JPH06228532A - フタロシアニン化合物及びそれを用いた光記録媒体 - Google Patents

フタロシアニン化合物及びそれを用いた光記録媒体

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JPH06228532A
JPH06228532A JP5013506A JP1350693A JPH06228532A JP H06228532 A JPH06228532 A JP H06228532A JP 5013506 A JP5013506 A JP 5013506A JP 1350693 A JP1350693 A JP 1350693A JP H06228532 A JPH06228532 A JP H06228532A
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phthalocyanine compound
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compound
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JP5013506A
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English (en)
Inventor
Kenichi Sugimoto
賢一 杉本
Tatsu Oi
龍 大井
Takahisa Oguchi
貴久 小口
Hideki Umehara
英樹 梅原
Naoto Ito
尚登 伊藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Yamamoto Chemicals Inc
Mitsui Toatsu Chemicals Inc
Original Assignee
Yamamoto Chemicals Inc
Mitsui Toatsu Chemicals Inc
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 下記一般式(I) 【化1】 〔式(I)中、R基は、窒素原子を含有し、炭素数2か
ら20の直鎖または分岐した基であり、OR基の置換位
置は1または4位、5または8位、9または12位、1
3または16位である。Metは、2価の金属原子、3
価または4価の金属誘導体またはオキシ金属を表す。X
はハロゲン原子を表し、nはXの置換数を表すもので0
から4である。〕で表されるフタロシアニン化合物及び
前記化合物のOR基の1から4個が4級アンモニウム塩
である化合物、更にこれらの化合物を記録層に含有して
なる光記録媒体を開示する。 【効果】 本発明の化合物は、反射率、感度、記録特
性、再生光安定性、保存安定性等に優れた特性を有する
光記録媒体を提供することが可能である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、情報記録、表示センサ
ー、保護眼鏡等のオプトエレクトロニクス関連に重要な
役割を果たす近赤外線吸収剤として有用な化合物である
フタロシアニン化合物、及びそれを記録層中に含有して
なる光ディスク、光カード等の光記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】光ディスクや光カード等の光記録媒体の
記録層にフタロシアニン色素、特に、アルコキシフタロ
シアニンを利用する技術は、特開昭61-154888号公報(E
P 186404)、同61-197280号公報、同61-246091号公報、
同62-39286号公報(USP 4,769,307)、同63-37991号公
報、同63-39888号公報等により広く知られているが、フ
タロシアニン類は会合し易いためにその吸収能が充分で
なかった。そのためにそれを用いた光記録媒体において
は、780〜830nmでの反射率が低く、感度、記録特性にお
いても充分な性能を有しているとは言い難かった。
【0003】これらの点を改良したのが特開平3-62878
号公報記載の発明であるが、その改良化合物において
も、レーザー光による記録時の誤差が大きく、いまだ実
用上十分ではなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】フタロシアニン類は、
上述の欠点である感度(C/N比、最適記録パワー)、
記録特性(ジッター、デビエイション)の他に、欠陥の
無い塗布膜の作製が困難であるし、また、有機溶剤等へ
の溶解性に乏しく、溶液塗工による薄膜形成が行えない
ために、真空蒸着に頼らざるを得ず、大型設備が必要に
なり、そのため、加工コストも高くなるという問題があ
った。
【0005】従って、本発明の目的は、上記欠点がない
新規のフタロシアニン化合物を提供し、更にそれを用い
た光記録媒体を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前項の課
題を解決すべく鋭意検討の結果、上述の目的に合う新規
なフタロシアニン化合物を見出し、本発明を完成させ
た。
【0007】即ち、本発明は、下記一般式(I)
【0008】
【化4】 〔式(I)中、R基は、炭素数2から20の直鎖または
分岐したアミノアルキル基、アルキルアミノアルキル
基、ジアルキルアミノアルキル基、アミノアルコキシア
ルキル基、アルキルアミノアルコキシアルキル基あるい
はジアルキルアミノアルコキシアルキル基であり、OR
基の置換位置は1または4位、5または8位、9または
12位、13または16位である。Metは、2価の金
属原子、3価または4価の金属誘導体またはオキシ金属
を表す。Xはハロゲン原子を表し、nはXの置換数を表
すもので0から4である。〕で表されるフタロシアニン
化合物、それを記録層に含有してなる光記録媒体であ
り、あるいは下記一般式(II)
【0009】
【化5】 {式(II)中、R’基の1から4個が下記式(III)
【0010】
【化6】 〔式(III)中、Aはアルキル基またはアルコキシアル
キル基である連結基を表し、R1〜R3は、それぞれ独立
に水素原子あるいは炭素数1から8の直鎖または分岐の
アルキル基を表し、Yはハロゲン原子を表す。〕で表さ
れる4級アンモニウム塩であり、残りの基が炭素数2か
ら20の直鎖または分岐したアミノアルキル基、アルキ
ルアミノアルキル基、ジアルキルアミノアルキル基、ア
ミノアルコキシアルキル基、アルキルアミノアルコキシ
アルキル基あるいはジアルキルアミノアルコキシアルキ
ル基であり、OR’基の置換位置は1または4位、5ま
たは8位、9または12位、13または16位である。
Metは、2価の金属原子、3価または4価の金属誘導
体またはオキシ金属を表す。Xはハロゲン原子を表し、
nはXの置換数を表すもので0から4である。}で表さ
れるフタロシアニン化合物、それを含有してなる光記録
媒体である。
【0011】本発明のフタロシアニン化合物は、650〜9
00nmにシャープな吸収を有し、分子吸光係数は、150,00
0以上と高く、半導体レーザーを用いる光記録媒体(光
ディスク、光カード等)に有効である。
【0012】また、本発明のフタロシアニンは、一般式
(I)中、ORで示される置換基の導入により、その立
体障害を利用し、フタロシアニンの会合性を小さくする
と共に、有機溶媒への溶解性、樹脂への相溶性が良好な
フタロシアニン化合物である。更に、置換基中の窒素原
子により、光記録媒体とした時に反射層である金属層と
の密着性が向上し、アルキルアミノ基の効果により、感
度、記録特性及び耐久性に優れた特性を持つ化合物であ
る。そして、一般式(II)で表され、基R’の1から4
が4級アンモニウム塩であるフタロシアニン化合物は、
スピンコート溶媒であるアルコール類、セロソルブ類に
特に溶解性が良好である。
【0013】以下に、本発明の好ましい態様を詳述す
る。
【0014】一般式(I)及び(II)中、基R及びR’
で表される炭素数2から20の直鎖または分岐したアミ
ノアルキル基、アルキルアミノアルキル基、ジアルキル
アミノアルキル基、アミノアルコキシアルキル基、アル
キルアミノアルコキシアルキル基あるいはジアルキルア
ミノアルコキシアルキル基の具体例としては、置換基の
立体障害が大きく、フタロシアニン環の垂直方向へ張り
出し易く、且つ、近赤外線吸収剤の単位重量当たりの光
の吸収量が大きくできる基、また、光記録媒体とした
時、感度向上に有効な基、更にスピンコート溶媒への溶
解性向上に有効な基であり、特に1−n−ブトキシメチ
ル−2−ジイソブチルアミノ−1−エチル基、1−メト
キシメチル−2−ジイソブチルアミノ−1−エチル基、
1−イソプロポキシメチル−2−ジエチルアミノ−1−
エチル基、2−ジメチルアミノ−2−メチル−1−プロ
ピル基、2−ジイソプロピルアミノ−1−エチル基、2
−(2’−ジエチルアミノエトキシ)エチル基、1−ジ
エチルアミノ−イソプロピル基、2−tert−ブチル
アミノ−1−エチル基、2−ジ−n−ブチルアミノ−1
−エチル基、2−ジエチルアミノ−1−エチル基、3−
ジエチルアミノ−1−プロピル基、2−イソプロピルア
ミノ−1−エチル基等が挙げられる。また、式(III)
で表される4級アンモニウム塩である場合の基R’の具
体例としては、1−n−ブトキシメチル−2−ジイソブ
チルアンモニウムクロリド−1−エチル基、1−n−ブ
トキシメチル−2−ジイソブチルアンモニウムブロミド
−1−エチル基、1−メトキシメチル−2−ジイソブチ
ルアンモニウムクロリド−1−エチル基、1−メトキシ
メチル−2−ジイソブチルアンモニウムブロミド−1−
エチル基、1−イソプロポキシメチル−2−ジエチルア
ンモニウムクロリド−1−エチル基、1−イソプロポキ
シメチル−2−ジエチルアンモニウムブロミド−1−エ
チル基、2−ジメチルアンモニウムクロリド−2−メチ
ル−1−プロピル基、2−ジメチルアンモニウムブロミ
ド−2−メチル−1−プロピル基、2−ジイソプロピル
アンモニウムクロリド−1−エチル基、2−ジイソプロ
ピルアンモニウムブロミド−1−エチル基、2−(2’
−ジエチルアンモニウムクロリドエトキシ)エチル基、
2−(2’−ジエチルアンモニウムブロミドエトキシ)
エチル基、1−ジエチルアンモニウムクロリド−イソプ
ロピル基、1−ジエチルアンモニウムブロミド−イソプ
ロピル基、2−tert−ブチルアンモニウムクロリド
−1−エチル基、2−tert−ブチルアンモニウムブ
ロミド−1−エチル基、2−ジ−n−ブチルアンモニウ
ムクロリド−1−エチル基、2−ジ−n−ブチルアンモ
ニウムブロミド−1−エチル基、2−ジエチルアンモニ
ウムクロリド−1−エチル基、2−ジエチルアンモニウ
ムブロミド−1−エチル基、3−ジエチルアンモニウム
クロリド−1−プロピル基、3−ジエチルアンモニウム
ブロミド−1−プロピル基、2−イソプロピルアンモニ
ウムクロリド−1−エチル基及び2−イソプロピルアン
モニウムブロミド−1−エチル基等が挙げられる。
【0015】Metで表される2価の金属原子の例とし
ては、Cu,Zn,Fe,Co,Ni,Ru,Rh,P
d,Pt,Mn,Mg,Ti,Be,Ca,Ba,P
b,Sn等が挙げられ、3価の金属誘導体の例として
は、Al−Cl,Al−Br,Al−F,Al−I,G
a−Cl,Ga−I,Ga−Br,In−Cl,In−
Br,In−F,In−I,Tl−Cl,Tl−Br,
Tl−F,Tl−I,Al−R4,In−R4,Mn(O
4)[R4はアルキル基、フェニル基及びその誘導体を
表す。],Mn(OH),FeCl,RuCl等が挙げ
られる。4価の金属誘導体の例としては、SiCl2
SiBr2,SiF2,SiI2,SnCl2,SnB
2,SnF2,SnI2,TiCl2,TiBr2,Ti
2,Si(OH) 2,Mn(OH)2,Sn(OH)2
Ge(OH)2,SiR5 2,SnR5 2,TiR5 2,Ge
5 2,Si(OR52,Sn(OR52,Ti(O
52,Ge(OR52,Sn(SR52,Ge(SR
52[R5はアルキル基、フェニル基及びその誘導体を
表す。]等が挙げられる。オキシ金属の例としては、V
O,MnO,TiOなどが挙げられる。
【0016】一般式(I)で表されるフタロシアニン化
合物の合成法としては、下式(IV)
【0017】
【化7】 〔式(IV)中、R基は一般式(I)と同様の基を示
す。〕で表される化合物と、1,8−ジアザビシクロ
[5.4.0]−7−ウンデセン(DBU)存在下に、
金属誘導体とアルコール中で加熱反応する。あるいは、
金属誘導体とクロロナフタレン、ブロモナフタレン、ト
リクロロベンゼン等の高沸点溶媒中で加熱反応する方法
が挙げられる。また、式(IV)で表される化合物を、ア
ルコール中、ナトリウムメチラートを触媒にアンモニア
と反応させて式(V)で表されるジイミノイソインドリ
ンを中間体として同様に反応させる方法等が挙げられ
る。
【0018】
【化8】 〔式(V)中、R基は一般式(I)と同様の基を示
す。〕式(IV)で表される化合物の合成は、特開昭61-1
86384号公報(米国特許第4,769,307号)、NOUVEAU JOUR
NAL DE CHIMIE, VOL.6, NO.12, pp653-58, (1982)に記
載の方法にて製造できる。すなわち、アミノアルコール
を水素化ナトリウムにて、ナトリウムアルコキシドと
し、続いて、3−ニトロフタロニトリルと0〜100℃
で反応させて目的の式(IV)の化合物を得る。ここで、
原料として用いた3−ニトロフタロニトリルは、例え
ば、東京化成(株)等より入手できる。
【0019】ハロゲン化フタロシアニンの合成は、上記
方法で得られたフタロシアニン化合物を、有機溶媒中あ
るいは水との混合溶媒中、20〜90℃で塩素、臭素等
のハロゲン化剤と反応させることにより行うことができ
る。
【0020】一般式(II)の基R’の1から4が4級ア
ンモニウム塩であるフタロシアニン化合物は、上記のハ
ロゲン化中、副生するハロゲン化水素により必然的に合
成される。4級アンモニウム塩を含まないハロゲン化フ
タロシアニン(以下、フリーのハロゲン化フタロシアニ
ンと称す)は、この4級アンモニウム塩を含むハロゲン
化フタロシアニンを中和することにより得られる。
【0021】ハロゲン原子としては、F,Cl,Br,
I等が挙げられ、好ましくはBrである。
【0022】本発明のフタロシアニンを用いて光り記録
媒体を製造する方法としては、透明基板上に本発明のフ
タロシアニンを含む1〜3種の化合物を1層または2層
に塗布あるいは蒸着する方法がある。塗布法としては、
バインダー樹脂20重量%以下、好ましくは0%と、本
発明のフタロシアニン0.05〜20重量%、好ましく
は0.5〜20重量%となるように溶剤に溶解し、スピ
ンコーターで塗布する方法等がある。また、蒸着法とし
ては、10-5〜10-7torr、100〜300℃にて
基板上に堆積させる方法等がある。
【0023】基板としては、光学的に透明な樹脂であれ
ばよく、例えば、アクリル樹脂、ポリエチレン樹脂、塩
化ビニル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、ポリカーボネート
樹脂、エチレン樹脂、ポリオレフィン共重合樹脂、塩化
ビニル共重合樹脂、塩化ビニリデン共重合樹脂、スチレ
ン共重合樹脂等が挙げられる。
【0024】また、基板は熱硬化性樹脂または紫外線硬
化性樹脂により表面処理が成されていても良い。
【0025】光記録媒体(光ディスク、光カード等)を
作製する場合、コストの面、ユーザーの取扱い面より、
基板はアクリル樹脂またはポリカーボネート樹脂からな
る基板を用い、且つ、スピンコート法により塗布される
のが好ましい。
【0026】基板の耐溶剤性より、スピンコート法に用
いる溶剤は、ハロゲン化炭化水素(例えば、ジクロロメ
タン、クロロホルム、四塩化炭素、テトラクロロエチレ
ン、ジクロロジフルオロエタン等)、エーテル類(例え
ば、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジプロピ
ルエーテル、ジブチルエーテル、ジオキサン等)、アル
コール類(例えば、メタノール、エタノール、プロパノ
ール等)、セロソルブ類(例えば、メチルセロソルブ、
エチルセロソルブ等)、炭化水素類(例えば、ヘキサ
ン、シクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、シクロオ
クタン、ジメチルシクロヘキサン、オクタン、ベンゼ
ン、トルエン、キシレン等)が好適に用いられる。
【0027】記録媒体として加工するには、上記のよう
に基板で覆う、あるいは2枚の記録層を設けた基板に、
エアーギャップを設けて対向させて張り合わせる、また
は、記録層上に反射層(アルミニウムまたは金)を設
け、熱硬化性(あるいは光硬化性)樹脂の保護層を積層
する方法などがある。
【0028】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明の実施の態様はこれらにより限定されるも
のではない。
【0029】実施例1 攪拌器、還流冷却器及び窒素導入管を備えた容器に下記
式(VI)
【0030】
【化9】 の3−(1’−n−ブトキシメチル−2’−ジイソブチ
ルアミノ−1’−エトキシ)フタロニトリル38.5g
(0.1モル)、DBU15.2g(0.1モル)及び
n−アミルアルコール125gを装入し、窒素雰囲気下
で、110℃まで昇温させた。次に、同温度で塩化パラ
ジウム5.3g(0.03モル)を添加し、110〜1
20℃で8時間反応させた。
【0031】反応終了後、冷却し、不溶物を濾過して除
去した。濾液を減圧濃縮した後、カラム精製(シリカゲ
ル500g、溶媒トルエン)して、目的とするフタロシ
アニンパラジウム化合物の濃緑色オイル状物を得た。収
量は25.0g(収率61%)であった。高速液体クロ
マトグラフィーによる純度測定の結果は99.0%であ
った。
【0032】上記フタロシアニン化合物9.9g(0.
006モル)及び、1,1,2−トリクロロエタン40
gを前記同様の容器に装入し、フタロシアニン化合物を
溶解させた後、水20gを加え50℃まで昇温し、これ
に、臭素3.8g(0.024モル)を10分で滴下
し、50℃で5時間反応させた。反応終了後、15%亜
硫酸水素ナトリウム水溶液20gを加え洗浄し、水層を
分液した。有機層を減圧濃縮後、カラム精製(シリカゲ
ル100g、溶媒クロロホルム)して緑色結晶の置換基
に臭素化水素の配位した4級アンモニウム塩を有する臭
素化フタロシアニン化合物9.8g(収率82%)を得
た。液体クロマトグラフィーでの純度測定は98%であ
った。
【0033】この臭素化フタロシアニン化合物5gをメ
タノール200gに溶解後、10%水酸化ナトリウム水
溶液で中和すると結晶が析出してくる。結晶を濾過洗浄
後、乾燥して、フリーの臭素化フタロシアニン化合物を
得た。それぞれの元素分析の結果から、4級アンモニウ
ム塩を有する臭素化フタロシアニン化合物は、置換基の
1.0個分が臭化水素の配位した4級アンモニウム塩
で、フタロシアニン核のベンゼン環に3.5個の臭素原
子が置換した化合物であり、フリーの臭素化フタロシア
ニン化合物はフタロシアニン核のベンゼン環に3.5個
の臭素原子が置換した化合物であった。4級アンモニウ
ム塩を有する臭素化フタロシアニン化合物の可視吸光ス
ペクトル及び元素分析の結果は以下の通りであった。
【0034】可視吸収:λmax=705.0nm εg=1.5×105ml/g.Cm(溶媒:クロロホル
ム) 元素分析:C92137.5128Pd Br4.5
【0035】
【表1】 フリーの臭素化フタロシアニン化合物の可視吸光スペク
トル及び元素分析の結果は以下の通りであった。
【0036】可視吸収:λmax=704.5nm εg=1.6×105ml/g.Cm(溶媒:クロロホル
ム) 元素分析:C92136.5128Pd Br3.5
【0037】
【表2】 上記の4級アンモニウム塩を有する臭素化フタロシアニ
ン化合物をメタノールに溶解し(10g/l)、基板に
スピンコートして光記録媒体を作製した。反射率は70
%(at780〜830nm)であり、波長785nm
のレーザーを用いて、線速1.3m/sでEFM信号を
書き込んだ時のエラーレートは10未満で良好であっ
た。また、0.5mWの再生光で百万回再生を行っても
変化がなかった。
【0038】また、フリーの臭素化フタロシアニン化合
物をジブチルエーテル(10g/l)に溶解した溶液を
ポリカーボネート基板に塗布し、金を反射層とした光デ
ィスクを作製した。この光ディスクの反射率は74%
(at780〜830nm)であり、波長785nmの
レーザーを用いて、線速1.3m/sでEFM信号を書
き込んだ時のエラーレートは10未満で良好であった。
また、線速2m/s、0.8mWのレーザー光により再
生可能で、再生光安定性を調べたところ、105回の再
生が可能であった。
【0039】実施例2 実施例1と同様の容器に下記式(VII)
【0040】
【化10】 の3−(1’−イソプロポキシメチル−2’−ジエチル
アミノ−1’−エトキシ)フタロニトリル31.5g
(0.1モル)、DBU15.2g(0.1モル)及び
n−アミルアルコール120gを装入し、窒素雰囲気下
で、110℃まで昇温させた。次に、同温度で塩化パラ
ジウム5.3g(0.03モル)を添加し、120℃で
10時間反応させた。
【0041】反応終了後、冷却し、不溶物を濾過して除
去した。濾液を減圧濃縮した後、カラム精製(シリカゲ
ル300g、溶媒:トルエン)して、目的とするフタロ
シアニンパラジウム化合物の濃緑色オイル状物を得た。
収量は19.5g(収率57.1%)であった。高速液
体クロマトグラフィーによる純度測定の結果は99.9
%であった。
【0042】上記フタロシアニン化合物8.2g(0.
006モル)及び、1,1,2−トリクロロエタン40
gを前記同様の容器に装入し、フタロシアニン化合物を
溶解後、水20gを加え50℃まで昇温し、これに、臭
素3.8g(0.024モル)を10分で滴下し、50
℃で5時間反応させた。反応終了後、15%亜硫酸水素
ナトリウム水溶液20gを加え洗浄し、水層を分液し
た。有機層を減圧濃縮後、カラム精製(シリカゲル10
0g、溶媒クロロホルム)して緑色結晶の置換基に臭素
化水素の配位した4級アンモニウム塩を有する臭素化フ
タロシアニン化合物9.0g(収率85%)を得た。液
体クロマトグラフィーでの純度測定は98%であった。
【0043】この臭素化フタロシアニン化合物5gをメ
タノール200gに溶解後、10%水酸化ナトリウム水
溶液で中和すると結晶が析出してくる。結晶を濾過洗浄
後、乾燥して、フリーの臭素化フタロシアニン化合物を
得た。それぞれの元素分析の結果から、4級アンモニウ
ム塩を有する臭素化フタロシアニン化合物は、置換基の
1.5個分が臭化水素の配位した4級アンモニウム塩
で、フタロシアニン核のベンゼン環に3.5個の臭素原
子が置換した化合物であり、フリーの臭素化フタロシア
ニン化合物はフタロシアニン核のベンゼン環に3.5個
の臭素原子が置換した化合物であった。4級アンモニウ
ム塩を有する臭素化フタロシアニン化合物の可視吸光ス
ペクトル及び元素分析の結果は以下の通りであった。
【0044】可視吸収:λmax=706.5nm εg=1.5×105ml/g.Cm(溶媒:クロロホル
ム) 元素分析:C7298128Pd Br5
【0045】
【表3】 フリーの臭素化フタロシアニン化合物の可視吸光スペク
トル及び元素分析の結果は以下の通りであった。
【0046】可視吸収:λmax=706.0nm εg=1.6×105ml/g.Cm(溶媒:クロロホル
ム) 元素分析:C7296.5128Pd Br3.5
【0047】
【表4】 上記の4級アンモニウム塩を有する臭素化フタロシアニ
ン化合物をメタノールに溶解し(10g/l)、基板に
スピンコートして光記録媒体を作製した。反射率は70
%(at780〜830nm)であり、波長785nm
のレーザーを用いて、線速1.3m/sでEFM信号を
書き込んだ時のエラーレートは10未満で良好であっ
た。また、0.5mWの再生光で百万回再生を行っても
変化がなかった。
【0048】また、フリーの臭素化フタロシアニン化合
物1gをn−オクタン100gに溶解した溶液をポリカ
ーボネート基板上に塗布し、金を反射層とした光ディス
クを作製した。この光ディスクの反射率は74%(at
780〜830nm)であり、波長785nmのレーザ
ーを用いて、線速1.3m/sでEFM信号を書き込ん
だ時のエラーレートは10未満で良好であった。また、
線速2m/s、0.8mWのレーザー光により再生可能
で、再生光安定性を調べたところ、105回の再生が可
能であった。
【0049】実施例3 実施例1と同様の容器に前記式(VI)の3−(1’−n
−ブトキシメチル−2’−ジイソブチルアミノ−1’−
エトキシ)フタロニトリル38.5g(0.1モル)、
DBU15.2g(0.1モル)及びn−アミルアルコ
ール125gを装入し、窒素雰囲気下で、110℃まで
昇温させた。次に、同温度で塩化銅3.0g(0.03
モル)を添加し、120℃で10時間反応させた。
【0050】反応終了後、冷却し、不溶物を濾過して除
去した。濾液を減圧濃縮した後、カラム精製(シリカゲ
ル500g、溶媒:クロロホルム)して、目的とするフ
タロシアニン銅化合物の青緑色オイル状物を得た。収量
は28g(収率68.8%)であった。
【0051】上記フタロシアニン化合物9.6g(0.
006モル)及び、1,1,2−トリクロロエタン40
gを前記同様の容器に装入し、フタロシアニン化合物を
溶解後、水20gを加え50℃まで昇温し、これに、臭
素2.9g(0.018モル)を10分で滴下し、50
℃で5時間反応させた。反応終了後、15%亜硫酸水素
ナトリウム水溶液20gを加え洗浄し、水層を分液し
た。有機層を減圧濃縮後、カラム精製(シリカゲル10
0g、溶媒クロロホルム)して緑色結晶の置換基に臭素
化水素の配位した4級アンモニウム塩を有する臭素化フ
タロシアニン化合物8.5g(収率75%)を得た。液
体クロマトグラフィーでの純度測定は99%であった。
【0052】この臭素化フタロシアニン化合物5gをメ
タノール200gに溶解後、10%水酸化ナトリウム水
溶液で中和すると結晶が析出してくる。結晶を濾過洗浄
後、乾燥して、フリーの臭素化フタロシアニン化合物を
得た。それぞれの元素分析の結果から、4級アンモニウ
ム塩を有する臭素化フタロシアニン化合物は、置換基の
1.3個分が臭化水素の配位した4級アンモニウム塩
で、フタロシアニン核のベンゼン環に2.2個の臭素原
子が置換した化合物であり、フリーの臭素化フタロシア
ニン化合物はフタロシアニン核のベンゼン環に2.2個
の臭素原子が置換した化合物であった。4級アンモニウ
ム塩を有する臭素化フタロシアニン化合物の可視吸光ス
ペクトル及び元素分析の結果は以下の通りであった。
【0053】可視吸収:λmax=712.5nm εg=1.6×105ml/g.Cm(溶媒:クロロホル
ム) 元素分析:C92139.1128Cu Br3.5
【0054】
【表5】 フリーの臭素化フタロシアニン化合物の可視吸光スペク
トル及び元素分析の結果は以下の通りであった。
【0055】可視吸収:λmax=712.0nm εg=1.6×105ml/g.Cm(溶媒:クロロホル
ム) 元素分析:C92137.8128Cu Br2.2
【0056】
【表6】 上記の4級アンモニウム塩を有する臭素化フタロシアニ
ン化合物をメタノールに溶解し(10g/l)、基板に
スピンコートして光記録媒体を作製した。反射率は67
%(at780〜830nm)であり、波長785nm
のレーザーを用いて、線速1.3m/sでEFM信号を
書き込んだ時のエラーレートは10未満で良好であっ
た。CN比60dBで感度も良好であった。
【0057】また、フリーの臭素化フタロシアニン化合
物1gをn−オクタン100gに溶解した溶液をポリカ
ーボネート基板上に塗布し、塗布面に保護層を設けて光
カードを作製した。この光カードは、線速2m/s、4
mWの半導体レーザー光により記録することが可能で、
その際のCN比は55dBであった。また、線速2m/
s、0.8mWのレーザー光により再生可能で、さらに
この光カードは保存安定性も良好であった。
【0058】比較例1 特開平3−62878号公報記載、実施例99の下記構
造式の化合物
【0059】
【化11】 1gをメチルシクロヘキサン100gに溶解し、ポリカ
ーボネート基板上にスピンコートして光ディスクを作製
した。この光ディスクの反射率は70%(at780〜
830nm)であり、波長785nmのレーザーを用い
て、線速1.3m/sでEFM信号を書き込んだ時のエ
ラーレートは35であった。
【0060】
【発明の効果】本発明のフタロシアニン化合物は、その
分子中のアルコキシル基、特にアミノアルキル基の効果
により、これを用いた光記録媒体においては、反射率が
高く、感度、記録特性においても優れた性能を有し、且
つ、再生光安定性、保存安定性共に優れ長期にわたる使
用が可能である。また、有機溶剤への溶解性、樹脂との
相溶性が良好な化合物であり、塗布法により容易に光記
録媒体の大量生産が可能となる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小口 貴久 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井 東圧化学株式会社内 (72)発明者 梅原 英樹 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井 東圧化学株式会社内 (72)発明者 伊藤 尚登 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井 東圧化学株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(I) 【化1】 〔式(I)中、R基は、炭素数2から20の直鎖または
    分岐したアミノアルキル基、アルキルアミノアルキル
    基、ジアルキルアミノアルキル基、アミノアルコキシア
    ルキル基、アルキルアミノアルコキシアルキル基あるい
    はジアルキルアミノアルコキシアルキル基であり、OR
    基の置換位置は1または4位、5または8位、9または
    12位、13または16位である。Metは、2価の金
    属原子、3価または4価の金属誘導体またはオキシ金属
    を表す。Xはハロゲン原子を表し、nはXの置換数を表
    すもので0から4である。〕で表されるフタロシアニン
    化合物。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のフタロシアニン化合物
    を記録層に含有してなる光記録媒体。
  3. 【請求項3】 下記一般式(II) 【化2】 {式(II)中、R’基の1から4個が下記式(III) 【化3】 〔式(III)中、Aはアルキル基またはアルコキシアル
    キル基である連結基を表し、R1〜R3は、それぞれ独立
    に水素原子あるいは炭素数1から8の直鎖または分岐の
    アルキル基を表し、Yはハロゲン原子を表す。〕で表さ
    れる4級アンモニウム塩であり、残りの基が炭素数2か
    ら20の直鎖または分岐したアミノアルキル基、アルキ
    ルアミノアルキル基、ジアルキルアミノアルキル基、ア
    ミノアルコキシアルキル基、アルキルアミノアルコキシ
    アルキル基あるいはジアルキルアミノアルコキシアルキ
    ル基であり、OR’基の置換位置は1または4位、5ま
    たは8位、9または12位、13または16位である。
    Metは、2価の金属原子、3価または4価の金属誘導
    体またはオキシ金属を表す。Xはハロゲン原子を表し、
    nはXの置換数を表すもので0から4である。}で表さ
    れるフタロシアニン化合物。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載のフタロシアニン化合物
    を記録層に含有してなる光記録媒体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN113161494A (zh) * 2021-04-23 2021-07-23 光华临港工程应用技术研发(上海)有限公司 光电人工突触的制备方法以及光电人工突触

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN113161494A (zh) * 2021-04-23 2021-07-23 光华临港工程应用技术研发(上海)有限公司 光电人工突触的制备方法以及光电人工突触
CN113161494B (zh) * 2021-04-23 2023-12-26 光华临港工程应用技术研发(上海)有限公司 光电人工突触的制备方法以及光电人工突触

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