JPH0884879A - ミシンの上糸供給制御装置 - Google Patents

ミシンの上糸供給制御装置

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JPH0884879A
JPH0884879A JP22133494A JP22133494A JPH0884879A JP H0884879 A JPH0884879 A JP H0884879A JP 22133494 A JP22133494 A JP 22133494A JP 22133494 A JP22133494 A JP 22133494A JP H0884879 A JPH0884879 A JP H0884879A
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JP
Japan
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thread
needle thread
upper thread
needle
feeding
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JP22133494A
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English (en)
Inventor
Yoshiyuki Konno
由之 金野
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Brother Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高速応答が可能な二つの圧電式上糸把持手段
と、上糸繰り出し手段とを組み合わせて用いることによ
って、高速、かつ安定的に上糸を供給可能であって、低
価格のミシンの上糸供給制御装置を提供することであ
る。 【構成】 DCサーボモータ付き上糸繰り出しローラ1
5がローラ外周の接線方向へ上糸繰り出し力を与え、プ
ーリ付きロータリーエンコーダ19が一つの縫い目に必
要な上糸繰り出し量をパルス数として検出し、一対の圧
電式上糸把持器17、21が、プーリ付きロータリーエ
ンコーダ19の前後2箇所で上糸25を直接把持してそ
の繰り出しを停止させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、縫い目の形成に消費さ
れる上糸を強制的に繰り出すようにしたミシンの上糸供
給制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、縫い目の形成に必要な上糸を強制
的に繰り出すミシンの上糸供給制御装置の内、工業用ミ
シンに用いられているものとしては、ミシン主軸とは無
関係に定速回転するモータ及び電磁式糸把持器の組み合
わせによるものが一般的であった。
【0003】例えば、特開昭63−294895号公報
には、図5(a)に示されるような構造の上糸供給制御
装置が開示されている。このものは、上糸25を矢印方
向に繰り出すための駆動ローラ61及び圧接ローラ13
と、その圧接ローラ13を支持するレバー11を押圧し
てその圧接ローラ13を常には前記駆動ローラ61に圧
接させるばね9と、前記駆動ローラ61に対する糸供給
側に位置して糸25を把持可能な電磁式糸把持器57と
が備えられている。他の例として、図5(b)に示され
るような構造の上糸供給制御装置も見受けられる。この
ものは、上糸25を矢印方向に繰り出すための駆動ロー
ラ15及び圧接ローラ13と、その圧接ローラ13を支
持するレバー11を押圧してその圧接ローラ13を常に
は前記駆動ローラ15に圧接させるばね9と、前記駆動
ローラ61に対する糸供給側及び糸消費側に位置してそ
れぞれ糸25を把持可能な電磁式糸把持器57,59と
が備えられている。これ等いずれの例の場合も、電磁式
糸把持器57または59により上糸25を直接把持する
ことによって上糸25の供給量を制御するようにしてい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ミシン
主軸とは無関係に定速回転するモータ及び電磁式糸把持
器の組み合わせによるものでは、電磁式糸把持器が残留
磁力の影響によって応答に遅れ等のばらつきを生じるの
で、高速回転時に安定かつ正確な上糸供給量を実現する
ことが難しいという欠点があった。
【0005】また、前記電磁式糸把持器の代わりに高速
応答性に優れた圧電素子を利用した圧電式糸把持器も提
案されているが、一般に、圧電素子は得られる変位量が
電磁式のものに比べて小さく、糸把持に必要な変位量を
得るには拡大機構を介さなければならない。このため、
充分な変位量と把持力とを同時に得ようとすれば、大き
な力を発生する大型で、しかも、高価な圧電素子を用い
なければならないという問題があった。
【0006】本発明は、上述した問題点を解決するため
になされたものであり、高速応答が可能な二つの圧電式
上糸把持手段と、上糸繰り出し手段とを組み合わせて用
いることによって、高速、かつ安定的に上糸を供給可能
であって、低価格のミシンの上糸供給制御装置を提供す
ることを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に、本発明のミシンの上糸供給制御装置は、糸を糸消費
側へ繰り出す上糸繰り出し手段と、その上糸繰り出し手
段によって繰り出される糸量を検出する上糸繰り出し量
検出手段と、その上糸繰り出し量検出手段によって所定
量の上糸が検出されたとき、上糸を把持することにより
上糸の繰り出しを停止させる第1及び第2の圧電式上糸
把持手段とを備えてなるミシンの上糸供給制御装置にお
いて、上糸の糸供給側から糸消費側に向かって、前記第
1の圧電式上糸把持手段、前記上糸繰り出し量検出手
段、前記第2の圧電式上糸把持手段、及び前記上糸繰り
出し手段を、この記載順序で上糸経路上に略直列に配置
している。
【0008】また、前記上糸繰り出し手段によって一つ
の縫い目に必要な量の上糸を繰り出す動作を、天秤によ
る布締め時期以外の糸弛緩時に行うようにしてもよい。
【0009】さらに、前記上糸繰り出し手段によって一
つの縫い目に必要な量の上糸を繰り出す動作を、天秤に
よる布締め時期に行うように構成してもよい。
【0010】
【作用】前記構成を有する本発明のミシンの上糸供給制
御装置によれば、上糸繰り出し手段が上糸を糸供給側か
ら糸消費側へ繰り出す。そして、上糸繰り出し量検出手
段が所定量の上糸を検出したとき、第1及び第2の圧電
式上糸把持手段が上糸を把持してその上糸の繰り出しを
停止させる。
【0011】また、前記上糸繰り出し手段によって一つ
の縫い目に必要な量の上糸を繰り出す動作を、天秤によ
る布締め時期以外の糸弛緩時に行うようにすれば、その
糸弛緩時期は布締め時期よりも時間的余裕があるため
に、前記上糸の繰り出しを余裕をもって行なうことがで
きると共に、このときに繰り出される上糸に過大な張力
が作用していないために、前記上糸繰り出し量検出手段
による上糸繰り出し量の検出を一層確実にすることがで
きる。
【0012】さらに、前記上糸繰り出し手段によって一
つの縫い目に必要な量の上糸を繰り出す動作を、天秤に
よる布締め時期に行うようにすれば、布締めによって上
糸に発生する張力のピーク値を低く抑えることができる
と共に、縫い目をより柔らかくすることができる。
【0013】
【実施例】以下に、本発明を具体化した一実施例を図面
を参照して説明する。
【0014】本実施例のミシンの上糸供給制御装置は、
図示しないミシンの頭部に取り付けられる。図1は、こ
の上糸供給制御装置の概略構成を示している。ミシンの
アーム一側の頭部には、縫い針1と、天秤3と、糸取り
バネ5と、上糸25をガイドするガイド7とが設けられ
る。また、前記頭部に接続されたアーム部には、糸消費
側から糸供給側に向かって、DCサーボモータ付き上糸
繰り出しローラ15と、バネ9により押圧されたレバー
11に支持され、かつ前記上糸繰り出しローラ15に圧
接する押えローラ13と、圧電式上糸把持器17と、プ
ーリ付きロータリーエンコーダ19と、圧電式上糸把持
器21と、ベーステンション皿23と、上糸25を巻回
した糸巻27とが設けられている。さらに、アーム部の
内部には、プーリ33を取り付けた主軸29に上糸供給
タイミング信号発生器31が設けられている。図中、A
は上糸供給制御装置部分を示すものである。前記ベース
テンション皿23は必ずしもこの部分に設ける必要はな
い。
【0015】なお、前記上糸繰り出しローラ15及び押
えローラ13は、本発明の上糸繰り出し手段を構成す
る。また、前記プーリ付きロータリーエンコーダ19
は、本発明の上糸繰り出し量検出手段を構成する。そし
て、前記圧電式上糸把持器21は、本発明の第1の圧電
式上糸把持手段を構成する。さらに、前記圧電式上糸把
持器17は、本発明の第2の圧電式上糸把持手段を構成
する。
【0016】上糸供給タイミング信号発生器31は、天
秤3による布締め終了時期の主軸29の位相を基準とし
て一定の主軸位相のときに信号を発生するものであり、
所謂電子ミシンにおいて設けられている針棒位置検出器
と同等なものである。
【0017】次に、以上のように構成された上糸供給制
御装置の作用の概略を説明する。
【0018】即ち、糸巻27から繰り出される上糸25
は、ベーステンション皿23により糸が乱れない程度の
張力が与えられ、糸把持解除状態にある圧電式上糸把持
器21を経て、プーリ付きロータリーエンコーダ19の
プーリに巻き付けられ、さらに糸把持解除状態にある圧
電式上糸把持器17を経て、DCサーボモータ付き上糸
繰出ローラ15と押さえローラ13とに狭持されて天秤
3側に送り出されるようになっている。上糸繰出量の制
御は、プーリ付きロータリーエンコーダ19が一つの縫
い目に必要な量の上糸25が繰り出されたことを検出す
ると、圧電式上糸把持器17、21が上糸25を直接把
持することにより上糸25の走行を停止させ、DCサー
ボモータ付き糸繰出ローラ15と上糸25との間に滑り
作用をおこさせ、ローラは回転し続けるが、上糸供給は
停止状態にする。
【0019】図2は、図1の圧電式上糸把持器17、2
1の構造を示す図である。積層型の圧電素子35は、厚
み方向に分極された板を複数個積層して構成されると共
に、その各圧電板の電極が一層置きに電気的に並列接続
され、電圧を印加することによって高さ方向に変位する
ようになっている。その圧電素子35の一端は枠37に
固定され、また、同圧電素子35の他端は板バネ製の変
位拡大板39に固定されている。前記変位拡大板39の
一対の突出部分39a、39bには連結棒41が固着さ
れており、圧電素子35の変位に伴い互いに離れようと
する前記突出部分39a、39b間の距離を一定に保っ
ている。一対の糸把持板43、45が、上糸25を間に
して対向する位置でそれぞれアーム47、49に個別に
固定されている。前記アーム47、49の他端は前記変
位拡大板39の突出部分39c、39dに固定されてい
る。
【0020】以上のように構成された圧電式上糸把持器
の作用を次に説明する。
【0021】即ち、圧電素子35は、電圧が印加される
と、高さ方向に変位する。これにより、変位拡大板39
は突出部分39a、39bを支点としてそれぞれ反時
計、時計方向に回転モーメントが働き、突出部分39
c、39dに固着されているアーム47、49も突出部
分39a、39bを支点として回転運動する。このと
き、連結棒41は、互いに離れようとする突出部分39
a、39b間の距離を一定に保つため、圧電素子35の
変位が効率よくアーム47、49の回転運動に変換され
る。その結果、アーム47、49の先端に固着されてい
る糸把持板43、45は互いに接近し、その各糸把持面
によって糸51を把持する。圧電素子35は印加された
電圧が除去されると印加前の長さに戻るから、印加時と
はちょうど逆の作用により、糸把持板43、45が互い
に離隔して糸51の把持作用が解除される。
【0022】次に、本実施例の上糸供給制御装置の作用
を図3(a),(b)に示す線図及び図4に示す制御ブ
ロック図に従って説明する。図3(a)(b)におい
て、それぞれ上段は上糸の張力波形、中段は天秤3の高
さ方向の位置、下段はロータリーエンコーダ19bの回
転に伴い出力されるパルス列を示す。上段の斜線部分は
上糸把持器による把持期間Mを示し、それ以外の期間は
把持解除期間M’を示している。また、イは上糸25が
ミシン下部の釜部から外れる時に生じた上糸張力発生時
期、ロは天秤3による布締め作用により生じた上糸張力
発生時期、ハは天秤上死時期、ニは布締め作用による糸
張力消滅時期を示す。定速回転しているDCサーボモー
タ15aによって駆動される上糸繰り出しローラ15b
により上糸25が繰り出され、圧電式上糸把持器17、
21による把持によって上糸25の繰出は停止する。
【0023】図3(a)の場合、上糸25の繰り出しは
次のように開始される。先ず、ニより遅いP時点で上糸
供給タイミング信号発生器31が通電制御回路55に糸
把持解除信号を伝える。通電制御回路55は、圧電式上
糸把持器17、21に印加していた電圧をほぼ同時に除
去して糸把持を解除する。上糸25は上糸繰り出しロー
ラ15bと押えローラ13と間での狭持回転により繰り
出され始める。
【0024】上糸25が繰り出されると、上糸25が巻
き付けられたプーリ19aが回転し、ロータリーエンコ
ーダ19bから上糸繰り出し量に比例した数のパルスが
計数器53に出力される。計数器53は、前回の糸把持
時点からのパルス数が、一つの縫い目に必要な糸量に相
当する数に達した時点Qで通電制御回路55に糸把持信
号を与える。通電制御回路55は、直ちに圧電式上糸把
持装器17、21に電圧を印加して上糸25を把持し、
僅かに把持部で上糸25が滑った後、R時点で上糸繰り
出しは停止する。この場合、上糸を繰り出し動作は、天
秤3による布締め時期の次の糸弛緩時期に行われるが、
その糸弛緩時期は布締め時期よりも時間的余裕があるた
めに、前記上糸25の繰り出しを余裕をもって行なうこ
とができると共に、このときに繰り出される上糸25に
過大な張力が作用していないために、前記プーリ付きロ
ータリーエンコーダ19による上糸繰り出し量の検出を
一層確実にすることができる。
【0025】このとき、ロータリーエンコーダ19bの
両側の上糸25を圧電式上糸把持器17、21によって
ほぼ同時に把持するから、センサであるロータリーエン
コーダ19bの不要な慣性回転や振動的挙動を最小限に
抑えることができ、糸供給量の精度を高くすることがで
きる。また、同時に、イで瞬間的に発生する張力や上糸
繰出ローラ15bの糸繰り出し力に対抗して上糸25を
停止状態にするために必要な把持力は、二つの圧電式上
糸把持器17、21を用いて上糸25を二箇所で把持す
ることによって、小型の圧電素子35を用いても十分に
確保できるものである。
【0026】なお、前記の説明では、連続する2つの圧
電式上糸把持器17、21の間においてロータリーエン
コーダ19bから出力されるパルス数が所定値になるよ
うに制御しているが、R時点以後次のP時点以前のプー
リ19aが静止している時点を基準として、2つのプー
リ静止時点間のパルス数が一定になるように糸把持タイ
ミングを制御してもよい。
【0027】以上のように、本実施例では上糸繰出ロー
ラ15bより糸巻き27側に小型軽量のロータリエンコ
ーダ19bを設けているが、この構成では一つの縫い目
を形成する間の実際の上糸供給量をより正確に検出する
ことができるという効果がある。
【0028】なお、前記した従来技術の特開昭63−2
94895号公報に開示された図5(a)に示される上
糸供給制御装置部の場合、電磁式糸把持器57が上糸2
5の把持を解除した時点以降にロータリーエンコーダ付
き上糸繰出ローラ61から得られるパルス数によって、
上糸供給量を検出している。
【0029】また、他の従来技術として図5(b)に示
した上糸供給制御装置部の場合、電磁式糸把持器57の
把持解除時間とDCサーボモータ付き上糸繰出ローラ1
5によって供給される上糸量とが比例するとして、上糸
供給量を検出している。なお、この場合には電磁式糸把
持器57と59とは別々のタイミングで作動するように
制御される。即ち、次の縫い目に必要な量の上糸25を
DCサーボモータ付き上糸繰り出しローラ15と電磁式
糸把持器59との間に糸のたるみBとして予め確保して
おき、これを天秤による布締め時期の前に電磁式糸把持
器57で糸を把持したまま電磁式糸把持器59の糸把持
を解除することによって、上糸25を供給することを繰
り返す。
【0030】図5(a),(b)いずれの場合でも、上
糸繰出ローラ部と上糸25とは滑り状態から狭持状態へ
の変化を繰り返す。しかし、このような変化に要する時
間は、上糸25の種類、接触面の微妙な表面状態等によ
って変化し易いものあり、ローラが完全に定速で回転
し、かつ電磁式糸把持装置57の応答にばらつきがない
としても、糸把持解除時、及び糸把持時の糸繰り出し量
の時間的な変化は同じにはなりにくい。このため、図5
(a),(b)のような方法では、特に上糸の種類によ
らない糸供給量の正確な検出は難しい。
【0031】一方、本実施例の場合は、プーリ19aの
糸巻き付け面と上糸25との滑りがないならば、上糸繰
り出しローラ15bや圧電式上糸把持器17、21の糸
接触面と上糸25との間の滑りに拘らず、一つの縫い目
を形成する間に実際に供給された上糸量を正確に検出す
ることができる。この滑りをなくすにはプーリ19aの
糸巻き付け面と上糸25とが常に静止状態にあればよい
から、小型軽量でかつ糸巻き付け面の摩擦係数が大きい
プーリ19aを用いることによって、比較的容易に近似
的な実現が可能である。
【0032】また、図3(b)の場合、糸繰り出し開始
時点Pは、上糸25が釜部から外れるときに瞬間的に大
きな張力を発生する時点イを避けて、天秤3による布締
め糸張力がすでに発生している時点であるロとハの間に
設定される。この場合、天秤3によって発生する糸張力
と高速回転するDCサーボモータ付き上糸繰出ローラ1
5の繰り出し力の両方によって上糸25が繰り出される
から、ハから短時間で上糸繰り出しを終了することがで
きる。
【0033】この場合、天秤3による布締め時期に上糸
25が繰り出されることになり、この時期に上糸25を
完全に把持しておく図3(a)のような方式に比べて、
上糸25に発生する張力のピーク値を低く押さえること
ができる。この場合、縫い目をより柔らかにする効果が
ある。
【0034】しかしながら、イからハまでの時間は特に
高速回転時には非常に短く、例えば、ある本縫いミシン
では、主軸回転数が毎分4000回転の場合には2.5
ミリ秒程度しかない。この短い時間に必要な糸量を繰り
出すために、DCサーボモータ付き上糸繰り出しローラ
15の回転数がかなり高速であるだけではなく、糸把持
解除後の上糸25の滑り量をできるだけ少なく抑えてや
ることが必要である。従って、上糸把持装置には、正確
なタイミングで糸把持を解除し、一つの縫い目に必要な
量の上糸25が繰り出されたことを検出したらできるだ
け速く把持することが求められる。また、滑り量を抑え
るために押さえローラ11とDCモータ付き上糸繰出ロ
ーラ1とによって強い圧力で上糸25を狭持してやらな
ければならないが、これにより滑り時の糸繰り出し力も
大きくなるから、糸把持器はその力に対抗して上糸25
の走行を停止させるのに充分な糸把持力を発生できなけ
ればならない。
【0035】以上のような微妙なタイミング制御と充分
な糸把持力の両立は、高速応答が可能な圧電式上糸把持
器を複数使用することで実現が可能になる。主として、
残留磁力の影響による応答の遅れとばらつきを伴う電磁
式糸把持器では、遅れ時間を補正しようとしても主軸の
回転数によって補正する時間量を変えなければならず、
実現が難しかった。
【0036】
【発明の効果】以上説明したことから明かなように、本
発明のミシンの上糸供給制御装置によれば、第1及び第
2の圧電式上糸把持手段が上糸繰り出し量検出手段の前
後で上糸を把持するので、上糸繰り出し量検出手段の不
用意な運動や振動等を抑制することができ、その後の上
糸量の検出作用を確実にすることができる。また、この
時に、第1及び第2の圧電式上糸把持手段が上糸経路上
に略直列に配置されているから、小型で安価な圧電式糸
把持手段をもって上糸を停止させるのに必要な糸把持力
を充分に得ることができる。さらに、高速応答性に優れ
る圧電式上糸把持手段を利用できるため、正確な上糸繰
出量制御が低速から高速に至る幅広い縫製速度の範囲で
可能になる等の優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の上糸供給制御装置の構成を示す概略構
成図である。
【図2】圧電式上糸把持器の構成を示す図である。
【図3】上糸供給タイミングを示す説明図である。
【図4】上糸供給制御回路を示すブロック図である。
【図5】従来の上糸供給制御装置の構成を示す図であ
る。
【符号の説明】
13 押さえローラ 15 上糸繰り出しローラ 17 圧電式上糸把持器 19 プーリ付きロータリーエンコーダ 21 圧電式上糸把持器

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 糸を糸消費側へ繰り出す上糸繰り出し手
    段と、その上糸繰り出し手段によって繰り出される糸量
    を検出する上糸繰り出し量検出手段と、その上糸繰り出
    し量検出手段によって所定量の上糸が検出されたとき、
    上糸を把持することにより上糸の繰り出しを停止させる
    第1及び第2の圧電式上糸把持手段とを備えてなるミシ
    ンの上糸供給制御装置において、 上糸の糸供給側から糸消費側に向かって、前記第1の圧
    電式上糸把持手段、前記上糸繰り出し量検出手段、前記
    第2の圧電式上糸把持手段、及び前記上糸繰り出し手段
    を、この記載順序で上糸経路上に略直列に配置したこと
    を特徴とするミシンの上糸供給制御装置。
  2. 【請求項2】 前記上糸繰り出し手段によって一つの縫
    い目に必要な量の上糸を繰り出す動作を、天秤による布
    締め時期以外の糸弛緩時に行うように構成したことを特
    徴とする請求項1に記載のミシンの上糸供給制御装置。
  3. 【請求項3】 前記上糸繰り出し手段によって一つの縫
    い目に必要な量の上糸を繰り出す動作を、天秤による布
    締め時期に行うように構成したことを特徴とする請求項
    1に記載のミシンの上糸供給制御装置。
JP22133494A 1994-09-16 1994-09-16 ミシンの上糸供給制御装置 Pending JPH0884879A (ja)

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