JPH0891127A - 車両用補助ステップの制御装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】乗降時の安全性を更に向上させる。 【構成】停車中のドア１０ｃの開放時に車体外方に突出
し、ドア閉止時に床下に収納する補助ステップ１１が車
両の乗降口下方の床下に設けられる。車両は補助ステッ
プを駆動するアクチュエータ１２と、アクチュエータを
制御する制御回路１３とを備える。補助ステップの先端
近傍に補助ステップ上の乗降者の有無を検知する光電ス
イッチ１７が設けられる。制御回路は光電スイッチの検
出出力に基づいて補助ステップの収納動作を補助ステッ
プ上に乗降者がいる場合に禁止し補助ステップ上に乗降
者がいない場合に許容するようにアクチュエータを制御
する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は車両に乗降する際のステ
ップに関する。更に詳しくは、車両停車中のドア開放時
に車体外方に突出しドア閉止時に収納される車両用補助
ステップの制御装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来バス、ワゴン型車両において可動式
の乗降用の補助ステップを設けているものがある。この
補助ステップは車両停車時のドア開放時にドアに設けら
れたスイッチからの信号により乗降口下方の床下から車
体外方に突出して、乗員又は乗客がその補助ステップを
踏むことで乗降の助けをし、乗員又は乗客の乗降性の向
上を図ることができる。一方、ドアが閉止した状態では
ドアに設けられたスイッチからの信号により乗降口下方
の床下に収納され、車両走行時の安全を図ることができ
るようになっている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかし、このような補
助ステップはドアに設けられたスイッチからの信号によ
り突出動作又は収納動作を行うため、補助ステップ上に
乗降者がいるにもかかわらず乗降者の手が誤ってスイッ
チに触れた場合や、或いはドアのがたつき等によるスイ
ッチの誤作動により補助ステップが収納動作をする恐れ
があった。本発明の目的は、補助ステップ上の乗降者の
有無を検知して補助ステップ上に乗降者がいる場合に補
助ステップの収納動作を禁止することにより乗降時の安
全性を更に向上させることができる車両用補助ステップ
の制御装置を提供することにある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明の構成を、実施例に対応する図１を用いて説明
する。本発明は、乗降口下方の床下に設けられ車両１０
停車中のドア１０ｃ開放時に車体外方に突出しドア１０
ｃ閉止時に床下に収納する補助ステップ１１と、その補
助ステップ１１を駆動するアクチュエータ１２と、その
アクチュエータ１２を制御する制御回路１３とを備えた
車両用補助ステップの制御装置の改良である。その特徴
ある構成は、補助ステップの先端近傍に補助ステップ上
の乗降者の有無を検知する光電スイッチ１７が設けら
れ、制御回路１３は光電スイッチ１７の検出出力に基づ
いて補助ステップ１１の収納動作を補助ステップ上に乗
降者がいる場合に禁止し補助ステップ上に乗降者がいな
い場合に許容するようにアクチュエータ１２を制御する
ところにある。

【０００５】

【作用】光電スイッチ１７により検出された補助ステッ
プ１１上の乗降者の有無の検出出力に基づいて、制御回
路１３は補助ステップ１１の収納動作を補助ステップ上
に乗降者がいる場合にアクチュエータ１２の動作を停止
させて禁止し、補助ステップ上に乗降者がいない場合に
アクチュエータ１２を動作させて許容する。

【０００６】

【実施例】次に本発明の一実施例を図面に基づいて詳し
く説明する。図３に示すように、車両である大型バス１
０の乗降口下方の床下には補助ステップ１１が設けられ
る。本実施例における補助ステップ１１は、図１に示す
ように、スライドステップであり、補助ステップ１１を
駆動するアクチュエータは電気式のモータ１２である。
図２に示すように、床下に張り出したサイドステップ１
０ｂからプレート１１ａを介して懸垂支持されたガイド
レール１１ｂ内にローラ１１ｃを係合させた補助ステッ
プ１１が車体外方に向って移動可能に取付けられる。

【０００７】駆動源である電気式のモータ１２は、図１
に示すように、ステップ１１近傍に設けられる。モータ
１２の回転軸には平板状の駆動用アーム１２ａが設けら
れ、モータ１２により回転するようになっている。アー
ム１２ａ先端には長円の孔１２ｂが設けられ、補助ステ
ップ１１の下面に設けられる係止用凸部１１ｄと係合す
るようになっている。係止用凸部１１ｄはアーム１２ａ
の図１の実線矢印で示すような回転により長円１２ｂ内
を摺動することで、図１の２点破線で示すように移動し
て、補助ステップ１１をガイドレール１１ｂに沿って出
入りさせるようになっている。

【０００８】車両には制御回路１３が設けられ、制御回
路１３の制御出力がモータ１２に接続される。ガイドレ
ール１１ｂには補助ステップ１１が床下に収容された状
態を検知するリミットスイッチ１４ａと、補助ステップ
１１が突出した状態を検知するリミットスイッチ１４ｂ
とが設けられる。これらのリミットスイッチ１４ａ，１
４ｂの検出出力は制御回路１３に接続される。制御回路
１３にはこの他にドア１０ｃに設けられドア１０ｃの開
放状態を検知するドア開閉スイッチ１６の出力と、補助
ステップ１１の先端近傍に設けられた補助ステップ上の
乗降者の有無を検知する光電スイッチ１７の出力とが接
続される。

【０００９】光電スイッチ１７は発光部１７ａと受光部
１７ｂから構成され、本実施例では補助ステップ先端の
両側に設けられた膨出部１１ｅ，１１ｅにそれぞれ取付
けられる。光電スイッチ１７は発光部１７ａから光が放
射して、放射された光を受光部１７ｂが受けるか否かに
より補助ステップ１１上の乗降者の有無を検知すること
ができるようになっている。制御回路１３はドア開閉ス
イッチ１６からの信号によりモータ１２を駆動し、補助
ステップ１１を停車中のドア１０ｃの開放時に車体外方
に突出させ、ドア１０ｃ閉止時に床下に収納させるよう
になっている。

【００１０】本実施例における制御回路１３を含む電気
回路構成図を図４に示す。制御回路１３には４個の電磁
リレー１８，１９，２１，２２が使用される。電磁リレ
ー１８，２１はそのコイル部１８ａ，２１ａに電流が流
れるとスイッチ部１８ｂ，２１ｂを閉じる常開リレーで
あり、電磁リレー１９，２２はそのコイル部１９ａ，２
２ａに電流が流れるとスイッチ部１９ｂ，２２ｂが開く
常閉リレーである。電磁リレー１８と１９及び２１と２
２はそれぞれ直列に接続され、電磁リレー１９，２２の
一端はバッテリ２３のマイナス側にそれぞれ接続され
る。電磁リレーのそれぞれのスイッチ部１８ｂ，１９ｂ
及び２１ｂ，２２ｂの接続箇所にはモータ１２が接続さ
れる。

【００１１】電磁リレー１８，２１のスイッチ部１８
ｂ，２１ｂはバッテリ２３のプラス側にそれぞれ接続さ
れる。バッテリ２３のプラス側にはドア開閉スイッチ１
６が接続され、ドア１０ｃが開放された場合には電磁リ
レー１８のコイル部１８ａを、ドア１０ｃが閉止された
場合には電磁リレー２１のコイル部２１ａを選択するよ
うになっている。ドア開閉スイッチ１６と電磁リレー１
８のコイル部１８ａとの間には補助ステップ１１が突出
した状態で開くリミットスイッチ１４ｂが接続される。
また、ドア開閉スイッチ１６と電磁リレー２１のコイル
部２１ａとの間には補助ステップ１１が収容された状態
で開くリミットスイッチ１４ａと、乗降者が載っている
と開く光電スイッチ１７とが直列に接続される。

【００１２】このように構成された車両用補助ステップ
の制御装置の動作を図４〜図８を用いて説明する。 (a)バス走行中又は停車中の動作（図４） この状態では４個の電磁リレーのコイル部はドア開閉ス
イッチ１６と、補助ステップ収容時のリミットスイッチ
１４ａとにより遮断され、モータ１２は電磁リレー１
８，２１がオフのため動作しないようになっている。

【００１３】(b)補助ステップの突出中の動作（図５） ドア１０ｃを開放すると、ドア開閉スイッチ１６が切換
わり、電磁リレー１８，１９のコイル部１８ａ，１９ａ
に電流が流れ、電磁リレー１８がオンになり、電磁リレ
ー１９はオフになる。これにより図５の実線矢印で示す
ように電流が流れ、モータ１２が補助ステップ１１を突
出させる方向に回転する。

【００１４】(c)補助ステップの突出動作の終了（図
６） モータ１２が回転して補助ステップ１１が移動すると補
助ステップ１１の収納状態を検知するリミットスイッチ
１４ａは閉じ、補助ステップが突出動作を終了するため
に補助ステップの突出状態を検知するリミットスイッチ
１４ｂは開く。これにより電磁リレー１８，１９のコイ
ル部１８ａ，１９ａに流れていた電流は遮断され、電磁
リレー１８はオフし、電磁リレー１９はオンになる。モ
ータ１２は電磁リレー１８がオフするためその回転を停
止して補助ステップ１１の突出動作を停止させる。

【００１５】(d)補助ステップの収納中の動作（図７） ドア１０ｃを閉止してドア開閉スイッチ１６を切換える
と、電磁リレー２１，２２のコイル部２１ａ，２２ａに
電流が流れ、電磁リレー２１はオンになり、電磁リレー
２２はオフになる。すると図７の実線矢印で示すように
電流が流れ、モータ１２が補助ステップ１１を収納させ
る方向に回転する。補助ステップ１１が移動を始めると
リミットスイッチ１４ｂは閉じて、補助ステップ１１が
完全に収納されると補助ステップが収納されたことを検
知するリミットスイッチ１４ａが開き図４に示す初期の
状態に戻る。

【００１６】(e)補助ステップが収納動作中の補助ステ
ップ上に乗降者が乗った場合（図８） 補助ステップの突出動作の終了（図６）において乗降者
が乗降中にドア開閉スイッチ１６の誤動作により補助ス
テップの収納中の動作（図７）になった場合、又は補助
ステップの収納中の動作（図７）に乗降者が誤って補助
ステップに乗ってしまった場合には、補助ステップ上に
乗降者がいる場合に光電スイッチ１７は開き、開閉スイ
ッチ１６と光電スイッチ１７により４個の電磁リレーの
コイル部は全て遮断され、モータ１２は電磁リレー１
８，２１がオフになるため動作しないようになる。

【００１７】なお、上記実施例ではアクチュエータに電
気式のモータを使用し４個の電磁リレーを使用した制御
回路により補助ステップの突出または収納動作を制御し
たが、図４〜図８の回路構成は一例であって、例えばア
クチュエータにステップ角制御のモータを使用し制御回
路としてマイクロコンピュータを使用してドア開度セン
サにより補助ステップを駆動してもよい。この場合光電
スイッチの検出出力はマイクロコンピュータに入力され
ることになる。また、上記実施例ではモータにより補助
ステップを駆動したが、圧縮エアのエア圧により駆動す
るシリンダによる駆動でもよい。更に、上記実施例では
モータにアームを取付けて回転により補助ステップを駆
動したが、補助ステップとモータにそれぞれギアを取付
けて補助ステップを駆動してもよい。

【００１８】

【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、補
助ステップの先端近傍に補助ステップ上の乗降者の有無
を検知する光電スイッチを設け、その検出出力に基づい
て制御回路により補助ステップの収納動作を補助ステッ
プ上に乗降者がいる場合に禁止し、補助ステップ上に乗
降者がいない場合に許容するので、補助ステップ上に乗
降者が乗っている場合には補助ステップが動作すること
はなく乗降時の安全性を更に向上させることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明実施例の補助ステップの制御装置を示す
構成図。

【図２】その補助ステップを側面から見た図３のＡ−Ａ
線断面図。

【図３】その補助ステップの制御装置を備えたバスの側
面図。

【図４】その車両が走行中又は停車中の制御回路を示す
図。

【図５】その車両の補助ステップが突出動作中の制御回
路を示す図。

【図６】その車両の補助ステップが突出動作終了の制御
回路を示す図。

【図７】その車両の補助ステップが収納動作中の制御回
路を示す図。

【図８】その車両の収納動作中の補助ステップ上に乗降
者が乗った場合の制御回路を示す図。

【符号の説明】

１０ 車両（大型バス） １０ｃ ドア １１ 補助ステップ １２ アクチュエータ（モータ） １３ 制御回路 １７ 光電スイッチ

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 乗降口下方の床下に設けられ車両(10)停
   車中のドア(10c)開放時に車体外方に突出し前記ドア(10
   c)閉止時に前記床下に収納する補助ステップ(11)と、前
   記補助ステップ(11)を駆動するアクチュエータ(12)と、
   前記アクチュエータ(12)を制御する制御回路(13)とを備
   えた車両用補助ステップの制御装置において、 前記補助ステップの先端近傍に前記補助ステップ上の乗
   降者の有無を検知する光電スイッチ(17)が設けられ、 前記制御回路(13)は前記光電スイッチ(17)の検出出力に
   基づいて前記補助ステップ(11)の収納動作を前記補助ス
   テップ上に乗降者がいる場合に禁止し前記補助ステップ
   上に乗降者がいない場合に許容するように前記アクチュ
   エータ(12)を制御することを特徴とする車両用補助ステ
   ップの制御装置。