JPH0885217A - インク・カートリッジ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 インク・ジェットタイプのプリンタ用のイン
ク・カートリッジであって、容易に潰すことができるも
のを提供する。 【構成】 インク・カートリッジ（１０）は、隣接する
壁パネルに弾性的に蝶番（３５、３６、４０、４８、５
２）で取付けられた複数の壁パネル（１６ａ、１６ｂ、
２４、３９）を含む。壁パネルは、本体（１２）が充填
形態にあるときにインクを貯蔵する空洞（１９）を、本
体内に規定する。本体は、インクが本体から除去される
のに伴い充填形態から空の形態に潰れる。壁パネルは、
蝶番の周りに内側に潰れて互いに接触して平らになり、
空洞の容積を小さくする。フレーム（１８）は、本体の
複数の壁パネルを縁どる。壁パネルがフレーム内に一緒
に合わせて平らに潰れるのに伴い、フレームは弾性的に
延びる。フレームが弾性的に延び、パネルが蝶番の周り
に潰れることによって、本体に充填形態に向かうバイア
スが掛かる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、インク・ジェットタイ
プのプリンタのペンにインクを貯蔵するためのインク・
カートリッジに関する。

【０００２】

【従来の技術および発明が解決しようとする課題】イン
ク・ジェット・プリンタには、プリンタを通り抜けて前
進する紙のシートを横切って前後に往復運動をするキャ
リッジを含むタイプのものがある。この往復運動をする
キャリッジは、紙に極く接近したところにペンを保持し
ている。ペンは、プリンタに制御されて、紙を横切って
往復運動、すなわち走査している間に、ペンから選択的
にインク滴を噴出し、それによって、紙の上に文字やイ
メージが作成される。

【０００３】ペンは、限られた量のインクを保持する貯
槽を有している。比較的大量の供給インクが、プリンタ
に搭載された交換可能な静止した容器内に供給されてい
る。供給容器とペンの間が管で接続されていて、それに
よって供給容器からペンにインクの流れが導かれ、ペン
の貯槽を必要に応じて補充するようになっている。また
は、管は通常はペンと接続されておらず、管とペンは定
期的に連結されてペンの貯槽を補充するようになってい
てもよい。

【０００４】このような静止したインクの容器を設計す
る上で考慮すべき重要な事柄は、材料、製造、パッケー
ジング（ｐａｃｋａｇｉｎｇ）コストを低くする、とい
うことである。容器はまた、プリンタ内に容易に収容さ
れるように、コンパクトでなければならない。空のイン
クの容器の体積は、リサイクルまたは廃棄時に容易に取
り扱えるように、最小でなければならない。このような
インクの容器はまた、容器から移すことのできるインク
の量が最大でなければならない。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明は、インクを貯蔵
し、製造およびパッケージが安価で、潰れ得るインク・
カートリッジを提供する。

【０００６】本発明のカートリッジは、コンパクトであ
って、潰れると、実質的に全ての貯蔵インクを除去する
ことができるような形になっている。

【０００７】本発明のカートリッジはまた、周囲と比較
して部分真空（ｐａｒｔｉａｌ ｖａｃｕｕｍ）または
背圧の下でインクを保持することができ、それによっ
て、管が常にペンに接続している製品（ａｐｐｌｉｃａ
ｔｉｏｎｓ）において、作動していないペンからの漏れ
を防ぐ、インク・カートリッジを提供する。

【０００８】本発明のカートリッジはまた、管が定期的
にペンと連結する製品において、補充の後に管とペンと
の連結を解除するときに、管の出口開口部近傍のインク
の吸い戻しに備えている。

【０００９】インク・カートリッジは、好ましくは単一
の材料から構成されている潰れることのできる本体を有
する。この本体は、互いに蝶番で取り付けた複数の平面
壁パネルを有する。この本体がフル（《ｆｕｌｌ》、以
下「充填」）形態を形作り、この形態において、壁パネ
ルが本体内にインクを貯蔵するための空洞を規定する。
本体壁パネルは、共に潰れてエンプティー（《ｅｍｐｔ
ｙ》、以下「空の」）形態となり、本体内に貯蔵されて
いる実質的に全てのインクを除去し、空のカートリッジ
の断面を薄くする。壁パネルは、カートリッジの上面お
よび底面を規定する比較的大きい平面の上部および下部
壁パネルを含み、カートリッジを積み重ねることができ
るようになっている。壁パネル間の蝶番は、弾性的に形
成されていて、上部および下部壁パネルにこれらが互い
から遠ざかるようにバイアス（ｂｉａｓ）を掛けてお
り、インクが除去する間に本体が潰れるときでさえも背
圧の下でインクを貯蔵するようになっている。カートリ
ッジが定期的にペンと連結されて補充が行われる管を有
する製品においては、このバイアスによって、管とペン
との連結が解除されるとき、管の解放端の近傍に位置す
るインクがより深く管内に吸い戻される。

【００１０】

【実施例】本発明の好適な実施例に従った潰れることの
できるインク・カートリッジが、図１に符号１０で示さ
れている。インク・カートリッジ１０は、２個の実質的
に同一の対向する上部および下部壁パネル・アセンブリ
１４ａ、１４ｂを有する本体１２を含む（図３参照）。
対向する壁パネル・アセンブリ１４ａ、１４ｂは、対向
する内面１５を有する（図５参照）。図１および図２に
示すように、パネル・アセンブリ１４ａ、１４ｂの各々
は、比較的大きな、正方形の平面パネル１６ａ、１６ｂ
を有する。正方形のパネル１６ａ、１６ｂは各々、カー
トリッジ１０の上面および底面を規定する。パネル・ア
センブリ１４ａ、１４ｂは、正方形のフレーム１８にお
いて接合され、したがって、フレーム１８によって規定
される中央平面について対称である。

【００１１】図１および図３におけるカートリッジ１０
は、最大容積つまり充填形態において示されている。充
填形態においては、上部および下部パネル・アセンブリ
１４ａ、１４ｂは各々、フレーム１８から上向きおよび
下向きに延びていて、本体１２内にインクを貯蔵するた
めの空洞１９を規定している（図５参照）。本体１２
は、空の形態に潰れることができ、そのときは、上部お
よび下部パネル・アセンブリ１４ａ、１４ｂは互いに衝
突して、フレーム１８が規定する平面内に平らに潰れる
（図２および図４参照）。

【００１２】カートリッジ１０が対称形であるので、次
の上部パネル・アセンブリ１４ａの説明は、下部パネル
・アセンブリ１４ｂにも等しく当てはまる。

【００１３】上部の正方形のパネル１６ａは、４個の同
一の直線の辺２０を有する。フレーム１８は、４個の実
質的に同一のフレーム側面部材２２を有する。正方形の
パネル１６ａは、フレーム１８に関して、正方形のパネ
ルの辺２０がフレーム側面部材２２と整列するように配
置されている。したがって、上部パネル・アセンブリ１
４ａとフレーム１８は、実質的に共通の構成の４個の側
面を有する。共通の構成の１個の側面を、符号２３と図
１および図２の破線とで示している。この側面２３の説
明は、上部パネル・アセンブリ１４ａとフレーム１８の
間の共通の構成の他の３個の側面にも等しく当てはま
る。

【００１４】側面２３について、正方形のパネル１６ａ
とフレーム側面部材２２の中間部２６は、細長い長方形
のエッジパネル２４によって相互接続されている。長方
形のエッジパネル２４は、内部および外部の縦エッジ２
８、３０および端エッジ３４を有する。エッジパネルの
縦エッジ２８、３０の長さは、正方形のパネルのエッジ
２０の長さと略等しい。エッジパネルの内部エッジ２８
は、正方形のパネルの蝶番３５で、正方形のパネルのエ
ッジ２０に取り付けられている。エッジパネルの外部エ
ッジ３０は、二重蝶番（ｄｏｕｂｌｅ ｈｉｎｇｅ）３
６で、フレームの中間部２６に取り付けられている。以
下に説明する通り、対称的な上部および下部パネル・ア
センブリ１４ａ、１４ｂのエッジパネル２４は、二重蝶
番３６で、フレームの中間部２６に取り付けられている
（図５参照）。

【００１５】カートリッジ１０が充填形態のときには、
エッジパネル２４は、上部の正方形のパネル１６ａとフ
レーム１８の間に斜めに延びる（図３参照）。カートリ
ッジ１０が空の形態のときには、エッジパネル２４は、
正方形のパネル１６ａが、フレーム１８によって規定さ
れる平面内に在る状態で、平らになっている（図４参
照）。

【００１６】図１および図２に示すように、各々のエッ
ジパネルの端エッジ３４に、端蝶番（ｅｎｄ ｈｉｎｇ
ｅ）４０で、三角形の（コーナー）パネル３９が取り付
けられている。三角形のパネル３９の説明を容易にする
ために、図２を参照する。図２は、空の形態における、
第１の共通の側面の構成２３のパネルが平らな状態を示
している。図２で見ると、三角形のパネル３９は、４５
°、鈍角、および４５°より小さい鋭角を有している。
三角形の最も短い（第１の）エッジ４２は、４５°の角
と鈍角に挟まれている。三角形の最も長い（第２の）エ
ッジ４４は、４５°の角と鋭角に挟まれている。三角形
の第３のエッジ４６は、鋭角と鈍角に挟まれている。

【００１７】三角形のパネルの第１のエッジ４２の長さ
は、エッジパネルの端エッジ３４の長さと実質的に等し
く、両者は端蝶番４０で取り付けられている。三角形の
パネル３９の第２のエッジ４４は、上部の正方形のパネ
ル１６ａのコーナーから放射状に外へと延びている。言
い換えれば、三角形のパネルの第２のエッジ４４によっ
て規定される線は、上部の正方形のパネル１６ａを斜め
に二等分する。共通の構成の側面２３の両方の三角形の
パネルの第２のエッジ４４で規定される斜めに二等分す
る線は、互いに垂直であり、共通の構成の側面２３が上
部パネル・アセンブリ１４ａから９０°の「スライス
（ｓｌｉｃｅ）」を形成するようになっている。

【００１８】三角形のパネルの第３のエッジ４６は、エ
ッジパネルの外部エッジ３０から外向きに延びている。
第３のエッジ４６は、コーナー二重蝶番５２で、フレー
ムのコーナー部５０に取り付けられている。フレームの
コーナー部５０は、端蝶番４０と整列した外向きに開い
ているフレームの側面ノッチ５４によって、フレームの
中間部２６から分離されている。コーナー二重蝶番５２
の構成は、フレームの二重蝶番３６の構成と実質的に同
一である。コーナー二重蝶番５２は、上部および下部パ
ネル・アセンブリ１４ａ、１４ｂの両方の対称的な三角
形のパネル３９を、フレームのコーナー部５０に接続す
る。

【００１９】共通の構成の側面２３は、コーナー蝶番４
８で、隣接する共通の構成の側面に取り付けられてい
る。１個のコーナー蝶番４８は、共通の構成の側面２３
の各々の三角形のパネル３９を、隣接する共通の構成の
側面の同一の三角形のパネル３９に取り付けている。蝶
番で取り付けた各々の１組の三角形のパネル３９は、そ
の第２のエッジ４４において、コーナー蝶番４８に取り
付けられており、そこから対称的に延びている。

【００２０】図２に示す上部パネル・アセンブリ１４ａ
とフレーム１８の全体について、蝶番で取り付けられた
三角形のパネル３９の組が、上部パネル・アセンブリ１
４ａの各々のコーナーに配置されている。三角形のパネ
ル３９の組は、エッジパネルの外部エッジ３０によって
形成される線を越えて突き出ている。三角形のパネル３
９の組がこのように突き出ることによって、充填形態に
おいても、空の形態においても、エッジパネルの外部エ
ッジ３０と三角形のパネルの第３のエッジ４６が、フレ
ーム１８によって規定される平面内に止まるようになっ
ている（図１および図４参照）。

【００２１】隣接する共通の構成の側面のフレームのコ
ーナー部５０は、コーナーノッチ５５において交差して
いる。したがって、コーナー蝶番４８は、上部壁パネル
１６ａのコーナーからフレーム１８のコーナーノッチ５
５に放射状に延びている。

【００２２】充填形態においては、図１および図３に示
すように、エッジパネル２４は、フレーム１８の平面か
ら約３５°の角度で斜めに延びている。コーナー蝶番４
８は、フレームのコーナー部５０のコーナーから上部の
正方形のパネル１６ａのコーナーへ上向きに延びてい
る。隣接する共通の構成の側面２３の三角形のパネル３
９は、コーナー蝶番４８のどちらの側へも、端蝶番４０
の方および二重コーナー蝶番５２の方へ下向きに曲が
る。

【００２３】フレームの側面とコーナーノッチ５４、５
５の周りの材料は、弾性を有するものである。これらの
材料が弾性を有しているので、本体１２が充填形態（図
１）から空の形態（図２）に潰れる間、フレーム１８が
ノッチ５４、５５において弾性的に曲がることができ
る。

【００２４】これから説明する通り、蝶番３５、４０、
４８および二重蝶番３６、５２は、曲がって、潰れた空
の形態において、本体１２の内面１５（図５参照）が互
いに接触して平らで滑らかになるようにする。

【００２５】図５は、二重蝶番３６の断面図である。フ
レームの中間部２６とエッジパネルの外部エッジ３０は
対向する斜面を有しており、これらが上部縁どり溝５９
を形成する。同一の対称的な下部縁どり溝６０が、下部
パネル・アセンブリ１４ｂのエッジパネル２４とフレー
ムの中間部２６の間に形成される。フレームの弾性を有
する材料からなるブリッジが、溝５９、６０の底部を隔
てている。この弾性を有する材料が曲がって、上部およ
び下部パネル・アセンブリ１４ａ、１４ｂのエッジパネ
ル２４が一緒になって、フレームの二重蝶番３６を支点
に回転することができる。コーナー二重蝶番５２も同様
の構成であって、上部および下部パネル・アセンブリ１
４ａ、１４ｂの三角形のパネル３９が一緒になって、回
転することができる。

【００２６】共通の構成の側面２３のパネル間の蝶番３
５、４０、４８によって、上部パネル・アセンブリ１４
ａが平らに潰れることができる。図５は、典型的な正方
形のパネルの蝶番３５の断面図である。蝶番３５は、正
方形のパネルのエッジ２０上とエッジパネルの内部エッ
ジ３８上の対向する斜面を含み、パネル・アセンブリ１
４ａの外部上にＶ字形の蝶番溝５６を形成する。蝶番溝
５６の底部とパネル・アセンブリ１４ａの内面１５の間
には、弾性を有する材料からなる狭いブリッジが残って
いる。パネル・アセンブリの内面１５は、正方形のパネ
ルの蝶番３５の向こう側へ折り曲げても壊れない。

【００２７】エッジおよびコーナー蝶番４０、４８は、
実質的に同一の構成である。したがって、パネル・アセ
ンブリの内面１５は、空の形態において、完全に滑らか
であり平らである。蝶番３５、４０、４８は、対称的な
下部パネル・アセンブリ１４ｂの対応する蝶番と同一で
ある。したがって、上部および下部パネル・アセンブリ
１４ａ、１４ｂの両方の内面１５は、空の形態におい
て、互いに接触して滑らかで平らになる（図５の破線参
照）。

【００２８】カートリッジ１０は、充填形態において、
インクが充填されている。１個のフレームの中間部２６
は、それを通ってインクがカートリッジの中へおよび外
へ導かれるようなオリフィス６２を有する取り付け具６
１を規定するような形になっている（図１参照）。取り
付け具６１は、インクを除去するために管または他の連
結器がオリフィス内に挿入されるまで、オリフィスを塞
ぐためのストッパ、バルブ、または貫通可能な隔壁（図
示せず）を含んでいてもよい。インクがオリフィス６２
を通ってカートリッジ１０から引き出されると、上部お
よび下部パネル・アセンブリ１４ａ、１４ｂは互いに向
かって潰れ、空洞１９の体積を減少させる。取り付け具
６１はまた、平らな平面のいずれの上にも同様に置くこ
とができる。

【００２９】図２および図５に示す空の形態に潰れるた
めに、エッジパネル２４は、二重蝶番３６を支点に回転
して、フレーム１８の平面内に平らになる。蝶番３５
は、正方形のパネル１６ａがエッジパネルの内部エッジ
３８とともに内側へフレーム１８の平面に向かって動く
のに伴って、曲がる。端蝶番４０およびコーナー蝶番４
８は、三角形のパネル３９がコーナー二重蝶番５２を支
点に回転して、フレーム１８内に平らになるのに伴っ
て、曲がる。上部および下部パネル・アセンブリ１４
ａ、１４ｂのパネルは、同時に同じ方法で潰れる。した
がって、上部パネル・アセンブリ１４ａの各々のパネル
は、常に、対称的な下部パネル・アセンブリ１４ｂの整
合するパネルと垂直に整列している。

【００３０】インクは、空洞１９の体積が完全に小さく
なって空の形態になるまで、カートリッジの本体１２か
ら引き出される。上に説明したように、上部および下部
パネル・アセンブリ１４ａ、１４ｂの壊れない内面１５
が、フレーム１８の平面内で互いに相対して平らで滑ら
かになっている（図５の破線参照）。空の形態における
本体１２内には、いかなる空隙も残らず、本質的にいか
なるインクも空のカートリッジ１０内に保持されないよ
うになっている。

【００３１】好適な実施例において、カートリッジ１０
は、本体１２が充填形態から空の形態に潰れる間に、フ
レーム１８が弾性的に曲がったり延びたりするように構
成されている（図５の破線参照）。エッジパネル２４が
潰れることによって、フレームの中間部２６が外側に押
し出される。三角形のコーナーパネル３９が潰れること
によって、フレームのコーナー部５０が、コーナーノッ
チ５５を支点に回転して開く（図示せず）。したがっ
て、ノッチ５５は、部分的に閉じる。フレームの側面の
ノッチ５４は、フレームのコーナー部とフレームの中間
部２６が外側に動くのに伴って、弾性的に開く。

【００３２】カートリッジ１０は、好ましくは充填形態
に向かってバイアスを掛けられるよう構成されている。
このバイアスは、カートリッジを充填形態において組み
立てることによって達成してもよい。その結果、各々の
蝶番とノッチの弾性を有する材料は、カートリッジ１０
が充填形態のときに弛緩する。この弾性を有する材料
は、カートリッジ１０が潰れて空の形態になるときにス
トレスが加わる。このストレスによって、カートリッジ
１０を充填形態に戻そうとするバイアスが掛かる。この
バイアスは、空洞内のインクを背圧の下に貯蔵するのに
十分なものである。

【００３３】このような背圧は、カートリッジに常に連
結されていて、インクを適切に送るために背圧が必要な
インク・ジェット・ペンを動作する上で有用である。バ
イアスはまた、カートリッジがペンと定期的に連結され
て、ペンの貯槽を補充する管を有するような製品におい
ても有益である。このような製品においては、バイアス
によって、補充の後で管とペンの連結が解除されるとき
に、吸引動作が行われる。この吸引動作によって、ペン
内のフリーのインクを吸い去ることにより、ペンの補充
し過ぎを防止し、管の解放端の近傍のインクがより深く
管内に吸引されることにより、滴が落ちることを防止す
る。

【００３４】本発明の他の態様において、細長いフレー
ム側面部材２２が、縦方向に弾性を有して、カートリッ
ジ１０に充填形態に向かうバイアスを掛けるようになっ
ていてもよい。この場合には、側面部材２２は、本体１
２がフレーム１８内に潰れるのに伴い、引っ張られて弾
性的に曲がる。このように弾性的に引っ張られて延びる
ことによって、カートリッジ１０に充填形態に向かうバ
イアスが掛けられる。

【００３５】カートリッジの管が絶えずペンに連結され
ていてカートリッジに充填形態に向かってバイアスが掛
かっている製品においては、ポンプ等の外部機構を必要
に応じて用いて、インクをカートリッジから引き出して
もよい。カートリッジの管が時折ペンと連結されるよう
な他の製品においては、アクチュエータがカートリッジ
の上部および下部壁パネルを一緒に合わせて締め付け
て、インクをペン内に吐出するようにしてもよい。ペン
の補充が完了すると、アクチュエータを少しだけ引っ込
めて、カートリッジのバイアスによってインクが管内に
吸い戻されるようにしてもよい。

【００３６】インクのカートリッジ１０は、好ましくは
単一の材料で構成されている。特に、カートリッジ１０
は、高密度ポリエチレン（ＨＤＰＥ）等の単一の均質な
樹脂から構成されていてもよい。このような樹脂から作
られたカートリッジは、弾性を有する蝶番とノッチを有
し、比較的堅いパネル部を有する。充填形態に向かうバ
イアスを掛けるために、カートリッジ１０は、充填形態
に形作られていてもよい。

【００３７】充填カートリッジ１０の形状は、図１およ
び図３に最も良く示すように、幾つかの利点がある。充
填カートリッジ１０は、比較的薄く、各々取り付け具６
１の上および下に位置する、平らな正方形の上部および
下部パネル１６ａ、１６ｂを有する。したがって、充填
カートリッジ１０は、取り付け具６１が邪魔することな
く、次々とコンパクトに積み重ねることができる。

【００３８】カートリッジ１０はまた、それ自体のパッ
ケージの役割もする。オリフィス６２と反対側のフレー
ムの中間部２６に開口部６６が形成され、インク・カー
トリッジ１０を、小売りの陳列や保管のために、棚に掛
けることができるようになっている。ＨＤＰＥ等の丈夫
なカートリッジ材料であれば、損傷しないよう保護する
ことができる。ＨＤＰＥの壁パネルは、十分厚いので、
カートリッジの本体を通ってインクが拡散することによ
るインクの損失が最小になるようになっている。さら
に、ＨＤＰＥ等の材料であれば、製品のラベル付けをカ
ートリッジのパネルに直接形成することができる。

【００３９】カートリッジを単一の材料から構成するこ
とによって、空のカートリッジを容易にリサイクルする
ことができる。さらに、空のカートリッジの断面は非常
に薄いので（図４参照）、リサイクルされたり廃棄され
るカートリッジの体積を最小にする上で有利である。空
のカートリッジは、各々の連続したカートリッジ１０
を、積み重ねる前のカートリッジから９０°回転させれ
ば、次々とコンパクトに積み重ねることができる。この
ように、積み重ねたカートリッジの取り付け具６１は、
隣接して積み重ねたカートリッジの取り付け具６１とは
当接しない。

【００４０】図示の実施例の構成は、種々の方法で変更
しても同様によい結果が得られる、ということが理解さ
れるべきである。たとえば、カートリッジを、正方形や
長方形ではなく、三角形その他どのような多角形等の様
々な形に形成してもよい。

【００４１】さらに、壁パネルの形および数を変更して
も同様によい結果が得られる。また、滑らかな部分から
なるフレームにして、ノッチ５４、５５を省略してもよ
い。このようにノッチのないフレームであっても、十分
な弾性を有していて潰れる本体１２の個々のパネルが外
側に動くことができれば、十分である。

【００４２】カートリッジ１０の材料としては、ＨＤＰ
Ｅが好ましいが、他の材料や複数の材料を組み合わせた
ものであっても同様に良好に作用し得ると言うこともま
た理解されねばならない。たとえば、パネル部を堅い材
料で構成する一方、蝶番とノッチの材料を弾性を有する
材料で構成してもよい。

【００４３】以上のように、好適なおよび他の実施例に
関して説明をした。しかし、当業者であれば、特許請求
の範囲とその同等物に規定された状態のままで、種々の
修正および変更をここに説明した機構および方法に置き
換え得ると言うことが理解されるであろう。

【００４４】以上のように、本発明は、〔１〕複数の平
面壁パネル（１６ａ、１６ｂ、２４、３９）を有し、こ
れらの隣接する壁パネルを一緒に合わせて取り付けるた
めの蝶番（３５、３６、４０、４８、５２）を有する本
体（１２）を含み；前記本体（１２）が、前記壁パネル
（１６ａ、１６ｂ、２４、３９）が前記本体（１２）内
にインクを貯蔵するための空洞（１９）を規定している
充填形態を有し；前記本体（１２）が、前記充填形態か
ら、内側に潰れて前記空洞（１９）の容積を小さくする
壁パネルを有する空の形態に潰れることができる；こと
を特徴とする、インクを貯蔵するためのインク・カート
リッジ（１０）であって、次のような好ましい実施態様
を有する。

【００４５】〔２〕前記壁パネル（１６ａ、１６ｂ、２
４、３９）が、互いから遠ざかるようにバイアスを掛け
られて、前記本体（１２）に前記充填形態に向かうバイ
アスを掛けることを特徴とする、〔１〕に記載のインク
・カートリッジ。

【００４６】〔３〕前記蝶番（３５、３６、４０、４
８、５２）が、前記隣接する壁パネル（１６ａ、１６
ｂ、２４、３９）の間にあり、前記本体（１２）が前記
空の形態に向かって潰れるのに伴って弾性的に曲がり、
それによって前記本体（１２）に前記充填形態に向かう
バイアスを掛けることを特徴とする、〔２〕に記載のイ
ンク・カートリッジ。

【００４７】〔４〕前記充填形態に向かう前記本体（１
２）の前記バイアスにより、前記空洞（１９）内のイン
クが背圧の下で貯蔵されることを特徴とする、〔２〕に
記載のインク・カートリッジ。

【００４８】〔５〕前記本体（１２）上に、前記空洞
（１９）から開いてインクを抽出する導管（６２）を規
定する取り付け具（６１）が位置し、前記本体（１２）
の前記バイアスにより前記導管（６２）を通してインク
が前記空洞（１９）に向かって吸い戻されることを特徴
とする、〔２〕に記載のインク・カートリッジ。

【００４９】〔６〕前記本体（１２）が潰れて前記空の
形態になるときに、少なくとも２個の壁パネル（１６
ａ、１６ｂ、２４、３９）が潰れて互いに接するように
なることを特徴とする、〔３〕に記載のインク・カート
リッジ。

【００５０】〔７〕前記空の形態において、少なくとも
１個の壁パネル（２４、３９）が少なくとも１個の蝶番
（３５、３６、４０、４８、５２）を支点に回転して潰
れて、他の壁パネル（２４、３９）と接するようになる
ことを特徴とする、〔６〕に記載のインク・カートリッ
ジ。

【００５１】〔８〕前記壁パネルが前記カートリッジの
上面および底面を規定する上部壁パネル（１６ａ）およ
び下部壁パネル（１６ｂ）を含み、前記本体が潰れて前
記空の形態になるときに前記上部壁パネル（１６ａ）お
よび前記下部壁パネル（１６ｂ）が一緒に合わせて平ら
に潰れることを特徴とする、〔７〕に記載のインク・カ
ートリッジ。

【００５２】

〔９〕前記本体（１２）が前記本体（１
２）を縁どり平面を規定するフレーム（１８）を有し、
前記空の形態において前記本体（１２）が前記平面内に
平らに潰れることを特徴とする、〔８〕に記載のインク
・カートリッジ。

【００５３】〔１０〕前記本体（１２）が前記充填形態
であるときに、前記複数の壁パネル（１６ａ、１６ｂ、
２４、３９）が前記平面について対称的に延びているこ
とを特徴とする、

〔９〕に記載のインク・カートリッ
ジ。

【００５４】〔１１〕前記複数の壁パネル（１６ａ、１
６ｂ、２４、３９）が複数のエッジパネル（２４）を含
み、前記エッジパネル（２４）が、前記上部壁パネル
（１６ａ）および前記フレーム（１８）を相互接続し、
前記フレーム（１８）に蝶番で取り付けられ、前記充填
形態においては前記上部壁パネル（１６ａ）から前記フ
レーム（１８）の前記平面に斜めに下に延び、前記空の
形態においては前記上部壁パネル（１６ａ）とともに潰
れて前記平面内に平らになることを特徴とする、

〔９〕
に記載のインク・カートリッジ。

【００５５】〔１２〕前記フレーム（１８）が、弾性を
有し、前記本体（１２）が前記空の形態に潰れるときに
弾性的に外側に歪み、それによって前記本体（１２）に
前記充填形態に向かうバイアスを掛けることを特徴とす
る、〔１０〕に記載のインク・カートリッジ。

【００５６】〔１３〕前記フレーム（１８）が長方形で
あり；前記上部壁パネル（１６ａ）が長方形であり；前
記エッジ壁パネル（２４）が縦エッジ（２８、３０）お
よび端エッジ（３４）を有する細長い長方形であり、前
記縦エッジ（２８、３０）が各々前記上部壁パネル（１
６ａ）および前記フレーム（１８）に蝶番で取り付けら
れており；前記複数の壁パネルが、前記上部壁パネル
（１６ａ）の１つのコーナーから前記長方形のフレーム
（１８）の１つのコーナーに延びているコーナー蝶番
（４８）に２個１組で一緒に合わせて取り付けられた三
角形の壁パネル（３９）を含み、前記１組の各々の三角
形の壁パネル（３９）が、前記コーナー蝶番（４８）か
ら対称的に延びており、エッジ壁パネル（２４）の端エ
ッジ（３４）および前記フレーム（１８）に取り付けら
れている、ことを特徴とする、

〔９〕に記載のインク・
カートリッジ。

【００５７】〔１４〕前記本体（１２）が、完全に単一
のタイプの材料から構成されていることを特徴とする、
〔１２〕に記載のインク・カートリッジ。

【００５８】また、本発明は、〔１５〕中央平面を有
し、前記平面について対称的に延びており隣接する壁パ
ネルに弾性的に取り付けられている複数の平面壁パネル
（１６ａ、１６ｂ、２４、３９）を有する本体（１２）
を含み；前記本体（１２）が、前記壁パネル（１６ａ、
１６ｂ、２４、３９）が前記本体（１２）内にインクを
貯蔵するための空洞（１９）を規定している充填形態を
有し；前記本体（１２）が、前記充填形態から、前記壁
パネル（１６ａ、１６ｂ、２４、３９）が内側に潰れて
他の壁パネルに接触して平らになる空の形態に潰れるこ
とができ、前記本体（１２）の前記潰れによって前記空
洞（１９）の容積が小さくなる；ことを特徴とする、イ
ンクを貯蔵するためのインク・カートリッジ（１０）で
あって、次のような好ましい実施態様を有する。

【００５９】〔１６〕前記壁パネル（１６ａ、１６ｂ、
２４、３９）が前記空洞（１９）を規定する内面（１
５）を有し、前記内面（１５）は隣接する壁パネル（１
６ａ、１６ｂ、２４、３９）の間の弾性的な取り付けを
横切って壊れることはなく、前記本体（１２）が前記空
の形態であるときに前記内面（１５）が平らで滑らかで
あることを特徴とする、〔１５〕に記載のインク・カー
トリッジ。

【００６０】〔１７〕前記壁パネルが前記カートリッジ
（１０）の上面および底面をそれぞれ規定する上部壁パ
ネル（１６ａ）および下部壁パネル（１６ｂ）を含み、
前記充填形態および前記空の形態において前記上部およ
び下部壁パネル（１６ａ、１６ｂ）が前記中央平面と平
行であり、前記空の形態において前記上部壁パネル（１
６ａ）および前記下部壁パネル（１６ｂ）が潰れて互い
に接触して整列して平らになることを特徴とする、〔１
６〕に記載のインク・カートリッジ。

【００６１】〔１８〕前記空の形態において、前記壁パ
ネルの内面（１５）が一緒に合わせて平らに潰れて、前
記本体（１２）内の前記空洞（１９）の容積が完全に少
なくなることを特徴とする、〔１７〕に記載のインク・
カートリッジ。

【００６２】さらに、本発明は、〔１９〕一緒に合わせ
て弾性的に接続されて充填形態において本体（１２）内
に空洞（１９）を規定する複数の平面壁パネル（１６
ａ、１６ｂ、２４、３９）を有し、前記充填形態から前
記壁パネル（１６ａ、１６ｂ、２４、３９）が潰れて前
記空洞（１９）を小さくする空の形態に内側に潰れるこ
とができる本体（１２）；中央平面を規定し、前記本体
（１２）を取り囲んで前記本体（１２）が潰れて前記空
の形態になるのに伴って弾性的に延び、それによって前
記本体（１２）に前記充填形態に向かうバイアスを掛け
る、フレーム（１８）；を含むインクを貯蔵するための
インク・カートリッジ（１０）であって、次のような好
ましい実施態様を有する。

【００６３】〔２０〕前記カートリッジ（１０）からイ
ンクを抽出する取り付け具（６１）をさらに含む、〔１
９〕に記載のインク・カートリッジ（１０）。

【００６４】

【発明の効果】本発明のインク・カートリッジによれ
ば、次のような効果を奏することができる。 （１）極めて容易な操作により、コンパクトに潰すこと
ができ、しかも潰れると貯蔵インクを実質的に全て除去
することができる。したがって、廃棄処理、小売店での
陳列やストック等を容易に行うことができる。 （２）単一の材料で構成すれば、リサイクル処理が容易
となる。 （３）部分的な真空により、または背圧の下でインクを
保持することができるため、インク補給用の管が常にペ
ンに接続しているプリンタにおいて、作動していないペ
ンからのインク漏れを防ぐことができる。 （４）インク補給用の管が定期的にペンと連結するプリ
ンタにおいては、インク補給後に管とペンとの連結を解
除するときに、管の出口開口部近傍のインクの吸い戻し
を防ぐことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施態様例に従った潰れることので
きるインク・カートリッジの斜視図である。

【図２】本発明の一実施態様例における潰れることので
きるインク・カートリッジの、潰れた形態における平面
図である。

【図３】本発明の一実施態様例における潰れることので
きるインク・カートリッジの側面図である。

【図４】本発明の一実施態様例における潰れることので
きるインク・カートリッジの、空の潰れた形態における
側面図である。

【図５】図１の５−５線断面図である。

【符号の説明】

１０ カートリッジ １２ 本体 １５ 内面 １６ａ 上部壁パネル １６ｂ 下部壁パネル １８ フレーム １９ 空洞 ２４ エッジパネル ２８ 内部縦エッジ ３０ 外部縦エッジ ３４ 端縁 ３５ 蝶番 ３６ 二重蝶番 ３９ コーナーパネル ４０ 端蝶番 ４８ コーナー蝶番 ５２ コーナー二重蝶番 ６１ 取り付け具 ６２ オリフィス

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 複数の平面壁パネル（１６ａ、１６ｂ、
   ２４、３９）を有し、これらの隣接する壁パネルを一緒
   に合わせて取り付けるための蝶番（３５、３６、４０、
   ４８、５２）を有する本体（１２）を含み；前記本体
   （１２）が、前記壁パネル（１６ａ、１６ｂ、２４、３
   ９）が前記本体（１２）内にインクを貯蔵するための空
   洞（１９）を規定している充填形態を有し；前記本体
   （１２）が、前記充填形態から、内側に潰れて前記空洞
   （１９）の容積を小さくする壁パネルを有する空の形態
   に潰れることができる；ことを特徴とする、インクを貯
   蔵するためのインク・カートリッジ（１０）。
2. 【請求項２】 中央平面を有し、前記平面について対称
   的に延びており隣接する壁パネルに弾性的に取り付けら
   れている複数の平面壁パネル（１６ａ、１６ｂ、２４、
   ３９）を有する本体（１２）を含み；前記本体（１２）
   が、前記壁パネル（１６ａ、１６ｂ、２４、３９）が前
   記本体（１２）内にインクを貯蔵するための空洞（１
   ９）を規定している充填形態を有し；前記本体（１２）
   が、前記充填形態から、前記壁パネル（１６ａ、１６
   ｂ、２４、３９）が内側に潰れて他の壁パネルに接触し
   て平らになる空の形態に潰れることができ、前記本体
   （１２）の前記潰れによって前記空洞（１９）の容積が
   小さくなる；ことを特徴とする、インクを貯蔵するため
   のインク・カートリッジ（１０）。
3. 【請求項３】 一緒に合わせて弾性的に接続されて充填
   形態において本体（１２）内に空洞（１９）を規定する
   複数の平面壁パネル（１６ａ、１６ｂ、２４、３９）を
   有し、前記充填形態から前記壁パネル（１６ａ、１６
   ｂ、２４、３９）が潰れて前記空洞（１９）を小さくす
   る空の形態に内側に潰れることができる本体（１２）；
   中央平面を規定し、前記本体（１２）を取り囲んで前記
   本体（１２）が潰れて前記空の形態になるのに伴って弾
   性的に延び、それによって前記本体（１２）に前記充填
   形態に向かうバイアスを掛ける、フレーム（１８）；を
   含むインクを貯蔵するためのインク・カートリッジ（１
   ０）。