JPH0885465A - 電動パワーステアリング装置 - Google Patents

電動パワーステアリング装置

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Publication number
JPH0885465A
JPH0885465A JP22383794A JP22383794A JPH0885465A JP H0885465 A JPH0885465 A JP H0885465A JP 22383794 A JP22383794 A JP 22383794A JP 22383794 A JP22383794 A JP 22383794A JP H0885465 A JPH0885465 A JP H0885465A
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JP
Japan
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electric
resistor
brush
output shaft
electric motor
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Application number
JP22383794A
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English (en)
Inventor
Yuichi Fukuyama
雄一 福山
Moritsune Nakada
守恒 中田
Masahiro Kubota
正博 久保田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】最適かつ安定したアシストトルクを付与可能な
電動パワーステアリング装置を提供することを目的とし
ている。 【構成】ピニオンシャフト4に、環状の整流子12が同
軸に固定される。整流子12は、本体12aが絶縁部材
によって形成され、且つ、円周方向に沿って4個の電気
抵抗体が所定間隔をあけて配置されている。一対のブラ
シ14は、ステアリングシャフト2側に固定されると共
に整流子12側に付勢されている。その一対のブラシ1
4は、初期状態では、整流子12の絶縁部分に摺接し、
また、相対回動変位に応じて電気抵抗体上をその延在方
向に沿って摺動可能となっている。電気抵抗体の延在方
向他端部に電気モータが接続されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電気モータによってア
シストトルクを付与する電動パワーステアリング装置に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の電動パワーステアリング装置とし
ては、例えば、特公平5−15592号(特開昭61−
9371号)公報に記載されているものがある。これ
は、操舵入力軸と出力軸とが、撓み可能なトルク伝達手
段を介して同軸に連結している。
【0003】出力軸の外周面には鉄心をなす筒体が同軸
に固定され、該筒体の外周面に通電線が巻回されて回転
子巻線が形成されている。さらに、その回転子巻線と径
方向で対向する位置に所定間隔をあけて複数対の磁石が
配設されて、その磁石及び回転子巻線によって電気モー
タが構成され、もって、上記出力軸に回転トルクを付与
可能となっている。
【0004】また、上記出力軸の外周に円筒状の整流子
が同軸に固定されている。この整流子の本体は絶縁部材
で構成されると共に、その外周面における対称位置に一
対の抵抗体が設けられている。その抵抗体は、それぞれ
円周方向に沿って延設されることで円弧形状をしてい
て、その一対の抵抗体の端部の離隔距離が等しく設定さ
れている。即ち、整流子の外周面における一対の抵抗体
の端部間位置は絶縁状態となっている。
【0005】また、上記整流子と径方向で対向する位置
に一対のブラシが配置されている。各ブラシは、それぞ
れ入力軸側に支持されていると共に、バネによって該整
流子に向けて付勢されていて、入力軸と出力軸との間の
相対回動変位に追従して該整流子外周面を円周方向に摺
動可能となっている。そして、入力軸と出力軸との間に
相対回動変位が生じていない初期状態では、該ブラシ
は、一対の抵抗体端部間の絶縁部分に摺接した状態に設
定されている。
【0006】さらに、上記一対の抵抗体は上記回転子巻
線の端部に接続され、また、一つのブラシがバッテリ等
の電源の端子に接続されている。そして、車両が直進走
行状態等,ステアリングホィールが操舵されない状態で
は、ブラシは整流子における絶縁部分に摺接しているた
めに、電気モータを構成する回転子巻線にはモータ電流
が流れず、即ち、電気モータが駆動されずに出力軸にア
シストトルク(回転トルク)が付与されない。
【0007】または、ステアリングホィールを操舵した
が、転舵輪の路面抵抗が小さく、入力軸と出力軸との間
に入力される捩じれトルクが小さいときにも、該入力軸
と出力軸との間の相対回動変位が小さいので、ブラシが
抵抗体に接触することなく、出力軸にアシストトルク
(回転トルク)が付与されない。一方、低速運転等の状
態でステアリングホィールを操舵するなど、転舵輪の路
面抵抗が大きい場合には、操舵トルクが大きくなるので
入力軸と出力軸との間の相対回転変位が大きくなる。こ
れによって、ブラシは抵抗体に摺接し、該ブラシ及び抵
抗体を介して、バッテリから該回転子巻線にモータ電流
が流れて電流トルクが生じる。これによって、出力軸に
所定のアシストトルク(回転トルク)が付与されて、操
舵トルクが軽減される。
【0008】このとき、上記路面抵抗,即ち操舵トルク
の大きさに比例して入力軸と出力軸との間の相対回動変
位が大きくなると、その相対回動変位角の大きさに比例
してブラシと抵抗体との間の接触面積が増加し、該接触
面積に比例した電流を回転子巻線に供給可能となってい
る。これによって、操舵トルクの大きさにリニアに比例
したアシストトルクを出力軸に付与可能となっている。
即ち、操舵トルクが小さい状態ではアシストトルクが小
さく、該操舵トルクが大きくなるにつれてアシストトル
クが大きく付与されて、操舵力が軽減される。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上記のような構成の電
動パワーステアリング装置では、操舵トルクが増加(減
少)すると、ブラシと抵抗体との接触面積が増加(減
少)し、接触抵抗が小(大)になることを利用して、電
気モータによるアシストトルクを増減するように設定さ
れている。
【0010】しかしながら、接触抵抗は、温度,湿度,
接触圧力等の変化によって変化して安定したトルク特性
が得られにくいという問題がある。またこのことは、操
舵トルクとアシストトルクの関係に対して微妙なチュー
ニングが実施し難いという問題もある。本発明は、上記
のような問題点に着目してなされたもので、最適かつ安
定したアシストトルクを付与可能な電動パワーステアリ
ング装置を提供することを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の電動パワーステアリング装置は、操舵入力
軸と出力軸とがトーションバーを介して同軸に接続され
ると共に該出力軸に断続可能に電気モータが接続され
て、上記入力軸と出力軸との相対回動変位角に応じたア
シストトルクを、上記電気モータを介して出力軸に付与
する電動パワーステアリング装置において、入力軸また
は出力軸の一方に固定されたブラシと、該入力軸または
出力軸の他方に固定されて該円周方向に沿って延在する
電気抵抗体とを備えると共に、上記ブラシ若しくは電気
抵抗体の一方に電源を接続し、且つ、該ブラシ若しくは
電気抵抗体の他方に電気モータを接続して構成されて、
上記ブラシは、入力軸と出力軸との相対回動変位角が所
定の回動角以上となった時点で、電気抵抗体の延在方向
一端部と摺接し、上記相対回動変位角が大きくなるに追
従して該電気抵抗体上をその延在方向他端部に向けて摺
動可能に設定され、また、該電気抵抗体の延在方向他端
部位置に、上記電源若しくは電気モータが接続されてい
ることを特徴としている。
【0012】このとき、請求項2に記載されているよう
に、上記電気抵抗体は、延在方向に沿った単位長さ当た
りの抵抗率を変えたことを特徴とする。電動パワーステ
アリング装置。または、請求項3に記載されているよう
に、上記トーションバーの捩じれ特性を、入力トルクに
対する捩じれ角を非線形に設定したことを特徴とする。
【0013】また、上記請求項1から請求項3のいずれ
かに記載された構成に対して、請求項4に記載されてい
るように、ブラシが電気抵抗体に接触して電気モータに
通電が開始される際の初期電流値が、上記電気モータに
回転トルクが発生する最低電流値よりも小さい値となる
だけの抵抗値を上記電気抵抗体に設定したことを特徴と
する。
【0014】
【作用】操舵トルクがゼロ又は小さい状態、即ち入力軸
と出力軸との間の相対回動変位角が小さい状態では、ブ
ラシが電気抵抗体に接触していないので、電気モータに
電流が供給されずにアシストトルクが発生しない。一
方、操舵輪の路面抵抗が大きく操舵トルクが大きくなる
につれて、上記相対回動変位角は大きくなる。そして、
該相対回動変位角が所定変位角となったときに、ブラシ
は、電気抵抗体における延在方向一端部に摺接する。さ
らに、相対回動変位角が大きくなるにつれて該ブラシ
は、電気抵抗体上を延在方向一端部から他端部に向けて
摺動する。
【0015】上記のように、所定以上の相対回動変位が
入力軸と出力軸との間に発生してブラシと電気抵抗体と
が摺接している状態では、該ブラシと電気抵抗体を介し
て電気モータに電流が供給され、該電気モータが駆動さ
れることで出力軸に所定の回転トルク(アシストトル
ク)が付与される。このとき、電気抵抗体の延在方向他
端部位置に電気モータまたは電源が接続されているの
で、その接続部を第1接続部と仮に呼称すると、電気抵
抗体中を流れる電流は、ブラシの摺接部と該第1接続部
との間を流れる。
【0016】上記ブラシの摺接位置は、上記相対回動変
位角が大きくなるにつれて電気抵抗体の延在方向一端部
位置から他端部位置に向けて移動するので、上記ブラシ
の摺接部と該第1接続部との間の距離は、相対回動変位
角が大きくなるにつれて小さくなる。このため、電源と
電気モータとの間の介装されている電気的抵抗値は、相
対回動変位角が大きくなるにつれて小さくなり、もっ
て、モータ電流が増加して電気モータから供給されるア
シストトルクが増加する。
【0017】このとき、アシストトルク値は、上記のよ
うに、電気抵抗体の延在方向他端部とブラシ摺接位置と
の間の抵抗値によって決定されることに鑑み、請求項2
に記載した構成を採用すると、ブラシの移動量に対する
電気抵抗体による抵抗値が非線形に変化するように構成
されて、操舵トルクの対するアシストトルクの関係を任
意に設定可能となる。
【0018】また、上記ブラシの移動量に対する抵抗値
が非線形になることは、電気抵抗体における消費電力
が、上記相対回動変位角の変化に対して非線形に変化す
るように設定可能となる。また、請求項3に記載された
ように設定すると、操舵トルクの変化に対するブラシの
移動量が非線形に設定され、請求項2に記載したように
電気抵抗体における単位長さ当たりの延在方向の抵抗率
を非線形に設定しなくても、即ち、従来と同様な電気抵
抗体を使用しても、操舵トルクの変化に対する電気抵抗
体による抵抗値の変化が非線形に設定され、もって操舵
トルクの対するアシストトルクの関係を任意に設定可能
となる。
【0019】さらに、請求項4に記載した構成を採用す
ると、電気モータによる回転トルクがゼロの状態から徐
々に大きくなるように構成され、アシストトルクの付与
が開始される時に、所定回転トルク値を有したアシスト
トルクが急激に出力軸へ付与されることが回避される。
【0020】
【実施例】本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
まず構成を説明すると、図1に示すように、ステアリン
グホィール1に入力軸であるステアリングシャフト2の
上端部が連結され、該ステアリングシャフト2は下方に
延びている。そのステアリングシャフト2の下端部は、
アシスト量調整機構3を介して出力軸であるピニオンシ
ャフト4に連結している。ピニオンシャフト4の下端部
は、水平に延びるラック5に噛合し、該ラック5とピニ
オンシャフト4によってステアリングギアを構成してい
る。
【0021】水平に延在するラック5の両端部は、それ
ぞれタイロッド6を介してナックル及び転舵輪7に接続
し、該ラック5が水平方向に移動することで左右の車輪
7が転舵するようになっている。また、上記ピニオンシ
ャフト4の上部には減速機8が固定され該減速機8に電
気モータ9の駆動軸が断続可能に連結している。
【0022】上記ステアリングシャフト2とピニオンシ
ャフト4との連結部は、図2に示すように、該ステアリ
ングシャフト2の下端部とピニオンシャフト4の上端部
とが同軸に配置され、その両者の間にトーションバー1
1が介装されている。該ステアリングシャフト2及びピ
ニオンシャフト4と該トーションバー11とは、例えば
ピン結合等によって連結している。
【0023】上記ピニオンシャフト4の外周には、図3
に示すように、環状の整流子12が同軸に固定されてい
る。その整流子12は、本体12aが絶縁部材によって
形成され、その外周面側の円周方向に沿って4個の電気
抵抗体17a,17b,18a,18bが所定間隔をあ
けて配置されている。この4個の電気抵抗体17a,1
7b,18a,18bは、それぞれ円周方向に延びる円
弧形状に成形され、また、隣合う2個づつが組となり、
かつ、対称位置に一対の電気抵抗体群をなしている。そ
して、組をなす電気抵抗体17a,17b、及び18
a,18bの隣合う端部同士が導線13で接続されてい
る。
【0024】その整流子12と径方向で対向する位置に
一対のブラシ14が配置されている。その一対のブラシ
14は、ステアリングシャフト2の本体からピニオンシ
ャフト4側に延びる筒部2aの端部に固定されて図示し
ないスプリングやゴム等の弾性体によって整流子12側
に付勢されている。この一対のブラシ14は、ステアリ
ングシャフト2とピニオンシャフト4との間に相対回動
変位が発生していない初期状態では、整流子12におけ
る導線13で接続されていない電気抵抗体17a,17
b、及び18a,18bの端部間(電気抵抗体群の端部
間)である絶縁部分に、所定の接触圧をもって摺接して
いる。
【0025】上記一対のブラシ14は、図示しないスリ
ップリングを介して電源であるバッテリ10に接続され
ている。また、各電気抵抗体17a,17b,18a,
18bを接続する導線13は、それぞれピニオンシャフ
ト4に固定された環状のスリップリング15に接続さ
れ、該スリップリング15を介して上記電気モータ9に
接続されている。
【0026】なお、R1 は抵抗で電気モータ9に供給さ
れる電流の最大値を規制するものである。次に、上記構
成の電動パワーステアリング装置の動作について説明す
る。直進走行などのステアリングホィール1を操舵しな
いか、又はステアリングホィール1の操舵が小さい状態
などでは、ステアリングシャフト2とピニオンシャフト
4との間に介装されたトーションバー11に付与される
捩じれトルクは、ゼロ若しくは小さい。
【0027】この状態では、ステアリングシャフト2と
ピニオンシャフト4との間の相対回動変位角が小さいの
で、ブラシ14は電気抵抗体17a,17b,18a,
18bに接触せず、電気モータ9に電流が付与されな
い。これにより、操舵トルクが所定値以上となるまで
は、ピニオンシャフト4にアシストトルクが付与される
ことはない。
【0028】さらに、ステアリングホィール1を操舵し
たときに車輪の路面抵抗が大きく、所定値以上の操舵ト
ルクが生じたときに、その操舵トルクに比例した量だけ
ステアリングシャフト2とピニオンシャフト4との間に
相対回動変位が発生する。このとき、ブラシ14は、電
気抵抗体17b,18bの延在方向一端部に向けて摺動
して該延在方向一端部に摺接する(図3中、Aの位
置)。これによって、該電気抵抗体17b,18bを介
して電気モータ9に所定のモータ電流が供給され、該モ
ータ電流に応じたアシストトルクが減速機8を介してピ
ニオンシャフト4に付与され、運転者による操舵が軽減
する。
【0029】このときには、電気抵抗体17b,18b
の延在方向一端部から他端部に向けて電流が流れるため
該電気抵抗体17b,18bによる抵抗値が大きく、即
ち、電気モータ9に供給されるモータ電流が小さいの
で、アシストトルクが小さい。続いて、上記状態からさ
らに操舵トルクが大きくなると、ブラシ14は、電気抵
抗体17b,18b上を延在方向一端部から他端部に向
けて移動する。
【0030】これによって、上記ステアリングシャフト
2とピニオンシャフト4との間の相対回動変位の増加分
だけ、電気抵抗体17b,18bにおける他端部とブラ
シ14との位置が近づきバッテリ10と電気モータ9と
の間の抵抗値が小さくなって、モータ電流、即ちアシス
トトルクが大きくなる。このように、本実施例では、操
舵トルクに比例したアシストトルクが付与される。な
お、上記操舵操作と反対側に操舵した場合には、ブラシ
14は、電気抵抗体17a,18a上を摺動して上記と
同様な作用・効果を有する。
【0031】このとき、電気抵抗体17a,17b,1
8a,18bにおける延在方向の他端部とブラシ14と
の間の物理的な距離によって、電気抵抗体17a,17
b,18a,18bの抵抗値を可変として電気モータ9
に供給する電流値を制御するので、温度や湿度等の変化
に対する影響を従来よりも小さく抑えることが可能とな
り、ステアリングホィール1に発生する操舵力に応じた
所望のアシストトルクを出力軸であるピニオンシャフト
4に付与可能となる。
【0032】なお、上記実施例のように電気モータ9を
別体に設けることなく、特開昭61−9371号公報に
記載されているように、ピニオンシャフト4と同軸に形
成して減速機8を省いてもよい。即ち、電気モータ9
は、上記構成に限定されず、モータ電流に応じた回転ト
ルクをピニオンシャフト4に付与可能であれば、他の公
知の構成を採用しても構わない。
【0033】また、上記実施例では、ブラシ14側を電
気モータ9に接続し、且つ、電気抵抗体17a,17
b,18a,18b側をバッテリ10に接続している
が、ブラシ14側をバッテリ10に接続し、且つ、電気
抵抗体17a,17b,18a,18b側を電気モータ
9に接続してもよい。次に、第2実施例について説明す
る。なお、上記実施例と同様な部材には同一の符号を附
して説明する。
【0034】第2実施例の電動パワーステアリング装置
の基本構成は、上記第1実施例と同様であり、整流子1
2の構成が相違している。即ち、図4又は図5に示すよ
うに、整流子12は、その本体12aが、内径がピニオ
ンシャフト4の外径よりも大径に設定されたリング状に
成形され、その本体12aに対して導線13からなる電
気抵抗体17a,17b,18a,18bを巻き付けて
構成されている。そして、該整流子12の本体12aか
らピニオンシャフト4に向けて延びる足部20によって
該ピニオンシャフト4に対して同軸に固定されている。
【0035】また、上記電気抵抗体17a,17b,1
8a,18bは、その径が、その長さ方向に徐々に太く
なっている導線13が使用されて、延在方向一端部から
他端部に向けて径が大きくなるように巻回されている。
また、ステアリングシャフト2側に固定されているブラ
シ14は、上記整流子12に側方から摺動可能に該整流
子12上に接触するように設定されている。
【0036】他の構成は、上記第1実施例と同様であ
る。この実施例では、電気抵抗体17a,17b,18
a,18bを構成する導線13の径を延在方向一端部か
ら他端部に向けて大きくなるように設定したので、電気
抵抗体17a,17b,18a,18bにおける単位体
積当たりの電力容量は、該延在方向一端部から他端部に
向けて増加するように設定されている。これによって、
各電気抵抗体17a,17b,18a,18bの単位長
さ当たりの抵抗率が延在方向に沿って非線形に設定され
る。
【0037】このとき、例えば、バッテリ10の電圧を
12Vとし、本実施例の電気モータ9の特性を図6に示
すように設定し、該電気モータ9の内部抵抗RM を0.
3Ω、最大電流を30Aとすると、電気抵抗体17a,
17b,18a,18bによる抵抗値がゼロのときにモ
ータ9電流が最大電流30Aになればよいから、抵抗R
1 は0.1Ωに設定する。
【0038】そして、上記第1実施例のように、相対回
動変位に対する抵抗値の変化が線形に設定した場合に
は、図7に示すように、相対回動変位が10度付近でア
シストトルクの増分が急激に増える。このため、相対回
動変位角が10度付近となるような操舵トルクが発生し
た場合に、操舵力が急変することとなり、操舵フィーリ
ングを悪化する。
【0039】またこのとき、図7から分かるように電気
抵抗体17a,17b,18a,18bの消費電力も急
激に上昇するので、電気抵抗体17a,17b,18
a,18bに対する熱設計も難しくなる。ここで、上記
消費電力が大きくなる理由を説明すると、まず、図8か
ら、下式で示される。
【0040】V=I×(RV +R1 +RM ) これを変形すると、 I=V/(RV +R0 ) ・・・(1) 但し,R0 =R1 +RM また、RV の消費電力をWとすると、 W=I2 ×RV ・・・(2) これに上記(1)式に代入して、 W=V2 ×RV ×(RV +R0 -2 これを微分すると、 (dW/dRV )=(V2 (R0 −RV ))/(RV
0 3 従って、RV =R0 のときにWが最大となる。
【0041】上記実施例ではR0 =0.3+0.1=
0.4Ωのときに、RV の消費電力Wは最大となり、そ
の値は、(2)式から90Wとなる。これに対して、第
2実施例では、上記相対変位角に対する電気抵抗体17
a,17b,18a,18bによる抵抗値を非線形に設
定できるので、例えば、図9に示すように、相対回動変
位角に対するアシストトルクの増分がほぼ線形になるよ
うに、上記相対変位角に対する電気抵抗体17a,17
b,18a,18bによる抵抗値を設定する。
【0042】このように設定した場合には、図9に示す
ように、運転者に対して急激な操舵力の変化の発生を防
止できると共に、電気抵抗体17a,17b,18a,
18bにおける消費電力の急変を抑えられて熱設計上有
利となる。また、ブラシ14が電気抵抗体17a,17
b,18a,18bにおける延在方向一端部に接触した
状態、即ち、電気抵抗体17a,17b,18a,18
bの初期抵抗値を、電気モータ9に供給されるモータ電
流値が該モータ9がアシストトルクを発生可能な電流値
よりも小さくなるように設定する。
【0043】例えば、図6に示す特性を備えた電気モー
タ9では、モータ電流が1A以下ではトルクが発生しな
いのでバッテリ10を12Vとすると電気抵抗体17
a,17b,18a,18bによる最大抵抗値が12−
0.4=11.6Ωとなるように設定する。このように
設定すると、アシストトルクの付与開始の際に、運転者
が握っているステアリングホィール1に入力される衝撃
を低減することが可能となる。
【0044】なお、上記実施例では、相対回動変位角に
対するアシストトルクの大きさが線形となるように、該
電気抵抗体17a,17b,18a,18bの延在方向
における単位体積当たりの電力容量を非線形に設定して
いるが、相対回動変位角に対するアシストトルクの大き
さが線形となるように設定することに限定されず、なだ
らかな曲線を描いてアシストトルクが上昇するように設
定してもよい。要は、相対回動変位角の増加に伴って急
激なアシストトルクの上昇が発生しないように設定でき
ればよい。
【0045】また、上記実施例では、電気抵抗体17
a,17b,18a,18bを構成する導線13の径を
変化させることで電気抵抗体17a,17b,18a,
18bの単位体積当たりの電力容量を非線形に設定して
いるが、延在方向に沿って導線13巻き付けに疎密を設
けて非線形に設定してもよい。または、第1実施例のよ
うな円弧形状の電気抵抗体17a,17b,18a,1
8bに対して、炭素等の含有量を延在方向に沿って徐々
に変更することで延在方向の単位体積当たりの電力容量
を非線形に設定してもよい。
【0046】例えば、図10に示すように、電気対向体
17a,17b,18a,18bに対して延在方向一端
部から他端部に向けて単位体積当たりの炭素含有量を線
形に増加するように設定すると、その電気抵抗体17
a,17b,18a,18bは、図10に示すような非
線形の抵抗値を持つようになる。または、電気抵抗体に
おけるピニオンシャフト4軸方向の幅を、延在方向に沿
って変えることで、該延在方向の単位長さ当たりの抵抗
率を非線形状態に設定してもよい。
【0047】次に、第3実施例について説明する。第3
実施例の構成は、上記第2実施例と同様な構成を備えて
いる。但し、上記のように単位長さ当たりの延在方向の
抵抗率が非線形となっている電気抵抗体を使用しない
で、電気抵抗体としては単位長さ当たりの延在方向の抵
抗率が線形となっている、第1実施例に記載されている
ような通常の電気抵抗体を採用している。
【0048】また、ステアリングシャフトとピニオンシ
ャフトとの間に介装されるトーションバーとして、その
捩じれ特性が、入力トルクに対する捩じれ角が非線形に
設定されたものを採用している。他の構成は、上記第1
実施例と同様である。この実施例では、トーションバー
に入力される操舵トルクに対して、該トーションバーの
捩じれ角が非線形に設定されているので、操舵トルクの
変化量に対して、各電気抵抗体上を移動するブラシの移
動が非線形に設定され、これによって、操舵トルクに対
する電気モータへの電流値が非線形となり、上記第2実
施例と同様の作用・効果を有する。
【0049】勿論、トーションバーとして上記のような
捩じれ特性を備えたものを採用すると共に、電気抵抗体
としても上記第2実施例で説明したような抵抗値が非線
形に設定されているものを採用しても構わない。なお、
上記全実施例では、電気抵抗体17aと18a、又は、
17bと18bとが同時かつ直列に接続されるので、上
記一方,例えば17aと17bだけを抵抗体とし他方1
8a,18bを導体に設定してもよい。
【0050】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明の電動
パワーステアリング装置では、操舵トルクの増減に応じ
て変化する抵抗値が、従来に比べて温度や湿度の変化に
対する影響が小さくなり、安定したアシストトルクを発
生可能となる。このとき、請求項2又は請求項3に記載
したような構成を採用することで、操舵トルクに対する
アシストトルクの大きさを任意に設定可能となり、ま
た、抵抗体の局部的な加熱を防止することも可能とな
る。
【0051】さらに、請求項4に記載した構成を採用す
ることで、アシストトルクの付与開始の際にステアリン
グホィールに入力される衝撃が低減可能となり、操舵フ
ィーリングが向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る実施例の電動パワーステアリング
装置を示す概略構成図である。
【図2】本発明に係る実施例のステアリングシャフトと
ピニオンシャフトとの連結部位置の構造を示す図であ
る。
【図3】本発明に係る実施例の整流子とブラシとの関係
を示す図である。
【図4】本発明に係る第2実施例のステアリングシャフ
トとピニオンシャフトとの連結部位置の構造を示す図で
ある。
【図5】本発明に係る第2実施例の整流子とブラシとの
関係を示す図である。
【図6】本発明に係る実施例の電気モータの特性を示す
図である。
【図7】本発明に係る実施例の抵抗値が線形に変化する
場合のアシストトルクと消費電力の関係を示す図であ
る。
【図8】本発明に係る実施例の消費電力を求めるための
図である。
【図9】本発明に係る実施例の抵抗値が非線形に変化す
る場合のアシストトルクと消費電力の関係の一例を示す
図である。
【図10】本発明に係る実施例の炭素含有量と抵抗値と
の関係を示す図である。
【符号の説明】
1 ステアリングホィール 2 ステアリングシャフト 4 ピニオンシャフト 5 ラック 7 車輪 8 減速機 9 電気モータ 10 バッテリ 11 トーションバー 12 整流子 12a 整流子の本体 13 導線 14 ブラシ 17a,17b,18a,18b 電気抵抗体

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 操舵入力軸と出力軸とがトーションバー
    を介して同軸に接続されると共に該出力軸に断続可能に
    電気モータが接続されて、上記入力軸と出力軸との相対
    回動変位角に応じたアシストトルクを、上記電気モータ
    を介して出力軸に付与する電動パワーステアリング装置
    において、 入力軸または出力軸の一方に固定されたブラシと、該入
    力軸または出力軸の他方に固定されて該円周方向に沿っ
    て延在する電気抵抗体とを備えると共に、上記ブラシ若
    しくは電気抵抗体の一方に電源を接続し、且つ、該ブラ
    シ若しくは電気抵抗体の他方に電気モータを接続して構
    成されて、上記ブラシは、入力軸と出力軸との相対回動
    変位角が所定の回動角以上となった時点で、電気抵抗体
    の延在方向一端部と摺接し、上記相対回動変位角が大き
    くなるに追従して該電気抵抗体上をその延在方向他端部
    に向けて摺動可能に設定され、また、該電気抵抗体の延
    在方向他端部位置に、上記電源若しくは電気モータが接
    続されていることを特徴とする電動パワーステアリング
    装置。
  2. 【請求項2】 上記電気抵抗体は、延在方向に沿った単
    位長さ当たりの抵抗率を変えたことを特徴とする請求項
    1に記載された電動パワーステアリング装置。
  3. 【請求項3】 上記トーションバーの捩じれ特性を、入
    力トルクに対する捩じれ角を非線形に設定したことを特
    徴とする請求項1又は請求項2に記載された電動パワー
    ステアリング装置。
  4. 【請求項4】 ブラシが電気抵抗体に接触して電気モー
    タに通電が開始される際の初期電流値が、上記電気モー
    タに回転トルクが発生する最低電流値よりも小さい値と
    なるだけの抵抗値を上記電気抵抗体に設定したことを特
    徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載された
    電動パワーステアリング装置。
JP22383794A 1994-09-19 1994-09-19 電動パワーステアリング装置 Pending JPH0885465A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102700601A (zh) * 2012-05-28 2012-10-03 黄革远 电控转向器

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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