JPH07299961A - 光記録媒体及びその製造方法 - Google Patents
光記録媒体及びその製造方法Info
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Abstract
(R1)(R2)基(但し、R1、R2は炭化水素基又は水
素原子)を有する特定の金属フタロシアニン系化合物を
主成分としてなる光記録媒体、並びに基体上に光吸収層
を塗布成膜手段により形成させ、且つその上に光反射層
を真空成膜手段により形成させるその製造方法。 【効果】 本記録媒体はフタロシアニン系化合物の分子
会合が抑制され、レーザー波長域(760〜800n
m)において適切な複素屈折率をもつという優れた光学
特性と耐光性とを有する。また、本製造方法によると、
本発明の光記録媒体を容易に安定して得ることができ
る。
Description
する光記録媒体及びその製造方法に関する。
ク)の開発が活発化してきている。これは、従来のCD
と異なりユーザが情報を記録することが可能で且つ記録
後の信号は従来のCDの規格を満足するため、市販CD
プレーヤで再生可能であるという特徴をもつ。このよう
なメディアを実現する方法の1つとして、特開平2−4
2652号公報において、基板上に色素をスピンコーテ
ィングして光吸収層を設け、その背後に金属反射層を設
けることが提案されている。更に、後の特開平2−13
2656号公報に述べられているように、光吸収層の複
素屈折率、膜厚を適当に選ぶことにより、記録後の信号
がCD規格を満足するようになり、追記型CDが実現で
きる。
42652号公報及び特開平2−132656号公報で
示されている色素を用いた追記型CDは、耐光性の点で
は未だ十分なものではなかった。即ち、太陽光に長時間
さらされて放置された場合等に信号特性が変化し、CD
規格を満足することができないという欠点があった。こ
れは光吸収層に用いられる色素材料、特に従来用いられ
ていたシアニン系色素が光により変化することに起因し
ている。そこでこの変化を抑制するために、特開昭63
−159090号公報に示されているように、光吸収層
に光安定化剤を含有することが知られている。しかし、
光安定化剤を少量(20%以下)添加した場合には、十
分な耐光性を得ることができず、逆に多量(20%以
上)に添加すると、光吸収層の光学的及び/又は熱的な
特性が変化し、各種の信号品質が低下するという問題点
があった。
光吸収層材料に高耐光性色素であるフタロシアニン系化
合物を用いることも提案されている(特開昭58−18
3296号、同58−37851号各公報)。しかし、
フタロシアニン系化合物では、光吸収層に要求される光
学特性、特に高屈折率を満足することが困難であった。
それは、光吸収層の光学特性は、記録再生するレーザー
光波長近傍での膜の吸光係数(単位膜厚当たりの吸光度
のことをいう)に依存し、追記型CDに要求される光学
特性を満足するためには、ある程度の吸光係数が必要で
あるが、一般的に、フタロシアニン系化合物の膜は従来
のシアニン系色素に比べ吸光係数が小さい(シアニン色
素の1/3〜1/2程度)ということによる。
も要求される光学特性を備えた光吸収層を有する光記録
媒体、より具体的には改良された光学特性を有する特定
のフタロシアニン系化合物の膜を光吸収層とする光記録
媒体、及びその製造方法を提供することにある。
重ねた結果、前記従来技術の光記録媒体において、光吸
収層であるフタロシアニン系化合物の膜の吸光係数が小
さいのは、フタロシアニン系化合物の分子が平面構造で
あり分子会合しやすく、フタロシアニン系化合物の分子
が会合すると、分子間相互作用により光吸収スペクトル
がブロードになるということ、更にはフタロシアニン系
化合物においては、レーザー光波長域(760〜800
nm)で適当な複素屈折率を得るためには、光吸収層の
吸収ピーク波長(λmax)が710〜750nmの範
囲にあることがより好ましいということを見出し、本発
明を完成するに至った。
も光吸収層を設けてなる光記録媒体において、該光吸収
層が下記一般式(I)で表わされる金属フタロシアニン
系化合物を主成分とするものであることを特徴とする光
記録媒体が提供される。
す。M:Mn、Fe、Co、Zn又はCd原子。A1と
A2、A3とA4、A5とA6及びA7とA8:それぞれのど
ちらか一方は R1及びR2:それぞれ独立に脂肪族、芳香族若しくは脂
環式の炭化水素基又は水素原子。更にR1とR2はNと共
に環を形成してもよい。)
て、前記光吸収層が710〜750nmの範囲に光吸収
ピーク波長(λmax)を有するものである光記録媒体
が提供される。
及び/又は案内溝が形成されてなる基板上に、直接又は
他の層を介して前記一般式(I)で表わされる金属フタ
ロシアニン系化合物を主成分とする光吸収層を塗布成膜
手段により設け、その上に直接又は他の層を介して光反
射層を真空成膜手段により設け、更にその上に保護層を
設けることを特徴とする光記録媒体の製造方法が提供さ
れる。
で表わされる金属フタロシアニン系化合物を主成分とす
る光吸収層を設けたものとしたことから、薄層化したと
きのフタロシアニン系化合物の分子会合が抑制されて、
光吸収スペクトルがブロードになることが回避され、レ
ーザー光波長域で適切な複素屈折率を得ることができる
ものとなる。
光記録媒体は、光吸収層が前記一般式(I)で表わされ
る金属フタロシアニン系化合物を主成分とするものであ
ることを特徴とする。即ち、本発明の光記録媒体におい
ては、光吸収層として前記一般式(I)で表わされる金
属フタロシアニン系化合物が使用される。該金属フタロ
シアニン系化 となる。また、前述したように、金属フタロシアニン系
化合物においては、光吸収層の吸収ピーク波長(λma
x)が710〜750nmの範囲にあることが、レーザ
ー光波長域で適切な複素屈折率を得るのに非常に好まし
いことが、本発明者により見い出されたが、フタロシア
ニン環のβ位(A1、A2、A3、A4、A5 50nmの範囲に入るものとなる。
シアニン系化合物において、 化水素基又は水素原子である。。更にR1とR2はNと共
に環を形成してもよい。なお、炭化水素基の炭素数とし
ては1〜20が好ましい。
Co、Zn及びCdを用いることが 果が高い。また、R1、R2及びフタロシアニン骨格のベ
ンゼン環には、光吸収層の吸収帯波長を調節する、塗布
溶媒に対する溶解性を向上する等の理由で、前記 ロゲン原子、ニトロ基、アルキル基、アルコキシ基、ア
ルキルチオ基、アミノ基、スルホン酸基、などを挙げる
ことができる。
シアニン系化合物のみではなく、該フタロシアニン系化
合物に加えて、従来より情報記録媒体の記録材料として
知られている任意の色素を混合して用いることができ
る。このような色素として、例えば、シアニン系色素、
ピリリウム系・チオピリリウム系色素、アズレニウム系
色素、スクワリリウム系色素、Ni、Crなどの金属錯
塩系色素、ナフトキノン系・アントラキノン系色素、イ
ンドフェノール系色素、インドアニリン系色素、トリフ
ェニルメタン系色素、トリアリルメタン系色素、アミニ
ウム系・ジインモニウム系色素及びニトロソ化合物を挙
げることができる。更に、必要に応じて他の第3成分、
例えばバインダー、安定剤等を含有させることができ
る。なお、光吸収層の膜厚は、100〜5000Åが好
ましく、特に500〜3000Åが望ましい。光吸収層
の膜厚が、この範囲より薄くなると記録感度が低下し、
また厚くなると反射率が低下するからである。
報記録媒体の基板として用いられている各種の材料から
任意に選択することができる。基板材料の例としては、
ポリメチルメタクリレートのようなアクリル樹脂、ポリ
塩化ビニル、塩化ビニル共重合体等の塩化ビニル系樹
脂、エポキシ樹脂、ポリカーボネート樹脂、アモルファ
スポリオレフィン、ポリエステル、ソーダ石灰ガラス等
のガラス及びセラミックスを挙げることができる。特に
寸法安定性、透明性及び平面性などの点から、ポリメチ
ルメタクリレート、ポリカーボネート樹脂、エポキシ樹
脂、アモルファスポリオレフィン、ポリエステル及びガ
ラスなどを挙げることができる。
平面性の改善、接着力の向上及び光吸収層の変質の防止
の目的で、下塗層が設けられてもよい。下塗層の材料と
しては、例えば、ポリメチルメタクリレート、アクリル
酸/メタクリル酸共重合体、スチレン/無水マレイン酸
共重合体、ポリビニルアルコール、N−メチロールアク
リルアミド、スチレン/スルホン酸共重合体、スチレン
/ビニルトルエン共重合体、クロルスルホン化ポリエチ
レン、ニトロセルロース、ポリ塩化ビニル、塩素化ポリ
オレフィン、ポリエステル、ポリイミド、酢酸ビニル/
塩化ビニル共重合体、エチレン/酢酸ビニル共重合体、
ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート等の
高分子物質:シランカップリング剤などの有機物質:及
び無機酸化物(SiO2、Al2O3等)、無機フッ化物
(MgF2)などの無機物質を挙げることができる。な
お、下塗層の層厚は一般に0.005〜20μmの範囲
にあり、好ましくは0.01〜10μmの範囲である。
キング用溝又はアドレス信号等の情報を表わす凹凸の形
成の目的で、プレグループ層が設けられてもよい。プレ
グループ層の材料としては、アクリル酸のモノエステ
ル、ジエステル、トリエステル及びテトラエステルのう
ちの少なくとも一種のモノマー(又はオリゴマー)と光
重合開始剤との混合物を用いることができる。
率の向上及び記録時における感度の向上の目的で、反射
層が設けられてもよい。反射層の材料である光反射性物
質はレーザー光に対する反射率が高い物質であり、その
例としては、Mg、Se、Y、Ti、Zr、Hf、V、
Nb、Ta、Cr、Mo、W、Mn、Re、Fe、C
o、Ni、Ru、Rh、Pd、Ir、Pt、Cu、A
g、Au、Zn、Cd、Al、Ca、In、Si、G
e、Te、Pb、Po、Sn、Siなどの金属及び半金
属を挙げることができる。これらのうちで好ましいもの
はAu、Al及びAgである。これら物質は単独で用い
てもよいし、あるいは二種以上の組合せで又は合金とし
て用いてもよい。なお、反射層の層厚は一般に100〜
3000Åの範囲にある。また、反射層は基板と光吸収
層との間に設けられてもよく、この場合には情報の記録
再生は光吸収層側(基板とは反対の側)から行なわれ
る。
光吸収層などを物理的及び化学的に保護する目的で保護
層が設けられてもよい。この保護層は、基板の光吸収層
が設けられていない側にも耐傷性、耐湿性を高める目的
で設けられてもよい。保護層に用いられる材料の例とし
ては、Si、O、SiO2、MgF2、SnO2等の無機
物質、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、UV硬化性樹脂を
挙げることができる。なお、保護層の層厚は一般的には
500Å〜50μmの範囲にある。
いて説明する。本発明の光記録媒体の製造方法は、表面
に情報ピット及び/又は案内溝が形成されてなる基板上
に、直接又は他の層を介して前記一般式(I)で表わさ
れる金属フタロシアニン系化合物を主成分とする光吸収
層を塗布成膜手段により設け、その上に直接又は他の層
を介して光反射層を真空成膜手段により設け、更にその
上に保護層を設けることを特徴とする。即ち、本発明の
製造方法は、下記の工程からなる。 (イ)表面に情報ピット及び/又は案内溝が形成されて
いる基板上に、直接又は他の層を介して前記一般式
(I)で表わされる金属フタロシアニン系化合物を主成
分とする光吸収層を塗布成膜手段により設ける工程、
(ロ)光吸収層上に直接又は他の層を介して光反射層を
真空成膜手段により設ける工程、及び(ハ)光吸収層上
に保護層を設ける工程。
ては、先ず表面に情報ピット及び/又は案内溝が形成さ
れている基板上に、直接又は他の層を介して、前記金属
フタロシアニン系化合物を主成分とする光吸収層が塗布
成膜手段により設けられる。即ち、前記金属フタロシア
ニン系化合物を、溶媒に溶解した塗布液として基板上に
コートすることにより、光吸収層が形成される。この塗
布液を調整するための溶媒としては、公知の有機溶媒
(例えばアルコール、セルソルブ、ハロゲン化炭素、ケ
トン、エーテル等)を使用することができる。また、光
吸収層の形成手段としては、蒸着法、LB法、スピンコ
ート法等が挙げられるが、光吸収層の濃度、粘度、溶剤
の乾燥温度を調節することにより層厚を制御できるた
め、スピンコート法が望ましい。
に下塗層を設けることが、基板表面の平面性の改善や接
着力の向上あるいは光吸収層の変質防止等の目的で、行
なわれる。この場合の下塗層は、例えば前述した下塗層
用物質を適当な溶剤に溶解又は分散して塗布液を調整し
たのち、この塗布液をスピンコート、ディップコート、
エクストルージョンコートなどの塗布法により基板表面
に塗布することにより形成することができる。
ては、次に光吸収層上に直接又は他の層を介して光反射
層が真空成膜手段により設けられる。即ち、前述した光
反射性物質を、例えば蒸着、スパッタリング又はイオン
プレーティングすることにより、光反射層が光吸収層の
上に形成される。
は、光反射層上に保護層が設けられる。即ち、前述した
無機物質や種々の樹脂からなる保護層用材料を、真空成
膜又は塗布成膜することにより形成される。特にUV硬
化性樹脂を用いるのが好ましく、該樹脂をスピンコート
後、紫外線照射により硬化して形成される。
発明はこれらに限定されるものではない。
解して塗布液とし、直径120mm、厚さ1.2mmの
ガラス基板にスピンコーティングすることにより光吸収
層を設けた。この光吸収層の光吸収スペクトルの概略図
を図1に示す。図1から明らかなように、この光吸収層
の光吸収スペクトルは、吸収帯の右側ピーク(長波長
側)が左側ピーク(短波長側)よりも高くなっていた。
例1と同様にして設けた。この光吸収層の光吸収スペク
トルの概略図を図2に示す。図2から明らかなように、
この光吸収層の光吸収スペクトルは、吸収帯の左側ピー
ク(短波長側)が右側ピーク(長波長側)よりも高くな
っていた。
を、実施例1と同様にして設け、λmaxを求めた。こ
れらの光吸収層のλmaxは710〜750μmの範囲
にあった(表1参照)。
を、実施例1と同様にして設け、λmaxを求めた。こ
れらの光吸収層のλmaxは710〜750μmの範囲
になかった(表1参照)。
レフィン基板の表面上に、深さ約1200Åの案内溝凹
凸パターンを有する基板を用意し、後記表1中サンプル
No.(A)で表わされる色素の光吸収層を、1,2−
ジクロロエタンを塗布溶媒としてスピンコーティングす
ることにより設けた。光吸収層の膜厚は約1500Åで
あった。光吸収層の上にAuスパッタ法によりAuを約
800Åの厚さに設け反射層とし、更にその上に紫外線
硬化樹脂からなる保護層を約5μmの厚さに設けて、本
発明の光記録媒体を得た。得られた光記録媒体に波長7
85nm、N.A.0.5、線速1.4m/sの条件で
EFM信号を記録し、再生を行なったところ、Itop
は65%以上、Clエラーは220以下であり、CD規
格を満足する値であった。
記一般式(I)で表わされる金属フタロシアニン系化合
物を主成分とするものとしたことから、フタロシアニン
系化合物の分子会合が抑制され、レーザー光波長域(7
60〜800nm)において適切な複素屈折率をもつと
いう優れた光学特性を有する。
収ピーク波長が710〜750nmの範囲にあるものと
したことから、レーザー光波長において、適切な複素屈
折率をより確実に得られるという効果が加わる。
収層を塗布成膜手段により形成させ、且つ光反射層を真
空成膜手段により形成させるものとしたことから、本発
明の光記録媒体を容易に安定して製造することができ
る。
ルの概略図であり、分子会合していない状態を示してい
る。
ルの概略図であり、分子会合した状態を示している。
Claims (3)
- 【請求項1】 基板上に少なくとも光吸収層を設けてな
る光記録媒体において、該光吸収層が下記一般式(I)
で表わされる金属フタロシアニン系化合物を主成分とす
るものであることを特徴とする光記録媒体。 【化1】 (式中、M及びA1〜A8は、それぞれ以下のものを表わ
す。M:Mn、Fe、Co、Zn又はCd原子。A1と
A2、A3とA4、A5とA6及びA7とA8:それぞれのど
ちらか一方は R1及びR2:それぞれ独立に脂肪族、芳香族若しくは脂
環式の炭化水素基又は水素原子。更にR1とR2はNと共
に環を形成してもよい。) - 【請求項2】 前記光吸収層が710〜750nmの範
囲に光吸収ピーク波長(λmax)を有するものである
請求項1に記載の光記録媒体。 - 【請求項3】 表面に情報ピット及び/又は案内溝が形
成されてなる基板上に、直接又は他の層を介して前記一
般式(I)で表わされる金属フタロシアニン系化合物を
主成分とする光吸収層を塗布成膜手段により設け、その
上に直接又は他の層を介して光反射層を真空成膜手段に
より設け、更にその上に保護層を設けることを特徴とす
る請求項1〜3のいずれか1項に記載の光記録媒体の製
造方法。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP11601194A JP3398750B2 (ja) | 1994-05-02 | 1994-05-02 | 光記録媒体及びその製造方法 |
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Publications (2)
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-
1994
- 1994-05-02 JP JP11601194A patent/JP3398750B2/ja not_active Expired - Fee Related
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