JP3398750B2 - 光記録媒体及びその製造方法 - Google Patents
光記録媒体及びその製造方法Info
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Description
する光記録媒体及びその製造方法に関する。
ク)の開発が活発化してきている。これは、従来のCD
と異なりユーザが情報を記録することが可能で且つ記録
後の信号は従来のCDの規格を満足するため、市販CD
プレーヤで再生可能であるという特徴をもつ。このよう
なメディアを実現する方法の1つとして、特開平2−4
2652号公報において、基板上に色素をスピンコーテ
ィングして記録層を設け、その背後に金属反射層を設け
ることが提案されている。更に、後の特開平2−132
656号公報に述べられているように、記録層の複素屈
折率、膜厚を適当に選ぶことにより、記録後の信号がC
D規格を満足するようになり、追記型CDが実現でき
る。
42652号公報及び特開平2−132656号公報で
示されている色素を用いた追記型CDは、耐光性の点で
は未だ十分なものではなかった。即ち、太陽光に長時間
さらされて放置された場合等に信号特性が変化し、CD
規格を満足することができないという欠点があった。こ
れは記録層に用いられる色素材料、特に従来用いられて
いたシアニン系色素が光により変化することに起因して
いる。そこでこの変化を抑制するために、特開昭63−
159090号公報に示されているように、記録層に光
安定化剤を含有することが知られている。しかし、光安
定化剤を少量(20%以下)添加した場合には、十分な
耐光性を得ることができず、逆に多量(20%以上)に
添加すると、記録層の光学的及び/又は熱的な特性が変
化し、各種の信号品質が低下するという問題点があっ
た。
記録層材料に高耐光性色素であるフタロシアニン系化合
物を用いることも提案されている(特開昭58−183
296号、同58−37851号各公報)。しかし、フ
タロシアニン系化合物では、記録層に要求される光学特
性、特に高屈折率を満足することが困難であった。それ
は、記録層の光学特性は、記録再生するレーザー光波長
近傍での膜の吸光係数(単位膜厚当たりの吸光度のこと
をいう)に依存し、追記型CDに要求される光学特性を
満足するためには、ある程度の吸光係数が必要である
が、一般的に、フタロシアニン系化合物の膜は従来のシ
アニン系色素に比べ吸光係数が小さい(シアニン色素の
1/3〜1/2程度)ということによる。
も要求される光学特性を備えた記録層を有する光記録媒
体、より具体的には改良された光学特性を有する特定の
フタロシアニン系化合物の膜を記録層とする光記録媒
体、及びその製造方法を提供することにある。
重ねた結果、前記従来技術の光記録媒体において、記録
層であるフタロシアニン系化合物の膜の吸光係数が小さ
いのは、フタロシアニン系化合物の分子が平面構造であ
り分子会合しやすく、フタロシアニン系化合物の分子が
会合すると、分子間相互作用により光吸収スペクトルが
ブロードになるということ、更にはフタロシアニン系化
合物においては、レーザー光波長域(760〜800n
m)で適当な複素屈折率を得るためには、記録層の吸収
ピーク波長(λmax)が710〜750nmの範囲に
あることがより好ましいということを見出し、本発明を
完成するに至った。
も記録層を設けてなる光記録媒体において、該記録層が
下記一般式(I)で表わされる金属フタロシアニン系化
合物を主成分とするものであることを特徴とする光記録
媒体が提供される。
て、前記記録層が710〜750nmの範囲に光吸収ピ
ーク波長(λmax)を有するものである光記録媒体が
提供される。
及び/又は案内溝が形成されてなる基板上に、直接又は
他の層を介して前記一般式(I)で表わされる金属フタ
ロシアニン系化合物を主成分とする記録層を塗布成膜手
段により設け、その上に直接又は他の層を介して光反射
層を真空成膜手段により設け、更にその上に保護層を設
けることを特徴とする光記録媒体の製造方法が提供され
る。
で表わされる金属フタロシアニン系化合物を主成分とす
る記録層を設けたものとしたことから、薄層化したとき
のフタロシアニン系化合物の分子会合が抑制されて、光
吸収スペクトルがブロードになることが回避され、レー
ザー光波長域で適切な複素屈折率を得ることができるも
のとなる。
光記録媒体は、記録層が前記一般式(I)で表わされる
金属フタロシアニン系化合物を主成分とするものである
ことを特徴とする。即ち、本発明の光記録媒体において
は、記録層として前記一般式(I)で表わされる金属フ
タロシアニン系化合物が使用される。該金属フタロシア
ニン系化合物は中心金属Mと−NR1R2基の作用によ
り、分子会合を防ぐことができるものとなる。また、前
述したように、金属フタロシアニン系化合物において
は、記録層の吸収ピーク波長(λmax)が710〜7
50nmの範囲にあることが、レーザー光波長域で適切
な複素屈折率を得るのに非常に好ましいことが、本発明
者により見い出されたが、フタロシアニン環のβ位(A
1、A2、A3、A4、A5、A6、A7、A8)の−NR1R2
基の効果により、膜のλmaxがほぼ710〜750n
mの範囲に入るものとなる。
シアニン系化合物において、−NR1R2基のR1及びR2
は、それぞれ独立に脂肪族、芳香族若しくは脂環式の炭
化水素基又は水素原子である。更にR1とR2はNと共に
環を形成してもよい。なお、炭化水素基の炭素数として
は1〜20が好ましい。
Co、Zn及びCdを用いることができる。これらの中
心金属は前記−NR1R2基と相互作用しやすく、会合を
防ぐ効果が高い。また、R1、R2及びフタロシアニン骨
格のベンゼン環には、記録層の吸収帯波長を調節する、
塗布溶媒に対する溶解性を向上する等の理由で、前記−
NR1R2基以外に他の基を付加してもよい。このような
基としては、OH基、ハロゲン原子、ニトロ基、アルキ
ル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アミノ基、スル
ホン酸基、などを挙げることができる。
アニン系化合物のみではなく、該フタロシアニン系化合
物に加えて、従来より情報記録媒体の記録材料として知
られている任意の色素を混合して用いることができる。
このような色素として、例えば、シアニン系色素、ピリ
リウム系・チオピリリウム系色素、アズレニウム系色
素、スクワリリウム系色素、Ni、Crなどの金属錯塩
系色素、ナフトキノン系・アントラキノン系色素、イン
ドフェノール系色素、インドアニリン系色素、トリフェ
ニルメタン系色素、トリアリルメタン系色素、アミニウ
ム系・ジインモニウム系色素及びニトロソ化合物を挙げ
ることができる。更に、必要に応じて他の第3成分、例
えばバインダー、安定剤等を含有させることができる。
なお、記録層の膜厚は、100〜5000Åが好まし
く、特に500〜3000Åが望ましい。記録層の膜厚
が、この範囲より薄くなると記録感度が低下し、また厚
くなると反射率が低下するからである。
報記録媒体の基板として用いられている各種の材料から
任意に選択することができる。基板材料の例としては、
ポリメチルメタクリレートのようなアクリル樹脂、ポリ
塩化ビニル、塩化ビニル共重合体等の塩化ビニル系樹
脂、エポキシ樹脂、ポリカーボネート樹脂、アモルファ
スポリオレフィン、ポリエステル、ソーダ石灰ガラス等
のガラス及びセラミックスを挙げることができる。特に
寸法安定性、透明性及び平面性などの点から、ポリメチ
ルメタクリレート、ポリカーボネート樹脂、エポキシ樹
脂、アモルファスポリオレフィン、ポリエステル及びガ
ラスなどを挙げることができる。
面性の改善、接着力の向上及び記録層の変質の防止の目
的で、下塗層が設けられてもよい。下塗層の材料として
は、例えば、ポリメチルメタクリレート、アクリル酸/
メタクリル酸共重合体、スチレン/無水マレイン酸共重
合体、ポリビニルアルコール、N−メチロールアクリル
アミド、スチレン/スルホン酸共重合体、スチレン/ビ
ニルトルエン共重合体、クロルスルホン化ポリエチレ
ン、ニトロセルロース、ポリ塩化ビニル、塩素化ポリオ
レフィン、ポリエステル、ポリイミド、酢酸ビニル/塩
化ビニル共重合体、エチレン/酢酸ビニル共重合体、ポ
リエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート等の高
分子物質:シランカップリング剤などの有機物質:及び
無機酸化物(SiO2、Al2O3等)、無機フッ化物
(MgF2)などの無機物質を挙げることができる。な
お、下塗層の層厚は一般に0.005〜20μmの範囲
にあり、好ましくは0.01〜10μmの範囲である。
キング用溝又はアドレス信号等の情報を表わす凹凸の形
成の目的で、プレグループ層が設けられてもよい。プレ
グループ層の材料としては、アクリル酸のモノエステ
ル、ジエステル、トリエステル及びテトラエステルのう
ちの少なくとも一種のモノマー(又はオリゴマー)と光
重合開始剤との混合物を用いることができる。
の向上及び記録時における感度の向上の目的で、反射層
が設けられてもよい。反射層の材料である光反射性物質
はレーザー光に対する反射率が高い物質であり、その例
としては、Mg、Se、Y、Ti、Zr、Hf、V、N
b、Ta、Cr、Mo、W、Mn、Re、Fe、Co、
Ni、Ru、Rh、Pd、Ir、Pt、Cu、Ag、A
u、Zn、Cd、Al、Ca、In、Si、Ge、T
e、Pb、Po、Sn、Siなどの金属及び半金属を挙
げることができる。これらのうちで好ましいものはA
u、Al及びAgである。これら物質は単独で用いても
よいし、あるいは二種以上の組合せで又は合金として用
いてもよい。なお、反射層の層厚は一般に100〜30
00Åの範囲にある。また、反射層は基板と記録層との
間に設けられてもよく、この場合には情報の記録再生は
記録層側(基板とは反対の側)から行なわれる。
録層などを物理的及び化学的に保護する目的で保護層が
設けられてもよい。この保護層は、基板の記録層が設け
られていない側にも耐傷性、耐湿性を高める目的で設け
られてもよい。保護層に用いられる材料の例としては、
SiO、SiO2、MgF2、SnO2等の無機物質、熱
可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、UV硬化性樹脂を挙げるこ
とができる。なお、保護層の層厚は一般的には500Å
〜50μmの範囲にある。
いて説明する。本発明の光記録媒体の製造方法は、表面
に情報ピット及び/又は案内溝が形成されてなる基板上
に、直接又は他の層を介して前記一般式(I)で表わさ
れる金属フタロシアニン系化合物を主成分とする記録層
を塗布成膜手段により設け、その上に直接又は他の層を
介して光反射層を真空成膜手段により設け、更にその上
に保護層を設けることを特徴とする。即ち、本発明の製
造方法は、下記の工程からなる。 (イ)表面に情報ピット及び/又は案内溝が形成されて
いる基板上に、直接又は他の層を介して前記一般式
(I)で表わされる金属フタロシアニン系化合物を主成
分とする記録層を塗布成膜手段により設ける工程、 (ロ)記録層上に直接又は他の層を介して光反射層を真
空成膜手段により設ける工程、及び (ハ)記録層上に保護層を設ける工程。
又は案内溝が形成されている基板上に、直接又は他の層
を介して、前記金属フタロシアニン系化合物を主成分と
する記録層が塗布成膜手段により設けられる。即ち、前
記金属フタロシアニン系化合物を、溶媒に溶解した塗布
液として基板上にコートすることにより、記録層が形成
される。この塗布液を調整するための溶媒としては、公
知の有機溶媒(例えばアルコール、セルソルブ、ハロゲ
ン化炭素、ケトン、エーテル等)を使用することができ
る。また、記録層の形成手段としては、蒸着法、LB
法、スピンコート法等が挙げられるが、記録層の濃度、
粘度、溶剤の乾燥温度を調節することにより層厚を制御
できるため、スピンコート法が望ましい。
下塗層を設けることが、基板表面の平面性の改善や接着
力の向上あるいは記録層の変質防止等の目的で、行なわ
れる。この場合の下塗層は、例えば前述した下塗層用物
質を適当な溶剤に溶解又は分散して塗布液を調整したの
ち、この塗布液をスピンコート、ディップコート、エク
ストルージョンコートなどの塗布法により基板表面に塗
布することにより形成することができる。
層を介して光反射層が真空成膜手段により設けられる。
即ち、前述した光反射性物質を、例えば蒸着、スパッタ
リング又はイオンプレーティングすることにより、光反
射層が記録層の上に形成される。
れる。即ち、前述した無機物質や種々の樹脂からなる保
護層用材料を、真空成膜又は塗布成膜することにより形
成される。特にUV硬化性樹脂を用いるのが好ましく、
該樹脂をスピンコート後、紫外線照射により硬化して形
成される。
発明はこれらに限定されるものではない。
解して塗布液とし、直径120mm、厚さ1.2mmの
ガラス基板にスピンコーティングすることにより記録層
を設けた。この記録層の光吸収スペクトルの概略図を図
1に示す。図1から明らかなように、この記録層の光吸
収スペクトルは、吸収帯の右側ピーク(長波長側)が左
側ピーク(短波長側)よりも高くなっていた。
1と同様にして設けた。この記録層の光吸収スペクトル
の概略図を図2に示す。図2から明らかなように、この
記録層の光吸収スペクトルは、吸収帯の左側ピーク(短
波長側)が右側ピーク(長波長側)よりも高くなってい
た。
を、実施例1と同様にして設け、λmaxを求めた。こ
れらの記録層のλmaxは710〜750μmの範囲に
あった(表1参照)。
を、実施例1と同様にして設け、λmaxを求めた。こ
れらの記録層のλmaxは710〜750μmの範囲に
なかった(表1参照)。
レフィン基板の表面上に、深さ約1200Åの案内溝凹
凸パターンを有する基板を用意し、後記表1中サンプル
No.(A)で表わされる色素の記録層を、1,2−ジ
クロロエタンを塗布溶媒としてスピンコーティングする
ことにより設けた。記録層の膜厚は約1500Åであっ
た。記録層の上にAuスパッタ法によりAuを約800
Åの厚さに設け反射層とし、更にその上に紫外線硬化樹
脂からなる保護層を約5μmの厚さに設けて、本発明の
光記録媒体を得た。得られた光記録媒体に波長785n
m、N.A.0.5、線速1.4m/sの条件でEFM
信号を記録し、再生を行なったところ、Itopは65
%以上、Clエラーは220以下であり、CD規格を満
足する値であった。
一般式(I)で表わされる金属フタロシアニン系化合物
を主成分とするものとしたことから、フタロシアニン系
化合物の分子会合が抑制され、レーザー光波長域(76
0〜800nm)において適切な複素屈折率をもつとい
う優れた光学特性を有する。
ピーク波長が710〜750nmの範囲にあるものとし
たことから、レーザー光波長において、適切な複素屈折
率をより確実に得られるという効果が加わる。
層を塗布成膜手段により形成させ、且つ光反射層を真空
成膜手段により形成させるものとしたことから、本発明
の光記録媒体を容易に安定して製造することができる。
の概略図であり、分子会合していない状態を示してい
る。
の概略図であり、分子会合した状態を示している。
Claims (3)
- 【請求項1】 基板上に少なくとも記録層を設けてなる
光記録媒体において、該記録層が下記一般式(I)で表
わされる金属フタロシアニン系化合物を主成分とするも
のであることを特徴とする光記録媒体。 【化1】 - 【請求項2】 前記記録層が710〜750nmの範囲
に光吸収ピーク波長(λmax)を有するものである請
求項1に記載の光記録媒体。 - 【請求項3】 表面に情報ピット及び/又は案内溝が形
成されてなる基板上に、直接又は他の層を介して前記一
般式(I)で表わされる金属フタロシアニン系化合物を
主成分とする記録層を塗布成膜手段により設け、その上
に直接又は他の層を介して光反射層を真空成膜手段によ
り設け、更にその上に保護層を設けることを特徴とする
請求項1または2に記載の光記録媒体の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11601194A JP3398750B2 (ja) | 1994-05-02 | 1994-05-02 | 光記録媒体及びその製造方法 |
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JP11601194A JP3398750B2 (ja) | 1994-05-02 | 1994-05-02 | 光記録媒体及びその製造方法 |
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JPH07299961A JPH07299961A (ja) | 1995-11-14 |
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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Country | Link |
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JP (1) | JP3398750B2 (ja) |
-
1994
- 1994-05-02 JP JP11601194A patent/JP3398750B2/ja not_active Expired - Fee Related
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