JPH0892439A - ポリプロピレン樹脂組成物 - Google Patents
ポリプロピレン樹脂組成物Info
- Publication number
- JPH0892439A JPH0892439A JP6256260A JP25626094A JPH0892439A JP H0892439 A JPH0892439 A JP H0892439A JP 6256260 A JP6256260 A JP 6256260A JP 25626094 A JP25626094 A JP 25626094A JP H0892439 A JPH0892439 A JP H0892439A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- polypropylene resin
- polypropylene
- resin composition
- glass transition
- transition temperature
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 ポリプロピレンのもつ剛性を保持しつつ、耐
衝撃性、特に破壊特性のよいポリプロピレン樹脂組成物
を提供する。 【構成】 (a) ホモポリプロピレン、プロピレン−エチ
レンブロック共重合体及び−5℃以上のガラス転移温度
のランダムポリプロピレンからなる群から選ばれたポリ
プロピレン系樹脂と、(b) ポリプロピレン系樹脂中の非
晶部分と相溶性が良好で−10℃以下のガラス転移温度
を有する非晶性ポリマー(例えば、数平均分子量3万以
下のアタクチックポリプロピレン及び/又は数平均分子
量3万以下で10〜90重量%のエチレン含有量を有するエ
チレン・α−オレフィン共重合体)とからなり、ポリプ
ロピレン系樹脂中の非晶部分に非晶性ポリマーが相溶化
しており、ポリプロピレン部に由来するガラス転移温度
が−5℃以下で、かつ30%以上の結晶化度を有するポ
リプロピレン樹脂組成物。
衝撃性、特に破壊特性のよいポリプロピレン樹脂組成物
を提供する。 【構成】 (a) ホモポリプロピレン、プロピレン−エチ
レンブロック共重合体及び−5℃以上のガラス転移温度
のランダムポリプロピレンからなる群から選ばれたポリ
プロピレン系樹脂と、(b) ポリプロピレン系樹脂中の非
晶部分と相溶性が良好で−10℃以下のガラス転移温度
を有する非晶性ポリマー(例えば、数平均分子量3万以
下のアタクチックポリプロピレン及び/又は数平均分子
量3万以下で10〜90重量%のエチレン含有量を有するエ
チレン・α−オレフィン共重合体)とからなり、ポリプ
ロピレン系樹脂中の非晶部分に非晶性ポリマーが相溶化
しており、ポリプロピレン部に由来するガラス転移温度
が−5℃以下で、かつ30%以上の結晶化度を有するポ
リプロピレン樹脂組成物。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ポリプロピレンの非晶
部分にそれよりガラス転移温度が低い非晶性ポリマーを
分子状に相溶化したポリプロピレン樹脂組成物に関す
る。
部分にそれよりガラス転移温度が低い非晶性ポリマーを
分子状に相溶化したポリプロピレン樹脂組成物に関す
る。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】ポリプ
ロピレンは軽量でしかも優れた機械的物性バランスを有
し、成形性、耐薬品性にも優れた材料であり、種々の工
業材料部品に用いられている。しかしながら、耐衝撃
性、特に脆性・延性転移温度が高いために、脆性破壊が
おこりやすいという欠点を有している。
ロピレンは軽量でしかも優れた機械的物性バランスを有
し、成形性、耐薬品性にも優れた材料であり、種々の工
業材料部品に用いられている。しかしながら、耐衝撃
性、特に脆性・延性転移温度が高いために、脆性破壊が
おこりやすいという欠点を有している。
【0003】一般にポリプロピレンの破壊特性を向上さ
せるため、ポリプロピレンをランダム共重合する方法が
提案されている。しかし、この方法は衝撃特性改良には
有効であるが、剛性や耐熱性の低下をもたらすという欠
点がある。
せるため、ポリプロピレンをランダム共重合する方法が
提案されている。しかし、この方法は衝撃特性改良には
有効であるが、剛性や耐熱性の低下をもたらすという欠
点がある。
【0004】従って本発明の目的は、ポリプロピレンの
もつ剛性を保持しつつ、耐衝撃性、特に破壊特性のよい
ポリプロピレン樹脂組成物を提供することである。
もつ剛性を保持しつつ、耐衝撃性、特に破壊特性のよい
ポリプロピレン樹脂組成物を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】以上の目的に鑑み鋭意研
究の結果、本発明者らは、ポリエチレンなどに比べポリ
プロピレンで脆性破壊がおこりやすく、破壊特性が劣る
のは、ポリプロピレンのガラス転移温度(約0℃)以下
では非晶部分がガラス化し、ガラス転移温度を境にして
延性−脆性転移が起こるためであること、及びポリプロ
ピレンの非晶部分にポリプロピレンよりもTgが低い非晶
性ポリマーを相溶化させてポリプロピレンのTgを低下さ
せると延性−脆性転移温度が低下し、破壊特性が向上す
ることを発見し、本発明に至った。
究の結果、本発明者らは、ポリエチレンなどに比べポリ
プロピレンで脆性破壊がおこりやすく、破壊特性が劣る
のは、ポリプロピレンのガラス転移温度(約0℃)以下
では非晶部分がガラス化し、ガラス転移温度を境にして
延性−脆性転移が起こるためであること、及びポリプロ
ピレンの非晶部分にポリプロピレンよりもTgが低い非晶
性ポリマーを相溶化させてポリプロピレンのTgを低下さ
せると延性−脆性転移温度が低下し、破壊特性が向上す
ることを発見し、本発明に至った。
【0006】すなわち、本発明のポリプロピレン部に由
来するガラス転移温度が−5℃以下及び30%以上の結
晶化度を有するポリプロピレン樹脂組成物は、(a) ポリ
プロピレン系樹脂と、(b) 前記ポリプロピレン系樹脂中
の非晶部分と相溶性が良好で−10℃以下のガラス転移
温度を有する非晶性ポリマーとからなり、前記ポリプロ
ピレン系樹脂中の非晶部分に前記非晶性ポリマーが相溶
化していることを特徴とする。
来するガラス転移温度が−5℃以下及び30%以上の結
晶化度を有するポリプロピレン樹脂組成物は、(a) ポリ
プロピレン系樹脂と、(b) 前記ポリプロピレン系樹脂中
の非晶部分と相溶性が良好で−10℃以下のガラス転移
温度を有する非晶性ポリマーとからなり、前記ポリプロ
ピレン系樹脂中の非晶部分に前記非晶性ポリマーが相溶
化していることを特徴とする。
【0007】以下、本発明を詳細に説明する。 [1] ポリプロピレン樹脂組成物の各成分 (a) ポリプロピレン系樹脂 使用するポリプロピレン系樹脂のガラス転移温度(T
g)は通常0℃±3℃であり、結晶化度は通常30%以
上、好ましくは40〜80%である。結晶化度が30%
未満であると、最終的な組成物の剛性の低下が大きすぎ
る。
g)は通常0℃±3℃であり、結晶化度は通常30%以
上、好ましくは40〜80%である。結晶化度が30%
未満であると、最終的な組成物の剛性の低下が大きすぎ
る。
【0008】なお、ここでガラス転移温度は、熱分析測
定(DSC220C:セイコー電子工業(株)製、昇温
速度40℃/min)により得られたもので、ポリプロ
ピレン重合部分に由来するものをいう。従って本質的に
ホモ、ブロックあるいはランダムといったポリプロピレ
ン系樹脂のポリマータイプによっては大きく変わるもの
ではない。
定(DSC220C:セイコー電子工業(株)製、昇温
速度40℃/min)により得られたもので、ポリプロ
ピレン重合部分に由来するものをいう。従って本質的に
ホモ、ブロックあるいはランダムといったポリプロピレ
ン系樹脂のポリマータイプによっては大きく変わるもの
ではない。
【0009】このような物性を有するポリプロピレン系
樹脂として、ホモポリプロピレン、プロピレン−エチレ
ンブロック共重合体、ガラス転移温度が−5℃以上のプ
ロピレン−エチレンランダム共重合体等が挙げられる。
樹脂として、ホモポリプロピレン、プロピレン−エチレ
ンブロック共重合体、ガラス転移温度が−5℃以上のプ
ロピレン−エチレンランダム共重合体等が挙げられる。
【0010】(イ) ホモポリプロピレン ホモポリプロピレンはプロピレンの単独重合体、もしく
は結晶性を損なわない程度の微量のエチレンとの共重合
である。高い剛性を維持するためには、沸騰n−ヘキサ
ンで6時間抽出後の残分が90重量%以上、望ましくは
95重量%の高結晶性ポリプロピレンが望ましい。更に
立体規則性が高く、重量平均分子量が60,000〜700,000
程度のものが好ましい。重量平均分子量が60,000未満で
あると室温での耐衝撃性が悪く、700,000 を超えると流
動性が低下し成形性に問題がある。
は結晶性を損なわない程度の微量のエチレンとの共重合
である。高い剛性を維持するためには、沸騰n−ヘキサ
ンで6時間抽出後の残分が90重量%以上、望ましくは
95重量%の高結晶性ポリプロピレンが望ましい。更に
立体規則性が高く、重量平均分子量が60,000〜700,000
程度のものが好ましい。重量平均分子量が60,000未満で
あると室温での耐衝撃性が悪く、700,000 を超えると流
動性が低下し成形性に問題がある。
【0011】(ロ) プロピレン−エチレンブロック共重合
体 プロピレン−エチレンブロック共重合体は、主として
(i)プロピレンホモ重合部分と(ii)プロピレン−エチレ
ンランダム共重合体部分とからなる。プロピレン−エチ
レンブロック共重合体中のプロピレン−エチレンランダ
ム共重合体の含有量は0.1 〜30重量%が好ましい。
体 プロピレン−エチレンブロック共重合体は、主として
(i)プロピレンホモ重合部分と(ii)プロピレン−エチレ
ンランダム共重合体部分とからなる。プロピレン−エチ
レンブロック共重合体中のプロピレン−エチレンランダ
ム共重合体の含有量は0.1 〜30重量%が好ましい。
【0012】(i) プロピレンホモ重合部分 プロピレンホモ重合部分は、プロピレンの単独重合部で
ある。高い剛性を維持するためには、沸騰n−ヘキサン
で6時間抽出後の残分が90重量%以上、望ましくは95
重量%以上の高結晶性ポリプロピレンであることが望ま
しい。
ある。高い剛性を維持するためには、沸騰n−ヘキサン
で6時間抽出後の残分が90重量%以上、望ましくは95
重量%以上の高結晶性ポリプロピレンであることが望ま
しい。
【0013】(ii)プロピレン−エチレンランダム共重合
体部分 プロピレン−エチレンランダム共重合体部分におけるエ
チレン含有量は25〜75重量%であるのが好ましく、30〜
60重量%であるのがより好ましい。
体部分 プロピレン−エチレンランダム共重合体部分におけるエ
チレン含有量は25〜75重量%であるのが好ましく、30〜
60重量%であるのがより好ましい。
【0014】プロピレン−エチレンブロック共重合体の
製造方法としては、あらかじめ別個にプロピレン及び
エチレンを重合させることによって各部分を製造し、そ
れらを混合する方法、一つの重合反応系中でプロピレ
ン及びエチレンを多段重合する方法等が挙げられる。
製造方法としては、あらかじめ別個にプロピレン及び
エチレンを重合させることによって各部分を製造し、そ
れらを混合する方法、一つの重合反応系中でプロピレ
ン及びエチレンを多段重合する方法等が挙げられる。
【0015】(ハ) ランダムポリプロピレン プロピレンと微量のエチレンとのランダム共重合体であ
るランダムポリプロピレンのガラス転移温度は−5℃以
上が好ましい。ガラス転移温度が−5℃未満であると剛
性、融点の低下が大きく耐熱性が損なわれる。また、メ
ルトフローレート(MFR 、230 ℃、2.16kg荷重)はホモ
プロピレンと同様な理由で、0.1 〜1000g/10分が好ま
しく、より好ましくは1〜500 g/10分である。
るランダムポリプロピレンのガラス転移温度は−5℃以
上が好ましい。ガラス転移温度が−5℃未満であると剛
性、融点の低下が大きく耐熱性が損なわれる。また、メ
ルトフローレート(MFR 、230 ℃、2.16kg荷重)はホモ
プロピレンと同様な理由で、0.1 〜1000g/10分が好ま
しく、より好ましくは1〜500 g/10分である。
【0016】(b) 非晶性ポリマー 本発明のポリプロピレン樹脂組成物を製造するのに使用
する非晶性ポリマーはポリプロピレンの非晶相と良好な
相溶性をもつことが必要である。
する非晶性ポリマーはポリプロピレンの非晶相と良好な
相溶性をもつことが必要である。
【0017】使用する非結晶性ポリマーのガラス転移温
度Tg2 は−10℃以下とし、好ましくは−20〜−150 ℃と
する。Tg2 が−10℃より高い場合、目的とするポリプロ
ピレン樹脂組成物のガラス転移温度Tgが−5℃以下に下
がらず、従って延性−脆性転移温度の低下が十分でな
い。なおガラス転移温度の測定方法は前述のポリプロピ
レン系樹脂組成物のガラス転移温度の測定方法と同じで
ある。
度Tg2 は−10℃以下とし、好ましくは−20〜−150 ℃と
する。Tg2 が−10℃より高い場合、目的とするポリプロ
ピレン樹脂組成物のガラス転移温度Tgが−5℃以下に下
がらず、従って延性−脆性転移温度の低下が十分でな
い。なおガラス転移温度の測定方法は前述のポリプロピ
レン系樹脂組成物のガラス転移温度の測定方法と同じで
ある。
【0018】上記のような物性を有する非晶性ポリマー
として、アタクチックポリプロピレン、低分子量エチレ
ン・α−オレフィン共重合体、ポリイソプレン水素添加
物等が挙げられる。
として、アタクチックポリプロピレン、低分子量エチレ
ン・α−オレフィン共重合体、ポリイソプレン水素添加
物等が挙げられる。
【0019】(イ) アタクチックポリプロピレン アタクチックポリプロピレンはホモポリプロピレン重合
の際、アイソタクチックポリプロピレンと同時に重合さ
れるものであり、一般のポリプロピレンにも非常に少量
ではあるが含まれている。一般にアタクチックポリプロ
ピレンは重合度が低く、結晶性が無い。このためにガラ
ス転移温度も一般の重合度のポリプロピレンと比べると
低い。またポリプロピレンとの相溶性は非常に良好であ
る。このようなアタクチックポリプロピレンはホモポリ
プロピレンの熱n−ヘプタン可溶分として抽出すること
が出来る。またホモポリプロピレンを熱キシレンに溶解
し、その溶液を室温まで冷却後、キシレン可溶分として
も分離することができる。
の際、アイソタクチックポリプロピレンと同時に重合さ
れるものであり、一般のポリプロピレンにも非常に少量
ではあるが含まれている。一般にアタクチックポリプロ
ピレンは重合度が低く、結晶性が無い。このためにガラ
ス転移温度も一般の重合度のポリプロピレンと比べると
低い。またポリプロピレンとの相溶性は非常に良好であ
る。このようなアタクチックポリプロピレンはホモポリ
プロピレンの熱n−ヘプタン可溶分として抽出すること
が出来る。またホモポリプロピレンを熱キシレンに溶解
し、その溶液を室温まで冷却後、キシレン可溶分として
も分離することができる。
【0020】(ロ) 低分子量エチレン・α−オレフィン共
重合体 エチレン・α−オレフィン共重合体としては、エチレン
−プロピレン共重合体ゴム、エチレン−プロピレン−ジ
エン共重合体ゴム等が挙げられる。
重合体 エチレン・α−オレフィン共重合体としては、エチレン
−プロピレン共重合体ゴム、エチレン−プロピレン−ジ
エン共重合体ゴム等が挙げられる。
【0021】エチレン−プロピレンゴム(EPR)は、
エチレンの含有率が10〜90モル%、より好ましい範囲
は、エチレンが20〜50モル%である。低分子量エチレン
・α−オレフィン共重合体の数平均分子量は、ポリプロ
ピレンとの相溶性の面から3万以下であるのが好まし
く、より好ましくは1万以下である。
エチレンの含有率が10〜90モル%、より好ましい範囲
は、エチレンが20〜50モル%である。低分子量エチレン
・α−オレフィン共重合体の数平均分子量は、ポリプロ
ピレンとの相溶性の面から3万以下であるのが好まし
く、より好ましくは1万以下である。
【0022】(ハ) 共役ジエンから成るポリマー、コポリ
マー、オリゴマー及びその水素添加物 ブタジエン、イソプレン等の共役ジエンから成るポリマ
ー、コポリマー、オリゴマーの100%水素添加物は、
ポリオレフィンと同様の構造を持っており、(ロ) と同様
な低分子量物であれば、ポリプロピレンの非晶部分と相
溶するため用いることができる。また、同様に低分子量
物で水素添加率0〜100 %のものも用いることができ
る。共役ジエンから成るポリマー、コポリマー、オリゴ
マー及びその水素添加物は単独でも使用できるが、ポリ
スチレン等を5〜40重量%の割合で共重合することが
できる。また他にポリプロピレンと相溶する共役ジエン
から成る分子量の高いポリマー、コポリマーも使用する
ことができる。
マー、オリゴマー及びその水素添加物 ブタジエン、イソプレン等の共役ジエンから成るポリマ
ー、コポリマー、オリゴマーの100%水素添加物は、
ポリオレフィンと同様の構造を持っており、(ロ) と同様
な低分子量物であれば、ポリプロピレンの非晶部分と相
溶するため用いることができる。また、同様に低分子量
物で水素添加率0〜100 %のものも用いることができ
る。共役ジエンから成るポリマー、コポリマー、オリゴ
マー及びその水素添加物は単独でも使用できるが、ポリ
スチレン等を5〜40重量%の割合で共重合することが
できる。また他にポリプロピレンと相溶する共役ジエン
から成る分子量の高いポリマー、コポリマーも使用する
ことができる。
【0023】[2] 配合比 各成分の配合割合は、ポリプロピレン樹脂組成物におい
て、非晶性ポリマーのポリプロピレン非晶中への相溶化
量(X重量%)が、前記ポリプロピレン系樹脂中に下記
式 (I)の範囲内とする。配合割合が少なすぎると得られ
るポリプロピレン樹脂組成物のガラス転移温度が−5℃
以下には下がらず、十分な効果が得られない。一方、配
合割合が多すぎると、得られるポリプロピレン樹脂組成
物の結晶性が30%以下になるために、剛性の低下が激
しい。
て、非晶性ポリマーのポリプロピレン非晶中への相溶化
量(X重量%)が、前記ポリプロピレン系樹脂中に下記
式 (I)の範囲内とする。配合割合が少なすぎると得られ
るポリプロピレン樹脂組成物のガラス転移温度が−5℃
以下には下がらず、十分な効果が得られない。一方、配
合割合が多すぎると、得られるポリプロピレン樹脂組成
物の結晶性が30%以下になるために、剛性の低下が激
しい。
【式2】 Cpp:ポリプロピレン系樹脂の結晶化度(重量%) Tg1 :ポリプロピレン系樹脂のガラス転移温度(℃) Tg2 :非晶性ポリマーのガラス転移温度(℃)
【0024】さらに、必要に応じて本組成物の特性を損
なわない程度にゴム成分や無機フィラーを添加してもよ
い。
なわない程度にゴム成分や無機フィラーを添加してもよ
い。
【0025】本発明のポリプロピレン樹脂組成物には、
改質を目的として、その他の添加剤、例えば熱安定剤、
耐候剤、耐銅剤、酸化防止剤、光安定剤、難燃剤、可塑
剤、帯電防止剤、離型剤、発泡剤、顔料等を添加するこ
とができる。
改質を目的として、その他の添加剤、例えば熱安定剤、
耐候剤、耐銅剤、酸化防止剤、光安定剤、難燃剤、可塑
剤、帯電防止剤、離型剤、発泡剤、顔料等を添加するこ
とができる。
【0026】[3] ポリプロピレン樹脂組成物の製造方法 本発明のポリプロピレン樹脂組成物を得るには、上記成
分を一軸押出機、二軸押出機等の押出機を用いて、160
〜300 ℃、好ましくは170 〜250 ℃で溶融混練するこ
と、あるいは溶液ブレンド法あるいはリアクターブレン
ド法によって得ることができる。
分を一軸押出機、二軸押出機等の押出機を用いて、160
〜300 ℃、好ましくは170 〜250 ℃で溶融混練するこ
と、あるいは溶液ブレンド法あるいはリアクターブレン
ド法によって得ることができる。
【0027】
【作用】本発明のポリプロピレン樹脂組成物は、ポリプ
ロピレンの非晶部分にポリプロピレンよりもガラス転移
温度が低い非晶性ポリマーが相溶化しているためポリプ
ロピレン樹脂組成物のガラス転移温度が低下し、延性−
脆性転移温度の低下がみられた。
ロピレンの非晶部分にポリプロピレンよりもガラス転移
温度が低い非晶性ポリマーが相溶化しているためポリプ
ロピレン樹脂組成物のガラス転移温度が低下し、延性−
脆性転移温度の低下がみられた。
【0028】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説
明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0029】各実施例あるいは比較例に使用した成分は
以下の通りである。 HPP:ホモポリプロピレン (J209、東燃化学(株)製、重量平均分子量(Mw):
30万、数平均分子量(Mn):6万、Tg:0℃) RPP:ランダムポリプロピレン(J409 、東燃化学
(株)製、エチレン含量:2.6 wt%、重量平均分子量(M
w):29万、数平均分子量(Mn):6万、Tg:−4℃) APP1:アタクチックポリプロピレン (合成例1で製造した。重量平均分子量(Mw):0.5 万、
数平均分子量(Mn):0.1 万、Tg:−31℃) APP2:アタクチックポリプロピレン (重量平均分子量(Mw):15万、数平均分子量(Mn):5
万、Tg:−5℃) EPR1:エチレン−プロピレン共重合体ゴム (エチレン含量:30wt%、重量平均分子量(Mw):15万、
数平均分子量(Mn):5万、Tg:−46℃) EPR2:エチレン−プロピレン共重合体ゴム (合成例2で製造したEPR1の熱分解物。エチレン含
量:30wt%、重量平均分子量(Mw):2万、数平均分子量
(Mn):0.9 万、Tg:−58℃) EPR3:エチレン−プロピレン共重合体ゴム (EP941P、日本合成ゴム(株)製、エチレン含
量:73wt%、重量平均分子量(Mw):15万、数平均分子量
(Mn):5万、Tg:−44℃) PIP:ポリイソプレン (1,4 結合:25重量%、3,4 結合:55重量%、Tg:−12
℃)−スチレン(20重量%)ブロック共重合体の水添物
以下の通りである。 HPP:ホモポリプロピレン (J209、東燃化学(株)製、重量平均分子量(Mw):
30万、数平均分子量(Mn):6万、Tg:0℃) RPP:ランダムポリプロピレン(J409 、東燃化学
(株)製、エチレン含量:2.6 wt%、重量平均分子量(M
w):29万、数平均分子量(Mn):6万、Tg:−4℃) APP1:アタクチックポリプロピレン (合成例1で製造した。重量平均分子量(Mw):0.5 万、
数平均分子量(Mn):0.1 万、Tg:−31℃) APP2:アタクチックポリプロピレン (重量平均分子量(Mw):15万、数平均分子量(Mn):5
万、Tg:−5℃) EPR1:エチレン−プロピレン共重合体ゴム (エチレン含量:30wt%、重量平均分子量(Mw):15万、
数平均分子量(Mn):5万、Tg:−46℃) EPR2:エチレン−プロピレン共重合体ゴム (合成例2で製造したEPR1の熱分解物。エチレン含
量:30wt%、重量平均分子量(Mw):2万、数平均分子量
(Mn):0.9 万、Tg:−58℃) EPR3:エチレン−プロピレン共重合体ゴム (EP941P、日本合成ゴム(株)製、エチレン含
量:73wt%、重量平均分子量(Mw):15万、数平均分子量
(Mn):5万、Tg:−44℃) PIP:ポリイソプレン (1,4 結合:25重量%、3,4 結合:55重量%、Tg:−12
℃)−スチレン(20重量%)ブロック共重合体の水添物
【0030】合成例1 APP:アタクチックポリプロピレンの製造 HPPを熱キシレン(約 130℃)に溶解し、その溶液を
室温まで冷却後、真空ろ過によりキシレン可溶分、不溶
分を分離した。その後ロータリーエバポレータによりキ
シレン可溶分からキシレンを除去後、得られたサンプル
を真空乾燥器中で80℃、24時間乾燥し、APPサンプル
を得た。
室温まで冷却後、真空ろ過によりキシレン可溶分、不溶
分を分離した。その後ロータリーエバポレータによりキ
シレン可溶分からキシレンを除去後、得られたサンプル
を真空乾燥器中で80℃、24時間乾燥し、APPサンプル
を得た。
【0031】合成例2 EPR2:EPR1の熱分解品の製造 EPR1をガラス容器中で窒素下、305℃で4時間熱
分解を行いEPR2を得た。
分解を行いEPR2を得た。
【0032】実施例1 HPP(90重量%)とAPP(10重量%)とを熱キシレ
ン(約130 ℃)に溶かし、その溶液を大量のメタノール
を用いて再沈して目的の樹脂組成物を得た。
ン(約130 ℃)に溶かし、その溶液を大量のメタノール
を用いて再沈して目的の樹脂組成物を得た。
【0033】そのサンプルを用い、熱分析測定(DSC
220C:セイコー電子工業(株)製)にてガラス転移
温度(Tg)、融点(Tm)、融解熱(ΔHm)を測定した。
またサンプルを小型射出成形機(CS−183MMX:
CSI製)により200℃にて溶融後金型温度:50℃
でIzod試験片(2mm厚)を成型し、各温度でのI
zod強度を測定し、図1に示すようにして延性−脆性
転移温度を求めた。更に23℃での破壊形態を観察し破
壊特性の評価を行った。組成及び測定、観察結果を表1
に、また各温度でのIzod衝撃強度の測定結果を図1
に示す。
220C:セイコー電子工業(株)製)にてガラス転移
温度(Tg)、融点(Tm)、融解熱(ΔHm)を測定した。
またサンプルを小型射出成形機(CS−183MMX:
CSI製)により200℃にて溶融後金型温度:50℃
でIzod試験片(2mm厚)を成型し、各温度でのI
zod強度を測定し、図1に示すようにして延性−脆性
転移温度を求めた。更に23℃での破壊形態を観察し破
壊特性の評価を行った。組成及び測定、観察結果を表1
に、また各温度でのIzod衝撃強度の測定結果を図1
に示す。
【0034】実施例2〜4 HPPとAPPとの比率を80重量%:20重量%、70重量
%:30重量%及び60重量%:40重量%とした以外は、実
施例1と同様にして再沈し、実施例1と同様にしてガラ
ス転移温度(Tg)、融点(Tm)、融解熱(ΔHm)、23
℃での破壊形態を観察した。組成及び測定結果を表1に
示す。
%:30重量%及び60重量%:40重量%とした以外は、実
施例1と同様にして再沈し、実施例1と同様にしてガラ
ス転移温度(Tg)、融点(Tm)、融解熱(ΔHm)、23
℃での破壊形態を観察した。組成及び測定結果を表1に
示す。
【0035】実施例5 実施例2でAPPのかわりにEPR2を用いた以外は実
施例2と同様にして再沈し、実施例1と同様にしてガラ
ス転移温度(Tg)、融点(Tm)、融解熱(ΔHm)、を測
定した。組成及び測定結果を表1に示す。
施例2と同様にして再沈し、実施例1と同様にしてガラ
ス転移温度(Tg)、融点(Tm)、融解熱(ΔHm)、を測
定した。組成及び測定結果を表1に示す。
【0036】実施例6 実施例3でAPPのかわりにEPR2を用いた以外は実
施例3と同様にして目的の樹脂組成物を得た。得られた
樹脂組成物を用いて実施例1と同様にしてガラス転移温
度(Tg)、融点(Tm)、融解熱(ΔHm)を測定し、Iz
od強度の温度依存性から延性−脆性転移温度を求め
た。組成及び測定結果を表1に示す。
施例3と同様にして目的の樹脂組成物を得た。得られた
樹脂組成物を用いて実施例1と同様にしてガラス転移温
度(Tg)、融点(Tm)、融解熱(ΔHm)を測定し、Iz
od強度の温度依存性から延性−脆性転移温度を求め
た。組成及び測定結果を表1に示す。
【0037】実施例7 実施例2でHPPのかわりにRPPを用いた以外は実施
例2と同様にして目的の樹脂組成物を得た。得られた樹
脂組成物を用いて実施例1と同様にしてガラス転移温度
(Tg)、融点(Tm)、融解熱(ΔHm)、を測定し、Iz
od強度の温度依存性から延性−脆性転移温度を求め
た。組成及び測定結果を表1に示す。
例2と同様にして目的の樹脂組成物を得た。得られた樹
脂組成物を用いて実施例1と同様にしてガラス転移温度
(Tg)、融点(Tm)、融解熱(ΔHm)、を測定し、Iz
od強度の温度依存性から延性−脆性転移温度を求め
た。組成及び測定結果を表1に示す。
【0038】実施例8 実施例4でAPPのかわりにPIPを用いた以外は実施
例4と同様にして再沈し、実施例1と同様にしてガラス
転移温度(Tg)、融点(Tm)、融解熱(ΔHm)、を測定
した。組成及び測定結果を表1に示す。
例4と同様にして再沈し、実施例1と同様にしてガラス
転移温度(Tg)、融点(Tm)、融解熱(ΔHm)、を測定
した。組成及び測定結果を表1に示す。
【0039】比較例1 実施例1でAPPを添加しなかった以外は実施例1と同
様にして目的の樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物
を用いて実施例1と同様にしてガラス転移温度(Tg)、
融点(Tm)、融解熱(ΔHm)、を測定し、Izod強度
の温度依存性から延性−脆性転移温度を求めた。組成及
び測定結果を表1に示す。
様にして目的の樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物
を用いて実施例1と同様にしてガラス転移温度(Tg)、
融点(Tm)、融解熱(ΔHm)、を測定し、Izod強度
の温度依存性から延性−脆性転移温度を求めた。組成及
び測定結果を表1に示す。
【0040】比較例2 比較例1のPPをRPPに変えた以外は比較例1と同様
にして目的の樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物を
用いて実施例1と同様にしてガラス転移温度(Tg)、融
点(Tm)、融解熱(ΔHm)、を測定し、Izod強度の
温度依存性から延性−脆性転移温度を求めた。組成及び
測定結果を表1に示す。
にして目的の樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物を
用いて実施例1と同様にしてガラス転移温度(Tg)、融
点(Tm)、融解熱(ΔHm)、を測定し、Izod強度の
温度依存性から延性−脆性転移温度を求めた。組成及び
測定結果を表1に示す。
【0041】比較例3 実施例2のAPP1をAPP2に変えた以外は実施例2
と同様にして目的の樹脂組成物を得た。得られた樹脂組
成物を用いて実施例1と同様にしてガラス転移温度(T
g)、融点(Tm)、融解熱(ΔHm)、を測定し、Izo
d強度の温度依存性から延性−脆性転移温度を求めた。
組成及び測定結果を表1に示す。
と同様にして目的の樹脂組成物を得た。得られた樹脂組
成物を用いて実施例1と同様にしてガラス転移温度(T
g)、融点(Tm)、融解熱(ΔHm)、を測定し、Izo
d強度の温度依存性から延性−脆性転移温度を求めた。
組成及び測定結果を表1に示す。
【0042】比較例4 実施例2のAPP1をEPR3に変えた以外は実施例2
と同様にして目的の樹脂組成物を得た。得られた樹脂組
成物を用いて実施例1と同様にしてガラス転移温度(T
g)、融点(Tm)、融解熱(ΔHm)、を測定し、Izo
d強度の温度依存性から延性−脆性転移温度を求めた。
組成及び測定結果を表1に示す。
と同様にして目的の樹脂組成物を得た。得られた樹脂組
成物を用いて実施例1と同様にしてガラス転移温度(T
g)、融点(Tm)、融解熱(ΔHm)、を測定し、Izo
d強度の温度依存性から延性−脆性転移温度を求めた。
組成及び測定結果を表1に示す。
【0043】 表1 樹脂分組成(重量%) ガラス転移温度(℃) 例NO. PP 非晶性ポリマー PP 非晶性ポリマー 組成物 実施例1 HPP(90) APP1(10) 0 -34 - 8 実施例2 HPP(80) APP1(20) 0 -34 -11 実施例3 HPP(70) APP1(30) 0 -34 -14 実施例4 HPP(60) APP1(40) 0 -34 -18 実施例5 HPP(80) EPR2(20) 0 -58 -12 実施例6 HPP(70) EPR2(30) 0 -58 -20 実施例7 RPP(80) APP1(20) -4 -34 -14 実施例8 HPP(60) PIP (40) 0 -12 - 7 比較例1 HPP(100) − 0 − 0 比較例2 RPP(100) − -4 − - 4 比較例3 HPP(80) APP2(20) 0 - 5 - 2 比較例4 HPP(80) EPR3(20) 0 -44 0, -44
【0044】 表1(続き) Tm △Hm 延性−脆性 Izod強度(23℃) 23℃での例NO. (℃) (J/g) 転移温度(℃) (kgf・cm/cm) 破壊挙動 実施例1 162 107 13 3.0 延性破壊 実施例2 161 92 9 4.0 延性破壊 実施例3 160 78 6 4.5 延性破壊 実施例4 160 72 3 4.6 延性破壊 実施例5 161 94 8 4.0 延性破壊 実施例6 160 80 0 4.8 延性破壊 実施例7 149 70 5 4.1 延性破壊 実施例8 160 74 13 3.2 延性破壊 比較例1 161 117 20 2.5 脆性破壊 比較例2 150 90 14 2.7 延性破壊 比較例3 160 97 17 2.2 脆性破壊 比較例4 161 94 19 3.1 脆性破壊
【0045】表1から明らかなように、実施例1〜8で
は、ポリプロピレンと非晶質ポリマーが相溶したこと
で、比較例1のポリプロピレンに比べ、ガラス転移温度
が5℃以上低下している。また、それに伴い延性−脆性
転移温度も低下し、室温でのIzod衝撃強度が向上
し、破壊挙動も脆性破壊から延性破壊に変化している。
これに対しRPP(比較例2)の場合には、ガラス転移
温度は比較例1のホモポリプロピレンに比べて4℃低下
しているが、融点が10℃以上低下し、耐熱性が低下して
いることが分かる。
は、ポリプロピレンと非晶質ポリマーが相溶したこと
で、比較例1のポリプロピレンに比べ、ガラス転移温度
が5℃以上低下している。また、それに伴い延性−脆性
転移温度も低下し、室温でのIzod衝撃強度が向上
し、破壊挙動も脆性破壊から延性破壊に変化している。
これに対しRPP(比較例2)の場合には、ガラス転移
温度は比較例1のホモポリプロピレンに比べて4℃低下
しているが、融点が10℃以上低下し、耐熱性が低下して
いることが分かる。
【0046】また結晶性の尺度である融解熱及び融点を
比較すると、各実施例と比較例1のポリプロピレンの場
合、APP1、EPR2あるいはPIPを添加しても融
点の低下はほとんどなく、融解熱もそれぞれの成分の添
加量相当分の減少しかしていない。またRPPの場合も
実施例7と比較例2で融点の低下はほとんどなく、融解
熱の低下もAPP1添加量相当分の減少しかない。この
ことにより耐熱性の低下はほとんどなく、剛性の低下も
非晶性ポリマーの添加量分だけであることが分かる。
比較すると、各実施例と比較例1のポリプロピレンの場
合、APP1、EPR2あるいはPIPを添加しても融
点の低下はほとんどなく、融解熱もそれぞれの成分の添
加量相当分の減少しかしていない。またRPPの場合も
実施例7と比較例2で融点の低下はほとんどなく、融解
熱の低下もAPP1添加量相当分の減少しかない。この
ことにより耐熱性の低下はほとんどなく、剛性の低下も
非晶性ポリマーの添加量分だけであることが分かる。
【0047】さらにこのような系にポリプロピレンに相
溶しない一般的な高分子量のEPR成分を入れた比較例
4の場合、Tgは相溶していないEPRに起因する−44
℃とポリプロピレンのTgである0℃の2つのTgが現
れる。よってこの場合、脆性−延性転移温度の低下は見
られない。
溶しない一般的な高分子量のEPR成分を入れた比較例
4の場合、Tgは相溶していないEPRに起因する−44
℃とポリプロピレンのTgである0℃の2つのTgが現
れる。よってこの場合、脆性−延性転移温度の低下は見
られない。
【0048】これらのことから、本発明のポリプロピレ
ン樹脂組成物は、ポリプロピレンと比較して剛性が低下
せず、耐熱性もほぼ同様でありながら、ポリプロピレン
よりも優れた耐衝撃性を有することが分かる。
ン樹脂組成物は、ポリプロピレンと比較して剛性が低下
せず、耐熱性もほぼ同様でありながら、ポリプロピレン
よりも優れた耐衝撃性を有することが分かる。
【0049】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
−10℃以下のガラス転移温度を有する非晶性ポリマー
を、ポリプロピレン系樹脂の非晶質部分に分子レベルで
相溶し、その相溶量を前記式(1) の範囲にすることで、
ポリプロピレン樹脂組成物のガラス転移温度が−5℃以
下となり、その結果ポリプロピレン系樹脂と耐熱性が同
じでありながらポリプロピレン系樹脂よりも延性−脆性
転移温度が低く、優れた耐衝撃性のポリプロピレン樹脂
組成物を得ることができる。
−10℃以下のガラス転移温度を有する非晶性ポリマー
を、ポリプロピレン系樹脂の非晶質部分に分子レベルで
相溶し、その相溶量を前記式(1) の範囲にすることで、
ポリプロピレン樹脂組成物のガラス転移温度が−5℃以
下となり、その結果ポリプロピレン系樹脂と耐熱性が同
じでありながらポリプロピレン系樹脂よりも延性−脆性
転移温度が低く、優れた耐衝撃性のポリプロピレン樹脂
組成物を得ることができる。
【0050】本発明によるポリプロピレン樹脂組成物
は、自動車の内外装部品、家電部品及び電装部品等に用
いる工業材料に適している。
は、自動車の内外装部品、家電部品及び電装部品等に用
いる工業材料に適している。
【図1】本発明のポリプロピレン樹脂組成物の各温度で
のIzod強度の測定結果を示すグラフである。
のIzod強度の測定結果を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藤田 祐二 東京都中央区築地四丁目1番1号 東燃化 学株式会社内 (72)発明者 西尾 武純 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 野村 孝夫 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内
Claims (5)
- 【請求項1】 (a) ポリプロピレン系樹脂と、(b) 前記
ポリプロピレン系樹脂中の非晶部分と相溶性が良好で−
10℃以下のガラス転移温度を有する非晶性ポリマーと
からなり、前記ポリプロピレン系樹脂中の非晶部分に前
記非晶性ポリマーが相溶化していることを特徴とするポ
リプロピレン部に由来するガラス転移温度が−5℃以下
及び30%以上の結晶化度を有するポリプロピレン樹脂
組成物。 - 【請求項2】 請求項1に記載のポリプロピレン樹脂組
成物において、前記非晶性ポリマーの含有量(X重量
%)が、前記ポリプロピレン樹脂組成物の結晶化度(C
pp%)、ポリプロピレン系樹脂(a) のガラス転移温度
(Tg1 (℃))非晶性ポリマー(b) のガラス転移温度
(Tg2 (℃))により式(I)に示される範囲であるこ
とを特徴とするポリプロピレン樹脂組成物。 【式1】 Cpp:ポリプロピレン樹脂組成物の結晶化度(%) Tg1 :ポリプロピレン系樹脂(a) のポリプロピレン部分
のガラス転移温度(℃) Tg2 :非晶性ポリマー(b) のガラス転移温度(℃) - 【請求項3】 請求項1又は2に記載のポリプロピレン
樹脂組成物において、前記ポリプロピレン系樹脂がホモ
ポリプロピレン、プロピレン−エチレンブロック共重合
体及び−5℃以上のガラス転移温度のランダムポリプロ
ピレンからなる群から選ばれたものであることを特徴と
するポリプロピレン樹脂組成物。 - 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載のポリプ
ロピレン樹脂組成物において、前記非晶性ポリマーが数
平均分子量3万以下のアタクチックポリプロピレンおよ
び又は数平均分子量3万以下で10〜90重量%のエチレン
含有量を有するエチレン・α−オレフィン共重合体であ
ることを特徴とするポリプロピレン樹脂組成物。 - 【請求項5】 請求項1に記載のポリプロピレン樹脂組
成物において、前記非晶性ポリマーがポリプロピレン系
樹脂の非晶部分と相溶性のある、共役ジエンモノマーか
らなるポリマー、コポリマーおよびそれらの水素添加物
のいずれか1以上よりなることを特徴とするポリプロピ
レン樹脂組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6256260A JPH0892439A (ja) | 1994-09-26 | 1994-09-26 | ポリプロピレン樹脂組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6256260A JPH0892439A (ja) | 1994-09-26 | 1994-09-26 | ポリプロピレン樹脂組成物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0892439A true JPH0892439A (ja) | 1996-04-09 |
Family
ID=17290177
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6256260A Pending JPH0892439A (ja) | 1994-09-26 | 1994-09-26 | ポリプロピレン樹脂組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0892439A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2000239463A (ja) * | 1999-02-22 | 2000-09-05 | Fina Technol Inc | 強靱な高い結晶性フイルムに有用な組成物 |
JP2001512771A (ja) * | 1997-08-12 | 2001-08-28 | エクソンモービル・ケミカル・パテンツ・インク | アイソタクチックポリプロピレンとアルファ−オレフィン/プロピレンコポリマーとの熱可塑性ポリマーブレンド |
JP2009006708A (ja) * | 2007-05-29 | 2009-01-15 | Sumitomo Chemical Co Ltd | 熱可塑性樹脂成形体及びその製造方法 |
EP3018152A1 (en) | 2014-11-05 | 2016-05-11 | Lotte Chemical Corporation | Thermoplastic resin composition for 3d printer filaments |
-
1994
- 1994-09-26 JP JP6256260A patent/JPH0892439A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001512771A (ja) * | 1997-08-12 | 2001-08-28 | エクソンモービル・ケミカル・パテンツ・インク | アイソタクチックポリプロピレンとアルファ−オレフィン/プロピレンコポリマーとの熱可塑性ポリマーブレンド |
JP2000239463A (ja) * | 1999-02-22 | 2000-09-05 | Fina Technol Inc | 強靱な高い結晶性フイルムに有用な組成物 |
JP2009006708A (ja) * | 2007-05-29 | 2009-01-15 | Sumitomo Chemical Co Ltd | 熱可塑性樹脂成形体及びその製造方法 |
EP3018152A1 (en) | 2014-11-05 | 2016-05-11 | Lotte Chemical Corporation | Thermoplastic resin composition for 3d printer filaments |
US10214658B2 (en) | 2014-11-05 | 2019-02-26 | Lotte Chemical Corporation | Method of three-dimensional printing |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US20120184676A1 (en) | Compatiblised polyolefin compositions | |
US7446147B2 (en) | Propylene resin composition | |
CA2153625C (en) | Polypropylene resin composition | |
KR100785839B1 (ko) | 수지 조성물 및 그것으로 이루어지는 성형체 | |
JP5274441B2 (ja) | 樹脂組成物及びその成形体 | |
JP5542911B2 (ja) | 射出成形に適したポリオレフィンマスターバッチ及び組成物 | |
KR20020070111A (ko) | 폴리프로필렌 수지 조성물 및 그의 제조 방법 | |
JP2000508688A (ja) | 熱可塑性エラストマー | |
US20220112324A1 (en) | Propylene Resin Composition With Excellent Melt Flowability And Impact Resistance | |
JP2007092050A (ja) | プロピレン系樹脂組成物、その製造方法および射出成形体 | |
JPH0892439A (ja) | ポリプロピレン樹脂組成物 | |
AU669503B2 (en) | Impact-resistant polyolefin molding composition | |
EP0683206B1 (en) | Thermoplastic polypropylene composition containing a butadiene-isoprene based block copolymer | |
US6166134A (en) | Polypropylene resin composition with tapered triblock copolymer | |
JP2010144047A (ja) | プロピレン系樹脂組成物及びその成形体 | |
JP3238575B2 (ja) | 自動車内装用樹脂組成物 | |
JP2000281862A (ja) | 耐傷付き性に優れるエラストマー組成物 | |
JPH03122145A (ja) | 高衝撃強さを有するポリオレフィン組成物 | |
US6242532B1 (en) | Polymer blends of olefin elastomers, syndiotactic polypropylene and styrene-butadiene-styrene copolymers, method of blending, products made therefrom, and method of making products | |
CN111148788A (zh) | 多峰无规多相聚丙烯组合物 | |
JP2001019827A (ja) | 傷付き性に優れるエラストマー組成物 | |
JP3847979B2 (ja) | 成形用エラストマー状組成物及び成形品 | |
JP3847978B2 (ja) | ポリプロピレン系組成物 | |
JPH0841259A (ja) | ポリオレフィン系樹脂組成物 | |
KR20220070968A (ko) | 치수안정성이 우수한 폴리프로필렌계 복합수지 조성물 |