JPH0886036A - コンクリート壁パネルの取付構造 - Google Patents

コンクリート壁パネルの取付構造

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JPH0886036A
JPH0886036A JP25990494A JP25990494A JPH0886036A JP H0886036 A JPH0886036 A JP H0886036A JP 25990494 A JP25990494 A JP 25990494A JP 25990494 A JP25990494 A JP 25990494A JP H0886036 A JPH0886036 A JP H0886036A
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Hideyuki Oshima
秀幸 大島
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 コンクリート壁パネルを構成している母材の
破壊が起こりにくく、かつ外部に対する露出面の見栄え
の悪化や水洩れの発生を解消できる構造躯体に対するコ
ンクリート壁パネルの取付構造を提供する 【構成】 コンクリート壁パネル(25)の小口面(2
6)にそれと垂直に盲穴(27)をあける。その盲穴に
中空棒状又は中実棒状のアンカー部材(29)を挿入す
る。そのアンカー部材の途中に直接螺刻した雌ねじ(3
0)に対して、フックボルト(31)の先端部を螺入す
る。フックボルトは側面L字形をなし、屈曲した基端部
(34)を建物の構造部材(23)に係止・固定する
と、コンクリート壁パネルは構造躯体に取り付けられ
る。前記アンカー部材(29)が予めコンクリート壁パ
ネル(25)内に埋め込まれていてもよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、コンクリート、特に軽
量気泡コンクリート(ALC)壁パネルを建物の構造躯
体に取り付ける構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、前記種類の構造として、最も典型
的には図4に示す構造が周知である。すなわち、前記構
造においては、建物のH形鋼からなる間柱1のフランジ
部2の両端に構造躯体の一種としての断面L字形の形鋼
3を垂直状に溶接固定し、前記形鋼3の2つのフランジ
部のうち間柱1と溶接されていない方のフランジ部4に
ALC壁パネル5が建て付けられている。
【0003】ALC壁パネル5の表側面には座掘り穴6
が所定の深さにあけられており、その座堀り穴6の底部
からALC壁パネル5の裏面に向かってボルトを通すこ
とが可能なボルト穴7があけられている。そして、側面
L形をなすフックボルト9の基端部10を前記フランジ
部4に係止可能な状態で、フックボルト9の先端部8を
前記ボルト穴7に対して挿入し、前記先端部8にワッシ
ャ11を外挿した後ナット12を螺入すると、前記周知
の取付構造となる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前記構造も相応した効
果を発揮しているが、次の点で改良の余地がある。まず
第1に、フックボルト9に対してナット12を締め付け
過ぎるとALC壁パネル5の母材が破壊し易いため、締
め付け具合の調整が困難である。また、締め付け具合を
調整してもフックボルト9付近に潜在応力が強く発生す
るので、建物の振動時にALC壁パネル5にひび割れ乃
至は破壊が生ずる虞がある。
【0005】第2に、前記座堀り穴6が外側に露出する
ので、前記母材と同種の材料で座掘り穴6を埋め戻す必
要がある。しかし埋め戻された箇所には壁パネルが長期
間外気にさらされると劣化して見栄えが悪くなるだけで
なく、両材料の隙間から水洩れを引き起こす虞がある。
本発明の課題は、母材破壊が起こりにくくかつ外部に対
する露出面の見栄えの悪化や水洩れの発生を解消できる
壁パネルの取付構造を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本請求項1の発明は、前
記の課題を解決するために、コンクリート壁パネルの小
口面にそれと垂直に盲穴をあけるとともに、その盲穴に
棒状又は管状のアンカー部材を挿入し、そのアンカー部
材の途中に直接螺刻した雌ねじに対して、基端部が建物
の構造部材に係止・固定される側面L字形をなす係止金
具の先端部を螺入するという手段を採用する。本請求項
2の発明は、アンカ部材が別の態様においてコンクリー
ト壁パネルに埋め込まれたアンカー部材の雌ねじに対し
て、基端部が建物の構造部材に係止・固定される側面L
字形をなすフックボルトの先端部を螺入するという手段
を採用する。
【0007】
【作用】請求項1の発明においては、従来技術における
フックボルトの先端部が、コンクリート壁パネルの小口
面から穿設された盲穴に挿入されたアンカー部材とパネ
ルの内部で係合しているので、パネルの表側に露出しな
い。外部に露出するような座掘り穴を必要としない。請
求項2の発明においても単にアンカ部材の埋設態様が異
なるだけであるので、前記同様の作用が生ずる。
【0008】
【実施例】次に、請求項1の発明を具体化した一実施例
を図面を参照しながら説明する。図1に示すように、こ
の実施例の壁パネル取付構造においては、建物の構造躯
体の一種としてのH形鋼からなる間柱21のフランジ部
22の両端に対して、前記同様構造躯体の一種である断
面L字形の形鋼23が、垂直状に溶接固定されている。
そして前記形鋼23の2つのフランジ部のうち間柱1と
溶接されていない方のフランジ部24にコンクリート壁
パネルとしてのALC横壁パネル25が建て込まれてい
る。
【0009】ALC横壁パネル25の短辺側小口面26
から面内方向(パネルの厚み方向に直交する方向)に盲
穴27が穿設されているとともに、ALC横壁パネル2
5の室内面から厚み(面外)方向に向かって、座掘り穴
(図示なし)が穿設されており、ALC壁パネル25の
内部で前記盲穴27と交差するようになっている。
【0010】前記盲穴27には、図2に示すような、中
空棒状(又は中実棒状)鋼製のアンカー部材29が挿入
されている。そのアンカー部材29の長手方向中央部に
は、雌ねじ30が直径方向に螺刻されている。そしてこ
の雌ねじ30には、側面L字形をなすフックボルト31
の先端部側本体32側の先端部に螺刻されている雄ねじ
33が螺合可能になっている。アンカー部材29とフッ
クボルト31とが係合して、前者は後者のアンカーとし
ての機能を発揮する。
【0011】前述フックボルト31の先端側本体32を
回転させて、該先端部本体32から90度の方向に屈曲
するフックボルト31の基端部34を形鋼23のフラン
ジ部24に係止させてからフックボルト1をその回動止
めのための溶接固定すると、ALC横壁パネル5は、形
鋼23、フックボルト31、アンカー部材29及び盲穴
27を介して、構造躯体の一部である形鋼23、ひいて
は間柱21に固定される。
【0012】このようにして形成された取付構造及びA
LC横壁パネルの構造躯体に対する取付作業において
は、次のような作用効果が発揮される。まず、取付金具
の部品点数が非常に少なく、すなわち、部品点数はアン
カー部材29と先端部に雄ねじを有するフックボルト3
1だけである。従来技術と異なり、ワッシャが不要であ
る。次に取付け作業が盲穴27及び座掘り穴の形成とフ
ックボルトの回転を停止させるのに必要最少限の溶接作
業だけである。構造躯体としての間柱21に固定された
ALC横壁パネル25の表面には座掘り穴が露出しない
ので、ALC壁パネル25の見栄えを悪くすることがな
いだけでなく、長期間使用しても従来技術のような水洩
れの心配がない。
【0013】本発明は前記の実施態様に限定されること
なく、その態様を一部変更して実施できる。例えば、A
LC横壁パネル25の両端部側に前記構造をそれぞれ1
箇所又は複数箇所設けることができるし、また横壁だけ
でなく縦壁に対しても適用できる。フックボルト31の
先端側本体32を回動させたとき、その基端部34とフ
ランジ部24との間に溶接で埋めることが困難な隙間が
生ずる場合は、その隙間に適当なスペーサを挿入させる
こともできる。
【0014】また、アンカー部材29をALC壁パネル
25に埋設する態様を図3に示すように変更することが
できる。すまわち、ALC壁パネル25に埋設されてい
る補強筋35に側面L字形の係止金具28を係止させ、
そのフランジ36に溶接固定された長ナットを面外方向
に配設してこれらの組み合わせ金具をALC壁パネル2
5を製造時に埋設する。そして、前記長ナットをアンカ
ー部材29として、その雌ねじ30にフックボルト31
の先端部33を螺入することによりフックボルト31を
図1に示したような構造躯体に係止させることもでき
る。この態様では前記実施例の態様よりも強固にALC
壁パネルを構造躯体に取り付けることができる。
【0015】この態様及び図1、2の態様において、A
LC壁パネル25に埋設されている補強筋35に前記ア
ンカー部材29が、直接的又は間接的に係止されるよう
にする。本発明は、ALC壁パネルに限定されることな
く、建設現場又は工場で容易に盲穴をあけることが可能
な材料から形成されている壁パネルならいずれのパネル
にも適用できる。
【0016】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明は、壁パネ
ルを構成している母材の破壊が起こりにくく、かつ外部
に対する露出面の見栄えの悪化や水洩れの発生を解消で
きるという優れた効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る実施例の要部斜視図。
【図2】アンカー部材とフックボルトの斜視図。
【図3】本発明の他の態様を示す要部斜視図。
【図4】周知技術を示す部分要断面図。
【記号の説明】
23 構造部材 25 コンクリート壁パネル 26 小口面 27 盲穴 29 アンカー部材 30 雌ねじ 31 フックボルト 33 先端部 34 基端部

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コンクリート壁パネル(25)の小口面
    (26)にそれと垂直に盲穴(27)をあけるととも
    に、その盲穴に中空棒状又は中実棒状のアンカー部材
    (29)を挿入し、そのアンカー部材の途中に、直接螺
    刻した雌ねじ(30)に対して、基端部(34)が建物
    の構造部材(23)に係止・固定される側面L字形をな
    すフックボルト(31)の先端部(33)を螺入してな
    るコンクリート壁パネルの取付構造。
  2. 【請求項2】 コンクリート壁パネル(25)に埋め込
    まれたアンカー部材(29)の雌ねじ(30)に対し
    て、基端部(34)が建物の構造部材(23)に係止・
    固定される側面L字形をなすフックボルト(31)の先
    端部(33)を螺入してなるコンクリート壁パネルの取
    付構造。
JP25990494A 1994-09-16 1994-09-16 Alc横壁パネルの取付構造 Expired - Lifetime JP2911373B2 (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN111549933A (zh) * 2020-05-13 2020-08-18 中冶交投善筑成都装配式建筑科技发展有限公司 一种采用全干式连接的低层装配式房屋结构及装配方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN111549933A (zh) * 2020-05-13 2020-08-18 中冶交投善筑成都装配式建筑科技发展有限公司 一种采用全干式连接的低层装配式房屋结构及装配方法

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JP2911373B2 (ja) 1999-06-23

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