JPH051272A - フタロシアニン近赤外線吸収剤及びそれを用いた光記録媒体 - Google Patents

フタロシアニン近赤外線吸収剤及びそれを用いた光記録媒体

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JPH051272A
JPH051272A JP3099730A JP9973091A JPH051272A JP H051272 A JPH051272 A JP H051272A JP 3099730 A JP3099730 A JP 3099730A JP 9973091 A JP9973091 A JP 9973091A JP H051272 A JPH051272 A JP H051272A
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尚登 伊藤
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貴久 小口
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Mitsui Toatsu Chemicals Inc
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【構成】 適宜ハロゲン化されたアルコキシフタロシア
ニン化合物〔例えば下記記載の式(1)〕、及びこの化
合物を記録層に含有してなる光記録媒体。 【効果】 CD−WO用色素として必要な770〜80
0nmの光の吸収能、屈折率を大きくさせると共に、媒
体の記録特性がハロゲン原子導入によるフタロシアニン
の分解性が促進されることにより、低パワーの半導体レ
ーザーで記録可能となる。さらにハロゲンの導入により
色素の分解をコントロールすることで、記録のシンメト
リー性が良くなり、信号振幅を大きくかつ信号歪を小さ
くし、記録時のレーザーのパルス補正を小さくできる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、650〜750nmに
最大吸収波長(λmax)を有するフタロシアニン近赤外
線吸収剤とそれを記録層中に含有してなる光ディスク
(WORM、CD−WORM、相変化型書き替えディス
ク)及び光カードなどの光記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】光ディスクや光カードなどの光記録媒体
の記録層に、フタロシアニン色素、特にアルコキシ置換
フタロシアニンを利用する技術は、特開昭61−154
888号公報(EP 186404)、同61−197
280号公報、同61−246091号公報、同62−
39286号公報(USP 4,769,307)、同
63−37991号公報、同63−39888号公報な
どに開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
たような公報に開示されている化合物では、光記録媒体
を作製したときに、感度、反射特性、記録特性におい
て、十分な性能を有しているとは言い難かった。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前項の課
題を解決すべく鋭意検討の結果、下式(I)〜(IV)で
示される近赤外線吸収剤を見出した。
【0005】即ち本発明は、式(I)
【0006】
【化5】 または式(II)
【0007】
【化6】 または式(III)
【0008】
【化7】 または式(IV)
【0009】
【化8】 〔式(I)、(II)、(III)及び(IV)中、Y1, Y2,
3, Y4, Y5, Y6,Y7, Y8, Y9, Y10, Y11, Y
12, Y13, Y14, Y15及びY16は各々独立にアルコキシ
基またはアルキルチオ基を表わし、 群A:R1, R2, R3, R4, R5, R6, R7, R8, R9,
10, R11及びR12 群B:R13, R14, R15, R16, R17, R18, R19, R
20, R21, R22, R23及びR24 群C:R25, R26, R27, R28, R29, R30, R31, R
32, R33, R34, R35及びR36 群D:R37, R38, R39, R40, R41, R42, R43, R
44, R45, R46, R47及びR48 上記群A〜Dの各群において、1〜8個、特に好ましく
は1〜4個の置換基がハロゲン原子またはニトロ基を表
わし、その他の置換基は各々独立に、水素原子、置換ま
たは未置換のアルキル基、置換または未置換のアリール
基を表わし、Metは2個の水素原子、2価の金属原
子、3価又は4価の金属誘導体を表わす。〕で示される
フタロシアニン及びその互変異性体である近赤外線吸収
剤が光記録媒体を作製する上で優れた特性(大きなモル
吸光係数、溶剤溶解性、薄膜とした時に大きな屈折率を
有する、光記録媒体とした時の感度、反射率、記録特性
及び耐久性)を有していることを見出し、本発明を完成
するに至った。
【0010】特に、Y1〜Y16で示されるアルコキシ基
またはアルキルチオ基が、炭素原子、酸素原子及びイオ
ウ原子の原子数の和が5〜12であり、2級または3級
の炭化水素であることが好ましい。
【0011】また、Metで表される中心金属が、Pd,
Cu,Ru,Pt,Ni,Co,Rh,Zn,VO,T
iO,Si(Y)2,Sn(Y)2,Ge(Y)2(Yは
ハロゲン原子、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシ
ルオキシ基、ヒドロキシ基、アルキル基、アリール基、
アルキルチオ基、アリールチオ基、トリアルキルシリル
オキシ基、トリアルキルスズオキシ基またはトリアルキ
ルゲルマニウムオキシ基を表わす)であることが特に好
ましい。
【0012】式(I)、(II)、(III)及び(IV)
中、R1〜R48で示されるハロゲン原子としては、フッ
素、塩素、臭素または沃素であり、特に臭素が好まし
い。置換または未置換のアルキル基としては、直鎖また
は分岐のアルキル基、アラルキル基、アルケニル基、ア
ルコキシアルキル基、アルコキシアルコキシアルキル
基、アルコキシアルコキシアルコキシアルキル基、アル
コキシカルボニルアルキル基、アルコキシカルボニルオ
キシアルキル基、アルコキシアルコキシカルボニルオキ
シアルキル基、ヒドロキシアルキル基、ヒドロキシアル
コキシアルキル基、ヒドロキシアルコキシアルコキシア
ルキル基、アシルオキシアルキル基、アシルオキシアル
コキシアルキル基、アシルオキシアルコキシアルコキシ
アルキル基およびハロゲン化アルキル基の群から選ばれ
る直鎖または分岐のアルキル基の例としては、炭素数1
〜20の炭化水素基で、ポリカーボネート基板、2P基
板、アクリル基板、エポキシ基板等への塗布による加工
性を考慮すれば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、
n-ブチル基、n-ヘキシル基、4-エチルペンチル基、2-エ
チルヘキシル基、3,5,5-トリメチルヘキシル基、n-オク
チル基、2-メチル-1-iso-プロピルブチル基、3-メチル-
1-iso-ブチルブチル基などが挙げられる。
【0013】アルコキシアルキル基としては、メトキシ
メチル基、エトキシメチル基、プロポキシメチル基、ブ
トキシメチル基、メトキシエチル基、エトキシエチル
基、プロポキシエチル基、ブトキシエチル基、n-ヘキシ
ルオキシエチル基、4-エチルペントキシエチル基、1,3-
ジメチルブトキシエチル基、2-エチルヘキシルオキシエ
チル基、n-オクチルオキシエチル基、3,3,5-トリメチル
ヘキシルオキシエチル基、2-メチル-1-iso-プロピルオ
キシエチル基、3-メチル-1-iso-プロピルブチルオキシ
エチル基、2-エトキシ-1-メチルエチル基、3-メトキシ
ブチル基などの総炭素数2〜20のアルコキシアルキル基
が挙げられる。
【0014】アルコキシアルコキシアルキル基として
は、メトキシエトキシエチル基、エトキシエトキシエチ
ル基、プロポキシエトキシエチル基、ブトキシエトキシ
エチル基、ヘキシルオキシエトキシエチル基、1,2-ジメ
チルプロポキシエトキシエチル基、3-メチル-1-iso-ブ
チルブトキシエトキシエチル基、2-メトキシ-1-メチル
エトキシエチル基、2-ブトキシ-1-メチルエトキシエチ
ル基、2-(2'-エトキシ-1'-メチルエトキシ)-1-メチルエ
チル基などが挙げられる。
【0015】アルコキシアルコキシアルコキシアルキル
基としては、メトキシエトキシエトキシエチル基、エト
キシエトキシエトキシエチル基、ブトキシエトキシエト
キシエチル基、2'-(2''-エトキシ-1''-メチルエトキシ)
-1'-メチルエトキシエチル基などが挙げられる。
【0016】アルコキシカルボニルアルキル基の例とし
ては、メトキシカルボニルメチル基、エトキシカルボニ
ルメチル基、ブトキシカルボニルメチル基、メトキシカ
ルボニルエチル基、エトキシカルボニルエチル基、ブト
キシカルボニルエチル基などが挙げられる。
【0017】アルコキシカルボニルオキシアルキル基の
例としては、メトキシカルボニルオキシエチル基、エト
キシカルボニルオキシエチル基、ブトキシカルボニルオ
キシエチル基などが挙げられる。
【0018】アルコキシアルコキシカルボニルオキシア
ルキル基の例としては、メトキシエトキシカルボニルオ
キシエチル基、エトキシエトキシカルボニルオキシエチ
ル基、ブトキシエトキシカルボニルオキシエチル基など
が挙げられる。
【0019】ヒドロキシアルキル基の例としては、2-ヒ
ドロキシエチル基、4-ヒドロキシブチル基、2-ヒドロキ
シ-3-メトキシプロピル基、2-ヒドロキシ-3-クロロプロ
ピル基、2-ヒドロキシ-3-エトキシプロピル基、3-ブト
キシ-2-ヒドロキシプロピル基、2-ヒドロキシ-3-フェノ
キシプロピル基、2-ヒドロキシプロピル基、2-ヒドロキ
シブチル基などが挙げられる。
【0020】ヒドロキシアルコキシアルキル基の例とし
ては、ヒドロキシエトキシエチル基、2-(2'-ヒドロキシ
-1'-メチルエトキシ)-1-メチルエチル基などが挙げら
れ、ヒドロキシアルコキシアルコキシアルキル基の例と
しては、ヒドロキシエトキシエトキシエチル基、[2'-
(2''-ヒドロキシ-1''-メチルエトキシ)-1'-メチルエト
キシ]エトキシエチル基などが挙げられる。
【0021】アシルオキシアルキル基の例としては、ア
セトキシエチル基、プロピオニルオキシエチル基、ブチ
リルオキシエチル基、バレリルオキシエチル基、1-エチ
ルペンチルカルボニルオキシエチル基、2,4,4-トリメチ
ルペンチルカルボニルオキシエチル基などが挙げられ、
アシルオキシアルコキシアルキル基の例としては、アセ
トキシエトキシエチル基、プロピオニルオキシエトキシ
エチル基、バレリルオキシエトキシエチル基、1-エチル
ペンチルカルボニルオキシエトキシエチル基、2,4,4-ト
リメチルペンチルカルボニルオキシエトキシエチル基な
どが挙げられ、アシルオキシアルコキシアルコキシアル
キル基の例としては、アセトキシエトキシエトキシエチ
ル基、プロピオニルオキシエトキシエトキシエチル基、
バレリルオキシエトキシエトキシエチル基、1-エチルペ
ンチルカルボニルオキシエトキシエトキシエチル基など
が挙げられる。
【0022】ハロゲン化アルキル基の例としては、クロ
ロメチル基、クロロエチル基、2,2,2-トリフルオロエチ
ル基、トリフルオロメチル基、ブロモメチル基、ヨウ化
エチル基などが挙げられる。
【0023】置換または未置換のアリール基の例として
は、フェニル基、ナフチル基、トリル基などの置換また
は未置換のフェニル基誘導体、ナフチル基誘導体、チオ
フェン、オキサゾール、チアゾール、チアジアゾール、
フラン、ピロール、キノリン、ピリジンなどの置換また
は未置換のヘテロ環が挙げられる。
【0024】Y1〜Y16で示されるアルコキシ基の例と
しては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブト
キシ基などであり、特に炭素数4〜11の、炭化水素で
置換されたアルコキシ基が好ましい。例えば、tert-ブ
トキシ基、1,3-ジメチルブトキシ基、2-メチル-1-iso-
プロピルプロポキシ基、2,2-ジメチル-1-iso-プロピル
プロポキシ基、2,2-ジメチル-1-iso-プロピルブトキシ
基、1-tert-ブチル-2,2-ジメチルプロポキシ基、3-メチ
ル-1-iso-プロピルブトキシ基、1-iso-ブチル-3-メチル
ブトキシ基、2-エチルヘキシロキシ基などが挙げられ
る。
【0025】Y1〜Y16で示されるアルキルチオ基の例
としては、メチルチオ基、エチルチオ基などであり、特
に炭素数4〜11の、炭化水素で置換されたアルキルチ
オ基が好ましい。例えば、tert-ブチルチオ基、1,3-ジ
メチルブチルチオ基、2-メチル-1-iso-プロピルプロピ
ルチオ基、2,2-ジメチル-1-iso-プロピルプロピルチオ
基、2,2-ジメチル-1-iso-プロピルブチルチオ基、1-ter
t-ブチル-2,2-ジメチルプロピルチオ基、3-メチル-1-is
o-プロピルブチルチオ基、1-iso-ブチル-3-メチルブチ
ルチオ基、2-エチルヘキシルチオ基などが挙げられる。
【0026】又、Met で表わされる2価金属の例として
は、Cu(II),Zn(II),Fe(II),Co(II),Ni
(II),Ru(II),Rh(II),Pd(II),Pt(II),Mn
(II),Mg(II),Be(II),Ca(II),Ba(II),Cd
(II),Hg(II),Sn(II),など、1置換3価金属の例
としては、Al−Cl,Al−Br,Al−F,Al−
I,Ga−Cl,Ga−F,Ga−I,Ga−Br,I
n−Cl,In−Br,In−I,In−F,Tl−C
l,Tl−Br,Tl−I,Tl−F,Al−C65
Al−C64CH3,In−C65,In−C64
3,In−C107,Mn(OH)などが挙げられる。
【0027】2置換の4価金属の例としては、CrCl
2,SiCl2,SiBr2,SiF2,SiI2,ZrC
2,GeCl2,GeBr2,GeI2,GeF2,Sn
Cl2,SnBr2,SnI2,SnF2,TiCl2,T
iBr2,TiF2,Si(OH)2,Ge(OH)2,Z
r(OH)2,Mn(OH)2,Sn(OH)2,Ti
2,CrR2,SiR2,SnR2,GeR2[Rはアル
キル基、フェニル基、ナフチル基及びその誘導体を表わ
す]、Si(OR')2,Sn(OR')2,Ge(OR')
2,Ti(OR')2,Cr(OR')2[R'はアルキル
基、フェニル基、ナフチル基、トリアルキルシリル基、
トリアルキルスズ基、トリアルキルゲルマニウム基、ジ
アルキルアルコキシシリル基、アシル基の誘導体を表わ
す]、Si(SR")2,Sn(SR")2,Ge(S
R")2[R"はアルキル基、フェニル基、ナフチル基及
びその誘導体を表わす]などが挙げられる。
【0028】オキシ金属の例としては、 VO,Mn
O,TiOなどが挙げられる。
【0029】式((I)〜(IV)で示されるフタロシアニ
ン化合物の合成法としては、下式(V)又は(VI)
【0030】
【化9】 〔式(V)及び(VI)におけるベンゼン環は、前述の
(I)〜(IV)式にて述べたような置換基を有していて
よい。〕で示される化合物の1〜4種を混合して、例え
ば1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]-7-ウンデセン(DBU)
の存在下にブタノール中で加熱下反応することによりフ
タロシアニン誘導体を得、さらに、得られたフタロシア
ニン誘導体を適当な溶媒(例えば、酢酸、四塩化炭素)
中でハロゲン化あるいはニトロ化することにより本発明
の式(I)〜(IV)で表されるフタロシアニン化合物ま
たはその互変異性体を得ることができる。
【0031】本発明の近赤外線吸収剤を用いて光記録媒
体を製造する方法には、透明基板上に本発明の近赤外線
吸収剤を含む1〜3種の化合物を1層または2層に塗布
或は蒸着する方法があり、塗布法としては、バインダー
樹脂20重量%以下、好ましくは0%と、本発明の近赤外
線吸収剤0.05重量%〜20重量%、好ましくは0.
5重量%〜20重量%となるように溶媒に溶解し、スピ
ンコーターで塗布する方法などがある。また蒸着方法と
しては、10-5〜10-7torr、100〜300℃に
て基板上に近赤外線吸収剤を堆積させる方法などがあ
る。
【0032】基板としては、光学的に透明な樹脂であれ
ばよい。例えばアクリル樹脂、ポリエチレン樹脂、塩化
ビニル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、ポリカーボネート樹
脂、エチレン樹脂、ポリオレフィン共重合樹脂、塩化ビ
ニル共重合樹脂、塩化ビニリデン共重合樹脂、スチレン
共重合樹脂などが挙げられる。
【0033】また基板は熱硬化性樹脂又は紫外線硬化性
樹脂により表面処理がなされていてもよい。
【0034】光記録媒体(光ディスク、光カード等)を
作製する場合、コストの面、ユーザーの取り扱い面よ
り、基板はポリアクリレート基板又はポリカーボネート
基板を用い、かつ、スピンコート法により塗布されるの
が好ましい。
【0035】基板の耐溶剤性より、スピンコートに用い
る溶媒は、ハロゲン化炭化水素(例えば、ジクロロメタ
ン、クロロホルム、四塩化炭素、テトラクロロエチレ
ン、ジクロロジフルオロエタンなど)、エーテル類(例
えば、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジプロ
ピルエーテル、ジブチルエーテルなど)、アルコール類
(例えば、メタノール、エタノール、プロパノールな
ど)、セロソルブ類(メチルセロソルブ、エチルセロソ
ルブなど)、炭化水素類(ヘキサン、シクロヘキサン、
オクタン、ベンゼン、トルエン、キシレンなど)が好適
に用いられる。
【0036】記録媒体として加工するには、上記の様に
基板で覆う、あるいは2枚の記録層を設けた基板をエア
ーギャップを設けて対向させて張り合わせる、または記
録層上に反射層(アルミニウムまたは金)を設け、熱硬
化性(光硬化性)樹脂の保護層を積層する方法などがあ
る。
【0037】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明の実施の態様はこれにより限定されるもの
ではない。なお、実施例中の部は全て重量部を示す。
【0038】実施例1 下記式(A)
【0039】
【化10】 (融点:118〜124℃、分解開始温度:329℃、
λmax:715nm、最大吸収波長における吸光係数
(εmax):1.5×105-1 cm-1)で示されるフ
タロシアニン1部をジブチルエーテル200部に溶解
し、ポリカーボネート光ディスク基板に塗布した。この
上に金を蒸着し、続いて光硬化型ポリアクリル樹脂によ
りオーバーコートして光硬化させた。このようにして作
製した光ディスクは、線速1.4m/sec、レーザー
パワー7mWにおいてC/N比60dBであり、良好な
感度であった。また、フェードメーター 63℃/10
0時間照射後、記録層の劣化は観察されなかった。
【0040】実施例2 下記式(B)
【0041】
【化11】 (融点:240〜250℃、分解開始温度:290℃、
λmax:721nm、εm ax:1.4×105-1
-1)で示されるフタロシアニン5部をn-オクタン25
0部に溶解し、スピンコーターにより、CD−WO用ポ
リカーボネート基板上に乾燥膜厚150nmで塗布し
た。その上に30nmの金をスパッター蒸着により付
け、UV硬化型樹脂をコートしてUV硬化させることに
より保護層を形成し、CD−WO媒体を作製した。
【0042】このようにして作製されたCD−WO媒体
は反射率70%、線速1.3m/secで、6.5m
W、790nmのレーザー光によりC/N比60dBの
記録が書き込めた。また、この記録媒体は、カーボンア
ーク灯63℃、200時間の耐光試験においても変化し
なかった。
【0043】実施例3 下記式(C)
【0044】
【化12】 (融点:100〜110℃、分解開始温度:280℃、
λmax:705nm、εm ax:1.2×105-1
-1)で示されるフタロシアニン5部をn-オクタン15
0部に溶解し、スピンコーターによりCD−WO用ポリ
カーボネート基板に塗布した。膜厚は120nmであっ
た。この上に50nmの金を蒸着し、続いてUV硬化型
樹脂を用いて保護層を形成した。
【0045】このようにして作製したCD−WO媒体
は、線速1.3 m/sec、7mWの780nmのレ
ーザーにより記録したところ、C/N比55dBの記録
が得られた。
【0046】また、この媒体にキセノンランプ50℃によ
る耐光性試験を行ったところ、200時間経過しても変
化がないことが確認された。
【0047】実施例4 下記式(D)
【0048】
【化13】 (融点:148〜155℃、分解開始温度:260℃、
λmax:695nm、εm ax:1.2×105-1
-1)で示されるフタロシアニン5部をジブチルエーテ
ルとジイソプロピルエーテルの3:1混合物300部に
溶解し、スピンコーターによりPMMAのCD−WO用
基板に厚み120nmで塗布し、続いて金を20nmス
パッタリングし、最後にUV硬化型樹脂にて保護層を形
成し、記録媒体を作製した。
【0049】得られた媒体は、線速1.4m/sec、
8mW,780nmのレーザーで記録したところ、C/
N比60dBの記録が得られた。
【0050】実施例5 下記式(E)
【0051】
【化14】 で示されるフタロシアニン5部をジブチルエーテル30
0部に溶解し、スピンコーターによりPMMAの光カー
ド基板に厚み100nmで塗布し、続いてUV硬化型樹
脂にて保護層を形成し、記録媒体を作製した。
【0052】得られた媒体の反射率は33%であり、7
80nm,10mWのレーザーで信号を記録したとこ
ろ、C/N比55dBが得られた。
【0053】実施例6 下記式(F)
【0054】
【化15】 (λmax:754nm、εmax:1.5×105-1cm
-1)で示されるフタロシアニン5部をエチルシクロヘキ
サン250部に溶解し、CD−WO基板にスピンコート
した。その上にスパッタリング法により金層を作製し、
続いてUV硬化型樹脂にて保護層を形成し、記録媒体を
作製した。
【0055】得られた媒体の反射率は67%であり、8
30nm,6mWの半導体レーザーにより、C/N比5
5dBの記録ができた。
【0056】実施例7 下記式(G)
【0057】
【化16】 (λmax:756nm、εmax:1.6×105-1cm
-1)で示されるフタロシアニンを用いて、実施例5と同
様に光カードを作製した。得られた光カードの反射率は
50%であり、830nmの半導体レーザーで記録した
ところC/N比57dBの信号が得られた。
【0058】実施例8 下記式(H)
【0059】
【化17】 (λmax:700nm、εmax:1.5×105-1cm
-1)で示されるフタロシアニンを用いて、実施例1と同
様にCD−WO用媒体を作製した。775nm,8mW
の半導体レーザーで記録したところC/N比55dBの
信号が得られた。
【0060】比較試験 以上得られた光記録媒体と公知のアルコキシフタロシア
ニンを用いた光記録媒体についてその性能を比較した。
本発明の媒体として、実施例2および4で作製した媒体
を使用し、比較例として下記4種の公知アルコキシフタ
ロシアニンを用い、実施例2と同様にして作製した媒体
を使用した。
【0061】比較例1: 下記構造式にて示されるアル
コキシフタロシアニン
【0062】
【化18】 比較例2:特開昭62−39286号公報、例示化合物
XIX
【0063】
【化19】 比較例3:特開昭61−197280号公報、例示化合
物(10) デカ-(OC511)−H2Pc 比較例4:特公昭59−1311号公報(特開昭50−
85630号公報)、実施例23 ドデカクロル-テトラフェノキシ銅フタロシアニン。
【0064】但し、表1中、 1)シンメトリーは記録パワー5〜90mWにおいて、
変動率5%以下を○、変動率5%以上を×、 2)パルス幅補正は4Tの信号(231×4=924n
sec)を書いたときに必要な補正幅が0〜−100n
secの時を○、−100〜−200nsecの時を
△、−200nsec以上の時を×とし、 3)記録のひずみは記録波形のひずみをオシロスコープ
により測定し、顕微鏡による記録ピットの観察により金
層のひずみを見た結果、ひずみのないものを○、あるも
のを×とした。
【0065】
【表1】
【0066】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の近赤外線
吸収剤は、アルコキシフタロシアニンを適宜ハロゲン化
することにより、CD−WO用色素として必要な770
〜800nmの光の吸収能、屈折率を大きくさせると共
に、媒体の記録特性がハロゲン原子導入によるフタロシ
アニンの分解性が促進されることにより、低パワーの半
導体レーザーで記録可能となる。さらにハロゲンの導入
により色素の分解をコントロールすることで、記録のシ
ンメトリー性が良くなり、信号振幅を大きくかつ信号歪
を小さくし、記録時のレーザーのパルス補正を小さくで
きるものである。
フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C09B 47/20 8619−4H 47/22 8619−4H (72)発明者 相原 伸 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井 東圧化学株式会社内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式(I) 【化1】 または式(II) 【化2】 または式(III) 【化3】 または式(IV) 【化4】 〔式(I)、(II)、(III)及び(IV)中、Y1, Y2,
    3, Y4, Y5, Y6,Y7, Y8, Y9, Y10, Y11, Y
    12, Y13, Y14, Y15及びY16は各々独立にアルコキシ
    基またはアルキルチオ基を表わし、 群A:R1, R2, R3, R4, R5, R6, R7, R8, R9,
    10, R11及びR12 群B:R13, R14, R15, R16, R17, R18, R19, R
    20, R21, R22, R23及びR24 群C:R25, R26, R27, R28, R29, R30, R31, R
    32, R33, R34, R35及びR36 群D:R37, R38, R39, R40, R41, R42, R43, R
    44, R45, R46, R47及びR48 上記群A〜Dの各群において、1〜8個の置換基がハロ
    ゲン原子またはニトロ基を表わし、その他の置換基は各
    々独立に、水素原子、置換または未置換のアルキル基、
    置換または未置換のアリール基を表わし、Metは2個
    の水素原子、2価の金属原子、3価又は4価の金属誘導
    体を表わす。〕で示されるフタロシアニン及びその互変
    異性体である近赤外線吸収剤。
  2. 【請求項2】 式(I)、(II)、(III)及び(IV)
    において、Y1〜Y16で示されるアルコキシ基またはア
    ルキルチオ基の、炭素原子、酸素原子及びイオウ原子の
    原子数の和が5〜12であることを特徴とする請求項1
    記載の近赤外線吸収剤。
  3. 【請求項3】 式(I)、(II)、(III)及び(IV)
    において、Y1〜Y16で示されるアルコキシ基またはア
    ルキルチオ基が、2級または3級の炭化水素であること
    を特徴とする請求項2記載の近赤外線吸収剤。
  4. 【請求項4】 Metで表わされる中心金属が、Pd,
    Cu,Ru,Pt,Ni,Co,Rh,Zn,VO,T
    iO,Si(Y)2,Sn(Y)2,Ge(Y)2(Yは
    ハロゲン原子、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシ
    ルオキシ基、ヒドロキシ基、アルキル基、アリール基、
    アルキルチオ基、アリールチオ基、トリアルキルシリル
    オキシ基、トリアルキルスズオキシ基またはトリアルキ
    ルゲルマニウムオキシ基を表わす)であることを特徴と
    する請求項3記載の近赤外線吸収剤。
  5. 【請求項5】 群A〜Dの各群において、置換基の1〜
    4個が臭素原子であることを特徴とする請求項4記載の
    近赤外線吸収剤。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし5のいずれかに記載の近
    赤外線吸収剤を含有してなる光記録媒体。
  7. 【請求項7】 基板上に近赤外線吸収剤を含有する記録
    層、その上に金またはアルミニウムからなる反射層、さ
    らにその上に保護層を積層した構成である請求項6に記
    載の光記録媒体。
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