が高く、分解特性が良好で、かつ感度の高い
光記録媒体用色素の開発が必要となる。しかし、従来開
発された光記録媒体用色素は、記録媒体に用いた時、特
に高速記録、高密度記録の感度(C/N比、最適記録パ
ワー)、記録特性(ジッター、デビエイション)につい
て欠点を有するという問題があった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
欠点を改善し、高速記録、高密度記録時においても感度
が高く、記録特性並びに耐光性の良好な光記録媒体を提
供しうる色素を供給することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前項の課
題を解決すべく鋭意検討した結果、本発明を完成するに
至った。即ち、本発明は、 下記一般式(1)で表されるフタロシアニン化合
物、
【0011】
【化5】 〔式(1)中、Mは2個の水素原子、2価の金属原子、
3価1置換金属原子、4価2置換金属原子、オキシ金属
原子を表し、L1は式(a)または式(b)
【0012】
【化6】 (式(a)または式(b)中、R1は、各々独立に炭素
数3〜10の直鎖または分岐のアルケニル基を表し、O
2は、炭素数1〜10の直鎖または分岐のアルコキシ
基を表す。)を表す。〕で示されるフタロシアニン化合
物。 下記一般式(2)で表されるフタロシアニン化合
物、
【0013】
【化7】 〔式(2)中、Mは2個の水素原子、2価の金属原子、
3価1置換金属原子、4価2置換金属原子、オキシ金属
原子を表し、L2は式(c)
【0014】
【化8】 (式(c)中、OR3は、炭素数1〜10の直鎖または
分岐のアルコキシ基を表し、R4及びR5は、各々独立に
炭素数3〜10の直鎖または分岐のアルケニル基を表
す。)を表す。〕で示されるフタロシアニン化合物。
【0015】 一般式(1)または(2)において、
Mで表される中心金属が、Pd,Cu,Ru,Pt,N
i,Co,Rh,Zn,VO,TiO,Si(Y)2,
n(Y)2,Ge(Y)2,(Yはハロゲン原子、アルコキ
シ基、アリールオキシ基、アシルオキシ基、ヒドロキシ
基、アルキル基、アリール基、アルキルチオ基、アリー
ルチオ基、トリアルキルシリルオキシ基、トリアルキル
スズオキシ基、またはトリアルキルゲルマニウムオキシ
基を表す。)であるフタロシアニン化合物。 一般式(1)または(2)のフタロシアニン化合物
を含有してなる光記録媒体。 基板上に、一般式(1)または(2)のフタロシア
ニン化合物を含有する記録層、その上に金またはアルミ
ニウムからなる反射層、さらにその上に保護層を積層し
た構成である光記録媒体に関するものである。
【0016】本発明のフタロシアニン化合物は、アルコ
キシ基及びアルケニル基がフタロシアニン環に置換した
ため、基板にスピンコート法により塗布する際に使用す
る溶剤への溶解性が向上した。また、フタロシアニン環
に置換したアルケニル基は、フタロシアニン環と共役す
るために、吸収波長領域の制御がし易くなると共に、記
録時に色素の分解・溶融が制御され精度の高いピット形
成が行われたこと、分解発熱量の減少により記録媒体の
樹脂基板へのダメージが減少したこと、反射層を有する
記録媒体の場合は記録層と反射層である金属層との密着
性向上に寄与し、従来の記録法のみならず、従来に比較
して高速である記録、あるいは高密度の記録法において
も光記録媒体の感度、記録特性の向上に効果を上げた。
【0017】本発明のフタロシアニン化合物は、650〜9
00nmにシャープな吸収を有し、分子吸光係数も高く、長
期安定性および耐光性にも優れるため、半導体レーザー
を用いる光記録媒体(光ディスク、光カード等)の記録材
料に好適である。
【0018】以下に本発明の好ましい態様を詳述する。
【0019】一般式(1)、(2)中、R1、R4、R5
で示される炭素数3〜10の直鎖または分岐のアルケニ
ル基の具体例としては、プロペニル基、2-プロペニル
基、1-メチルプロペニル基、1-メチル-2-プロペニル
基、1-エチルプロペニル基、1-エチル-2-プロペニル
基、1-プロピルプロペニル基、1-プロピル-2-プロペニ
ル基、1,1-ジメチル-2-プロペニル基、ブテニル基、2-
ブテニル基、1-メチル-2-ブテニル基、1-メチルブテニ
ル基、2-メチル-2-ブテニル基、2-メチルブテニル基、3
-メチル-2-ブテニル基、3-メチルブテニル基、2,3-ジメ
チル-2-ブテニル基、2,3-ジメチルブテニル基、1,1-ジ
メチル-2-ブテニル基、1-エチル-2-メチル-2-ブテニル
基、1-エチル-2-メチルブテニル基、ペンテニル基、2-
ペンテニル基、1-メチル-2-ペンテニル基、1-メチルペ
ンテニル基、2-メチル-2-ペンテニル基、2-メチルペン
テニル基、3-メチル-2-ペンテニル基、3-メチルペンテ
ニル基、4-メチル-2-ペンテニル基、4-メチルペンテニ
ル基、2,4-ジメチル-2-ペンテニル基、2,4-ジメチルペ
ンテニル基、1,4-ジメチル-2-ペンテニル基、1,4-ジメ
チルペンテニル基、1-エチル-2-メチル-2-ペンテニル
基、1-エチル-2-メチルペンテニル基、2-ヘキセニル
基、ヘキセニル基、1-メチル-2-ヘキセニル基、1-メチ
ルヘキセニル基、3-メチル-2-ヘキセニル基、3-メチル
ヘキセニル基、2-ヘプテニル基、ヘプテニル基、2-メチ
ル-2-ヘプテニル基、2-メチルヘプテニル基、3,4,4-ト
リメチル-2-ヘプテニル基、3,4,4-トリメチルヘプテニ
ル基、2-オクテニル基、オクテニル基、2-ノネニル基、
ノネニル基、2-デケニル基、デケニル基等が挙げられ
る。
【0020】一般式(1)、(2)中、OR2、OR3
示される炭素数1〜10の直鎖または分岐のアルコキシ
基の具体例としては、メトキシ基、エトキシ基、n-プロ
ピルオキシ基、iso-プロピルオキシ基、n-ブチルオキシ
基、iso-ブチルオキシ基、sec-ブチルオキシ基、t-ブチ
ルオキシ基、n-ペンチルオキシ基、iso-ペンチルオキシ
基、neo-ペンチルオキシ基、2-メチルブチル-3-オキシ
基、ペンチル-2-オキシ基、ペンチル-3-オキシ基、n-ヘ
キシルオキシ基、cyclo-ヘキシルオキシ基、2-メチルペ
ンチル-4-オキシ基、2-メチルペンチル-3-オキシ基、3-
メチルペンチル-4-オキシ基、n-ヘプチルオキシ基、ヘ
キシル-3-オキシ基、2-メチルヘキシル-5-オキシ基、2,
4-ジメチルペンチル-3-オキシ基、2-メチルヘキシル-3-
オキシ基、ヘプチル-4-オキシ基、n-オクチルオキシ
基、2-エチルヘキシル-1-オキシ基、2,5-ジメチルヘキ
シル-3-オキシ基、2,4-ジメチルヘキシル-3-オキシ基、
2,2,4-トリメチルペンチル-3-オキシ基、n-ノニルオキ
シ基、3,5-ジメチルヘプチル-4-オキシ基、2,6-ジメチ
ルヘプチル-3-オキシ基、2,4-ジメチルヘプチル-3-オキ
シ基、2,2,5,5-テトラメチルヘキシル-3-オキシ基、1-c
yclo-ペンチル-2,2-ジメチルプロピル-1-オキシ基、1-c
yclo-ヘキシル-2,2-ジメチルプロピル-1-オキシ基等が
挙げられる。
【0021】また、一般式(1)、(2)中、Mで示さ
れる2価金属の例としては、Cu,Zn,Fe,Co,
Ni,Ru,Rh,Pd,Pt,Mn,Sn,Mg,P
b,Hg,Cd,Ba,Ti,Be,Ca等が挙げら
れ、1置換の3価金属の例としては、Al−F,Al−
Cl,Al−Br,Al−I,Ga−F,Ga−Cl,
Ga−Br,Ga−I,In−F,In−Cl,In−
Br,In−I,Tl−F,Tl−Cl,Tl−Br,
Tl−I,Al−C65,Al−C64(CH3),I
n−C65,In−C64(CH3),Mn(OH),
Mn(OC65),Mn〔OSi(CH33〕,Fe−
Cl,Ru−Cl等が挙げられ、2置換の4価金属の例
としては、CrCl2,SiF2,SiCl2,SiB
2,SiI2,SnF2,SnCl2,SnBr2,Zr
Cl2,GeF2,GeCl2,GeBr 2,GeI2,T
iF2,TiCl2,TiBr2,Si(OH)2,Sn
(OH)2,Ge(OH)2,Zr(OH)2,Mn(O
H)2,TiA2,CrA2,SiA2,SnA2,GeA2
〔Aはアルキル基、フェニル基、ナフチル基およびその
誘導体を表す〕,Si(OA’)2,Sn(OA’)2
Ge(OA’)2,Ti(OA’)2,Cr(OA’)2
〔A’はアルキル基、フェニル基、ナフチル基、トリア
ルキルシリル基、ジアルキルアルコキシシリル基および
その誘導体を表す〕,Si(SA”)2,Sn(S
A”)2,Ge(SA”)2〔A”はアルキル基、フェニ
ル基、ナフチル基およびその誘導体を表す〕等が挙げら
れ、オキシ金属の例としては、VO,MnO,TiO等
が挙げられる。好ましくは、Pd、Cu,Ru,Pt,
Ni,Co,Rh,Zn,VO,TiO,Si(Y)2,
Sn(Y)2,Ge(Y)2,(Yはハロゲン原子、アルコ
キシ基、アリールオキシ基、アシルオキシ基、ヒドロキ
シ基、アリキル基、アリール基、アルキルチオ基、アリ
ールチオ基、トリアルキルシリルオキシ基、トリアルキ
ルスズオキシ基またはトリアルキルゲルマニウムオキシ
基を表す。)であり、特に好ましい例としては、Cu,
Ni,Co,Mg,Zn,Pd,Pt,VO等である。
【0022】一般式(1)で示されるフタロシアニン化
合物の合成法としては、下式(3)または(4)、
【0023】
【化9】 〔式(3)または式(4)中、R1およびOR2は一般式
(1)と同じ意味を表す。〕で示される化合物を、例え
ば1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデ
セン(DBU)存在下に、金属誘導体とアルコール中で
加熱反応させる、あるいは、金属化合物とクロルナフタ
レン、ブロムナフタレン、トリクロルベンゼン等の高沸
点溶媒中で加熱反応させる方法等が挙げられる。また、
一般式(3)または(4)で示される化合物を、アルコ
ール中、ナトリウムメチラートを触媒にアンモニアと反
応させて得られる一般式(5)または(6)で示される
ジイミノイソインドリンを中間体として同様に反応させ
る方法等が挙げられる。
【0024】
【化10】 〔式(5)または式(6)中、R1およびOR2は一般式
(1)と同じ意味を表す。〕 また、一般式(3)または(4)で示される化合物は、
以下に示した経路で製造することができる。
【0025】
【化11】 市販されている4−ニトロフタロニトリル(A)を、塩
基の存在下、R1OH〔R1は前記と同じ意味を表す。〕
で示されるアリルアルコール誘導体と反応させてアルコ
キシフタロニトリル(B)を得る。更に(B)をクライ
ゼン転移反応後、塩基の存在下、R2X〔R2は一般式
(1)のOR2で表されるアルコキシ基の相当するアル
キル基を表し、Xはハロゲン原子を表す。〕で示される
アルキルハライド誘導体と反応させることで目的とする
一般式(3)または(4)で示される化合物の混合物が
製造され、カラムクロマト等の方法により分離し、目的
とする一般式(3)または(4)で示される化合物の単
品を得ることができる。
【0026】また、一般式(2)で示されるフタロシア
ニン化合物の合成法としては、下式(7)
【0027】
【化12】 〔式(7)中、OR3、R4及びR5は一般式(2)と同
じ意味を表す。〕で示される化合物を、例えば1,8−
ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセン(DB
U)存在下に、金属誘導体とアルコール中で加熱反応さ
せる、あるいは、金属化合物とクロルナフタレン、ブロ
ムナフタレン、トリクロルベンゼン等の高沸点溶媒中で
加熱反応させる方法等が挙げられる。また、一般式
(8)で示される化合物を、アルコール中、ナトリウム
メチラートを触媒にアンモニアと反応させて得られる一
般式(8)で示されるジイミノイソインドリンを中間体
として同様に反応させる方法等が挙げられる。
【0028】
【化13】 〔式(8)中、OR3、R4及びR5は一般式(2)と同
じ意味を表す。〕 また、一般式(7)で示される化合物は、以下に示した
経路で製造することができる。
【0029】
【化14】
【0030】市販されている3−ニトロフタロニトリル
(C)を、塩基の存在下、R4OH〔R4は一般式(2)
と同じ意味を表す。〕で示されるアリルアルコール誘導
体と反応させてアルコキシフタロニトリル(D)を得
る。更に(D)をクライゼン転移反応後、塩基の存在
下、R5X〔R5は一般式(2)と同じ意味を表し、Xは
ハロゲン原子を表す。〕で示されるアリルハライド誘導
体と反応させて3−アルコキシ−4−アルケニルフタロ
ニトリル(E)を得る。更に(E)をクライゼン転移反
応後、塩基の存在下、R3X〔R3は一般式(2)のOR
3で表されるアルコキシ基の相当するアルキル基を表
し、Xはハロゲン原子を表す。〕で示されるアルキルハ
ライド誘導体と反応させることで目的とする一般式
(7)で示される化合物が製造される。
【0031】R1OH、R4OHで示されるアリルアルコ
ール誘導体の例としては、アリルアルコール、2-ブテノ
ール、3-メチル-2-ブテノール、2-メチル-3-ブテン-2-
オール、3-メチル-3-ブテン-2-オール、2-ペンテノー
ル、3-ペンテン-2-オール、1-ペンテン-3-オール、2,3-
ジメチル-3-ブテン-2-オール、1-ヘキセン-3-オール、4
-ヘキセン-3-オール、4-メチル-3-ペンテン-2-オール、
2-メチル-1-ペンテン-3-オール、3-メチル-1-ペンテン-
3-オール、4-メチル-1-ペンテン-3-オール、2,4-ジメチ
ル-1-ペンテン-3-オール、1-ヘプテン-3-オール、2-ヘ
プテン-4-オール、3-メチル-3-ヘキセン-2-オール、3-
メチル-1-ヘキセン-3-オール、2-メチル-4-ヘキセン-3-
オール、2-メチル-1-ヘプテン-3-オール、4-チル-4-ヘ
プテン-3-オール、1-オクテン-3-オール、2-オクテン-4
-オール、3,4,4,-トリメチル-1-ペンテン-3-オール、1-
ノネン-3-オール等の所望のアルケニル基を導入できる
ものが挙げられる。
【0032】Xで表されるハロゲン原子としては、フッ
素、塩素、臭素、ヨウ素が挙げられ、中でも、塩素、臭
素が好ましい。
【0033】本発明のフタロシアニン化合物を用いて光
記録媒体を製造する方法には、透明基板上に本発明のフ
タロシアニン化合物を含む1〜3種の化合物を1層また
は2層に塗布、あるいは蒸着する方法がある。塗布法と
しては、バインダー樹脂20重量%以下、好ましくは0
%と、本発明のフタロシアニン化合物0.05〜20重
量%、好ましくは0.5〜20重量%となるように溶媒
に溶解し、スピンコーターで塗布する方法等がある。ま
た、蒸着方法としては10-5〜10-7torr、100
〜300℃にて基板上にフタロシアニン化合物を堆積さ
せる方法等がある。
【0034】基板としては、光学的に透明な樹脂であれ
ばよい。例えば、アクリル樹脂、ポリエチレン樹脂、塩
化ビニル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、ポリカーボネート
樹脂、ポリオレフィン共重合樹脂、塩化ビニル共重合樹
脂、塩化ビニリデン共重合樹脂、スチレン共重合樹脂等
が挙げられる。また基板は熱硬化性樹脂または紫外線硬
化性樹脂により表面処理がなされていてもよい。
【0035】光記録媒体(光ディスク、光カード等)を
作製する場合、コストの面、ユーザーの取り扱いの面よ
り、基板はポリアクリレート基板またはポリカーボネー
ト基板を用い、かつスピンコート法により塗布されるの
が好ましい。
【0036】基板の耐溶剤性より、スピンコートに用い
る溶剤は、ハロゲン化炭化水素(例えば、ジクロロメタ
ン、クロロホルム、四塩化炭素、テトラクロロエチレ
ン、ジクロロジフルオロエタン等)、エーテル類(例え
ば、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジプロピ
ルエーテル、ジブチルエーテル、ジオキサン等)、アル
コール類(例えば、メタノール、エタノール、プロパノ
ール等)、セロソルブ類(例えば、メチルセロソルブ、
エチルセロソルブ等)、炭化水素類(例えば、ヘキサ
ン、シクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、シクロオ
クタン、ジメチルシクロヘキサン、オクタン、ベンゼ
ン、トルエン、キシレン等)、あるいはこれらの混合溶
媒が好適に用いられる。
【0037】記録媒体として加工するには、上記の様に
基板で覆う、あるいは2枚の記録層を設けた基板に、エ
アーギャップを設けて対向させて張り合わせる、また
は、記録層上に反射層(アルミニウムまたは金)を設
け、熱硬化性または光硬化性樹脂の保護層を積層する方
法などがある。保護層として、Al23,SiO2,S
iO,SnO2等の無機化合物を利用してもよい。
【0038】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明の実施の態様はこれにより限定されるもの
ではない。
【0039】実施例1 下記構造式(3−1)
【0040】
【化15】 で示されるフタロニトリル誘導体25.4g(0.1モ
ル)、DBU15.2g(0.1モル)、及びn−アミ
ルアルコール125gよりなる混合物を、窒素雰囲気下
で、100℃まで昇温させた。次に、同温度で塩化パラ
ジウム5.3g(0.03モル)を添加し、95〜10
0℃で20時間反応させた。反応終了後、冷却し、不溶
物を濾別した。濾液を減圧濃縮して溶媒を回収した後、
カラム精製(シリカゲル500g、溶媒トルエン)し、
下記構造式(1−1)で示されるフタロシアニン化合物
14.6g(収率52%)を得た。可視吸光スペクトル
及び元素分析の結果は以下の通りであった。
【0041】可視吸収: λmax=700nm εg=2.1×105cm2g-1(溶媒:トルエン)
【0042】
【化16】
【0043】上記フタロシアニン化合物のn−オクタン
溶液(10g/l)をスパイラルグルーブ(ピッチ1.
6μm、溝幅0.6μm、溝深0.18μm)付きの外
形120mm、厚さ1.2mmのCD−R用ポリカーボ
ネート基板上に500〜1000rpmでスピンコート
成膜した。その上に30nmの金をスパッタ蒸着して反
射層を形成し、続いて光硬化型ポリアクリル樹脂により
オーバーコート後光硬化させ保護層を形成してCD−R
型媒体を作製した。この媒体に、波長780nmの半導
体レーザーを用いて、線速1.4m/sでEFM信号を
6.0mWのパワーで書き込んだときのエラーレートは
0.2%未満であり、カ−ボンア−ク灯63℃、200時間
の耐久試験においても変化はなかった。
【0044】実施例2 下記構造式(3−2)
【0045】
【化17】 で示されるフタロニトリル誘導体25.4g(0.1モ
ル)、DBU15.2g(0.1モル)、及びn−アミ
ルアルコール125gよりなる混合物を、窒素雰囲気下
で、100℃まで昇温させた。次に、同温度で塩化第一
銅3.0g(0.03モル)を添加し、95〜100℃
で20時間反応させた。反応終了後、冷却し、不溶物を
濾別した。濾液を減圧濃縮して溶媒を回収した後、カラ
ム精製(シリカゲル500g、溶媒トルエン)し、下記
構造式(1−2)で示されるフタロシアニン化合物1
7.6g(収率65%)を得た。可視吸光スペクトル及
び元素分析の結果は以下の通りであった。
【0046】可視吸収: λmax=697nm εg=2.2×105cm2g-1(溶媒:トルエン)
【0047】
【化18】
【0048】上記フタロシアニン化合物のジブチルエ−
テル溶液(10g/l)を実施例1と同様にスピンコー
ターによりCD−R用ポリカーボネート基板上に塗布
し、その上に金をスパッタ蒸着し、続いてUV硬化樹脂
を用いて保護層を形成し、CD−R型媒体を作製した。
この媒体に780nmの半導体レーザーを用いて線速
1.4m/sでEFM信号を6.0mWのパワーで書き
込んだときのエラーレートは0.2%未満であり、0.
5mWの再生光で百万回再生を行っても変化がなかっ
た。また80℃/85%の条件で1000時間経過後も
記録・再生に支障はなかった。
【0049】実施例3 下記構造式(3−3)
【0050】
【化19】 で示されるフタロニトリル誘導体29.6g(0.1モ
ル)、DBU15.2g(0.1モル)、及びn−アミ
ルアルコール125gよりなる混合物を、窒素雰囲気下
で、100℃まで昇温させた。次に、同温度で塩化第一
銅3.0g(0.03モル)を添加し、95〜100℃
で20時間反応させた。反応終了後、冷却し、不溶物を
濾別した。濾液を減圧濃縮して溶媒を回収した後、カラ
ム精製(シリカゲル500g、溶媒トルエン)し、下記
構造式(1−3)で示されるフタロシアニン化合物1
9.1g(収率61%)を得た。可視吸光スペクトル及
び元素分析の結果は以下の通りであった。
【0051】可視吸収: λmax=707nm εg=1.9×105cm2g-1(溶媒:トルエン)
【0052】
【化20】
【0053】上記フタロシアニン化合物10gをジブチ
ルエ−テルとジイソプロピルエーテルの3:1(体積
比)混合溶媒500mlに溶解し、スピンコーターによ
りポリカ−ボネート製光カード基板上に厚み100nm
で塗布し、続いて塗布面にUV硬化樹脂を用いて保護層
を形成し、光カ−ドを作製した。この媒体に780n
m、線速2m/s,4mWの半導体レーザー光により記
録したとき、CN比は61dBであった。また、線速2
m/s,0.8mWのレーザ−光により再生可能で、再
生光安定性を調べたところ、105回の再生が可能であ
った。さらにこの光カ−ドは保存安定性も良好なもので
あった。
【0054】実施例4 下記構造式(3−4)
【0055】
【化21】 で示されるフタロニトリル誘導体29.6g(0.1モ
ル)、DBU15.2g(0.1モル)、及びn−アミ
ルアルコール125gよりなる混合物を、窒素雰囲気下
で、100℃まで昇温させた。次に、同温度で三塩化バ
ナジウム4.7g(0.03モル)を添加し、95〜1
00℃で20時間反応させた。反応終了後、冷却し、不
溶物を濾別した。濾液を減圧濃縮して溶媒を回収した
後、カラム精製(シリカゲル500g、溶媒トルエン)
し、下記構造式(1−4)で示されるフタロシアニン化
合物14.1g(収率45%)を得た。可視吸光スペク
トル及び元素分析の結果は以下の通りであった。
【0056】可視吸収: λmax=707nm εg=1.8×105cm2g-1(溶媒:トルエン)
【0057】
【化22】
【0058】上記フタロシアニン化合物を用いて実施例
1と同様にしてCD−R型媒体を作製した。この媒体
に、波長780nmのレーザーを用いて、線速1.4m
/sでEFM信号を6.0mWのパワーで書き込んだと
きのエラーレートは、0.2%未満であった。
【0059】実施例5 下記構造式(3−5)
【0060】
【化23】 で示されるフタロニトリル誘導体28.2g(0.1モ
ル)、DBU15.2g(0.1モル)、及びn−アミ
ルアルコール125gよりなる混合物を、窒素雰囲気下
で、100℃まで昇温させた。次に、同温度で塩化第一
銅3.0g(0.03モル)を添加し、95〜100℃
で20時間反応させた。反応終了後、冷却し、不溶物を
濾別した。濾液を減圧濃縮して溶媒を回収した後、カラ
ム精製(シリカゲル500g、溶媒トルエン)し、下記
構造式(1−5)で示されるフタロシアニン化合物1
7.9g(収率60%)を得た。可視吸光スペクトル及
び元素分析の結果は以下の通りであった。
【0061】可視吸収: λmax=705nm εg=1.9×105cm2g-1(溶媒:トルエン)
【0062】
【化24】
【0063】上記フタロシアニン化合物を用いて実施例
1と同様にしてCD−R型媒体を作製した。この媒体
に、波長780nmのレーザーを用いて、線速1.4m
/sでEFM信号を6.0mWのパワーで書き込んだと
きのエラーレートは、0.2%未満であった。
【0064】実施例6 下記構造式(3−6)
【0065】
【化25】 で示されるフタロニトリル誘導体28.2g(0.1モ
ル)、DBU15.2g(0.1モル)、及びn−アミ
ルアルコール125gよりなる混合物を、窒素雰囲気下
で、100℃まで昇温させた。次に、同温度で塩化第一
銅3.0g(0.03モル)を添加し、95〜100℃
で20時間反応させた。反応終了後、冷却し、不溶物を
濾別した。濾液を減圧濃縮して溶媒を回収した後、カラ
ム精製(シリカゲル500g、溶媒トルエン)し、下記
構造式(1−6)で示されるフタロシアニン化合物2
0.9g(収率70%)を得た。可視吸光スペクトル及
び元素分析の結果は以下の通りであった。
【0066】可視吸収: λmax=683nm εg=1.9×105cm2g-1(溶媒:トルエン)
【0067】
【化26】
【0068】上記フタロシアニン化合物を用いて実施例
1と同様にしてCD−R型媒体を作製した。この媒体
に、波長780nmのレーザーを用いて、線速1.4m
/sでEFM信号を6.0mWのパワーで書き込んだと
きのエラーレートは、0.2%未満であった。
【0069】実施例7 撹拌器、還流冷却器および窒素導入管を備えた容器に、
3−(2−ペントキシ)−4,6−ビス(1−プロペニ
ル)フタロニトリル29.4g(0.1モル)、DBU
15.2g(0.1モル)、及びn−アミルアルコール
125gを装入し、窒素雰囲気下で、100℃まで昇温
させた。次に、同温度で塩化パラジウム5.3g(0.
03モル)を添加し、95〜100℃で20時間反応さ
せた。反応終了後、冷却し、不溶物を濾別した。濾液を
減圧濃縮して溶媒を回収した後、カラム精製(シリカゲ
ル500g、溶媒トルエン)し、下記式(2−1)で示
されるフタロシアニン化合物20.2g(収率63%)
を得た。可視吸光スペクトル及び元素分析の結果は以下
の通りであった。
【0070】可視吸収: λmax=735nm εg=2.2×105cm2g-1(溶媒:トルエン)
【0071】
【化27】
【0072】上記フタロシアニン化合物のn−オクタン
溶液(10g/l)をスパイラルグルーブ(ピッチ1.
6μm、溝幅0.6μm、溝深0.18μm)付きの外
形120mm、厚さ1.2mmのCD−R用ポリカーボ
ネート基板上に500〜1000rpmでスピンコート
成膜した。その上に30nmの金をスパッタ蒸着して反
射層を形成し、続いて光硬化型ポリアクリル樹脂により
オーバーコート後光硬化させ保護層を形成してCD−R
型媒体を作製した。この媒体に、波長780nmの半導
体レーザーを用いて、線速1.4m/sでEFM信号を
6.0mWのパワーで書き込んだときのエラーレートは
0.2%未満であり、カ−ボンア−ク灯63℃、200時間
の耐久試験においても変化はなかった。
【0073】実施例8 実施例7と同様の容器に、3−(3−ヘキソキシ)−
4,6−ビス(1−プロペニル)フタロニトリル30.
8g(0.1モル)、DBU15.2g(0.1モル)
およびn−アミルアルコール120gを装入し、窒素雰
囲気下で100℃まで昇温させた。次に、同温度で塩化
パラジウム5.3g(0.03モル)を添加し、95〜
100℃で20時間反応させた。反応終了後、冷却し、
不溶物を濾別した。濾液を減圧濃縮して溶媒を回収した
後、カラム精製(シリカゲル500g、溶媒トルエン)
し、下記式(2−2)で示されるフタロシアニン化合物
21.8g(収率65%)を得た。可視吸光スペクトル
及び元素分析の結果は以下の通りであった。
【0074】可視吸収: λmax=736nm εg=2.1×105cm2g-1(溶媒:トルエン)
【0075】
【化28】
【0076】上記フタロシアニン化合物のジブチルエ−
テル溶液(10g/l)を実施例7と同様にスピンコー
ターによりCD−R用ポリカーボネート基板上に塗布
し、その上に金をスパッタ蒸着し、続いてUV硬化樹脂
を用いて保護層を形成し、CD−R型媒体を作製した。
この媒体に780nmの半導体レーザーを用いて線速
1.4m/sでEFM信号を6.0mWのパワーで書き
込んだときのエラーレートは0.2%未満であり、0.
5mWの再生光で百万回再生を行っても変化がなかっ
た。また80℃/85%の条件で1000時間経過後も
記録・再生に支障はなかった。
【0077】実施例9 実施例7と同様の容器に、3−(2−ペントキシ)−
4,6−ビス(1−プロペニル)フタロニトリル29.
4g(0.1モル)、DBU15.2g(0.1モ
ル)、及びn−アミルアルコール125gを装入し、窒
素雰囲気下で、100℃まで昇温させた。次に、同温度
で塩化第一銅3.0g(0.03モル)を添加し、95
〜100℃で10時間反応させた。反応終了後、冷却
し、不溶物を濾別した。濾液を減圧濃縮して溶媒を回収
した後、カラム精製(シリカゲル500g、溶媒トルエ
ン)し、下記式(2−3)で示されるフタロシアニン化
合物24.8g(収率80%)を得た。可視吸光スペク
トル及び元素分析の結果は以下の通りであった。
【0078】可視吸収: λmax=756nm εg=2.4×105cm2g-1(溶媒:トルエン)
【0079】
【化29】
【0080】上記フタロシアニン化合物10gをジブチ
ルエ−テルとジイソプロピルエーテルの3:1(体積
比)混合溶媒500mlに溶解し、スピンコーターによ
りポリカ−ボネート製光カード基板上に厚み100nm
で塗布し、続いて塗布面にUV硬化樹脂を用いて保護層
を形成し、光カ−ドを作製した。この媒体に780n
m、線速2m/s,4mWの半導体レーザー光により記
録したとき、CN比は61dBであった。また、線速2
m/s,0.8mWのレーザ−光により再生可能で、再
生光安定性を調べたところ、105回の再生が可能であ
った。さらにこの光カ−ドは保存安定性も良好なもので
あった。
【0081】実施例10 実施例7と同様の容器に、3−(3−メチル−ブトキ
シ)−4−(1−メチル−1−プロペニル)−6−(1
−プロペニル)フタロニトリル30.8g(0.1モ
ル)、DBU15.2g(0.1モル)およびn−アミ
ルアルコール120gを装入し、窒素雰囲気下で100
℃まで昇温させた。次に、同温度で塩化マグネシウム
4.7g(0.03モル)を添加し、95〜100℃で
15時間反応させた。反応終了後、冷却し、不溶物を濾
別した。濾液を減圧濃縮して溶媒を回収した後、カラム
精製(シリカゲル500g、溶媒トルエン)し、下記式
(2−4)で示されるフタロシアニン化合物17.6g
(収率56%)を得た。可視吸光スペクトル及び元素分
析の結果は以下の通りであった。
【0082】可視吸収 λmax=748nm εg=2.1×105cm2g-1(溶媒:トルエン)
【0083】
【化30】
【0084】上記フタロシアニン化合物を用いて実施例
7と同様にしてCD−R型媒体を作製した。この媒体
に、波長780nmのレーザーを用いて、線速1.4m
/sでEFM信号を6.0mWのパワーで書き込んだと
きのエラーレートは、0.2%未満であった。
【0085】実施例11 実施例7と同様の容器に、3−(2−ペントキシ)−
4,6−ビス(1−プロペニル)フタロニトリル29.
4g(0.1モル)、DBU15.2g(0.1モ
ル)、及びn−アミルアルコール125gを装入し、窒
素雰囲気下で、100℃まで昇温させた。次に、同温度
で塩化亜鉛4.1g(0.03モル)を添加し、95〜
100℃で25時間反応させた。反応終了後、冷却し、
不溶物を濾別した。濾液を減圧濃縮して溶媒を回収した
後、カラム精製(シリカゲル500g、溶媒トルエン)
し、下記式(2−5)で示されるフタロシアニン化合物
20.8g(収率67%)を得た。可視吸光スペクトル
及び元素分析の結果は以下の通りであった。
【0086】可視吸収: λmax=750nm εg=2.2×105cm2g-1(溶媒:トルエン)
【0087】
【化31】
【0088】上記フタロシアニン化合物を用いて実施例
7と同様にしてCD−R型媒体を作製した。この媒体
に、波長780nmのレーザーを用いて、線速1.4m
/sでEFM信号を6.0mWのパワーで書き込んだと
きのエラーレートは、0.2%未満であった。
【0089】実施例12 実施例7と同様の容器に、3−(2,4−ジメチル−3
−ペントキシ)−4,6−ビス(1−プロペニル)フタ
ロニトリル32.2g(0.1モル)、DBU15.2
g(0.1モル)、及びn−アミルアルコール125g
を装入し、窒素雰囲気下で、100℃まで昇温させた。
次に、同温度で塩化パラジウム5.3g(0.03モ
ル)を添加し、95〜100℃で25時間反応させた。
反応終了後、冷却し、不溶物を濾別した。濾液を減圧濃
縮して溶媒を回収した後、カラム精製(シリカゲル50
0g、溶媒トルエン)し、下記式(2−6)で示される
フタロシアニン化合物20.9g(収率60%)を得
た。可視吸光スペクトル及び元素分析の結果は以下の通
りであった。
【0090】可視吸収: λmax=736nm εg=2.4×105cm2g-1(溶媒:トルエン)
【0091】
【化32】
【0092】上記フタロシアニン化合物を用いて実施例
7と同様にしてCD−R型媒体を作製した。この媒体
に、波長780nmのレーザーを用いて、線速1.4m
/sでEFM信号を6.0mWのパワーで書き込んだと
きのエラーレートは、0.2%未満であった。
【0093】比較例1 下記構造式(F)で示される特開平3−62878号公
報(USP5124067)の例示化合物を用いて実施例1と同様
にして作製した媒体を評価した。
【0094】
【化33】
【0095】本発明のフタロシアニン化合物を用いた光
記録媒体は、通常記録の6.0mWレーザーパワー及び
3.6mW低レーザー、高速記録及び高密度記録におい
て良好な感度、記録特性を示した。なお、条件は以下の
通りである。 通常記録:線速度1.4m/s(1倍速)で63分の情
報を記録する。 高速記録:線速度5.6m/s(4倍速)で63分の情
報を記録する。 高密度記録:線速度1.2m/sで74分の情報を記録
する。
【0096】尚、通常記録の時のみ6.0と3.6mW
の2つのレーザーパワーで記録し、他の記録方法の時は
6.0mWで記録した。
【0097】さらに、記録感度(C/N比)、ジッター
及びデビエイションをそれぞれCDデコーダーDR35
52(ケンウッド社製)、LJM−1851ジッターメ
ーター(リーダー電子製)及びTIA−175タイムイ
ンターバルアナライザー(ADC社製)を用いて計測し
た。
【0098】評価基準 感度(C/N比) ○: ≧55dB ×: <55dB ジッター ○: 3Tピットジッター及び3Tランドジッターが <3
5ns ×: 3Tピットジッター又は3Tランドジッターが ≧3
5ns デビエイション ○: −50ns< 3T及び11Tデビエイション <5
0ns ×: 3T又は11Tデビエイション≧50ns又は3T又は1
1Tデビエイション≦−50ns 結果を表−1、表−2に示した。
【0099】
【表1】
【0100】
【表2】
【0101】
【発明の効果】本発明のフタロシアニン化合物は、アル
コキシ基及びアルケニル基がフタロシアニン環に置換し
たため、基板にスピンコート法により塗布する際に使用
する溶剤への溶解性が向上した。また、フタロシアニン
環に置換したアルケニル基は、フタロシアニン環と共役
するために、吸収波長領域の制御がし易くなると共に、
記録時に色素の分解・溶融が制御され精度の高いピット
形成が行われたこと、分解発熱量の減少により記録媒体
の樹脂基板へのダメージが減少したこと、反射層を有す
る記録媒体の場合は記録層と反射層である金属層との密
着性が向上に寄与し、従来の記録法のみならず、従来に
比較して高速である記録、あるいは高密度の記録法にお
いても光記録媒体の感度、記録特性の向上に効果を上げ
た。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 西本 泰三 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井 東圧化学株式会社内 (72)発明者 津田 武 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井 東圧化学株式会社内 (72)発明者 詫摩 啓輔 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井 東圧化学株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(1) 【化1】 〔式(1)中、Mは2個の水素原子、2価の金属原子、
    3価1置換金属原子、4価2置換金属原子、オキシ金属
    原子を表し、L1は式(a)または式(b) 【化2】 (式(a)または式(b)中、R1は、炭素数3〜10
    の直鎖または分岐のアルケニル基を表し、OR2は、炭
    素数1〜10の直鎖または分岐のアルコキシ基を表
    す。)を表す。〕で示されるフタロシアニン化合物。
  2. 【請求項2】 下記一般式(2) 【化3】 〔式(2)中、Mは2個の水素原子、2価の金属原子、
    3価1置換金属原子、4価2置換金属原子、オキシ金属
    原子を表し、L2は式(c) 【化4】 (式(c)中、OR3は、炭素数1〜10の直鎖または
    分岐のアルコキシ基を表し、R4及びR5は、各々独立に
    炭素数3〜10の直鎖または分岐のアルケニル基を表
    す。)を表す。〕で示されるフタロシアニン化合物。
  3. 【請求項3】 一般式(1)または(2)において、M
    で表される中心金属が、Pd,Cu,Ru,Pt,N
    i,Co,Rh,Zn,VO,TiO,Si(Y)2
    Sn(Y)2,Ge(Y)2,(Yはハロゲン原子、アル
    コキシ基、アリールオキシ基、アシルオキシ基、ヒドロ
    キシ基、アルキル基、アリール基、アルキルチオ基、ア
    リールチオ基、トリアルキルシリルオキシ基、トリアル
    キルスズオキシ基、またはトリアルキルゲルマニウムオ
    キシ基を表す。)である請求項1または2記載のフタロ
    シアニン化合物。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載のフタロ
    シアニン化合物を含有してなる光記録媒体。
  5. 【請求項5】 基板上に、請求項1〜3のいずれかに記
    載のフタロシアニン化合物を含有する記録層、その上に
    金またはアルミニウムからなる反射層、さらにその上に
    保護層を積層した構成である請求項4記載の光記録媒
    体。
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