JP3486703B2 - 光記録媒体及びその製造方法 - Google Patents

光記録媒体及びその製造方法

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JP3486703B2 JP11122995A JP11122995A JP3486703B2 JP 3486703 B2 JP3486703 B2 JP 3486703B2 JP 11122995 A JP11122995 A JP 11122995A JP 11122995 A JP11122995 A JP 11122995A JP 3486703 B2 JP3486703 B2 JP 3486703B2
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  • Optical Record Carriers And Manufacture Thereof (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は改良された光学特性を有
する光記録媒体及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、追記型CD(コンパクトディス
ク)の開発が活発化してきている。これは、従来のCD
と異なりユーザが情報を記録することが可能で且つ記録
後の信号は従来のCDの規格を満足するため、市販CD
プレーヤで再生可能であるという特徴をもつ。このよう
なメディアを実現する方法の1つとして、特開平2−4
2652号公報において、基板上に色素をスピンコーテ
ィングして光吸収層を設け、その背後に金属反射層を設
けることが提案されている。更に、後の特開平2−13
2656号公報に述べられているように、光吸収層の複
素屈折率、膜厚を適当に選ぶことにより、記録後の信号
がCD規格を満足するようになり、追記型CDとし商品
化されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、特開平2−
42652号公報及び特開平2−132656号公報で
示されている色素を用いた追記型CDは、耐光性の点で
は未だ十分なものではなかった。即ち、太陽光に長時間
さらされて放置された場合等に信号特性が変化し、CD
規格を満足することができないという欠点があった。こ
れは光吸収層に用いられる色素材料、特に従来用いられ
ていたシアニン系色素が光により変化することに起因し
ている。そこでこの変化を抑制するために、特開昭63
−159090号公報に示されているように、光吸収層
に光安定化剤を含有することが知られている。しかし、
光安定化剤を少量(20%以下)添加した場合には、十
分な耐光性を得ることができず、逆に多量(20%以
上)に添加すると、光吸収層の光学的及び/又は熱的な
特性が変化し、各種の信号品質が低下するという問題点
があった。
【0004】一方、特開平3−62878号公報におい
ては、高耐光性色素であるフタロシアニン化合物を用い
た追記型CDが開示されている。これは、フタロシアニ
ン化合物に特定の基を付加することにより、フタロシア
ニン化合物をスピンコートした光吸収層の複素屈折率を
追記型CDに必要な値に調節し、高耐光性追記型CDを
実現したものである。しかし、特開平3−62878号
公報に開示されている追記型CDは、従来のシアニン系
色素を光吸収層に用いたものに比べ、再生信号の品質が
劣っていた。即ち、再生信号を構成する個々の信号の長
さ(ピット長)が本来のCD信号の理論値からずれやす
く、再生エラーが発生する場合があるという問題点があ
った。
【0005】従って、本発明の目的は、前記した再生信
号に関する問題点のないフタロシアニン化合物を光吸収
層に用いた高耐光性光記録媒体、及びその製造方法を提
供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、鋭意研究を
重ねた結果、前記従来技術の光記録媒体において、後記
一般式(I)で表わされるフタロシアニン系化合物を用
いることにより、前述の問題点を解決できるということ
を見い出し、本発明を完成するに至った。
【0007】即ち、本発明によれば、基板上に少なくと
も光吸収層を設けてなる光記録媒体において、該光吸収
層が下記一般式(I)で表わされる金属フタロシアニン
系化合物を主成分として構成されていることを特徴とす
る光記録媒体が提供される。
【化1】 (式中、M及びA1〜A8は、それぞれ以下のものを表わ
す。 M:2価の金属原子、置換3価金属原子、2置換4価金
属原子又はオキシ金属。 A1とA2、A3とA4、A5とA6及びA7とA8:それぞれ
のどちらか一方は−QR1又は下記一般式(II)で表わ
されるチオフェニル系基、他方は水素原子又はハロゲン
原子。但し、A1〜A8のうち少なくとも一つは−QR1
及び下記一般式(II)で表わされるチオフェニル系基で
ある。Q:O又はS原子。 一般式(II):
【化2】 1:C数4〜10の直鎖又は岐状のアルキル基。 R2〜R6:それぞれ独立に水素原子、C数1〜10の直
鎖、分岐若しくは環状のアルキル基、C数1〜3のアル
コキシ基又はハロゲン原子。)
【0008】また、本発明によれば、好ましい態様とし
て、前記一般式(I)で表わされるフタロシアニン系化
合物のMが、Ni2+、Cu2+、Zn2+及びPd2+から選
ばれた少なくとも一つの2価金属原子である化合物を使
用した光吸収層を設けてなる光記録媒体が、また前記一
般式(I)で表わされるフタロシアニ系化合物のR2
びR6が、それぞれ独立にメチル、エチル、n−プロピ
ル、iso−プロピル、メトキシ、エトキシ、n−プロ
ピルオキシ、iso−プロピルオキシから選ばれる一つ
の基である化合物を使用した光吸収層を設けてなる光記
録媒体が、また前記光吸収層が710〜750nmの範
囲に光吸収ピーク波長(λmax)を有するものである
光記録媒体が提供される。
【0009】更に、本発明によれば、表面に情報ピット
及び/又は案内溝が形成されてなる基板上に、直接又は
他の層を介して前記一般式(I)で表わされる金属フタ
ロシアニン系化合物を主成分とする光吸収層を塗布成膜
手段により設け、その上に直接又は他の層を介して光反
射層を真空成膜手段により設け、更にその上に保護層を
設けることを特徴とする光記録媒体の製造方法が提供さ
れる。
【0010】以下、本発明を詳細に説明する。本発明の
光記録媒体は、光吸収層が前記一般式(I)で表わされ
る金属フタロシアニン系化合物を主成分として構成され
ていることを特徴とする。この金属フタロシアニン系化
合物において、中心金属Mとしては、2価の金属原子、
1置換3価金属原子、2置換4価金属原子又はオキシ金
属原子が用いられるが、具体的には次のものが挙げられ
る。
【0011】〈2価の金属〉 Cu2+、Zn2+、Fe2+、Co2+、Ni2+、Ru2+、R
2+、Pd2+、Pt2+、Mn2+、Mg2+、Ti2+、Be
2+、Ca2+、Ba2+、Cd2+、Hg2+、Pb2+、Sn2+
など。 〈1置換3価金属〉Al−Cl、Al−Br、Al−
F、Al−I、Ga−Cl、Ga−F、Ga−I、Ga
−Br、In−Cl、In−Br、In−I、In−
F、Tl−Cl、Tl−Br、Tl−I、Tl−F、A
l−C65、Al−C64(CH3)、In−C65
In−C64(CH3)、In−C107、Mn(O
H)、Mn(OC65)、Mn〔OSi(CH33〕、
FeCl、RuClなど。
【0012】〈2置換4価金属〉 CrCl2、SiCl2、SiBr2、SiF2、Si
2、ZrCl2、GeCl2、GeBr2、GeI2、G
eF2、SnCl2、SnBr2、SnI2、SnF2、T
iCl2、TiBr2、TiF2、Si(OH)2、Ge
(OH)2、Zr(OH)2、Mn(OH)2、Sn(O
H)2、TiR2、CrR2、SiR2、SnR2、GeR2
〔Rはアルキル基、フェニル基、ナフチル基及びその誘
導体を表わす〕、Si(OR’)2、Sn(OR’)2
Ge(OR’)2、Ti(OR’)2、Cr(OR’)2
〔R’はアルキル基、フェニル基、ナフチル基、トリア
ルキルシリル基、ジアルキルアルコキシシリル基及びそ
の誘導体を表わす〕、Sn(SR-2、Ge(SR-2
〔R-はアルキル基、フェニル基、ナフチル基及びその
誘導体を表わす〕など。 〈オキシ置換〉VO、MnO、TiOなど。
【0013】以上の金属の中でも、特にNi2+、C
2+、Zn2+、Pd2+が好ましい。これらは、耐光性が
良好であり、光吸収層のλmaxが710〜750nm
近傍となるためである。光吸収層のλmaxが710〜
750nmの範囲にあると、追記型CDに必要な複素屈
折率を得やすい。
【0014】また、A1〜A8で示される置換基に含有さ
れる−QR1中、QはO又はS原子を表わし、またR1
C数4〜10の直鎖又は岐状のアルキル基を表わす。
1の具体例としては、n−ブチル、iso−ブチル、
tert−ブチル、sec−ブチル、n−ペンチル、i
so−ペンチル、tert−ペンチル、neo−ペンチ
ル、1−メチルブチル、2−メチルブチル、n−ヘキシ
ル、2−エチルブチルなどが挙げられるが、好ましくは
光学特性、耐熱性に優れた分岐状のアルキル基が良い。
【0015】一方、A1〜A8で示される置換基に含有さ
れ、下記一般式(II)で表わされるチオフェニル系基の
2〜R6は、同じであってもあるいは異なっていてもよ
く、R2〜R6はそれぞれ独立に水素原子、C数1〜10
の直鎖、分岐若しくは環状のアルキル基、C数1〜3の
アルコキシ基又はハロゲン原子を表わす。
【化2】 2〜R6の具体例としては、水素原子、メチル、エチ
ル、n−プロピル、iso−プロピル、n−ブチル、i
so−ブチル、tert−ブチル、sec−ブチル、n
−ペンチル、iso−ペンチル、tert−ペンチル、
neo−ペンチル、1−メチルブチル、2−メチルブチ
ル、n−ヘキシル、2−エチルブチル、シクロヘキシ
ル、メトキシ、エトキシ、プロポキシの各基やF、C
l、Br、I各原子などが挙げられるが、好ましくはR
2及び/又はR6にアルキル基、アルコキシ基を有するも
のが良い。R2、R6にアルキル基、アルコキシ基を有す
る化合物は、レーザー光波長域において良好な複素屈折
率(特に高い屈折率)を得やすいためである。なお、R
1〜R6において炭素数が10より大きくなると、光吸収
層の単位膜厚当りの吸光度が低下し、良好な複素屈折率
が得にくくなるので好ましくない。
【0016】前記一般式(I)で示されるフタロシアニ
ン系化合物は、対応するフタロニトリル混合物の環化反
応などにより容易に合成することができる。即ち、下記
(III)及び(IV)の混合物を、例えば1,8−ジアザビ
シクロ〔5,4,0〕−7−ウンデセンの存在下、金属
誘導体とアルコール中加熱反応することにより容易に合
成できる。
【化3】
【化4】
【0017】A1〜A8における−QR1と前記一般式(I
I)で表わされるチオフェニル系基の比率は1/3〜3
/1が好ましく、更にこの範囲の比率を有する化合物の
混合物で光吸収層を形成することが好ましい。−QR1
の比率が大きくなると再生信号のピット長ずれが生じや
すく、チオフェニル系基の比率が大きくなると色素の分
解温度が高くなり、記録感度が低下しやすい。また、混
合物とすることにより色素の溶解性が向上し、光吸収層
の成膜性が良くなる。
【0018】A1〜A8の他方は水素原子又はハロゲン原
子である。ハロゲン原子としては、F、Cl、Br、I
各原子を挙げることができ、好ましくはCl、Br原子
が良い。ハロゲン原子を付加することにより、色素の分
解温度が低くなり、記録感度が向上しやすいためであ
る。
【0019】光吸収材料としては、前記フタロシアニン
系化合物のみではなく、該フタロシアニン系化合物に加
えて、従来より情報記録媒体の記録材料として知られて
いる任意の色素を混合して用いることができる。このよ
うな色素としては、例えば、シアニン系色素、ピリリウ
ム系・チオピリリウム系色素、アズレニウム系色素、ス
クワリリウム系色素、Ni、Crなどの金属錯塩系色
素、ナフトキノン系・アントラキノン系色素、インドフ
ェノール系色素、インドアニリン系色素、トリフェニル
メタン系色素、トリアリルメタン系色素、アミニウム系
・ジインモニウム系色素及びニトロソ化合物を挙げるこ
とができる。更に、必要に応じて他の第3成分、例えば
バインダー、安定剤等を含有させることができる。な
お、光吸収層の膜厚は、100〜5000Åが好まし
く、特に500〜3000Åが望ましい。光吸収層の膜
厚が、この範囲より薄くなると記録感度が低下し、また
厚くなると反射率が低下するからである。
【0020】本発明において使用する基板は、従来の情
報記録媒体の基板として用いられている各種の材料から
任意に選択することができる。基板材料の例としては、
ポリメチルメタクリレートのようなアクリル樹脂、ポリ
塩化ビニル、塩化ビニル共重合体等の塩化ビニル系樹
脂、エポキシ樹脂、ポリカーボネート樹脂、アモルファ
スポリオレフィン、ポリエステル、ソーダ石灰ガラス等
のガラス及びセラミックスを挙げることができる。特に
寸法安定性、透明性及び平面性などの点から、ポリメチ
ルメタクリレート、ポリカーボネート樹脂、エポキシ樹
脂、アモルファスポリオレフィン、ポリエステル及びガ
ラスなどを挙げることができる。
【0021】光吸収層が設けられる側の基板表面には、
平面性の改善、接着力の向上及び光吸収層の変質の防止
の目的で、下塗層が設けられてもよい。下塗層の材料と
しては、例えば、ポリメチルメタクリレート、アクリル
酸/メタクリル酸共重合体、スチレン/無水マレイン酸
共重合体、ポリビニルアルコール、N−メチロールアク
リルアミド、スチレン/スルホン酸共重合体、スチレン
/ビニルトルエン共重合体、クロルスルホン化ポリエチ
レン、ニトロセルロース、ポリ塩化ビニル、塩素化ポリ
オレフィン、ポリエステル、ポリイミド、酢酸ビニル/
塩化ビニル共重合体、エチレン/酢酸ビニル共重合体、
ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート等の
高分子物質:シランカップリング剤などの有機物質:及
び無機酸化物(SiO2、Al23等)、無機フッ化物
(MgF2)などの無機物質を挙げることができる。な
お、下塗層の層厚は一般に0.005〜20μmの範囲
にあり、好ましくは0.01〜10μmの範囲である。
【0022】また、基板(又は下塗層)上には、トラッ
キング用溝又はアドレス信号等の情報を表わす凹凸の形
成の目的で、プレグループ層が設けられてもよい。プレ
グループ層の材料としては、アクリル酸のモノエステ
ル、ジエステル、トリエステル及びテトラエステルのう
ちの少なくとも一種のモノマー(又はオリゴマー)と光
重合開始剤との混合物を用いることができる。
【0023】更に、光吸収層の上には、S/N比、反射
率の向上及び記録時における感度の向上の目的で、反射
層が設けられてもよい。反射層の材料である光反射性物
質はレーザー光に対する反射率が高い物質であり、その
例としては、Mg、Se、Y、Ti、Zr、Hf、V、
Nb、Ta、Cr、Mo、W、Mn、Re、Fe、C
o、Ni、Ru、Rh、Pd、Ir、Pt、Cu、A
g、Au、Zn、Cd、Al、Ca、In、Si、G
e、Te、Pb、Po、Sn、Siなどの金属及び半金
属を挙げることができる。これらのうちで好ましいもの
はAu、Al及びAgである。これら物質は単独で用い
てもよいし、あるいは二種以上の組合せで又は合金とし
て用いてもよい。なお、反射層の層厚は一般に100〜
3000Åの範囲にある。また、反射層は基板と光吸収
層との間に設けられてもよく、この場合には情報の記録
再生は光吸収層側(基板とは反対の側)から行なわれ
る。
【0024】また、光吸収層(又は反射層)の上には、
光吸収層などを物理的及び化学的に保護する目的で保護
層が設けられてもよい。この保護層は、基板の光吸収層
が設けられていない側にも耐傷性、耐湿性を高める目的
で設けられてもよい。保護層に用いられる材料の例とし
ては、Si、O、SiO2、MgF2、SnO2等の無機
物質、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、UV硬化性樹脂を
挙げることができる。なお、保護層の層厚は一般的には
500Å〜50μmの範囲にある。
【0025】次に、本発明の光記録媒体の製造方法につ
いて説明する。本発明の光記録媒体の製造方法は、表面
に情報ピット及び/又は案内溝が形成されてなる基板上
に、直接又は他の層を介して前記一般式(I)で表わさ
れる金属フタロシアニン系化合物を主成分とする光吸収
層を塗布成膜手段により設け、その上に直接又は他の層
を介して光反射層を真空成膜手段により設け、更にその
上に保護層を設けることを特徴とする。即ち、本発明の
製造方法は、下記の工程からなる。 (イ)表面に情報ピット及び/又は案内溝が形成されて
いる基板上に、直接又は他の層を介して前記一般式
(I)で表わされる金属フタロシアニン系化合物を主成
分とする光吸収層を塗布成膜手段により設ける工程、 (ロ)光吸収層上に直接又は他の層を介して光反射層を
真空成膜手段により設ける工程、及び (ハ)光反射層上に保護層を設ける工程。
【0026】(光吸収層形成工程) 本発明の方法においては、先ず表面に情報ピット及び/
又は案内溝が形成されている基板上に、直接又は他の層
を介して、前記金属フタロシアニン系化合物を主成分と
する光吸収層が塗布成膜手段により設けられる。即ち、
前記フタロシアニン系化合物を、溶媒に溶解した塗布液
として基板上にコートすることにより、光吸収層が形成
される。この塗布液を調整するための溶媒としては、公
知の有機溶媒(例えばアルコール、セルソルブ、ハロゲ
ン化炭素、ケトン、エーテル等)を使用することができ
る。また、コート方法としては、光吸収層の濃度、粘
度、溶剤の乾燥温度を調節することにより層厚を制御で
きるため、スピンコート法が望ましい。
【0027】なお、光吸収層が設けられる側の基体表面
に下塗層を設けることが、基板表面の平面性の改善や接
着力の向上あるいは光吸収層の変質防止等の目的で、行
なわれる。この場合の下塗層は、例えば前述した下塗層
用物質を適当な溶剤に溶解又は分散して塗布液を調整し
たのち、この塗布液をスピンコート、ディップコート、
エクストルージョンコートなどの塗布法により基板表面
に塗布することにより形成することができる。
【0028】(光反射層形成工程) 本発明の方法においては、次に光吸収層上に直接又は他
の層を介して光反射層が真空成膜手段により設けられ
る。即ち、前述した光反射性物質を、例えば蒸着、スパ
ッタリング又はイオンプレーティングすることにより、
光反射層が光吸収層の上に形成される。
【0029】(保護層形成工程) 本発明の方法においては、光反射層上に保護層が設けら
れる。即ち、前述した無機物質や種々の樹脂からなる保
護層用材料を、真空成膜又は塗布成膜することにより形
成される。特にUV硬化性樹脂を用いるのが、好まし
く、該樹脂をスピンコート後、紫外線照射により硬化し
て形成される。
【0030】
【実施例】以下実施例について本発明を説明するが、本
発明はこれらに限定されるものではない。
【0031】実施例1 直径120mm、厚さ1.2mmのポリカーボネイト円
板の表面上に、深さ約1200Åの案内溝凹凸パターン
を有する基板を用意し、後記表1中(1)で表わされる
フタロシアニン化合物の光吸収層を、テトラヒドロフラ
ン、2−ブトキシエタノール、メチルシクロヘキサンか
らなる混合溶媒を塗布液としてスピンコートすることに
より設けた。なお、フタロシアニン化合物(1)は、A
を有するフタロニトリルとA’を有するフタロニトリル
を比率(1/3)で混合し、1,8−ジアザビシクロ
〔5,4,0〕−7−ウンデセン及び金属塩化物を加え
て、1−ペンタノール中加熱反応することにより得た。
形成された光吸収層のλmaxは730nmであった。
また、光吸収層の膜厚は約1500Åであった。光吸収
層の上にAuスパッタ法によりAuを約800Åの厚さ
に設け反射層とし、更にその上に紫外線硬化樹脂からな
る保護層を約5μmの厚さに設けて、本発明の光記録媒
体を得た。
【0032】得られた光記録媒体に波長785nm、
N.A.0.5、線速1.2m/sの条件でEFM信号
を記録し、再生信号のピット長をインターバルアナライ
ザーにより測定したところ、標準CD(Test5B)
からのピット長のずれは40ns以下であり、追記型C
D規格(オレンジブック)を満足する値であった。
【0033】実施例2〜8(実施例2〜5は参考例) 後記表1中(2)〜(8)で表わされるフタロシアニン
化合物について、実施例1と同様に光記録媒体を作成し
且つ評価したところ、光吸収層のλmaxは表1のとお
り、710〜750nmの範囲にあり、再生信号のピッ
ト長ずれは40ns以内であった。
【0034】比較例1〜3 後記表1中(9)〜(11)で表わされるフタロシアニ
ン化合物について、実施例1と同様に光記録媒体を作成
し、且つ評価したところ、光吸収層のλmaxは表1の
とおり、710〜750nmの範囲にあったが、再生信
号のピット長ずれは、11Tピットで−60ns以下で
あり、追記型CD規格を満足することができなかった。
【0035】
【表1】
【0036】
【発明の効果】請求項1の光記録媒体は、光吸収層が前
記一般式(I)で表わされる金属フタロシアニン系化合
物を主成分として構成されていることから、信号特性に
優れ、再生エラーが発生しにくく、且つ耐光性に優れて
いる。
【0037】請求項2の光記録媒体は、前記一般式
(I)で表わされるフタロシアニン系化合物のMがNi
2+、Cu2+、Zn2+及びPd2+から選ばれたものとした
ことから、耐光性が更に向上し、追記型CDに必要な複
素屈折率を得やすくなるという効果が加わる。
【0038】請求項3の光記録媒体は、前記一般式
(I)で表わされるフタロシアニン系化合物のR2及び
6が、それぞれ独立にメチル、エチル、n−プロピ
ル、iso−プロピル、メトキシ、エトキシ、n−プロ
ピルオキシ、iso−プロピルオキシから選ばれたもの
としたことから、レーザー光波長域において良好な複素
屈折率を得やすいという効果が加わる。
【0039】請求項4の光記録媒体は、光吸収層の光吸
収ピーク波長が710〜750nmの範囲にあるものと
したことから、レーザー光波長において、適切な複素屈
折率をより確実に得られるという効果が加わる。
【0040】請求項5の光記録媒体の製造方法は、光吸
収層を塗布成膜手段により形成させ、且つ光反射層を真
空成膜手段により形成させるものとしたことから、本発
明の光記録媒体を容易に安定して製造することができ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平8−300814(JP,A) 特開 平8−120186(JP,A) 特開 平3−62878(JP,A) 特開 平7−334863(JP,A) 特開 平8−282110(JP,A) 特開 平8−287514(JP,A) 特開 平8−2108(JP,A) 米国特許5168031(US,A) 英国特許出願公開2237284(GB,A) 英国特許出願公開2259517(GB,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B41M 5/26 G11B 7/24 516 CAPLUS(STN) REGISTRY(STN) MARPAT(STN)

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に少なくとも光吸収層を設けてな
    る光記録媒体において、該光吸収層が下記一般式(I)
    で表わされる金属フタロシアニン系化合物を主成分とし
    て構成されていることを特徴とする光記録媒体。 【化1】 (式中、M及びA1〜A8は、それぞれ以下のものを表わ
    す。 M:2価の金属原子、置換3価金属原子、2置換4価金
    属原子又はオキシ金属。 A1とA2、A3とA4、A5とA6及びA7とA8:それぞれ
    のどちらか一方は−QR1又は下記一般式(II)で表わ
    されるチオフェニル系基、他方は水素原子又はハロゲン
    原子。但し、A1〜A8のうち少なくとも一つは−QR1
    及び下記一般式(II)で表わされるチオフェニル系基で
    ある。 Q:O又はS原子。 一般式(II): 【化2】 1:C数4〜10の直鎖又は岐状のアルキル基。 R2〜R6:それぞれ独立に水素原子、C数1〜10の直
    鎖、分岐若しくは環状のアルキル基、C数1〜3のアル
    コキシ基又はハロゲン原子。)
  2. 【請求項2】 前記一般式(I)で表わされるフタロシ
    アニン系化合物のMが、Ni2+、Cu2+、Zn2+及びP
    2+から選ばれた少なくとも一つの2価金属原子である
    請求項1に記載の光記録媒体。
  3. 【請求項3】 前記一般式(I)で表わされるフタロシ
    アニン系化合物のR2及びR6が、それぞれ独立にメチ
    ル、エチル、n−プロピル、iso−プロピル、メトキ
    シ、エトキシ、n−プロピルオキシ、iso−プロピル
    オキシから選ばれる一つの基である請求項1に記載の光
    記録媒体。
  4. 【請求項4】 前記光吸収層が710〜750nmの範
    囲に光吸収ピーク波長(λmax)を有するものである
    請求項1〜3のいずれか1項に記載の光記録媒体。
  5. 【請求項5】 表面に情報ピット及び/又は案内溝が形
    成されてなる基板上に、直接又は他の層を介して前記一
    般式(I)で表わされる金属フタロシアニン系化合物を
    主成分とする光吸収層を塗布成膜手段により設け、その
    上に直接又は他の層を介して光反射層を真空成膜手段に
    より設け、更にその上に保護層を設けることを特徴とす
    る請求項1〜4のいずれか1項に記載の光記録媒体の製
    造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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