JPH0884584A - D‐N‐α‐カルバミラーゼの安定な変異体 - Google Patents

D‐N‐α‐カルバミラーゼの安定な変異体

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JPH0884584A
JPH0884584A JP7091195A JP9119595A JPH0884584A JP H0884584 A JPH0884584 A JP H0884584A JP 7091195 A JP7091195 A JP 7091195A JP 9119595 A JP9119595 A JP 9119595A JP H0884584 A JPH0884584 A JP H0884584A
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 本発明は、野生型酵素のアミノ酸配列の24
3、250、および279位におけるシステインのうち
少くとも一つが天然アミノ酸から選択される異なる残基
で置換されてなるD‐N‐α‐カルバミラーゼの変異
体、D‐N‐α‐カルバミラーゼの変異体のうち少くと
も一つをコードするヌクレオチド配列を含んだ組換えプ
ラスミド、そのプラスミドで形質転換された宿主微生
物、および上記微生物の培養物によるこれら変異体の製
造方法。 【効果】 D‐N‐α‐カルバミラーゼの変異体は野生
型酵素の場合より高い酵素安定性を有しており、製造収
率で改善を示すD‐α‐アミノ酸の製造にとり特に有用
である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の背景】発明の分野 本発明は、野生型酵素の場合と比較して改善された酵素
安定性を有するD‐N‐α‐カルバミラーゼの変異体、
それらの製造手段および方法、およびD‐α‐アミノ酸
の製造についてのそれらの使用に関する。
【0002】背景技術 酵素の工業的使用が限定されるのは、一般的にそれらの
高い製造および精製コストのためだけではなく、知られ
ているように、一連の因子、例えば熱変性、酸化現象と
疎水性および/または共有タイプの結合に起因する凝集
に基づくそれらの不安定性のためでもある。
【0003】したがって、酵素の不安定性の原因を突き
止めることが、酵素方法を改善してそれをもっと有用な
ものにする解決策を見つける上で最も重要である。他
方、(i) この不安定性の原因と、(ii)酵素の活性を変え
ずに不安定性を解消または減少する上で可能な方策とを
正確に示すことはしばしば困難性を伴う。
【0004】D‐N‐α‐カルバミラーゼは、D‐N‐
カルバミル‐α‐アミノ酸を立体特異性加水分解によ
り、対応D‐α‐アミノ酸に変換することができる酵素
である。これらの光学活性化合物は、薬理活性物質(例
えば、D‐フェニルグリシンおよびD‐パラヒドロキシ
フェニルグリシンは、ペニシリン類およびセファロスポ
リン類の合成に用いられる)、農薬(殺虫剤フルバニレ
ート合成用のD‐バリン)または甘味料(D‐アラニ
ン)の合成に重要な中間体である。
【0005】D‐N‐α‐カルバミラーゼは、それが用
いられる工業的方法の収率およびコストをかなり悪化さ
せる不安定化現象もうけやすい。
【0006】
【発明の概要】上記技術の欠点を克服することが本発明
の目的である。特に、本発明によると、野生型D‐N‐
α‐カルバミラーゼのシステイン243、250、およ
び279のうち少くとも一つの異なるアミノ酸残基によ
る置換により、この酵素を安定化させることができて、
D‐α‐アミノ酸の製造収率を改善することが見出され
た。これによれば、本発明の第一の態様は、243、2
50、および279位におけるシステインアミノ酸残基
のうち少くとも一つが天然アミノ酸の群から選択される
異なるアミノ酸残基で置換されてなることを特徴とす
る、改善された酵素安定性を有したD‐N‐α‐カルバ
ミラーゼの変異体に関する。改善された安定性を有する
D‐N‐α‐カルバミラーゼの少くとも1つの変異体を
コードするヌクレオチド配列が、本発明のもう1つの対
象である。本発明は上記配列を含んでなる複製性発現ベ
クターにも関する。本発明のもう1つの対象は、上記ベ
クターで形質転換された微生物に関する。適切な条件下
で形質転換微生物を培養し、こうして得られた変異体を
分離することからなる、改善された安定性を有するD‐
N‐α‐カルバミラーゼの少くとも一つの変異体の製造
方法が、本発明のもう1つの態様である。本発明は、D
‐α‐アミノ酸の製造方法における、上記形質転換微生
物または上記微生物から得られたD‐N‐α‐カルバミ
ラーゼの変異体の用途にも関する。
【0007】
【発明の具体的説明】本発明の他の目的は、下記記載お
よび例から明らかである。特に、本発明によるD‐N‐
α‐カルバミラーゼの変異体は、野生型酵素のアミノ酸
配列の243、250、または279位におけるシステ
イン残基(Cys)のうち少くとも1つがL‐アラニ
ン、L‐セリン、L‐リジン、L‐アルギニン、L‐ア
スパラギン酸、L‐グルタミン酸、L‐アスパラギン、
L‐グルタミン、L‐ヒスチジン、L‐グリシン、L‐
ロイシン、L‐イソロイシン、L‐バリン、L‐チロシ
ン、L‐トレオニン、L‐トリプトファン、L‐フェニ
ルアラニン、L‐メチオニン、またはL‐プロリンから
選択される異なる残基で置換されていることを特徴とす
る。
【0008】本発明のD‐N‐α‐カルバミラーゼの変
異体は: a)D‐N‐α‐カルバミラーゼをコードする遺伝子の
特定部位に一以上の変異を導入し、 b)工程a)で得られた変異誘発させた遺伝子をクロー
ニングベクターにクローニングし、 c)工程b)で得られた組換えベクターで宿主株を形質
転換し、 d)工程c)で形質転換された宿主株を適切な培地で培
養し、そして e)こうして得られたD‐N‐α‐カルバミラーゼの変
異体を分離および精製することからなる方法で製造され
る。
【0009】遺伝子の既定部位における変異の導入は、
インビトロで公知変異誘発技術の1つを用いて実施でき
る。DNA配列上にある特定の既定部位で修正を行う様
々な技術の中では、一本鎖の合成オリゴヌクレオチドを
用いる技術が最も広く用いられている。
【0010】特に、Zoller,M.J.and Smith,M.,(1982),N
ucl.Acid.Res.,10,6487-6500に記載された方法の修正法
が用いられ、その方法では: 1)D‐N‐α‐カルバミラーゼまたはこの一部(標的
配列)の遺伝子をM13タイプバクテリオファージまた
はそれに由来するプラスミド中に導入して、変異遺伝子
の合成用の鋳型として有用な一本鎖でそれを作り、 2)変異を決定する内部部分を除いて変異誘発される配
列に相補的なオリゴヌクレオチドを合成し、 3)合成オリゴヌクレオチドを鋳型にアニーリングさせ
(これは第二修飾鎖の合成用のプライマーとして作用す
る)、 4)インビトロで1回の重合および結合により二本鎖の
環状構造(1本のフィラメントは親であり、他方は望ま
しい変異を含んでいる)を再構成し、 5)親フィラメントを除去し、インビトロで1回の重合
および結合により二本鎖の環状構造(双方のフィラメン
トが望ましい変異を含んでいる)を再構成し、 6)変異および野生型クローンの集団を得ることにより
コンピテント(competento)化された宿主細胞を形質転換
するために二本鎖形を用い、 7)変異クローンを選択する。
【0011】変異誘発されるD‐N‐α‐カルバミラー
ゼの遺伝子に関して、これは微生物、例えばPseudomona
s 、Hansenula 、Agrobacterium 、Aerobacter、Aeromo
nas、Bacillus、Moraxella 、Brevibacterium、Flavoba
cterium、Serratia、Micrococcus 、Arthrobactor、ま
たはParacoccusから単離することができる。これら微生
物の具体例としてはBacillus macroides ATCC 12905 、
Aerobacter cloacae IAM 1221 、Agrobacterium sp.IP
I-671 、Agrobacterium radiobacter NRRLB 11291 、Ps
eudomonas sp.FERM BP 1900 が挙げられる。
【0012】本発明の好ましい態様によれば、Agrobact
erium radiobacter NRRLB 11291 に由来するD‐N‐α
‐カルバミラーゼ遺伝子が変異誘発された。D‐N‐α
‐カルバミラーゼ遺伝子を含むDNAの断片が制限酵素
EcoRIおよびHindIII 切断によりプラスミドp
SM651(CBS203.94)から単離され、電気
泳動ゲルによる精製後、それが同制限酵素で切断された
後のバクテリオファージM13mp8に公知技術を用い
て結合された。
【0013】得られたリガーゼ混合物はDagert,M.and E
hrlich(1979),Gene,6:23に記載されたようにコンピテン
ト化されたEscherichia coli71/18(大腸菌)の細
胞を形質転換するために用いられ、形質転換株が多数の
陽性組換えプラークを得るために適した培地上で選択さ
れた。
【0014】陽性プラークの1つから一本鎖を作った
後、これは望ましい変異を導入するための鋳型として用
いられた。特に、下記合成オリゴヌクレオチドがCys
→Ala置換を243、250、および279位に導入
するために用いられた: (1)5'GAG CAG CAT GGC CCC C
TC CTC C3' (2)5'CGC CAC GAT GGC CGA A
TG GCC3' (3)5'GCA GTT CCC GGG CGC G
GT CGA GAT3'
【0015】オリゴヌクレオチドの合成は市販装置、例
えばオリゴ1000DNAシンセサイザー(Beckman) を
用いて、公知方法で実施できる。
【0016】次いで、第二修飾フィラメントの合成用の
プライマーとして作用する合成オリゴヌクレオチドへの
一本鎖のカップリングが行われる。
【0017】望ましい変異を得た後、一方のフィラメン
トが親で、他方が望ましい変異を起こした標的配列の環
状二本鎖構造が、インビトロで1回の重合および結合に
より再構成された。
【0018】親フィラメントはヘキソヌクレアーゼで除
去され、その後環状二本鎖構造が再重合および結合によ
り再構成される。この構造において、双方のフィラメン
トは変異を含んでいる。
【0019】上記反応混合物は、大腸菌TG1のコンピ
テント細胞を形質転換して、組換えバクテリオファージ
プラークを得るために用いた。各変異誘発実験から得ら
れる陽性組換えプラークのゲノムに含まれたカルバミラ
ーゼ遺伝子は、Sanger et al.(PNAS(1977),74:5463) に
より記載された方法に基づき、市販キット Sequenase
(USB)を用いて配列決定した。
【0020】本発明の変異体の活性および安定性の特徴
を確かめるために、上記のように変異誘発された遺伝子
を含むプラスミドで形質転換された大腸菌細胞が、適切
な培地中37℃で16時間培養された。次いで細胞溶解
物から得られたタンパク質抽出物が、SDS‐PAGE
(ドデシル硫酸ナトリウムを含有したポリアクリルアミ
ドゲル上の電気泳動)および光学密度計測分析により分
析された。結果は、変異体が互いに匹敵して、野生型酵
素の発現レベルに類似した量で発現されることを示し
た。
【0021】Weatherburn,M.W.,(1967),(Anal.Chem.,3
9:971) に記載されたように生抽出物で行われた活性試
験では、すべての変異体について野生型酵素の場合に匹
敵する活性を示した。
【0022】異なる時間に室温(20〜25℃)で行わ
れた安定性研究では、試験された変異体について野生型
D‐N‐α‐カルバミラーゼの場合よりも高い安定性を
示した(例9および図1)。
【0023】事実、888時間後に野生型酵素はその活
性を完全に喪失したが、二重変異体Cys243Ala
‐Cys279Alaの場合は63%の残留活性が観察
され、1896時間後に32%であった。
【0024】加えて、D‐N‐カルバミル‐パラヒドロ
キシフェニルグリシンを同量の変異酵素Cys243A
la‐Cys279Alaおよび野生型酵素と接触させ
ることにより行われた研究では、同反応時間で、変異酵
素がD‐パラヒドロキシフェニルグリシンの製造収率で
改善を示すことを示した(例10および図2)。
【0025】本発明によれば、上記のように変異誘発さ
れた遺伝子は、宿主株でその発現を調節する配列のコン
トロール下にその遺伝子を正確に配置することにより、
クローニングベクター中に導入できる。
【0026】目的に適したベクターは、市場または公的
な貯蔵センターで入手しうるプラスミド、バクテリオフ
ァージ、およびコスミドから選択することができる。
【0027】本発明の好ましい態様によれば、変異誘発
されたカルバミラーゼ遺伝子はD‐ヒダントイナーゼ酵
素をコードする遺伝子を含んだプラスミド例えばpSM
651(CBS203.94)中にクローニングされ
る。
【0028】特に、ヒダントイナーゼおよび野生型カル
バミラーゼ遺伝子(ヒダントイナーゼ‐カルバミラーゼ
オペロン)をベクターpSM671(CBS205.9
4)中に挿入することで得られた上記プラスミドは、そ
れが大腸菌および/または枯草菌中でコントロール下に
おかれた遺伝子の発現をかなり効率的にインダクターな
しで指示できる合成プロモーターを含んでいることで特
徴付けられる。
【0029】同様の変異誘発された遺伝子による野生型
D‐N‐α‐カルバミラーゼをコードする遺伝子の置換
から、D‐ヒダントイナーゼ酵素およびD‐N‐α‐カ
ルバミラーゼの変異体からなる酵素系を発現できる組換
えプラスミドを組立てる。
【0030】変異誘発されたD‐N‐α‐カルバミラー
ゼ遺伝子または変異誘発されたヒダントイナーゼ‐カル
バミラーゼオペロンを含む組換えプラスミドは枯草菌お
よび/または大腸菌の群から選択される宿主微生物中に
導入することができる。
【0031】次いで、これらの微生物は炭素および窒素
の同化源と、異なるカチオン、アニオンおよび、場合に
より微量のビタミン、例えばビオチンまたはチアミン、
あるいはアミノ酸を含有した水性培地中、好気的条件下
で培養される。
【0032】同化性炭素源には炭水化物、例えばグルコ
ース、加水分解アミド、糖蜜、スクロースまたは他の慣
用的な炭素源がある。
【0033】窒素源の例は、例えば無機アンモニウム
塩、例えば硝酸アンモニウム、硫酸アンモニウム、塩化
アンモニウムまたは炭酸アンモニウムと、尿素または有
機もしくは無機窒素含有物質、例えばペプトン、酵母ま
たは肉エキスから選択することができる。
【0034】下記カチオンおよびアニオン、即ちカリウ
ム、ナトリウム、マグネシウム、鉄、カルシウム、酸の
リン酸、硫酸、塩化物、マンガンおよび硝酸イオンが本
発明の目的にとり同等に適している。
【0035】発酵は25〜40℃、好ましくは30〜3
7℃の温度、6〜7.5、好ましくは6.5〜7.0の
pHにおいて、攪拌下で行われる。
【0036】慣用的技術、例えば遠心または濾過で培地
から回収された細胞(バイオマス)はD‐α‐アミノ酸
の製造に用いられ、または細胞がヒダントイナーゼおよ
び変異カルバミラーゼ酵素を発現するときには、5‐置
換ヒダントインのラセミ混合物の製造に用いられる。
【0037】一方、D‐α‐アミノ酸の製造において
は、超音波処理またはFrench-Pressによる細胞の破壊か
ら得られた細胞抽出物、慣用的技術を用いて精製または
部分精製された双方の酵素、あるいは不溶性支持体に固
定された酵素が使用できる。
【0038】多数のD‐N‐カルバミルアミノ酸および
5位で置換されたヒダントインが本発明の目的に使用で
きる。5位で可能な置換基は炭素原子数1〜6の直鎖ま
たは分岐鎖アルキル基から選択されるが、そのアルキル
基はヒドロキシル、カルボキシル、スルフヒドリルもし
くはアミノ基またはフェニルもしくはベンジル基で一ま
たは多置換でき、更に後者の置換基はオルト、メタおよ
びパラ位に1以上の置換基を含むことができる。
【0039】5‐置換ヒダントインの例としては、D,
L‐5‐フェニルヒダントイン、D,L‐5‐パラヒド
ロキシフェニルヒダントイン、D,L‐5‐メトキシヒ
ダントイン、D,L‐5‐イソプロピルヒダントイン、
D,L‐5‐チエニルヒダントイン、D,L‐5‐パラ
メトキシフェニルヒダントイン、D,L‐5‐パラクロ
ロフェニルヒダントイン、D,L‐5‐ベンジルヒダン
トインが挙げられる。
【0040】対応D‐α‐アミノ酸における出発基質
(5‐置換ヒダントインまたはD‐N‐カルバミルアミ
ノ酸)の変換反応は、密封容器中、窒素雰囲気下におい
て、20〜60℃、好ましくは30〜45℃の温度で行
われることが好ましい。反応培地のpHは6〜10、好
ましくは7〜8.5の値内に維持される。このpH調節
は、例えば塩基性水溶液、例えばアンモニア、水酸化カ
リウム、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウムまたはカリ
ウムの水溶液を加えることにより実施できる。
【0041】基質の初期濃度は通常2〜30重量%であ
る。
【0042】反応混合液に加えられるバイオマスまたは
酵素の量は、酵素に対する基質の具体的親和性に依存し
ている。1/1〜1/50のバイオマス/基質重量比が
通常使用できる。
【0043】本発明の方法で製造されたD‐α‐アミノ
酸は、従来よりの方法、例えばイオン交換クロマトグラ
フィーまたはアミノ酸の等電点沈降を用いて反応環境か
ら回収することができる。
【0044】本発明はA.radiobacter のD‐N‐α‐カ
ルバミラーゼの変異体の製造に関するが、他の微生物か
ら得られる相同的酵素の修正にも適用しうることは明ら
かである。
【0045】本発明によれば、プラスミドpSM645
は大腸菌SMC306としてCentraalbureau Voor Schi
mmelcultures,SK Baarn(Holland)に受託され、そこで寄
託番号CBS204.94が付された。
【0046】
【実施例】下記実験例は本発明を更に説明するが、その
範囲を制限するものではない。 例1バクテリオファージM13mp8の複製形におけるD‐
N‐カルバミラーゼをコードする遺伝子の断片EcoR
I‐HindIII のクローニング: プラスミドpSM6
51 CBS203.94(1μg)を37℃で60分
間かけて1単位の制限酵素EcoRIおよびHindII
I (Boehringer)により切断した。
【0047】酵素反応を65℃で10分間阻止した後、
反応混合物を低融点アガロースゲル上に0.8%で置
き、50ボルトで2時間処理した。次いでD‐N‐α‐
カルバミラーゼをコードする配列を含んだ915塩基対
(bp)のEcoRI‐HindIII バンドをGelaseTM
(Epicentre Technologics)により精製した。
【0048】このバンドに相当するDNA断片(0.0
2μg)を、同制限酵素で切断した後のベクターM13
mp8(50ng)に結合させた。リガーゼ反応は66mM
トリスHCl pH7.6、1mMATP、10mMMgC
、10mMジチオスレイトール(DTT)含有混合液
20μl中T4 DNAリガーゼ1Uの存在下16℃で
16時間行った。
【0049】次いでリガーゼ混合液の一部(5μl)を
用いて、50mMCaClでコンピテント化された大腸
菌71/18(BRL)の細胞を形質転換させた(Dager
t,M.and Ehrlich(1979),Gene,6:23)。
【0050】次いで形質転換株を40μg/mlのX‐Ga
l(5‐ブロモ‐4‐クロロ‐3‐インドリル‐D‐チ
オガラクトピラノシド)および125μg/mlのIPTG
(イソプロピル‐β‐D‐チオガラクトピラノシド)含
有のYT寒天(8g/lバクトトリプトン(DIFCO) 、5g/
lNaCl)のプレート上で選択した。
【0051】上記のように操作して、多数の陽性組換え
プラーク(白色)を得たが、これは非組換え体(青色)
と容易に区別することができた。
【0052】EcoRI‐HindIII 断片の挿入が正
確に行われたかを確認するために、二本鎖バクテリオフ
ァージDNA(複製形またはRF)をいくつかの陽性プ
ラークから単離し、EcoRIおよびHindIII 酵素
(Boehringer)で切断した。
【0053】部位特定変異誘発段階で鋳型として用いら
れる一本鎖バクテリオファージDNA(SS)を陽性プ
ラークの1つから作ったが、これは正確な挿入を示し
た。
【0054】例2部位特定変異誘発 望ましい変異を導入するために用いられたオリゴヌクレ
オチドは、オリゴ1000DNAシンセサイザー(Beckm
an) を用いて、公知方法により合成した。特に、そのオ
リゴヌクレオチドは下記配列を有している: (1)5'GAG CAG CAT GGC CCC C
TC CTC C3' 変異Cys243→Alaを挿入する; (2)5'CGC CAC GAT GGC CGA A
TG GCC 3' 変異Cys250→Alaを挿入する; (3)5'GCA GTT CCC GGG CGC G
GT CGA GAT3' 変異Cys279→Alaを挿入する。
【0055】下線の塩基はシステインのコドンをアラニ
ンのコドンで置換するために用いられる塩基である。
【0056】オリゴヌクレオチドは、100mMトリスH
Cl pH8、10mMMgCl、5mMDTT、1mMA
TPおよびT4ポリヌクレオチドキナーゼ(Promega) 2
U含有の反応混合液30μl中37℃で30分間のイン
キュベートにより、鎖の5´末端側でリン酸化させた。
【0057】次いでリン酸化オリゴヌクレオチドは、製
造者の指示に従い操作するため、Zoller and Smith(198
3,Methods in Enzymol.,100:468-500)に記載された方法
に基づき、系“オリゴヌクレオチド‐特定部位インビト
ロ変異誘発バージョン2”(Amersham)を用いて、インビ
トロで3種の変異誘発反応に別々に用いた。
【0058】次いで反応混合物は前記のように大腸菌T
G1(Amersham)の細胞を感染させるために用いた。
【0059】各変異誘発実験から得られる白色プラーク
に由来するバクテリオファージDNAは、望ましい変異
の存在を確認するために、Sanger et al.(PNAS(1977),7
4:5463) に記載された方法に基づき"Sequenase 2.0" キ
ット(United States Biochemical) で配列決定した。
【0060】例3プラスミドpSM671における変異体Cys→Ala
のサブクローニング システインからアラニンへの置換を含んだ組換えバクテ
リオファージの二本鎖DNAの各々1.0μgを制限酵
素EcoRIおよびHindIII(2U)で切断し、その
後同制限酵素で既に切断されたプラスミドpSM671
CBS205.94(1μg)と結合させた。リガー
ゼ反応はT4 DNAリガーゼ2U、バクテリオファー
ジDNA150ngおよびプラスミドDNA50ngを含有
したリガーゼ緩衝液20μl中16℃で16時間行っ
た。
【0061】次いで各混合液5μlを用いて、大腸菌7
1/18(BRL)のコンピテント細胞を形質転換させ
た。
【0062】形質転換株は μg/mlのクロラムフェニ
コールを含有したLB寒天培地(0.8%バクトトリプ
トン、0.5%酵母エキス、0.5%NaCl、寒天1
8g/l)のプレート上で選択した。
【0063】こうして得られた陽性Cmクローン(ク
ロラムフェニコール耐性)の1つから単離されたプラス
ミドDNAを、遺伝子の正確な挿入を確認するために、
制限分析により分析した。
【0064】こうして得られたプラスミドをpSM64
1(変異Cys243→Alaを有する)、pSM64
2(変異Cys250→Alaを有する)、pSM64
3(変異Cys279→Alaを有する)と呼んだ。
【0065】例4大腸菌における変異体の発現 プラスミドpSM641、pSM642、およびpSM
643を保有する大腸菌株を、20μg/mlのクロラムフ
ェニコールが加えられたLB培地10mlを含有した各々
の50mlフラスコ中に接種し、攪拌下(200rpm)37
℃で16時間インキュベートした。コントロールとし
て、カルバミラーゼの野生型遺伝子を保有するプラスミ
ドpSM637を含んだ大腸菌71/18の株を上記と
同様の条件下で培養した。
【0066】次いで培養液を12000rpm で1分間遠
心した(ローターSJ14、Beckman)。こうして得られ
た細胞を20mMトリスHCl pH7.5、20mMMe
OH、20%グリセロールの緩衝液300μlに再懸濁
し、超音波処理(Soniprep150,平均電圧でMSE1分間
インパルス)により溶解させた。各溶解物20μlをS
DS‐PAGE及び活性試験により分析した。
【0067】電気泳動分析では、すべての酵素が互いに
および野生型酵素の発現レベルに匹敵する量で発現され
た。
【0068】例5二重Cys→Ala変異体の組立て 例2で記載された部位特異性変異誘発方法を用いて、二
重変異Cys243Ala‐Cys250Alaおよび
Cys243Ala‐Cys279Alaを含んだ変異
体を得た。処置は、導入される変異を含んだ2つのオリ
ゴヌクレオチド(各々、変異体Cys243Ala‐C
ys250Alaについてオリゴヌクレオチド1および
2、変異体Cys243Ala‐Cys279Alaに
ついてオリゴヌクレオチド1および3)が同時に加えら
れた2種の反応混合液を調製することだけであった。イ
ンビトロ変異誘発反応後、各混合液は大腸菌TG1の細
胞を形質転換するために用いた。各形質転換から得られ
る白色プラークの1つから単離されたプラスミドDNA
は、システインの正確な置換を確認するために配列決定
した。次いで選択された組換えバクテリオファージを二
本鎖DNAの作成のために用いた。
【0069】例6プラスミドpSM671における二重変異体のサブクロ
ーニング 例3で記載されたのと同様の操作を用いて、2つの変異
を含むカルバミラーゼ遺伝子をプラスミドpSM671
CBS205.94でバクテリオファージDNAから
サブクローニングした。得られたプラスミドの分析で
は、カルバミラーゼ遺伝子の正確な挿入を示した。得ら
れたプラスミドはpSM644(二重変異Cys243
Ala‐Cys250Alaを有する)およびpSM6
45(二重変異Cys243Ala‐Cys279Al
aを有する)と呼んだ。プラスミドpSM645を含む
大腸菌のクローンは略称SMC306で示した。
【0070】例7大腸菌における二重変異体の発現 プラスミドpSM644およびpSM645を含んだ大
腸菌の細胞を例4に記載されたのと同条件下で培養し
た。細胞溶解物の電気泳動分析では、変異酵素が野生型
酵素の場合に匹敵するレベルで発現されることを示し
た。
【0071】例8変異体の精製 プラスミドpSM641、pSM645およびpSM6
37(コントロール)を各々含んだ大腸菌の株の発酵か
ら得たバイオマスを25mMトリスHCl pH7.0、
20%(v/v) グリセロールの緩衝液(緩衝液A)に懸濁
し、French-Pressで2回18000psi(約1260 kg/
cm2 )で溶解させた。
【0072】溶解物の遠心(30000rpm 、4℃、3
0分間)後に得られた上澄を緩衝液Aで平衡化された S
epharoseQ FF(Pharmacia) カラム(2.6×20
cm)上にのせた。次いでカラムを緩衝液A(カラムの3
倍容量)で洗浄し、その後0〜0.4MのNaCl勾配
で溶出させた。酵素活性を有する分画を集め、塩化ニッ
ケルで活性化されて緩衝液Aで平衡化されたFast Flow
Chelating Spharose(Pharmacia) カラム(2.6×2
0cm)上にのせた。
【0073】緩衝液Aでカラムを洗浄した後、それを同
緩衝液中0〜0.2Mのイミダゾールの勾配で溶出させ
た。酵素活性を有する分画を集めて、YM10膜(Amico
n)で限外濾過により濃縮した。次いで濃縮溶液を緩衝液
Aで平衡化させたSuperose12HR10/30(Pharm
acia) カラム上にのせ、同緩衝液で溶出させた。酵素活
性を有する分画をSDS‐PAGEにより12.5%で
分析したところ、分子量約36000ドルトンで純度9
0%以上のタンパク質の存在を示した。
【0074】0.2M NaPO pH7.0の緩衝
液中基質として0.12M D‐カルバミルパラヒドロ
キシフェニルグリシンを用いて測定された精製タンパク
質の比活性は互いに匹敵し、野生型酵素の場合と類似す
る値8〜9U/mgであった。
【0075】単位という用語は、40℃で1分間かけて
1μモルの基質を形質転換できる酵素の量に関する。
【0076】例9変異体の酵素安定性の分析 例8に記載されたように得られた酵素溶液を0.2μm
のDynaGard(Microgon,Inc.)で無菌条件下濾過した。次
いで濾液の一部(0.2ml)をEppendorf 無菌試験管に
入れ、室温(20〜25℃)で維持した。規則的な時間
間隔で、残留酵素活性はpH7.0の0.2Mリン酸ナ
トリウム緩衝液中でD‐N‐カルバミルパラヒドロキシ
フェニルグリシンを基質として用いてHPLCで形成さ
れたD‐パラヒドロキシフェニルグリシンを計量するこ
とにより40℃で調べた。
【0077】表1および図1は、hr(横座標)で表示
された時間に対して、野生型カルバミラーゼ(−・
−)、変異体Cys243Ala(−+−)およびCy
s243Ala‐Cys279Ala(−*−)の残留
活性(縦座標)がパーセンテージで示されている。
【0078】
【表1】
【0079】例10野生型カルバミラーゼおよび変異体Cys243Ala
‐Cys279Ala間の生産力の比較 同量(0.064単位/ml)の野生型カルバミラーゼお
よび変異カルバミラーゼCys243Ala‐Cys2
79Alaを、pH7.0の0.2Mリン酸ナトリウム
緩衝液100ml中にD‐N‐カルバミルパラヒドロキシ
フェニルグリシン(25.2mg/ml)を含有した40℃に
サーモスタット調節される2つの装置に導入した。規則
的な時間間隔で、生産されたD‐パラヒドロキシフェニ
ルグリシンの量をHPLCにより調べた。得られた結果
は図2で示される通りであった。そこでは横座標はhr
の時間であり、縦座標はμモル/mlとして表示されたア
ミノ酸の量である。(−・−)は野生型カルバミラーゼ
を、(−+−)はカルバミラーゼの変異体をそれぞれ表
す。
【0080】
【配列表】
配列番号:1 配列の長さ:22 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:DNA 配列の特徴: 特徴を表す記号:プライマー 配列 GAGCAGCATG GCCCCCTCCT CC 22
【0081】配列番号:2 配列の長さ:21 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:DNA 配列の特徴: 特徴を表す記号:プライマー 配列 CGCCACGATG GCCGAATGGC C 21
【0082】配列番号:3 配列の長さ:24 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:DNA 配列の特徴: 特徴を表す記号:プライマー 配列 GCAGTTCCCG GGCGCGGTCG AGAT 24
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による変異体の酸素安定性の分析結果を
示す図面である。ここで、野生型カルバミラーゼ(−・
−)、変異体Cys243Ala(−+−)およびCy
s243Ala‐Cys279Ala(−*−)の残留
活性(縦座標)がパーセンテージで示されている。
【図2】野生型カルバミラーゼおよび変異体Cys24
3Ala‐Cys279Ala間の生産力の比較を示す
図である。ここで、(−・−)は野生型カルバミラーゼ
を、(−+−)はカルバミラーゼの変異体をそれぞれ表
す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C12N 1/21 8828−4B 15/09 ZNA //(C12N 9/14 C12R 1:19) (C12N 1/21 C12R 1:19) (C12N 15/09 ZNA C12R 1:01) C12R 1:01) (72)発明者 グイド、グランディ イタリー国セグラーテ、ノナ、ストラー ダ、4

Claims (22)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】野生型D‐N‐α‐カルバミラーゼのアミ
    ノ酸配列の243、250、および279位におけるシ
    ステインアミノ酸残基のうち少くとも一つが天然アミノ
    酸の群から選択される異なる残基で置換されてなること
    を特徴とする、D‐N‐α‐カルバミラーゼの安定な変
    異体。
  2. 【請求項2】天然アミノ酸残基がL‐アラニンである、
    請求項1に記載のD‐N‐α‐カルバミラーゼの変異
    体。
  3. 【請求項3】243および279位のシステインアミノ
    酸残基がアミノ酸残基L‐アラニンで置換されてなる、
    請求項1に記載のD‐N‐α‐カルバミラーゼの変異
    体。
  4. 【請求項4】請求項1に記載のD‐N‐α‐カルバミラ
    ーゼの変異体をコードする、ヌクレオチド配列。
  5. 【請求項5】243、250、および279位における
    システインのうち少くとも一つがアミノ酸残基L‐アラ
    ニンで置換されたD‐N‐α‐カルバミラーゼの変異体
    をコードする、請求項4に記載のヌクレオチド配列。
  6. 【請求項6】243および279位双方のシステインが
    アミノ酸残基L‐アラニンで置換されたD‐N‐α‐カ
    ルバミラーゼの変異体をコードする、請求項4に記載の
    ヌクレオチド配列。
  7. 【請求項7】243、250、および279位における
    システインアミノ酸残基のうち少くとも一つが天然アミ
    ノ酸の群から選択される異なる残基で置換されたD‐N
    ‐α‐カルバミラーゼの変異体をコードするヌクレオチ
    ド配列を含んでなる、発現プラスミド。
  8. 【請求項8】ヌクレオチド配列が、243、250、お
    よび279位におけるシステインのうち少くとも一つが
    アミノ酸残基L‐アラニンで置換されたD‐N‐α‐カ
    ルバミラーゼの変異体をコードしている、請求項7に記
    載の発現プラスミド。
  9. 【請求項9】ヌクレオチド配列が、243および279
    位双方のシステインがアミノ酸残基L‐アラニンで置換
    されたD‐N‐α‐カルバミラーゼの変異体をコードし
    ている、請求項8に記載の発現プラスミド。
  10. 【請求項10】D‐ヒダントイナーゼ酵素をコードする
    遺伝子を含んでなる、請求項7〜9のいずれか一項に記
    載の発現プラスミド。
  11. 【請求項11】Centraalbureau Voor Schimmelcultures
    に寄託され、寄託番号CBS204.94を受けてい
    る、請求項9に記載のプラスミドpSM645。
  12. 【請求項12】243、250、および279位におけ
    るシステインアミノ酸残基のうち少くとも一つが天然ア
    ミノ酸の群から選択される異なる残基で置換されたD‐
    N‐α‐カルバミラーゼの変異体をコードするヌクレオ
    チド配列を含んでなるプラスミドで形質転換された枯草
    菌および大腸菌の群から選択される微生物。
  13. 【請求項13】プラスミドが、243、250、および
    279位におけるシステインのうち少くとも一つがアミ
    ノ酸残基L‐アラニンで置換されたD‐N‐α‐カルバ
    ミラーゼの変異体をコードするヌクレオチド配列を含ん
    でなる、請求項12に記載の微生物。
  14. 【請求項14】プラスミドが、243および279位双
    方のシステインがアミノ酸残基L‐アラニンで置換され
    たD‐N‐α‐カルバミラーゼの変異体をコードするヌ
    クレオチド配列を含んでなるものである、請求項12に
    記載の微生物。
  15. 【請求項15】プラスミドがD‐ヒダントイナーゼをコ
    ードするヌクレオチド配列を含んでなるものである、請
    求項12に記載の微生物。
  16. 【請求項16】大腸菌SMC305 CBS204.9
    4である、請求項14に記載の微生物。
  17. 【請求項17】請求項7に記載のプラスミドで形質転換
    された大腸菌および枯草菌から選択される微生物の培養
    と、こうして得られた変異体の分離および精製が行われ
    ることを特徴とする、請求項1に記載のD‐N‐α‐カ
    ルバミラーゼの変異体の製造方法。
  18. 【請求項18】プラスミドが、243、250、および
    279位におけるシステインのうち少くとも一つがアミ
    ノ酸残基L‐アラニンで置換されたD‐N‐α‐カルバ
    ミラーゼの変異体をコードするヌクレオチド配列を含ん
    でなるものである、請求項17に記載の方法。
  19. 【請求項19】プラスミドが、243および279位双
    方のシステインがアミノ酸残基L‐アラニンで置換され
    たD‐N‐α‐カルバミラーゼの変異体をコードするヌ
    クレオチド配列を含んでなるものである、請求項18に
    記載の方法。
  20. 【請求項20】D‐N‐カルバミルアミノ酸または5‐
    置換ヒダントインのラセミ混合物の立体特異性変換によ
    るD‐α‐アミノ酸の製造方法であって、変換反応が、
    D‐N‐α‐カルバミラーゼの変異体および/またはD
    ‐ヒダントイナーゼおよびD‐N‐α‐カルバミラーゼ
    の変異体からなる酵素系を生産できる微生物の存在下で
    行われることを特徴とする、方法。
  21. 【請求項21】変換反応がD‐N‐α‐カルバミラーゼ
    の変異体および/またはD‐ヒダントイナーゼおよびD
    ‐N‐α‐カルバミラーゼの変異体からなる酵素系を生
    産できる微生物から単位された上記変異体および/また
    は上記酵素系の存在下で行われる、請求項20に記載の
    方法。
  22. 【請求項22】D‐N‐α‐カルバミラーゼの変異体お
    よび/またはその変異体を含んだ酵素系が不溶性固体支
    持体上に固定されてなる、請求項21に記載の方法。
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