JP2003140486A - 電子写真用定着エンドレスベルトおよび加熱ロール・ベルト型定着装置 - Google Patents

電子写真用定着エンドレスベルトおよび加熱ロール・ベルト型定着装置

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JP2003140486A
JP2003140486A JP2001339501A JP2001339501A JP2003140486A JP 2003140486 A JP2003140486 A JP 2003140486A JP 2001339501 A JP2001339501 A JP 2001339501A JP 2001339501 A JP2001339501 A JP 2001339501A JP 2003140486 A JP2003140486 A JP 2003140486A
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belt
pressure
endless belt
heating roll
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Hitoshi Komuro
仁 小室
Kenji Nakatogawa
健司 中戸川
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Fuji Xerox Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 印刷物の用紙の伸びの発生と、あばら状の画
像ずれの発生を抑えることができる電子写真用定着エン
ドレスベルトおよび加熱ロール・ベルト型定着装置を提
供すること。 【解決手段】 少なくとも表面層が、フッ素ゴム組成物
100質量部当たり、フッ素樹脂微粒子を50質量部を
超え100質量部以下の範囲で配合したフッ素ゴム組成
物を含むゴム組成物の加硫物よりなる、及び/又は、少
なくとも表面層がフッ素ゴムを含んでなり、該表面層の
表面のコート紙に対する表面静摩擦係数が、0.45以
下であることを特徴とする電子写真用定着エンドレスベ
ルトおよびこれを用いた加熱ロール・ベルト型定着装置
である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真用定着装
置で用いる定着ベルト、及び、記録シート(支持体)上
に形成された未定着のトナー像に、熱と圧力とを同時に
作用させて、該トナー像を融着させる加熱ロール・ベル
ト型定着装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電子写真プロセスを利用した複写
機等においては、記録シート上に形成された未定着トナ
ー像を定着して永久画像にする必要があり、その定着法
として溶剤定着法、圧力定着法、および加熱定着法が知
られている。溶剤定着法は、溶剤蒸気が発散し、臭気や
衛生上の問題が多いという欠点を有しており、一方、圧
力定着法についても、他の定着法と比べて定着性が悪い
という欠点を有しており、いずれも広くは実用化されて
いないのが現状である。それゆえ、未定着トナー像の定
着には、一般に加熱によってトナーを溶融させ、記録シ
ート上に融着させる加熱定着法が広く採用されている。
【0003】従来、この加熱定着法に用いる加熱定着装
置としては、円筒状芯金の内部にヒーターランプを備
え、その外周面に耐熱性離型層を形成した加熱ロール
と、この加熱ロール(定着ロール)に対し圧接配置さ
れ、円筒状芯金の外周面に耐熱弾性体層を形成した加圧
ロールとで構成されており、これら両ロール間に、1〜
15kg/cm2、好ましくは3〜10kg/cm2の圧
力を印加し、未定着トナー像の形成された普通紙等の支
持体を挿通させて定着を行う加熱定着ロール方式のもの
が知られている。この方式に使用される加熱ロール型定
着装置は、他の加熱定着法である熱風定着方式やオーブ
ン定着方式のものと比べて、熱効率が高い為、低電力
で、高速性に優れ、しかも、紙詰まりによる火災の危険
性も少ないこと等から、現在最も広く利用されている。
【0004】近年、この様な加熱ロール型定着装置にお
いて定着速度の高速化の要求があり、これを満足するに
は、定着速度に応じて加熱ロールと加圧ロールとの圧接
部(ニップ域)を大きくする必要がある。このニップ域
を大きくする為の方法としては、ロール間の荷重を大き
くする方法、加熱ロールの弾性層の層厚を厚くする方
法、または、加熱ロール及び加圧ロールのロール径を大
きくする方法等がある。しかしながら、これらの方法で
実用上対応できる定着速度には画質上も限界があること
に加えて、定着時の加熱立ち上り時間も増加することか
ら、近年ますます要求が厳しくなっている事務機器にお
ける使用エネルギー削減に相反するという弊害がある。
このため、前記方法で実用上対応が困難な、より高速の
定着速度領域に対しては、加熱ロール型定着装置におけ
る加圧ロールをベルト状の部材とした加熱ロール・ベル
ト型定着装置が開発されてきている。
【0005】この加熱ロール・ベルト型定着装置に用い
るベルト状の部材(加圧ベルト)は、主に大きく2つに
類別される。すなわち、1)エンドレスベルト状のベー
スフィルムの上に、プライマーと呼ばれる接着剤を塗布
した後、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)や、
テトラフルオロエチレンとパーフルオロエチレンの共重
合体(PFA)等のフッ素樹脂を薄くコーティングした
フッ素樹脂被覆ベルトと、2)エンドレスベルト状のベ
ースフィルムの上に、プライマーを介してシリコーンゴ
ムまたはフッ素ゴム等を薄く被覆した、シリコーンゴム
被覆ベルトまたはフッ素ゴム被覆ベルトとに分けられ
る。
【0006】これらのベルトのうち、フッ素樹脂被覆ベ
ルトは、その表面の離型性は高いが、フッ素樹脂材料自
体が硬く弾性に乏しい為、高品位の画像を得ることがで
きず、ベルトの耐久性に欠けるという問題や、離型剤オ
イルとして使用される変性シリコーンオイルを撥くとい
う問題を有している。また、シリコーンゴム被覆ベルト
は、そのベルト材料内部にフリーオイルと呼ばれるシリ
コーンオイルが含まれ、これが離型性に対し多大な影響
を持ち、フリーオイルの多いもの程、高い離型性を示
す。しかし、このフリーオイルの存在は、ゴム強度の低
下や、また、前記ベルト材料中に含まれるフリーオイル
が放出されることにより、ベルトの外形が変化するとい
う問題を有している。
【0007】一方、フッ素ゴム被覆ベルトは、非常に丈
夫で耐摩耗性が高く、また弾性を有しているため、高品
位の画質が得られる点において優れている。しかしなが
ら、フッ素ゴム被覆ベルトは、その表面が離型剤オイル
として通常使用されるシリコーンオイルの1種であるポ
リジメチルシロキサンオイルを撥く性質を有するので、
フッ素ゴム被覆ベルト表面とトナー像との間にオイルの
離型層が形成されにくい。そのためフッ素ゴム被覆ベル
トとポリジメチルシロキサンオイルとの組み合わせは、
例えば、カラートナーの様な、低融点、高発色のトナー
に対しては離型性が悪いため、使用することができな
い。
【0008】この点を改善するものとして、ポリジメチ
ルシロキサンオイルの一部をメルカプト基(−SH)ま
たはアミノ基(−NH2)で置換した変性シリコーンオ
イルを使用することが提案されている。この場合、この
変性シリコーンオイルの官能基であるメルカプト基また
はアミノ基が、フッ素ゴム被覆ベルトに含まれる金属酸
化物(MgO,PbO等)やフッ素ゴムの二重結合と反
応する。かかる反応により、前記フッ素ゴム被覆ベルト
の表面に、分子レベルの厚みを有する変性シリコーンオ
イルの膜が形成され、この膜が離型層として前記フッ素
ゴム被覆ベルトの表面に高い離型性を付与することがで
きる。
【0009】しかしながら、フッ素ゴム被覆ベルト表面
に高い離型性を付与する変性シリコーンオイルは、同時
に複写シートや、両面コピー時の給紙ロールの表面にも
高い離型性を付与してしまう。このため、複写シートに
糊付き付箋の類を付着させることができなかったり、給
紙ロールにより円滑に給紙が行われなかったりするとい
う問題が発生する。この問題を解決するために、変性シ
リコーンオイルを使用する量を減らしたり、殆ど使用し
ないことが検討されている。しかし、この様な場合、フ
ッ素ゴム被覆ベルト表面にフッ素ゴム自体が持つ特有の
粘着性が現れ、定着時にコピー用紙表面と、フッ素ゴム
被覆ベルト表面と、が粘着して、定着後にコピー用紙が
フッ素ゴムベルト表面から剥離できないという問題が発
生する場合がある。この問題は、前記コピー用紙が、特
にその表面がコート剤により処理された表面平滑性が高
いコート紙である場合により顕著になる。
【0010】上記問題の発生を防止するために、使用す
る変性シリコーンオイルの量を減らしたり、または、変
性シリコーンオイルを殆ど使用しない定着条件において
も、コピー用紙に対する高い離型性及び粘着性の低い表
面を有する定着ベルトが求められている。このような定
着ベルト等の定着部品は、定着時に変性シリコーンオイ
ルの寄与が少ない場合においても、トナーと定着部品表
面との間の付着力の小さいことや、コピー用紙と定着部
品表面との間の粘着力が小さいことが要求される。この
ような要求を実現するために、定着部品表面に設けるフ
ッ素ゴム材料やフッ素樹脂材料の表面エネルギーや粘着
性をより小さくする試みがなされている。この試みとし
て、例えば、特開2001−60050号公報によれ
ば、定着部材の表面層に、フッ素ゴム100質量部あた
り低分子量四フッ化エチレン樹脂微粒子を3〜50質量
部配合した材料を用いる提案がされている。
【0011】前記公報に記載の技術により、コート紙の
ようなコピー用紙に対する定着部品表面の剥離性は改善
することができる。しかし、前記公報に記載の技術につ
いて本発明者らが更に鋭意検討した結果、定着時にコー
ト紙がニップ域で加圧加熱されることにより用紙の伸び
が発生する場合や、高密度トナー印字時にあばら状の画
像ずれ模様が発生する場合があることが判ってきた。
【0012】一方、近年のオフィイス用複写機の性能向
上に伴い、より高品位の画像を有する記録物が容易に印
刷できるようになってきた。このため、印刷業者や製本
業者を介さず、オフィイス等で手軽に印刷された記録物
が、そのまま、見栄えの求められるパンフレットやプレ
ゼンテーション用の資料等として利用される機会が増え
てきている。従って、高品位の画質を有する記録物に対
してはより高品質が求められるようになりつつある。従
って、上記した用紙の伸びや、あばら状の画像ずれ模様
は、従来、問題として認識されていなかったものの、近
年、記録物の見栄えを悪くする問題として取り上げら
れ、その改善が求められている。
【0013】この用紙の伸びの発生は、すでに用紙上に
印字されたトナー画像の伸びや、さらに、両面印字時に
用紙の表裏面に形成された画像の位置がずれるという問
題を引き起こす。用紙の伸びが顕著となる原因として
は、加熱ロール・ベルト方式の定着装置において、特に
加熱ロールと加圧ベルトとの接触部分(ニップ域)が広
くなったために、用紙表面の特定の点が該ニップ域を通
過するのに要する時間(ニップ時間)が長くなる場合が
挙げられる。また、もうひとつの原因としては、加圧ベ
ルトの周内に、該加圧ベルトを押圧し、該押圧部の形状
がパッド状である加圧部材を配置した場合が挙げられ
る。
【0014】一方、用紙の伸びが発生しやすい用紙とし
ては、その表面の平滑性が高く表面静摩擦係数の高い用
紙、即ち、その表面にコート材を塗布したコート紙が代
表的な例として挙げられる。また、印刷時に、用紙の繊
維方向が、用紙移動方向に対して直角である場合は、用
紙移動方向に対して水平方向である場合と比較して、相
対的に用紙のこしが弱くなるために、用紙の伸び量が大
きくなりやすい。
【0015】このような用紙の伸びは、以下のようなメ
カニズムにより発生すると考えられる。即ち、加熱定着
時に用紙(支持体)がニップ域を通過する際に、コート
紙と加圧ベルト表面とが接触している部分が密着してず
れないために、前記用紙のニップ域に密着している部分
に張力が加わる。この張力が加わった状態の用紙から、
定着時の加熱により、該用紙中に含まれる水分が揮発す
る。しかし、用紙がニップ域を通過した後は、再び、前
記用紙が周囲の空気中の水分を吸水するために、用紙の
伸びが大きくなると考えられる。
【0016】この用紙の伸びは、加圧ベルト表面を、P
FAやPTFEなどのフッ素樹脂からなる表面とするこ
とで大きく改善される。しかし、この改善に伴う弊害と
して、OHP用紙を用いて印刷した場合に、画像透過状
態のむらやエッジ部の黒ずみが発生したり、用紙に両面
印字した場合に、2回目に用紙の片方の面に印字した際
に、1回目に用紙のもう片方の面に既に印字された画像
に微少な梨地状のグロスムラ(微小グロスムラ)が発生
しやすくなる。また、定着後に、用紙を加熱ロールから
剥離するために設けられる剥離爪が、用紙と接触するこ
とにより、用紙表面に摩耗跡も発生しやすい。
【0017】前記OHP用紙の画像透過むらが発生する
原因は、加圧ベルト表面がフッ素樹脂表面であるために
該加圧ベルト表面が硬く、OHP用紙表面の凹凸や、O
HP用紙表面に形成されたトナー像の凹凸に、加圧ベル
ト表面が十分に追従できないために、OHP用紙上のト
ナーが十分溶融できないからであると推定される。
【0018】また前記梨地状グロスムラは、トナー像の
グロスが高い場合や、用紙の光沢が高い場合(コート紙
など)に目立ちやすく、以下のようなメカニズムで発生
するものと考えられる。即ち、通常、加圧ベルト自体が
加熱されているため、及び/又は、加圧ベルトが、対向
配置された加熱ロールからの熱を受け取っているため、
当該加圧ベルト表面の温度も一定以上に保たれているこ
とが多い。それゆえ、両面印字時には、用紙の片方の面
(第1印字面)を印字した後に、用紙のもう片方の面
(第2印字面)を印字した際に、第1印字面が、一定以
上の温度に保たれた加圧ベルト表面と接触することにな
る。この際、既に加熱溶融により定着された第1印字面
のトナーが、加圧ベルト表面の熱により再溶融されて梨
地状グロスむらが発生するものと推定される。なお、か
かる再溶融の発生は加圧ベルト表面の温度等の物性や、
使用する用紙の種類、トナー等に影響されると考えられ
る。
【0019】以上に説明したことの主要点を要約する
と、表面がフッ素樹脂からなる加圧ベルトは、離型性に
優れ、用紙の伸びを抑えることができるものの、その表
面の硬度が高く、且つ弾性に乏しいために、高品位の画
像を得るには適さず、さらに、耐久性にも問題があっ
た。また、表面がフッ素ゴムからなる加圧ベルトは、耐
久性に優れ、高品位の画像が得られるものの、その表面
が粘着性を有するために、離型性の点で問題があった。
このように、加圧ベルトの材料としてフッ素樹脂、又
は、フッ素ゴム、のいずれかのみを用いた場合、離型性
と、高品位の画像を得ること及び耐久性と、の両方の特
性を両立して満足させることが困難であった。
【0020】一方、既述した公報に記載された技術のよ
うに、フッ素ゴムにフッ素樹脂微粒子を配合した材料か
らなる加圧ベルトでは、離型性と、高品位の画像を得る
こと及び耐久性と、の両方の特性を満足させることがで
きる。しかし、前記公報に記載された技術では、今後、
対応が要求される用紙の伸びや、あばら状の画像ずれの
発生を抑制することに関しては不充分であった。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記問題点
を解決することを課題とする。すなわち、本発明は、記
録物の用紙の伸びの発生と、あばら状の画像ずれの発生
とを抑えることができる電子写真用定着エンドレスベル
トおよび加熱ロール・ベルト型定着装置を提供すること
を課題とする。
【0022】
【課題を解決するための手段】上記目的は以下の本発明
により達成される。すなわち、本発明は、 <1> 少なくとも外周面に設けられた表面層が、フッ
素ゴム組成物100質量部当たり、フッ素樹脂微粒子を
50質量部を超え110質量部以下の範囲で配合したゴ
ム組成物の加硫物よりなることを特徴とする電子写真用
定着エンドレスベルトである。
【0023】<2> 前記フッ素樹脂微粒子が低分子量
四フッ化エチレン樹脂微粒子であることを特徴とする<
1>に記載の電子写真用定着エンドレスベルトである。
【0024】<3> 前記フッ素樹脂微粒子の体積平均
粒径が、0.01μm〜5μmの範囲にあることを特徴
とする請求項1又は2に記載の電子写真用定着エンドレ
スベルトである。
【0025】<4> 少なくとも表面層がフッ素ゴムを
含んでなり、該表面層の表面のコート紙に対する表面静
摩擦係数が、0.45以下であることを特徴とする電子
写真用定着エンドレスベルトである。
【0026】<5> 前記表面層の表面の十点平均粗さ
(Rz)が、0.1μm〜10μmの範囲にあることを
特徴とする<1>〜<4>のいずれか1に記載の電子写
真用定着エンドレスベルトである。
【0027】<6> 前記表面層の表面の表面グロス
が、30〜70の範囲にあることを特徴とする<1>〜
<5>いずれか1に記載の電子写真用定着エンドレスベ
ルトである。
【0028】<7> 外周面の表面マイクロゴム硬度
が、50°〜90°の範囲にあることを特徴とする<1
>〜<6>のいずれか1に記載の電子写真用定着エンド
レスベルトである。
【0029】<8> 基材の外周面に、直接、もしく
は、中間層としての耐熱弾性体層を介して、前記表面層
が形成されたものであることを特徴とする<1>〜<7
>のいずれか1に記載の電子写真用定着エンドレスベル
トである。
【0030】<9> 前記基材が、エンドレスベルト状
の耐熱性樹脂ベースフィルムよりなることを特徴とする
<8>に記載の電子写真用定着エンドレスベルトであ
る。
【0031】<10> 前記基材が、その外周面に表面
層を形成する前処理としての表面処理が施されてなるこ
とを特徴とする<8>に記載の電子写真用定着エンドレ
スベルトである。
【0032】<11> 加熱ロールと、該加熱ロールに
圧接する加圧ベルトと、を少なくとも含んでなる定着シ
ステムを有し、前記加熱ロールと加圧ベルトとの間に形
成されるニップ域に未定着トナー像を支持する支持体を
通過させ、熱および圧力によって定着を行う加熱ロール
・ベルト型定着装置であって、前記定着システムにおけ
る少なくとも加圧ベルトが、<1>〜<10>のいずれ
か1に記載の電子写真用定着エンドレスベルトからなる
ことを特徴とする加熱ロール・ベルト型定着装置であ
る。
【0033】<12> 前記加熱ロールの表面に、前記
加圧ベルトを介して付勢される加圧部材が、前記加圧部
材の周内に配置されてなり、前記加圧部材の前記加圧ベ
ルトとの当接部の形状がパッド状であることを特徴とす
る<11>に記載の加熱ロール・ベルト型定着装置であ
る。
【0034】<13> 前記加圧部材の前記加圧ベルト
との当接部ないしその近傍に、ゴム状の弾性部を含んで
なることを特徴とする<12>に記載の加熱ロール・ベ
ルト型定着装置である。
【0035】<14> ニップ時間が、0.030秒以
上であることを特徴とする<11>〜<13>のいずれ
か1に記載の加熱ロール・ベルト型定着装置である。
【0036】
【発明の実施の形態】以下、本発明を、電子写真用定着
エンドレスベルトと加熱ロール・ベルト型定着装置に大
きく分けて、詳細に説明する。
【0037】[電子写真用定着エンドレスベルト]第1の
本発明の電子写真用定着エンドレスベルト(以下、単に
「定着ベルト」と略す場合がある)は、少なくとも表面
層が、フッ素ゴム組成物100質量部当たり、フッ素樹
脂微粒子を50質量部を超え110質量部以下の範囲で
配合したゴム組成物の加硫物よりなることを特徴とす
る。一方、第2の本発明の電子写真用定着エンドレスベ
ルトは、少なくとも表面層がフッ素ゴムを含んでなり、
該表面層のコート紙に対する表面静摩擦係数が、0.4
5以下であるを特徴とする。
【0038】なお、以下の説明において、第1の本発明
の定着ベルトの表面層を「表面層(1)」、第2の本発
明の定着ベルトの表面層を「表面層(2)」と略し、第
1及び/又は第2の本発明の定着ベルトの表面層を、
「表面層(12)」と略す場合がある。また、定着ベル
トに表面層が設けられた面を「定着ベルト表面」と略す
場合がある。
【0039】(第1の本発明)第1の本発明において、
フッ素樹脂微粒子は、フッ素ゴム組成物100質量部当
たり、50質量部を超え110質量部以下の範囲で配合
されることが必須であり、55質量部〜80質量部の範
囲で配合されることがさらに好ましい。フッ素樹脂微粒
子の配合が50質量部以下の場合は、定着時に用紙の伸
びや、高密度トナー印字時に、あばら状の画像ずれが発
生するという問題が発生する場合がある。一方、110
質量部を超える場合は、フッ素ゴム組成物の主成分であ
るフッ素ゴムが本来有するゴム強度等の物理的特性が低
下することにより、伸びやゴム弾性の低下が発生し、ま
た、フッ素ゴム中へフッ素樹脂微粒子を均一に分散させ
ることが極めて困難となる。
【0040】さらに、本発明の電子写真用定着エンドレ
スベルトは、フッ素ゴム組成物に、フッ素樹脂微粒子が
配合されてなるため、既述した公報技術と同様に、勿
論、離型性と、高品位の画像を得ること、耐久性と、の
全ての特性を満足させることができる。
【0041】本発明に用いられるフッ素ゴム組成物は、
フッ素ゴムと、加硫のために用いられる一般的なゴム用
配合剤と、からなる。該フッ素ゴムは、加硫可能なフッ
素化された弾性状重合体であって、従来公知のフッ素ゴ
ムであれば如何なるものでも使用することができる。こ
のようなフッ素ゴムとしては、例えば、フッ化ビニリデ
ン−六フッ化プロピレン共重合体(VDF−HFP)、
フッ化ビニリデン−六フッ化プロピレン−四フッ化エチ
レン3元共重合体(VDF−HFP−TFE)、四フッ
化エチレンプロピレン共重合体(TFE−PP)、フッ
化ビニリデン−フォスファゼンプロピレン(VDF−P
HP)等があげられる。なお、加硫方法としては、アミ
ン加硫、ポリオール加硫、パーオキサイド加硫のいずれ
を用いてもよい。この加硫方法の加硫条件としては公知
の条件が使用される。
【0042】また、前記ゴム用配合剤としては、加硫促
進剤、加硫促進助剤、架橋助剤、加硫活性剤等として公
知の有機及び無機材料を使用することができる。これら
材料の具体例としては、酸化マグネシウム、水酸化カル
シウム、トリアリルイソシアネート等が挙げられる。こ
れらゴム用配合剤は、前記フッ素ゴム組成物に対して、
1質量%〜5質量%の範囲で配合される。
【0043】また、本発明の定着ベルトに用いるフッ素
ゴム組成物には、ゴム用充填剤または補強剤や導電化材
として知られているカーボンブラック、酸化チタン、マ
イカ、シリカ、炭酸カルシウム、クレー、タルク等の無
機化合物を必要に応じて配合することもできる。これら
無機化合物は、フッ素ゴム組成物100質量部に対し
て、0.1質量部〜5質量部の範囲で配合されることが
好ましい。
【0044】本発明において、上記のフッ素ゴム組成物
には、フッ素樹脂微粒子が配合される。このフッ素樹脂
微粒子としては、低分子量の四フッ化エチレン樹脂微粒
子が好ましい。この四フッ化エチレン樹脂微粒子は、そ
の平均分子量が質量基準で、1.0×103〜1.0×
106の範囲が好ましく、5.0×103〜5.0×10
5の範囲がより好ましい。このような分子量を有する四
フッ化エチレン樹脂微粒子は、四フッ化エチレンのポリ
マーで、ゴム、プラスチック、オイル、インク、塗料等
の表面静摩擦係数低下、耐摩耗性向上の為の添加剤とし
て使用されてきたものであり、ルブロンL−2,L−
5,L−5F(ダイキン工業社製)、MP−1100,
1200,1300,1400,1500,TLP−1
0F(三井デュポンフロロケミカル社製)等が上市され
ている。
【0045】低分子量四フッ化エチレン樹脂微粒子(以
下、「PTFE粒子」と略す場合がある)の体積平均粒
径は、0.01μm〜5μmの範囲であることが好まし
く、より好ましくは0.1μm〜3μmの範囲であり、
更に好ましくは0.1μm〜1μmの範囲である。PT
FE粒子の体積平均粒径が、0.01μm未満の場合に
は、PTFE粒子の単位質量当たりの自重に対する表面
積が大きくなり、該PTFE粒子同士が凝集しやすくな
るため、このPTFE粒子をフッ素ゴム組成物中へ添加
し、均一に分散させることが困難になる場合がある。一
方、PTFE粒子の体積平均粒径が5μmより大きい場
合には、このPTFE粒子を添加したフッ素ゴムからな
る定着ベルトの表面層が粗くなりすぎるという問題が発
生する場合がある。
【0046】また、表面層(1)の表面の十点平均粗さ
(JIS B 0601に基づき定義されるRz)は、
好ましくは0.1μm〜10μmの範囲であり、より好
ましくは0.1μm〜3μmの範囲である。十点平均粗
さ(Rz)が0.1μmより小さくなると、定着ベルト
表面が平滑すぎるために表面形状に起因した粘着力が発
生し、該定着ベルト表面と用紙の剥離性が低下する等の
問題が発生する場合がある。一方、十点平均粗さ(R
z)が10μmより大きくなると、前記定着ベルト表面
のグロスが低下し、両面印刷時の定着画像グロスが低下
するという問題が発生する場合がある。
【0047】また、表面層(1)の表面の表面グロス
は、好ましくは30〜70の範囲であり、より好ましく
40〜60の範囲である。表面グロスが、30より低く
なると、両面印刷時の定着画像グロスが低下するという
問題が発生する場合があり、70より高くなると定着ベ
ルト表面の光沢及び平滑性による表面粘着性を呈すると
いう問題が発生する場合がある。
【0048】さらに、表面層(1)が設けられた外周面
の表面マイクロゴム硬度は、好ましくは50°〜90°
の範囲であり、より好ましくは70°〜90°の範囲で
ある。表面マイクロゴム硬度が、50°より低くなる
と、定着ベルト表面の耐摩耗性が低下する等の問題が発
生する場合があり、90°より高くなると、印刷した際
に、OHPの黒ずみやコート紙のグロスムラ等の問題が
発生する場合がある。
【0049】(第2の本発明)第2の本発明において、
定着ベルトの表面層(2)の表面のコート紙に対する表
面静摩擦係数は、0.45以下が必須であり、0.4以
下が好ましい。この表面静摩擦係数が0.45よりも大
きい場合は、定着時に、ニップ域を通過するコート紙
と、定着ベルト表面と、が密着してずれないために、該
コート紙に張力が加わり、定着時に用紙の伸びや、高密
度トナー印字時に、あばら状の画像ずれが発生する。
【0050】なお、コート紙は、その他の用紙と比較し
て、その表面の平滑性及び表面静摩擦係数が最も高い。
一方、上記したように、表面層(2)の表面のコート紙
に対する表面静摩擦係数は0.45以下であるため、コ
ート紙以外の用紙を用いて定着した場合においては、勿
論、用紙の伸びの発生を防止することができる。また、
このような用紙の伸びの発生を防止できる表面層(2)
を構成する材料は、上記したように少なくともフッ素ゴ
ムを含むものであれば特に限定されないが、例えば、第
1の本発明の定着ベルトの表面層(1)を構成するゴム
組成物を用いることができる。しかし、本発明は、この
例に限定されるものではなく、表面層(2)が、その構
成材料として少なくともフッ素ゴムを含むものであれば
特に限定されない。
【0051】また、表面層(2)の表面の十点平均粗さ
(Rz)、表面グロス、及び表面マイクロゴム硬度の好
ましい値、並びにその臨界的意義は第1の本発明におけ
る表面層(1)と同様である。
【0052】(第1の本発明及び第2の本発明に共通す
る発明の実施の形態)本発明の定着ベルトは、その基材
の外周面に、直接、もしくは、中間層としての耐熱弾性
体層を介して、表面層(12)が形成されたものであ
る。前記基材の外周面に、中間層として設けられる耐熱
弾性体層としては、シリコーンゴム、フッ素ゴム等を使
用することができる。この耐熱弾性体層の厚さは、一般
に0.05mm〜2mmの範囲が好ましい。また、前記
基材の外周面に直接設けられる表面層(12)の厚み
は、10μm〜200μmの範囲が好ましく、基材の外
周面に、中間層として前記耐熱弾性体層を介して設けら
れる表面層(12)の厚みは、1μm〜300μmの範
囲が好ましい。
【0053】本発明の定着ベルトは、その基材がエンド
レスベルト状の耐熱性樹脂ベースフィルムである。前記
耐熱性樹脂ベースフィルムとしては、ポリエチレンテレ
フタレート等のポリエステル類、ポリカーボネイト類、
ポリイミド類、ポリフッ化ビニルやポリテトラフルオロ
エチレン等のフッ素系ポリマー類、ナイロン等のポリア
ミド類、ポリスチレンやポリアクリル類、ポリエチレン
やポリプロピレン類、ポリ酢酸セルロース類等のセルロ
ース変性物類、ポリサルホン類、ポリキシリレン類、ポ
リアセタール類等のシート状あるいはクロス状成形物等
を挙げることができ、更には汎用高分子シートにフッ素
系、シリコーン系、架橋性ポリマー等の耐熱樹脂層を積
層して得られた高分子複合化物を挙げることができる。
【0054】前記基材に用いるフィルムとしては、加工
性の点から上記した耐熱性樹脂ベースフィルムが好まし
い。しかしながら、基材に用いるフィルムとしては、前
記耐熱性樹脂ベースフィルム以外にも、エンドレスベル
トを張架する支持ロールや圧力ロールを巻回するのに適
した強度を有するものであれば特に限定されない。この
ような耐熱性樹脂ベースフィルム以外のフィルムとして
は、例えば、コンデンサー紙、グラシン紙等の紙類や、
セラミックス系フィルムや、ガラス繊維でクロス状に成
形したガラス繊維フィルムや、ステンレスフィルムや、
ニッケルフィルム等の金属フィルム等が挙げられる。
【0055】また、前記基材に用いるフィルムとして
は、金属フィルム、セラミックスフィルム、ガラス繊維
フィルム、前記耐熱性樹脂ベースフィルムのいずれか2
種以上を積層した複合化フィルムを用いてもよい。ま
た、前記耐熱性樹脂ベースフィルムの内部に粒状、針
状、繊維状等のカーボンブラック、グラファイトアルミ
ナ、シリコンカーバイド、ボロンナイトライド等の熱伝
導性向上剤が添加されたり、必要に応じてその内部もし
くは表面に導電化剤、帯電防止剤、剥離剤、補強剤等の
添加剤が添加された耐熱性樹脂ベースフィルムであって
もよい。
【0056】本発明の定着ベルトに用いられる基材は、
その外周面に表面層(12)を形成する前処理としての
表面処理が施されることが好ましい。この表面処理とし
ては、アルカリ処理、超音波処理、エッチング処理等の
ウエット処理や、コロナ処理、プラズマ処理、紫外線
(UV)照射処理、電子線照射処理、レーザー照射処理
等のドライ処理が挙げられる。これらの処理は単独で、
もしくは組み合わせて行なわれる。また、基材の外周面
に表面層(12)を形成する際に、前記外周面にプライ
マー処理を施すこともでき、このプライマー処理は、上
記の表面処理と組み合わせて施すこともできる。
【0057】なお、既述の如き特徴を有する第1及び第
2の本発明の電子写真用定着エンドレスベルトの表面層
は、本発明以外の電子写真用加熱ロールや加圧ロール等
の、他の電子写真用定着部品の表面層としても用いるこ
ともできる。
【0058】[加熱ロール・ベルト型定着装置]次に、本
発明の上記電子写真用定着エンドレスベルトが使用され
た本発明の加熱ロール・ベルト型定着装置について説明
する。図1は、本発明の加熱ロール・ベルト型定着装置
(以下、単に「定着装置」と略す場合がある)の一構成
例を示す模式断面図である。図1において、定着装置
は、加熱ロール1と、加熱ロール1に圧接する加圧ベル
ト(電子写真用定着エンドレスベルト)2と、を含んで
なる定着システムを有し、加熱ロール1と加圧ベルト2
と、の間にニップ域が形成されている。
【0059】当該定着装置には、図1に示すように、加
熱ロール1の表面に、加圧ベルト2を介して付勢される
加圧パッド(加圧部材)12が、加圧ベルト2の周内に
配置されている。加圧パッド12は、加圧ベルト2との
当接部の形状がパッド状であり、さらに、該当接部ない
しその近傍がゴム状の弾性部を含むものであってもよ
い。
【0060】なお、本発明において「当接部の形状がパ
ッド状」とは、加圧パッド12が、加圧ベルト2に対し
て当接する部分の形状が、加熱ロール1と加圧ロール1
1とにより張架された加圧ベルト2の内周面に隙間無く
密着する形状のことをいう。また、「当接部ないしその
近傍」という場合の近傍とは、加圧パッド12の前記当
接部に対し、弾性部により弾性を付与し得る程度の部分
を指し、一概には言えないが、好ましくは前記当接部及
び当接部から垂直方向に10mmまでの範囲の加圧パッ
ド12の部分をいう。
【0061】さらに、「当接部ないしその近傍がゴム状
の弾性部を含む」とは、当接部ないしその近傍の少なく
とも一部が弾性を有する材料から構成されることをい
う。このような加圧パッド12としては、例えば、当接
部および当接部から垂直方向に2mmの部分までがゴム
よりなる場合や、当接部および当接部から垂直方向に
0.5mmまでの部分がポリイミド等の耐熱性樹脂から
なり、当接部から垂直方向に0.5mmを超えて2mm
までの部分がゴムからなる場合などが挙げられる。ま
た、「ゴム状の弾性部」とは、シリコーンゴム、フルオ
ロシリコーンゴム、あるいはフッ素ゴム等の耐熱性ゴム
からなる。これら材料は、上記したように加圧パッド1
2の当接部ないしその近傍に層状に形成されていてもよ
く、また、前記材料と弾性を有さない材料とからなる複
合材料であってもよい。
【0062】図2は本発明の電子写真用定着エンドレス
ベルトである加圧ベルト2の層構成例を示す拡大断面図
であり、加圧ベルト2はエンドレスベルト状の基材2a
の外周面に耐熱弾性体層2bが設けられ、さらにその表
面に離型層2cが形成されている。離型層2cは、少な
くともその外周面が、既述した本発明の定着ベルトの表
面層(12)からなるものである。なお、基材2aの外
周面に、耐熱弾性体層2bを介さずに離型層2cを設け
てもよい。
【0063】加圧ベルト2の、具体的な構成としては、
80μmのポリイミド製のシームレスベルトの基材2a
の外周面に、本発明のフッ素ゴム組成物にフッ素樹脂微
粒子を配合したゴム組成物の加硫物からなる離型層2c
を設けてなるものなどが一例として挙げられる。
【0064】なお、図1に示す定着装置のその他の構成
として、加熱ロール1には、内部にヒーターランプ1d
を有する金属製中空ロール1aの表面に耐熱弾性体層1
bが設けられ、さらにその表面に離型層1cが設けられ
ている。また、加圧ベルト2は、2本の支持ロール10
と1本の加圧ロール11とにより張架されている。さら
に、支持ロール10は内部にヒーターランプ等の加熱源
2dを有する。
【0065】また、加熱ロール1の周りには、その回転
方向(矢印A方向)に順に、加熱ロール1表面をクリー
ニングするためのクリーニング装置6、ロールを表面か
ら加熱するための外部加熱装置7、離型剤オイルを塗布
するための離型剤塗布装置5、ロール表面の温度を制御
するための温度センサー9、定着後の用紙を剥離するた
めの剥離爪8が設けられている。
【0066】次に、図1に示す本発明の加熱ロール・ベ
ルト型定着装置を用いた定着処理について説明する。ま
ず、未定着トナー像4を支持する記録シート(支持体)
3が、図1の紙面上右側から、不図示の搬送手段及び加
圧ベルト2により搬送されて、加熱ロール1と加圧ベル
ト2とが圧接して形成されたニップ域に挿通される。こ
の際、記録シート3の未定着トナー像4が形成された面
と、加熱ロール1の表面と、が向き合うように、記録シ
ート3が挿通される。
【0067】前記ニップ域を記録シート3が通過した際
に、熱および圧力が記録シート3に加えられることによ
り、未定着トナー像4が、記録シート3に定着される。
定着後の記録シート3は、ニップ域を通過後、図1の紙
面上左側へ搬送され、剥離爪8より加熱ロール1から剥
離され、加熱ロール・ベルト型定着装置から排出され
る。
【0068】かかる定着処理において、記録シート3表
面の特定の点がニップ域を通過するのに要する時間(ニ
ップ時間)としては、0.030秒以上であることが望
ましい。このニップ時間が0.030秒よりも小さい場
合、良好なトナー定着性と、紙シワやカール等の発生防
止との両立が困難となるため、定着処理時の温度を大き
くする必要があり、各種部品の耐久性の低下を招く場合
がある。なお、ニップ時間の上限は特に限定されるもの
ではないが、実用的な定着処理能力を確保するために
は、0.5秒以下であることが望ましい。
【0069】
【実施例】以下に本発明を実施例を挙げてより具体的に
説明する。但し、本発明は以下の実施例に限定されるも
のではない。なお、実施例は、ゴム組成物の諸物性評
価、ゴム組成物の諸物性測定方法、記録物及び定着
時の諸特性評価、記録物及び定着時の諸特性評価方
法、の4つに大きく分けて説明する。
【0070】[ゴム組成物の諸物性評価]まず、実施例お
よび比較例に用いたゴム組成物の材料について説明す
る。表1及び表2は、実施例1〜6及び比較例1〜4に
用いたゴム組成物の組成比と、このゴム組成物を基材の
表面に形成しベルト状サンプルとした時の膜厚を示した
ものである。
【0071】表1及び表2に示したように、実施例1〜
6及び比較例1〜2のフッ素ゴム組成物は、フッ素ゴム
(ポリオール加硫タイプG−702、ダイキン工業社
製)95質量部に対して、ゴム用配合剤(酸化マグネシ
ウム、協和化学工業社製)を5質量部配合したものを用
いた。さらに、実施例1〜5及び比較例1のフッ素ゴム
組成物には、フッ素樹脂微粒子(PTFE粒子)とし
て、ルブロンL−5F(ダイキン工業製)を配合した。
【0072】一方、比較例3においては、フッ素樹脂水
性塗料(710CL、三井デュポンフロロケミカル製)
を使用し、比較例4においては、フッ素樹脂配合フッ素
ゴム水性塗料(ダイエルGLS−223、ダイキン工業
製)を使用した。
【0073】ゴム組成物の組成は、前記フッ素ゴム組成
物100質量部当たり、前記PTFE粒子を各々、51
質量部、63質量部、80質量部、100質量部および
30質量部の割合で配合したゴム組成物を各々、組成
A、組成B、組成C、組成Dおよび組成Eとし、一方、
前記フッ素ゴム組成物に前記PTFE粒子を配合しなか
ったゴム組成物を組成Fとした。また、前記フッ素樹脂
水性塗料のみから形成されたゴム組成物を組成G、前記
フッ素樹脂配合フッ素ゴム水性塗料のみから形成された
ゴム組成物を組成Hとした。
【0074】上記の如き材料を用いて得られた、実施例
1〜6及び比較例1〜4のゴム組成物の諸物性を評価す
るために、下記に説明する手順にて、該ゴム組成物の膜
をポリイミド製のベルト状あるいはシート状の基材表面
に形成しサンプルを作製した。まず、組成A、B、C、
D、E及びFからなるゴム組成物を各々、ポリイミドベ
ルト表面に180μmの厚みにコーティングし、230
℃で3時間、焼き付けを行うことにより各々、実施例
1、実施例2、実施例3、実施例4、比較例1及び比較
例2のサンプルを得た。また、実施例2と同じ組成Bか
らなるゴム組成物を、ポリイミドベルトサンプル表面に
各々120μm及び15μmの厚みにコーティングし、
230℃で3時間、焼き付けを行うことにより、各々実
施例5及び実施例6のサンプルを得た。
【0075】一方、組成Gのゴム組成物を、ポリイミド
ベルト表面に30μmの厚みにコートし、350℃で
0.5時間焼き付けを行い、シームレスベルト状のサン
プルを作製し、これを比較例3のサンプルとした。ま
た、組成Hのフッ素ゴムとフッ素樹脂との混合物からな
るゴム組成物を、ポリイミドベルト表面に60μmの厚
みにコートし、350℃で0.5時間焼き付けを行いシ
ート状のサンプルを作製し、これを比較例4のサンプル
とした。
【0076】上記の如く得られた実施例1〜6及び比較
例1〜4のゴム組成物のサンプルは、その表面につい
て、表面静摩擦係数(コート紙に対する)、表面微小硬
度、十点平均粗さ(Rz)、表面グロス、純水に対する
接触角を測定した。これらの測定結果を表3及び4に示
す。なお、これら測定方法については後述する。
【0077】次に、実施例1〜6及び比較例1〜4のゴ
ム組成物のサンプル表面の諸物性を、該ゴム組成物の組
成や膜厚に対して、下記の如く比較検討した。実施例1
〜4、比較例1、2は、ゴム組成物の膜厚を180μm
の一定値とし、フッ素ゴム組成物に対するPTFE粒子
の配合量を変化させた事例(1)である。事例(1)に
おいて、実施例1〜4は、比較例1及び2と比較して、
表面微小硬度が増加し、表面マイクロゴム硬度も若干増
加する一方で、表面静摩擦係数(対コート紙)が顕著に
低下していることが判る。これは、比較例1及び2より
も実施例1〜4の方が、フッ素ゴムよりも低粘着性で硬
度の大きいPTFE粒子をフッ素ゴム組成物に対して多
く配合されているためであると考えられる。
【0078】また、実施例2、5、6は、同一の組成B
からなるゴム組成物の膜厚を、180μm、120μ
m、15μmと、変化させた事例(2)である。事例
(2)では、膜厚の減少に伴い、表面マイクロゴム硬度
及び表面微小硬度が膜厚の最も薄い実施例6で顕著に増
加しているものの、表面静摩擦係数等の他の物性値はい
ずれもほぼ同等である。実施例6における表面マイクロ
ゴム硬度及び表面微小硬度の増加は、ゴム組成物の膜厚
が薄いために、基材の硬さが強く反映されたものと推定
される。
【0079】一方、比較例3、及び、実施例6は、前者
がフッ素樹脂塗料からなるゴム組成物であるのに対し、
後者はフッ素ゴム組成物にPTFE粒子を配合したゴム
組成物からなり、前者及び後者のゴム組成物の組成が根
本的に大きく異なる事例(3)である。事例(3)で
は、表面静摩擦係数(対コート紙)は同等であるもの
の、表面微小硬度及び表面マイクロゴム硬度は、実施例
6よりも比較例3の方が顕著に高いことが判る。また、
表面微小硬度および表面マイクロゴム硬度の値が、膜厚
が薄いために基材の硬さの影響を受けていると推定され
る実施例6の膜厚(15μm)よりも、比較例3の膜厚
(30μm)の方が2倍厚い。これらのことから、フッ
素ゴム組成物にPTFE粒子を配合したゴム組成物(実
施例6)よりも、フッ素樹脂塗料からなるゴム組成物
(比較例3)の方が、実質上は膜の硬度が大きいことが
容易に推測される。
【0080】さらに、比較例4、及び、実施例1〜6
は、前者及び後者のゴム組成物が、フッ素ゴムとフッ素
樹脂からなるという点で同じであるものの、前者及び後
者の出発原料としてのフッ素樹脂が、単にフッ素ゴムと
混合しているか、あるいは粒子としてフッ素ゴム中に分
散しているかという点が異なる事例(4)である。事例
(4)では、表面摩擦係数は、実施例1〜6よりも比較
例4の方が低い。これは、比較例4では、基材表面に塗
布したフッ素樹脂配合フッ素ゴム水性塗料を焼成してフ
ッ素ゴムとフッ素樹脂の混合物からなる膜を形成した際
に、相分離が起こり、この膜の表面に厚みが数μmの低
粘着性のフッ素樹脂のみからなる薄い膜が形成されるた
めである。一方、実施例1〜6は、粘着性を有するフッ
素ゴム組成物に低粘着性のフッ素樹脂微粒子が均一に分
散しているため、比較例3よりも表面摩擦係数が若干高
くなるものと考えられる。
【0081】また、比較例4に対して、表面微小硬度が
実施例1〜6よりも大きく、表面マイクロゴム硬度が実
施例1〜5よりも大きい。これは、以下に説明する第1
の原因及び/又は第2の原因が寄与していると考えられ
る。第1の原因としては、比較例4で用いたゴム組成物
は、その材料の特性上、塗布厚みは、最大でも60μm
であり、それ以上とすることは困難であり、十分な膜厚
が得られない。このため、表面微小硬度及び表面マイク
ロゴム硬度は、膜厚が180μmあるいは120μmで
ある実施例1〜5と比較すると、膜厚が60μmである
比較例4では基材の硬さの影響を受けており、その測定
値が見かけ上大きくなっている可能性があると考えられ
る。
【0082】また、第2の原因としては、上記したよう
に比較例4のサンプルの表面にはフッ素ゴムよりも硬度
の高いフッ素樹脂層が形成されているためであると考え
られる。なお、比較例4に対して実施例6では、その表
面マイクロゴム硬度が同等かそれ以上であるが、これ
は、比較例4の膜厚が60μmであるのに対し、実施例
6の膜厚が15μmであるため、基材の硬さの影響をよ
り強く受けているためであると考えられる。
【0083】上記の比較検討結果は、実施例1〜6のゴ
ム組成物の加硫物からなる離型層2cを有する定着ベル
トを用いた定着装置では、記録物の用紙の伸び及び高密
度画像印字時のあばら状画像ずれを抑えることができる
と共に、両面印刷時の微小グロスむら、また、記録シー
トとしてOHP用紙を用いた場合の画像むらやエッジ部
黒ずみの発生や、さらに、定着ベルト自体の摩耗の発生
も、防止ないしは改善しうることを示している。
【0084】[ゴム組成物の諸物性測定方法]上記したゴ
ム組成物の諸物性測定方法を以下に詳述する。 (1)表面静摩擦係数測定 表面静摩擦係数の測定には、新東科学(株)製表面静摩
擦係数測定機HEIDONを使用した。測定は、固定し
たサンプル表面に、コピー用紙(Color Xpre
ssion Gloss Coated Text、坪
量120g/m2、ゼロックスコーポレーション製両面
コート紙)を面接触させた状態で、このコピー用紙に荷
重150gをかけた状態(幅30mm、NIP幅1.9
mm)で、このコピー用紙を移動スピード5mm/se
cの条件でサンプル表面を摺動させて、この時の静表面
静摩擦係数を測定した。
【0085】(2)表面微小硬度測定 表面微小硬度の測定には島津製作所(株)製表面微小硬
度計を使用した。測定は、サンプル表面に三角すい圧子
(圧子先端の角度は115°)を1.5mNの荷重で押
し込み、この状態で10sec保持した際の押し込み深
さ(μm)を測定した。
【0086】(3)十点平均粗さ(Rz)測定 サンプル表面の十点平均粗さ(Rz)の測定には、東京
精密(株)製表面粗さ測定機(型番:575A)を使用
した。測定は、サンプル表面に測定子を荷重0.07g
で接触させ、トラバーススピード0.03mm/sec
で2.5mm移動させて実施し、測定倍率を水平方向×
50,垂直方向×5000に設定して、十点平均粗さR
zを求めた。
【0087】(4)表面グロス測定 サンプル表面の表面グロスの測定には、Gardner
(株)製マイクログロスメーターを使用した。測定は、
サンプル表面にマイクログロスメーターを密着させ、入
射/反射角:75°/75°の条件で測定した。
【0088】(5)表面接触角測定 表面接触角の測定には、協和界面科学(株)製表面接触
角測定機を使用した。具体的には、サンプル表面にイオ
ン交換水の水滴を滴下し、その水滴とサンプル表面との
なす接触角を測定した。
【0089】(6)表面マイクロゴム硬度 表面マイクロゴム硬度の測定には、高分子計器(株)製
の表面マイクロゴム硬度計MD−1を使用した。測定
は、サンプル表面に圧子(直径:0.16mm、高さ:
0.5mmの円柱形圧子)を押し込み時間5秒で押し込
みを行うことにより実施し、この測定を、1サンプル当
り5回繰り返し、5回測定して得られた値の平均値を表
3及び表4に示す表面マイクロゴム硬度の値とした。
【0090】[記録物及び定着時の諸特性評価]上記した
ゴム組成物を用いた電子写真用定着エンドレスベルトを
作製し、これを用いて、図1に示す構成を有する加熱ロ
ール・ベルト型定着装置を作製した。次に、予め定着装
置を取り外した画像形成装置(Color Docut
ech60、富士ゼロックス株式会社製)を用いて、未
定着トナー像4がその表面に形成されたコート紙及びO
HP用紙(記録シート3)を準備し、このコート紙及び
OHP用紙を用いて前記定着装置により定着処理を行っ
た。
【0091】定着処理により得られた記録物は、コート
紙については、用紙の伸び、微小グロスムラ、あばら状
画像ずれ、定着画像の摩耗跡について評価し、OHP用
紙については、画像むら、エッジ部黒ずみ、画像透過率
について評価した。また、定着処理時の用紙剥離不良及
び、加圧ベルト2の摩耗・亀裂についても評価した。こ
れらの評価結果を表5及び表6に示す。なお、表5及び
表6に示すこれら諸特性の評価方法については後述す
る。
【0092】(実施例1−1)加熱ロール1として、長
さ348mm、直径59mmφの金属製中空ロール1a
に高熱伝導性のシリコーンゴムよりなる耐熱弾性体層1
b(JIS Aに基づき測定されたゴム硬度:33°)
を3mmの厚さに形成した下地ロールの表面に、組成F
のゴム組成物を30μmの厚みにコーティングし、23
0℃で3時間焼き付けを行うことにより、離型層1cを
形成したものを用いた。加圧ベルト2として、厚さ75
μm、周長213.3mmのポリイミド製エンドレスベ
ルト状の基材2a外周面に、実施例1のサンプルと同様
に、組成Aのゴム組成物を180μmの厚みにコーティ
ングし、230℃で3時間焼き付けを行うことにより、
離型層2cを形成したものを用いた。
【0093】加圧パッド12として、金属製の台座上
に、パッド状の弾性部としてシリコーンゴム(JIS
Aに基づき測定されたゴム硬度:30°)を、加熱ロー
ル1の形状に沿う様に幅15mmに形成したものを用い
た。また、加熱源1dとして800Wのハロゲンランプ
を、加熱源2dとして250Wのハロゲンランプを用
い、その他の部材については、市販の複写機(Colo
r Docutech 60、富士ゼロックス株式会社
製)に用いられている定着装置の部材を用い、図1と同
様の構成を有する定着装置を作製した。
【0094】この定着装置は定着時に、加熱ロール1及
び加圧ロール11の表面温度を、それぞれ170℃及び
120℃、定着スピードを264mm/sec、加圧パ
ッド12でのニップ域の幅(加圧パッド12の付勢によ
り加圧ベルト2が加熱ロール1と当接する幅)を10m
m、加圧ロール11でのニップ域の幅(加圧ロール11
の付勢により加圧ベルト2が加熱ロール1と当接する
幅)を4mm、となるように設定した(総ニップ幅14
mm、ニップ時間0.053秒)。また、定着時には、
離型剤塗布装置5により、加熱ロール1表面に離型剤オ
イル(富士ゼロックス株式会社製、カラーフューザーオ
イル:W418)を、A4サイズの面積当たり1.5μ
lの割合で供給した。
【0095】また、定着処理に用いた記録シート3とし
ては、予め未定着トナー像4が片面に形成されたコート
紙及びOHP用紙を用いた。前記トナーとしては、富士
ゼロックス株式会社製レスオイル用カラートナー(シア
ン色:CT200010)を使用し、前記コート紙とし
て、サイズが279mm×432mm(11inch×
17inch)の富士ゼロックス社製の両面コート紙
(Color Xpression Gloss Co
ated Text、坪量120g/m2)、前記OH
P用紙として、サイズが210mm×297mmの富士
ゼロックス社製のOHP用紙(V556)を用い、それ
ぞれ20000枚の定着テストを行った。なお、前記コ
ート紙及びOHP用紙上に形成された、未定着トナー像
4のトナー密度は1.5mg/cm2であった。また、
各記録シートは横方向にして定着装置に挿通させた。
【0096】定着処理は、上記の如く構成された定着装
置の加熱ロール1と加圧ベルト2とにより形成されるニ
ップ域に、前記未定着トナー像4が予め形成された記録
シート3(コート紙あるいはOHP用紙)を挿通させた
際に、熱および圧力によってトナー像を定着することに
より実施した。このような定着処理により得られた記録
物について、その定着状態や用紙の伸び量等の、定着時
及び記録物の諸特性を評価した。
【0097】その結果、20000枚の定着テスト中、
加圧ベルト2表面からの用紙剥離不良トラブルは1度も
発生しなかった。記録シートの伸びは、コート紙におい
て、最大1.9mmであった。また、画質劣化の原因で
ある両面印字時の微小グロスムラや高密度画像印字時の
あばら状画像ずれ、OHP用紙での画像むらやエッジ部
黒ずみは認められず、高品位の画像を得ることができ
た。さらに、この定着テスト後でも加圧ベルト2に摩耗
は認められなかった。
【0098】(実施例2−1)加熱ロール1として、長
さ348mm、直径59mmφの金属製中空ロール1a
に高熱伝導性のシリコーンゴムよりなる耐熱弾性体層1
b(JIS Aに基づき測定されたゴム硬度:33°)
を3mmの厚さに形成した下地ロールの表面に、組成F
のゴム組成物を30μmの厚みにコーティングし、23
0℃で3時間焼き付けを行うことにより、離型層1cを
形成したものを用いた。加圧ベルト2として、厚さ75
μm、周長213.3mmのポリイミド製エンドレスベ
ルト状の基材2a外周面に、実施例2のサンプルと同様
に、組成Bのゴム組成物を180μmの厚みにコーティ
ングし、230℃で3時間焼き付けを行うことにより、
離型層2cを形成したものを用いた。
【0099】上記の如く作製した加熱ロール1及び加圧
ベルト2を用いて、これら以外は実施例1−1と同様の
構成を有する定着装置を作製した。次に、この定着装置
を用いて、実施例1−1と同様の定着処理を行い、定着
時及び定着により得られた記録物の諸特性を評価した。
【0100】その結果、20000枚の定着テスト中、
加圧ベルト2表面からの用紙剥離不良トラブルは1度も
発生しなかった。記録シートの伸びは、コート紙におい
て、最大1.7mmであった。また、画質劣化の原因で
ある両面印字時の微小グロスムラや高密度画像印字時の
あばら状画像ずれ、OHP用紙での画像むらやエッジ部
黒ずみは認められず、高品位の画像を得ることができ
た。さらに、この定着テスト後でも加圧ベルト2に摩耗
は認められなかった。
【0101】(実施例3−1)加熱ロール1として、長
さ348mm、直径59mmφの金属製中空ロール1a
に高熱伝導性のシリコーンゴムよりなる耐熱弾性体層1
b(JIS Aに基づき測定されたゴム硬度:33°)
を3mmの厚さに形成した下地ロールの表面に、組成F
のゴム組成物を30μmの厚みにコーティングし、23
0℃で3時間焼き付けを行うことにより、離型層1cを
形成したものを用いた。加圧ベルト2として、厚さ75
μm、周長213.3mmのポリイミド製エンドレスベ
ルト状の基材2a外周面に、実施例3のサンプルと同様
に、組成Cのゴム組成物を180μmの厚みにコーティ
ングし、230℃で3時間焼き付けを行うことにより、
離型層2cを形成したものを用いた。
【0102】上記の如く作製した加熱ロール1及び加圧
ベルト2を用いて、これら以外は実施例1−1と同様の
構成を有する定着装置を作製した。次に、この定着装置
を用いて、実施例1−1と同様の定着処理を行い、定着
時及び定着により得られた記録物の諸特性を評価した。
【0103】その結果、20000枚の定着テスト中、
加圧ベルト2表面からの用紙剥離不良トラブルは1度も
発生しなかった。記録シートの伸びは、コート紙におい
て、最大1.5mmであった。また、画質劣化の原因で
ある両面印字時の微小グロスムラや高密度画像印字時の
あばら状画像ずれ、OHP用紙での画像むらやエッジ部
黒ずみは認められず、高品位の画像を得ることができ
た。さらに、この定着テスト後でも加圧ベルト2に摩耗
は認められなかった。
【0104】(実施例4−1)加熱ロール1として、長
さ348mm、直径59mmφの金属製中空ロール1a
に高熱伝導性のシリコーンゴムよりなる耐熱弾性体層1
b(JIS Aに基づき測定されたゴム硬度:33°)
を3mmの厚さに形成した下地ロールの表面に、組成F
のゴム組成物を30μmの厚みにコーティングし、23
0℃で3時間焼き付けを行うことにより、離型層1cを
形成したものを用いた。加圧ベルト2として、厚さ75
μm、周長213.3mmのポリイミド製エンドレスベ
ルト状の基材2a外周面に、実施例4のサンプルと同様
に、組成Dのゴム組成物を180μmの厚みにコーティ
ングし、230℃で3時間焼き付けを行うことにより、
離型層2cを形成したものを用いた。
【0105】上記の如く作製した加熱ロール1及び加圧
ベルト2を用いて、これら以外は実施例1−1と同様の
構成を有する定着装置を作製した。次に、この定着装置
を用いて、実施例1−1と同様の定着処理を行い、定着
時及び定着により得られた記録物の諸特性を評価した。
【0106】その結果、20000枚の定着テスト中、
加圧ベルト2表面からの用紙剥離不良トラブルは1度も
発生しなかった。記録シートの伸びは、コート紙におい
て、最大1.4mmであった。また、画質劣化の原因で
ある両面印字時の微小グロスムラは若干発生するものの
実用上問題とならない許容範囲内であり、高密度画像印
字時のあばら状画像ずれ、OHP用紙での画像むらやエ
ッジ部黒ずみは認められず、高品位の画像を得ることが
できた。さらに、この定着テスト後でも加圧ベルト2に
摩耗は認められなかった。
【0107】(実施例5−1)加熱ロール1として、長
さ348mm、直径59mmφの金属製中空ロール1a
に高熱伝導性のシリコーンゴムよりなる耐熱弾性体層1
b(JIS Aに基づき測定されたゴム硬度:33°)
を3mmの厚さに形成した下地ロールの表面に、組成F
のゴム組成物を30μmの厚みにコーティングし、23
0℃で3時間焼き付けを行うことにより、離型層1cを
形成したものを用いた。加圧ベルト2として、厚さ75
μm、周長213.3mmのポリイミド製エンドレスベ
ルト状の基材2a外周面に、実施例5のサンプルと同様
に、組成Bのゴム組成物を120μmの厚みにコーティ
ングし、230℃で3時間焼き付けを行うことにより、
離型層2cを形成したものを用いた。
【0108】上記の如く作製した加熱ロール1及び加圧
ベルト2を用いて、これら以外は実施例1−1と同様の
構成を有する定着装置を作製した。次に、この定着装置
を用いて、実施例1−1と同様の定着処理を行い、定着
時及び定着により得られた記録物の諸特性を評価した。
【0109】その結果、20000枚の定着テスト中、
加圧ベルト2表面からの用紙剥離不良トラブルは1度も
発生しなかった。記録シートの伸びは、コート紙におい
て、最大1.7mmであった。また、画質劣化の原因で
ある両面印字時の微小グロスムラは若干発生するものの
実用上問題とならない許容範囲内であり、高密度画像印
字時のあばら状画像ずれ、OHP用紙での画像むらやエ
ッジ部黒ずみは認められず、高品位の画像を得ることが
できた。さらに、この定着テスト後でも加圧ベルト2に
摩耗は認められなかった。
【0110】(比較例1−1)加圧ベルト2として、厚
さ75μm、周長213.3mmのポリイミド製エンド
レスベルト状の基材2a外周面に、比較例1のサンプル
と同様に、組成Eのゴム組成物を180μmの厚みにコ
ーティングし、230℃で3時間焼き付けを行うことに
より、離型層2cを形成したものを用いた。
【0111】上記の如く作製した加圧ベルト2を用い
て、これら以外は実施例1−1と同様の構成を有する定
着装置を作製した。次に、この定着装置を用いて、実施
例1−1と同様の定着処理を行い、定着時及び定着によ
り得られた記録物の諸特性を評価した。
【0112】その結果、20000枚の定着テスト中、
加圧ベルト2表面からの用紙剥離不良トラブルは1度も
発生しなかった。記録シートの伸びは、コート紙におい
て、最大3.0mmであり、実用上問題となる大きさで
あった。一方、画質劣化の原因である両面印字時の微小
グロスムラは発生しなかったが、高密度画像印字時のあ
ばら状画像ずれが発生した。
【0113】なお、既述した事例(1)における実施例
1〜4、比較例1、比較例2のベルト状ゴム組成物の表
面の物性(及びゴム組成物の組成)変化と、実施例1−
1〜実施例1−4、比較例1−1において評価した定着
時及び記録物の諸特性、を比較すると、表面静摩擦係数
の増加(及びフッ素ゴム組成物に対するPTFE粒子の
配合量の減少)が、用紙の伸び量の増加や、画像ずれ模
様等の画質の劣化との相関がみられた。
【0114】このため、比較例1−1において、離型層
2cのみが、比較例2と同様に、組成Fのゴム組成物を
180μmの厚みにコーティングしてなる加圧ベルト2
であることを除いて同様な構成を有する定着装置によ
り、同様のテストを実施しても用紙の伸び量が比較例1
−1よりも更に増加することが十分に予測される。この
ため、前記定着装置による定着テストは実施しなかっ
た。
【0115】(比較例3−1)加圧ベルト2として、厚
さ75μm、周長213.3mmのポリイミド製エンド
レスベルト状の基材2a外周面に、比較例3のサンプル
と同様に、組成Gのゴム組成物を30μmの厚みにコー
ティングし、350℃で0.5時間焼き付けを行うこと
により、離型層2cを形成したものを用いた。
【0116】上記の如く作製した加圧ベルト2を用い
て、これら以外は実施例1−1と同様の構成を有する定
着装置を作製した。次に、この定着装置を用いて、実施
例1−1と同様の定着処理を行い、定着時及び定着によ
り得られた記録物の諸特性を評価した。
【0117】その結果、20000枚の定着テスト中、
加圧ベルト2表面からの用紙剥離不良トラブルは1度も
発生しなかった。記録シートの伸びは、コート紙におい
て、最大1.2mmであった。一方、画質劣化の原因で
ある両面印字時の微小グロスムラが若干発生し、高密度
画像印字時のあばら状画像ずれも発生した。さらに、O
HP用紙での画像透過率が低下し、エッジ部黒ずみも発
生した。このため、高品位の画像を得るには不充分であ
った。また、この定着テスト後の加圧ベルト2の表面
は、剥離爪接触部に摩耗が発生すると共に、コート紙を
用いて得られた記録物の画像にも摩耗跡が発生した。
【0118】(比較例4−1)加圧ベルト2として、厚
さ75μm、周長213.3mmのポリイミド製エンド
レスベルト状の基材2a外周面に、比較例4のサンプル
と同様に、組成Hのゴム組成物を60μmの厚みにコー
ティングし、350℃で0.5時間焼き付けを行うこと
により、離型層2cを形成したものを用いた。
【0119】上記の如く作製した加圧ベルト2を用い
て、これら以外は実施例1−1と同様の構成を有する定
着装置を作製した。次に、この定着装置を用いて、実施
例1−1と同様の定着処理を行い、定着時及び定着によ
り得られた記録物の諸特性を評価した。
【0120】その結果、定着テスト開始後、200枚目
で加圧ベルト2表面のベルト軸方向に亀裂模様が発生
し、加圧ベルト2の耐久性に問題が認められた。また、
画質劣化の原因である両面印字時の微小グロスムラも発
生した。
【0121】[記録物及び定着時の諸特性評価方法] 1)コート紙を定着して得られた記録物の諸特性評価方
法 (用紙の伸び)紙送り方向と用紙の長手方向とが平行に
なるように定着処理後の両面コート紙(Color X
pression Gloss Coated Tex
t、坪量120g/m2)の、紙送り方向(長手方向)
の用紙の伸び量を測定した。なお、この用紙の伸び量が
2mm以上である場合を、実用上問題となるレベルであ
ると判断した。
【0122】(微小グロスムラ)ベタ黒画像が形成され
た定着処理後のコート紙を、十分に明るい室内にて、画
像より約30cm離れたところから目視を行い、比較見
本サンプルとの比較によりグロスムラの発生の有無およ
び発生の程度を確認した。なお、グロスムラの発生の程
度は、一目でグロスムラの発生が確認できるレベルを
「発生」とし、前記コート紙のベタ黒画像が形成された
面を光源に反射させることによりグロスムラの発生が確
認できるレベルを「若干発生」とした。
【0123】(あばら状画像ずれ)A3サイズのOK
TOPコート紙(王子製紙社製、坪量127.9g/m
2)の片面に、ハーフトーン単色黒(50%濃度)画像
を印字し、目視により印字面にアバラ模様が発生してい
るかどうかを確認した。
【0124】(定着画像の摩耗跡)A3サイズのJ紙
(富士ゼロックス社製)を両面印字(印字画像は単色黒
(70%濃度))し、目視にて印字面を観察することに
より、印字画像に摩耗跡が発生しているかどうかを確認
した。
【0125】2)OHP用紙を定着して得られた記録物
の諸特性評価方法 (画像むら、エッジ部黒ずみ及び画像透過率)シアン、
マゼンタ及びイエローの各色毎に20mm×20mmの
ベタ画像を各々形成したOHP用紙(V556)をOH
P機にてスクリーンに投影し、この投影像を3m離れて
目視することにより、画像むら及びエッジ部黒ずみ発生
の有無と、ベタ画像部が投影された部分の光の透過率が
低下しているかどうかを確認した。
【0126】3)定着処理時の諸特性評価 (用紙剥離不良)A4サイズのS紙(富士ゼロックス社
製)を、この用紙の短辺方向を用紙送り方向と平行にし
て給紙し、シアン、マゼンタ及びイエロー(各色の濃度
100%)の全面ベタ画像を印字させた際に、前記用紙
が加熱ロール1及び/又は加圧ベルト2に対する前記用
紙の巻付きが発生するかどうかを確認した。
【0127】(加圧ベルトの摩耗・亀裂)両面コート紙
(Color Xpression Gloss Co
atedText、坪量120g/m2)の両面に、単
色黒(70%濃度)の全面黒ベタ画像を全面印字し、加
圧ベルトの摩耗及び亀裂に起因する、画像面の部分的な
色濃度の低下及び亀裂模様の発生の有無を確認した。
【0128】
【表1】
【0129】
【表2】
【0130】
【表3】
【0131】
【表4】
【0132】
【表5】
【0133】
【表6】
【0134】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、記録物の
用紙の伸びの発生と、あばら状の画像ずれの発生とを抑
えることができる電子写真用定着エンドレスベルトおよ
び加熱ロール・ベルト型定着装置を提供することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の加熱ロール・ベルト型定着装置の一
構成例を示す模式断面図である。
【図2】 本発明の図1に図示する加熱ロール・ベルト
型定着装置に用いられる加圧ベルトの層構成例を示す拡
大断面図である。
【符号の説明】
1 加熱ロール 1a 金属製中空ロール 1b 耐熱弾性体層 1c 離型層 1d 加熱源 2 加圧ベルト(電子写真定着用エンドレスベルト) 2a 基材 2b 耐熱弾性体層 2c 離型層 2d 加熱源 3 記録シート(支持体) 4 未定着トナー像 5 離型剤塗布装置 6 クリーニング装置 7 外部加熱装置 8 剥離爪 9 温度センサー 10 支持ロール 11 加圧ロール 12 加圧パッド
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H033 AA02 AA06 AA10 AA26 BA11 BA12 BA26 BA27 BA43 BB01 BB18 BB28 BB33 BB34

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも外周面に設けられた表面層
    が、フッ素ゴム組成物100質量部当たり、フッ素樹脂
    微粒子を50質量部を超え110質量部以下の範囲で配
    合したゴム組成物の加硫物よりなることを特徴とする電
    子写真用定着エンドレスベルト。
  2. 【請求項2】 前記フッ素樹脂微粒子が低分子量四フッ
    化エチレン樹脂微粒子であることを特徴とする請求項1
    に記載の電子写真用定着エンドレスベルト。
  3. 【請求項3】 前記フッ素樹脂微粒子の体積平均粒径
    が、0.01μm〜5μmの範囲にあることを特徴とす
    る請求項1又は2に記載の電子写真用定着エンドレスベ
    ルト。
  4. 【請求項4】 少なくとも表面層がフッ素ゴムを含んで
    なり、該表面層の表面のコート紙に対する表面静摩擦係
    数が、0.45以下であることを特徴とする電子写真用
    定着エンドレスベルト。
  5. 【請求項5】 前記表面層の表面の十点平均粗さ(R
    z)が、0.1μm〜10μmの範囲にあることを特徴
    とする請求項1〜4のいずれか1に記載の電子写真用定
    着エンドレスベルト。
  6. 【請求項6】 前記表面層の表面の表面グロスが、30
    〜70の範囲にあることを特徴とする請求項1〜5のい
    ずれか1に記載の電子写真用定着エンドレスベルト。
  7. 【請求項7】 外周面の表面マイクロゴム硬度が、50
    °〜90°の範囲にあることを特徴とする請求項1〜6
    のいずれか1に記載の電子写真用定着エンドレスベル
    ト。
  8. 【請求項8】 基材の外周面に、直接、もしくは、中間
    層としての耐熱弾性体層を介して、前記表面層が形成さ
    れたものであることを特徴とする請求項1〜7のいずれ
    か1に記載の電子写真用定着エンドレスベルト。
  9. 【請求項9】 前記基材が、エンドレスベルト状の耐熱
    性樹脂ベースフィルムよりなることを特徴とする請求項
    8に記載の電子写真用定着エンドレスベルト。
  10. 【請求項10】 前記基材が、その外周面に表面層を形
    成する前処理としての表面処理が施されてなることを特
    徴とする請求項8に記載の電子写真用定着エンドレスベ
    ルト。
  11. 【請求項11】 加熱ロールと、該加熱ロールに圧接す
    る加圧ベルトと、を少なくとも含んでなる定着システム
    を有し、前記加熱ロールと加圧ベルトとの間に形成され
    るニップ域に未定着トナー像を支持する支持体を通過さ
    せ、熱および圧力によって定着を行う加熱ロール・ベル
    ト型定着装置であって、 前記定着システムにおける少なくとも加圧ベルトが、請
    求項1〜10のいずれか1に記載の電子写真用定着エン
    ドレスベルトからなることを特徴とする加熱ロール・ベ
    ルト型定着装置。
  12. 【請求項12】 前記加熱ロールの表面に、前記加圧ベ
    ルトを介して付勢される加圧部材が、前記加圧ベルトの
    周内に配置されてなり、 前記加圧部材の前記加圧ベルトとの当接部の形状がパッ
    ド状であることを特徴とする請求項11に記載の加熱ロ
    ール・ベルト型定着装置。
  13. 【請求項13】 前記加圧部材の前記加圧ベルトとの当
    接部ないしその近傍に、ゴム状の弾性部を含んでなるこ
    とを特徴とする請求項12に記載の加熱ロール・ベルト
    型定着装置。
  14. 【請求項14】 ニップ時間が、0.030秒以上であ
    ることを特徴とする請求項11〜13のいずれか1に記
    載の加熱ロール・ベルト型定着装置。
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