JPH088812B2 - 移植装置 - Google Patents

移植装置

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JPH088812B2
JPH088812B2 JP4172819A JP17281992A JPH088812B2 JP H088812 B2 JPH088812 B2 JP H088812B2 JP 4172819 A JP4172819 A JP 4172819A JP 17281992 A JP17281992 A JP 17281992A JP H088812 B2 JPH088812 B2 JP H088812B2
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gear
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transplanting
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石田  伊佐男
裕之 新山
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、稲の苗や野菜の苗を
移植する農業用の移植機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、実開昭61−110219号公報
に開示された移植機があった。この従来の移植機は、回
転ケースの先端側側方に移植具が装着され、進行方向側
に位置する苗供給台から移植具の苗分割移植爪が前記回
転ケースの回転に伴って苗を分割して圃場に移植する形
態のもので、この回転ケース内における前記移植具の取
付軸の伝動を、ピッチ円が真円の太陽歯車を回転ケース
の回転軸に偏心させた状態で取付け、この太陽歯車から
同じピッチ円の偏心カウンター歯車と同じく偏心遊星歯
車を介して行ない、該太陽歯車の前記回転ケースに対す
る取付設定状態は、側面視において、太陽歯車の最大偏
心ピッチ半径側が水平面内の真後に向けられて取付けら
れた構成になっていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前記のような従来の移
植機では、太陽歯車が真円の歯車であって、その取付軸
の位置を偏心位置にして取付けた構成であるから回転ケ
ースが真下に向かった位置の植付状態にあるときを基準
にした場合、移植具の回転ケースに対する反回転角速度
は基準位置の前後において変動が殆ど生じない。このこ
とは、移植機が前進しながら移植するために移植爪が圃
場に突っ込みつつあるとき該移植爪を前方へ振り回すと
当然移植跡穴は大きくなるから、この突っ込み状態時は
移植具取付軸の回転は遅い方が望ましく、逆に前述の通
り抜け出るときは速い方がよいけれども、従来の偏心太
陽歯車を使ったものでは前記の理想的な伝動構成にでき
ず、どうしても、移植後の植え跡穴を小さくすることが
できず、移植後に苗が倒れたり、水田移植では苗が水面
に浮き上がってしまうと謂うような問題点があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】この発明は、従来の課題
を解決するために、回転ケース21の先端側に装着され
た移植具30の苗分割移植爪32が、回転ケース21の
回転に伴って苗供給装置15から苗を分割して圃場に移
植する移植装置16において、該回転ケース21内にお
ける移植具30の取付軸29への伝動機構を、回転ケー
ス21の回転軸心部に設けられた太陽歯車25と、移植
具取付軸29と一体的に設けられた遊星歯車28と、太
陽歯車25と遊星歯車28との間に介装されたカウンタ
ー歯車26とによって構成すると共に、該各歯車25・
26・28を非円形の歯車にて構成した移植装置とした
ものである。
【0005】
【発明の作用効果】この発明によると、回転ケース21
内における移植具30の取付軸29への伝動機構を、回
転ケース21の回転軸心部に設けられた太陽歯車25
と、移植具取付軸29と一体的に設けられた遊星歯車2
8と、太陽歯車25と遊星歯車28との間に介装された
カウンター歯車26とによって構成すると共に、該各歯
車25・26・28を非円形の歯車にて構成したので、
理想的な移植爪32の軌跡を取ることができ、また、移
植爪32の作動速度も苗の植付けに最適に設定でき移植
時の移植爪32による植え跡穴を非常に小さくして、移
植後の苗の倒れや水田移植時の浮き苗の発生を少なくす
ることができる。
【0006】
【実施例】この発明の一実施例である乗用型田植機を図
面に基づき詳細に説明する。1は乗用牽引車で、操縦ハ
ンドル2で操縦される左右一対の駆動前輪3と、左右一
対の駆動後輪4とを装備した車体1aの上部に操縦座席
5を設けた構成になっている。6はエンジン、7はミッ
ションケース、8はPTO軸、9はステップを示す。
【0007】10は支柱で、前記車体1aの後端側から
立設され、前記座席5やステップ9を支えている。11
は移植機で、機枠を兼用する伝動ケース12と、この伝
動ケース12側に取付けられた苗分割口13aを形成す
る苗受枠13と左右に往復横移動する苗収容台14等で
構成される苗供給装置15と、この苗収容台14中の苗
を一株分づつ分割して取り出し下部の圃場に移植する移
植装置16と圃場を整地する整地フロート17・18等
からできている。
【0008】19は昇降リンク機構で、上下のリンクの
基部を前記支柱10に枢着し、上下のリンクの後部を縦
のリンクで枢結し、このリンクに前記伝動ケース12の
左右中間前部を前後方向の軸を介して回動自在に取付け
ている。20は油圧装置で、シリンダー側を前記車体1
aに取付け、ピストン側を前記上リンクに取付けて前記
移植機11を昇降可能にしている。
【0009】前記移植装置16について詳細に説明する
と、21は回転ケースで、前記伝動ケース12の後端側
の側方に突出して伝動回転される回転軸22に角軸嵌合
ならしめて止着している。23は軸受メダルで、前記回
転軸22をベアリング24を介して軸受するよう前記伝
動ケース12の側面に取付けられ、その先端側端面に係
止爪23aを形成している。
【0010】25は太陽歯車で、前記回転軸22に嵌合
挿通されて、この歯車のボス端面に前記軸受メタル23
の端面に形成の係止爪23aと係合する係止爪25’を
設け、該メタル23に対して回動しないように構成され
ている。そして、この太陽歯車25は、歯車のピッチサ
ークルの中心が無いものであり、前記回転軸22の軸心
イを基点にして円周を歯数で分配した角度の放射線上に
おいてピッチ半径が異なるように歯切り製作されてい
る。換言すると、従来の偏心歯車は、ピッチ径は一定で
あってその軸の中心をずらしたものであるのに対して、
この太陽歯車25はピッチサークルの中心が一点に定め
られない非円形の歯車である。
【0011】そして、この歯車25は、第5図に示すよ
うに前記軸心イからピッチ半径が一番遠い点ロと一番近
い点ハとが軸心イを通る一直線上になく、非対称な歯車
に形成されている。そして、前記の通り回転軸22に挿
通されて軸受メタル23に係止されて設定された状態
が、前記回転軸22の軸心イを中心とする水平線Xと垂
直線Yとで形成される座標の第4象限内の水平線Xから
略々45度の線上にピッチサークル半径が最大になるよ
う設けている。尚、ピッチサークル半径が最小なる位置
の点ハは第2象限の水平線Xに近づいた所に位置してい
る。このため、第3象限から第4象限の略々中間部まで
に位置する歯車のピッチサークルは軸心イからの距離の
変動が第1象限側の変動に対して大きくなっている。
【0012】26はカウンター歯車で、前記回転ケース
21に軸27を介して回転自在に設けられ、前記太陽歯
車25に噛み合っている。28は遊星歯車で、前記太陽
歯車25とピッチサークルが同一の歯車に設けられ、前
記回転ケース21に回転自在に軸受されて該回転ケース
21の外方へ突出する移植具取付軸29に一体的に楔着
されていて、前記カウンター歯車26に噛み合ってい
る。そして、前記回転ケース21とこの移植具取付け軸
29の回転数とは回転方向が逆であるが同一にしてあ
り、該移植具取付軸29が1回転中において角速度が変
動するようになっている。尚、各歯車の軸間は同一であ
る。
【0013】30は移植具で、ケース本体31aと上部
蓋31bと取付メタル31cとによって内部を中空に形
成した移植ケース31の先端外側に、基部側がU字状に
連結されて先端側が尖った一対の箸状の移植爪32を先
端が下方に向かうようにして取付け、この移植爪32の
後側に移植ケース31内から突出する昇降軸33に一体
状に設けられた押出爪34を設けている。そして、この
移植具30の前記メタル31cを前記移植取付軸29に
コッターピン35で固着している。
【0014】尚、前記ケース本体31aと取付メタル3
1cとは固着ボルト36、37を緩めると移植具取付軸
29の軸心を中心にして回動調節ができるようにメタル
軸に長孔38が穿たれている。39はカム体で、長い筒
軸40の先端側に一体に設けられ、この軸40の基部側
外周を角軸40aに形成して、前記回転ケース21外側
面から内方へ突込み、この突っ込まれる回転ケース21
側に該角軸40aに嵌合する角孔21aを設けてカム体
39が回転ケース21と一体で回転されるように構成さ
れている。
【0015】41は連動杆で、前後の中間部が軸42で
回動自在に取付けられ、この基部側を前記カム体39に
摺接ならしめ、先端側を前記昇降軸33に連結してい
る。43はばねで前記昇降軸33を弾下している。次に
上例の作用について説明する。上例の通りに構成した乗
用型の移植機を水田に乗り入れ、苗収容台14にマット
状の苗を載置収容ならしめた後に、エンジン6で各部を
伝動する。 すると、乗用牽引車1が前後輪3・3・4
・4の回転によって推進され、移植機11が昇降リンク
機構19を介して、整地フロート17・18で機体の一
部荷重が受けられた状態で牽引される。 そして、移植
機11の伝動ケース12内の伝動機構は、牽引車1側か
らPTO軸8で伝動され、回転軸22の回転によって回
転ケース21が回転される。
【0016】この回転ケース21の回転に伴い移植具取
付軸29が、太陽歯車25とこれに噛合うカウンター歯
車26及びこのカウンター歯車26に噛合う遊星歯車2
8によって回転ケース21とは反対側に該回転ケース2
1と同一回転数で伝動回転される。 そして、移植具取
付軸29は太陽歯車25、カウンター歯車26、遊星歯
車28の各非円形歯車によって伝動されるために1回転
中において角速度が変動するため、該移植具取付軸29
に取付けられた移植具30が回転ケース21に対して揺
動し、移植爪32の先端が真円とは異なる閉ループ状の
移植軌跡Pを描き、苗収容台14から苗を分割保持して
下部の圃場へ移植することになる。
【0017】これを、具体的に説明すると、太陽歯車2
5がその支軸の軸芯イからのピッチサークルが最大にな
る第5図の第4象限の中間部分に回転ケース21の先端
側が回動位置する時に移植具取付軸29が最大速度で回
動され、第2象限の水平線に近い部分で太陽歯車25の
ピッチサークルが軸芯イに一番近いからこの方向に回転
ケース21の先端側が向う時に移植具取付軸29が最低
速度で回転されることになる。
【0018】そして、回転ケース21の先端が垂直上よ
りもやや第2象限側に位置して傾いた部分において移植
具30の移植爪32が苗供給装置15から苗を分割し、
その後に下方へ回動して、第7図で示した回転ケース2
1が水平線よりも下方へ約40度回動した時に移植爪3
2が圃場に突入しはじめ、その後に第8図で示した垂直
線上である真下を向いた時に苗を開放し、この垂直線か
ら後方へ約25度回動した第9図の状態で移植爪32が
圃場から脱出して移植爪32で保持した苗が移植され、
第10図の状態を経て元の第6図の状態に復帰する。
【0019】即ち、移植爪32が圃場に介入している時
の回動ケース21の回転中の角度範囲は、前記の太陽歯
車25の取付軸の軸芯イを中心として水平線Xと垂直線
Yとで形成される座標において、約218度〜295度
の間であり、この間における移植具30の回転ケース2
1に対する反転速度は低速状態から高速状態になる部分
であり、回転ケース21の先端が圃場に一番接近する前
記座標上の270度の時に概むね移植爪32が圃場中に
一番深く入るが、突入してからこの時点までの回転ケー
ス21の回転速度に対する移植具30の回転速度の比率
に対して、一番深く突入した時点から抜け出る295度
までの回転ケース21の回転速度に対する移植具30の
回転速度の比率を大きくしている。従って、移植機が前
進しながら移植爪32が圃場中へ入って行く間はその介
入速度が遅いために移植爪32が前方へ移動することが
少なく、逆に移植爪32が一番深く入ってから圃場上へ
抜け出る間は速く前方上方へ振り回されることとなり、
瞬時に脱出するから苗移植後の植え跡穴が極めて前後方
向に小さくなる。
【0020】これを理解し易くするために、太陽歯車2
5とこれに噛み合って遊星回転されるカウンター歯車2
6との1回転(0度〜360度)中の回転角度のずれ
(角変位)と角速度の比率(角速比)を表した第11図
で説明する。この図において、点線Aで示したものが、
真円の太陽歯車と真円のカウンター歯車との噛み合い伝
動による両歯車の噛み合い回転角度の変化を示したもの
であり、この場合は同じ角度変化をきたすから当然45
度の直線状に現われる。これに対して、真円歯車の軸芯
を偏心させた偏心歯車の組合せによる第13図〜第17
図に示す従来装置の太陽歯車25aとカウンター歯車2
6aとの噛み合いでは、本願発明の実施例と同じ関係位
置に太陽歯車25aを設定しても、第13図で示すよう
に太陽歯車25aが軸芯イからピッチサークルまでが一
番遠い部分ロ′を結ぶ直線上に軸芯イからピッチサーク
ルまでが一番近い部分ハ′が位置する線対称にできてい
るから一点鎖線Bで示した通りの180度の交差点を対
称にした曲線状に現われる。そして、この発明の実施例
の通り、非円形歯車の組合せの噛み合いによると、18
0度の交点よりも速い時点で45度の点線Aに交差した
実線Cの通りに現われる。
【0021】即ち、この実線Cでは噛み合いのいずれが
概略太陽歯車側を基準にして270度のところで頂点ニ
になり、この頂点ニを中心にカウンター歯車の角速度が
減速から増速側に移ることが読み取れる。この実線Cか
ら両歯車25と26の角速度比を求めて線図にしたのが
実線Dであり、この実線Dから、180度の水平線Eよ
りも下位側ではカウンター歯車の角速度は真円歯車の伝
動における角速度の場合よりも減速されたところであ
り、上位側が増速されるところである。従って、太陽歯
車25を基準にすると略々270度よりも前位(矢印F
側)で減速、後位(矢印R側)で増速であり、この27
0度の位置を移植具30の移植爪32が圃場中の一番深
くに侵入するようにすると植え跡穴が最小になることが
ら理解できる。
【0022】第12図は、太陽歯車25と遊星歯車28
との1回転(0度〜360度)の角変位と角速比とを第
11図の場合と同じようにして表したものであり、前記
の第11図の線図A〜DとA′〜D′とは同じ傾向であ
るが、その傾向が倍増された形になっている。尚、前
記、第13図で示した偏心太陽歯車25aによる場合の
移植軌跡P′を本案の実施例で説明した第6図〜第9図
と同じ関係の状態を第14図〜第17図で示し、これを
比較してみると、本案の植え跡穴の前後寸法L1に対し
て、この偏心太陽歯車25aの場合には植え跡穴の前後
寸法L2が相当大きいことが明白であり、この軌跡Pと
P′は走行が停止状態の場合であるが、これを走行中の
移植状態で3.3平方メートル当りに70株を移植する
場合の実質移植軌跡P1とP1′とを第6図と第14図で
示すと、植え跡穴が本発明では極めて小さくなることが
明白である。
【0023】以上の説明から理解できる通り、太陽歯車
25が固定される設定状態が、前述の座標内で第4象限
の略々中間部附近に支軸の軸芯イからピッチサークルが
一番遠いところに来るようにし、しかも、この太陽歯車
25のピッチサークルの軸芯イから一番近い部分が、軸
芯イとピッチサークルが一番遠い点とを結ぶ直線の延長
線とピッチサークルとが交差する点よりも下位側にして
回転ケース21の回転方向で、軸芯イからピッチサーク
ルが近い点から遠い点との間の角度を180度以下にし
てピッチサークルの変動を大きくし、この間において移
植具30の移植爪32が移植時になるように設定したか
ら、この移植爪32による植え跡穴を小さくでき、移植
後における苗の倒伏や浮き苗を少なくできた。
【図面の簡単な説明】
【図1】乗用型田植機の全体側面図
【図2】乗用型田植機の全体平面図
【図3】移植装置の側面図
【図4】移植装置の平断面図
【図5】太陽歯車の設定状態を示した側面図
【図6】作用状態を説明する簡略側面図
【図7】作用状態を説明する簡略側面図
【図8】作用状態を説明する簡略側面図
【図9】作用状態を説明する簡略側面図
【図10】作用状態を説明する簡略側面図
【図11】歯車の噛合ずれを角速比率で表した説明図
【図12】歯車の噛合ずれを角速比率で表した説明図
【図13】従来の太陽歯車の設定状態を示した側面図
【図14】従来の使用状態を説明する簡略側面図
【図15】従来の使用状態を説明する簡略側面図
【図16】従来の使用状態を説明する簡略側面図
【図17】従来の使用状態を説明する簡略側面図
【符号の説明】
1 乗用牽引車 11 移植機 15 苗供給装置 16 移植装置 21 回転ケース 22 回転軸 25 太陽歯車 26 カウンター歯
車 28 遊星歯車 29 移植具取付軸 30 移植具 32 苗分割移植爪 R ピッチサークル半径

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転ケース21の先端側に装着された移
    植具30の苗分割移植爪32が、回転ケース21の回転
    に伴って苗供給装置15から苗を分割して圃場に移植す
    る移植装置16において、該回転ケース21内における
    移植具30の取付軸29への伝動機構を、回転ケース2
    1の回転軸心部に設けられた太陽歯車25と、移植具取
    付軸29と一体的に設けられた遊星歯車28と、太陽歯
    車25と遊星歯車28との間に介装されたカウンター歯
    車26とによって構成すると共に、該各歯車25・26
    ・28を非円形の歯車にて構成したことを特徴とする移
    植装置。
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