JPH0882951A - 静電荷像現像用トナー及び画像形成方法 - Google Patents

静電荷像現像用トナー及び画像形成方法

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JPH0882951A
JPH0882951A JP6217432A JP21743294A JPH0882951A JP H0882951 A JPH0882951 A JP H0882951A JP 6217432 A JP6217432 A JP 6217432A JP 21743294 A JP21743294 A JP 21743294A JP H0882951 A JPH0882951 A JP H0882951A
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智靖 梅野
Hiroyuki Kozuru
浩之 小鶴
Shoichi Nakano
祥一 中野
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高速複写機においても充分な画像品質と定着
性を得る、また、オフセット発生の無い画像形成方法を
提供する。 【構成】 少なくとも結着樹脂、着色剤、及び離型剤か
ら構成され、体積平均粒径が6.0〜9.0μmであり、5μm
以下の粒子が10〜40個数%、4μm以下の粒子が0〜20
個数%のトナーを、ゴム硬度95〜100°の(a)ローラ
ー、及びゴム硬度60〜80°の(b)ローラーの2本の定
着ローラーをそれぞれ独立に温度制御する手段を有し、
定着荷重2.7〜5.4kg/cm2、定着ラインスピード310〜55
0mm/秒で定着する手段において、(a)ローラーの温
度Ta、(b)ローラーの温度Tb、及びトナー軟化点Tsp
が、下記範囲を満たす条件で定着することを特徴とする
画像形成方法。 260℃≦Ta+Tb,|Ta−Tb|≦100℃, Ta≧Tsp

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子写真方式の作像法
における現像剤及び画像形成方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】電子写真法等静電荷像現像法において
は、通常、潜像担持体を帯電後、露光により静電潜像を
形成し、この静電潜像をトナーによって現像して得られ
たトナー像を転写紙などの支持体に転写する。これを定
着して定着可視画像を得て画像形成を完了する。
【0003】これら各工程における技術課題に対し、か
ねてより多くの検討が成されてきた。最近における技術
課題の一つは、画質の向上のために要請される微粉末ト
ナーの定着性向上があげられる。さらに高速定着性、長
時間連続コピーにおける熱ローラーの温度保持、支持体
用紙のカール現象、紙詰まり防止、ウォームアップタイ
ムの短縮が要求されている。
【0004】しかし、高画質対応の微粉末トナーは従来
トナーに比較して定着性が充分でないため、高速複写機
には採用を見送られてきた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、高速複写機
においても充分な画像品質と定着性を得るためのトナー
及び画像形成方法を提供することにある。また、良好な
画像品質と定着性を有し、カール、オフセット発生の無
い画像形成方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、下記
〔1〕〜〔5〕のいずれかの構成を採ることによって達
成される。
【0007】〔1〕 少なくとも結着樹脂、着色剤、及
び離型剤から構成され、体積平均粒径が6.0〜9.0μmで
あり、5μm以下の粒子が10〜40個数%、4μm以下の粒
子が0〜20個数%のトナーを、ゴム硬度95〜100°の
(a)ローラー、及びゴム硬度60〜80°の(b)ローラ
ーの2本の定着ローラーをそれぞれ独立に温度制御する
手段を有し、定着荷重2.7〜5.4kg/cm2、定着ラインス
ピード310〜550mm/秒で定着する手段において、(a)
ローラーの温度Ta、(b)ローラーの温度Tb、及びトナ
ー軟化点Tspが、下記範囲を満たす条件で定着すること
を特徴とする画像形成方法。
【0008】 260℃≦Ta+Tb,|Ta−Tb|≦100℃, Ta≧Tsp 〔2〕 (a)ローラー表面の臨界表面張力γca、
(b)ローラー表面の臨界表面張力γcb、(a)ローラ
ー又は(b)ローラーに塗布するオイルの表面張力γo
が、下記範囲を満たす条件で定着することを特徴とする
〔1〕記載の画像形成方法。
【0009】0≦γo−γca≦16 0≦γo−γcb≦1
6 〔3〕 (a)ローラー又は(b)ローラーに芯金上
に、発泡シリコーンゴム層を形成し、発泡シリコーンゴ
ム層上にポリエステル層を形成させたローラーを接触さ
せクリーニングすることを特徴とする〔1〕記載の画像
形成方法。
【0010】〔4〕 静電荷像現像用トナーの結着樹脂
が酸価28〜56、クロロホルム不溶分が3〜22重量%の
ポリエステルであることを特徴とする〔1〕記載の画像
形成方法に使用するトナー。
【0011】〔5〕 静電荷像現像用トナーに含有され
る離型剤の融点が60〜150℃、溶融粘度が15〜120csであ
ることを特徴とする〔1〕記載の画像形成方法に使用す
るトナー。
【0012】
【作用】以下、本発明をより具体的に説明する。
【0013】〈定着方式〉本発明に於ける熱ローラー方
式は、アルミの素管表面にフッ素樹脂すなわちポリテト
ラフルオロエチレン、パーフルオロアルキルビニルエー
テル、ポリテトラフルオロエチレン/パーフルオロアル
キルビニルエーテル共重合体、及びそれらに抵抗調整
剤、摩耗防止剤等を分散させ被覆したものが好適であ
る。また、アルミ素管と表面フッ素樹脂層のあいだにシ
リコーンゴム弾性体、フッ素ゴムラテックス層を設けた
ソフトローラーが好適である。
【0014】一般に、ソフトローラーのみの組み合わせ
では、充分な定着性が得られないため、転写紙の転写面
に接触するローラーはゴム硬度95〜100°であることが
好ましい。
【0015】また、これらのローラーは一定の圧力で押
圧されており、その荷重は端部よりバネで荷重が加えら
れているものが良い。この場合の荷重は転写紙にかかる
面圧が2.7〜5.4kg/cm2の荷重が加えられているものが
好適である。この荷重が低い場合には定着時に十分な熱
を加えることが出来なくなる。また、定着の荷重が高い
場合には紙に大きな荷重が加えられ、紙が平滑化され、
光沢が多い画像となり品質の低下を招いてしまう。定着
に於ける上下ローラー間のニップ幅は8〜14mmが好適で
あり、転写紙がニップ部を通過する速度(定着ローラー
のラインスピード)は、310〜550mm/秒が好適である。
定着ローラーの径は特に限定されないが、高速定着性を
確保するためには直径50〜70mmの範囲が好適である。
【0016】〈定着ローラーの温度〉定着ローラーの温
度は(a)ローラーの温度Ta、(b)ローラーの温度Tb
及びトナー軟化点Tspが下記条件を満たすのが良い。
【0017】 260℃≦Ta+Tb,|Ta−Tb|≦100℃, Ta≧Tsp 260℃>Ta+TbあるいはT<Tspでは、定着率が不十分で
あり、コールドオフセットが急増する。|Ta−Tb|>10
0℃では、転写紙の裏表で水分量の差が生じカールが発
生する。カールは、紙詰まりの原因になる。また、Taは
離型剤の融点より高いことが好ましい。
【0018】〈定着ローラーの臨界表面張力〉定着ロー
ラーの臨界表面張力は、離型性より23dyne/cm以下が好
ましく、18dyne/cm以下がさらにに好ましい。
【0019】ここでいう定着ローラーの臨界表面張力
は、n-アルカンとの接触角を測定し、接触角が0になる
表面張力を外挿して求めた値をいう。
【0020】〈定着ローラーのオイル塗布〉定着ローラ
ーには離型性を高めるため、オイルを塗布することが好
ましい。
【0021】さらに離型性を高めるため(a)ローラー
表面の臨界表面張力γca、(b)ローラー表面の臨界表
面張力γcb、としたとき(a)ローラーまたは(b)ロ
ーラーに塗布するオイルの表面張力γoの間に 0≦γo−γca≦16 0≦γo−γcb≦16 を満たす条件で定着することが好ましい。
【0022】塗布するオイルは特に限定されないが、ジ
メチルシリコーンオイル、メチル-フェニルシリコーン
オイル、フェニルシリコーンオイル、メルカプト変性シ
リコーンオイル、フルオロシリコーンオイルなどが好ま
しく用いられる。
【0023】又、塗布方法は特に限定されないが、微小
穴を多数個あけたアルミ管の表面にオイル規制部材を設
け、このアルミ管のなかにシリコーンオイルを充填した
形状の塗布装置を(a)ローラー、または(b)ローラ
ーに接触させ従動または送動で回転させることによりロ
ーラー表面に微量のオイル塗布をおこなうものが特に好
ましく用いられる。
【0024】さらには、芯金表面に巻かれたオイル保持
層にシリコーンオイルを含浸させて毛管現象により
(a)ローラー、または(b)ローラーに接触させ従動
または送動で回転させることによりローラー表面に微量
のオイル塗布をおこなうもの、あるいは耐熱不織紙にシ
リコーンオイルを含浸させたウェブを(a)ローラー、
または(b)ローラーに接触させローラー表面に微量の
オイル塗布をおこなうもの、耐熱不織布、または耐熱ブ
ラシにシリコーンオイルを含浸させ(a)ローラー、ま
たは(b)ローラーに接触させ従動または送動で回転さ
せることによりローラー表面に微量のオイル塗布をおこ
なうものが好ましく用いられる。塗布量は、一回の定着
にA4紙一枚当たり0.04〜2.0mgが好ましく、さらに好
ましくは0.1〜0.8mgである。
【0025】オイルを塗布手段に充分に保持するため
に、オイル粘度は20℃で1,000〜50,000cs、好ましくは
5,000〜30,000csである。オイル粘度がこの範囲より低
いと転写紙にオイルによるシミを形成するなど画像不良
が発生する。オイル粘度がこの範囲より高いと充分な離
型性を発揮できない。
【0026】〈定着ローラーのクリーニング方式〉定着
ローラーにはクリーニング手段を有することが好まし
い。
【0027】好ましい形態は、芯金表面に発泡シリコー
ン樹脂層を設け、シリコーン樹脂層の上にポリエステル
樹脂層を設け、(a)ローラー、または(b)ローラー
に接触させ従動または送動で回転させることによりロー
ラー表面をクリーニングを行うものである。クリーニン
グ性を高めるためにポリエステル樹脂は、トナーの結着
樹脂と同組成のものが、特に好ましく用いられる。
【0028】〈静電荷現像用トナー〉トナーは結着樹
脂、着色剤、離型剤と必要に応じて使用されるその他の
添加剤とを含有してなり、本発明においては画像品質向
上の観点から、その平均粒径は体積平均粒径で6〜9μ
m、好ましくは7.5〜8.5μmである。また、現像剤の寿命
を確保するために5μm以下の粒子が10〜40個数%、4
μm以下の粒子が0〜20個数%のトナーが用いられる。
【0029】本発明の結着樹脂としては、通常トナー結
着樹脂として用いられる樹脂でよく、スチレン/アクリ
ル樹脂、ポリエステル樹脂、ポアリミド樹脂、エポキシ
樹脂などが使用される。低温での定着性等から、ポリエ
ステル樹脂が好ましく用いられる。特に好ましくは下記
成分T1,T2,T3を含む単量体組成物を縮重合させ
て得られるポリエステルが用いられる。
【0030】成分T1;3価以上の多価単量体 成分T2;芳香族ジカルボン酸 成分T3;脂肪族ジアルコール 前記成分T1である3価以上の多価単量体としては、例
えば1,2,4-ベンゼントリカルボン酸、1,3,5-ベンゼント
リカルボン酸、1,2,4-シクロヘキサントリカルボン酸、
2,5,7-ナフタレントリカルボン酸、1,2,4-ナフタレント
リカルボン酸、1,2,4,-ブタントリカルボン酸、1,2,5-
ヘキサントリカルボン酸、1,3-ジカルボキシル-2-メチ
ル-2-メチレンカルボキシプロパン、テトラ(メチレン
カルボキシ)メタン、1,2,7,8-オクタンテトラカルボン
酸、エンポール三量体酸、及びこれらの酸の無水物また
はエステル等を挙げることができる。
【0031】これらの3価以上の多価単量体のうち、本
発明に係る脂肪族ジアルコールを用いたポリエステルに
おいて、特に芳香族多価カルボン酸類が好ましく、更に
ベンゼントリカルボン酸、これらの酸の無水物またはエ
ステル等のベンゼントリカルボン酸類が安定した摩擦帯
電性を付与することができる。
【0032】即ち、脂肪族ジアルコールを用いたポリエ
ステルは従来のビスフェノール系アルコールを用いたポ
リエステルにくらべてπ電子が圧倒的に少くなるため、
帯電の立上り速度の低下がおこり易くなるが、3価以上
の多価単量体として、ベンゼントリカルボン酸、これら
の酸の無水物またはエステル等のベンゼントリカルボン
酸類を選定するとそれが防止されると考えられる。
【0033】3価以上の多価単量体の配合割合は、単量
体組成物全体の1〜30モル%が好ましい。この範囲のポ
リエステルを用いると離型剤の離脱が更に防止できる。
その理由は、この範囲のポリエステルは分子量が低い離
型剤との相溶性が良好で、それ故、離型剤の樹脂中への
分散が微細かつ均一となり、樹脂との接着強度がアップ
するからである。更に好ましくは単量体組成物全体の1
〜15モル%である。
【0034】前記成分T2の芳香族ジカルボン酸として
は、例えばフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、こ
れらの酸の無水物またはエステル等を挙げることができ
る。
【0035】以上の芳香族ジカルボン酸と共にその他の
ジカルボン酸を併用してもよい。かかるその他のジカル
ボン酸としては、例えばマレイン酸、フマール酸、メサ
コン酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、シ
クロヘキサンジカルボン酸、琥珀酸、アジビン酸、セバ
チン酸、マロン酸、またはこれらの酸の無水物もしくは
低級アルキルエステル、リノレイン酸の二量体、その他
の2官能の有機酸単量体を挙げることができる。かかる
その他のジカルボン酸の配合割合は、ジカルボン酸全体
の30モル%以下が好ましい。前記その他のジカルボン酸
の配合割合が過大のときには前記特定のポリエステルの
ガラス転移点Tgが低下してソリッド部分の白ぬけが生じ
易い。
【0036】前記成分T3の脂肪族ジアルコールとし
て、より一層離型剤の分散を良好とするためには炭素数
が2〜10の脂肪族ジアルコールが好ましい。
【0037】脂肪族ジアルコールの具体例としては、例
えば 1)分岐鎖をもつ脂肪族ジアルコールとしては、 プロピレングリコール(1,2-プロパンジオール) 1,2-ブタンジオール 1,3-ブタンジオール 2,3-ブタンジオール ネオペンチルグリコール 3-メチルペンタン-1,3,5-トリオール 1,2-ヘキサンジオール 2,5-ヘキサンジオール 2-メチル-2,4-ペンタンジオール 3-メチル-1,5-ペンタンジオール 2-エチル-1,3-ヘキサンジオール 2)分岐鎖をもたない脂肪族ジアルコールとしては、 エチレングリコール 1,3-プロパンジオール 1,4-ブタンジオール ジエチレングリコール 2-ブテン-1,4-ジオール 1,5-ペンタンジオール 1,6-ヘキサンジオール ジプロピレングリコール トリエチレングリコール テトラエチレングリコール トリプロピレングリコール 等を挙げることができる。
【0038】以上の脂肪族ジアルコールと共にその他の
ジアルコールを併用してもよい。かかるその他のジアル
コールとしては、例えば1,4-ビス(ヒドロキシメチル)
シクロヘキサン、ビスフェノールA、水素添加ビスフェ
ノールA、ポリオキシエチレン化ビスフェノールA、ポ
リオキシプロピレンビスフェノールA等のエーテル化ビ
スフェノール等、その他の2官能のアルコール単量体を
挙げることができる。かかるその他のジアルコールの配
合割合は、ジアルコール全体の30モル%以下が好まし
い。
【0039】〈酸価〉結着樹脂の酸価は28〜56が好まし
い。酸価が低下すると、転写紙とトナーの接着性が低下
し、その結果定着率の低下につながる。酸価が高すぎる
と、トナーの吸湿性が増し、高温高湿環境で帯電量が低
下する傾向がある。ここで酸価(AV)とは、試料1g
中に含まれる酸を中和するために必要な水酸化カリウム
のミリグラム数をいう。又、水酸基価(OHV)とは、
基準油脂分析試験法(日本油脂化学協会編)に従って試
料1gをアセチル化するときに水酸基と結合した酢酸を
中和するために必要な水酸化カリウムのミリグラム数を
いう。
【0040】ポリエステルにおいて、AVとOHVの和
は、ポリマー分子鎖の末端基の数を意味し、この値は離
型剤の脱落に大きな影響を及ぼす。
【0041】〈クロロホルム不溶分〉クロロホルム不溶
分は3〜22重量%がオフセット防止のために好ましい。
【0042】ここにクロロホルム不溶分とは、試料をク
ロロホルムに溶解したときの濾紙不透過分をいい、次の
ようにして求められる。
【0043】樹脂試料を微粉砕し、40メッシュの篩を通
過した試料粉体5.00gを採取し、濾過助剤ラジオライト
(+700)5.00gと共に容量150mlの容器に入れ、この容
器内にクロロホルム100gを注入し、ボールミル架台に
載せ5時間以上に亘って回転せしめて充分に試料をクロ
ロホルムに溶解せしめる。一方加圧濾過器内に直径7cm
の濾紙(No.2のもの)を置き、その上に5.00gのラジ
オライトを均一にプレコートし、少量のクロロホルムを
加えて濾紙を濾過器に密着させた後、前記容器の内容物
を濾過器内に流込む。更に容器を100mlのクロロホルム
により充分に洗浄して濾過器に流込み、容器の器壁に付
着物が残留しないようにする。その後濾過器の上蓋を閉
じ、濾過を行う。濾過は4kg/cm2以下の加圧下にて行
い、クロロホルムの流出が止まった後に新たにクロロホ
ルム100mlを加えて濾紙上の残留物を洗浄し、再び加圧
濾過を行う。
【0044】以上の操作が完了した後、濾紙及びその上
の残渣並びにラジオライトのすべてをアルミホイル上に
載せて真空乾燥器内に入れ、温度80〜100℃、圧力100mm
Hgの条件下で10時間乾燥せしめ、かくして得られた乾
固物の総重量a(g)を測定し、クロロホルム不溶分x
(重量%)を求める。
【0045】このようにして求められるクロロホルム不
溶分は、ポリエステル樹脂においては、高分子量の重合
体成分若しくは架橋された重合体成分である。以上の如
きクロロホルム不溶分は、アルコールとカルボン酸との
重合反応において、反応条件を適当に選ぶことにより、
或いは適当な架橋剤を反応系に存在せしめることによ
り、相当程度制御された割合で形成することができる。
【0046】〈離型剤〉離型剤の融点は60〜150℃、溶
融粘度が15〜120csのものがオフセットを防止するため
に好ましく用いられる。
【0047】かかる離型剤としては例えば、パラフィン
ワックス、サゾールワックス、脂肪酸エステル、部分鹸
化脂肪酸エステル、多価アルコールエステル、これらの
混合物等のワックスを用いることができる。尚アミド系
ワックスを併用してもよい。この中でも、エステル基を
含有するエステルワックスはポリエステル樹脂との相溶
性が良好である点で好ましい。
【0048】前記脂肪酸エステルとしては、例えばマレ
イン酸エチルエステル、マレイン酸ブチルエステル、ス
テアリン酸メチルエステル、ステアリン酸ブチルエステ
ル、パルミチン酸セチルエステル、モンタン酸エチレン
グリコールエステル等を用いることができる。
【0049】前記部分鹸化脂肪酸エステルとしては、例
えばモンタン酸エステルのカルシウム部分鹸化物等を用
いることができる。これら脂肪酸エステル中、カルナウ
バワックスが特に好ましい。
【0050】前記多価アルコールエステルとしては、例
えばグリセリンステアレート、グリセリンリシノレー
ト、グリセリンモノベヘネート、ソルビタンモノステア
レート、プロピレングリコールモノステアレート、ソル
ビタントリオレート等を用いることができる。
【0051】上記低融点のエステルワックスの分散を良
好とするためにはアミド系ワックスを併用するのが好ま
しい。
【0052】前記アミド系ワックスとしては、例えばス
テアリン酸アミド、オレイン酸アミド、パルミチン酸ア
ミド、ラウリル酸アミド、ベヘニン酸アミド、メチレン
ビスステアロアミド、エチレンビスステアロアミド等を
用いることができる。
【0053】融点の測定は、微量の試料をガラス細管に
つめて硫酸浴に入れ、それを加熱してゆき、透明に融解
する点を目視によって判定し、その時の浴温度を融点と
した。
【0054】かかる離型剤の配合割合は、結着樹脂100
重量部に対して0.1〜5重量部、更に0.5〜3重量部が好
ましい。離型剤の配合割合が過小のときにはトナーの耐
オフセット性、耐巻付き性が悪化し、一方過大のときに
はすじ状の分散をしやすくなる。
【0055】〈トナー軟化点〉トナー軟化点Tspの好ま
しい範囲は115〜140℃、さらに好ましくは120〜135℃で
ある。
【0056】ここで軟化点Tspは、トナーまたは結着樹
脂を20℃相対湿度50%に2時間放置した後、高化式フロ
ーテスタ「CFT−500型」(島津製作所製)を用い
て、測定条件を、荷重20kg/cm2、ノズルの直径1mm、
ノズルの長さ1mm、予備加熱80℃で10分間、昇温速度6
℃/分とし、サンプル量1cm3(真比重×1cm3で表され
る重量)として測定記録したとき、フローテスタのプラ
ンジャ降下量-温度曲線(軟化流動曲線)におけるS字
曲線の高さをhとするとき、h/2の高さをいう。
【0057】〈着色剤〉着色粒子(トナー)を構成する
着色剤としては特に限定されず、従来公知の種々の材料
が使用される。例えばカーボンブラック・ニグロシン染
料・アニリンブルー・カルコイルブルー・クロムイエロ
ー・ウルトラマリンブルー・デュポンオイルレッド・キ
ノリンイエロー・メチレンブルークロライド・フタロシ
アニンブルー・マラカイトグリーンオクサレート・ロー
ズベンガル等が挙げられる。
【0058】〈その他の添加剤〉その他の添加剤として
は例えばサリチル酸誘導体・アゾ系金属錯体等の荷電制
御剤、また、磁性トナーを得る場合には着色粒子に添加
剤として磁性体粒子が含有される。磁性体粒子としては
平均一次粒子径が0.1〜2.0μmのフェライト・マグネタ
イト等の粒子が用いられる。磁性体粒子の添加量は着色
粒子中の20〜70重量%である。
【0059】また、流動性付与の観点から、無機微粒子
を着色粒子に添加してもよい。無機微粒子としてはシリ
カ・チタニア・アルミナ等の無機酸化物粒子が好まし
く、さらに、これら無機微粒子はシランカップリング剤
やチタンカップリング剤等によって疎水化処理されてい
ることが好ましい。
【0060】〈キャリア〉本発明に係わる2成分現像剤
は本発明のトナーと公知のキャリアと混合して用いられ
る。
【0061】キャリアは、体積平均粒径5〜200μmの磁
性粒子、または前記磁性粒子を芯材として、樹脂を被覆
した樹脂被覆キャリア、あるいは体積平均粒径0.1〜1
μmの磁性粒子を結着樹脂に分散した樹脂分散型キャリ
アが用いられる。
【0062】
【実施例】つぎに本発明を実施例及び比較例によりさら
に具体的に説明する。以下の記載に於いて、「部」は
「重量部」を表す。
【0063】 〈トナー用結着樹脂の製造〉 ネオペンチルグリーコール 132部 エチレングリコール 60部 テレフタル酸 279部 ジブチルスズラウレート 1.5部 上記の試料を温度計、ステンレススチール製撹拌棒、ガ
ラス製窒素導入管、及び流下式コンデンサをそなえた容
器に入れ、マントルヒータ中で窒素雰囲気下中において
常圧下170℃ ASTM E28−51Tに準ずる軟化点の
値に変化が認められなくなった時点で、1,2,4-ベンゼン
トリカルボン酸無水物108gを添加し、210℃にて反応を
続行させ、ASTM E28−51Tに準ずる軟化点より反
応の進行を追跡し軟化点が所定の温度に達した時点で反
応を停止し、室温まで冷却し結着樹脂「R−1」を得
た。結着樹脂「R−1」の酸価は51、クロロホルム不溶
分は15重量%であった。
【0064】 〈トナーの製造〉 結着樹脂;R−1 100重量部 着色剤;モーガルL(キャボット社製) 10重量部 離型剤;主成分が脂肪酸エステル (炭素数32のアルコールと 炭素数24の脂肪酸から構 成される脂肪酸エステル) であるワックス (融点84℃,溶融粘度20cs) 2重量部 混合 ;ヘンシェルミキサ 混練 ;2軸混練押出機 170℃設定 粗粉砕;ハンマーミル 粉砕 ;ジェット式粉砕機 分級 ;風力分級機 上記のようにして体積平均粒径8.0μmの着色粒子を得
た。この着色粒子100重量部と疎水性シリカ1.0重量部を
ヘンシェルミキサで混合し、トナー「T−1」を得た。
【0065】トナー「T−1」の軟化点Tspは122℃であ
った。
【0066】 〈キャリアの製造〉 芯材粒子(平均粒径70μmのフェライト粒子) 100部 樹脂粒子(平均粒径0.1μmの1,1,1-トリフルオロエチルメタクリレート) 2部 以上のキャリア原料を水平回転翼型混合機に投入し、混
合しながら90℃迄加熱し40分間混合しキャリア「C−
1」を得た。
【0067】キャリアC−1とトナーT−1をトナー濃
度5重量%となるよう混合し現像剤を調製した。
【0068】定着(a)ローラー 外径60mm、内径50mmのアルミニウム管に、酸化鉄を主成
分としたプライマー処理を施し、厚さ0.1mmのシリコー
ンゴム層を形成させた上に、厚さ0.03mmのパーフルオロ
アルキルビニルエーテル層を形成させた。ローラーのゴ
ム硬度は99度、n-アルカンの接触角より外挿して求めた
臨界表面エネルギーγcaは、8dyne/cmであった。
【0069】定着(b)ローラー シリコーンゴム層の厚みを5mmとした以外は(a)ロー
ラーと同様にして(b)ローラーを得た。
【0070】ローラーのゴム硬度は65度。n-アルカンの
接触角より外挿して求めた臨界表面エネルギーγcaは、
8dyne/cm であった。
【0071】市販の電子写真式複写機 Konica U-BIX-50
82(コニカ(株)社製)に負帯電の有機感光体を搭載した
改造機の定着ユニット部に(a),(b)ローラーを
(a)ローラーが転写シートの転写面に接触するよう、
それぞれ取付けた。転写シートと定着ローラーが接触す
る幅を12mm、転写シートにかかる定着荷重が2.9kg/c
となるよう、定着バネで調整した。(a)、及び
(b)ローラーのラインスピードは410mm/秒に改
造した。(a)、及び(b)ローラーの中心部には、そ
れぞれ定着ヒーターとして可変抵抗機をつないだハロゲ
ンランプヒーターを設置し、2本の定着ローラーの温度
を独立に制御した。
【0072】現像剤は、トナーT−1、キャリアC−1
をトナー濃度5重量%となるよう混合して使用した。
【0073】〈実施例1〉斤量70kgのA3サイズの紙を
白地に対する相対濃度1.0、1.5cm×1.5cmのソリッド画
像を形成しながら連続複写し、定着ヒーターの電力調整
により連続複写中の定着(a)ローラーの温度Taが130
℃、定着(b)ローラーの温度Tbが130℃となるよう制
御した。
【0074】〈実施例2〉定着(a)ローラーの温度Ta
が180℃、定着(b)ローラーの温度Tbが80℃となるよ
う制御した以外は、実施例1と同様に連続複写した。
【0075】〈実施例3〉定着(a)ローラーの温度Ta
が200℃、定着(b)ローラーの温度Tbが150℃となるよ
う制御した以外は、実施例1と同様に連続複写した。
【0076】〈実施例4〉定着(a)ローラーの温度Ta
が200℃、定着(b)ローラーの温度Tbが100℃となるよ
う制御した以外は、実施例1と同様に連続複写した。
【0077】〈実施例5〉定着(a)ローラーに表面張
力20dyne/cmのメチルシリコーンオイル(20℃における
粘度30000cs)を1枚当たり0.4mg/A4塗布した以外
は、実施例1と同様に連続複写した。
【0078】〈実施例6〉定着(a)ローラーに芯金上
に発泡シリコーンゴム層を形成し、その外層にポリエス
テル層を形成させたローラーを接触させた以外は、実施
例1と同様に連続複写した。
【0079】〈比較例1〉定着(a)ローラーの温度Ta
が129℃、定着(b)ローラーの温度Tb129℃となるよう
制御した以外は、実施例1と同様に連続複写した。
【0080】〈比較例2〉定着(a)ローラーの温度Ta
が181℃、定着(b)ローラーの温度Tbが79℃となるよ
う制御した以外は、実施例1と同様に連続複写した。
【0081】〈比較例3〉定着(a)ローラーの温度Ta
が120℃、定着(b)ローラーの温度Tbが140℃となるよ
う制御した以外は、実施例1と同様に連続複写した。
尚、この例は、Ta≧Tspを満たしていない。
【0082】〈比較例4〉定着(a)ローラーの温度Ta
が180℃、定着(b)ローラーの温度Tbが78℃となるよ
う制御した以外は、実施例1と同様に連続複写した。
【0083】〈定着率の測定〉白地に対する相対濃度1.
0、1.5cm×1.5cmのソリッド画像を形成し、荷重2115
g、接触面積6.5cm×100cmの金属板の表面にサラシを巻
き付けた重りで15回擦った後、サクラデンシトメーター
(コニカ(株)社製)で白地に対する相対濃度を測定し、
下式のとおり定着率を測定した。
【0084】〈定着率(%)〉={〈擦った後の画像濃
度〉/〈擦る前の画像濃度〉}×100 定着率が70%以上であれば実用上問題ない定着強度であ
る。
【0085】〈転写シートカール量〉斤量70kgのA3サ
イズの紙を複写した直後に水平な台上に置き、紙端部が
水平面から湾曲した長さで表した。カール量20mm以上で
ソーター部紙詰まりなどの不良が発生する。
【0086】〈オフセット量の測定〉画像先端部に白地
に対する相対濃度1.3、7.5cm×22.5cmのソリッド画像を
形成し、このソリッド画像がオフセットして形成された
部分の相対濃度で測定した。オフセット量0.01以下は、
実用上問題ないレベルである。
【0087】以上の評価結果を表1に示す。
【0088】
【表1】
【0089】以上、本発明によれば定着率に優れ、カー
ル及びオフセット発生が無い良好な画像が得られる。
【0090】
【発明の効果】本発明により、高速機においても充分な
画像品質と定着性を得ることができ、良好な画質と定着
性を有し、オフセット、転写紙カールの無いトナー及び
画像形成方法を得られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G03G 9/08 365 (72)発明者 小鶴 浩之 東京都八王子市石川町2970番地コニカ株式 会社内 (72)発明者 中野 祥一 東京都八王子市石川町2970番地コニカ株式 会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも結着樹脂、着色剤、及び離型
    剤から構成され、体積平均粒径が6.0〜9.0μmであり、
    5μm以下の粒子が10〜40個数%、4μm以下の粒子が0
    〜20個数%のトナーを、ゴム硬度95〜100°の(a)ロ
    ーラー、及びゴム硬度60〜80°の(b)ローラーの2本
    の定着ローラーをそれぞれ独立に温度制御する手段を有
    し、定着荷重2.7〜5.4kg/cm2、定着ラインスピード310
    〜550mm/秒で定着する手段において、(a)ローラー
    の温度Ta、(b)ローラーの温度Tb、及びトナー軟化点
    Tspが、下記範囲を満たす条件で定着することを特徴と
    する画像形成方法。 260℃≦Ta+Tb,|Ta−Tb|≦100℃, Ta≧Tsp
  2. 【請求項2】 (a)ローラー表面の臨界表面張力γc
    a、(b)ローラー表面の臨界表面張力γcb、(a)ロ
    ーラー又は(b)ローラーに塗布するオイルの表面張力
    γoが、下記範囲を満たす条件で定着することを特徴と
    する請求項1記載の画像形成方法。 0≦γo−γca≦16 0≦γo−γcb≦16
  3. 【請求項3】 (a)ローラー又は(b)ローラーに、
    芯金上に発泡シリコーンゴム層を形成し、発泡シリコー
    ンゴム層上にポリエステル層を形成させたローラーを接
    触させクリーニングすることを特徴とする請求項1記載
    の画像形成方法。
  4. 【請求項4】 少なくとも結着樹脂、着色剤、及び離型
    剤から構成され、体積平均粒径が6.0〜9.0μmであり、
    5μm以下の粒子が10〜40個数%、4μm以下の粒子が0
    〜20個数%のトナーを、ゴム硬度95〜100°の(a)ロ
    ーラー、及びゴム硬度60〜80°の(b)ローラーの2本
    の定着ローラーをそれぞれ独立に温度制御する手段を有
    し、定着荷重2.7〜5.4kg/cm2、定着ラインスピード310
    〜550mm/秒で定着する手段において、(a)ローラー
    の温度Ta、(b)ローラーの温度Tb、及びトナー軟化点
    Tspが、下記範囲を満たす条件で定着する画像形成方法
    における静電荷像現像用トナーの結着樹脂が、酸価28〜
    56、クロロホルム不溶分3〜22重量%のポリエステルで
    あることを特徴とする静電荷像現像用トナー。 260℃≦Ta+Tb,|Ta−Tb|≦100℃, Ta≧Tsp
  5. 【請求項5】 少なくとも結着樹脂、着色剤、及び離型
    剤から構成され、体積平均粒径が6.0〜9.0μmであり、
    5μm以下の粒子が10〜40個数%、4μm以下の粒子が0
    〜20個数%のトナーを、ゴム硬度95〜100°の(a)ロ
    ーラー、及びゴム硬度60〜80°の(b)ローラーの2本
    の定着ローラーをそれぞれ独立に温度制御する手段を有
    し、定着荷重2.7〜5.4kg/cm2、定着ラインスピード310
    〜550mm/秒で定着する手段において、(a)ローラー
    の温度Ta、(b)ローラーの温度Tb、及びトナー軟化点
    Tspが、下記範囲を満たす条件で定着する画像形成方法
    における静電荷像現像用トナーに含有される離型剤の融
    点が60〜150℃、溶融粘度が15〜120csであることを特徴
    とする静電荷像現像用トナー。 260℃≦Ta+Tb,|Ta−Tb|≦100℃, Ta≧Tsp
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