JPH06130848A - 定着装置 - Google Patents

定着装置

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JPH06130848A
JPH06130848A JP30761492A JP30761492A JPH06130848A JP H06130848 A JPH06130848 A JP H06130848A JP 30761492 A JP30761492 A JP 30761492A JP 30761492 A JP30761492 A JP 30761492A JP H06130848 A JPH06130848 A JP H06130848A
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roller
fixing
toner
resin
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JP30761492A
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English (en)
Inventor
Motohide Shiozawa
元英 塩沢
Noriyuki Ishihara
敬之 石原
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Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 圧接して回転する一対のローラー1・2間
に、それぞれ異なる極性を有するトナーで形成された未
定着像tを有する記録材Pを選択的に導入通過させるこ
とにより、或いは異なる極性を有するトナーで形成され
た未定着像tを共に有する記録材Pを導入通過させるこ
とにより、記録材P上に未定着像tを定着させる定着装
置について、装置に導入して定着処理する記録材P上の
トナー像tのトナーがネガトナー、ポジトナー何れであ
っても定着ローラーに対するトナーオフセットの少な
い、より高速で、簡単なクリーニング手段で、長寿命な
特長を有するものを提供すること。 【構成】 前記一対のローラー1・2のうち少なくとも
一方のローラーの離型性表層樹脂が、PTFE樹脂とP
FA樹脂の両者を配合した樹脂であること。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、マイクロリーダープリ
ンター・複写機・記録装置等の画像形成装置において、
電子写真・静電記録・磁気記録等の適宜の作像原理・プ
ロセスの作像手段部にて転写材・感光紙・静電記録紙等
の記録材に転写式(間接式)又は直接式で形成担持させ
たトナー(顕画剤)で形成された未定着像を記録材に定
着させる定着装置に関する。
【0002】より詳しくは、圧接して回転する一対のロ
ーラー間に、それぞれ異なる極性を有するトナーで形成
された未定着像を有する記録材を選択的に導入通過させ
ることにより、或いは異なる極性を有するトナーで形成
された未定着像を共に有する記録材を導入通過させるこ
とにより、記録材上に未定着像を定着させる定着装置に
関する。
【0003】
【従来の技術】画像形成装置として、例えば電子写真方
式を利用したネガ・ポジ両用マイクロリーダープリンタ
ーの様に、1台の画像形成装置でネガ−ポジ、ポジ−ポ
ジ両方の処理ができるというものである。これはネガト
ナー及びポジトナーを使い分けることによってネガフィ
ルム、ポジフィルムのどちらからでもポジプリントを得
るものである。
【0004】また、1パス2色ネガ・ポジ現像方式の複
写機の様に極性(帯電極性)の異なる2色のトナーを用
いて1枚の記録材(以降、紙と記す)上に選択的に2色
の画像を形成できるというものがある。
【0005】例えばネガ・ポジ両用マイクロリーダープ
リンターの場合、コピースタートすると一次帯電によっ
て感光体が(−)に帯電され、そこに画像パターンを露
光する事で感光体上に静電潜像を形成する。ネガ−ポジ
モードでは(−)に帯電するネガトナーで現像され、
(+)の転写を与える事によって感光体上のトナー像が
紙上に転写される。次に紙にのった電荷を除去する為に
除電、或いは(−)の分離帯電を与えた後に転写トナー
像を紙上に定着処理する。ネガポジモードの実行、ポジ
−ポジモードの実行はそれぞれ、現像器の交換や、現像
・転写・分離などの帯電条件を使い分けするネガトナ
ー、ポジトナーにあったものに切り換える事でなされ
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
(A)しかしながら、上記従来例では全ての条件をネガ
トナー、ポジトナー専用に変えられるわけではなく、実
際にネガトナー像の定着とポジトナー像の定着、または
正規現像像の定着と反転現像像の定着を1台の定着装置
を共用して処理すると種々の問題が生じていた。
【0007】その一つに、オフセットの増大という問題
がある。記録材の像担持面側に接する定着ローラーとそ
の反対側面に接する加圧ローラーとのローラー対からな
る定着装置において、オフセットによるプリントの裏汚
れに対しては加圧ローラーの清掃頻度を多くする、ある
いは加圧ローラーの清掃手段を設ける等の対策が必要で
あり、プリントの裏汚れの対策としても定着ローラーに
オイル含浸パットや、ローラー・ウェーブ等の高価なク
リーニング手段が要求される。
【0008】定着装置のオフセット現象には高温オフセ
ットと低温オフセットがあるが、最近の電子写真プリン
ターの定着工程における高速化、小型化、省エネ、長寿
命といった社会的要請から、像定着は未定着トナーや紙
に十分熱を与える事無く定着処理が行われ、現実問題、
トナーがまだ完全に融けてトナー同士またはトナーと紙
と融着が充分行われていないのに定着ローラーから紙を
はがす為にトナーの一部が定着ローラー上に残る低温オ
フセットが起き易くなってしまうのが現状である。
【0009】ところで、各種類の紙と、転写・分離工程
における除・帯電と、種々の極性のトナーに対してどの
様なメカニズムで低温オフセットが起きているのかと言
う事に対してはまだ明確ではないし、そのような現象を
防止する定着ローラーのオフセット防止材料にどんなも
のが適しているかという点について個々の設計について
必ずしも明確にはなってない。
【0010】しかしながら、現実に定着ローラーの表層
がフッ素樹脂コーティングされている場合の表層の材料
には経験的に、ポジトナーや正規現像を使用する複写機
等に於てはポリテトラフルオロエチレン(以降、PTF
E樹脂と記す)が多く使われ、ネガトナーや反転現像を
使用するLBP(レーザー・ビーム・プリンター)等に
於いてはテトラフルオロエチレンパーフルオロアルキル
ビニルエーテル共重合体(以降、PFA樹脂と記す)が
多く使われている。
【0011】しかし、ネガ・ポジ両用マイクロリーダー
プリンターのようにネガトナーにより形成させた未定着
像を有する記録材またはポジトナーにより形成させた未
定着像を有する記録材を1台の定着装置を共用して選択
的に導入通過させて定着処理させる場合や、1パス2色
ネガ・ポジ現像方式の複写機等のように異なる極性を有
するトナーで形成された未定着像を共に有する記録材を
導入通過させて定着処理させる場合は、異なる極性のト
ナーのどちらか一方の極性のトナーに対してはオフセッ
トの少ない定着ローラー材料を使っても、他方の極性の
トナーに対してはオフセットが多いという問題を生じて
しまう。
【0012】そこで本発明の第1の目的は、これらの問
題点に対して解決を与えるものであると共に、より高速
で、オフセットの少ない、簡単なクリーニング手段で、
長寿命の定着装置を実現するものである。
【0013】(B)一方、上記のように異なる極性のト
ナー像の定着に共用される定着装置の加圧ローラーの表
層材料についても従来は適切に考慮されていなかった。
例えば加圧ローラーの弾性材料としてシリコンゴム表層
が異なる極性のトナーを使う定着装置に対して使われて
きた。
【0014】ところが、シリコンゴム表層は定着ローラ
ーや紙との摩擦帯電によって強く負(−)に帯電し易い
ために、正(+)に帯電したトナーは加圧ローラー側に
吸引され、定着ローラーに対するオフセットは起こりに
くい。
【0015】一方、負に帯電したトナーは加圧ローラー
の負と反発して定着ローラー側にオフセットしやすくな
る。
【0016】この場合、加圧ローラー表面が帯電する要
因については、紙とローラー間の摩擦帯電によるもの
と、定着ローラーと加圧ローラーとの摩擦帯電によるも
のが考えられる。これらによる帯電が定置装置を通過す
るトナーの極性、即ち正(+)と負(−)によって異な
る挙動を示す。ある極性のトナーのみを処理する画像形
成装置に於ては、たとえ加圧ローラーの帯電が起こって
しまってもそれがトナーと逆極性であれば良かった。し
かしネガモード、ポジモードを有するネガ・ポジ両用の
マイクロプリンターなどの場合は、互いに異なる極性の
トナーを用いるので、片方の極性のトナーで良くても、
その反対の極性のトナーではオフセットが悪いという状
況が起こりうるために、なるべく帯電の起こらないロー
ラー構成となる事が好ましい。
【0017】そこで本発明の第2の目的は、定着装置の
定着ローラー及び加圧ローラーの両ローラーの帯電を抑
え、ネガトナーに対しても、ポジトナーに対しても静電
オフセットを減少させるものである。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明は下記の構成を特
徴とする定着装置である。
【0019】(1)圧接して回転する一対のローラー間
に、それぞれ異なる極性を有するトナーで形成された未
定着像を有する記録材を選択的に導入通過させることに
より、或いは異なる極性を有するトナーで形成された未
定着像を共に有する記録材を導入通過させることによ
り、記録材上に未定着像を定着させる定着装置であり、
前記一対のローラーのうち少なくとも一方のローラーの
離型性表層樹脂が、ポリテトラフルオロエチレン(PT
FE樹脂)とテトラフルオロエチレンパーフルオロアル
キルビニルエーテル共重合体(PFA樹脂)の両者を配
合した樹脂であることを特徴とする定着装置。
【0020】(2)テトラフルオロエチレンパーフルオ
ロアルキルビニルエーテル共重合体の、ポリテトラフル
オロエチレンに対する配合比が30〜95%であること
を特徴とする(1)に記載の定着装置。
【0021】(3)圧接して回転する一対のローラー間
に、それぞれ異なる極性を有するトナーで形成された未
定着像を有する記録材を選択的に導入通過させることに
より、或いは異なる極性を有するトナーで形成された未
定着像を共に有する記録材を導入通過させることによ
り、記録材上に未定着像を定着させる定着装置であり、
前記一対の両ローラーの表層はフッ素樹脂を主成分とす
る離型層からなることを特徴とする定着装置。
【0022】(4)前記一対の両ローラーのうち記録材
の像担持側の面とは反対側の面に接する加圧ローラーの
離型性表面はフッ素樹脂によって覆われていることを特
徴とする(3)に記載の定着装置。
【0023】(5)加圧ローラーの離型性表面の表面張
力が31dyn以下であることを特徴とする(4)に記
載の定着装置。
【0024】(6)前記一対の両ローラーのうち記録材
の像担持側の面に接する定着ローラーの離型層はポリテ
トラフルオロエチレンとテトラフルオロエチレンパーフ
ルオロアルキルビニルエーテル共重合体を配合した層で
あることを特徴とする請求項3に記載の定着装置。
【0025】
【作用】
a.後述の第1の実施例の実験に示したように、ローラ
ーの離型性表層としてPTFE樹脂とPFA樹脂の両者
を混合したものとすることにより、装置に導入して定着
処理する記録材上のトナー像のトナーがネガトナー・ポ
ジトナー何れであってもローラーに対するトナーオフセ
ットの少ない、またより高速で、簡単なクリーニング手
段で、長寿命な特長を有するローラー定着方式の定着装
置が実現されることを知見して本発明を完成した。
【0026】b.また後述の第2の実施例の実験に示し
たように、一対の両ローラーの表層をフッ素樹脂を主成
分とする離型層とすることにより、両ローラーの摩擦帯
電や記録材による帯電が抑えられ、ネガトナーに対して
も、ポジトナーに対しても、静電オフセットが減少し、
長寿命な特長を有するローラー定着方式の定着装置が実
現されることを知見して本発明を完成した。
【0027】
【実施例】
〈第1の実施例〉(図1〜図4) 本実施例は前記(1)・(2)[特許請求の範囲の請求
項1・同2に対応]に記載した定着装置についての実施
例であり、前記第1の目的を達成するものである。
【0028】(1)実験装置 図1に従来例との比較のために用いた実験定着装置の概
略図を示す。
【0029】1・2は互いに略並行に上下に圧接させた
上側の定着ローラーと、下側の加圧ローラーである。3
は定着ローラー1に内装した熱源としてのヒーターであ
る。
【0030】1bは定着ローラー1の芯金、1aは離型
性表層である。定着ローラー1の直径は30mm、回転
周速は90mm/sec、定着温度は180°に設定し
た。加圧ローラー2は芯金の上にシリコンゴムの弾性層
を設けたものである。
【0031】Pは不図示の作像手段部で未定着トナー像
tを形成担持させた記録材であり、上記ローラー対1・
2の圧接ニップ部(定着部)に導入され、このニップ部
を挟持搬送されていくことで熱と圧力でトナー像の定着
を受ける。
【0032】(2)実験要領 実験はオフセット現象の出易い条件として温度、湿度が
それぞれ15°C、10%の環境下で行った。
【0033】方法は先ず定着ローラー1に新品のクリー
ニングパッドを取り付け、画像比率6%の文字原稿につ
いて連続コピーを400枚撮り、続いて一部白地の部分
があるベタ黒画像を100枚撮って、この時のプリント
上の表汚れのレベルと枚数及びクリーニングパッドの汚
れ具合を見た。
【0034】またこの操作を、ポジトナーにより像形成
した記録材と、ネガトナーにより像形成した記録材のそ
れぞれについて行った。
【0035】(3)実験結果 表−1に実験の評価結果を示す。評価は4段階とし、プ
リントの評価は ◎は、表汚れ1枚も無し ○は、ベタ黒画像では表汚れが出る事があるが文字画像
では表汚れがないので、実用上差し支えないもの △は、文字画像でも表汚れが少量あったもの ×は、常に表汚れがあったもの とした。
【0036】またパッド汚れは全てのサンプルをとって
から4ランクに分けた。
【0037】
【表1】 .まず、定着ローラー1の離型性表層1aとして、従
来から複写機などでポジトナー用の定着ローラーに使わ
れるPTFE樹脂を使って実験したところ、表−1に示
すように、当然ポジトナーに付いては実用上問題がな
く、またネガトナーに付いては紙種によって良い結果の
ものと悪い結果のものとに別れた。
【0038】この現象は次のように考えられる。つま
り、シリコンゴムを表層に持つ加圧ローラー2は定着ロ
ーラー1や紙Pとの摩擦帯電によって静電気的に(−)
に帯電しやすいため、(+)に帯電するポジトナーに対
しては吸着力が働きトナーは定着ローラー1に付かない
が、(−)に帯電するネガトナーに対しては反発力が働
き、紙P上の未定着トナーtが定着ローラー1に着き易
くなる。このとき定着ローラー1に着いたトナーを捕集
する為にクリーニングパッドが設けられているが、クリ
ーニングパッドで補修しきれなかったトナーは次の周期
で再び紙P上に転写されるため表汚れとなる。
【0039】紙種による違いも静電気的な現象と考える
と、紙種、紙の成分によってローラー材質との摩擦帯電
系列や抵抗値が異なるために例えば紙Pの抵抗が高いと
きには分離帯電によって帯電しやすく、例えばネガポジ
モードでは(−)に帯電し、定着工程でネガトナーを反
発してオフセットとなると考えられる。
【0040】.次に、定着ローラー1の離型性表層1
aとして、LBPなどでネガトナー用の定着ローラーと
して使われるPFA樹脂を使って同様の実験を行った結
果、表−1の様に、ネガトナーでは良好な結果が得ら
れ、逆にポジトナーでは不充分な結果となった。
【0041】.そこで本実施例では、定着ローラー1
の離型性表層1aとして、PFA樹脂70%とPTFE
樹脂30%の配合比の樹脂を使って実検したところ、表
−1に示すように、ネガ・ポジ両トナーについても、ま
た各紙種についても表汚れはなくなった。
【0042】その理由については、PTFE樹脂の非粘
着性の良さに加えて、PFA樹脂を配合する事によって
滑り性、帯電系列の改善、変化が考えられる。
【0043】さらに、定着ローラー表面のフッ素コート
焼成の際に、溶融しにくいPTFE樹脂粒子の境界に、
溶融し易いPFA樹脂が埋め込まれ易い点や、ローラー
表面仕上げ処理が改善される点が考えられる。
【0044】PFA樹脂とPTFE樹脂の配合比につい
てはPFA樹脂の量20〜90%程度で離型性の差が認
められ、特に60〜80%で離型性に対して好ましい結
果が得られた。
【0045】.次に、定着ローラー1の離型性表面層
1aの材料を、本発明のようにPFA樹脂とPTFE樹
脂を配合した材料にすれば、従来のPFA樹脂またはP
TFE樹脂を単独で用いるよりも、より長寿命化された
ローラーが実現される事とが判ったので以下に説明す
る。
【0046】従来、PFA樹脂またはPTFE樹脂を離
型性表面層1aとしたそれぞれのローラー寿命について
は種々の議論のなかで必ずしも明確ではなかった。
【0047】これは、ローラー寿命を決める要因に、
紙、トナー、温度、圧力や定着装置の構造として温度セ
ンサー、分離爪、クリーナーの構成、ジャム時のローラ
ーに対する負荷のかかり具合などがあり、使用する条件
によって種々の異なった結果が得られていたからであ
る。そしてPFA樹脂またはPTFE樹脂を離型性表面
層1aとする定着ローラー1の基本的性質は表−2の如
くである。
【0048】
【表2】 この表−2からローラー削れに関係していると思われる
テーパー摩耗試験ではPTFE樹脂の方が勝っている
が、ローラー傷に関与するショアー硬度型による硬さ試
験ではPFA樹脂の方が勝っている。
【0049】しかしこれらの試験は室温に於けるテスト
であり、定着温度に於ける挙動については必ずしも明ら
かとなっていない。
【0050】さらに、熱変形温度はPFA樹脂の方が低
い温度で始まっており、実機に於ける評価テストがより
重要となってくる。そこでPFA樹脂とPTFE樹脂の
離型性材料をコートした定着ローラーを使ってローラー
表面のコート材料の膜厚の測定を行いながら通紙テスト
を行い、ローラー削れ量を測定した。
【0051】その結果は、図2に示す通り、PFA樹脂
の配合比率が多い方が通紙による削れ量が少なく、ロー
ラー寿命が長い事が判った。
【0052】一方、ローラー周囲の爪やセンサー等に紙
詰まりや始動、停止、爪の加圧解除に対する衝撃の強さ
やローラー傷は、定着装置の爪の開閉テストや定着装置
の始動・停止テストによってテストする事ができる。
【0053】その結果は、図3に示す如く、衝撃力に対
してはPTFE樹脂の配合比率の多い方が強かった。
【0054】この様にローラー削れと衝撃力の強さはロ
ーラー寿命を延ばす大事な要因であるが、PFA樹脂ま
たはPTFE樹脂を表層1aとするローラー1では両者
を満足する事が出来ない。
【0055】しかし本発明の如く表層1aをPFA樹脂
とPTFE樹脂を配合した樹脂とすることによって、両
者の特徴を引き出し、より長寿命のローラー材質を作る
事が出来た。
【0056】図4はPTFE樹脂に対してPFA樹脂の
配合比率を変えて配合し、前述の従来例と同様にローラ
ー削れと衝撃力の強さをテストし、総合的なローラー寿
命をグラフ化した結果である。
【0057】この結果からPTFE樹脂にPFA樹脂を
配合すると、それぞれ単体よりもローラー寿命が長くな
る事が判る。
【0058】好ましくはPFA樹脂の配合比率が30〜
95%、特に60から80%の配合比率が総合的に耐久
性に優れている。
【0059】この様に定着ローラーを高耐久化する事で
ローラーの長寿命化が実現されると共に、ローラーに当
てるクリーニングパッドやウェブの加圧力を強くする事
が出来るのでクリーニング効果も上がり、プリントの表
汚れを防ぐ事が出来る。
【0060】以上説明したように、定着ローラーの表層
にPFA樹脂とPTFE樹脂を混合した樹脂を用いる事
によってネガトナー、ポジトナーのどちらに対してもオ
フセットの少ない良好なプリントを得る事が出来る。
【0061】また、ローラーを高耐久化する事によって
長寿命の定着ローラーが達成できると共にクリーニング
部材の加圧を強める事が出来、クリーニング効率を良く
する事でプリントの表汚れを防ぐ事が出来る定着ローラ
ーの長寿命化が達成できる。
【0062】以上実施例のように、定着ローラー1の離
型性表層1aとしてPFA樹脂とPTFE樹脂を配合し
た樹脂を用いることによって、ネガトナーに対してもポ
ジトナーに対しても静電オフセットが少なくなる事と、
ローラーの総合的寿命が長くなる事であるから、他の実
施例としてPFA樹脂とPTFE樹脂を配合した樹脂を
加圧ローラー2の離型性表層2aに適用しても、加圧ロ
ーラー2の静電オフセットが少なくなり、離型性表層2
aの寿命が長くなることはもちろんの事である。
【0063】〈第2の実施例〉(図5) 本実施例は前記(3)乃至(6)[特許請求の範囲の請
求項3乃至同6に対応]に記載の定着装置についての実
施例であり、前記第2の目的を達成するものである。
【0064】(1)実験装置 図5に本実施例で用いた実施定着装置の概略図を示す。
【0065】本実施例では、定着ローラー1として離型
性表層1aをポジトナー用に使われるPTFE樹脂とし
たもの、ネガトナー用に使われるPFA樹脂としたも
の、及びPTFE樹脂とPFA樹脂の両者を混合したも
の、を使った。
【0066】加圧ローラー2はフッ素樹脂を主成分とす
る離型性表層2aを形成したものを使用した。
【0067】定着ローラー1の直径・周速、定着温度、
実験環境、クリーニングパッド等の他の条件は前記第1
の実施例の場合と同じである。
【0068】(2)実験要領 400枚連続コピー時の原稿として画像比率10%の文
字原稿を使った以外は、前記第1の実施例の実験要領と
同じである。
【0069】(3)実験結果 .まず、比較のために加圧ローラー2として従来使わ
れてきたシリコンゴム表層のローラーを用いて実験を行
なった。
【0070】その結果を表−3に示す。評価は前記第1
の実施例と同じ、◎,○,△,×の4段階とした。また
パッド汚れも全てのサンプルをとってから4ランクに分
けた。
【0071】
【表3】 表−3に示されるその実験結果によると、PFA樹脂表
層1aの定着ローラー1との組み合わせではネガトナー
に対しては良好な結果が得られたが、ポジトナーについ
てはオフセットが多く表汚れも多かった。
【0072】またPTFE樹脂表層1aの定着ローラー
1との組み合わせでは、ほぼ逆の結果となる。
【0073】PFA樹脂とPTFE樹脂を混合した表層
1aの場合はネガ・ポジどちらのトナーに対しても比較
的良い結果が得られたが、未だネガトナーに対しては必
ずしも満足の行く結果ではなかった。
【0074】.次に表−4に本発明による実施例の評
価結果を示す。これは加圧ローラー2に50μmのPF
A樹脂チューブによる表層2aを設けた場合に於ける各
紙種、トナーに於けるオフセットの状況を示したもので
ある。また定着ローラー1には上記の実験と同じもの
を使った。
【0075】
【表4】 その結果は、特にPFA樹脂を表層1aとする定着ロー
ラー1、PTFE樹脂を表層1aとする定着ローラー1
に於いて従来不利であったトナーに対して効果があり、
PFA樹脂とPTFE樹脂を配合したものを表層1aと
する定着ローラー1の場合のオフセット量は非常に少な
いものであり、全体的にオフセットのレベルが良くなっ
た。
【0076】又、加圧ローラー2の表面にPFA樹脂表
層2aを設けた為に加圧ローラー2の耐久寿命、オフセ
ット防止効果は大変好ましいものとなった。それは a.定着ローラー1と加圧ローラー2の表層1a・2a
に紙との摩擦帯電が滑り性及び表面性の良いフッ素系樹
脂を使う事によって起こりにくくなった。
【0077】b.定着ローラー1と加圧ローラー2の表
層1a・2aとして同じフッ素系樹脂を使う事によって
摩擦帯電が少なくなった。
【0078】という理由によってローラーから発生する
摩擦帯電が小さく抑えられる事によって、異なる帯電極
性のトナーを使った場合において、例えばローラーの摩
擦帯電とトナーが同極になる場合は定着ローラー1側に
トナーが反発される事が起こりにくくなったと考えられ
る。
【0079】さらに、ローラーの摩擦帯電の極性とトナ
ーが異極の場合は、加圧ローラー2側にトナーが吸引さ
れて定着ローラー1へのオフセットが防止されると共
に、万一定着ローラー1またはクリーナー上の異極のト
ナーが加圧ローラー2側に回り込んで静電的に吸着する
事があったとしても、離型性が耐久的に長寿命であるフ
ッ素樹脂表層2aを持っているから加圧ローラー2から
紙Pへ少しずつ付着されてクリーニングされていく。
【0080】しかしながら、従来使用していたシリコン
ゴム表層の加圧ローラー2の場合は摩擦帯電による静電
気の発生が大きく、加圧ローラー2に異極のトナーが1
度吸着すると離れにくく、離型性の耐久的劣化がフッ素
樹脂に比べて起こり易く、約1万枚程度の耐久テスト付
近から加圧ローラー2へのトナーの融着が始まり、次第
にトナーが積層されて行き、紙Pが加圧ローラー2へ着
く現象が起こる。加圧ローラー2に融着したトナーは容
易に拭き取る事が出来ず、定期的な清掃を必要としてい
た。
【0081】.本実施例では加圧ローラー2のフッ素
樹脂の表層2aとしてPFAチューブを設けたが、別の
実施例としてFLCすなわちフッ素樹脂を分散させたフ
ッ素ゴムラテックスを薄層コートして焼成して表層2a
としたものを用いた。
【0082】この場合、FLCの表層2aにフッ素樹脂
が全体を層をなして被覆しているか否かがオフセット効
果を少なくするか否かを決めている。すなわち一般的な
FLCコートの処方、焼成条件ではローラー表面全体が
フッ素樹脂で覆われる事無くフッ素樹脂表層2aの間か
ら離型性の悪いフッ素ゴムが表面に出ているので表面張
力を測定しても40dyn程度でありオフセット防止効
果は少ない。
【0083】但し、FLCコートのフッ素樹脂の量を多
くしたり、加圧ローラー表層2aの耐熱限界付近まで焼
成温度を上げて表層2aのフッ素樹脂層の膜を形成させ
る事によって、ローラー表面がフッ素樹脂の膜を数μm
から十数μm形成する事が可能となり、表面張力測定で
31dyn以下を実現出来、オフセット防止効果が大き
く出て強度的・耐久的にも充分強いフッ素樹脂層2aを
形成する事が出来た。
【0084】以上のように加圧ローラー表面に表層2a
としてFLCコートによってフッ素樹脂のみの膜を充分
形成する事によって、従来のFLC以上の膜の強度が出
てオフセット防止効果が長く続く事が確認された。
【0085】以上述べた如くネガとポジなど異なる極性
のトナーを定着する定着ローラー1と加圧ローラー2に
それぞれフッ素系樹脂の表層1a・2aを設ける事によ
り、両ローラー1・2による摩擦帯電や紙による帯電も
小さく抑える事が出来て、静電オフセットを少なくする
事が出来ると共に長寿命の定着装置を実現できた。
【0086】
【発明の効果】以上の様に本発明の定着装置は、装置に
導入して定着処理する記録材上のトナー像のトナーがネ
ガトナー、ポジトナー何れであっても定着ローラーに対
するトナーオフセットの少ない、より高速で、簡単なク
リーニング手段で、長寿命な特長を有する。
【0087】また本発明の定着装置は、定着・加圧の両
ローラーに摩擦帯電や紙による帯電を小さく抑えること
ができて、静電オフセットを少なくでき、長寿命な特長
を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1の実施例に用いた実験定着装置の概略図
【図2】 定着ローラーの削れグラフ(耐ローラー削
れ)
【図3】 定着ローラーの傷グラフ(耐衝撃性)
【図4】 定着ローラー寿命グラフ(総合ローラー寿
命)
【図5】 第2の実施例に用いた実験定着装置の概略図
【符号の説明】
1 定着ローラー 1a 離型性表層 2 加圧ローラー 2a 離型性表層 3 ヒーター P 記録材 t 未定着トナー像

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧接して回転する一対のローラー間に、
    それぞれ異なる極性を有するトナーで形成された未定着
    像を有する記録材を選択的に導入通過させることによ
    り、或いは異なる極性を有するトナーで形成された未定
    着像を共に有する記録材を導入通過させることにより、
    記録材上に未定着像を定着させる定着装置であり、 前記一対のローラーのうち少なくとも一方のローラーの
    離型性表層樹脂が、 ポリテトラフルオロエチレン(PTFE樹脂)とテトラ
    フルオロエチレンパーフルオロアルキルビニルエーテル
    共重合体(PFA樹脂)の両者を配合した樹脂であるこ
    とを特徴とする定着装置。
  2. 【請求項2】 テトラフルオロエチレンパーフルオロア
    ルキルビニルエーテル共重合体の、ポリテトラフルオロ
    エチレンに対する配合比が30〜95%であることを特
    徴とする請求項1に記載の定着装置。
  3. 【請求項3】 圧接して回転する一対のローラー間に、
    それぞれ異なる極性を有するトナーで形成された未定着
    像を有する記録材を選択的に導入通過させることによ
    り、或いは異なる極性を有するトナーで形成された未定
    着像を共に有する記録材を導入通過させることにより、
    記録材上に未定着像を定着させる定着装置であり、 前記一対の両ローラーの表層はフッ素樹脂を主成分とす
    る離型層からなることを特徴とする定着装置。
  4. 【請求項4】 前記一対の両ローラーのうち記録材の像
    担持側の面とは反対側の面に接する加圧ローラーの離型
    性表面はフッ素樹脂によって覆われていることを特徴と
    する請求項3に記載の定着装置。
  5. 【請求項5】 加圧ローラーの離型性表面の表面張力が
    31dyn以下であることを特徴とする請求項4に記載
    の定着装置。
  6. 【請求項6】 前記一対の両ローラーのうち記録材の像
    担持側の面に接する定着ローラーの離型層はポリテトラ
    フルオロエチレンとテトラフルオロエチレンパーフルオ
    ロアルキルビニルエーテル共重合体を配合した層である
    ことを特徴とする請求項3に記載の定着装置。
JP30761492A 1992-10-21 1992-10-21 定着装置 Pending JPH06130848A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0882951A (ja) * 1994-09-12 1996-03-26 Konica Corp 静電荷像現像用トナー及び画像形成方法
JPH0934287A (ja) * 1995-07-21 1997-02-07 Canon Inc 画像形成方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0882951A (ja) * 1994-09-12 1996-03-26 Konica Corp 静電荷像現像用トナー及び画像形成方法
JPH0934287A (ja) * 1995-07-21 1997-02-07 Canon Inc 画像形成方法

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