JP4779302B2 - ベルト部材および画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、記録媒体に担持された未定着トナー像の、周面からの剥離性を高める離型剤がその周面に供給される、その周面がその未定着トナー像に接することでその未定着トナー像を加熱する加熱ロールに対して、表面が押しつけられニップ領域を形成する、所定方向に循環移動自在なベルト部材、およびそのベルト部材を備えた、記録媒体上に定着トナー像からなる画像を形成する画像形成装置に関する。
電子写真技術による複写機やプリンタ等の画像形成装置の中には、未定着トナー像を記録媒体に定着させるために、回転駆動する加熱ロールが配備されたものがある。近年の複写機やプリンター等の画像形成装置の高速化に伴い、この加熱ロールを、室温から定着可能な温度まで早急に上昇させなければならず、厚肉の弾性体層を表面に有する加熱ロールでは定着可能な温度に到達するまで時間がかかり過ぎてしまう。そこで、加熱ロールの弾性層の薄肉化と無端状のエンドレスベルトを用いたベルトニップ方式の画像定着装置が開発されている(例えば、特許文献1等参照)。
ベルトニップ方式の画像定着装置では、加熱ロールに対して、表面が押しつけられニップ領域を形成する、所定方向に循環移動自在なベルト部材が配備されており、このニップ領域に未定着トナー像を担持する記録用紙が、加熱ロール周面に未定着トナー像が接するように搬送されてくる。搬送されてきた記録用紙がこのニップ領域を通過することにより、その記録用紙に担持された未定着トナー像に熱が加えられるとともに圧力も加えられ、未定着トナー像が記録用紙に定着する。ここで、記録用紙がニップ領域を通過する際、未定着トナー像が、加熱ロール周面からきれいに剥離されないと、定着トナー像が不完全なものとなり、また、加熱ロールに残留したトナーが、以降の画像定着に悪影響を与える原因にもなる。そのため、加熱ロール周面に未定着トナー像の剥離性を高める離型剤を塗布したり、あるいは未定着トナー像を構成するトナー粒子に離型剤を外添又は内包させておき、加熱ロール周面に離型剤が供給されるようにしている。ベルト部材は、記録用紙がニップ領域を通過する前後では、加熱ロール周面に接しており、加熱ロール周面に供給された離型剤がベルト部材表面に付着する。
ところで、ベルト部材は、記録用紙がニップ領域を通過する前後では、回転駆動する加熱ロールに従って循環するものであるが、記録用紙がニップ領域を通過する際には、その記録用紙の移動に従って循環する。このため、ベルト部材の表面は、従来、記録用紙の移動を妨げない程度の摩擦力の確保や加熱ロールの磨耗防止等の理由から算術平均粗さRaや十点平均粗さRz等によって物性が規定されている。
特開平11−133776号公報
しかしながら、ベルト部材の表面を従来の算術平均粗さRaや十点平均粗さRzで規定したのみでは、記録用紙を定着する際に、次のような問題が発生する。
すなわち、ニップ領域において記録用紙にベルト部材の循環方向に対して不均一な圧力が加えられると、記録用紙の搬送方向が不安定となり、記録用紙にしわが発生し、画像乱れとなってしまうが、ベルト部材表面に多量の離型剤が付着していると、均一に圧力が加えられても、離型剤によって記録用紙がスリップし記録用紙の搬送方向が狂い、記録用紙にしわが発生してしまう。また、ベルト部材表面が離型剤との親和性に劣るものであると、ベルト部材表面に付着した離型剤は玉状になり、均一に圧力が加えられても、記録用紙のスリップを引き起こす原因になる。
本発明は上記問題点を解決し、記録媒体にしわが発生することを抑えたベルト部材、および、そのベルト部材を備えた画像形成装置を提供することを目的とするものである。
上記目的を達成する本発明のうちのベルト部材は、記録媒体に担持された未定着トナー像の、周面からの剥離性を高める離型剤がその周面に供給される、その周面がその未定着トナー像に接することでその未定着トナー像を加熱する加熱ロールに対して、表面が押しつけられニップ領域を形成する、所定方向に循環移動自在なベルト部材において、
上記表面に、フッ素系樹脂からなり凹凸が設けられた表面層を有するものであって、
上記表面層が、このベルト部材を、上記所定方向に直交する直交方向に100μmの長さにわたって断面したときの断面に、深さ0.5μm以上3.0μm以下の窪みを5個以上10個以下有し、その窪みの個数をn、各窪みの、その直交方向の長さ(μm)をX1,X2,X3…Xnとした場合に、
Figure 0004779302
上記式によって表されるSの値が40以上80以下になるものであることを特徴とする。
本発明のベルト部材によれば、上記表面層の表面状態を規定するにあたり、上記窪みの深さと個数、および上記Sの値を用いている。上記窪みの深さが0.5μm未満であったり、100μm幅における窪みの個数が4個以下である場合には、上記表面層の表面状態が平坦な状態に近くなり、ベルト部材表面が離型剤との親和性に劣るものであると、その平坦な状態の表面で離型剤は大きな玉状になる。上記ニップ領域を通過する記録媒体は均一に圧力が加えられてもこの大径の離型剤によってスリップし、記録媒体にしわが生じてしまう。一方、上記窪みが、深さ3.0μmを越えたものであったり、あるいは11個以上である場合には、上記窪みの中に離型剤が保持されて、上記表面層は離型剤が多量に存在する状態になり、これもまた記録媒体がスリップしてしわが生じてしまう。さらに、上記Sの値によって100μm幅内における窪みの量の割合(%)を規定しており、そのSの値が40を下回ると上記表面層の表面状態が平坦な状態に近くなり、80を上回わると逆にまた平坦な状態に近くなり、いずれも表面層上に大きな玉状の離型剤が存在することになる。このため、記録媒体がスリップしてしわが生じてしまう。本発明のベルト部材によれば、これらのパラメータを用いて上記表面層の表面状態を規定することで、記録媒体にしわが発生することが抑えられる。
ここで、本発明のベルト部材において、上記表面層は、上記Sの値が60以上80以下になるものであることが好ましい。
上記目的を達成する本発明のうちの画像形成装置は、像担持体にトナー像を形成し、そのトナー像を最終的に記録媒体上に転写することで未定着トナー像をその記録媒体に担持させ、その未定着トナー像を担持した記録媒体を所定のニップ領域を通過させることによりその未定着トナー像に熱を加えるとともに圧力も加えその未定着トナー像をその記録媒体に定着させ、その記録媒体上に定着トナー像からなる画像を形成する画像形成装置において、
未定着トナー像の、周面からの剥離性を高める離型剤がその周面に供給される、その周面がその未定着トナー像に接することでその未定着トナー像を加熱する加熱ロールと、
上記加熱ロールに表面が押しつけられ上記ニップ領域を形成する、所定方向に循環移動自在なベルト部材とを備え、
上記ベルト部材が、上記表面に、フッ素系樹脂からなり凹凸が設けられた表面層を有するものであって、
上記表面層が、このベルト部材を、上記所定方向に直交する直交方向に100μmの長さにわたって断面したときの断面に、深さ0.5μm以上3.0μm以下の窪みを5個以上10個以下有し、その窪みの個数をn、各窪みの、その直交方向の長さ(μm)をX1,X2,X3…Xnとした場合に、
Figure 0004779302
上記式によって表されるSの値が40以上80以下になるものであることを特徴とする。
また、本発明の画像形成装置において、上記表面層は、上記Sの値が60以上80以下になるものであることが好ましい。
さらに、本発明の画像形成装置において、上記加熱ロールは、反応性シリコーンオイルを主成分とする離型剤が周面に供給されるものであることも好ましい。
本発明によれば、記録媒体にしわが発生することを抑えたベルト部材、および、そのベルト部材を備えた画像形成装置を提供することができる。
以下図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
図1は、本発明のうちのベルト部材の一実施形態に相当するエンドレスベルトが組み込まれたフルカラー画像形成装置の概略構成を示す図である。
図1に示す画像形成装置1は、本実施形態のエンドレスベルト310が配備された画像定着装置30の他、感光体ドラム10および中間転写ベルト20も備えている。感光体ドラム10は、時計回りに回転するものである。中間転写ベルト20は、複数の支持ロールに張架されて感光体ドラム10の表面に接触するように配置されている。また、この画像形成装置1では、中間転写ベルト20を挟んで感光体ドラム10と対向する位置に、1次転写ロール40が配設されている。感光体ドラム10と中間転写ベルト20とが接する部分が1次転写位置である。
感光体ドラム10の周囲には、1次転写位置の上流側に現像ロータリー50が配設されている。現像ロータリー50には、ブラック(BK)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)及びシアン(C)の各有色トナーを収容した現像器(不図示)が配設されている。また、感光体ドラム10の周囲には、いずれも図示省略したが帯電器、光書き込みユニット、クリーニング装置、および除電装置が配設されている。
中間転写ベルト20の周囲には、1次転写位置の下流側に、2次転写部材としてのバイアスロール60が設けられ、さらに、中間転写ベルト20を挟んでバイアスロール60と対向する位置には、バックアップロール70が設けられている。この画像形成装置1では、バイアスロール60とバックアップロール70とで挟まれた位置が2次転写位置になり、この2次転写位置には、各サイズの用紙をそれぞれ収容した給紙トレイ群80から供給される用紙、あるいは手差し台81に置かれた用紙やOHPシート等が送り込まれる。
図1に示す画像形成装置1には、イエロー、マゼンタ、シアンおよびブラックの4色の各画像信号が入力される。これらの画像信号が入力されると、この画像形成装置1では、感光体ドラム10の表面を、帯電器により一様に帯電した後、入力された画像情報のうち、シアンの画像信号に応じたレーザ光を光書き込みユニットから感光体ドラム10に向けて照射することで感光体ドラム10の表面に静電潜像を形成する。続いて、感光体ドラム10の表面に形成された静電潜像を、現像ロータリー50に備えられたシアントナーを収納した現像器により現像し、感光体ドラム10の表面にシアントナー像を形成する。次いで、1次転写位置において感光体ドラム10上のシアントナー像を中間転写ベルトに1次転写する。シアントナー像が中間転写ベルト20に1次転写された後の感光体ドラム10の表面からは、クリーニング装置によって残存トナーが除去され、除電装置によって残存電荷が除去される。
続いて今度は、感光体ドラム10の表面に、同様にしてマゼンタトナー像を形成し、1次転写位置において、このマゼンタトナー像を、中間転写ベルト20に先に1次転写されたシアントナー像と重なるように中間転写ベルト20に1次転写する。
以降、イエロートナー像およびブラックトナー像を順次形成し、1次転写位置において、中間転写ベルト20に先に1次転写されたトナー像と重なるように順次1次転写する。こうすることにより、中間転写ベルト20には、ベルト表面側からシアン,マゼンタ,イエロー,ブラックの順で1つに重なり合ったトナー像が形成される。
続いて、この1つに重なり合ったトナー像を、バイアスロール60とバックアップロール70とで挟まれた2次転写位置において用紙に2次転写する。こうして、未定着トナー像が用紙に担持され、未定着トナー像を担持した用紙は画像定着装置30に送られる。画像定着装置30では、未定着トナー像を担持した用紙を所定のニップ領域を通過させることでその未定着トナー像に熱を加えるとともに圧力も加え、未定着トナー像を用紙に定着させる。トナー像が定着した用紙は、この画像形成装置1に備えられた排出トレイ90に排出される。
図2は、本実施形態のエンドレスベルトが配備された画像定着装置の概略構成を示す図である。
図2に示す画像定着装置30は、ベルトニップ方式が採用された定着装置であって、エンドレスベルト310を備える他、加熱ロール320も備えており、この画像定着装置30では、加熱ロール320にエンドレスベルト310が接触することでニップ領域Nが形成されている。用紙Pに担持された未定着トナー像Tは、加熱ロール320側を向いてニップ領域Nまで搬送されてくる(図中矢印C参照)。加熱ロール320には、不図示の駆動モーターから駆動力が伝達され、この加熱ロール320は回転駆動する(図中矢印Rm参照)。一方、エンドレスベルト310は、接触する加熱ロール320の回転を受けてに矢印Rs方向に循環し、ニップ領域Nに用紙Pが送り込まれると、ニップ領域Nを通過する用紙Pの移動に従って、同じく矢印Rs方向に循環する。
加熱ロール320は、中空アルミニウム製のコア321の外周面にシリコーンゴム等による弾性層322が形成され、その弾性層322の表面にはフッ素樹脂等による離型層323が形成されたものである。アルミニウム製のコア321内には、熱源としてハロゲンランプ324が配備されており、加熱ロール320の周面320aの温度が所望の温度となるように、図示しない温度コントローラにより制御されている。ニップ領域Nまで用紙Pに担持されて搬送されてきた未定着トナー像Tは、加熱ロール320の周面320aに接し、ハロゲンランプ324からの熱によって加熱される。ニップ領域Nでは、用紙Pに担持された未定着トナー像Tが加熱ロール周面320に接した状態で圧力が加えられる。
また、この画像定着装置30には、用紙Pがニップ領域Nを抜ける際に、加熱ロール周面320aから未定着トナー像が剥離しやすいように、加熱ロール周面320aに反応性シリコーンオイルからなる液体離型剤を供給する離型剤供給装置340も備えられている。離型剤(オイル)としては、アミン変性シリコーンオイルが好適に使用されるが、他の反応性シリコーンオイルであってもよく、例えばシラノール変性シリコーンオイルやカルボキシ変性シリコーンオイルであってもよい。また、ジメチルシリコーンオイルやメチルフェニルシリコーンオイルなどであってもよい。
なお、図2に示す離型剤供給装置340を省略し、図1に示す現像ロータリー50に配備された各色の現像器内に、離型剤を外添又は内包させたトナー粒子を収容させておいてもよい。こうすることで、ニップ領域Nでは、離型剤を外添又は内包したトナー粒子で構成された未定着トナー像が加熱ロール周面320aに接し、加熱ロール周面320aに離型剤が供給される。
エンドレスベルト310は、このエンドレスベルト310の裏面を構成する基材311と、このエンドレスベルト310の表面を構成する、パーフルオロアルコキシフッ素樹脂(PFA)による表面層312とからなるものである。なお、図2に示す表面層312には、カーボンブラック、金属酸化物等の充填剤が適宜添加されていてもよい。また、この表面層312としては、PFAに限らず用紙Pとの適度な離型性を示すものであれば特に制限はなく、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、ポリエチレン・テトラフルオロエチレン(ETFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリクロロ三フッ化エチレン(PCTFE)、フッ化ビニル(PVF)等のフッ素樹脂であってもよい。
用紙Pがニップ領域Nを通過する前後においては、エンドレズベルト310の表面層312が加熱ロール周面320aに接しており、表面層312には、加熱ロール周面320aに供給された離型剤が付着する。PFAからなる表面層312は、反応性シリコーンオイルからなる液体離型剤との親和性が悪い。
図2に示すエンドレスベルト310の裏面側には、支持枠331と、その支持枠331に支えられた弾性体332とからなる押圧部材330も配備されている。弾性体332はエンドレスベルト310の裏面に接しており、押圧部材330は、エンドレスベルト310の表面を加熱ロール320に向けて押しつけるものである。図2に示す画像定着装置30では、この押圧部材330によって加熱ロール320の弾性層322の変形量を少なくしながらも、ある所定幅以上のニップ領域Nを確保している。
また、図2に示す画像定着装置30には、図示省略したが、エンドレスベルト310の裏面に、シリコーンオイル等の潤滑剤を塗布するフェルト等の塗布部材も配備されている。エンドレスベルト裏面に潤滑剤を塗布することにより、エンドレスベルト310と押圧部材330との間の摩擦係数が低減される。また、エンドレスベルト310と押圧部材330との間の摩擦係数はエンドレスベルト310と加熱ロール320との間の摩擦係数よりも小さくなっている。このため、エンドレスベルト310は加熱ロール320の回転に伴って、スムーズに従動走行することが可能になっている。
続いて、図2に示すエンドレスベルト310の表面状態、すなわち表面層312の表面状態について詳述する。図2に示す表面層312は、研磨手段によって粗面化された層である。粗面化は、エンドレスベルトの循環方向(矢印Rs方向)に沿って研磨部材を移動させることによって行われ、表面層312には循環方向に延在する溝が形成されている。
図2に示すエンドレスベルト310の、少なくとも10箇所以上の任意の箇所で、このエンドレスベルト310を循環方向に直交する直交方向(図2では紙面に対して垂直な方向)に100μmの長さにわたって断面したときの表面層312の断面を画像解析装置(レーザ顕微鏡)で解析すると、その断面には、深さ0.5μm以上3.0μm以下の窪み(溝)が5個以上10個以下確認される。また、確認された窪みの個数をn、各窪みの、上記直交方向の長さ(μm)をX1,X2,X3…Xnとして、100μm幅内における窪みの量の割合(%)を下記式により求めると、
Figure 0004779302
上記Sの値は、40以上80以下になる。
なお、エンドレスベルト310の表面層312の粗面化は、研磨手段に限らず、ブラスト手段、あるいは粒子等の添加剤を添加することによって行ってもよく、このようにして粗面化した場合には、窪みが延在する方向が定まっておらず、任意の方向における100μm幅を設定してもよい。
画像解析の結果、表面層312に設けられた窪みの深さが0.5μm未満であったり、100μm幅における窪みの個数が4個以下であると、表面層312の表面状態が平坦な状態に近くなる。表面層312は、離型剤との親和性に劣るものであるため、その平坦な状態の表面では離型剤が大きな玉状になる。ニップ領域Nを通過する用紙Pは均一に圧力が加えられてもこの大径の離型剤によってスリップし、用紙Pにしわが生じてしまう。一方、窪みが、深さ3.0μmを越えたものであったりあるいは11個以上であると、窪みの中に離型剤が保持されて、表面層312は離型剤が多量に存在する状態になり、これもまた用紙Pがスリップしてしわが生じてしまう。また、表面層312に離型剤が多量に存在すると、用紙Pに離型剤が多量に付着し、用紙Pの加筆性が悪くなってしまう。さらに、上記Sの値が40を下回ると表面層312の表面状態が平坦な状態に近くなり、80を上回わると逆にまた平坦な状態に近くなり、いずれも表面層312上に大きな玉状の離型剤が存在することになる。このため、用紙Pがスリップしてしわが生じてしまう。ここで、上記Sの値は、60以上80以下であることが好ましい。
[実施例]
以下、本発明を、実施例をあげてさらに具体的に説明する。ただし、これら各実施例は、本発明を制限するものではない。
(実施例1)
図1に示す画像形成装置を用いて画像形成を行った。すなわち、ここで使用したエンドレスベルトの表面層の材質はPFAである。この表面層の粗面化は、表面層をシリコンカーバイト20μmの番手の研磨紙により研磨することで行い、表面層には循環方向に延在する溝を形成した。ここでは、このようにして粗面化したエンドレスベルトを用意し、まず、少なくとも10ヵ所以上の測定点において、市販の画像解析装置(株式会社キーエンス製レーザ顕微鏡:VK8500)を用いて、非破壊で表面層の画像解析を行った。また、表面層の十点平均粗さ(Rz値)も測定した。次に、このエンドレスベルトの表面層にアミン変性シリコーンオイルを塗布した。塗布したシリコーンオイルは、表面層上で楕円形の玉状になり、上記画像解析装置を用いて、玉状になったシリコーンオイル30個以上の長手方向の幅(直径)を測定し、その平均値Wを求めた。その後、エンドレスベルトを画像定着装置に組み込み、画像形成を連続で100枚行った。評価は、画像形成が行われた用紙の紙しわの発生率および紙づまりの発生率により確認した。評価基準は以下の通りである。
◎:紙づまり、紙しわともに未発生であり、加筆性も良い
○:紙づまり、紙しわともに未発生
×:紙しわのみ発生
××:紙詰まり、紙しわともに発
測定結果とともに評価結果を表1に示す。
Figure 0004779302
(実施例2)
エンドレスベルトを、25μmの番手の研磨紙により粗面化を行ったものに代えた以外は、実施例1と同様である。測定結果および評価結果を表1に示す。
(実施例3)
エンドレスベルトを、30μmの番手の研磨紙により粗面化を行ったものに代えた以外は、実施例1と同様である。測定結果および評価結果を表1に示す。
(実施例4)
エンドレスベルトを、35μmの番手の研磨紙により粗面化を行ったものに代えた以外は、実施例1と同様である。測定結果および評価結果を表1に示す。
(実施例5)
エンドレスベルトを、40μmの番手の研磨紙により粗面化を行ったものに代えた以外は、実施例1と同様である。測定結果および評価結果を表1に示す。
(比較例1)
エンドレスベルトを、9μmの番手の研磨紙により粗面化を行ったものに代えた以外は、実施例1と同様である。測定結果および評価結果を表1に示す。
(比較例2)
エンドレスベルトを、15μmの番手の研磨紙により粗面化を行ったものに代えた以外は、実施例1と同様である。測定結果および評価結果を表1に示す。
(比較例3)
エンドレスベルトを、50μmの番手の研磨紙により粗面化を行ったものに代えた以外は、実施例1と同様である。測定結果および評価結果を表1に示す。
(比較例4)
エンドレスベルトを、粗面化を行わなかったものに代えた以外は、実施例1と同様である。測定結果および評価結果を表1に示す。
(比較例5)
エンドレスベルトを、20μmの番手の研磨紙により粗面化を行ったものに代えた以外は、実施例1と同様である。測定結果および評価結果を表1に示す。
(比較例6)
エンドレスベルトを、35μmの番手の研磨紙により粗面化を行ったものに代えた以外は、実施例1と同様である。測定結果および評価結果を表1に示す。
(比較例7)
エンドレスベルトを、20μmの番手の研磨紙により粗面化を行ったものに代えた以外は、実施例1と同様である。測定結果および評価結果を表1に示す。
(比較例8)
エンドレスベルトを、35μmの番手の研磨紙により粗面化を行ったものに代えた以外は、実施例1と同様である。測定結果および評価結果を表1に示す。
表1に示すように、各実施例においてはいずれも、用紙に紙しわが発生することはなく、さらには紙づまりが発生することもなかった。各実施例における表面層に設けられた溝の深さは、0.5μm以上3.0μm以下の範囲に入る深さであり、100μm幅における溝の個数は、5個以上10個の範囲に入る個数である。また、各実施例においては、上記S値は40以上80以下の範囲に入る値であり、実施例3〜実施例5においては、上記S値は60以上80以下の範囲に入る値である。ここで、実施例1〜2と、実施例3〜5を比較すると、実施例3〜5の方が評価結果が優れていた。これは、上記S値が60以上80以下の範囲に入る値であると、W値が小さくなり、用紙表面に付着するオイルが少なくなるため、ボールペンによる加筆性で優れた効果を生じることによるものと考えられる。一方、各比較例においてはいずれも、用紙に紙しわが発生し、さらには紙づまりも発生した。ここで、注目すべき点は、実施例1〜実施例3と比較例1の結果の違いである。これらの実施例と比較例はいずれも、表面層の十点平均粗さ(Rz値)は同じであるが、評価は正反対である。このことからして、表面層の十点平均粗さ(Rz値)を管理することだけでは、エンドレスベルト表面における用紙のスリップを防ぐことができないことがわかる。また、表面層上に存在する玉状になったシリコーンオイルの平均幅Wは、各実施例ではいずれも15μm以下であるのに対し、比較例1〜4ではいずれも15μmよりも大きく、比較例1〜4においては、表面層上に存在する大径の離型剤によって用紙Pがスリップし、紙しわや紙づまりが生じてしてしまったものと考えられる。さらに、S値が40以上80以下の範囲に入っているにもかかわらず、比較例5〜比較例8では評価が悪かった。これは、比較例5では、表面層に設けられた溝の深さが浅すぎて、表面層の表面状態が平坦な状態に近くなっていたことが原因と考えら、比較例6では、その深さが反対に深すぎて、離型剤が溝内に溜まってしまったことが原因と考えられる。また、比較例7では、100μm幅における溝の個数が少なすぎて、表面層312の表面状態が平坦な状態に近くなっていたことが原因と考えら、比較例8では、その個数が反対に多すぎて、離型剤が溝内に溜まってしまったことが原因と考えられる。
本発明のうちのベルト部材の一実施形態に相当するエンドレスベルトが組み込まれたフルカラー画像形成装置の概略構成を示す図である。 本実施形態のエンドレスベルトが配備された画像定着装置の概略構成を示す図である。
符号の説明
1 画像形成装置
10 感光体ドラム
20 中間転写ベルト
30 画像定着装置
310 エンドレスベルト
312 表面層
320 加熱ロール
320a 周面
324 ハロゲンランプ
330 押圧部材
340 離型剤供給装置
40 1次転写ロール
50 現像ロータリー
60 バイアスロール
70 バックアップロール
80 給紙トレイ群
81 手差し台
90 排出トレイ

Claims (3)

  1. 記録媒体に担持された未定着トナー像の、周面からの剥離性を高める離型剤が該周面に供給される、該周面が該未定着トナー像に接することで該未定着トナー像を加熱する加熱ロールに対して、表面が押しつけられニップ領域を形成する、所定方向に循環移動自在なベルト部材において、
    前記表面に、フッ素系樹脂からなり、前記所定方向に研磨部材を移動させることによって溝が形成された表面層を有するものであって、
    前記表面層が、このベルト部材を、前記所定方向に直交する直交方向に100μmの長さにわたって断面したときの断面に、深さ0.5μm以上3.0μm以下のを5以上10以下有し、
    前記表面層の十点平均粗さが3μm以上4μm以下であり、
    アミン変性シリコーンオイルを塗布した際の玉状になったシリコーンオイル30個以上の長手方向の幅の平均値が15μm以下であることを特徴とするベルト部材。
  2. 像担持体にトナー像を形成し、該トナー像を最終的に記録媒体上に転写することで未定着トナー像を該記録媒体に担持させ、該未定着トナー像を担持した記録媒体を所定のニップ領域を通過させることにより該未定着トナー像に熱を加えるとともに圧力も加え該未定着トナー像を該記録媒体に定着させ、該記録媒体上に定着トナー像からなる画像を形成する画像形成装置において、
    未定着トナー像の、周面からの剥離性を高める離型剤が該周面に供給される、該周面が該未定着トナー像に接することで該未定着トナー像を加熱する加熱ロールと、
    前記加熱ロールに表面が押しつけられ前記ニップ領域を形成する、所定方向に循環移動自在なベルト部材とを備え、
    前記ベルト部材が、前記表面に、フッ素系樹脂からなり、前記所定方向に研磨部材を移動させることによって溝が形成された表面層を有するものであって、
    前記表面層が、このベルト部材を、前記所定方向に直交する直交方向に100μmの長さにわたって断面したときの断面に、深さ0.5μm以上3.0μm以下のを5以上10以下有し、
    前記表面層の十点平均粗さが3μm以上4μm以下であり、
    アミン変性シリコーンオイルを塗布した際の玉状になったシリコーンオイル30個以上の長手方向の幅の平均値が15μm以下であることを特徴とする画像形成装置。
  3. 前記加熱ロールは、反応性シリコーンオイルを主成分とする離型剤が周面に供給されるものであることを特徴とする請求項2記載の画像形成装置。
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